JP2008281672A - 光学装置、照明装置および画像出力装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザ光のスペックル雑音を低減するための機構として、簡素でありながら十分なスペックル雑音低減効果を得ること。
【解決手段】本発明は、入射されるレーザ光の光路内に設けられ、リング型の複数回周回路を備えることで各周回に対応した時間遅延によるレーザ光を多重化して出力する光学装置である。このリング型の複数回周回路として、偏光ビームスプリッタ1、全反射ミラー2、全反射ミラー3を組み合わせ、全反射ミラー2と全反射ミラー3との間に半波長板4を設けている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、入射されるレーザ光の光路内に設けられ、リング型の複数回周回路を備えることで各周回に対応した時間遅延によるレーザ光を多重化して出力する光学装置である。このリング型の複数回周回路として、偏光ビームスプリッタ1、全反射ミラー2、全反射ミラー3を組み合わせ、全反射ミラー2と全反射ミラー3との間に半波長板4を設けている。
【選択図】図1
Description
本発明は、レーザ光のスペックルノイズを低減するのに好適な光学装置、照明装置および画像出力装置に関する。
近年、大画面に適している投射型表示装置(プロジェクタ)が注目されている。このプロジェクタの光源として、高圧水銀ランプ(UHPランプ)が用いられているが、赤色成分の光量が少ないという問題がある。そのため、ホワイトバランスを取るためには緑・青色成分を減光フィルタによって弱める必要があり、非効率的な駆動となっている。
これに対し、不足している赤色成分の光を補うために、レーザアシストプロジェクタが提案されている。これは、レーザ光で赤色成分の強度を補うとともに、レーザの単色性や波長の最適化を生かして、色域の拡大が得られるという長所を持つ。
一方、赤色だけでなく、赤・青・緑の3原色全てをレーザ光源で置き換えたレーザプロジェクタも提案されており、色域の拡大や、高精細な映像を得ることができる。また、他の色のレーザ光源を新たに追加した多色レーザプロジェクタも研究されている。
ここで、このようなレーザプロジェクタのようなレーザ光を光源とした画像出力装置では、レーザの持つコヒーレンス性に起因したスペックル雑音が問題となっている。最も効果的なスペックル対処方法として、スクリーンを数ヘルツで振動させる方法があるが、可動機構を持つことによる寿命の問題等があり、非機械的な方法の開発が望まれている。そのような手法として、空間位相変調法(特許文献1)、波長多重法(特許文献2)、時間遅延多重法(特許文献3)等がある。
しかし、いずれの引用文献に記載されたスペックル対処手法でも、装置構成の簡素化、スペックル雑音の効率的な低減について十分な効果を得ることができないという問題がある。
本発明は、このような課題を解決するために成されたものである。すなわち、本発明は、入射されるレーザ光の光路内に設けられ、リング型の複数回周回路を備えることで各周回に対応した時間遅延によるレーザ光を多重化して出力する光学装置である。
このような本発明では、リング型によって簡単な装置で周回路を構成でき、また、入射されたレーザ光がリング型の複数回周回路を周回することによって、時間遅延したレーザ光が多重化されるため、複数回周回路から出力されるレーザ光ではスペックル雑音が平均化されることになる。
ここで、リング型の複数回周回路には、レーザ光の偏光状態に応じて透過と反射とを行うビームスプリッタと、各周回ごとにビームスプリッタから出射されるレーザ光とビームスプリッタに入射されるレーザ光との偏光状態を変化させる光学手段とが設けられている。
例えば、リング型の複数回周回路として、入射されるレーザ光の偏光成分のうち第1の偏光成分を透過し、第2の偏光成分を反射するビームスプリッタと、ビームスプリッタを透過した第1の偏光成分のレーザ光を反射してビームスプリッタに戻す周回路を構成する反射手段と、反射手段で構成される周回路内に挿入され、その周回路内のレーザ光の偏光状態を変化させる偏光制御手段とを備えるものを用いる。
また、リング型の複数回周回路内に、周回中のレーザ光を集光するレンズを設けたり、周回中のレーザ光に対して周回毎に伝搬軸を中心とした回転を施す光学素子を設けたりする。さらに、偏光制御手段による偏光角度を調整する調整手段を備える光学装置でもある。
また、本発明は、レーザ光を出射する光源と、光源から出射されたレーザ光の光路内に設けられるリング型の複数回周回路とを備えており、リング型の複数回周回路によって各周回に対応した時間遅延によるレーザ光を多重化して出力する照明装置でもある。
このような本発明では、リング型によって簡単な装置で周回路を構成でき、また、光源から出射したレーザ光がリング型の複数回周回路を周回することによって、時間遅延したレーザ光が多重化されるため、複数回周回路から出力されるレーザ光のスペックル雑音を平均化した照明光を提供できるようになる。
また、本発明は、照明装置から出射したレーザ光を光変調装置に照射し、この光変調装置で画像に応じた光変調を行って映像を生成する画像出力装置で、照明装置が、レーザ光を出射する光源と、光源から出射されたレーザ光の光路内に設けられるリング型の複数回周回路とを備えており、リング型の複数回周回路によって各周回に対応した時間遅延によるレーザ光を多重化し、光変調装置に向けて出力する画像出力装置である。
このような本発明では、リング型によって簡単な装置で周回路を構成でき、また、光源から出射したレーザ光がリング型の複数回周回路を周回することによって、時間遅延したレーザ光が多重化されるため、複数回周回路から出力されるレーザ光のスペックル雑音を平均化した照明光を光変調装置に提供できるようになる。
本発明によれば、レーザ光の時間遅延多重効果によってスペックル雑音の低減を図ることが可能となる。特に、リング型の複数回周回路を用いることで、可動機構部を用いることなく簡単な構成によってレーザ光のスペックル雑音の低減を図ることができ、装置の長寿命化および低コスト化を図ることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図に基づき説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る光学装置を説明する模式図である。すなわち、この光学装置は、入射されるレーザ光の光路内にリング型の複数回周回路が設けられたもので、各周回に対応した時間遅延によるレーザ光を多重化して出力する光学装置である。
図1は、第1実施形態に係る光学装置を説明する模式図である。すなわち、この光学装置は、入射されるレーザ光の光路内にリング型の複数回周回路が設けられたもので、各周回に対応した時間遅延によるレーザ光を多重化して出力する光学装置である。
図1には、第1実施形態の光学装置における主要部である複数回周回路の構成が示されている。ここで、0は入力レーザ光(P偏光)、1は偏光ビームスプリッタ、2、3は全反射ミラー、4は半波長板である。
このうち、複数回周回路は、偏光ビームスプリッタ1、全反射ミラー2、全反射ミラー3および半波長板4によって構成される。偏光ビームスプリッタ1は、レーザ光の第1の偏光成分であるP偏光成分を透過し、第2の偏光成分であるS偏光成分を反射するよう構成されている。
複数回周回路のうち、レーザ光のリング光路は、偏光ビームスプリッタ1、全反射ミラー2および全反射ミラー3で構成され、偏光ビームスプリッタ1で透過もしくは反射したレーザ光が全反射ミラー2で全反射ミラー3の方向へ反射され、全反射ミラー3で反射したレーザ光が偏光ビームスプリッタ1の方向へ反射され、偏光ビームスプリッタ1で反射した一部のレーザ光が再度全反射ミラー2の方向へ向かうといった周回光路となる。
また、全反射ミラー2と全反射ミラー3との間の光路には半波長板4が配置されており、全反射ミラーで反射したレーザ光の偏光状態を変化させて全反射ミラー3から偏光ビームスプリッタ1へ送るようにしている。
ここで、図1において、0aは、入力レーザ光が偏光ビームスプリッタ1→全反射ミラー2→半波長板4→全反射ミラー3を経て、再度偏光ビームスプリッタ1へ入射する直前のレーザ光である。
また、0bは、0aのレーザ光が偏光ビームスプリッタ1によって反射された成分を表す。0cは、0aのレーザ光が偏光ビームスプリッタ1を透過した成分を表す。
このような複数回周回路では、図示しない光源からP偏光のレーザ光0が入射すると、偏光ビームスプリッタ1を透過して全反射ミラー2で反射し、半波長板4で偏光方向が変換され、全反射ミラー3で反射して再度偏光ビームスプリッタ1へ入射する。
全反射ミラー3から偏光ビームスプリッタ1に入射したレーザ光0aのうち、P偏光成分は偏光ビームスプリッタ1を透過するが、S偏光成分は偏光ビームスプリッタ1で反射して全反射ミラー2へ向かう。
このS偏光成分から成るレーザ光0bは全反射ミラー2で反射して、半波長板4で偏光方向が変換され、全反射ミラー3で反射して再度偏光ビームスプリッタ1へ入射する。そして、偏光ビームスプリッタ1ではP偏光成分のみ透過し、S偏光成分を反射して全反射ミラー2に向かう。
このような周回を繰り返すことで、各周回のレーザ光のうち全反射ミラー3から偏光ビームスプリッタ1に向かうレーザ光0aのP偏光成分のみ透過し、S偏光成分は反射して、その成分が半波長板4で再度偏光方向が変換され、さらにその成分のうちP偏光成分のみ偏光ビームスプリッタ1を透過し、S偏光成分のみが偏光ビームスプリッタ1で反射するという動作を繰り返すことになる。その結果、偏光ビームスプリッタ1から地点Aに出力されるレーザ光0cでは、各周回に対応した時間遅延によるレーザ光が多重化されることになる。
ここで、偏光ビームスプリッタ1に関して、図2に示すように、左側から入射する光に対する反射率、透過率、損失を、それぞれR1、T1、L1とする。また、下側から入射する場合を、同様に、R4、T4、L4とする。また、全反射ミラー2、3に関して、反射率をR2、R3とする。また、半波長板4の透過率をThとする。また、0、0a、0b、0cの光強度を、それぞれP0、Pa、Pb、Pcとする。
そうすると、Paは「Pa=R3・Th・R2・T1・P0」と表すことができ、同様に、Pbは、「Pb=R4・Pa」、Pcは、「Pc=T4・Pa」と表すことができる。
ここで、レーザ光成分0aは、半波長板4で偏光方向が変化している。半波長板4へ入射する直前の光の偏光軸(P偏光)に対し、半波長板4の光軸がφだけ傾いているとする。このとき、R4、T4は、それぞれ、R4=(1−L4)cos2(2φ)、T4=(1−L4)sin2(2φ)と見積もることができる。
レーザ光0の光強度を100%としたときの、Pa、Pb、Pcにおける各周回成分の強度は、半波長板4の角度をφ=25°とすると図3のようになる。この図では、横軸が構成する周回成分、縦軸が強度である。
レーザ光0が連続発振光(CW光)である場合、実際に図1に示す地点Aで観測される全光強度は、Pcを積分した値になる。地点Aで観測される全光強度を図4に示す。図中において、横軸が半波長板4の軸のP偏光成分に対する角度φ、縦軸が全光強度である。R1=0.3%、L1=L4、R2=R3=99%として、L4=0%、4%、10%の計算結果を示した。φ=0o〜45°の全域において、L4=10%と損失が大きい場合でも、入力光の80%以上が出力光として得られている。
地点Aにおける全光強度の成分比率を図5に示す。このように、リング光路1周から約5周程度の時間遅延多重光で構成されていることが分かる。
例えば、1周を1ナノ秒(長さ30cm程度)の光路として設定すれば、最大遅延量は約5ナノ秒(約1.5m)を得ることができ、出力光のコヒーレンスを大幅に低減させることができる。
前述では、入力するレーザ光0を完全P偏光として扱ったが、それ以外の偏光状態の入力光に対する特性を図6と図7に示す。図6は、レーザ光0の偏光軸がP偏光からθだけ傾いている場合に対する出力光の全光強度を、半波長板4の軸角度φを変えて計算したものである。全パラメータ領域において、80%以上の透過効率を持つことが分かる。ただし、θが90°に近づくほどリング光路内へ結合する光強度が低下するため、θは0°に近い方がよい。また、図7は6周回目までの各周回の光成分の強度の標準偏差を表している。コヒーレンス低減のためには、各周回成分の強度比が均一であることが望ましいため、この値は低いほうがよい。よって、図6と図7から、θ=0°〜28°、φ=25°の付近で用いることがよいことが分かる。
本実施形態では、リング型の複数回周回路に挿入する偏光制御手段として半波長板4を用いたが、必ずしも半波長板4である必要はない。つまり、偏光状態を変えられるものであれば何でもよく、たとえば、1/4波長板や拡散板などでもよい。
また、偏光制御手段に偏光状態を可変できる機構(例えば、半波長板4の偏光角度を調整できる機構)を設けることで、時間遅延量が可変となり、スペックル低減重視・光量重視を動的に変更することが可能となる。
また、本実施形態では、リング型の複数回周回路の構成として全反射ミラー2、3を用いたが、レーザ光を効率よく反射できるものであればミラーに限定されず、プリズム等の光学素子であってもよい。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。先に説明した第1実施形態において、入力レーザ光は高ビーム品質・コリメート光である場合には問題がないが、ビーム品質が悪い、もしくは、非コリメート光の場合は、リング光路を周回するうちにレーザ光が広がってしまい、光路から漏れ出る可能性がある。
次に、第2実施形態について説明する。先に説明した第1実施形態において、入力レーザ光は高ビーム品質・コリメート光である場合には問題がないが、ビーム品質が悪い、もしくは、非コリメート光の場合は、リング光路を周回するうちにレーザ光が広がってしまい、光路から漏れ出る可能性がある。
そこで、上記のレーザ光の漏れを防ぐために、リング光路中にリレーレンズを設置する。図8は、第2実施形態を説明する模式図であり、リング光路中における半波長板4と全反射ミラー3との間にリレーレンズ5が配置された例である。
ここで、リング光路の光路長をLc、リレーレンズ5の焦点距離をfとすると、2f=Lcとなるように光路を設定する。これにより、リング光路がレンズ導波路となるため、周回数が多くなっても、レーザ光は安定にリング光路中を導波することができ、光の漏れをなくすことができる。
レンズ6、7は、それぞれ、入力・出力側でのカップリングレンズである。用途によっては、必ずしも必要ではない。設置する場合は、リレーレンズ5の焦点位置とレンズ6、7の焦点位置を一致させることが望ましい。また、レンズ6の開口数(NA)がリレーレンズ5のNAよりも大きいと、結合ロスを生じるので、レンズ6のNAはリレーレンズ5のNA以下であることが望ましい。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、先に説明した第1実施形態において、レーザ光のビームの伝播軸周りの回転機能を付加し、コヒーレンスをさらに低下させ、スペックル低減効果を強化したものである。
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、先に説明した第1実施形態において、レーザ光のビームの伝播軸周りの回転機能を付加し、コヒーレンスをさらに低下させ、スペックル低減効果を強化したものである。
図9は、第3実施形態を説明する模式図である。この例では、ビームの回転手段としてダブプリズム9を用いている。このダブプリズム9を、半波長板4と全反射ミラー3との間に配置する。そして、ダブプリズム9を伝播軸まわりにψ回転させると、ダブプリズムを透過した光は2ψだけ同方向に回転する(図9の右図参照)。
すなわち、図9に示す地点Bにおける光ビームの断面形状が、ダブプリズム9を介すことで、地点Cでは光ビームの断面形状が伝搬軸まわりに2ψ回転することになる。
これにより、リング光路を周回するレーザ光は、周回するたびに2ψだけ伝搬軸周りに回転することになり、レーザ光の空間コヒーレンスが低下するため、偏光ビームスプリッタ1から出射される多重化されたレーザ光のスペックル雑音を効果的に低減することが可能となる。
なお、上記説明した第3実施形態におけるダブプリズム9を、第2実施形態の構成に組み込むことも可能であり、この場合には第2実施形態での光の漏れをなくす効果とともに、第3実施形態での空間コヒーレンスの低下によるスペックル雑音低減効果を得ることが可能となる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態では、第1実施形態を一体形成し偏光周回ユニット21としたものである(図10)。例として、一辺60mm、厚さ10mmの直方体の光学ガラスを用意し、四隅を10mmほど角度45°で切削・光学研磨し、また、1辺に半波長板4を設置するための溝を形成し導波基板13とする。例として、導波基板13をBK7(屈折率約1.5)で作製した場合、45°の斜面は内部全反射条件を満たす内部全反射ミラー14となる。導波基板13が低屈折率であり、45°が内部全反射臨界角以下となる場合は、4つの内の3つの45°斜面を誘電体多層膜コートによって全反射ミラーとすることが必要である。
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態では、第1実施形態を一体形成し偏光周回ユニット21としたものである(図10)。例として、一辺60mm、厚さ10mmの直方体の光学ガラスを用意し、四隅を10mmほど角度45°で切削・光学研磨し、また、1辺に半波長板4を設置するための溝を形成し導波基板13とする。例として、導波基板13をBK7(屈折率約1.5)で作製した場合、45°の斜面は内部全反射条件を満たす内部全反射ミラー14となる。導波基板13が低屈折率であり、45°が内部全反射臨界角以下となる場合は、4つの内の3つの45°斜面を誘電体多層膜コートによって全反射ミラーとすることが必要である。
次に、全反射ミラー用のコートを施されていない斜面の1つへ誘電体多層膜コートを施し、直角プリズム12を接着し、偏光ビームスプリッタ面11を形成する。直角プリズム12は入力・出力面での反射損失を低減するために、低反射コートを施してあることが望ましい。
次に、所望の軸角度となるように1辺10mmの正方形、もしくは、直径10mmの半波長板4を導波基板13の溝へ接着する。以上により、1周回当たりの時間遅延量1ナノ秒であり図5に示す性能を有する偏光周回ユニット21となる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。図11に示すように、偏光周回ユニット21aと偏光周回ユニット21bとを、半波長板15aを介して接続する。これにより、時間遅延多重の効果を増強することができる。このとき、偏光周回ユニット21aと偏光周回ユニット21bにおいて、各周回当たりの時間遅延量が異なるようにすることが望ましい。
次に、第5実施形態について説明する。図11に示すように、偏光周回ユニット21aと偏光周回ユニット21bとを、半波長板15aを介して接続する。これにより、時間遅延多重の効果を増強することができる。このとき、偏光周回ユニット21aと偏光周回ユニット21bにおいて、各周回当たりの時間遅延量が異なるようにすることが望ましい。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について説明する。図12に示すように、偏光周回ユニット21a、偏光周回ユニット21b、偏光周回ユニット21c、偏光周回ユニット21dを、半波長板15a、半波長板15b、半波長板15cを介して接続する。これにより、時間遅延多重の効果を増強することができる。このとき、偏光周回ユニット21a、偏光周回ユニット21b、偏光周回ユニット21c、偏光周回ユニット21dにおいて、各周回当たりの時間遅延量が異なるようにすることが望ましい。また、偏光周回ユニット21c、偏光周回ユニット21d、半波長板15b、半波長板15cに相当する部分を、追加で直列接続することにより、さらに効果を増強することができる。
次に、第6実施形態について説明する。図12に示すように、偏光周回ユニット21a、偏光周回ユニット21b、偏光周回ユニット21c、偏光周回ユニット21dを、半波長板15a、半波長板15b、半波長板15cを介して接続する。これにより、時間遅延多重の効果を増強することができる。このとき、偏光周回ユニット21a、偏光周回ユニット21b、偏光周回ユニット21c、偏光周回ユニット21dにおいて、各周回当たりの時間遅延量が異なるようにすることが望ましい。また、偏光周回ユニット21c、偏光周回ユニット21d、半波長板15b、半波長板15cに相当する部分を、追加で直列接続することにより、さらに効果を増強することができる。
(第7実施形態)
次に、第7実施形態について説明する。図13に示すように、偏光周回ユニット21fの直角プリズム12(図10参照)に相当する部分を偏光周回ユニット21eに置き換え、両リング光路を結合させる。このとき、偏光周回ユニット21eにおいて、偏光周回ユニット21fよりも前側に半波長板16を設置することが望ましい。これにより、第1実施形態よりも時間遅延多重の効果を増強することができる。
次に、第7実施形態について説明する。図13に示すように、偏光周回ユニット21fの直角プリズム12(図10参照)に相当する部分を偏光周回ユニット21eに置き換え、両リング光路を結合させる。このとき、偏光周回ユニット21eにおいて、偏光周回ユニット21fよりも前側に半波長板16を設置することが望ましい。これにより、第1実施形態よりも時間遅延多重の効果を増強することができる。
(第8実施形態)
次に、第8実施形態について説明する。図14に示すように、偏光周回ユニット21の持つ3つの内部全反射ミラー14(図10参照)の内の1つにハーフミラーコートを施してハーフミラー17aとして導波基板13aを接続する(このとき、半波長板は設置しないので、導波基板13aへの溝の加工は必要ない)。これにより、第1実施形態よりも時間遅延多重の効果が増強された多重遅延ユニット31とすることができる。
次に、第8実施形態について説明する。図14に示すように、偏光周回ユニット21の持つ3つの内部全反射ミラー14(図10参照)の内の1つにハーフミラーコートを施してハーフミラー17aとして導波基板13aを接続する(このとき、半波長板は設置しないので、導波基板13aへの溝の加工は必要ない)。これにより、第1実施形態よりも時間遅延多重の効果が増強された多重遅延ユニット31とすることができる。
(第9実施形態)
次に、第9実施形態について説明する。図15に示すように、多重遅延ユニット31の持つ導波基板13aの持つ3つの内部全反射ミラー14の内の1つにハーフミラーコートを施してハーフミラー17bとして導波基板13aを接続する(このとき、半波長板は設置しないので、導波基板13bへの溝の加工は必要ない)。これにより、第8実施形態よりも時間遅延多重の効果を増強することができる。
次に、第9実施形態について説明する。図15に示すように、多重遅延ユニット31の持つ導波基板13aの持つ3つの内部全反射ミラー14の内の1つにハーフミラーコートを施してハーフミラー17bとして導波基板13aを接続する(このとき、半波長板は設置しないので、導波基板13bへの溝の加工は必要ない)。これにより、第8実施形態よりも時間遅延多重の効果を増強することができる。
(第10実施形態)
次に、第10実施形態について説明する。図16に示すように、多重遅延ユニット31内部の偏光周回ユニット21(図14参照)の残り2つの内部全反射ミラー14へ、導波基板13cと導波基板13dを、それぞれ、コーティングによって形成したハーフミラー17cとハーフミラー17dを介して接続する。これにより、第8実施形態よりも時間遅延多重の効果を増強することができる。
次に、第10実施形態について説明する。図16に示すように、多重遅延ユニット31内部の偏光周回ユニット21(図14参照)の残り2つの内部全反射ミラー14へ、導波基板13cと導波基板13dを、それぞれ、コーティングによって形成したハーフミラー17cとハーフミラー17dを介して接続する。これにより、第8実施形態よりも時間遅延多重の効果を増強することができる。
例として、導波基板13、導波基板13a、導波基板13c、導波基板13dにおいて、周回当たりの時間遅延量が等しい場合の時間遅延多重効果の計算結果を図17に示す。図17は出力光における各周回の時間遅延成分の構成比率を示している(図5に相当)。構成成分が約15周回まで拡大し、効果が増強されていることが分かる。
(第11実施形態)
次に、第11実施形態について説明する。図18に示すように、周回当たりの時間遅延量が異なる多重遅延ユニット31a、多重遅延ユニット31b、多重遅延ユニット31cを並列設置する。そして、レンズアレイ20を入力光中に設置する。これにより、時間遅延多重に空間分布特性が与えられるため、コヒーレンス低減効果が高まる。
次に、第11実施形態について説明する。図18に示すように、周回当たりの時間遅延量が異なる多重遅延ユニット31a、多重遅延ユニット31b、多重遅延ユニット31cを並列設置する。そして、レンズアレイ20を入力光中に設置する。これにより、時間遅延多重に空間分布特性が与えられるため、コヒーレンス低減効果が高まる。
(照明装置、画像出力装置)
上記のような各実施形態から成る光学装置は、その光学装置にレーザ光を入射するレーザ光源と組み合わせることで照明装置となる。この照明装置は、種々の利用が考えられるが、主として画像出力装置の光源としての利用が好適である。つまり、スペックル雑音が少なく、均一な波長で大出力の光を必要とする機器への適用が好適である。
上記のような各実施形態から成る光学装置は、その光学装置にレーザ光を入射するレーザ光源と組み合わせることで照明装置となる。この照明装置は、種々の利用が考えられるが、主として画像出力装置の光源としての利用が好適である。つまり、スペックル雑音が少なく、均一な波長で大出力の光を必要とする機器への適用が好適である。
具体的には、照明装置から出射した光を光変調装置に照射し、この光変調装置で画像に応じた光変調を行って映像を生成する画像出力装置であり、光変調装置として、液晶表示装置、GLV(Grating Light Valve)などが挙げられる。特に、大型スクリーンへの映像投射を行うプロジェクタ装置への適用が好ましい。
GLVは、リボン状の光回折格子がシリコン基板上に一列に形成された一次元反射型ディスプレイデバイスである。マイクロリボンアレイに、R(赤)、G(緑)、B(青)のレーザ光を照射し、回折光量を変化させ、さらに走査ミラーを用いて一次元画像を二次元画像に走査することで、フルHD画像を投影することができる。
GLVは、1画素が6本のリボンと呼ばれる中空構造に保持されたビームで構成されており、HD映像の垂直画素数と同じ1080画素(合計6480本のリボン)の光回折素子が形成されている。
リボンは、例えばAl/SiN積層膜で構成されており、反射ミラーとしての働きに加えて駆動電極としての機能も備える。リボンの駆動は、リボン電極と下部電極の間に電圧を印加することにより行なわれ、電圧が印加されていない状態では、全てのリボンが同じ平面に並んで鏡面を構成して、照射されたRGB3色のレーザ光をそのまま反射する。
一方、動作時には、1本おきのリボンに電圧を印加し、リボンに段差をつけて回折格子を作り出す。この回折格子が、入射したレーザ光に対して角度をもった回折光を生み出す。そして、GLVからの反射光については遮断し、回折光だけを取り出して集光するフィルタをGLVの手前に配置しておくことで、回折光を画像の明暗として取り出すことができる。
図19は、GLVを用いたプロジェクタ装置の構成を説明する模式図である。このプロジェクタ装置100では、光源101としてRGBのレーザ光を用い、それぞれのレーザ光を照明レンズ102を介してGLV103にスリット状にして照射する。
GLV103によって変調されたレーザ光は、投影レンズ104を介して走査ミラー105で反射し、走査ミラー105の水平走査によって1080画素分の1次元像をスクリーン200上に2次元画面として構成することができる。
このようなGLV103を用いたプロジェクタ装置100の光源101として、先に説明した本実施形態の照明装置を適用する。GLV103に照射するスリット状のレーザ光の形状にも対応し、スペックル雑音が抑制され、大出力で安定した波長のレーザ光を提供できることから、本実施形態の照明装置が非常に適していることになる。
なお、本発明の照明装置は、上記のようなプロジェクタ装置のほか、半導体製造等に用いられる露光装置やレーザ顕微鏡など、他の機器における光源としても利用可能である。
1…偏光ビームスプリッタ、2…全反射ミラー、3…全反射ミラー、4…半波長板、5…レンズ、100…プロジェクタ装置、101…光源、102…照明レンズ、103…GLV、104…投射レンズ、105…走査ミラー、200…スクリーン
Claims (8)
- 入射されるレーザ光の光路内に設けられ、リング型の複数回周回路を備えることで各周回に対応した時間遅延によるレーザ光を多重化して出力する
ことを特徴とする光学装置。 - 前記リング型の複数回周回路は、
前記レーザ光の偏光状態に応じて透過と反射とを行うビームスプリッタと、
各周回ごとに前記ビームスプリッタから出射されるレーザ光と前記ビームスプリッタに入射されるレーザ光との偏光状態を変化させる光学手段とを備える
ことを特徴とする請求項1記載の光学装置。 - 前記リング型の複数回周回路は、
入射される前記レーザ光の偏光成分のうち第1の偏光成分を透過し、第2の偏光成分を反射するビームスプリッタと、
前記ビームスプリッタを透過した第1の偏光成分のレーザ光を反射して前記ビームスプリッタに戻す周回路を構成する反射手段と、
前記反射手段で構成される周回路内に挿入され、その周回路内のレーザ光の偏光状態を変化させる偏光制御手段と
を備えることを特徴とする請求項1記載の光学装置。 - 前記リング型の複数回周回路内に配置され、周回中のレーザ光を集光するレンズを備える
ことを特徴とする請求項1記載の光学装置。 - 前記リング型の複数回周回路内に配置され、周回中のレーザ光に対して周回毎に伝搬軸を中心とした回転を施す光学素子を備える
ことを特徴とする請求項1記載の光学装置。 - 前記リング型の複数回周回路は、
入射される前記レーザ光の偏光成分のうち第1の偏光成分を透過し、第2の偏光成分を反射するビームスプリッタと、
前記ビームスプリッタを透過した第1の偏光成分のレーザ光を反射して前記ビームスプリッタに戻す周回路を構成する反射手段と、
前記反射手段で構成される周回路内に挿入され、その周回路内のレーザ光の偏光状態を変化させる偏光制御手段と、
前記偏光制御手段による偏光角度を調整する調整手段と
を備えることを特徴とする請求項1記載の光学装置。 - レーザ光を出射する光源と、
前記光源から出射されたレーザ光の光路内に設けられるリング型の複数回周回路とを備えており、
前記リング型の複数回周回路によって各周回に対応した時間遅延によるレーザ光を多重化して出力する
ことを特徴とする照明装置。 - 照明装置から出射したレーザ光を光変調装置に照射し、この光変調装置で画像に応じた光変調を行って映像を生成する画像出力装置において、
前記照明装置が、
レーザ光を出射する光源と、
前記光源から出射されたレーザ光の光路内に設けられるリング型の複数回周回路とを備えており、
前記リング型の複数回周回路によって各周回に対応した時間遅延によるレーザ光を多重化し、前記光変調装置に向けて出力する
ことを特徴とする画像出力装置。
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2007
- 2007-05-09 JP JP2007124263A patent/JP2008281672A/ja active Pending
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