JP2008281522A - 位置検出システム - Google Patents
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Abstract
【課題】位置検出精度の高い位置検出システムを提供する。
【解決手段】無線LANを用いたシステムにおいて位置が既知(真の位置)のリファレンス端末106を位置検出エリアに固定して設置し、位置を検出すべき移動端末107とリファレンス端末106の位置を、サーバ105は基地局102、103および104を介しTDOA方式を用いて同時に検出する。そして、リファレンス端末106の位置検出結果と真の位置との差分を用いて移動端末107の位置検出結果を補正する。
【選択図】図1
【解決手段】無線LANを用いたシステムにおいて位置が既知(真の位置)のリファレンス端末106を位置検出エリアに固定して設置し、位置を検出すべき移動端末107とリファレンス端末106の位置を、サーバ105は基地局102、103および104を介しTDOA方式を用いて同時に検出する。そして、リファレンス端末106の位置検出結果と真の位置との差分を用いて移動端末107の位置検出結果を補正する。
【選択図】図1
Description
この発明は位置検出システムに関し、特に、無線による位置の測定に関するものであって、とりわけ無線LAN(Local Area Network)システムにおける位置測定機能が改善された位置検出システムに関する。
従来、IEEE802.11規格に代表される無線LANを用いた無線端末の位置検出方法が提供されている。たとえば、特許文献1のTDOA方式(Time Difference of Arrival)および特許文献2のRSSI方式(Received Signal Strength Indicator)がある。
特開2004−101254号公報
特開平9−159746号公報
従来のTDOA方式およびRSSI方式のいずれにおいても、信号受信アンテナ間の時刻同期の誤差や反射波の影響などにより、3メートル程度の位置検出誤差があった。上述の特許文献1および2では、このような誤差を解消する方法が提示されるが、より精度の高い位置検出システムの提供が求められていた。
それゆえにこの発明の目的は、位置検出精度の高い位置検出システムを提供することである。
この発明のある局面に従うと、位置検出システムは、位置が検出されるべき移動端末と、移動端末の移動領域内に固定に設置された複数の基地局と、移動領域内の所定位置に固定に設置されたリファレンス端末と、通信機能を有する管理端末とを備える。
複数の基地局のそれぞれは、リファレンス端末から送信される第1信号を受信し、その受信結果を指す第1受信結果情報を、管理端末に送信する第1受信結果送信手段と、移動端末から送信される第1信号を受信し、その受信結果を指す第2受信結果情報を、管理端末に送信する第2受信結果送信手段と、を含む。
管理端末は、第1受信結果送信手段により送信された第1受信結果情報を受信し、受信した第1受信結果情報と、複数の基地局の位置情報とに基づき、リファレンス端末の位置を検出する第1位置検出手段と、第2受信結果送信手段により送信された第2受信結果情報を受信し、受信した第2受信結果情報と、複数の基地局の位置情報とに基づき、移動端末の位置を検出する第2位置検出手段と、第1位置検出手段により検出されたリファレンス端末の位置と、所定位置との差分に従い、第2位置検出手段により検出された移動端末の位置を補正する検出位置補正手段とを含む。
好ましくは、第1受信結果送信手段は、リファレンス端末から送信される信号の受信時刻を測定し、測定時刻を前記第1受信結果情報として送信し、第受信結果送信手段は、移動端末から送信される信号の受信時刻を測定し、測定時刻を第2受信結果情報として送信する。
好ましくは、リファレンス端末と移動端末は、同時に第1信号を送信する。
好ましくは、移動端末は、情報を出力する出力部を含み、管理端末から送信された補正がされた後の移動端末の位置に関する情報を受信して、出力部を介し出力する。
好ましくは、移動端末は、情報を出力する出力部を含み、管理端末から送信された補正がされた後の移動端末の位置に関する情報を受信して、出力部を介し出力する。
この発明によれば、既知である所定位置に設置されたリファレンス端末と、位置を検出すべき移動端末との位置を検出する。そして、リファレンス端末の位置検出結果と真の位置である所定位置との差分を用いて移動端末の位置検出結果を補正することにより、移動端末の検出位置の誤差を排除して精度を向上させることができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照し詳細に説明する。
本実施の形態では、IEEE802.11規格に代表される無線LANを用いたシステムにおいて位置が既知の無線端末(以下、リファレンス端末という)を位置検出エリアに固定して設置し、位置を検出すべき移動体端末(以下、移動端末という)とリファレンス端末の位置を同時に検出する。そして、リファレンス端末の位置検出結果と真の位置との差分を用いて移動端末の位置検出結果を補正することにより、移動端末の位置検出精度を向上させている。ここで位置検出エリアは、移動端末が移動する領域を指す。
本実施の形態では、IEEE802.11規格に代表される無線LANを用いたシステムにおいて位置が既知の無線端末(以下、リファレンス端末という)を位置検出エリアに固定して設置し、位置を検出すべき移動体端末(以下、移動端末という)とリファレンス端末の位置を同時に検出する。そして、リファレンス端末の位置検出結果と真の位置との差分を用いて移動端末の位置検出結果を補正することにより、移動端末の位置検出精度を向上させている。ここで位置検出エリアは、移動端末が移動する領域を指す。
この補正においては、補正のための基地局などの新たな機器を設置する必要はなく、移動端末と同じ機能を有するリファレンス端末を位置検出エリアに設置するだけで実現することができる。また演算処理のすべてを、サーバコンピュータを用いて実行することができ、コストを抑えた精度の高い位置検出システムを提供することができる。
これにより、たとえば、発電所などの作業現場を位置検出エリアと設定した場合において、作業者が移動端末を携帯し、移動端末を介して危険箇所への接近を検出して作業者に警告表示を行なうシステムなどにおいて精度の高い動作を期待することができる。
ここでは説明を簡単にするために位置検出エリアには1個の移動端末が在ると想定するが、移動端末は複数台同時に存在してもよい。その場合には各移動端末について同様の手順が適用されて位置が検出される。勿論、複数台の移動端末が存在する場合であってもリファレンス端末は1台で済む。
なお、ここでは、特許文献1に開示のTDOA方式を用いた位置検出を応用する。
図1は、この発明の実施の形態に係る位置検出システムの概略構成を示す図である。図1を参照し位置検出システム100は、無線LANシステムを構成し、具体的には、LAN101、位置検出システムの全体を制御・管理する通信機能を有する情報処理端末であるサーバ(サーバコンピュータの略)105、通信端末装置である基地局102、103および104、ならびに、各基地局と通信するリファレンス端末106および各基地局と通信する移動端末107を備える。移動端末107は作業服のポケットなどに入る小型化された携帯可能な通信端末である。サーバ105、基地局102、103および104は、位置を固定にして設置された通信機能を有する端末であり、それぞれLAN101を介してサーバ105と相互に通信する。ここでは、基地局103をマスタM、基地局102と104をスレーブS1とS2と称する場合がある。
図1は、この発明の実施の形態に係る位置検出システムの概略構成を示す図である。図1を参照し位置検出システム100は、無線LANシステムを構成し、具体的には、LAN101、位置検出システムの全体を制御・管理する通信機能を有する情報処理端末であるサーバ(サーバコンピュータの略)105、通信端末装置である基地局102、103および104、ならびに、各基地局と通信するリファレンス端末106および各基地局と通信する移動端末107を備える。移動端末107は作業服のポケットなどに入る小型化された携帯可能な通信端末である。サーバ105、基地局102、103および104は、位置を固定にして設置された通信機能を有する端末であり、それぞれLAN101を介してサーバ105と相互に通信する。ここでは、基地局103をマスタM、基地局102と104をスレーブS1とS2と称する場合がある。
また、ここでは、LAN101は有線であるとして想定しているが、無線であってもよい。
(端末位置検出の手順)
図1を用いてTDOA方式を用いた端末の位置検出のための通信手順と位置算出の手順を説明する。動作において、ターゲット端末(ここでは、リファレンス端末106または移動端末107に相当する)は、基地局に対し第1の無線パケットを送信する機能を有する。基地局103、102および104はそれぞれ内部に有するクロック回路を用いて、ターゲット端末が送信した第1の無線パケットの受信時間を測定する機能を有する。各基地局のクロック回路で測定した該受信時間をそれぞれRp1_b0、Rp1_b1、Rp1_b2とする。ターゲット端末から送信された信号が各基地局で受信された時刻から、ターゲット端末と各基地局との距離が求まり、その距離に基づいて、ターゲット端末の座標(位置)を知ることができる。しかし、測定した受信時間Rp1_b0、Rp1_b1、Rp1_b2は、各基地局に固有のクロック回路に基づいて測定されており、各基地局のクロック回路の同期は保証されていないため、各基地局のクロックのずれを検出して、校正を行う必要がある。この校正について説明する。
図1を用いてTDOA方式を用いた端末の位置検出のための通信手順と位置算出の手順を説明する。動作において、ターゲット端末(ここでは、リファレンス端末106または移動端末107に相当する)は、基地局に対し第1の無線パケットを送信する機能を有する。基地局103、102および104はそれぞれ内部に有するクロック回路を用いて、ターゲット端末が送信した第1の無線パケットの受信時間を測定する機能を有する。各基地局のクロック回路で測定した該受信時間をそれぞれRp1_b0、Rp1_b1、Rp1_b2とする。ターゲット端末から送信された信号が各基地局で受信された時刻から、ターゲット端末と各基地局との距離が求まり、その距離に基づいて、ターゲット端末の座標(位置)を知ることができる。しかし、測定した受信時間Rp1_b0、Rp1_b1、Rp1_b2は、各基地局に固有のクロック回路に基づいて測定されており、各基地局のクロック回路の同期は保証されていないため、各基地局のクロックのずれを検出して、校正を行う必要がある。この校正について説明する。
マスタMは、スレーブS1とS2に対し第2の無線パケットを送信する機能と、該パケットの送信時間を測定する機能を有する。マスタMのクロック回路(後述のクロック回路53)で測定した該送信時間をTp2_b0とする。マスタMは、ターゲット端末からの第1の無線パケットの受信時間Rp1_b0と、自局からの第2の無線パケット送信時間Tp2_b0とをサーバ105に伝達する。スレーブS1とS2は、マスタMが送信した第2の無線パケットの受信時間を測定する機能を有する。各スレーブのクロック回路(後述のクロック回路53A)で測定した該受信時間をそれぞれRp2_b1、Rp2_b2とする。また、スレーブS1とS2は、それぞれ、ターゲット端末からの第1の無線パケットの受信時間Rp1_b1、Rp1_b2と、マスタMからの第2の無線パケット受信時間Rp2_b1、Rp2_b2とをサーバ105に伝達する。サーバ105は、マスタMおよびスレーブS1とS2それぞれの固定した所在位置(X0,Y0)、(X1,Y1)、(X2,Y2)を予めメモリ73(後述の図12参照)に格納しており、該各所在位置と、各基地局から取得した各時間Rp1_b0、Rp1_b1、Rp1_b2、Tp2_b0、Rp2_b1、Rp2_b2とからターゲット端末の位置(Xm,Ym)を算出(検出)する。マスタMとスレーブS1およびS2それぞれとの距離は予め知られているため、距離を光速で割れば基地局間のパケットの伝搬時間が求まる。よって、マスタMからの送信時間(マスタMのクロック回路53に基づく)に伝搬時間を加算すれば、スレーブS1、S2での受信時間(マスタMのクロック回路53に基づく)が求まる。この受信時間と、スレーブS1、S2が自己のクロック回路で測定した受信時間とのずれを検出することにより、基地局相互のクロックのずれを校正することができる。
次にサーバ105における、ターゲット端末の位置の算出方法について述べる。マスタMおよびスレーブS1とS2はそれぞれクロック回路を持っている。ターゲット端末の位置(Xm,Ym)は式1に示す連立方程式(i=1,2)を解くことによって得られる。ただし、変数Cは光速を示し、Eb0_bi(i=1,2)はそれぞれマスタに対するスレーブS1、S2のクロックの誤差を指す。
ここで、マスタに対するスレーブS1、S2のクロックの誤差Eb0_bi(i=1,2)が大きければターゲット端末の位置は正しく算出(検出)されない。時間にして1マイクロ秒の誤差は、距離で300mの誤差を引き起こす。しかし、これらの誤差は第2の無線パケットの送受信時間の測定結果から、式2(i=1,2)により求めることができる。式2(i=1,2)において、右辺(Rp2_bi−Tp2_b0)は、マスタMにおける第2の無線パケット送信時間に対するスレーブSi(i=1,2)における第2の無線パケット受信時間の差を示している。また、右辺第三項はマスタMとスレーブSi(i=1,2)との間の伝搬時間を示している。
以上から、式1と式2を解くことにより、ターゲット端末の位置(Xm,Ym)を算出(検出)することができる。
図2(A)〜(C)は、本実施の形態に係る位置検出システムにおけるリファレンス端末106を用いた位置検出精度向上の手順について概略的に示す図である。本実施の形態では、直交するX軸とY軸で規定される2次元の座標空間を位置検出エリアと想定した場合に、リファレンス端末106と移動端末107の位置は当該2次元座標における座標値として示される。
図2(A)では、サーバ105は、位置検出エリアにおいて○で示すようなリファレンス端末106の位置を時間経過に従い検出すると、同時に、◇で示す移動端末107の位置を時間の経過に従い検出する。サーバ105は、図2(B)のように各時刻においてリファレンス端末106の検出位置と真の位置(図中の◎)との差分を算出する。ここで、真の位置とはリファレンス端末106が固定された位置を指し、サーバ105は予め真の位置を取得している。そして、サーバ105は、図2(C)のように移動端末107の各時刻の検出位置を、同時刻の図2(B)で計算した差分を用いて補正する。補正は、差分を指すベクトル=(x,y)の各成分に−1を乗じた値を、図2(B)で検出した移動端末107の位置データ(座標(x、y)の成分)に加えることにより行われる。
図3を参照して、マスタ(基地局)103は、アンテナ50を介して高周波(RF)信号を送受信するためのRF回路51、RF回路51から受信信号を入力するとともに送信すべき信号を出力するベースバンド/MAC(Media Access Control)回路52、RF回路51およびベースバンド/MAC回路52に動作の基準となるクロック信号(タイマ信号)を供給するクロック回路53、各部に電源を供給するための電源回路54、動作のために必要とされるデータを格納するためのEEPROM55および56を備える。
ベースバンド/MAC回路52は、マスタ103自体の動作を集中的に制御および監視するためのCPU(Central Processing Unit)57、RF(Radio Frequency)回路51から入力した受信信号をデジタル信号に変換するためのADC(アナログ/デジタルコンバータ)58、与えられるデジタル信号をアナログ信号に変換してRF回路51に出力するためのDAC(デジタル/アナログコンバータ)59、ADC58およびDAC59を介した信号の入出力を制御するためのコントロールMAC部60、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)56、コントロールMAC部60、プログラムメモリ62およびバス64間の信号の入出力を制御するためのバスコントローラ61、LAN101との入出力を制御するためのLANI/F(インターフェイスの略)63を含む。
図4と図5には、スレーブS1とS2(基地局102と104)とサーバ105の内部構成が示される。図4のスレーブの内部構成は、マスタ102の内部構成と同様である。図4の各部の符号には、対応する図3の同一部分の符号に“A”を付加して示し、各部の詳細な説明は略す。
図5を参照し、サーバ105は、コンピュータとしての構成を有し、CPU70、LAN101と接続するためのインターフェイス71、記憶部としてのHDD(ハードディスクドライブ)72およびRAM(Random Access memory) およびROM(Read Only Memory)からなるメモリ73、表示部としてのディスプレイ74および音出力部としてのスピーカ75、ならびに外部から指示を入力するために操作されるキーなどからなる操作部76を含む。
本実施の形態では、リファレンス端末106と移動端末107は同様な構成を有し、その構成の一例が図6と図7に示される。図6と図7を参照して、リファレンス端末106および移動端末107の内部構成は、図3のマスタ103の内部構成とほぼ同様である。図6と図7の各部の符号には、対応する図3の同一部分の符号に“B”を付加して示し、各部の詳細な説明は略す。
ただし、図7の移動端末107は、図3の構成に追加して、バス64Bに接続されたI/F65B、スピーカ66Bおよびディスプレイ67Bを備える。スピーカ66Bおよびディスプレイ67Bは、I/F65Bを介して与えられたデータに従う音声または画像を、または両方を出力する。
図8には、本実施の形態に係る移動端末107の位置検出のためのサーバ105における処理手順が示される。図8の処理手順は、予めプログラムとしてサーバ105のメモリ73に記憶されており、CPU70が当該プログラムをメモリ73から読出し実行することにより、処理手順が実現される。図8のステップS3〜S13の処理手順で示される端末の位置検出は上述の特許文献1に開示の手順を応用しているが、ステップS15〜S19の処理は、本発明に固有の手順を示す。図9〜図11には、図8の位置検出処理のために行なわれる通信手順が模式的に示される。
図12には、サーバ105における、通信制御および位置検出のために参照されるメモリ73のデータの一例が示される。図12を参照してメモリ73は領域E1、E2、E3およびE4を含む。領域E1には検出エリアの各基地局に対応して、当該基地局の情報を登録したレコードRが予め格納される。レコードRは、当該レコードRを一意に識別するための識別番号データ11、対応する基地局の所在位置データ12、および無線CH(チャネル)番号データ13を含む。識別番号データ11により対応する基地局を一意に識別(特定)することができる。また、所在位置データ12は、識別番号データ11によって特定される基地局の位置を座標値によって示すものである。無線CH番号データ13は対応する識別番号データ11によって識別される基地局に割当てられた無線チャネルの番号を示す。
領域E2は、リファレンス端末106が固定設置された位置を指す真の位置データ200が予め格納される。ここでは、たとえば真の位置データ200は(X真,Y真)=(2.0,5.0)を指すと想定する。
領域E3にはアドレス変換テーブル201が予め格納される。アドレス変換テーブル201は、各移動端末107のMACアドレスと、それに対応して当該MACアドレスが割当てされた移動端末107を携帯する作業者の名前などの識別データとが格納される。
領域E4には測定結果202が格納される。測定結果202の詳細は後述する。
なお、少なくとも領域E1〜E3は、サーバ105の電源が遮断しても記憶したデータが消去されないようなメモリ73の領域に相当する。
なお、少なくとも領域E1〜E3は、サーバ105の電源が遮断しても記憶したデータが消去されないようなメモリ73の領域に相当する。
図13(A)〜(G)には、本実施の形態で送受信されるパケット(フレーム)の一例が示される。パケットはマックヘッダ部21、ボディ部22およびFCS(Frame Check Sequence)部23を含む。マックヘッダ部21は、当該パケットの送信先を指すデータDAおよび送信元を指すデータSAを含む。データSAとDAは各基地局および端末に予め個別に割当されたMACアドレスまたはサーバの識別データ(アドレス)に相当する。MACアドレスは、EEPROM(55、55A、55B)に格納されている。ボディ部22には通信するべきデータ・指示そのものが格納される。FCS部23はマックヘッダ部21とボディ部22の誤り検出符号が格納されるが、ここでは誤り検出符号および誤り検出についての説明を略す。
パケットを送信するとき、CPU(57、57A、57B)は送信すべきデータ・指示とデータDAを、バスコントローラ(61、61A、61B)を介してコントロールMAC部(60、60A、60B)に与えるので、コントロールMAC部は、CPUから入力したデータ・指示をボディ部22に、データDAをMACヘッダ部21にそれぞれ格納し、さらに、EEPROMから読出した自己のMACアドレスをデータSAとしてMACヘッダ部21に格納したパケットを生成し、生成したパケットをDAC(59、59A、59B)に出力する。DACは入力したパケットを変換し出力する。出力されたパケットは、RF回路(51、51A、51B)およびアンテナ(50、50A、50B)を介して送信される。
リファレンス端末106および移動端末107のそれぞれは、各基地局のMACアドレスおよびサーバ105の識別データ(アドレス)をEEPROM56Bに予め格納しているので、データDAとしてEEPROM56Bから読出すアドレスをあてることができる。基地局のそれぞれは、少なくともサーバ105の識別データ(アドレス)をEEPROM56(56A)に予め格納しているので、データDAとしてEEPROM56(56A)から読出すアドレスをあてることができる。
パケットを受信するとき、アンテナ、RF回路およびコントロールMAC部を介しパケットを受信する。受信したパケットはバスコントローラを介してCPUに与えられる。CPUは受信パケットが与えられると、バスコントローラおよびコントロールMAC部60を介してEEPROM(55、55A、55B)から読出した自己のMACアドレスと、受信パケットのデータDAが指すMACアドレスとを比較して、比較結果に基づき一致していると検出すると、受信パケットは自己宛であると検出して、受信パケットを入力して、当該パケットについて処理を行う。一方、比較結果に基づき不一致であると検出すると、受信パケットは自己宛ではないと検出して、受信パケットを破棄する。
次に、図8を参照し、位置検出システムの位置検出手順の概略を説明する。
まず、サーバ105は、移動端末107から自己の位置を検出するための位置検出要求を受信したか否かを判定する(ステップS3)。位置検出要求を受信しない間は、ステップS3の処理が繰返されるが、当該要求を受信すると(ステップS3でYES)、今後の通信に用いるチャネル(CHと略す)に関する指示を送信する(ステップS5)。そして、各基地局102、103および104のそれぞれに、ステップS5で指示したチャネルのデータ送受信を監視するよう指示する(ステップS7)。
まず、サーバ105は、移動端末107から自己の位置を検出するための位置検出要求を受信したか否かを判定する(ステップS3)。位置検出要求を受信しない間は、ステップS3の処理が繰返されるが、当該要求を受信すると(ステップS3でYES)、今後の通信に用いるチャネル(CHと略す)に関する指示を送信する(ステップS5)。そして、各基地局102、103および104のそれぞれに、ステップS5で指示したチャネルのデータ送受信を監視するよう指示する(ステップS7)。
続いて、サーバ105のCPU70は、各基地局からリファレンス端末106の位置を検出するための信号を受信する(ステップS9)。続いて、各基地局から移動端末107の位置を検出するための信号を受信する(ステップS11)。その後、受信した結果に基づき、リファレンス端末106と移動端末107それぞれについての位置を所定演算式により算出する(ステップS13)。
その後、リファレンス端末106の真の位置データ200と、算出された位置情報との差分を算出する。これを、補正のために用いる補正値と称する(ステップS15)。そして、算出された補正値を用いて、ステップS13で予め算出された移動端末107の位置を補正処理する(S15)。
その後、CPU70は、補正後の検出結果を、移動端末107に宛てて送信する。その後、移動端末107においては、サーバ105から受信した位置検出結果をディスプレイ67Bまたはスピーカ66Bを介して画像または音声にて出力する。これに並行してサーバ105においては、CPU70は、移動端末107の位置検出結果を、ディスプレイ74にて画像で、またはスピーカ75にて音声にてそれぞれ出力する(ステップS19)。
図9を参照して、移動端末107の位置を検出する際のシステムのフローの実施例について説明する。図9の右端においては、各フローが、図8のいずれのステップに相当するかが対応付けて示されている。
まず、リファレンス端末106は接続可能な基地局103を介してサーバ105に自機の位置検出を要求する位置検出要求を送信し、同時に移動端末107も、接続可能な基地局103を介してサーバ105に自機の位置検出要求を送信する。位置検出要求を送信するためのパケットPA1は図13(A)に示される。図13(A)において送信先のデータDAはサーバ105を指し、送信元データSAはリファレンス端末106または移動端末107を指す。EEPROM56Bにはサーバ105を識別するデータが格納されており、CPU57BはEEPROM56Bから読出したサーバ105の識別データをデータDAとして格納し、ボディ部22に位置検出要求を格納したパケットPA1を送信する。通常は、基地局103は、リファレンス端末106と移動端末107それぞれの最寄りの基地局となる。リファレンス端末106と移動端末107がそれぞれ500msec毎に位置検出要求を繰返し送信するようにすれば、両者の位置検出要求は実質的に同時に発信されて、両者の位置は実質的に同時に検出されているとみなすことができる。
サーバ105は、位置検出要求のパケットPA1を受信し、無線チャネルの変更が必要と判定すれば、リファレンス端末106および移動端末107のそれぞれに、基地局103を介しその変更を指示する図13(B)のパケットPA2を送信する。パケットPA2のデータDAは直前に受信したパケットPA1のデータSAがあてられる。リファレンス端末106と移動端末107は、無線チャネルの変更の指示のパケットPA2を受理すると、応答信号(CH応答)のパケットをサーバ105に宛てて送信する。
続いて、サーバ105は、CH応答を受信したことに応じて、位置検出に用いる無線チャネルの監視の指示をボディ部22に格納したパケットPA3を、上述の位置検出要求を転送した基地局103、104および102に対し送信する。基地局103、104および102それぞれ宛てのパケットPA3のデータDAには、メモリ73の各レコードRから読出した識別番号のデータ11があてられる。
各基地局は、自己宛のチャネル監視指示のパケットPA3を受信したことに応じて、チャネル監視の処理を開始し、それとともに、応答信号のパケットをサーバ105に返信する。
図9に戻り、サーバ105は、パケットPA3を送信したすべての基地局から、応答を受信すると、応じてリファレンス端末106に宛てて位置測定のための信号の送信を行わせるための送信要求の図13(D)のパケットPA4を送信する。パケットPA4を受信したリファレンス端末106は、図13(E)のパケットPA5を、前述した第1の無線パケットとして送信する。その後、後述するリファレンス端末106の位置測定が行なわれる。
続いて、サーバ105は、移動端末107に宛てて位置測定のための信号の送信を行わせるための送信要求の図13(D)のパケットPA4を送信する。パケットPA4を受信した移動端末107は、図13(E)のパケットPA5を、前述した第1の無線パケットとして送信する。その後、後述する移動端末107の位置測定が行なわれる。
その後、サーバ105においては、リファレンス端末位置測定および移動端末位置測定によるリファレンス端末106と移動端末107の位置の測定結果に基づき、所定の演算式を適用して両者の位置を算出(検出)する(ステップS13)。その後、算出されたリファレンス端末106の位置に基づき補正値を算出し、検出した移動端末107の位置を、算出した補正値を用いて補正する(ステップS15)。
サーバ105は、その補正結果が示す移動端末107の位置を指す位置算出結果をボディ部22に格納した移動端末107に宛ての図13(F)のパケットPA6を、基地局103を介し送信する。移動端末107は、これを受信し、受信した内容を、スピーカ66Bまたはディスプレイ67Bを介して外部に出力する。また、サーバ105においても、位置算出結果を、ディスプレ74またはスピーカ75を介して外部に出力する。
図10と図11には、図9の‘リファレンス端末位置測定’と‘移動端末位置測定’の通信手順が示される。これらの通信手順を経て、サーバ105は、既に述べた式1と式2を用いた算出方法により移動端末107の位置を算出する。図10と図11の通信手順および式1と2を用いた算出手順は、前述した(端末位置検出の手順)に相当するので、ここではその説明は繰返さない。
図14には、測定結果データ202の一例が示される。記録領域E4には測定結果データ202として、リファレンス端末106と移動端末107のそれぞれに対応して、位置検出が行なわれた時間のデータと検出位置のデータとを対応付けて格納している。ここでは、0.5秒周期で、両者の端末の位置検出が行なわれていると想定している。両者の位置検出時間の差は0.1秒と想定する。これは発信周期のずれに相当する。検出位置のデータと対応付けて格納される時間データは、サーバ105の図示のないタイマによって計時された時間データを指し、この時間データは、サーバ105が、図10または図11の測定結果を各基地局から受信した時間を指す。
補正値が算出されると、図15に示すように、記録領域E4には図14の測定結果データ202に補正値のデータが追加して格納される。補正値のデータは、リファレンス端末106の各検出位置データ毎に算出されて、当該検出位置データに対応付けて格納される。
そして、移動端末107の各検出位置データを、当該検出位置データに対応するリファレンス端末106の検出位置データに対応して格納された補正値のデータを用いて補正する。その補正結果は、図16に示すように移動端末の検出位置データに対応付けて格納される。
図17と図18は、移動端末107の位置の計測が継続した場合の測定結果データ202の変化の様子を示している。
このように、リファレンス端末106と移動端末107との位置検出要求の発信周期はずれているが、そのずれは、サーバ105において最小になるように処理されて、移動端末107の位置が補正される。
サーバ105における位置検出結果の出力例としては、位置検出エリアに相当する地図画面データをメモリ73に予め格納しておき、これをCPU70が読出し、ディスプレイ74上に表示し、さらに表示された地図画像上に、検出した移動端末107の位置(座標)を時間を追うようにプロットする。これにより、最寄りの目標となるポイント(機械、器具、建物など)と移動端末107を携帯する作業者の位置との相対関係が確認できるので、サーバ105のオペレータは、危険箇所に接近している場合には、操作部76を操作してLAN101および各基地局を介して、移動端末107に危険報知の信号を送信する。そして、移動端末107では、受信した危険報知の信号を、ディスプレイ67Bでメッセージ出力するか、またはスピーカ66Bを介してブザー音などで出力する。これにより、作業者は、自分が危険箇所に接近していることを確認できる。
また、サーバ105は、移動端末107から受信したパケットPA1のデータSAに基づきテーブル201を検索し、当該移動端末107を携帯する作業員の名前などを読出し、読出した名前を、地図画像上にプロットされた検出位置付近に表示するようにしてもよい。
本実施の形態では、TDOA方式を用いた位置検出を応用しているが、特許文献2に開示のRSSI方式であってもよく、さらに他の方法であってもよい。
本実施の形態によれば、GPS(Global Positioning System)衛星の電波が届かない発電所などの現場作業において、作業者が移動端末107を携帯し、作業者の危険箇所への接近を検出して警告表示を行なうシステムにおいて、精度の高い作業者の位置検出が可能となり、精度の高い警告表示が可能となる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 位置検出システム、101 LAN、102,103,104 基地局、105 サーバ、106 リファレンス端末、107 移動端末。
Claims (4)
- 位置が検出されるべき移動端末と、
前記移動端末の移動領域内に固定に設置された複数の基地局と、
前記移動領域内の所定位置に固定に設置されたリファレンス端末と、
通信機能を有する管理端末とを備え、
前記複数の基地局のそれぞれは、
前記リファレンス端末から送信される第1信号を受信し、その受信結果を指す第1受信結果情報を、前記管理端末に送信する第1受信結果送信手段と、
前記移動端末から送信される第1信号を受信し、その受信結果を指す第2受信結果情報を、前記管理端末に送信する第2受信結果送信手段と、を含み、
前記管理端末は、
前記第1受信結果送信手段により送信された前記第1受信結果情報を受信し、受信した前記第1受信結果情報と、前記複数の基地局の位置情報とに基づき、前記リファレンス端末の位置を検出する第1位置検出手段と、
前記第2受信結果送信手段により送信された前記第2受信結果情報を受信し、受信した前記第2受信結果情報と、前記複数の基地局の位置情報とに基づき、前記移動端末の位置を検出する第2位置検出手段と、
前記第1位置検出手段により検出された前記リファレンス端末の位置と、前記所定位置との差分に従い、前記第2位置検出手段により検出された前記移動端末の位置を補正する検出位置補正手段とを含む、位置検出システム。 - 前記第1受信結果送信手段は、
前記リファレンス端末から送信される信号の受信時刻を測定し、測定時刻を前記第1受信結果情報として送信し、
前記第受信結果送信手段は、
前記移動端末から送信される信号の受信時刻を測定し、測定時刻を前記第2受信結果情報として送信する、請求項1に記載の位置検出システム。 - 前記リファレンス端末と前記移動端末は、同時に前記第1信号を送信する、請求項1または2に記載の位置検出システム。
- 前記移動端末は、
情報を出力する出力部を含み、
前記管理端末から送信された前記補正がされた後の前記移動端末の位置に関する情報を受信して、前記出力部を介し出力する、請求項1から3のいずれか1項に記載の位置検出システム。
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