JP2008281499A - 腐食環境センサおよびセンサシステム - Google Patents

腐食環境センサおよびセンサシステム Download PDF

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Abstract

【課題】 構成部材として貴金属を用いることなく簡易かつ安価に製造でき、精度の良い腐食情報を取得できる腐食環境センサおよびセンサシステムを提供する。
【解決手段】 この腐食環境センサ1は、成分、組成、または表面処理状態等の種類が互いに異なる2種類の金属電極6,7を有する。これら2種類の金属電極6,7は、互いに直接に接触して固定手段11,12で固定されて金属電極組2とされる。この金属電極組2は、両金属電極6,7間の電極接触部8が被検出環境下に晒される。金属電極組2の電極接触部8に光を照射する発光部9およびその照射された光の前記電極接触部8での反射光を検出する受光部10を有する光反射検出手段3を設ける。金属電極組2における前記電極接触部8の腐食を、前記光反射検出手段3の照射光に対する反射光の光強度の割合を検出することで検出する腐食検出回路4を設ける。
【選択図】 図1

Description

この発明は、風力発電所などの設備内機器の設置場所の環境モニタ、輸送機器などの周囲環境のモニタ、鉄道・船舶などに搭載される輸送用コンテナや車両用台車の設置場所の環境モニタなどに利用される腐食環境センサ、およびその腐食環境センサを用いたセンサシステムに関する。
この種の腐食環境センサの従来例として、金属表面に局部腐食が生じるのに伴い電流が流れることで、局部腐食点の周囲に形成される微小な電位勾配を、測定用電極を走査させて計測するようにしたものや(特許文献1)、コンクリート構造物中の鋼材と同種材質の細線を同じコンクリード構造物中に埋設し、この細線の通電状態から細線の切断時点を測定して腐食状況を予測するようにしたもの(特許文献2)などが知られている。
特公平6−100569号公報 特開平11−153568号公報
しかし、上記した構成の腐食環境センサを含めて、従来の腐食環境センサでは、以下に挙げる問題点を有する。
・ 電気化学的検査方法を用いるため、腐食形態により誤差を生じやすい。
・ 比較的金属材料を多く用いるため、コスト高となる。
・ イオン化傾向の低い金や銀などの貴金属を構成部材として用いることが多く、コスト高となる。
・ 単純な構造で腐食情報を取得できるものがほとんどない。
・ 測定時に通電させるものでは、真の腐食による電気化学反応を測定できない。
この発明の目的は、構成部材として貴金属を用いることなく簡易かつ安価に製造でき、精度の良い腐食情報を取得できる腐食環境センサおよびセンサシステムを提供することである。
この発明の腐食環境センサは、成分、組成、または表面処理状態等の種類が互いに異なる2種類の金属電極を有し、これら2種類の金属電極が互いに直接に接触して固定手段で固定され両金属電極間の電極接触部が被検出環境下に晒される金属電極組と、この金属電極組の前記電極接触部に光を照射する発光部およびその照射された光の前記電極接触部での反射光を検出する受光部を有する光反射検出手段と、前記金属電極組における前記電極接触部の腐食を、前記光反射検出手段の照射光に対する反射光の光強度の割合を検出することで検出する腐食検出回路とを備える。
この構成によると、光反射検出手段の発光部から一定強度の光が金属電極組の電極接触部に照射され、電極接触部での反射光が光反射検出手段の受光部で受光されるが、その受光強度は電極接触部の腐食状態によって異なる。つまり、照射光に対する反射光の光強度の割合(反射率)は腐食前と腐食後とで異なる。腐食検出回路は、この反射率の変化から電極接触部での腐食の状態を検出する。
被検出環境下に晒される金属電極組には、成分、組成、または表面処理状態等の種類が互いに異なることで、電解質の介在によって電位差を生じる2種類の金属電極を用いれば良い。そのため、構成部材としてイオン化傾向が低い金や銀などの貴金属を用いることなく簡易かつ安価に製造でき、精度の良い腐食情報を取得できる。
この発明において、前記金属電極組が、第1の種類の金属電極に接する第2の種類の金属電極として、互いに断面積の異なる複数個の金属電極を有し、これら複数個の第2の種類の金属電極と前記第1の種類の金属電極との各電極接触部に対して、前記光反射検出手段および前記腐食検出回路を設けたものとしても良い。このように第2の種類の金属電極を複数設けた場合、より詳細な腐食環境の情報を取得することができる。
この発明において、前記光反射検出手段が、同じ電極接触部に対して2個以上の発光部、および2個以上の受光部を有するものとしても良い。2個以上の発光部および受光部を設けた場合、より安定した信頼性の高い腐食検出が行える。
この発明において、前記発光部および受光部の前記金属電極組に対する傾斜角度を可変としても良い。
発光部および受光部の傾斜角度を可変とすると、設置の初期段階において、金属電極組の材料による光反射特性を考慮して、反射光の光強度が最大になるように発光部および受光部の角度調整を行うことができるので、高い信号対雑音比が得られ、精度の良い腐食検出を行うことができる。また、光を照射する材料に対して反射特性を調べることができ、複数の受光データから得られた詳細な情報より腐食を判定することができる。
この発明において、前記発光部として、互いに波長が異なる光を照射する複数の発光部、およびこれら複数の発光部の照射する光の前記電極接触部での反射光を検出する複数の受光部を設けても良い。この構成の場合、取り扱われる波長光の光学系ごとに、各光学系を完全に分離できるので、互いの光学系が影響し合うことがなく、精度の高い腐食検出が可能となる。
この発明において、前記発光部として、2個以上の発光部を設け、これら各発光部の照射経路に、特定波長の光のみを通過させる光学フィルタを設けても良い。このように光学フィルタを設けた場合も、それぞれ個別の特定波長を通過させる光学フィルタを有する光学系ごとに、各光学系を完全に分離できるので、互いの光学系が影響し合うことがなく、精度の高い腐食検出が可能となる。
この発明において、前記腐食検出回路の出力を設定情報と比較して腐食の状況を判定する腐食判定回路を設けても良い。この構成の場合、腐食環境センサが設置されている場所の環境状態を、高精度で信頼性高く検出できる。
この発明において、上記2種類の金属電極のうち、少なくとも1種類は腐食環境センサを配置する機械、この機械を構成する部品、この腐食環境センサと同じ場所に保管した仕掛品、半製品、製品、またはこれらを保管している設備のいずれかで用いられている金属を有するものとしても良い。
この構成の場合、腐食環境センサの周囲環境を正しく反映した検出結果を得ることができる。
この発明の腐食環境センサシステムは、この発明の上記したいずれかの構成の腐食環境センサと、この腐食環境センサにおける上記腐食検出回路の出力、またはこの出力から演算した物理量または判定結果を記憶する記憶手段を設けたものである。
この構成によると、腐食環境センサが設置されている場所の環境状態を、高精度で信頼性高く検出でき、検出された腐食環境情報を記憶手段で記録できる。
この発明の他の腐食環境センサシステムは、この発明の上記したいずれかの構成の腐食環境センサと、この腐食環境センサにおける上記腐食検出回路の出力、またはこの出力から演算した物理量または判定結果を、この腐食環境センサとは別の装置に有線または無線で送信する送受信手段を設けたものである。
この構成によると、製品の段階や、倉庫など輸送・保管の段階での環境を前記腐食環境センサでモニタし、さらに、送受信手段の送受信で得られる他の検出装置(温度,湿度)や表示装置からの情報を加味して、このセンサシステムが設置されている場所の環境状態を判定することにより、高精度で信頼性の高い腐食環境検出を行うことができる。
この発明の腐食環境センサは、成分、組成、または表面処理状態等の種類が互いに異なる2種類の金属電極を有し、これら2種類の金属電極が互いに直接に接触して固定手段で固定され両金属電極間の電極接触部が被検出環境下に晒される金属電極組と、この金属電極組の前記電極接触部に光を照射する発光部およびその照射された光の前記電極接触部での反射光を検出する受光部を有する光反射検出手段と,前記金属電極組における前記電極接触部の腐食を、前記光反射検出手段の照射光に対する反射光の光強度の割合を検出することで検出する腐食検出回路とを備えたため、構成部材として貴金属を用いることなく簡易かつ安価に製造でき、精度の良い腐食情報を取得できる。
この発明の腐食環境センサシステムは、この発明の腐食環境センサと、この腐食環境センサにおける腐食検出回路の出力、またはこの出力から演算した物理量または判定結果を記憶する記憶手段を設けたため、腐食環境センサが設置されている場所の環境状態を、高精度で信頼性高く検出でき,検出された腐食環境情報を記憶手段で記録できる。
この発明の他の腐食環境センサシステムは、この発明の腐食環境センサと、この腐食環境センサにおける腐食検出回路の出力、またはこの出力から演算した物理量または判定結果を、この腐食環境センサとは別の装置に有線または無線で送信する送受信手段を設けたため、製品の段階や、倉庫など輸送・保管の段階での環境を前記腐食環境センサでモニタし、さらに、送受信手段の送受信で得られる他の検出装置(温度,湿度)や表示装置からの情報を加味して、このセンサシステムが設置されている場所の環境状態を判定することにより、高精度で信頼性の高い腐食環境検出を行うことができる。
この発明の一実施形態を図1ないし図5と共に説明する。図1はこの実施形態の腐食環境センサの概略構成図を示す。この腐食環境センサ1は、成分、組成等の種類が互いに異なる2種類の金属電極6,7の組合せからなる金属電極組2と、発光部9および受光部10を有する光反射検出手段3と、この光反射検出手段3の照射光と反射光の光強度の割合を検出することで前記金属電極組2における金属接触部8の腐食を検出する腐食検出回路4と、この腐食検出回路4の出力を設定情報と比較して腐食の状況を判定する判定回路5とを備える。
図2に断面図で示すように、金属電極組2を構成する2種類の金属電極6,7は互いに直接に接触して、それらの両端がボルトなどの固定手段11,12で固定される。これら2種類の金属電極6,7のうち、第1の種類となる金属電極6は1枚の板状とされ、第2の種類となる金属電極7は短冊状とされている。ここでは前記2種類の金属電極6,7としてイオン化傾向の異なる金属が用いられる。すなわち、例えば第1の種類の金属電極6として鉄が、第2の種類の金属電極7として亜鉛が用いられ、第1の種類の金属電極6の表面の一部に、第2の金属電極7が配置される。なお、ここで言う種類が互いに異なる金属電極6,7とは、同種の金属であっても表面処理状態や不純物添加物などにより特性が異なるものも含まれる。これら互いに異なる金属電極6,7は、特性が異なる結果、電解質の介在により電位差を生じて腐食し易くなるものであれば良い。このように構成された金属電極組2において、両金属電極6,7間の電極接触部8が被検出環境下に晒される。
光反射検出手段3の一構成部品である発光部9は、金属電極組2の電極接触部8である第2の種類の金属電極7の表面に光を照射する手段である。光反射検出手段3の他の構成部品である受光部10は、前記発光部9から照射された光の前記電極接触部8での反射光を検出する手段である。なお、この実施形態では、一つの電極接触部8に対して1個の発光部9から光を照射し、その反射光を1個の受光部10で受光するようにしているが、同じ電極接触部8に対して2個以上の発光部9から光を照射し、2個以上の受光部10で受光するようにしても良い。
腐食検出回路4は、光反射検出手段3の発光部9からの照射光に対して、受光部10で受光される反射光の光強度の割合、つまり金属電極組2における電極接触部8(第2の種類の金属電極7の表面)での反射光の光強度の割合を検出する回路である。腐食検出回路4は、その検出した光強度の割合から、電極接触部8の腐食の度合いの検出に用いられるものである。
図3は、前記光反射検出手段3の一構成例を示す。光反射検出手段3の発光部9は、電圧電源Vcc01・アース間に抵抗R1、発光ダイオードLED、およびスイッチング用トランジスタTrを直列接続して構成され、この直列回路に流される電流It0に比例した強度の光が発光ダイオードLEDから前記電極接触部8に照射される。光反射検出手段3の受光部10は、演算増幅回路OPとフィードバック抵抗Rfとでなる反転差動増幅回路の反転入力端子を、フォトダイオードPDを介して電圧電源Vcc02に接続して構成される。前記電極接触部8での反射光はフォトダイオードPDで受光され、フォトダイオードPDには受光量に比例した電流Ir0が流れる。この電流Ir0が入力信号として反転差動増幅回路の反転入力端子に入力され、この電流Ir0に比例した電圧V(=−Ir0・Rf)が反転差動増幅回路から出力される。この出力結果は腐食検出回路4(図1)に送信される。
次に、上記腐食環境センサ1の動作を説明する。図4(A)に示すように、光反射検出手段3の発光部9から一定強度の光が金属電極組2の電極接触部8、つまり第2の種類の金属電極7の表面に照射される。その照射光は金属電極7の表面で反射されて、光反射検出手段3の受光部10で受光されるが、その受光強度は金属電極7の表面の状態、つまり電極接触部8の腐食状態によって異なる。
図4(A)は電極接触部8に腐食が生じる前の状態を、図4(B)は腐食発生後の状態をそれぞれ示す。ここでは、第1の種類の金属電極6に比べて、第2の種類の金属電極7のイオン化傾向が大きいので、電極接触部8に水分が付着すると、接触腐食によりイオン化傾向の大きい金属電極7が溶け出す。これにより、金属電極7の表面が腐食し、あるいは図4(B)のように金属電極7が欠落して、第1の種類の金属電極6の表面が露出する。
発光部9から照射される光強度をTxo、腐食前に金属電極7の表面で反射し受光部10で受光される光強度をRxoとすると、腐食検出回路4(図1)が腐食前に検出する反射率γ0 は、
γ0 =Rxo/Txo
となる。接触腐食が発生すると、上記したように第2の種類の金属電極7の表面が荒れ、あるいは第1の種類の金属電極6の表面が露出するので、受光部10で受光される光強度は低下してRx1となる。このとき腐食検出回路4が検出する反射率γ1 は、
γ1 =Rx1/Txo
となる。図5には、腐食検出回路4が検出する反射率γの時間の経過に伴う変化をグラフで示している。その反射率γの変化(γ<γ0 )から、腐食判定回路5(図1)は腐食が発生したと判定する。また、図5のように、反射率γが予め設定したしきい値γthを下回たとき、腐食判定回路5は腐食環境が悪化したと判定する。
この腐食環境センサ1によると、成分、組成、または表面処理状態等の種類が互いに異なる2種類の金属電極6,7を用いるため、構成部材としてイオン化傾向が低い金や銀などの貴金属を用いることなく簡易かつ安価に製造でき、精度の良い腐食情報を取得することができる。
この腐食環境センサ1を例えば任意の機械に配置して、機械の周囲の腐食環境をモニタする場合、前記2種類の金属電極6,7のうち、少なくとも1種類の金属電極には、前記機械、この機械を構成する部品、この腐食環境センサ1と同じ場所に保管した仕掛品、半製品、製品、またはこれらを保管している設備のいずれかで用いられている金属を用いるのが望ましい。この場合、腐食環境センサ1の周囲環境を正しく反映した検出結果を得ることができる。
図6は、この発明の他の実施形態を示す。この実施形態は、図1の腐食環境センサ1において、金属電極組2が、第1の種類の金属電極6に接する第2の種類の金属電極(イオン化傾向の大きい金属電極)として、互いに断面積(ここでは厚さ)の異なる複数個(ここでは2個)の金属電極7A,7Bを有するものとしている。また、これら複数個の第2の種類の金属電極7A,7Bと前記第1の種類の金属電極6との各電極接触部8A,8Bに対して、個別に光反射検出手段3A,3Bおよび腐食検出回路4A,4Bを設けている。腐食判定回路5は、上記複数の腐食検出回路4A,4Bの出力を設定情報と比較して腐食の判定を行う。その他の構成は、図1の実施形態の場合と同様である。
このように、イオン化傾向の大きい金属電極として断面積(ここでは厚さ)の異なる複数個の金属電極7A,7Bを用いることにより、より詳細な腐食環境の情報を取得することができる。
なお、イオン化傾向の大きい金属電極7A,7Bのうち、厚さの薄い金属電極7Aの形成には金属メッキなどによる堆積技術を用いても良く、これにより腐食環境センサ1の感度を高めることができる。
図7は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態は、図6の腐食環境センサ1において、発光部9A,9Bおよび受光部10A,10Bを自在継手等の角度調整手段14,15を介して基台13に設置することにより、発光部9A,9Bおよび受光部10A,10Bの金属電極組2における各電極接触部8A,8Bに対する傾斜角度を可変としたものである。なお、同図では、腐食検出回路4A,4Bおよび腐食判定回路5は図示を省略している。その他の構成は図6の実施形態の場合と同様である。
このように、発光部9A,9Bおよび受光部10A,10Bの傾斜角度を可変とすると、設置の初期段階において、金属電極組2の材料による光反射特性を考慮して、反射光の光強度が最大になるように発光部9A,9Bおよび受光部10A,10Bの角度調整を行うことができるので、高い信号対雑音比が得られ、精度の良い腐食検出を行うことができる。また、光を照射する材料に対して反射特性を調べることができ、複数の受光データから得られた詳細な情報より腐食を判定することができる。
また、図6や図7の実施形態において、複数個の発光部9A,9Bとして、互いに波長の異なる光を照射する発光部を用い、これら発光部9A,9Bに対応する複数個の受光部10A,10Bも互いに波長の異なる光を受光可能な受光部を用いるようにしても良い。このように構成した場合、発光部9A,電極接触部8A,受光部10Aからなる光学系と発光部9B,電極接触8B,受光部10Bからなる光学系とを完全に分離できるので、互いの光学系が影響し合うことがなく、精度の高い腐食検出が可能となる。
また、図6や図7の実施形態において、各発光部9A,9Bの照射経路に、特定波長の光のみを通過させる光学フィルタを設けても良い。このように光学フィルタを設けた場合にも、発光部9A,電極接触部8A,受光部10Aからなる光学系と発光部9B,電極接触8B,受光部10Bからなる光学系とを完全に分離できるので、互いの光学系が影響し合うことがなく、精度の高い腐食検出が可能となる。
また、発光部9が1個である図1の実施形態においても、その発光部9の照射経路に特定波長の光のみを通過させる光学フィルタを設けると、照明などの測定に関係ない光の影響を抑えることができるので、精度の高い腐食検出が可能となる。
図8には、図1の実施形態の腐食環境センサ1を用いたセンサシステムの一構成例を示している。このセンサシステムでは、腐食環境センサ1の構成部品である腐食判定回路5が、演算手段16、記憶手段17、送受信回路18、電源回路19を備える。演算手段16は腐食判定回路5の本来の機能と、図1の実施形態における腐食検出回路4の機能を担う。腐食判定回路5は、記憶手段17に予め記録された信号パターンにより、光反射検出手段3の発光部9に一定の電流を流し、金属電極組2の電極接触部8に照射する光強度を一定にする。受光部10の出力を受けて、演算手段16が上記した腐食検出・判定の処理を行う。受光部10の出力や、演算手段で演算された物理量または判定結果は、記憶手段17に保存される。また、得られた情報は送受信手段20により監視システムなどへ送信される。なお、電源回路19は、腐食判定回路5の外部に設けても良いし、内部にバッテリなどの電源を設けても良い。光反射検出手段3における発光部9および受光部10の金属電極組2に対する傾斜角度は、電気的な制御で可変調整できる構成としても良い。
このセンサシステムでは、製品の段階や、倉庫など輸送・保管の段階での環境をモニタできると共に、送受信手段20で得られる他の検出装置(温度,湿度)や表示装置からの情報を加味して、このセンサシステムが設置されている場所の環境状態を判定することにより、高精度で信頼性の高い腐食環境検出を行うことができる。
図9は、センサシステムの他の構成例を示している。このセンサシステムは、図8のセンサシステムにおいて、光反射検出手段3の発光部9と金属電極組2における電極接触部8との間、および光反射検出手段3の受光部10と金属電極組2における電極接触部8との間のそれぞれを、光ファイバなどの光伝送路21,22で連結したものである。その他の構成は図8の場合と同様である。
このように、発光部9と電極接触部8の間の光路、および電極接触部8と受光部10の間の光路を光伝送路21,22で連結すると、金属電極組2だけを被検出環境下に設置するだけで、腐食環境センサ1の他の構成部品(光反射検出手段3や腐食判定回路5など)を異なる場所に配置することができ、腐食判定回路5内で使用されている電子部品を劣悪な環境下で使用しなくて済む。
図10は、図8のセンサシステムと外部との間でのデータ転送構成の一例を示す。このデータ転送構成例は無線で送受信する例であり、腐食判定回路5で扱われたデータは送受信手段20から例えば電波23により送受信端末24に送信され、また電波23により送信された送受信端末24のデータが送受信手段20で受信される。
図11は、図8のセンサシステムと外部との間でのデータ転送構成の他の例を示す。このデータ転送構成例は有線で送受信する例であり、腐食判定回路5で扱われたデータは有線25および通信網26を経て送受信端末24に送信され、また送受信端末24より送信されたデータが有線25および通信網26を経て送受信手段20で受信される。
図10や図11のようなデータ転送構成で前記センサシステムと送受信端末24とを接続することにより、風力発電所などの設備内機器の設置場所に対する環境検出モニタ、輸送機器などの周囲環境モニタ、鉄道・船舶などの輸送用コンテナや輸送車両用荷台などの設置場所に対する環境モニタなどのように、遠隔地に設定された測定対象や移動手段を備えている測定対象に対しても、容易にデータ収集が可能となる。
また、内部電源(例えばバッテリ)や無線送受信装置(例えば無線タグ装置)を備えることにより、風力発電所などの設備内機器のように、有線での接続が困難な移動部を備えている製品や部品に対しても、データ収集が可能となる。
この発明の一実施形態に係る腐食環境センサの概略構成図である。 同腐食環境センサにおける金属電極組の断面図である。 同腐食環境センサにおける光反射検出手段の構成例を示す回路図である。 同腐食環境センサの動作説明図である。 同腐食環境センサにおける腐食検出回路が検出する反射率の経時変化を示すグラフである。 この発明の他の実施形態に係る腐食環境センサの概略構成図である。 この発明のさらに他の実施形態に係る腐食環境センサの概略構成図である。 図1の腐食環境センサを用いたセンサシステムの一例を示す概略構成図である。 図1の腐食環境センサを用いたセンサシステムの他の例を示す概略構成図である。 図8のセンサシステムと外部との間でのデータ転送の一例の構成図である。 図8のセンサシステムと外部との間でのデータ転送の他の例の構成図である。
符号の説明
1…腐食環境センサ
2…金属電極組
3,3A,3B…光反射検出手段
4,4A,4B…腐食検出回路
5…腐食判定回路
6,7,7A,7B…金属電極
8,8A,8B…電極接触部
9,9A,9B…発光部
10,10A,10B…受光部
11,12…固定手段
14,15…角度調整手段
17…記憶手段
20…送受信手段

Claims (10)

  1. 成分、組成、または表面処理状態等の種類が互いに異なる2種類の金属電極を有し、これら2種類の金属電極が互いに直接に接触して固定手段で固定され両金属電極間の電極接触部が被検出環境下に晒される金属電極組と、この金属電極組の前記電極接触部に光を照射する発光部およびその照射された光の前記電極接触部での反射光を検出する受光部を有する光反射検出手段と、前記金属電極組における前記電極接触部の腐食を、前記光反射検出手段の照射光に対する反射光の光強度の割合を検出することで検出する腐食検出回路とを備えた腐食環境センサ。
  2. 請求項1において、前記金属電極組が、第1の種類の金属電極に接する第2の種類の金属電極として、互いに断面積の異なる複数個の金属電極を有し、これら複数個の第2の種類の金属電極と前記第1の種類の金属電極との各電極接触部に対して、前記光反射検出手段および前記腐食検出回路を設けた腐食環境センサ。
  3. 請求項1または請求項2において、前記光反射検出手段が、同じ電極接触部に対して2個以上の発光部、および2個以上の受光部を有する腐食環境センサ。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記発光部および受光部の前記金属電極組に対する傾斜角度を可変とした腐食環境センサ。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記発光部として、互いに波長が異なる光を照射する複数の発光部、およびこれら複数の発光部の照射する光の前記電極接触部での反射光を検出する複数の受光部を設けた腐食環境センサ。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記発光部として、2個以上の発光部を設け、これら各発光部の照射経路に、特定波長の光のみを通過させる光学フィルタを設けた腐食環境センサ。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、前記腐食検出回路の出力を設定情報と比較して腐食の状況を判定する腐食判定回路を設けた腐食環境センサ。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、上記2種類の金属電極のうち、少なくとも1種類は腐食環境センサを配置する機械、この機械を構成する部品、この腐食環境センサと同じ場所に保管した仕掛品、半製品、製品、またはこれらを保管している設備のいずれかで用いられている金属を有する腐食環境センサ。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の腐食環境センサと、この腐食環境センサにおける上記腐食検出回路の出力、またはこの出力から演算した物理量または判定結果を記憶する記憶手段を設けた腐食環境センサシステム。
  10. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の腐食環境センサと、この腐食環境センサにおける上記腐食検出回路の出力、またはこの出力から演算した物理量または判定結果を、この腐食環境センサとは別の装置に有線または無線で送信する送受信手段を設けた腐食環境センサシステム。
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