JP2008278702A - スリップ抑制装置及びスリップ状態推定方法 - Google Patents

スリップ抑制装置及びスリップ状態推定方法 Download PDF

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Kansuke Yoshisue
監介 吉末
Kazuya Okumura
和也 奥村
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明洋 細川
Yoshinori Maeda
義紀 前田
Naoki Moriguchi
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Abstract

【課題】路面反力の推定精度を向上させること。
【解決手段】路面と駆動輪との間に発生するスリップを推定するにあたり、前記駆動輪に付与されるトルクと、前記駆動輪の回転角加速度とに基づき、前記路面から前記駆動輪への第1の路面反力を演算する(ステップS101)。次に、前記第1の路面反力の変化率を演算し(ステップS103)、前記第1の路面反力の変化率に基づいて路面反力補正量を求める(ステップS104)。次に、前記第1の路面反力と、前記路面反力補正量とから、前記路面から前記駆動輪への第2の路面反力を求める(ステップS105)。そして、前記第2の路面反力に基づいて、前記スリップを抑制するための駆動力を求め、前記駆動輪へ付与する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、車両の駆動輪にスリップが発生した場合に、このスリップを回復する際に用いるスリップ抑制装置及びスリップ状態推定方法に関する。
乗用車やトラック等の車両の駆動輪がスリップした場合、車両の挙動が不安定になったり、動力発生源が発生する動力を有効に駆動力へ変換できないことにより、車両の推進効率が低下したりする。このため、駆動輪にスリップが発生した場合には、その駆動輪のグリップを速やかに回復させる必要がある。非特許文献1の4頁には、駆動輪の回転速度を1階微分することによって、路面が駆動輪に与える反力(路面反力)を推定する方法において、いわゆるローパスフィルタを用いて高調波ノイズを除去する技術が開示されている。
電気自動車の特性を生かした路面状態の推定と制御;1頁〜16頁;計測自動制御学会 第28回制御技術部会研究会、第2回適応学習制御調査研究会資料
しかし、非特許文献1に開示された技術は、高調波ノイズを除去するためにローパスフィルタを用いるので、路面反力の推定が遅れてしまう。駆動輪の駆動力は、路面反力に基づいて決定されるため、路面反力の推定が遅れると、スリップが発生した駆動輪の駆動力を低減させる場合には、適切な駆動力で駆動輪を駆動することができず、スリップ状態からグリップ状態への回復に遅れが生ずるおそれがある。
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、路面反力の推定精度を向上させること、駆動輪にスリップが発生した場合には、適切な駆動力で駆動輪を駆動して迅速にスリップ状態からグリップ状態へ回復させることのうち、少なくとも一つを達成できるスリップ抑制装置及びスリップ状態推定方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るスリップ抑制装置は、路面と駆動輪との間に発生するスリップを、前記駆動輪の駆動力を調整して抑制するものであり、前記駆動輪に付与されるトルクと、前記駆動輪の回転角加速度とに基づき、ノイズ除去手段によってノイズが除去された、前記路面から前記駆動輪への第1の路面反力を求める路面反力演算部と、前記第1の路面反力と、前記第1の路面反力の変化率に基づいて求めた路面反力補正量とから、前記路面から前記駆動輪への第2の路面反力を求める路面反力補正部と、前記第2の路面反力に基づいて、前記スリップを抑制するために前記駆動輪へ付与する駆動力を求める駆動力制御部と、を含むことを特徴とする。
このように、本発明に係るスリップ抑制装置は、第1の路面反力の変化率に基づいて求めた路面反力補正量で、ノイズを除去することによって遅れが発生した第1の路面反力を補正するので、第1の路面反力を用いるよりも、実際の路面反力の推定精度を向上させることができる。そして、推定精度の向上した路面反力、すなわち第2の路面反力を用いて駆動輪の駆動力を制御できるので、駆動輪にスリップが発生した場合には、適切な駆動力で駆動輪を駆動して迅速にグリップ状態へ回復させることができる。
本発明の好ましい態様としては、前記路面反力補正部は、前記第1の路面反力と、前記ノイズの除去に起因して発生する遅れ時間と、前記第1の路面反力の変化率とに基づいて、前記路面反力補正量を求めることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記第2の路面反力は、前記第1の路面反力から、前記路面反力補正量を減じた値であることが望ましい。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るスリップ状態推定方法は、路面と駆動輪との間に発生するスリップを推定するにあたり、前記駆動輪に付与されるトルクと、前記駆動輪の回転角加速度とに基づき、ノイズが除去された、前記路面から前記駆動輪への第1の路面反力を求める手順と、前記第1の路面反力と、前記第1の路面反力の変化率に基づいて求めた路面反力補正量とから、前記路面から前記駆動輪への第2の路面反力を求める手順と、を含むことを特徴とする。
このように、本発明に係るスリップ状態推定方法は、第1の路面反力の変化率に基づいて求めた路面反力補正量で、ノイズを除去することによって遅れが発生した第1の路面反力を補正するので、第1の路面反力を用いるよりも、実際の路面反力の推定精度を向上させることができる。そして、推定精度の向上した路面反力、すなわち第2の路面反力を用いて駆動輪の駆動力を制御できるので、駆動輪にスリップが発生した場合には、適切な駆動力で駆動輪を駆動して迅速にグリップ状態へ回復させることができる。
本発明に係るスリップ抑制装置及びスリップ状態推定方法は、路面反力の推定精度を向上させること、駆動輪にスリップが発生した場合には、適切な駆動力で駆動輪を駆動して迅速にスリップ状態からグリップ状態へ回復させることのうち、少なくとも一つを達成できる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この発明を実施するための最良の形態(以下実施形態という)によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲に含まれるものが含まれる。
以下においては、電動機を動力発生源とする車両、例えば、いわゆる電気自動車やFCV(Fuel Cell Vehicle:燃料電池車両)に本発明を適用した場合を説明するが、本発明の適用対象は、駆動輪の駆動力を制御できる手段を備えていればよい。このような車両であれば、本発明は、電動機と内燃機関とを組み合わせて動力発生源とする、いわゆるハイブリッド車両や、動力発生源に内燃機関を用いる車両に対しても適用できる。なお、本発明では、動力発生源のトルクを調整することによって駆動輪のスリップを抑制するため、車両が備える動力発生源は、例えば電動機のように、出力中のトルクを簡易に知ることができるとともに、出力するトルクを迅速に変更できるものであることが好ましい。
また、以下において、スリップ抑制制御は、車両が備える駆動輪に許容できないスリップが発生した場合、これを許容範囲内のスリップに抑制する制御をいう。例えば、路面から駆動輪への路面反力がスリップ率の変化に対して最大値を持つ場合、駆動輪のスリップ率が、最大の路面反力におけるスリップ率を超えると、駆動輪のスリップは許容できない。この場合、スリップ抑制制御は、駆動輪のスリップ率が最大の路面反力におけるスリップ率を超えたときに、前記駆動輪のスリップ率を最大の路面反力におけるスリップ率よりも小さい値に抑制し、その後最大路面反力のスリップ率とする。
本実施形態は、次の点に特徴がある。すなわち、車両が備える駆動輪に付与されるトルクと駆動輪の回転角加速度とに基づき、駆動輪が接する路面から駆動輪への第1の路面反力を求め、この第1の路面反力と、第1の路面反力の変化率に基づいて求めた路面反力補正量とから、路面から前記駆動輪への第2の路面反力を求める。そして、この第2の路面反力に基づいて、駆動輪のスリップを抑制するために必要な駆動力を求め、駆動輪へ付与する。
図1は、実施形態1に係る走行装置を備える車両の構成を示す概略図である。以下の説明において、車両1が前進する方向(図1中の矢印X方向)を前とし、車両1が後進する方向、すなわち前進する方向とは反対の方向を後とする。また、左右の区別は、車両1の前進する方向を基準とする。すなわち、「左」とは、車両1の前進する方向に向かって左側をいい、「右」とは、車両1の前進する方向に向かって右側をいう。
実施形態1に係る車両1は、電動機のみを動力発生源とする走行装置100を備える。走行装置100は、動力発生源である左前側電動機10flと、右前側電動機10frと、左後側電動機10rlと、右後側電動機10rrとを備える。本実施形態において、左前側電動機10flは左側前輪2flを駆動し、右前側電動機10frは右側前輪2frを駆動し、左後側電動機10rlは左側後輪2rlを駆動し、右後側電動機10rrは右側後輪2rrを駆動する。
上述したように、この走行装置100において、左側前輪2fl、右側前輪2fr、左側後輪2rl及び右側後輪2rrは、それぞれ異なる電動機で駆動される。このように、車両1は、すべての車輪が駆動輪となる。すなわち、車両1の駆動輪は、左側前輪2fl、右側前輪2fr、左側後輪2rl及び右側後輪2rrである。左側前輪2fl、右側前輪2frは車両1の駆動輪であるとともに、ハンドル4によって操舵されて車両1の進行方向を変更する操舵輪としても機能する。
また、この走行装置100においては、上述したように、左側前輪2fl、右側前輪2fr、左側後輪2rl及び右側後輪2rrは、それぞれ異なる電動機によって直接駆動される。そして、左前側電動機10fl、右前側電動機10fr、左後側電動機10rl及び右後側電動機10rrは、左側前輪2fl、右側前輪2fr、左側後輪2rl及び右側後輪2rrのホイール内に配置される、いわゆるインホイール形式の構成となっている。
なお、電動機と車輪との間に減速機構を設け、左前側電動機10fl、右前側電動機10fr、左後側電動機10rl及び右後側電動機10rrの回転数を減速して、左側前輪2fl、右側前輪2fr、左側後輪2rl及び右側後輪2rrに伝達してもよい。一般に、電動機は小型化するとトルクが低下するが、減速機構を設けることによって電動機のトルクを増加させることができる。その結果、左前側電動機10fl、右前側電動機10fr、左後側電動機10rl及び右後側電動機10rrを小型化することができる。
左前側電動機10fl、右前側電動機10fr、左後側電動機10rl及び右後側電動機10rrは、ECU(Electronic Control Unit)50によって制御されて、左側前輪2fl、右側前輪2fr、左側後輪2rl、右側後輪2rrの駆動力が調整される。本実施形態においては、アクセル開度センサ41によって検出されるアクセル5の開度により走行装置100の総駆動力F_all、及び左側前輪2fl、右側前輪2fr、左側後輪2rl、右側後輪2rr各輪の駆動力が制御される。
また、本実施形態に係るスリップ抑制制御において、左側前輪2fl、右側前輪2fr、左側後輪2rl、右側後輪2rrの駆動力は、ECU50に組み込まれるスリップ抑制装置30によって変更される。すなわち、本実施形態に係るスリップ抑制制御においては、スリップ抑制装置30が、車両1が備える各駆動輪の駆動力を変更する駆動力変更手段としての機能を発揮する。また、本実施形態においては、上述した構成により、左側前輪2fl、右側前輪2fr、左側後輪2rl、右側後輪2rrそれぞれの駆動力を独立して制御することができる。これにより、本実施形態に係るスリップ抑制制御を実行する際には、左側前輪2fl、右側前輪2fr、左側後輪2rl、右側後輪2rrそれぞれの駆動力を個別に制御して、スリップを回復させることができる。
左前側電動機10fl、右前側電動機10fr、左後側電動機10rl及び右後側電動機10rrは、左前側レゾルバ40fl、右前側レゾルバ40fr、左後側レゾルバ40rl、右後側レゾルバ40rrによって回転角度や回転速度が検出される。左前側レゾルバ40fl、右前側レゾルバ40fr、左後側レゾルバ40rl及び右後側レゾルバ40rrの出力は、ECU50に取り込まれて、左前側電動機10fl、右前側電動機10fr、左後側電動機10rl及び右後側電動機10rrの制御に用いられる。
左前側電動機10fl、右前側電動機10fr、左後側電動機10rl及び右後側電動機10rrは、インバータ6に接続されている。インバータ6には、例えばニッケル−水素電池や鉛蓄電池、あるいは燃料電池(FC:Fuel Cell)等の車載電源7が接続されており、必要に応じてインバータ6を介して左前側電動機10fl、右前側電動機10fr、左後側電動機10rl及び右後側電動機10rrへ供給される。これらの出力は、ECU50からの指令によってインバータ6を制御することで制御される。なお、本実施形態においては、1台のインバータで1台の電動機を制御する。左前側電動機10fl、右前側電動機10fr、左後側電動機10rl及び右後側電動機10rrを制御するため、インバータ6は、それぞれの電動機に対応した4台のインバータで構成される。
左前側電動機10fl、右前側電動機10fr、左後側電動機10rl及び右後側電動機10rrが走行装置100の動力発生源として用いられる場合、車載電源7の電力がインバータ6を介して供給される。また、例えば車両1の減速時には、左前側電動機10fl、右前側電動機10fr、左後側電動機10rl、右後側電動機10rrが発電機として機能して回生発電を行い、これによって車両1の運動エネルギを電気エネルギに変換して回収し、車載電源7に蓄える。これは、ブレーキ信号やアクセルオフ等の信号に基づいて、ECU50がインバータ6を制御することにより実現される。なお、本実施形態に係るスリップ抑制制御を実行する際にも、必要に応じて左前側電動機10fl、右前側電動機10fr、左後側電動機10rl、右後側電動機10rrの回生発電を実行する。次に、駆動輪がスリップしたときの状態を説明する。
図2は、車両の駆動輪がスリップしたときにおける駆動トルク、路面反力、駆動輪速度、車両速度、スリップ率の時間変化を示す説明図である。図3は、駆動トルクや路面反力等を説明する概念図である。以下においては、説明の便宜上、必要に応じて、左側前輪2fl、右側前輪2fr、左側後輪2rl、右側後輪2rrを区別せず駆動輪2という。同様に、説明の便宜上、必要に応じて、左前側電動機10flや右後側電動機10rr等は電動機10といい、左前側レゾルバ40flや右前側レゾルバ40fr等はレゾルバ40という。
車両1の走行中、例えば、駆動輪2を駆動する電動機10のトルク(電動機駆動トルク)Tが増加すると(図2の上段)、駆動輪2が路面GL上でスリップし始める(図2の中段における(A)で示す部分)。駆動輪2がスリップし始めると、駆動輪2の周速度(駆動輪速度)Vwと車両1の走行速度(車両速度V)との差が大きくなり、その結果としてスリップ率slipが増加する。また、路面反力Ftも増加する。ここで、駆動輪速度Vwは、駆動輪2の回転角速度をωとし、駆動輪2の半径(駆動輪2の回転軸Zrから外周までの距離)をrとすると、Vw=r×ωとなる(図3参照)。また、路面反力Ftは、路面GLが、駆動輪の回転軸Zrと直交し、かつ路面GLと平行な方向に、駆動輪2を押す力である。
路面反力Ftは式(1)で、スリップ率slipは式(2)で求めることができる。
Ft=(T×RD−Iv×a)/r・・(1)
slip=(Vw−V/Vw)・・(2)
ここで、Ivは駆動輪2のイナーシャも含んだ駆動系のイナーシャ、RDは駆動系の減速比、aは駆動輪2の加速度(駆動輪加速度)である。なお、駆動輪加速度aは、駆動輪2の回転角加速度である。駆動系のイナーシャは、例えば、本実施形態における車両においては、電動機のローターから駆動輪2までの間に存在する動力伝達に関わる構造物すべてのイナーシャである。駆動系の減速比RDは、動力発生源である電動機が備えるローターから駆動輪2までの間における減速比であり、インホイール形式かつ直結の場合、減速比RD=1である。
駆動輪2がスリップしている途中においては、路面反力が最大となる箇所がある(図2の中段における(B)で示す部分)。この時間をt1とする。このときの路面反力を最大路面反力Ft_max、スリップ率を最大路面反力時スリップ率slip_maxとする。最大路面反力Ft_maxを超えると(t=t1以降)、駆動輪速度Vwは短時間で急激に上昇し、これにともなってスリップ率slipも急激に上昇する。そして、スリップ率slipのピークを超えた場合、駆動トルクTを低下させることにより、駆動輪2のスリップが徐々にグリップ状態へ回復し始める(図2の中段における(C)で示す部分)。図2の中段における(D)で示す部分は、駆動輪2の状態がグリップ状態へ回復している途中であり、スリップ率slipはグリップ走行時におけるスリップ率へ近づいていく。
一般に、駆動輪2と路面GLとの間において、最大路面反力時スリップ率slip_max、すなわち最大路面反力Ft_maxが発生している状態で、駆動輪2が駆動されることが好ましい。したがって、駆動輪2にスリップが発生した場合には、スリップ率をできるだけ早く最大路面反力時スリップ率slip_maxに戻すことが好ましい。
ここで、駆動トルクTが増加することによって、あるいは駆動トルクTは一定であるが駆動輪2が高μ路面から低μ路面へ移行することによって駆動輪2のスリップが発生し、スリップ率が最大路面反力時スリップ率slip_maxを超えた場合には、駆動輪2の回転数は加速度をもって増加する。その結果、スリップ率slipはより高いスリップ率へ急激に移行しようとする。このため、本実施形態に係るスリップ制御は、駆動輪2のスリップが発生した場合には、例えば、駆動輪2の駆動トルクTを大きく低下させることによって、駆動輪2の持つ加速度を打ち消してから、スリップ率を最大路面反力時スリップ率slip_maxへ戻す。
図4は、路面反力及び路面反力の変化率の時間変化を示す説明図である。図4に示す破線aは、駆動輪2を駆動する電動機10に対するトルクの指令値を示す。点線bは、駆動輪2の駆動輪加速度aから求めた路面反力(以下計測路面反力という)Ft_sであり、実線eは、実際の路面反力(以下実路面反力という)Ft_rである。
計測路面反力Ft_sは、駆動輪2の駆動輪加速度aから求めるが、駆動輪加速度aは、路面GLの凹凸や駆動輪速度Vwの測定時におけるノイズ等により、図4に示すようにばらつきが大きい。このため、駆動輪2の駆動力制御に用いる路面反力は、例えば、ディジタルローパスフィルタのようなフィルタ技術をノイズ除去手段として用いて、計測路面反力Ft_sのノイズを除去する。ノイズを除去して得られる路面反力(以下第1の路面反力という)は、図4の一点鎖線cで示すFt_cである。
しかし、ノイズ除去手段によってノイズを除去して得られる第1の路面反力Ft_cは、図4に示すように、実路面反力Ft_rに対して位相の遅れが発生する。その結果、第1の路面反力Ft_cを用いて駆動輪2の駆動力を制御する場合、図2に示す、実際の走行時における路面反力Ftとスリップ率slipとの関係は、路面反力Ftの位相の遅れをともなった状態でしか把握できない。その結果、ノイズ除去手段によってノイズを除去して得られる第1の路面反力Ft_cを用いて駆動輪2の駆動力を制御すると、スリップ状態からグリップ状態への回復が遅れ、車両1が不安定な状態が継続するおそれがある。
そこで、本実施形態では、ノイズ除去手段によってノイズを除去して得られる第1の路面反力Ft_cの変化率に基づいて路面反力補正量Ftrc_dを求める。そして、この路面反力補正量Ftrc_d用いて、第1の路面反力Ft_cを補正することにより得られた第2の路面反力Ft_dを用いて、駆動輪2の駆動力を制御する。次に、この手法について説明する。
本実施形態では、路面反力補正量Ftrc_dを、式(3)によって求める。
Ftrc_d=r×ΔFt×td・・・(3)
ここで、rは、駆動輪2の半径(回転軸Zrから外周までの距離、図2参照)、ΔFtは式(4)から求められる第1の路面反力(以下路面反力変化率という)Ft_cの変化率、tdはノイズ除去手段による遅れ時間であり(図4参照)、ノイズ除去手段の仕様によって決定される。ここで、ノイズ除去手段は、不要なノイズや振動成分を除去するフィルタであり、例えば、ECU50が備えるスリップ抑制装置30内に設けられるディジタルローパスフィルタが用いられる。
ΔFt(n)={Ft_c(n)−Ft_c(n−1)}/Δt・・・(4)
ここで、Ft_c(n)は、現時点における第1の路面反力であり、Ft_c(n−1)は、Ft_c(n)よりも1回前のサンプリング時における第1の路面反力である。また、Δtは、駆動輪2の駆動輪加速度aのサンプリング時間であり、ECU50やスリップ抑制装置30の仕様によって決定される。すなわち、括弧内のnは、サンプリング番号を示し、番号が若い方が過去の情報となる。以下の説明において、第1の路面反力Ft_cや路面反力変化率ΔFtに(n)や(n−1)を付した場合も同様である。
第2の路面反力Ft_dは、駆動輪2の駆動力制御に用いる路面反力であり、式(3)で得られる路面反力補正量Ftrc_dと、第1の路面反力Ft_cとを用いて、式(5)で求めることができる。ここで、第2の路面反力Ft_dは、図4の二点鎖線fで示される。
Ft_d=|Ft_c−Ftrc_d|・・・(5)
図4から分かるように、上記手法によって得られる第2の路面反力Ft_dは、第1の路面反力Ft_cと比較して、実路面反力Ft_rにより近い値となる。このように、本実施形態に係るスリップ抑制制御及びスリップ状態推定方法によれば、実路面反力Ft_rの推定精度を向上させることができる。したがって、第2の路面反力Ft_dを用いれば、第1の路面反力Ft_cを用いる場合と比較して、駆動輪2の駆動力をより適正に制御できる。その結果、駆動輪2にスリップが発生した場合には、第1の路面反力Ft_cを用いる場合よりも迅速にグリップ状態へ回復させることができ、車両1を早期に安定させることができる。次に、本実施形態に係るスリップ抑制装置30を説明する。
図5−1は、本実施形態に係るスリップ抑制装置の構成例を示す説明図である。本実施形態に係るスリップ状態推定方法及びスリップ抑制制御は、図5−1に示すスリップ抑制装置により実現できる。図5−1に示すように、スリップ抑制装置30は、ECU50に組み込まれて構成されている。ECU50は、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置)50pと、記憶部50mと、入力ポート55及び出力ポート56と、入力インターフェース57及び出力インターフェース58とから構成される。
なお、ECU50とは別個に、本実施形態に係るスリップ抑制装置30を用意し、これをECU50に接続してもよい。そして、本実施形態に係るスリップ抑制制御を実現するにあたっては、ECU50が備える走行装置100等に対する制御機能を、前記スリップ抑制装置30が利用できるように構成してもよい。
スリップ抑制装置30は、路面反力演算部31と、制御条件判定部32と、路面反力補正部33と、駆動力制御部34とを含んで構成される。これらが、本実施形態に係るスリップ抑制制御を実行する部分となる。本実施形態において、スリップ抑制装置30は、ECU50を構成するCPU50pの一部として構成される。また、ECU50のCPU50pは、走行装置100の運転制御を実行するための運転制御部50hを備える。
スリップ抑制装置30の路面反力演算部31と、制御条件判定部32と、路面反力補正部33と、駆動力制御部34とは、バス541、バス542、及び入力ポート55及び出力ポート56を介して接続される。これにより、スリップ抑制装置30を構成する路面反力演算部31と、制御条件判定部32と、路面反力補正部33とは、相互に制御データをやり取りしたり、一方に命令を出したりできるように構成される。
CPU50pが備えるスリップ抑制装置30と、記憶部50mとは、バス543を介して接続される。これによって、スリップ抑制装置30は、ECU50が有する走行装置100の運転制御データを取得し、これを利用することができる。また、スリップ抑制装置30は、本実施形態に係るスリップ抑制制御を、ECU50が予め備えている運転制御ルーチンに割り込ませたりすることができる。
入力ポート55には、入力インターフェース57が接続されている。入力インターフェース57には、本実施形態に係るスリップ抑制制御を実現する際に必要なセンサ類が接続されている。本実施形態では、左前側レゾルバ40fl、右前側レゾルバ40fr、左後側レゾルバ40rl、右後側レゾルバ40rrが、本実施形態に係るスリップ抑制制御を実現する際に必要なセンサ類である。また、入力インターフェース57には、走行装置100の運転制御に必要な情報を取得するセンサ類(例えばアクセル開度センサ41)が接続されている。
これらのセンサ類から出力される信号は、入力インターフェース57内のA/Dコンバータ57aやディジタル入力バッファ57dにより、CPU50pが利用できる信号に変換されて入力ポート55へ送られる。これにより、CPU50pは、走行装置100の運転制御や、本実施形態に係るスリップ抑制制御に必要な情報を取得することができる。
出力ポート56には、出力インターフェース58が接続されている。出力インターフェース58には、スリップ抑制制御に必要な制御対象が接続されている。本実施形態では、左前側電動機10fl、右前側電動機10fr、左後側電動機10rl及び右後側電動機10rrを制御するためのインバータ6が、本実施形態に係るスリップ抑制制御に必要な制御対象である。
出力インターフェース58は、制御回路581、582等を備えており、CPU50pで演算された制御信号に基づき、前記制御対象を動作させる。このような構成により、前記センサ類からの出力信号に基づき、ECU50のCPU50pは、左前側電動機10fl、右前側電動機10fr、左後側電動機10rl及び右後側電動機10rrの駆動力を制御することができる。
記憶部50mには、本実施形態に係るスリップ抑制制御の処理手順を含むコンピュータプログラムやデータマップ等が格納されている。ここで、記憶部50mは、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。
上記コンピュータプログラムは、CPU50pへ既に記録されているコンピュータプログラムとの組み合わせによって、本実施形態に係るスリップ抑制制御の処理手順を実現できるものであってもよい。また、このスリップ抑制装置30は、前記コンピュータプログラムの代わりに専用のハードウェアを用いて、路面反力演算部31、制御条件判定部32、路面反力補正部33及び駆動力制御部34の機能を実現するものであってもよい。
図5−2は、本実施形態に係るスリップ抑制装置が備える路面反力演算部の機能ブロック図である。図5−2に示すように、路面反力演算部31は、トルク変換部31tと、微分部31dと、減算部31sと、乗算部31jとを備える。トルク変換部31tは、駆動輪2を駆動する電動機10の電流指令値idから式(1)の電動機駆動トルクTを求める。なお、kは、電動機10のトルク係数である。微分部31dは、フィードバック制御部FBから取得する駆動輪2の回転角速度ωを微分して式(4)の駆動輪加速度aを求め、イナーシャIvと駆動輪加速度aとの積Iv・aを求める。なお、sはラプラス演算子である。減算部31sは、電動機駆動トルクTとIv・aとの差分を求める。乗算部31jは、電動機駆動トルクTとIv・aとの差分に駆動輪2の半径rの逆数を乗ずることにより、路面反力Ftを出力する。
また、図5−2に示すように、路面反力演算部31は、駆動輪加速度aを求める際に駆動輪2の回転角速度ωの1階微分を求める際の微分演算による高調波ノイズを除去するため、第2のローパスフィルタ31f2により、微分部31dから出力されるイナーシャIvと駆動輪加速度aとの積Iv・aに含まれる高調波ノイズを除去する。また、路面反力演算部31は、第1のローパスフィルタ31f1により、トルク変換部31tから出力される電動機駆動トルクTに含まれる高調波ノイズを除去する。なお、ローパスフィルタは、乗算部31jの出力側に設けてもよい。すなわち、演算した路面反力Ftをローパスフィルタに通すことにより、高調波ノイズを除去してもよい。次に、本実施形態に係る本実施形態に係るスリップ抑制制御及びスリップ状態推定方法を説明する。次の説明では、適宜図1〜図5を参照されたい。
図6は、本実施形態に係るスリップ抑制制御の手順を示すフローチャートである。本実施形態に係るスリップ抑制制御及びスリップ状態推定方法を実行するにあたり、ステップS101において、スリップ抑制装置30の路面反力演算部31は、現時点における駆動輪2の路面反力を演算して求める。この路面反力は、上述した第1の路面反力Ft_cである(図4参照)。路面反力演算部31は、ディジタルフィルタを備えている。そして、路面反力演算部31は、電動機駆動トルクT及び駆動輪加速度aを上記式(1)に与えることによって路面反力Ftを演算し、この路面反力Ftに対して前記ディジタルフィルタでノイズ除去することによって、第1の路面反力Ft_cを得る。以下において、ステップS101で得られた、現時点における第1の路面反力Ft_cを、現時点における路面反力Ft_c(n)という。
電動機駆動トルクTは、駆動輪2を駆動する電動機10に対するトルクの指令値を用いてもよいし、駆動輪2を駆動する電動機10の駆動電流から求めてもよい。駆動輪加速度aは、駆動輪2を駆動する電動機10が備えるレゾルバ40から得られる駆動輪2の回転角速度の情報に基づいて求めることができる。また、駆動輪加速度aは、駆動輪2の回転数を直接検出して求めてもよい。
ステップS101で、現時点の路面反力Ft_c(n)が得られたら、ステップS102へ進む。ステップS102において、スリップ抑制装置30の路面反力演算部31は、現時点における第1の路面反力Ft_c(n)が路面反力のピーク、すなわち最大路面反力Ft_maxを超えたか否かを判定する。現時点における第1の路面反力Ft_c(n)が路面反力のピークを超えると、図2の下段に示すように、スリップ率slipは急激に増加する。
ステップS102の判定においては、現時点における第1の路面反力Ft_c(n)が、前回における第1の路面反力Ft_c(n−1)よりも小さい場合、すなわち、Ft_c(n)<Ft_c(n−1)である場合に、駆動輪2の路面反力Ftは路面反力のピークを超えたと判定される。ステップS102においてNoと判定された場合、すなわち、路面反力演算部31が、現時点における第1の路面反力Ft_c(n)は路面反力のピークを超えていないと判定した場合、本実施形態に係るスリップ抑制制御及びスリップ状態推定方法は終了し、スリップ抑制装置30は駆動輪2のスリップの監視を継続する。
ステップS102においてYesと判定された場合、すなわち、路面反力演算部31が、現時点における第1の路面反力Ft_c(n)は路面反力のピークを超えていると判定した場合、駆動輪2には、許容できないスリップが発生していると判断できる。この場合、ステップS103へ進む。ステップS103において、スリップ抑制装置30の路面反力補正部33は、現時点における第1の路面反力の変化率、すなわち、式(4)から求められる現時点における路面反力変化率ΔFt(n)を演算して求める。現時点における路面反力変化率ΔFt(n)が演算されたら、ステップS104に進む。
ステップS104において、路面反力補正部33は、ステップS103で演算した現時点における路面反力変化率ΔFt(n)を式(3)に与え、現時点における路面反力補正量Ftrc_d(n)を演算して求める。ステップS105において、路面反力補正部33は、ステップS104で演算した現時点における路面反力補正量Ftrc_d(n)と、ステップS101で得られた現時点における路面反力Ft_c(n)とを式(5)に与え、現時点における第2の路面反力Ft_d(n)を演算して求める。
現時点における第2の路面反力Ft_d(n)が得られたら、ステップS106において、スリップ抑制装置30の駆動力制御部34は、現時点における第2の路面反力Ft_d(n)に基づいて駆動輪2の駆動力を制御する。すなわち、駆動力制御部34は、駆動輪2の駆動力Fdが、現時点における第2の路面反力Ft_d(n)になるように電動機10のトルクを決定し、このトルクを電動機10が発生するための電流指令値を決定する。そして、駆動力制御部34は、決定した電流指令値で電動機10を駆動する。
次に、ステップS107において、制御条件判定部32は、駆動輪2に発生しているスリップが回復し、駆動輪2がグリップするようになったか否かを判定する。ステップS107でNoと判定された場合、すなわち、制御条件判定部32が、駆動輪2には依然として許容できないスリップが発生していると判定した場合、駆動輪2のスリップが回復してグリップするようになるまでステップS103〜ステップS106を繰り返す。
ステップS107でYesと判定された場合、すなわち、制御条件判定部32が、駆動輪2に発生しているスリップが回復し、駆動輪2がグリップするようになったと判定した場合、本実施形態に係るスリップ抑制制御及びスリップ状態推定方法は終了し、スリップ抑制装置30は駆動輪2のスリップの監視を継続する。
上記手順においては、駆動輪2にスリップが発生してから、第2の路面反力Ft_dを求める。しかし、駆動輪2の駆動中には常時第2の路面反力Ft_dを求めるとともに、所定期間のデータをECU50の記憶部50mに格納しておいてもよい。そして、駆動輪2にスリップが発生した場合には、記憶部50mに格納しておいた、現時点よりも過去における第2の路面反力Ft_dの情報を用いて駆動輪2のスリップを検出し、スリップを回復させてもよい。
以上、本実施形態では、車両が備える駆動輪に付与されるトルクと駆動輪の回転角加速度とに基づいて求めた第1の路面反力を、第1の路面反力の変化率に基づいて求めた路面反力補正量によって補正して、第2の路面反力を求める。そして、この第2の路面反力に基づいて、駆動輪のスリップを抑制するために必要な駆動力を求め、駆動輪へ付与する。このように、第1の路面反力の変化率に基づいて第1の路面反力を補正するので、路面反力の推定精度を向上させることができる。そして、前記手法により求めた第2の路面反力によって駆動力を決定するので、駆動輪にスリップが発生した場合には、適切な駆動力で駆動輪を駆動して迅速にスリップ状態からグリップ状態へ回復させることができる。特に、駆動輪にスリップが発生した場合、スリップ率は極めて短時間で急激に増加するため、本実施形態は、スリップ状態からグリップ状態へ回復させる際には極めて有用である。
以上のように、本発明に係るスリップ抑制装置は、駆動輪のスリップを抑制することに有用であり、特に、路面反力の推定精度を向上させることに適している。
実施形態1に係る走行装置を備える車両の構成を示す概略図である。 車両の駆動輪がスリップしたときにおける駆動トルク、路面反力、駆動輪速度、車両速度、スリップ率の時間変化を示す説明図である。 駆動トルクや路面反力等を説明する概念図である。 路面反力及び路面反力の変化率の時間変化を示す説明図である。 本実施形態に係るスリップ抑制装置の構成例を示す説明図である。 本実施形態に係るスリップ抑制装置が備える路面反力演算部の機能ブロック図である。 本実施形態に係るスリップ抑制制御の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 車両
2 駆動輪
2fl 左側前輪
2fr 右側前輪
2rl 左側後輪
2rr 右側後輪
4 ハンドル
5 アクセル
6 インバータ
7 車載電源
10 電動機
10fl 左前側電動機
10fr 右前側電動機
10rl 左後側電動機
10rr 右後側電動機
30 スリップ抑制装置
31 路面反力演算部
31t トルク変換部
31d 微分部
31f1 第1のローパスフィルタ
31f2 第2のローパスフィルタ
31j 乗算部
31s 減算部
32 制御条件判定部
33 路面反力補正部
34 駆動力制御部
40 レゾルバ
40fl 左前側レゾルバ
40fr 右前側レゾルバ
40rl 左後側レゾルバ
40rr 右後側レゾルバ
41 アクセル開度センサ
50 ECU
50h 運転制御部
50m 記憶部
100 走行装置

Claims (4)

  1. 路面と駆動輪との間に発生するスリップを、前記駆動輪の駆動力を調整して抑制するものであり、
    前記駆動輪に付与されるトルクと、前記駆動輪の回転角加速度とに基づき、ノイズ除去手段によってノイズが除去された、前記路面から前記駆動輪への第1の路面反力を求める路面反力演算部と、
    前記第1の路面反力と、前記第1の路面反力の変化率に基づいて求めた路面反力補正量とから、前記路面から前記駆動輪への第2の路面反力を求める路面反力補正部と、
    前記第2の路面反力に基づいて、前記スリップを抑制するために前記駆動輪へ付与する駆動力を求める駆動力制御部と、
    を含むことを特徴とするスリップ抑制装置。
  2. 前記路面反力補正部は、
    前記第1の路面反力と、前記ノイズの除去に起因して発生する遅れ時間と、前記第1の路面反力の変化率とに基づいて、前記路面反力補正量を求めることを特徴とする請求項1に記載のスリップ抑制装置。
  3. 前記第2の路面反力は、
    前記第1の路面反力から、前記路面反力補正量を減じた値であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスリップ抑制装置。
  4. 路面と駆動輪との間に発生するスリップを推定するにあたり、
    前記駆動輪に付与されるトルクと、前記駆動輪の回転角加速度とに基づき、ノイズが除去された、前記路面から前記駆動輪への第1の路面反力を求める手順と、
    前記第1の路面反力と、前記第1の路面反力の変化率に基づいて求めた路面反力補正量とから、前記路面から前記駆動輪への第2の路面反力を求める手順と、
    を含むことを特徴とするスリップ状態推定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013188009A (ja) * 2012-03-08 2013-09-19 Hitachi Ltd 電気車の制御装置
JP2014177350A (ja) * 2013-02-15 2014-09-25 Sumitomo Heavy Ind Ltd 電動フォークリフトのモータ駆動装置およびそれを用いた電動フォークリフト
US10920705B2 (en) 2019-06-13 2021-02-16 Ford Global Technologies, Llc Method and system for variable displacement engine
US11738755B2 (en) 2020-04-02 2023-08-29 Subaru Corporation Vehicle controlling apparatus

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