JP2008278236A - 遮蔽板 - Google Patents

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Abstract

【課題】送信アンテナと受信アンテナを共に備える地上デジタル放送非分離放送波中継のSFN中継局において、放送アンテナが送信する電波の受信アンテナへの回り込みを効果的に低減する。
【解決手段】受信アンテナ11と、受信アンテナ11で受信された受信信号が増幅された信号を送信信号として受信信号と同一チャンネルで送信する送信アンテナ12を備える中継局に、送信信号の受信アンテナ11への回り込みを軽減するために受信アンテナ11および送信アンテナ12の間に備えられる遮蔽板10であって、ホイヘンス‐フレネル(Huygens-Fresnel)の回折原理およびキルヒホッフ(Kirchhoff)の回折理論に基づき、遮蔽板10の大きさと、信号の波長と、受信アンテナ11との距離と、送信アンテナ12との距離の関係から、受信アンテナ11の位置における電界強度を最小にし、即ち遮蔽効果が最大となる大きさに遮蔽板の大きさを設定される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、非分離放送波中継のSFN中継局において、送信アンテナが送信する電波の、受信アンテナへの回り込みを軽減する遮蔽板に関する。
地上デジタル放送では、各放送事業者の各メディアに対して、都道府県単位又は県域を越えた広域単位で1チャンネルが与えられるSFN(Single Frequency Network)と、複数のチャンネルが与えられるMFN(Multi Frequency Network)とがある。同一チャンネルによるネットワーク構成が困難である特殊な場合等にはMFNが利用されるが、原則としては各放送事業者の各メディア毎に県域又は広域単位で1波が与えられるSFNで放送がされている。
また、放送ネットワークシステムには様々な方法があるが、アナログ放送では、簡単な構成であるとともに低コストで実現可能な放送波中継方式が多用されている。この放送波中継方式を地上デジタル放送で採用したとき、非分離放送波中継のSFN中継局においては、送信アンテナが受信アンテナと同一チャンネルで信号を再送信するため、自局の送信電波が自局の受信アンテナに回り込む問題(回り込み)が生じる。
図12に示すように、非分離放送波中継のSFN中継局1では、上位局(親局)2から送信された電波を受信し、これを増幅し、自局のサービスエリアに再送信する。SFNの場合には、与えられるチャンネルは1つであるため、上述したように、回り込みが生じる。
アナログ放送の場合にはMFNが採用されているため、中継局における回り込みの問題は生じないが、デジタル放送の場合、非分離放送波中継のSFN中継局では、回り込みの解決が課題となっている。
回り込みを回避または軽減する方法は様々考えられるが、例えば、マイクロ波無線回線TTL(Transmitter Transmitter Link)を使用するTTL方式を採用して回り込みを回避することができる。または、送信アンテナと受信アンテナとを回り込みが問題とならない距離に分離して設置する送受分離方式を採用して回り込みを軽減することもできる。さらに、非分離放送波中継を採用する場合であっても、SFN中継局において回り込みキャンセラを利用して回り込んだ自局電波をキャンセルするキャンセラ方式もある(例えば、特許文献1参照)。
一方、TTL方式は、プレートパラボラアンテナ等の大掛かりな設備を要し、システム全体としての信頼性が低下するとともに放送波中継方式と比較して必要コストがその分増大する点で放送波中継方式に劣る。また、送受分離方式では、受信アンテナと送信アンテナを分離して設置するため、非分離放送波中継と比較して設備が複雑になり、その分、信頼性が劣るとともに必要コストが増大する点で非分離放送波中継に劣る。さらに、回り込みキャンセラ方式の場合には、信号処理部に回り込みキャンセラを設けるため、設備が複雑になり、信頼性が劣るとともに必要コストが増大する。
他に、非分離放送波中継のSFN中継局において回り込みの影響を軽減する方法として、遮蔽板を用いる方法がある。例えば、図13に示すように、SFN中継局1において、送信アンテナ12と受信アンテナ11との間に遮蔽板10を設けることによって、送信アンテナ12が再送信する電波の、受信アンテナ11への回り込みを軽減することができる。
特開平5−23553号公報
SFN中継局では、遮蔽板10によって回り込みを軽減することができるが、単に遮蔽板10の大きさを大きくすれば遮蔽効果が大きくなるのではなく、理論的に、遮蔽板の大きさとともに遮蔽効果が振動しながら変化する。したがって、遮蔽板10は無作為に大きさを設定しても効果的な遮蔽効果を望むことはできない。
このため、遮蔽板10の最適な設置位置や最適な大きさを考慮せずに、単にSFN中継局1に遮蔽板10を設置しても、回り込みを効果的に軽減することは困難である。また、巨大な遮蔽板10をSFN中継局1に設置すれば、回り込みを軽減することができるが、巨大な遮蔽板10の設置は、遮蔽板10の製造コストや設置コストの面で現実的ではない。
図14を用いて、遮蔽板10による遮蔽効果について説明する。図14では、遮蔽板10が設置されていない場合、受信アンテナ11を含む面Mにおける電界強度をE0とし、送信アンテナ12との距離がdT、受信アンテナ11との距離がdRとなる位置に遮蔽板10を設置した場合における面M上の電界強度をEMとするとき、EMはたとえば図14のように信号の波長とdTとdRと遮蔽板10の大きさで決まる値に分布する。そして、図14のEMの分布は、受信点Oで0となる最適時の一例を示すものであり、遮蔽板10が円形の場合は、同心円状の波紋となる。
本発明は、地上デジタル放送非分離放送波中継のSFN中継局において、送信アンテナが送信する電波の受信アンテナへの回り込みを効果的に軽減することのできる遮蔽板を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る遮蔽板は、受信アンテナと、前記受信アンテナで受信された受信信号が増幅された信号を送信信号として前記受信信号と同一チャンネルで送信する送信アンテナを備える中継局に、前記送信信号の前記受信アンテナへの回り込みを軽減するために前記受信アンテナおよび前記送信アンテナの間に備えられる遮蔽板であって、ホイヘンス‐フレネル(Huygens-Fresnel)の回折原理およびキルヒホッフ(Kirchhoff)の回折理論に基づき、前記遮蔽板の大きさと、前記信号の波長と、前記受信アンテナとの距離と、前記送信アンテナとの距離の関係から、前記受信アンテナの位置における電界強度を最小にし、即ち遮蔽効果が最大となる大きさに前記遮蔽板の大きさを設定されることを特徴とする。
また、本発明に係る他の遮蔽板は、受信アンテナと、前記受信アンテナで受信された受信信号が増幅された信号を送信信号として前記受信信号と同一チャンネルで送信する送信アンテナを備える中継局に、前記送信信号の前記受信アンテナへの回り込みを軽減するために前記受信アンテナおよび前記送信アンテナの間に備えられる第1遮蔽板と第2遮蔽板から成る二枚一組の遮蔽板であって、ホイヘンス‐フレネルの回折原理およびキルヒホッフの回折理論に基づき、前記第2遮蔽板よりも前記送信アンテナに近い位置に設置される前記第1遮蔽板の大きさと、前記第1遮蔽板よりも前記受信アンテナに近い位置に設置される前記第2遮蔽板の大きさと、前記信号の波長と、前記送信アンテナと前記第1遮蔽板との距離と、前記第1遮蔽板と前記第2遮蔽板との距離と、前記第2遮蔽板と前記受信アンテナとの距離の関係から、前記受信アンテナの位置における電界強度を最小にし、即ち得られる遮蔽効果が最大となる大きさに前記第1遮蔽板と第2遮蔽板の大きさをそれぞれ設定されることを特徴とする。
本発明によれば、送信アンテナと受信アンテナを共に備える非分離放送波中継のSFN中継局において、放送アンテナが送信する電波の受信アンテナへの回り込みを効果的に軽減することができる。
以下に、図面を用いて本発明の最良の実施形態に係る遮蔽板について説明する。
〈第1の実施形態〉
本発明の第1の実施形態に係る遮蔽板は、図1に示すような、受信アンテナ11と送信アンテナ12を共に備える非分離放送波中継のSFN中継局において送信アンテナ12から送信された電波の受信アンテナ11への回り込みを効果的に軽減するために用いられる。具体的には、遮蔽板10は、回り込みを軽減する最適な大きさに製造され、受信アンテナ11と送信アンテナ12とが設置される鉄塔柱13において、受信アンテナ11と送信アンテナ12の間に設置される。
《遮蔽板の大きさの決定方法》
回り込みを軽減する最適な遮蔽板10の大きさは、遮蔽効果が最大になる大きさであり、遮蔽板10の遮蔽効果はホイヘンス‐フレネル(Huygens-Fresnel)の回折原理およびキルヒホッフ(Kirchhoff)の回折理論に基づいて求めることができる。したがって、ホイヘンス‐フレネルの回折原理およびキルヒホッフの回折理論に基づいて遮蔽効果が最大となる遮蔽板10の大きさを求めることで、遮蔽板10の最適な大きさを求めることができる。
図2を用いて、遮蔽点Oに設置する半径aの円形の遮蔽板10の遮蔽効果Sを求める一例を説明する。具体的には、図2に示すように、送信アンテナ12の設置点(送信点)Tと受信アンテナ11の設置点(受信点)Rとの間の遮蔽点Oに遮蔽板10を設置した場合に、送信アンテナ12から電波を送信したときの受信点Rにおける遮蔽板10の遮蔽効果Sを求める。この遮蔽効果Sは、ホイヘンス‐フレネルの回折原理およびキルヒホッフの回折理論によれば、電波の波長λ、送信点Tと遮蔽点Oとの距離dT、遮蔽点Oと受信点Rとの距離dRおよび遮蔽板の大きさに依存する。具体的には、式(1),(2)によって遮蔽効果Sを求めることができる。式(1)は、送信アンテナ12を点波源とし、遮蔽板10の材料を電波の完全吸収体とした場合に受信点Rの電界強度ERを求める式である。
Figure 2008278236
ここで、式(1),(2)中のAは送信アンテナ12の送信出力の規模によって定まる定数であり、角度θは図2に示すように遮蔽点Oと送信点T、受信点Rとに基づいて定まる角度であり、E0は遮蔽板10を設置しない場合の電界強度であり、ERは遮蔽板10を設置した場合の受信点Rにおける電界強度である。また、β、dT、dR、θはそれぞれ下記に示すように求められるものとする。
Figure 2008278236
遮蔽板10の最適な大きさを求めるため、まず、式(1)によって、半径aの遮蔽板10を設置した場合の受信点Rにおける電界強度ERを求める。また、遮蔽板がない場合の電界強度E0と求められた各電界強度ERを用いて、式(2)によって、各遮蔽板10の遮蔽効果Sを求める。このように式(1),(2)に基づいて求められた遮蔽効果Sのうち、最大の遮蔽効果SMAXとなる半径aの遮蔽板10を最適な大きさとして特定することができる。
具体的には、第1の実施形態に係る遮蔽板10は、遮蔽板10が存在する部分を除く無限平面からの再輻射による受信点Rの電界強度への寄与成分について積分して求められるところの受信点Rにおける電界強度ERから遮蔽効果Sを求め、遮蔽効果Sが最大となる大きさに製造され、所定位置に設置される。
図3を用いて、ホイヘンス‐フレネルの回折原理およびキルヒホッフの回折理論を利用して求めた遮蔽板10の受信点Rにおける電界強度ERの計算例を説明する。図3は、横軸が遮蔽板10の半径a、縦軸が受信点Rにおける電界強度ERであって、送信チャンネルを30ch、距離dTを0.3m、距離dRを23mとした場合の電界強度ERを示している。図3では、遮蔽板10の半径aの増加とともに、電界強度ERは、1から振動しながら0に収斂していることがわかる。電界強度ERが0となったときの半径aが最適な大きさと特定することができる。したがって、特定された大きさの遮蔽板10をSFN中継局の所定の位置に設置することで、回り込みを効果的に低減することができる。
なお、図3で示されるように、電界強度ERが0となる遮蔽板10の半径aは複数存在するが、最終的に、SFN中継局で使用する遮蔽板10の半径aは、電界強度ERが0となる遮蔽板10の半径aの中で最小の半径あるいは2番目又は3番目の半径の中から決定することが望ましい。これは、遮蔽板10は、大きいより小さい方が製造コストや設置コスト面で有利であるためである。例えば、図3に示した例では、半径aを0.24m、0.6m、0.8mとすることが望ましい。
上述したように、ホイヘンス‐フレネルの回折原理およびキルヒホッフの回折理論に基づいて特定された最適な大きさの遮蔽板10を製造し、SFN中継局において、送信アンテナ12から距離dTで、受信アンテナ11から距離dRの遮蔽点Oに設置することにより、回り込みを効果的に低減することができる。
遮蔽板10の材料としては、式(1)を用いて説明したように、電波の完全吸収体で成る物質が望ましい。すなわち、送信点から受信点に回り込む電波を遮蔽する目的で、送信点と受信点の間に配置する遮蔽板10は、遮蔽板10に到達する送信点からの電磁波を完全に吸収して、遮蔽板10から一切再輻射されないものが望ましい。
遮蔽板10が電波の完全吸収体でなく、不完全吸収体であったり、銅板やアルミ板のごとく電気の良導体である場合は、遮蔽板10に流れる電流・磁流から電磁波が再輻射されるため、この再輻射された電磁波によってそのエネルギーが及ぶ領域の電磁界分布を乱すことになる。このような電磁界分布の乱れが受信点に影響を及ぼすものであれば、遮蔽板の遮蔽効果を損なわせる要因となる。仮に、遮蔽板の遮蔽効果に影響を及ぼさないまでも、波長λ、距離dT,dR、半径aの関係を狂わせる原因となりうる。
したがって、電波の完全吸収体を材料とする遮蔽板10では、遮蔽板10に当たる電波を完全に吸収するため、理論どおりに回り込みを効果的に軽減することができる。
〈第2の実施形態〉
第2の実施形態に係る遮蔽板も上述した第1の実施形態に係る遮蔽板10と同様に、最適な大きさに製造され、回り込みを軽減するためにSFN中継局に設置される遮蔽板10であるが、その大きさの精度を厳密にしたものである。
電界強度を正確に求めるためには遮蔽板を設置した面とその境界においてマクスウェル(Maxwell)の電磁方程式を満足することが条件となる。一方、第1の実施形態において上述したキルヒホッフの理論式は、近似式であって近似するものの、同上マクスウェルの電磁方程式を満足しない。
一方、キルヒホッフの理論式を、マクスウェルの電磁方程式を満足するベクトル場の公式として導いたコトラー(Kottler)の公式がある。このコトラーの公式は、従来のキルヒホッフの理論式で求めるよりも、より厳密な電磁界強度を求めることができる。したがって、第2の実施形態に係る遮蔽板10の大きさは、コトラーの公式によってより正確に求められる。
具体的には、コトラーの公式を用いたとき、電界強度ERは、式(3)に示すように、求められる。
Figure 2008278236
これによれば、電界強度ERは、図4に示すように、遮蔽板10を除く面上の点dsから再輻射されて、受信点Rの電界強度に寄与する成分をその無限面上で積分し(式(3)の第1項)、かつ遮蔽板10を形作っている周辺Cに沿って線積分する(式(3)の第2項)ことにより求められる。
上述したように、ホイヘンス‐フレネルの回折原理およびキルヒホッフの回折理論を、マクスウェルの電磁方程式を満足するようにベクトル場の式に改めたコトラーの公式によって、特定された最適な大きさの遮蔽板10を製造し、SFN中継局において、送信アンテナ12から距離dTで、受信アンテナ11から距離dRの遮蔽点Oに設置することで、回り込みを効果的に軽減することができる。
〈第1変形例〉
上述した実施形態において、遮蔽板10の材料として電波吸収体を利用したが、電波吸収体は、重さや厚みがあり、高価である点では不利な材料である。そのため、電波吸収体に代えて、軽くて安価な電気の良導体を材料とすることもできる。
例えば、比較的軽くて安価な銅板やアルミ板等は遮蔽板10の材料に適している。この銅板やアルミ板は、錆び難い点でも屋外に設置される遮蔽板10の材料としては最適である。鉄板を遮蔽板10の材料としても遮蔽効果を得ることはできるが、重くて錆び易いため、最適な材料ではない。なお、遮蔽板10の材料を電気の良導体にした場合でも、上述した式(1)で得られる遮蔽効果Sから遮蔽板10の最適な半径aを近似的に求めることができる。
このように電気の良導体を材料として遮蔽板10を製造した場合、遮蔽板10に当たる電波は遮蔽板10に吸収されるのではなく反射することになるが、遮蔽板10で反射した場合であっても、その反射した電波が例えば物体の存在しない上空に反射されるのであれば、実質的には遮蔽板10に吸収されたこととほぼ同等になる。すなわち、電気の良導体を材料とする遮蔽板10であっても、遮蔽板10から再輻射される反射波や散乱波が、受信点に影響を及ぼさなければ、実効的には影響を来たさない。
〈第2変形例〉
上述した実施形態において、送信アンテナ12を点波源として説明した。このように送信アンテナ12が点波源である場合、実施形態で上述したような円形の平面形状の遮蔽板10(図5(a))で回り込みを軽減することができる。一方、一般的なアンテナの形状は点波源であることはなく、多素子八木アンテナに代表されるような素子を並べた形状等複雑な形状でかつ有限の大きさであることが多い。送信アンテナ12がこのように複雑な形状であるときには、回り込みを軽減する遮蔽板10の形状は円形ではなく、図5(b),(c)に示すように楕円形や方形等、送信アンテナ12の形状に合わせて定める必要がある。
また、積雪地帯では、遮蔽板10が図5(a)〜(c)に示すように平面形状であると、積雪によって破損等の被害が生じることもある。このような問題に対し、遮蔽板10を傘型形状(ホーン形状)にすることもできる。傘型形状の遮蔽板10では、雪を滑り落とすことができるため、破損等の問題を解決することができる。例えば、円形の傘型形状にしてもよいし、図5(d)に示すように楕円形の傘型形状にしてもよいし、方形の傘型形状にしてもよく、アンテナの形状に合わせてその形状を選択することができる。
このように遮蔽板10の形状を円形ではなく他の形状にする場合、その形状に合わせて上述した式(1)を適宜変更して電界強度ERを算出し、遮蔽効果Sを求めて、大きさや形状を特定する。
〈第3変形例〉
第3変形例は、遮蔽板10が電波の完全吸収体ではなく、電気の良導体を材料とする場合の遮蔽板10に関するものである。図6に示すように、電気の良導体を材料とする遮蔽板10では、送信アンテナ12から送信された放送電波が遮蔽板10の上側面101に達したとき、その境界条件を満足するような表面電流が流れるが、この表面電流が遮蔽板10の下側面102に回り込むと、回り込んだ下側面102の表面電流からの再輻射があるため、その分遮蔽効果が損なわれる。このような電気の良導体を材料とする遮蔽板10の外縁(エッジ)に沿って回り込む電流を防ぐため、遮蔽板10は、図7に示すように、外縁に先端開放のλ/4ショートスタブ103を設けることもできる。図7(a)が遮蔽板10の上面図であり、図7(b)が遮蔽板10のA−A’断面からみた側面図である。図7に示す遮蔽板10は、先端開放λ/4のショートスタブ103を備えている(λは電波の波長)。図7に示すように先端開放のλ/4ショートスタブ103を設けた遮蔽板10では、このショートスタブ103によって、表面電流が下面側102に回り込む弊害を防ぐことができる。
また、図8に示すように、遮蔽板10の外縁付近に電波吸収体104を設けていてもよい。図8(a)が遮蔽板10の上面図であり、図8(b)が遮蔽板10のA−A’断面からみた側面図である。図8に示すように外縁付近に外壁となる電波吸収体104を設けた遮蔽板10では、反対側に回り込もうとする表面電流が電波吸収体104に吸収される。したがって、表面電流が下面側102に回り込む弊害を防ぐことができる。また、遮蔽板10の外縁付近のみに電波吸収体104を配置する場合には、遮蔽板10の材料を電波吸収体とする場合に問題であった重さや材料のコストも問題とならない。
〈第4変形例〉
上述した実施形態では、電波の波長λと遮蔽板10の設置位置(遮蔽点O)を基準に定められる距離dT及び距離dRに応じて特定される大きさの遮蔽板10を製造し、SFN中継局において、送信アンテナ12から距離dTであって、受信アンテナ11から距離dRの遮蔽点Oに遮蔽板10を設置していた。しかし、この方法の場合には、遮蔽板10を設置する各SFN中継局について大きさを求め、それぞれ求められた大きさの遮蔽板10を製造する必要がある。
一方、大きさが予め決められた遮蔽板であっても、その大きさと電波の波長λの関係から、最適な遮蔽効果が得られる遮蔽点O(距離dT及び距離dR)を求めることができる。したがって、ある程度の特定した同一の大きさの遮蔽板10を複数製造した場合であっても、求められる距離dT及び距離dRに応じて、図9に示すように、各SFN中継局において設置する際に遮蔽点を最適な設置位置に調整しても同様である。
〈第5変形例〉
図1を用いて上述したSFN中継局の鉄塔柱12には、一枚の遮蔽板10が備えられ、この一枚の遮蔽板10によって回り込みを軽減しているが、二枚一組とし、図10に示すように、第1遮蔽板10aと第2遮蔽板10bの二枚の遮蔽板を利用しても良い。
例えば、二枚一組とする場合には、図11において第1遮蔽板10aについて第2遮蔽板10bのあるξ面上のq点における第1電界強度Eqを求め、求められた第1電界強度Eqのξ面上の分布から第2遮蔽板10bについて受信点Rにおける第2電界強度ERを求め、第2電界強度ERから得られる遮蔽効果Sのうち最大となる遮蔽効果SMAXを特定する。ここで、第1遮蔽板10aは第2遮蔽板10bよりも送信アンテナ12に近く、第2遮蔽板10bは第1遮蔽板10aよりも受信アンテナ11に近い位置にある。このように二枚の遮蔽板が存在する場合も最大の遮蔽効果SMAXとなる条件から二枚の遮蔽板の大きさをそれぞれ決定し、その大きさによってそれぞれ遮蔽板を製造し、各遮蔽板10a,10bを特定される位置に設置する。
二枚一組の遮蔽板10a,10bの場合であっても、実施形態において上述した遮蔽板10が一枚である場合の決定方法と同様にホイヘンス‐フレネルの回折原理およびキルヒホッフの回折理論に基づいて、電界強度ERを求めた後、遮蔽効果Sを求めることができる。したがって、遮蔽効果Sが最大となる条件から、最適な遮蔽板10a,10bの大きさをそれぞれ特定することができる。
例えば、遮蔽板を二枚一組としたときには、各遮蔽板を小さくしても、一枚の大きな遮蔽板を用いた場合と同等の遮蔽効果を得ることができる。
本発明の最良の実施形態に係る遮蔽板が設置される中継局を説明する図である。 ホイヘンス‐フレネルの回折原理およびキルヒホッフの回折理論に基づく遮蔽板の大きさの設定について説明する図である。 遮蔽板の半径と受信点の電界強度の関係を表わすグラフの一例である。 コトラーの公式を用いた遮蔽板の電界強度の算出について説明する図である。 本発明の第1変形例に係る遮蔽板について説明する図である。 遮蔽板で問題となる表面電流について説明する図である。 本発明の第2変形例に係る遮蔽板について説明する図である。 本発明の第2変形例に係る遮蔽板について説明する図である。 本発明の第3変形例に係る遮蔽板の設置手順について説明する図である。 本発明の第4変形例に係る遮蔽板について説明する図である。 本発明の第4変形例に係る遮蔽板について説明する図である。 非分離放送波中継の中継局について説明する図である。 中継局で回り込みを軽減するために備えられる遮蔽板の遮蔽効果について説明する図である。 遮蔽板と送信アンテナ、受信アンテナとの関係について説明する図である。
符号の説明
1…SFN中継局
10…遮蔽板
101…上側面
102…下側面
103…先端開放λ/4ショートスタブ
104…電波吸収体
11…受信アンテナ
12…送信アンテナ
13…鉄塔柱

Claims (7)

  1. 受信アンテナと、前記受信アンテナで受信された受信信号が増幅された信号を送信信号として前記受信信号と同一チャンネルで送信する送信アンテナを備える中継局に、前記送信信号の前記受信アンテナへの回り込みを軽減するために前記受信アンテナおよび前記送信アンテナの間に備えられる遮蔽板であって、
    ホイヘンス‐フレネルの回折原理およびキルヒホッフの回折理論に基づき、前記遮蔽板の大きさと、前記信号の波長と、前記受信アンテナとの距離と、前記送信アンテナとの距離の関係から、前記受信アンテナの位置における電界強度を最小にし、即ち遮蔽効果が最大となる大きさに前記遮蔽板の大きさを設定されることを特徴とする遮蔽板。
  2. 受信アンテナと、前記受信アンテナで受信された受信信号が増幅された信号を送信信号として前記受信信号と同一チャンネルで送信する送信アンテナを備える中継局に、前記送信信号の前記受信アンテナへの回り込みを軽減するために前記受信アンテナおよび前記送信アンテナの間に備えられる第1遮蔽板と第2遮蔽板から成る二枚一組の遮蔽板であって、
    ホイヘンス‐フレネルの回折原理およびキルヒホッフの回折理論に基づき、前記第2遮蔽板よりも前記送信アンテナに近い位置に設置される前記第1遮蔽板の大きさと、前記第1遮蔽板よりも前記受信アンテナに近い位置に設置される前記第2遮蔽板の大きさと、前記信号の波長と、前記送信アンテナと前記第1遮蔽板との距離と、前記第1遮蔽板と前記第2遮蔽板との距離と、前記第2遮蔽板と前記受信アンテナとの距離の関係から、前記受信アンテナの位置における電界強度を最小にし、即ち得られる遮蔽効果が最大となる大きさに前記第1遮蔽板と第2遮蔽板の大きさをそれぞれ設定されることを特徴とする遮蔽板。
  3. 電波の吸収体を材料として製造されたことを特徴とする請求項1又は2記載の遮蔽板。
  4. 電気の良導体を材料として製造されたことを特徴とする請求項1又は2記載の遮蔽板。
  5. 円形の平面形状、楕円形の平面形状、方形の平面形状、円形の傘型形状、楕円形の傘型形状または方形の傘型形状のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の遮蔽板。
  6. 外縁付近に先端開放のλ/4ショートスタブを備えることを特徴とする請求項4記載の遮蔽板。
  7. 外縁付近に電波吸収体部材を備えることを特徴とする請求項4記載の遮蔽板。
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