JP2008277888A - 電子機器の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来は拍手音にて電源ONした場合、テレビジョン受像機を正面から視聴したときに得られる視聴環境としての高条件が得られない。
【解決手段】拍手音を被制御対象のテレビジョン受像機の左右に1個ずつ設けたマイクで収音して得られた音声信号から所定の信号処理により得られた、拍手音入力毎に出力されるエッジパルスFp1、Fp2に基づいて、時間差分算出器123は2つのマイクに到来する拍手音の時間差を求め、その時間差を示す値を音源方位算出器124へ出力する。音源方位算出器124は、音波の入力毎の時間差分値に基づいて生成した音源の方向を示す角度データを音波の入力毎にそれぞれ算出する。複数の角度データは外部のシステム制御器に供給されて所定の演算式で演算されて最適な回転量を示す駆動信号に変換された後、拍手音の音源であるユーザ方向にテレビジョン受像機を回転する。
【選択図】図4

Description

本発明は電子機器の制御装置に係り、特に被操作対象のテレビジョン受像機の向きを、リモートコントローラを用いることなく遠隔操作する電子機器の制御装置に関する。
現在使われているテレビジョン受像機やオーディオ機器、エアコンなどの電子機器は、本体の操作ボタンに触れるか、リモートコントローラ(以下、リモコン)を使って操作するのが一般的である。前者の場合は被操作対象の電子機器の本体まで近付かなければならず、電子機器が操作者から遠くにある場合は操作が非常に面倒になる。この問題は後者のようにリモコンを用いることで解決される。
しかし、一度リモコンを手に取ってしまえばその後は移動を必要とせずに操作できるが、リモコンが操作者の近くにない場合はリモコンのある場所を探して取りに行かなくてはならない。これは、継続して操作を行うわけではなく何か一つ手軽に操作をしたい場合、例えばとりあえず電源だけを入れたいという場合などでは、操作者に煩わしさを感じさせてしまう。また、リモコンを使いたいがリモコンが見つからないという状況も多々起こり得る。
このような問題を解決するため、これまでに、リモコンのような遠隔操作装置を使わずに拍手音などの人間が発することのできる音で電子機器を操作する提案がなされている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
実開平05−31483号公報 特開平06−318424号公報
拍手音で電子機器を操作する方法は、拍手音の入力手段として無指向性マイクロフォン(以下、マイクと略す)を使うことによって指向性の影響を少なくできるので、テレビを視聴したいとユーザが思いついた位置で操作ができるという利点がある。例えば、見たい番組を思い出してすぐその場でテレビジョン受像機の電源をオン(ON)させたい場合など、拍手音操作であれば、テレビジョン受像機の前に移動したり、リモコンを探したりしなくても、すぐその場で拍手をすることで電源をONさせることができる。
しかしながら、上記のようにユーザが思いついた位置で拍手して電源をONした場合、その位置はテレビジョン受像機の正面でない場合が多い。そして、正面でない場合、テレビジョン受像機を正面から視聴したときに得られる、画像の幾何学的歪みが無く、ステレオ放送時は音像の定位も良く、画像と音ともに指向性の影響を受けないなどの、視聴する環境としての好条件が得られないという課題が発生する。
また、拍手音で電子機器を操作する方法には、ランダムに飛び込んでくる周囲の雑音や、意図せずに生じる音に対する耐性が十分でなければ誤動作し易くなるという課題がある。例えば、単純に音波の振幅で検出する場合では、拍手音と同程度の振幅の物音や音楽による音波が発生すると誤動作する危険性が非常に高い。
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、拍手によって入力される音波を、振幅・周波数帯域・時間領域・パターンなどで評価することにより、周囲の雑音に対する耐性を高めることで、拍手音での電子機器操作を実用的なレベルで実現し得ると共に、ユーザが拍手音にて操作する方向に対して被制御対象の電子機器を適切に回転させることで視聴環境等を改善し得る電子機器の制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、第1の発明の電子機器の制御装置は、断続して発生される音波を検出し、この音波の検出回数及び検出タイミングに対応して予め定められている制御を対象の電子機器に対して行わせるための制御信号を出力する制御装置であって、
互いに離間して電子機器に設けられ、音波を音響−電気変換することで音声信号をそれぞれ生成して出力する第1及び第2の収音手段と、第1及び第2の収音手段からそれぞれ出力された第1及び第2の音声信号を基に、一定幅を有するパルス信号である第1及び第2のエッジパルスを生成して出力するエッジパルス生成手段と、音波の入力毎に、第1及び第2のエッジパルスを基に、音波が第1及び第2の収音手段にそれぞれ到来する時刻の差を示す時間差分値を算出する時間差分算出手段と、時間差分値に基づいて生成した音源の方向を示す角度データをそれぞれ算出する音源方位算出手段と、音源方位算出手段によりそれぞれ算出した複数の角度データに基づいて複数の角度データの代表値を求め、この求めた代表値を制御信号として出力する制御信号生成手段とを有することを特徴とする。
この発明では、断続して発生される音波を2つの収音手段で検出して得た第1及び第2の音声信号に基づいて、音波の音源の方向(音波到来方向)を示す角度データを算出し、複数の角度データから算出した代表値を制御信号として出力するようにしたため、拍手音などの断続する音波の音源方向に対応して予め定められている制御を電子機器に行うことができる。
また、上記の目的を達成するため、第2の発明は記電子機器は、入力される制御信号に基づいて電子機器の第1及び第2の収音手段を備える主部を回転させるための回転機器を有しており、制御装置は、音波の入力毎に第1及び第2のエッジパルスをそれぞれ合成処理して複数の合成エッジパルスを生成する合成手段と、複数の合成エッジパルスの入力時間間隔と入力回数とに基づいて、予め定めた複数回の音波の入力か否かを検出する音波入力判定手段とを更に有し、音源方位算出手段は、音波入力判定手段により予め定めた複数回の音波の入力であると判定されたときに、音波の入力毎の時間差分値に基づいて生成した音源の方向を示す複数の角度データを制御信号生成手段に出力し、制御信号生成手段は、複数の角度データから求めた代表値を制御信号として回転機器に出力することを特徴とする。
この発明では、予め定めた複数の音波入力であると判定されたときに、音波の入力毎の時間差分値に基づいて生成した音源の方向を示す複数の角度データから求めた代表値に基づいて、電子機器の所定部分が音源方向に向くように電子機器を回転するようにしたため、複数回の各音源方向の角度データから音源方向を確定して電子機器を回転することができ、音源が移動していても、時間方向の変化を捉えて適切な方向に電子機器の所定部分が音源方向に向くように電子機器を回転制御することができる。
また、上記の目的を達成するため、第3の発明は上記の第1、第2の発明における制御信号生成手段を、入力される複数の角度データについて、時間的に前後して入力される二つの角度データ毎にそれらの偏差を求め、その偏差が予め設定した閾値よりも小さい複数の角度データから所定の算術論理演算式により算出した角度を最適な代表値として算出する構成としたことを特徴とする。
この発明では、時間的に前後して入力される二つの角度データ毎にそれらの偏差を求め、その偏差が予め設定した閾値よりも大きい角度データが示す音源の方向は音源の移動が大きいと判断して無効データとし、上記の閾値よりも小さい複数の角度データから所定の算術論理演算式により算出した角度を最適な代表値として算出するようにしたため、音源の移動に対応した最適な角度データを代表値として得ることができる。
第1の発明によれば、リモコンなしで拍手音にて電子機器の向きをユーザ方向に動かすような制御ができ、また、音源が移動していてもその移動を推定して最後に位置するところに近い向きに電子機器を制御することができる。
また、第2の発明によれば、電源ONやメニューONなどの電子機器の制御を行うと同時に電子機器を回転制御することができ、メニュー画面と連携して電子機器を回転させることを促すような複雑な操作形態をとらなくて済み、また誤認識に対する耐性も確保でき、更に電子機器がテレビジョン受像機の場合は、拍手音等の音波にて操作する方向に対してテレビジョン受像機を適切に回転させることで視聴環境を改善させることができる。
更に、第3の発明によれば、電子機器の制御のための音源移動のみに対応して最適な音源の方向を検出して、電子機器に対して所定の制御ができる。
次に、本発明の実施の形態について図面と共に詳細に説明する。本発明は拍手音を認識すると共に、拍手音の方向を特定し適切なタイミングでテレビジョン受像機を回転させる制御信号を発行するものである。拍手音を認識し制御を確定させる方法は、本出願人が先に提案した特願2006−230878号、特願2006−230879号、特願2006−335277号などにおける拍手音の認識方法と同様である。
図1はテレビジョン受像機1をリモコン3を利用して視聴者(ユーザ)2が遠隔制御している図を示す。一方、本実施の形態では図1のリモコン3を利用せず、電源オン/オフ(ON/OFF)やメニューを表示する(ONする)ときなど、視聴者(ユーザ)2の拍手音を認識させて遠隔制御する際に、拍手音の方向を算出し、テレビジョン受像機1をユーザ2の方向に回転させるものである。拍手音の方向を算出するために図1に示している通り、第1のマイク4、第2のマイク5をテレビジョン受像機1の上部の左右に設置している。この2つのマイク4及び5の距離はテレビジョン受像機1が42インチの場合約100cm、26インチの場合約60cmである。
この間隔を開けて設置された2つのマイク4及び5を用いて拍手音の方向を算出する方法を、図2を使って説明する。図2はテレビジョン受像機1a、1bと、ユーザが拍手をするポジションを黒丸Pとして表している。なお、テレビジョン受像機1の位置は、図2中、実線1aで描いた回転前の初期状態の位置と、拍手音から算出された結果、ユーザ2の方向に回転した破線1bで描いた回転後の位置の両方が示されている。図1と同様に、図2でもテレビジョン受像機1の右側に第1のマイク4、左側に第2のマイク5が設置されている。
上記のテレビジョン受像機1への拍手音の到来方向の算出方法においては、テレビジョン受像機の通常の視距離が画面高の3倍から5倍程度であること、また上記到来方向の算出精度とを鑑みて、到来する拍手音を点Pから発せられる平面波として近似できる。平面波とした場合、拍手音点Pからテレビジョン受像機中心点Dへの平面波は、第1のマイク4の点Bに到達するとき、線分PDに直交した線分BCの点Cに到達する。厳密には拍手音点Pからは球面波となり、上から見た図2ではB点とC点を通過する円弧を描くことになる。
上記の平面波で近似した場合と球面波とした場合の誤差は、第2のマイク5の位置を点Aとし、B点とC点を通過する球面波線と線分APとの交点をE点としたとき、線分ACと線分AEとの僅かな差であり、本実施の形態で求められる精度では平面波として近似できる。従って、拍手音を点Pから発せられる平面波として近似した場合、線分ACの距離ddが第1のマイク4と第2のマイク5との間に対する平面波の到達距離差となり、2つのマイク4及び5から距離ddに相当する時間差が得られ、拍手音の到来方向を以下のようにして算出することができる。
時刻をtとして、第1のマイク4から得られる拍手音の受信信号をs1(t)、第2のマイク5に得られる受信信号をs2(t)、マイク間の拍手音の到来時間差をtddとすると、これらには
s2(t)=s1(tーtdd) (1)
の関係がある。
音速をc、マイク間距離をmd、拍手音の垂線からの角度である到来方向をθとすると、
tdd=md・sinθ/c (2)
となる。従って、拍手音の到来方向を示す角度θは、
θ=arcsin(tdd・c/md) (3)
となる。テレビジョン受像機1を回転させる角度は、拍手音の到来方向を示す角度θに等しい。前記した通り、mdは42インチテレビで約1mとなり、cは音速でおよそ340m/sであるので、tddを計測すれば回転角度θが求まる。
この算出された回転角度θに添って、図2の位置1aのテレビジョン受像機を回転させたのが、位置1bのテレビジョン受像機である。このようにして回転させることによりユーザに対してテレビジョン受像機の正面を向けさせることができる。本実施の形態ではこの回転角度θを拍手音の認識から得ること、より適切で正確な角度を算出すること、そしてより的確なタイミングで算出角度の回転をテレビジョン受像機に反映させることを課題とするものである。
図3は本発明になる電子機器の制御装置の要部の一実施の形態のブロック図を示す。同図に示す制御装置は、拍手音により遠隔操作を実現する電子機器(本実施の形態ではテレビジョン受像機1)内に設けられる装置であり、同図中、図1と同一構成部分には同一符号を付してある。図3の実施の形態の制御装置は、図1に示したようにテレビジョン受像機1の左右に2つ設置されてユーザからの拍手音を収音する第1のマイク4及び第2のマイク5と、アンプ201a及び201bと、拍手音認識部100とを有し、本体アンプ202、アンプ204でそれぞれ増幅したテレビジョン受像機で選局受信したテレビ放送の音声信号も拍手音認識部100に供給される。また、本体アンプ202で増幅された音声信号は本体スピーカ203から外部に発音される。
この実施の形態の動作について説明するに、ユーザの拍手音はマイク4及び5で収音され、音響−電気変換されて第1、第2のアナログ音声信号とされて取り出され、それぞれアンプ201a、201bで所定の振幅まで増幅された後、拍手音認識部100に入力され、A/Dコンバータ101a、101bにてアナログ信号からデジタル信号に変換される。A/Dコンバータ101a、101bにてデジタル化された音声信号の処理については、ソフトウェア処理またはハードウェア処理にて以降の機能ブロックの内容に添って信号処理されるもので、ここではその処理手法については限定するものではない。
A/Dコンバータ101a、101bからは、図3に波形#1で示すようにA/Dコンバータ101a、101bのダイナミックレンジI内で、無音時のレベルのオフセット成分であるIIに相当する振幅を中心に音の波形が得られ、実際の拍手音の波形#1は複雑な信号成分とその包絡線として捉えられるデジタル音声信号として得られる。音の信号波形は様々な周波数成分を含んだ波形であるが、本実施の形態では包絡線に着目しており、以降の波形の説明では、実際の波形の包絡線にて説明する。
A/Dコンバータ101a、101bから出力されたデジタル音声信号は、オフセット成分除去部102a、102bにて適切な特性の高域フィルタを通してオフセット成分が除去された後、絶対値化回路103a、103bにより絶対値化されることで波形#3が得られる。一方、テレビジョン受像機本体から出るテレビのデコード音は、本体アンプ202にて増幅されて本体スピーカ203にて電気−音響変換されて音波に変換される。本体スピーカ203より空間に放射された音波はマイク4及び5から回り込んでくる。従って、絶対値化回路103a、103bの出力に得られる波形#3にはマイク4、5で捉えられる拍手音とテレビのデコード音とが混入し混合されたものとなる。
この絶対値化回路103a、103bの出力信号は、本体音除去部104a、104bにおいて、本体アンプ202からの出力音声信号をアンプ204、A/Dコンバータ109、オフセット成分除去部110、絶対値化回路111を介してフィードバックされた信号を用いて、混入してくるテレビの本体音に相当する信号が除去される。
絶対値化回路111の出力信号の例としては図3に波形#2で示すものとなり、波形#3中の拍手音が無い波形に近い内容となる。本体音除去部104a、104bでは波形#3から波形#2を減算することにより、本体スピーカ203からマイク4、5に回り込んでくる本体音を除去するが、本体スピーカ203からマイク4及び5までの空間を伝わってくる伝送路の特性を考慮して、波形#2を整形した上で波形#3を減算する(図3の波形#3は一方のマイク4からの音声信号伝送系の絶対値化回路103aの出力波形を示している)。
本体音が除去された本体音除去部104a、104bから出力された音声信号は、拍手音と拍手音以外の音及び除去できなかった微少な残留本体音が混入したものであるが、拍手音のような破裂したような音はインパルス性の音のためエネルギーが大きく、音の全周波数帯域に渡っており、エッジ成分を捉えることで他の信号成分と区別することができる。そのエッジ成分を抜き出すのがエッジ信号抽出器105a、105bで、その出力として波形#4に示すようなエッジ信号を得る。
エッジパルス生成器106a、106bは、波形#4のエッジ信号をトリガとして一定幅のエッジパルス(波形#5)を生成し、それを拍手音の検出信号としてエッジパルスであるエッジ検出フラグFp1,Fp2として判定処理部108へ出力する。ここでテレビの右側に配置されたマイク4から得られた拍手音のエッジ検出フラグがFp1で、テレビの左側に配置されたマイク5から得られる拍手音のエッジ検出フラグがFp2となる。
騒音状態検出部107は本体音除去部104a、104bの各出力音声信号の合成信号に対し操作者がいる環境下の騒音レベルを評価して、拍手音を認識するにあたり不適切な環境である場合、騒音状態フラグを発生させて判定処理部108へ出力する。
判定処理部108は、エッジパルス生成器106a、106bから同一幅のエッジ検出フラグFp1,Fp2を得て判定アルゴリズムに添って評価する。本実施の形態の判定処理部108では、拍手音が所定の回数得られていること、3回以上の拍手の際は等間隔であること、判定モードに添って判定信号を出力すること、騒音状態検出部107から騒音状態フラグが入力されているときは認識操作を停止させて判定信号の出力を禁止し制御を発行しないようにすること、Fp1,Fp2の時間差データを求めて出力することを役割としている。
次に、判定処理部108の構成及び動作について更に詳細に説明する。図4は判定処理部108の一実施の形態のブロック図、図5、図6及び図7は判定処理部108の判定処理アルゴリズムを説明するためのタイミングチャートを示す。判定処理部108は、図4に示すように、第1のカウンタ120、判定処理器121、エッジパルス合成器122、時間差分算出器123、音源方位算出器124、及び第2のカウンタ125からなる。
エッジパルス合成器122は、図3のエッジパルス生成器106a、106bから拍手音を検出して得られる図5(A)及び(D)に示すエッジ検出フラグFp1と、図5(B)及び(E)に示すエッジ検出フラグFp2とを合成して(本実施の形態では論理和を取って)図5(G)に示すパルスを出力する。図5では第1のマイク4から得られる(A)、(D)に示すエッジ検出フラグFp1に対して、(B)、(E)に示すエッジ検出フラグFp2が少し遅れて立ち上がっているのは、拍手音の到来方向が図2に示したようにテレビジョン受像機から見て右手に位置していることを意味する。
エッジパルス合成器122は、後段の判定処理器121にて、拍手音の回数と間隔から認識を確定させるため、2つのマイク4及び5のエッジ検出フラグFp1及びFp2を合成させるものである。合成の方法は論理和として片側が検出できなくとも拍手音の認識の判定に影響がないようにしているが、論理積として片側のフラグ(パルス)がない場合、合成出力が出ない方式としてもよい。論理積とするか論理和として処理するかなどの算術論理演算は、認識率を上げることを優先するか、誤認識に対する耐性を確保するかといった条件に添って設定することになる。
判定処理器121は拍手音を認識して確定に導く判断をするところである。判定処理器121には、後述する図7(C)に示す合成エッジ検出フラグがエッジパルス合成器122から供給されると共に、騒音状態検出部107からの騒音状態検出フラグと外部からの判定モードとが入力される。また、第1のカウンタ120は、判定処理器121に入力される複数のエッジフラグ間の周期や特定の領域をゲートするゲートパルスなどを発生させる時間軸を管理するためのものである。
判定モードはテレビジョン受像機全体を制御する中央処理装置(CPU)による後述するシステム制御器401から制御の状態を踏まえて入力される信号である。この判定モードは、本実施の形態では3回拍手で、電源がOFFのときON又はメニューONに、また電源がONで視聴状態のときはメニューONにし、4回拍手をすると電源OFFとするモードを示す信号であるものとする。
図7(A)、(B)は3回の拍手音にて、電源ONまたはメニューONする場合のエッジ検出フラグFp1、Fp2を示しており、拍手音に対するエッジ検出フラグFp1、Fp2が3回検出されている。4回目の拍手音に相当するところは図7(A)、(B)に破線でFp1、Fp2を描いているが、ここでは4回目は拍手音が無いことを確認して3回の拍手であることを確定させることを意味している。
また、図7(C)は図4のエッジパルス合成器122において図7(A)、(B)に示す2つのエッジ検出フラグFp1、Fp2を合成して得られた合成エッジ検出フラグを示す。判定処理器121はこの図7(C)に示す合成エッジ検出フラグの1回目が入力された時点で、図7(D)に示すように1回目検出フラグF1を設定すると共に、第1のカウンタ120をリセットした後クロックのカウントを開始させる。その後、判定処理器121は第1のカウンタ120のカウント値が所定値の範囲内となる一定幅t2のゲートパルスの期間内に合成エッジ検出フラグの2回目が入力された時点で、図7(E)に示すように2回目検出フラグF2を設定する。
同時に、合成エッジ検出フラグの1回目の入力時点から2回目の入力時点までの時間をインターバル期間tIとしてストアすると共に、第1のカウンタ120をリセットした後再びクロックのカウントを開始させる。
その後、判定処理器121はF2設定時点から時刻tI−(t3/2)から時刻tI+(t3/2)のゲートパルスのゲート幅t3の期間内に合成エッジ検出フラグの3回目が入力された時点で、図7(F)に示すように3回目検出フラグF3を設定すると共に、第1のカウンタ120をリセットした後再びクロックのカウントを開始させる。その後、判定処理器121は第1のカウンタ120のカウンタ値に基づき、時間tI+(t3/2)経過するまで合成エッジ検出フラグが入力されない状態が継続した時点で図7(G)に示す4回目のところに拍手が無いフラグ(無音フラグ)Fnを設定する。
そして、上記の各フラグF1、F2、F3、Fnが揃ったところで3回拍手の条件が満たされ、確定したことを表す図7(H)に示す判定フラグFjが判定処理器121から出力され、テレビセットの状態に添って、後述する図13のシステム制御器401から電源ONやメニューONの制御が発行される。本実施の形態はこのような拍手音による認識操作を使って拍手音の音源方向を求め、テレビを拍手音の音源方向に回転させるものである。
再び図4に戻って説明する。図4の時間差分算出器123は、図3のエッジパルス生成器106a、106bから得られるエッジ検出フラグFp1,Fp2に基づいて、2つのマイク4及び5に到来する拍手音の時間差を求め、その時間差を示す値を音源方位算出器124へ出力する。拍手音の時間差は図5(A)又は(D)に示すFp1と、図5(B)又は(E)に示すFp2との時間差である。図5は拍手をするユーザが止まっている場合のタイミングチャートで、3回の拍手での時間差は同じである。
時間差分算出器123による時間差の算出方法について、図5(C)〜(J)の時間軸を同図(A)、(B)の時間軸よりも拡大した第2の時間軸上で説明する。図5(C)はデジタル処理のサンプリングクロックである。図5(D)は同図(A)のエッジ検出フラグFp1部分の時間軸を拡大したものである。図5(E)は同図(B)のエッジ検出パルスFp2部分の時間軸を拡大したものである。
この2つのフラグFp1、Fp2の位相差が、求める時間差分値で、図5(E)の矢印IIIに相当する。この矢印IIIの時間差分値は図4に示す第2のカウンタ125にてカウントされる。この第2のカウンタ125のカウンタ値は、本実施の形態では図5(C)に示すクロック数で表される。ここでは、矢印IIIは10クロックの時間差分値となる。図5(F)はFp1とFp2との論理積を取った信号である。この信号は後述する通り矢印IIIの時間差分値であるクロック数をこの期間に捉えてホールドするためのものである。
矢印IIIの期間は図5(D)、(E)に示すエッジ検出パルスFp1、Fp2のずれを表す図5(H−1)に示すパルスの期間をカウンタで計測して求める。図5(H−1)に示すパルスは、同図(D)に示すFp1が高レベルで、同図(E)に示すFp2が低レベルであるときに高レベルになるパルスで、Fp1がFp2より先行している(Fp1先行である)ことも表している。Fp1先行では本実施の形態ではテレビジョン受像機の右手から音波が到来していることになる。逆に、エッジ検出フラグFp2がエッジ検出フラグFp1より先行する際は上記のずれを示すパルスが出力されない。
図5(J)は図4の第2のカウンタ125のカウント値を示しており、同図(H−1)に示すパルスの高レベル期間インクリメントされて”0”から”10”までカウントしホールドされる。また、図5(H−1)に示す方向も表すパルスは時間軸方向に幅を拡張して同図(I−1)に示すパルスとして示され、このパルスの幅を同図(J)に示すカウンタの最大値まで広げる。この図5(I−1)に示すパルスがFp1先行を示し、同図(J)に示すカウント値が時間差分値を表すことになる。
図6はFp2が先行する場合のタイミングチャートで、図5と異なる点について説明する。図6(A)、(D)に示すエッジ検出フラグFp1と、同図(B)、(E)に示すエッジ検出フラグFp2の位相差が、求める時間差分値で、図6(D)の矢印IVに相当する。この矢印IVの時間差分値は図4に示す第2のカウンタ125にてカウントされ、本実施の形態では図6(C)に示すクロック数で表される。ここでは、矢印IVは10クロックの時間差分値となる。図6(F)はFp1とFp2との論理積を取った信号を示し、この信号は後述する通り矢印IVの時間差分値であるクロック数をこの期間に捉えてホールドするためのものである。
図6(E)に示すエッジ検出パルスFp2は同図(D)に示すエッジ検出パルスFp1から10クロック先行している。図6(H−2)に示すパルスは、同図(D)に示すFp1が低レベルで、同図(E)に示すFp2が高レベルであるときに高レベルになるパルスで、両パルスのずれとFp2がFp1より先行している(Fp2先行である)ことを表している。
図5に示したFp1先行の場合は、図5(H−2)に示すようにFp2先行を示すパルスは出力されないが、図6に示すFp2先行の場合は、図6(H−1)に示すように、Fp1先行を示すパルスは出力されない。図6(J)は図4の第2のカウンタ125のカウント値を示しており、同図(H−2)に示すパルスの高レベル期間インクリメントされて”0”から”10”までカウントしホールドされる。
また、図6(H−2)に示す方向も表すパルスは時間軸方向に幅を拡張して同図(I−2)に示すパルスとして示され、このパルスは図6(J)に示すカウンタ値とタイミングを揃えておく。この図6(I−2)に示すパルスは同図(H−2)に示すパルスを時間軸で後方に幅広にしたものである。従って、図6(I−2)に示すパルスがFp2先行を示し、同図(J)に示すカウンタ値が時間差分値を表すことになる。なお、図5(I−2)は図5(H−2)で示すパルスが出力されないため、それを幅広としたパルスも出力されないことを示している。
同様に、図6(I−1)は図6(H−1)で示すパルスが出力されないため、それを幅広としたパルスも出力されないことを示している。
図8は図5及び図6に表したタイミングチャートの各信号を出力する図4の時間差分検出器123の一例の回路系統図を示す。同図中、括弧内のアルファベットは、図5、図6、図7に示したタイミングチャート中の対応するアルファベットのパルスを表している。第1のAND回路301aから図5及び図6(H−1)に示すパルスが取り出され、第2のAND回路301bから図5及び図6(H−2)に示すパルスが取り出され、第3のAND回路302で図5及び図6(F)に示すパルスが取り出され、第1のOR回路304から図6(H−1)又は(H−2)に示すパルスが取り出される。
第1の幅拡張部303aと第2の幅拡張部303bとは、第3のAND回路302の出力信号の高レベルの期間、AND回路301a、301bの各出力パルスのパルス幅を拡張して、図5及び図6(I−1)、(I−2)に示すパルスを出力する。第2のカウンタ125は、第1のOR回路304から出力される(H−1)又は(H−2)のパルスが端子CEに入力され、カウントがイネーブル状態になりクロックをカウントしていく。そして第2のOR回路305から図6(I−1)又は(I−2)に示すパルスがイネーブル端子ENに入力され、カウンタの値がホールドされる。本実施の形態では第2のカウンタ125はCEとENが共に低レベルのときクリアされて、カウント値が0に戻りカウンタが停止しているものとする。
図5及び図6のタイミングチャートで示したように最終的に評価されるものはエッジ検出フラグFp1,Fp2の前後関係とそのずれ量であるカウンタ出力の時間差分値を示すクロック数である。このエッジ検出パルスFp1及びFp2の前後関係と時間差分値であるクロック数は、1回目保持器307、2回目保持器308及び3回目保持器309に保持される。1回目保持器307に1回目の拍手音のエッジ検出フラグから得られた方向(前後関係)を示す図5又は図6(I−1)、(I−2)のパルスと(J)のカウンタ値とを保持する。
何回目の拍手音のタイミングであるかは図7(D)に示したF1、同図(E)に示したF2、同図(F)に示したF3とから分かる。1回目はF1が高レベルでF2、F3が低レベルのとき、2回目はF1、F2が高レベルでF3が低レベルのとき、3回目はF1,F2,F3全てが高レベルのときである。
この何回目であるかを示す信号により識別される各回にて図5又は図6(I−1)(I−2)及び(J)がホールドされている図5又は図6(F)に示すパルスの期間の特定のタイミングで上記カウンタ値の保持を実行する。図5及び図6ではこのタイミングをt3としている。そして、その保持した内容は図7(I)に1回目の時間差分値、同図(J)に2回目の時間差分値、同図(K)に3回目の時間差分値として示される。以上が時間差分値の算出方法である。この算出方法により、時間差分算出器123の出力として拍手毎の方向と時間差に相当するクロック数が時間差分値として出力される。
この時間差分算出器123からは拍手3回分のデータ(上記クロック数)が出力される。そのデータを表したのが、図7(I)に示す1回目の拍手の時間差分値、同図(J)に示す2回目の拍手の時間差分値、同図(K)に示す3回目の拍手の時間差分値である。なお、ここでいう「時間差分値」は、前記の左右の方向と時間差に相当するクロック数のことである。
図4に示す音源方位算出器124は、この時間差分値を得て方位データに加工するものである。時間差分値のクロック数は、クロックの周期、すなわち音のサンプリング周波数から一義的に求まるものである。ここで、クロックの周期をtc、クロック数をn(nは0以上の整数)とすると、前記(2)式のマイク間の拍手音の到来時間差をtddはクロック単位にまるめると以下の式となる。
tdd=n・tc (4)
従って、求める角度θは(4)式を(3)式に代入することで次式により得られる。
θ=arcsin(n・tc・c/md) (5)
ここでの角度θは絶対値であり、左右の方向は図5及び図6(I−1)、(I−2)に示す信号より得られ、(I−1)に示す信号が高レベルで(I−2)に示す信号が低レベルのときは右の方向、(I−1)に示す信号が低レベルで(I−2)に示す信号が高レベルのときは左の方向となる。なお、この方向とは、図2に示した通りテレビジョン受像機を基準とした方向である。また、(I−1)及び(I−2)に示す各信号が共に低レベルのときはセンターとなる。ここでいう「センター」とは画面の中心点からユーザ方向に垂線の方向でθが零の場合である。また、(I−1)及び(I−2)に示す各信号が共に高レベルのときはあり得ない場合であり無効なデータとなる。
これを整理したのが図9である。θiのiは求めた角度θが何回目の拍手音であるかを示している。このiの取りうる値は正の整数で、本実施の形態では拍手3回で確定する場合であるので、iは1,2,3の3通りとなる。角度の極性は、図2に示したとおり、テレビ画面の中心点からユーザ側に伸ばした垂線に対して、時計回りを負(右)、反時計回りを正(左)として表している。
求められた角度θは拍手1回毎に得られる。本実施の形態では3回拍手することで確定し、電源ONなどの制御が実行される。3回の拍手から得られる角度はθ1,θ2,θ3の3つの角度が得られる。通常テレビを視聴するユーザの位置は定まっていると考えられるが、拍手操作による場合は、ユーザが移動しながらとりあえずテレビの電源を入れたいという場合や、他のことをしながら拍手操作する場合などがあるので、ユーザの位置が必ずしも定まらないことも想定される。しかし、本実施の形態では複数の拍手によって方向を確定しているので、時間方向の変化を捉えて、拍手音の到来方向を拍手操作の確定(制御の発行)と同時に適切に確定させることができる。
図10、図11及び図12は3回の拍手から得られる角度の偏差を表した例を示す。縦軸が画面のセンター(図2の垂線)に対する角度、横軸が時間軸である。3回拍手されて求まった角度を3つの黒丸を配置して表している。各拍手毎に角度θが求まり、1回目がθ1、2回目がθ2、3回目がθ3である。θ12はθ1とθ2の差分値、θ23はθ2とθ3の差分値である。
本発明は複数の拍手で拍手音の到来方向を確定させる特徴を持っており、角度の偏差に対して最適化を図ることができる。最適化の方法は様々な方法が考えられるが、ここでは複数の拍手から得られた角度より無効を省く有効な角度から、代表となる角度の選択及び複数の角度による演算より最適な角度を割り出す方法を採るものとする。その結果、得られた最適角度でテレビ本体を回転制御することができる。なお、本実施の形態では算出した角度で最適化を図っているが、拍手音の到来時間差と方向を決めるパルスから判断しても同様の結果を得ることができる。
また、本実施の形態では、ユーザが椅子に座っているような定まったポジションから拍手される場合の処理と、ユーザが歩きながら拍手をする場合とを区別して処理する。図10は前後の角度の偏差が第1の閾値θthよりも小さい場合を示す。この偏差としては図10(A)、(B)、(C)、(D)に示す代表的な4つのパターンがある。
また図11は前後の角度の偏差が第1の閾値θthよりも大きい場合を示す。この偏差は図10と同様に図11(A)、(B)、(C)、(D)の代表的な4つのパターンがある。更に図12は前後の角度の偏差が大きい第2の閾値θthを越える場合を示す。
図10の第1の閾値θthはユーザが定まった位置で拍手音操作をしていることを想定した場合の閾値が設定されている。この場合の情景としてはユーザが椅子に座っていて上半身を左右にねじって拍手をする場合である。従って、その閾値θth以下の偏差はユーザが定まった位置で拍手音操作をしていると想定できるので誤差と扱ってよい。そこで、本実施の形態では、図10(A)〜(D)において、θ1,θ2,θ3は以下の式の通り平均値を最適角度θjとして音源方位算出器124から出力する。
θj=(θ1+θ2+θ3)/3 (6)
図11は第1の閾値θthから前後の角度の偏差であるθ12,θ23のいずれかが越えた場合である。この場合はユーザが動いているので最後のθ3がユーザのポジションとして適切と思われるのでその値を反映させればよい。しかし、ユーザが動きながら操作をする場合は必ずしも移動した先でテレビを視聴するとは限らないので、本実施の形態では最後の角度がより反映されやすい下記の式より算出されるθjを最適角度としている。
θj=[{(θ1+θ2)/2}+θ3]/2 (7)
この(7)式が適用されるのは、θ12,θ23の両方が第1の閾値を越え、かつ、符号が同じ場合である図11(A)の場合と、片側だけ第1の閾値を越えている図11(B)、(C)の場合である。図11(D)に示すθ12,θ23の両方共に第1の閾値を越え、かつ、符号が逆の場合(すなわち、前後の差分の符号が異なる場合)は、ユーザがテレビの前を左右に行ったり来たりしていて挙動が定まらない場合と想定されるので例外として扱う。従って、この図11(D)のパターンは動作させない。
次に図12は、上記のパターンに依存するものではないが、前後の角度の差分値であるθ12,θ23の何れかが、第1の閾値よりも大きく設定した第2の閾値を越えた場合の各拍手音から得られた角度の偏差を示す。この場合はユーザの動きが大きいとしてこれについても動作させないと判断する。
このように複数の拍手音から得られる角度を得ることでユーザの挙動をつかむことができ、各拍手から得られる角度θjに最適な重み係数をかけて演算処理することで、最適な角度θjをテレビの向きに反映させることができる。本実施の形態では、3回の拍手から得られるθ1,θ2,θ3の3つの角度の角度データが図4の音源方位算出器124により得られ、図7(L)のタイミングで判定信号Fjと同時に出力される。そして、Fjのパルスが降りるときに出力を終える。
なお、角度θj(θ1,θ2,θ3)の算出方法としては、上記の実施の形態の方法に限らない。例えば、ユーザの挙動はユーザ毎に異なり、個別に最適化が図れる方がより良いので、複数の角度算出方法を用意して、その中からユーザに選択してもらうのも方策として考えられる。
図13は本発明になる電子機器の制御装置の一実施の形態のブロック図である。同図中、図3と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図13において、ユーザ405にて拍手がなされ、その拍手音の音波が空間を伝搬して第1のマイク4と第2のマイク5で音響−電気変換されてアナログ音声信号にそれぞれ変換され、各々のアナログ音声信号は第1のアンプ201aと第2のアンプ201bにてそれぞれ別々に適切な振幅に増幅された後、拍手音認識部100に供給される。
拍手音認識部100は図3乃至図12で詳細に説明したように、拍手音を認識して入力される判定モードに従って、その出力に判定信号Fjと角度θ1,θ2,θ3の角度データを出力する。判定モードはテレビジョン受像機全体を制御する中央処理装置(CPU)によるシステム制御器401から制御の状態を踏まえて拍手音認識部100に入力される信号である。本実施の形態では3回拍手で、電源がOFFのときON又はメニューONに、また電源がONで視聴状態のときはメニューONにし、4回拍手をすると電源OFFとするモードを示す信号である。
システム制御器401は上記の角度θ1,θ2,θ3の角度データを受け取り、その角度データに従った最適な角度θjの回転量を示す回転制御信号を生成して回転制御器402へ出力する。回転制御器402は、入力された回転制御信号が示す最適な角度θjに対応した極性及びレベルの駆動信号に変換して、モータなどで実現される回転器403に出力する。回転器403は、表示部404(テレビジョン受像機の画面と2つのマイク4及び5とを含む本体部)を回転制御器402からの駆動信号の極性に応じた方向に、かつ、駆動信号のレベルに応じた回転量だけ回転させる。
ここで、上記の角度θjは表示部404が置き台に対して絶対的な角度を示すものではなく、拍手音を捉えたポジションから拍手音の方向へ回転する変化量を示している。このことについて、図14の置き台と表示部404の関係を表した図と共に説明する。置き台と表示部404の画面の向きは、通常ユーザが定めた向き、ここではそれをホームポジションP0として表している方向に設置されている。図14(A)は表示部404が、表示部404の正面から伸ばされた第1の垂線がホームポジションP0を指している第1のポジション404Aの位置に最初静止しており、この状態からホームポジションP0に対して右側のP1に位置するユーザが拍手をして右側に角度θj(すなわち−θj)回転して表示部404が、表示部404の正面から伸ばされた第2の垂線がユーザ位置P1を指している第2のポジション404Bの位置に回転する例を示す。
一方、図14(B)は既にホームポジションP0より右側に回転しており、表示部404が、表示部404の正面から伸ばされた第1の垂線がホームポジションP0より右側の位置を指している第1のポジション404Cの位置に最初静止しており、この状態からホームポジションP0に位置するユーザが拍手をして左側に角度θj(すなわち+θj)回転して表示部404が、表示部404の正面から伸ばされた第2の垂線がユーザ位置P1を指している第2のポジション404Dの位置に回転する例を示す。
このように、拍手音で求める角度は、拍手音が到来する方向への回転量であり、置き台及び表示部404の向きに対する定まった角度ではない。検出した角度が回転量であるので、その都度、到来する拍手の方向に向けて回転させるもので、移動量の誤差の蓄積はない。図13に示した回転制御器402と回転器403はこの検出された回転量に添って表示部404を回転させるものである。
このように、本実施の形態によれば、従来はリモコンでテレビの画面の向きを変える際は、ユーザはリモコンのある位置まで移動しテレビを回転させなければならず、また元の位置まで戻る手間が必要であったのに対し、拍手音による操作で電源ON、メニューONなどの制御をすると共に同時にユーザのいる方向を特定して自動的に回転させるため、ユーザは移動することなくその場で操作が完了する利点を有する。また、従来のリモコンを使っての操作は、リモコンを持ち歩く原因にもなり、リモコンが行方不明になる問題につながり、ユーザに不自由を強いる元凶となっていたが、本実施の形態によれば、リモコンがなくても拍手音により同様の操作が可能であり、この問題の解決につながる利点を有するものである。
更に、本実施の形態では、テレビジョン受像機の画面及び左右のスピーカがユーザの方向を向くようにしたため、画面の幾何学的な歪みがなく、ステレオ放送時は音の定位もよく、画像と音ともに指向性の影響を受けることなく、最適な位置関係でテレビの性能を享受することができる利点を有する。また、本実施の形態では、複数回の拍手音でその到来方向を確定させる場合は、複数回の角度検出により、より誤差を少なくすると共に、音源(ユーザ)が動いてもその動きを推定し最後に位置するところに近い向きに変えることができる。
また、本実施の形態では、電源ONやメニューONなどの認識が確定してその制御が発行される際に方向も確定させる方式であるため、メニュー画面と連携してテレビジョン受像機の回転を促すような複雑な操作形態を取らなくてすみ、また誤認識に対する耐性も同様に確保される。また、この電源ONやメニューONする認識操作のタイミングは、ユーザがテレビジョン受像機を意識して変化を求めているときであり、テレビ視聴状態とは違いテレビジョン受像機本体が回転することへの抵抗が少ない。
また、本実施の形態によれば、視聴状態でテレビジョン受像機本体の回転だけさせたい場合でも、メニューON操作で回転させることができ、メニューを時間と共に自然消滅させる方法で、他の操作方式との整合もとれる。また、本実施の形態によれば、電源ONやメニューONなど操作する度に拍手音の音源方向を検出してテレビジョン受像機本体を回転させるので、視聴している間にユーザが移動した場合もその都度追いかけるため、ユーザに意識させることなくテレビジョン受像機本体の正面を最適な向きにすることができる。このように本実施の形態の拍手音認識によるテレビジョン受像機の回転制御は、多くのメリットを有している。
なお、本発明で検出される角度は複数のマイクに到来する時間差から求めたものであるので、上記の実施の形態では角度を算出して処理する方式で説明したが、これに限らず時間差と方向を司るパルスで処理することも同様に可能である。また、拍手音は同様にインパルス的な音波になる破裂音も含むので、手と物、物と物なども類似の音波を発生させることにより、同様の効果が得られるものである。
また、以上の実施の形態では、遠隔操作の制御対象の電子機器としてテレビジョン受像機について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、エアコン(風の向きの制御)、ラジカセ(音像の定位の制御)、ストーブ(熱線及び温風の方向の制御)などの指向性を持っている電子機器に適用可能である。
本発明装置による遠隔操作制御対象のテレビジョン受像機と遠隔操作する視聴者(ユーザ)との関係を示す図である。 テレビジョン受像機に設置されたマイクの位置と音波の発生源との関係を説明する図である。 本発明の電子機器の制御装置の要部の一実施の形態のブロック図である。 図3中の判定処理部の一実施の形態のブロック図である。 図3中の判定処理部により拍手音が左右のマイクに得られる時間差を検出する動作を説明するタイミングチャートで、第1のマイクに到来する音波が先行する場合の図である。 図3中の判定処理部により拍手音が左右のマイクに得られる時間差を検出する動作を説明するタイミングチャートで、第2のマイクに到来する音波が先行する場合の図である。 図3中の判定処理部における各拍手音エッジ検出パルスから得られる各種フラグと時間差分値のタイミングチャートである。 各拍手音エッジ検出パルスから得られる各時間差分値を求める時間差分算出器の一例の回路系統図である。 図4の判定処理部で算出された角度と方向について説明する図である。 各拍手音から得られた角度の偏差を評価する説明図(その1)である。 各拍手音から得られた角度の偏差を評価する説明図(その2)である。 各拍手音から得られた角度の偏差を評価する説明図(その3)である。 本発明の電子機器の制御装置の一実施の形態のブロック図である。 ユーザのポジションとテレビジョン受像機の正面位置との位置関係を説明する図である。
符号の説明
1 テレビジョン受像機
2、405 視聴者(ユーザ)
3 リモコン
4 第1のマイク
5 第2のマイク
100 拍手音認識部
101a、101b、109 A/Dコンバータ
102a、102b、110 オフセット成分除去部
103a、103b、111 絶対値化回路
104a、104b 本体音除去部
105a、105b エッジ信号抽出器
106a、106b エッジパルス生成器
107 騒音状態検出部
108 判定処理部
201a、201b、202、204 アンプ
203 本体スピーカ
120、125 カウンタ
121 判定処理器
122 エッジパルス合成器
123 時間差分算出器
124 音源方位算出器
401 システム制御器(CPU)
402 回転制御器
403 回転器
404 表示部

Claims (3)

  1. 断続して発生される音波を検出し、この音波の検出回数及び検出タイミングに対応して予め定められている制御を対象の電子機器に対して行わせるための制御信号を出力する制御装置であって、
    互いに離間して前記電子機器に設けられ、前記音波を音響−電気変換することで音声信号をそれぞれ生成して出力する第1及び第2の収音手段と、
    前記第1及び第2の収音手段からそれぞれ出力された第1及び第2の音声信号を基に、一定幅を有するパルス信号である第1及び第2のエッジパルスを生成して出力するエッジパルス生成手段と、
    前記音波の入力毎に、前記第1及び第2のエッジパルスを基に、前記音波が前記第1及び第2の収音手段にそれぞれ到来する時刻の差を示す時間差分値を算出する時間差分算出手段と、
    前記時間差分値に基づいて生成した前記音源の方向を示す角度データをそれぞれ算出する音源方位算出手段と、
    前記音源方位算出手段によりそれぞれ算出した複数の前記角度データに基づいて前記複数の角度データの代表値を求め、この求めた代表値を前記制御信号として出力する制御信号生成手段と
    を有することを特徴とする電子機器の制御装置。
  2. 前記電子機器は、入力される前記制御信号に基づいて前記電子機器の前記第1及び第2の収音手段を備える主部を回転させるための回転機器を有しており、
    前記制御装置は、
    前記音波の入力毎に前記第1及び第2のエッジパルスをそれぞれ合成処理して複数の合成エッジパルスを生成する合成手段と、
    前記複数の合成エッジパルスの入力時間間隔と入力回数とに基づいて、予め定めた複数回の音波の入力か否かを検出する音波入力判定手段と
    を更に有し、
    前記音源方位算出手段は、前記音波入力判定手段により前記予め定めた複数回の音波の入力であると判定されたときに、前記音波の入力毎の前記時間差分値に基づいて生成した前記音源の方向を示す複数の角度データを前記制御信号生成手段に出力し、前記制御信号生成手段は、前記複数の角度データから求めた代表値を前記制御信号として前記回転機器に出力することを特徴とする請求項1記載の電子機器の制御装置。
  3. 前記制御信号生成手段は、
    入力される前記複数の角度データについて、時間的に前後して入力される二つの角度データ毎にそれらの偏差を求め、その偏差が予め設定した閾値よりも小さい複数の角度データから所定の算術論理演算式により算出した角度を最適な前記代表値として算出することを特徴とする請求項1又は2記載の電子機器の制御装置。
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