JP2008277206A - 光電変換材料用半導体、光電変換素子及び太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた光電変換効率と安定性とを両立する安価な光電変換材料用半導体ならびに光電変換素子を提供すること。さらに、この光電変換材料用半導体及び光電変換素子を用いた太陽電池を提供すること。
【解決手段】特定構造で表される化合物を半導体表面に吸着することにより、半導体を分光増感させて光電変換材料用半導体を構成する。半導体は金属酸化物もしくは金属硫化物半導体である。導電性支持体上に光電変換材料用半導体を設けて光電変換素子を構成する。光電変換素子と、電荷移動層及び対向電極とで太陽電池を構成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、光電変換材料用半導体、光電変換素子及び太陽電池に関する。
光電変換材料とは、電極間の電気化学反応を利用して光エネルギーを電気エネルギーに変換する材料である。
光電変換材料に光を照射すると、一方の電極側で電子が発生し、対電極に移動する。対電極に移動した電子は、電解質中をイオンとして移動して一方の電極にもどる。
すなわち、光電変換材料は光エネルギーを電気エネルギーとして連続して取り出せる材料であり、例えば、太陽電池などに利用されている。
太陽電池にはいくつかの種類があるが、住居設置用発電パネル、卓上計算機、時計、携帯用ゲーム機等に実用化されているものの大部分はシリコン太陽電池である。
しかし、最近になって色素増感型太陽電池が注目され、実用化を目指して研究されている。
色素増感型太陽電池は古くから研究されており、その基本構造は、具体的には金属酸化物半導体及びそこに吸着した色素、電解質溶液及び対向電極からなる。
この場合の光電変換材料は、半導体表面に可視光領域に吸収を持つ分光増感色素を吸着させたものが用いられている。
例えば、金属酸化物半導体の表面に、遷移金属錯体などの分光増感色素層を有する太陽電池が記載されて(例えば、特許文献1を参照。)いる。
また、金属イオンでドープした酸化チタン半導体層の表面に、遷移金属錯体などの分光増感色素層を有する太陽電池が記載されて(例えば、特許文献2を参照。)いる。
一方、光電変換能力を有する酸化物半導体電極としては、初期の頃は半導体の単結晶電極が用いられてきた。その種類としては、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)等がある。
しかし、単結晶電極は色素の吸着量が少ないため効率は非常に低く、コストが高いというデメリットがあった。
そこで考え出されてきたのが、微粒子を焼結して形成された多数の細孔を有する高表面積半導体電極である。坪村らによって有機色素を吸着した多孔質酸化亜鉛電極が非常に性能が高いことが報告されて(例えば、非特許文献1を参照。)いる。
その後は色素にも改良がされるようになり、ルテニウム錯体系色素を多孔質酸化チタン電極に吸着させる(例えば、非特許文献2を参照。)ことで、現在、シリコン太陽電池並みの性能を有するまでになっている。
しかし、シリコン太陽電池を代替する実用化のためには、今まで以上に高いエネルギー変換効率や、さらに高い短絡電流、開放電圧、形状因子が必要になってくる。
現在のところ、多孔質半導体電極で報告されている物質としてはZnO、TiO2、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化ニオブ(Nb25)等が挙げられる。
色素増感型湿式太陽電池はシリコン太陽電池に比べ製造コストが非常に安いため、将来的には前述の種々の製品に用いられているシリコン太陽電池を代替する可能性があるが、その際には各々の製品に応じた太陽電池の特性が重要になる。
太陽電池の特性には様々なものがあり中でも、
1.短絡電流
2.開放電圧
3.形状因子
4.エネルギー変換効率
5.光吸収スペクトル
などが重要であるが、特に4.のエネルギー変換効率は太陽電池の最大の課題であり、その改良が強く望まれていた。
その効率を左右する技術課題の一つとして、光励起された電子を効率的に半導体に移動する能力を有する増感色素が求められている。
これまでに検討された種々の色素のうち、前記ルテニウム錯体系色素は比較的優れた特性を有することがわかっているが、色素が高価であること及び錯体の中心金属であるルテニウムが稀少元素であり将来にわたる安定的な供給に懸念がもたれることから、より安価で安定的に供給可能な有機色素がより好ましい。
こうした要請からこれまでにも多くの有機色素が検討されているが、その光電変換効率は未だ充分なものではなく、さらに変換効率の高い光電変換素子を構成できる有機色素が待望されていた。
ルテニウム錯体色素の他にもさまざまな色素についての検討が行われているが、ポリメチン色素(特にシアニン、メロシアニン色素)はその中の1つであり、従来から検討されている。
例えば、奇数メチン色素や偶数メチン色素等が開示されて(例えば特許文献3〜9を参照。)いる。
また高い変換効率を狙って、ドナー部の先にπ共役系を拡張したメタルフリーの増感色素も報告されている(例えば特許文献10〜11を参照)。
しかしながら、未だ諸特性を満足する有機色素は得られていない。
特開平1−220380号公報(第2、3、5、6頁) 特表平5−504023号公報(第1〜2頁) Nature,261(1976)p402 Graetzelら:J.Am.Chem.Soc.115(1993)6382 特開平11−167937号公報(第2〜104頁) 特開平11−214730号公報(第2〜18頁) 特開平11−163378号公報(第2〜9頁) 特開平11−214731号公報(第2〜11頁) 特開2000−106224号公報(第2〜10頁) 特開2002−164089号公報(第2〜8頁) 特開2003−086257号公報(第2〜6頁) 特開2004−200068号公報 特開2006−190534号公報
本発明の目的は、優れた光電変換効率と安定性とを両立する安価な光電変換材料用半導体ならびに光電変換素子を提供することにある。さらに、この光電変換材料用半導体及び光電変換素子を用いた太陽電池を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.下記一般式(1)で表される化合物が半導体表面に吸着されていることを特徴とする光電変換材料用半導体。
Figure 2008277206
(式中、A1及びA2は各々水素原子、若しくは置換基を表す。A1及びA2は、互いに連結して、環構造を形成しても良い。XはN−R4若しくは、酸素原子、硫黄原子を表し、R4は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R1、R2は各々置換基を表し、n及びmは各々0,1,2,3,4を表す。R3は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基を表す。R3はL1の置換したベンゼン環と連結して、環構造を形成しても良い。L1及びL2,L3は置換基を有しても良いメチン基を表し、pは0,1,2,3,4を表す。Cpは少なくとも1つの半導体表面への吸着基を置換基として有し、かつ可視域または近赤外域に吸収能を付与可能な原子団を表す。)
2.前記一般式(1)で表される化合物により分光増感されていることを特徴とする前記1に記載の光電変換材料用半導体。
3.前記一般式(1)で表される化合物のCP上の吸着基がカルボキシ基であることを特徴とする前記1または2に記載の光電変換材料用半導体。
4.前記半導体が、金属酸化物もしくは金属硫化物半導体であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の光電変換材料用半導体。
5.導電性支持体上に、前記1〜4のいずれか1項に記載の光電変換材料用半導体が設けられていることを特徴とする光電変換素子。
6.前記5に記載の光電変換素子と、電荷移動層及び対向電極を有することを特徴とする太陽電池。
本発明の特定の化合物を用いることにより、光電変換効率が高く、耐久性に優れた光電変換素子を得ることができ、これは太陽電池のような種々の光電変換材料に有用で優れた効果を有する。
本発明を更に詳しく説明する。
本発明の光電変換材料用半導体は、半導体に前記一般式(1)で表される化合物を半導体に吸着させて半導体を増感させたものである。
先ず、前記一般式(1)で示される化合物について、詳細に説明する。
前記一般式(1)に於て、A1及びA2で表される置換基の例としてはアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、オクテニル基等)、シクロアルケニル基(例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基等)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基、エチニル基、トリメチルシリルエチニル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、p−トリル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基等)、複素環基(例えば、ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スルホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基、モルフォリノ基等)、複素環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基、ピリジルオキシ基、チアゾリルオキシ基、オキサゾリルオキシ基、イミダゾリルオキシ基等)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、2−ナフチルオキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基等)、複素環チオ基(例えば、ピリジルチオ基、チアゾリルチオ基、オキサゾリルチオ基、イミダゾリルチオ基、フリルチオ基、ピロリルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基、モルフォリノスルホニル基、ピロリジノスルホニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、ホルミルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基、モルフォリノカルボニル基、ピペラジノカルボニル基等)、アルカンスルフィニル基またはアリールスルフィニル基(例えば、メタンスルフィニル基、エタンスルフィニル基、ブタンスルフィニル基、シクロヘキサンスルフィニル基、2−エチルヘキサンスルフィニル基、ドデカンスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルカンスルホニル基またはアリールスルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、ブタンスルホニル基、シクロヘキサンスルホニル基、2−エチルヘキサンスルホニル基、ドデカンスルホニル基、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、N−メチルアニリノ基、ジフェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基等)、アミノカルボニルオキシ基(例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基等)、アルコキシカルボニルオキシ基(例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、tert−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基等)、アリールオキシカルボニルオキシ基(例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基等)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ基等)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基等)、スルファモイルアミノ基(例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基等)、メルカプト基、アリールアゾ基(例えば、フェニルアゾ基、ナフチルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基等)、複素環アゾ基(例えば、ピリジルアゾ基、チアゾリルアゾ基、オキサゾリルアゾ基、イミダゾリルアゾ基、フリルアゾ基、ピロリルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基等)、イミノ基(例えば、N−スクシンイミド−1−イル基、N−フタルイミド−1−イル基等)、ホスフィノ基(例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基等)、ホスフィニル基(例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基等)、ホスフィニルオキシ基(例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基等)、ホスフィニルアミノ基(例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基等)、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、スルホ基、カルボキシル基等が挙げられる。
1及びA2は更に置換基を有しても良く、互いに連結して、環構造を形成しても良い。
1及びA2で表される基としては、5員または6員環の芳香族炭素環基、複素環基、またはアミノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基等の電子供与性基が好ましい。
1及びA2で表される基が、5員または6員環の芳香族炭素環基または複素環基である時、単環でも縮合環でもよく、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フラン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、1,2,3−オキサジアゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、s−トリアジン環、ベンゾフラン環、インドール環、ベンゾチオフェン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、プリン環、キノリン環及びイソキノリン環等が挙げられるが、ベンゼン環及びチオフェン環、フラン環、ピロール環等π過剰系の複素環が好ましい。
前記一般式(1)に於てXはN−R4若しくは、酸素原子、硫黄原子を表し、R4は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。Xとしては、NH、酸素原子、硫黄原子が好ましい。
前記一般式(1)に於いて、R1、R2は各々任意の置換基を表し、n及びmは各々0,1,2,3を表す。R1,R2として具体的には、前記A1,A2として例示した基が挙げられる。
1,R2としては電子供与性基が好ましく、n及びmは0若しくは1が好ましい。
前記一般式(1)に於いて、R3は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基を表す。
3はL1の置換したベンゼン環と連結して、環構造を形成しても良い。環構造を形成する場合、5員環若しくは6員環を形成するのが好ましく、特にインドリン環を形成するのが好ましい。
前記一般式(1)に於いて、L1〜L3で表されるメチン基の置換基としては直鎖、分岐及び環状のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基等)、置換されていてもよいアリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、p−シアノフェニル基等)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、o−メトキシフェノキシ基等)、複素環基(例えば、テトラヒドロフリル基、フリル基、チエニル基等)が挙げられる。
pが1以上の場合、L3を含め隣接する3個のメチン基で構成された5員または6員の環構造を形成する事も出来る。またpが2以上の場合、繰り返し単位となるL1,L2は異なっていて良い。
更にpが2以上の場合、隣接する4個のメチン基(−L1=L2−L1=L2−)の両端が、硫黄原子、酸素原子、窒素原子で結合され、チオフェン環、フラン環若しくはピロール環を形成していても良い。
このような環構造を形成する場合、チオフェン環が好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物に可視域または近赤外域に吸収能を付与可能な原子団であるCpとしては、下記一般式(Cp−1)〜下記一般式(Cp−32)で表される原子団(部分構造)が好ましく用いられる。
ここで、(Cp−1)〜(Cp−32)で表される原子団は、*印の位置で、前記一般式(1)の共役部位と結合している。
また、本発明に係るCpは、これらによって限定されない。
Figure 2008277206
Figure 2008277206
以下に、上記一般式(Cp−1)〜(Cp−32)で表される化合物について詳しく説明する。
《一般式((Cp−1))》
一般式(Cp−1)において、R11は水素原子、置換されていてもよい脂肪族基、置換されていてもよい芳香族基、置換されていてもよい複素環基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を表す。
11で表される脂肪族基としては、アルキル基、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基があり、各々、任意の基で置換されていてもよい。
アルキル基としては、直鎖、分岐を含み、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
11で表されるシクロアルキル基としては、炭素数3〜30のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等が挙げられる。
11で表されるビシクロアルキル基としては、炭素数5〜30のビシクロアルキル基が好ましい。ここで、本発明に係るビシクロアルキル基とは、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基であり、具体的には、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基等が挙げられる。
11で表されるアルケニル基としては、炭素数2〜30のアルケニル基が好ましく、例えば、エテニル基、アリル基、2−ペンテニル基、2−エチルブテニル基等が挙げられ、アルキニル基としては、炭素数2〜30のアルキニル基が好ましく、例えば、エチニル基、2−ブチニル基等が挙げられる。
11で表されるアリール基としては、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基が好ましく、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基等が挙げられる。
11で表される複素環基は、置換もしくは無置換の基であり、例えば、ピリジル基、チアゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、2−フリル基、2−チエニル基、ピロリル基、ピラジニル基、2−ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スルホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等が挙げられる。
11で表されるアルコキシ基としては、環状、直鎖、分岐を含み、炭素数1〜30のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、エイコシルオキシ基、シクロプロポキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
11で表されるアルキル基、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基に置換される基の例としては前記Ar1及びAr2に於て定義した基が挙げられる。
12は、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル等の基)、アシル基(例えば、アセチル、ドデカノイル、ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイル等の基)、アルカンもしくはアリールスルホニル基(例えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル、p−カルボキシベンゼンスルホニル等の基)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、ピペラジノカルボニル、モルフォリノカルボニル、4−カルボキシアニリノカルボニル等の基)、スルファモイル基(例えば、N,N−ジメチルアミノスルホニル、モルフォリノスルホニル、N−ベンジルアミノスルホニル、4−カルボキシアニリノスルホニル等の基)またはシアノ基を表す。
ここで、R11で表される基として好ましくは、tert−ブチル基、1−エチルシクロプロピル基、1−メチルシクロプロピル基、1−ベンジルシクロプロピル基、フェニル基、インドリニン−1−イル基、インドール−3−イル基、ブトキシ基、ヒドロキシ基等の基であり、R12で表される基として、好ましくは、カルボキシル基置換ベンゼンスルホニル基、カルボキシル基置換フェニルカルバモイル基、シアノ基である。
《一般式(Cp−2)》
一般式(Cp−2)に於て、R12は一般式(Cp−1)におけるR12と同義であり、R13はアリール基または複素環基を表し、好ましくは複素環基であり、具体例としては、チアゾール−2−イル基、ベンゾチアゾール−2−イル基、オキサゾール−2−イル基、ベンゾオキサゾール−2−イル基、1,2,4−オキサジアゾール−3(または5)−イル基、1,3,4−オキサジアゾール−2(または5)−イル基、1,2,4−チアジアゾール−3(または5)−イル基、1,3,4−チアジアゾール−2(または5)−イル基、ピラゾール−3−イル基、インダゾール−3−イル基、1,2,4−トリアゾール−3−イル基、2−ピリジル基、2−ピリミジニル基、2−ピラジニル基、キナゾリン−2−イル基、キナゾリン−4−イル基等が挙げられる。
《一般式(Cp−3)〜一般式(Cp−5)》
一般式(Cp−3)〜一般式(Cp−5)に於て、R21は、アルキル基、アリール基、複素環基、アシルアミノ基、アミノ基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ウレイド基またはアルコキシカルボニルアミノ基を表し、R22は前記一般式(1)及び(2)におけるRで表される基と同義である。
ここで、前記R21で表される基としては、好ましくは、アルキル基、アシルアミノ基、アミノ基、カルボキシル基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基等が挙げられ、更に好ましくは、置換されたアルキル基、アシルアミノ基、アニリノ基であり、具体例としてはカルボキシル基、トリフルオロメチル基、m−カルボキシベンゾイルアミノ基、p−カルボキシアニリノ基等が挙げられる。
22で表される基として、好ましくは、カルボキシル基置換アルキル基、カルボキシル基置換アリール基が挙げられ、具体例としてはカルボキシメチル基、p−カルボキシフェニル基、m−カルボキシフェニル基、3,5−ジカルボキシフェニル基等が挙げられる。
一般式(Cp−5)に於て、lは0〜2の整数を表し、A1及びA2は各々、酸素原子、硫黄原子或いは>N−Ra基(Raは前記一般式(1)及び(2)におけるRで表される基に同義)を表し、V11は酸素原子、硫黄原子、>N−Ra基もしくは=C(Q1,Q2)基(Q1及びQ2は各々、シアノ基、カルボキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルカンもしくはアリールスルホニル基、スルファモイル基を表し、具体例としてはアセチル基、ベンゾイル基、p−カルボキシベンゾイル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ピペラジノカルボニル基、4−カルボキシアニリノカルボニル基、メタンスルホニル基、ブタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基、カルボキシベンゼンスルホニル基、N,N−ジメチルアミノスルホニル基、モルフォリノスルホニル基等が挙げられる。
但し、Q1とQ2のいづれか一方はアシル基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルカンもしくはアリールスルホニル基、スルファモイル基から選ばれる基である。)を表す。
《一般式(Cp−6)〜一般式(Cp−12)》
一般式(Cp−6)〜一般式(Cp−12)に於てB1は窒素原子或いは=C−R23基、B2は窒素原子或いは=C−R24基、B3は窒素原子或いは=C−R25基、B4は窒素原子或いは=C−R26、B5は窒素原子或いは=C−R27基を表す。
23〜R28は各々、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、複素環基、アシルアミノ基、アルカンもしくはアリールスルホニルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、シアノ基、カルボキシル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基またはアルコキシカルボニル基を表す。
ここで、R23〜R28で各々、表される基として好ましくは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、カルボキシル基、アルコキシ基、カルバモイル基、シアノ基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。
《一般式(Cp−13)、一般式(Cp−14)》
一般式(Cp−13、Cp−14)に於て、R31〜R35は各々、水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アシルアミノ基、アルカンもしくはアリールスルホニルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基またはカルバモイル基、カルボキシル基を表し、好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アシルアミノ基、アルカンもしくはアリールスルホニルアミノ基、カルボキシル基が挙げられる。
《一般式(Cp−15)》
一般式(Cp−15)に於て、Dは酸素原子或いは>N−Ra基(Raは前記一般式(Cp−5)における定義に同じ)を表す。
37、R38は各々、水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アシルアミノ基、アルカンもしくはアリールスルホニルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基またはシアノ基を表す。
ここで、R37、R38として好ましくは、水素原子、アリール基、複素環基、アシルアミノ基、アルカンもしくはアリールスルホニルアミノ基、カルバモイル基、シアノ基等が挙げられる。
《一般式(Cp−16)〜一般式(Cp−19)》
一般式(Cp−16)〜一般式(Cp−19)に於て、R41、R48、R49、R50は各々、水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルファモイル基、アルカンもしくはアリールスルホニル基、ニトロ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表す。
46は上記一般式(1)におけるAr1及びAr2に於て定義した置換基が挙げられ、R47は、前記一般式(Cp−1)におけるR11で表される基と同義である。
ここでR41で表される基としては水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、カルボキシル基等が好ましく、具体的にはメチル、tert−ブチル、ドデシル、ベンジル、フェニル、m−カルボキシフェニル、p−クロロフェニル、チエニル、2−チアゾリル、フリル、ピロリル、カルバモイル、モルフォリノカルボニル、メトキシカルボニル、ブトキシカルボニル等の各基が挙げられ、R48、R49、R50で各々、表される基としては水素原子、置換または無置換のアルキル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アミノ基等が好ましく、具体的には塩素原子、臭素原子、沃素原子、メチル、エチル、ヘキシル、アリル、p−カルボキシベンジル、フェニル、3−ブロモフェニル、4−カルボキシフェニル、ピロリジル、ピペリジル、チエニル、ピリジル、イミダゾリル、メトキシカルボニル、N,N−テトラメチレンアミノ、N−ブチルアミノ、N,N−ジフェニルアミノ等の各基が挙げられ、R46で表される基としてはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アシルアミノ基、アルカンもしくはアリールスルホニル基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、ウレイド基またはアルコキシカルボニルアミノ基等が好ましく、具体的には塩素原子、臭素原子、沃素原子、メチル、エチル、ヘキシル、アリル、フェニル、3−ブロモフェニル、4−カルボキシフェニル、チエニル、ピリジル、イミダゾリル、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、メタンスルホニル、ブタンスルホニル、トルエンスルホニル、4−クロロベンゼンスルホニル、メチルチオ、フェニルチオ、メトキシフェニルチオ、メトキシ、ブトキシ、2−メトキシエトキシ、3,6−ジオキサヘプチルオキシ、フェノキシ、p−カルボキシフェノキシ、p−メトキシフェノキシ、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、スルファモイル、モルフォリノスルホニル、3−メチルウレイド、メトキシカルボニルアミノ等の各基が挙げられ、R47で表される基としては水素原子、置換または無置換の脂肪族基、アリール基が好ましく、具体的にメチル、エチル、アリル、3−カルボキシアリル、ベンジル、フェニル、3,4−ジクロロフェニル、4−カルボキシフェニル等の各基が挙げられる。
aは0〜3のいずれかの整数を表し、aが複数のとき複数個のR46は同一であっても、異なっていてもよい。
《一般式(Cp−20)〜一般式(Cp−23)》
一般式(Cp−20)〜一般式(Cp−23)に於て、Eは窒素原子またはメチン炭素を表し、R51は、アルキル基、アリール基、複素環基、アミノ基、アルコキシ基、またはアリールオキシ基を表し、R46は前記一般式(Cp−16)における定義に同じであり、R52は水素原子、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルファモイル基、アシルアミノ基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基またはアルカンもしくはアリールスルホニルアミノ基を表し、R53およびR54は各々、水素原子またはアルキル基を表し、bは0ないし3のいずれかの整数を表し、cは0ないし2のいずれかの整数を表し、dは0ないし4のいずれかの整数を表す。
b、cまたはdが複数のとき複数個のR46は同一であっても、異なっていてもよい。
ここで、R51で表される基として好ましくは、アルキル基、アリール基であり、R52で表される基として、好ましくは、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アシルアミノ基であり、R53、R54で各々、表される基としては、好ましくは水素原子、メチル基、エチル基等が挙げられる。
また、好ましくは、bは1または2を表し、cは1または2を表し、dは0ないし2の整数を表す。
《一般式(Cp−24)、一般式(Cp−25)》
一般式(Cp−24)、一般式(Cp−25)に於て、R46は前記一般式(Cp−16)における定義に同じであり、R55、R56は、各々、前記一般式(Cp−22)におけるR52で表される基と同義である。
1、W2は各々、シアノ基、スルファモイル基、アルカンもしくはアリールスルフィニル基、アルカンもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基またはカルバモイル基を表す。
ここで、R54、R56で各々、表される基として好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基であり、W1、W2で各々、表される基として好ましくはシアノ基である。eは1または2の整数を表す。
《一般式(Cp−26)〜一般式(Cp−28)》
一般式(Cp−26)〜一般式(Cp−28)に於て、R57、R58は一般式(Cp−24)におけるR54及びR56と同義であり、R59は一般式(Cp−16)におけるR41で表される基と同義である。
Gは酸素原子或いは>N−Ra基(Raは前記一般式(Cp−5)における定義に同じ)であり、Z3は縮合環を形成するに必要な非金属原子群を表し、具体的にはシクロヘキセン環、シクロペンテン環、ベンゼン環、ナフタレン環インダン環等の5員、6員の非芳香性もしくは芳香族性の炭素環、ピロリン環、ピラン環、チオピラン環、フラン環、ピロール環、チオフェン環、ピリジン環、インドール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環等の5員、6員の非芳香性或いは芳香族性の複素環が挙げられる。
《一般式(Cp−29)、一般式(Cp−30)》
一般式(Cp−29)、一般式(Cp−30)に於て、Z3は前記一般式(Cp−27)における定義に同じであり、R47は前記一般式(Cp−23)における定義に同じであり、R60は水素原子、アルキル基、カルバモイル基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基を表し、具体的には、メチル、エチル、アセチルアミノ、メトキシカルボニル等の基が挙げられ、Yは酸素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子、>N−Ra基(Raは前記一般式(Cp−5)における定義に同じ)、>CRb(Rc)(Rb及びRcは各々、独立に一般式(Cp−28)におけるR53及びR54で表される基に同義)を表す。
ここでR60で表される基として好ましくは水素原子である。
《一般式(Cp−31)》
一般式(Cp−31)に於て、R62〜R64は、各々、水素原子、シアノ基、スルファモイル基、アルカンもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基またはカルバモイル基を表し、R61は、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表す。
ここで、R62〜R64で各々、表される基として好ましくは、水素原子、シアノ基等であり、R61で表される基として好ましくは、N−アリールアミノ基である。
《一般式(Cp−32)》
一般式(Cp−32)に於て、R65、R66は各々、水素原子、パーフルオロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、スルファモイル基、アルカンスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルチオ基またはアリールチオ基を表し、R67は、アルキル基、アリール基、複素環基、スルファモイル基、アルカンスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基またはカルバモイル基を表す。
ここで、R65、R66で各々、表される基としては、好ましくは、水素原子、パーフルオロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、アルカンもしくはアリールスルホニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基等が挙げられ、R67で表される基として好ましくは、アリール基、複素環基等である。
本発明に係るCpとしては、上記一般式(Cp−1)〜(Cp−32)で表される基の中でも、一般式(Cp−3)、(Cp−4)、(Cp−5)、(Cp−6)、(Cp−7)、(Cp−8)、(Cp−9)、(Cp−10)、(Cp−11)、(Cp−12)、(Cp−16)、(Cp−17)、(Cp−18)、(Cp−19)、(Cp−20)、(Cp−21)、(Cp−22)、(Cp−23)、(Cp−24)、(Cp−25)、(Cp−26)、(Cp−28)、(Cp−30)が好ましい。
以下に、本発明における本発明に係るCpで表される構造の具体例を示すが、請求項に記載された発明の趣旨を超えないかぎりこれら例示化合物に限定されるものではない(*印でL3と結合する)。
Figure 2008277206
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以下に、本発明における一般式(1)、に於てCp=基と結合して色素を形成する構造部分(CD構造)の具体例を示すが、請求項に記載された発明の趣旨を超えないかぎりこれら例示構造に限定されるものではない(*印でCpと結合する)。
Figure 2008277206
Figure 2008277206
Figure 2008277206
Figure 2008277206
以下に、本発明における一般式(1)で表される化合物の具体例を示すが、請求項に記載された発明の趣旨を超えないかぎり、本発明の内容がこれら例示化合物に限定されるものではない。
Figure 2008277206
以下に具体的な本発明の合成法を示すが、その他の化合物も同様にして合成することが可能であり、これにより限定されることはない。
合成例1例示化合物SD−9の合成
合成ルート
Figure 2008277206
1)中間体(C)の合成
中間体(A)7.85g及び中間体(B)3.50g、酢酸パラジウム0.05g及びt−ブトキシカリウム2.8gをキシレン200mlに加えた。反応系を窒素置換した後、トリス(t−ブチル)ホスフィン0.22gを加え、窒素気流下で120℃に加熱しながら、12時間攪拌した。反応液を室温に冷却した後、不溶物を濾別し、濾液を減圧濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体(C)4.8gを得た。
2)中間体(D)の合成
中間体(C)4.7gをDMF50mlに加え、オキシ塩化リン4.6gを添加し、室温で12時間攪拌した。
反応液を氷水600g中にあけて、炭酸ナトリウムで中和した。デカンテーションにより水層を除去した後、残渣をクロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。
無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧溜去した。残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体(D)3.1gを得た。
3)例示化合物SD−9の合成
中間体(D)3.0g及び中間体(E)1.9gを酢酸100mlに加え、酢酸アンモニウム1.0gを添加し、120℃で4時間加熱攪拌した。反応液を室温に冷却した後、水1000mlに注いだ。
デカンテーションにより水層を除去した後、残渣をクロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧溜去した。
残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、例示化合物SD−9、2.4gを得た。NMR及びマススペクトルにて、目的物である事を確認した。
半導体に本発明の化合物を吸着させる際には、本発明の化合物を単独で用いてもよいし、本発明の化合物複数を併用することも、本発明の化合物と他の化合物(例えば米国特許第4,684,537号、同4,927,721号、同5,084,365号、同5,350,644号、同5,463,057号、同5,525,440号の各明細書、特開平7−249790号、特開2000−150007号に記載の化合物)とを混合して用いることもできる。
特に半導体の用途が太陽電池である場合、光電変換の波長域をできるだけ広くして太陽光を有効に利用できるように、吸収波長の異なる二種類以上の色素を混合して用いることも好ましい。
吸着処理を行うには、本発明の化合物を適切な溶媒(エタノールなど)に溶解し、その溶液中によく乾燥した半導体を長時間浸漬する方法が一般的である。
一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物を複数種類併用したり、一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物とその他の増感色素化合物を併用した光電変換材料用半導体を作製する際には、各々の化合物の混合溶液を調製して用いてもよいし、各々の化合物について溶液を用意して、各溶液に順に浸漬して作製することもできる。
各化合物について別々の溶液を用意し、各溶液に順に浸漬して作製する場合は、半導体に増感色素を吸着させる順序がどのようであっても本発明の効果を得ることができる。
また、各化合物を単独で吸着させた半導体微粒子を混合することで作製してもよい。
吸着処理は半導体が粒子状の時に行ってもよいし、支持体上に膜を形成した後に行ってもよい。
吸着処理に用いる化合物を溶解した溶液は、それを常温で用いてもよいし、該化合物が分解せず溶液が沸騰しない温度範囲で加熱して用いてもよい。
また、後述する光電変換素子の製造のように、半導体微粒子の塗布後(感光層の形成後)に、本発明の化合物の吸着を実施してもよい。
また、半導体微粒子と本発明の化合物とを同時に塗布することにより、本発明の化合物の吸着を実施してもよい。未吸着の本発明の化合物は洗浄によって除去する。
本発明の光電変換材料用半導体に用いられる半導体としては、シリコン、ゲルマニウムのような単体、III−V系化合物、金属のカルコゲニド(例えば酸化物、硫化物、セレン化物等)、金属窒化物、ペロブスカイト構造を有する化合物(例えばチタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム等)等を使用することができる。
好ましい金属のカルコゲニドとして、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、またはタンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモンまたはビスマスの硫化物、カドミウムまたは鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物等が挙げられる。他の化合物半導体としては亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物、ガリウム・ヒ素または銅・インジウムのセレン化物、銅−インジウムの硫化物、チタンの窒化物等が挙げられる。
本発明の光電変換材料用半導体に用いる半導体の好ましい具体例は、Si、TiO2、SnO2、Fe23、WO3、ZnO、Nb25、CdS、ZnS、PbS、Bi23、CdSe、CdTe、GaP、InP、GaAs、CuInS2、CuInSe2、Ti34等であり、より好ましくはTiO2、ZnO、SnO2、Fe23、WO3、Nb25、CdS、PbS、CdSe、InP、GaAs、CuInS2、CuInSe2、Ti34であり、特に好ましくはTiO2またはNb25であり、最も好ましくはTiO2である。
また本発明の光電変換材料用半導体に用いる半導体は、上述した複数の半導体を併用して用いてもよい。
例えば、上述した金属酸化物もしくは金属硫化物の数種類を併用することもできるし、また、酸化チタン半導体に20質量%の窒化チタン(Ti34)を混合して使用してもよい。
また、J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,15(1999)記載の酸化亜鉛/酸化錫複合としてもよい。
このとき、半導体として金属酸化物もしくは金属硫化物以外に成分を加える場合、追加成分の金属酸化物もしくは金属硫化物半導体に対する質量比は30%以下であることが好ましい。
導電性支持体上に半導体を焼成により形成する場合は、上述の化合物の吸着は焼成後に実施することが好ましい。焼成後、半導体に水が吸着する前に、素早く化合物の吸着処理を実施することが特に好ましい。
本発明の光電変換材料用半導体は、アミンを用いて表面処理してもよい。アミンとしては、ピリジン、4−t−ブチルピリジン及びポリビニルピリジンが好ましい。
アミンが液体の場合はそのまま、固体の場合は有機溶媒に溶解した溶液を準備し、本発明の光電変換材料用半導体を液体アミンまたはアミン溶液に浸漬することで、表面処理を実施することができる。
本発明における分光増感とは半導体自身の吸収が殆ど見られないようなスペクトル領域に、半導体の光応答を生じさせることを言い、
一般には色素固有の固有吸収の波長域で認められる。また、銀塩写真或いは電子写真等のプロセスが可視光を用いて作動するための本質的な要因でもある。
本発明の光電変換素子に用いられる導電性支持体1には、金属板のような導電性材料や、ガラス板やプラスチックフイルムのような非導電性材料に導電性物質を設けた構造のものを用いることができる。導電性支持体1に用いられる材料の例としては金属(例えば白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム)あるいは導電性金属酸化物(例えばインジウム−スズ複合酸化物、酸化スズにフッ素をドープしたもの)や炭素を挙げることができる。
また導電性支持体1は実質的に透明であることが好ましく、実質的に透明であるとは光の透過率が10%以上であることを意味し、50%以上であることがさらに好ましく、80%以上であることが最も好ましい。
透明な導電性支持体1を得るためには、ガラス板またはプラスチックフイルムの表面に、導電性金属酸化物からなる導電性層を設けることが好ましい。透明な導電性支持体1を用いる場合、光は支持体側から入射させることが好ましい。
導電性支持体1は表面抵抗は、50Ω/□以下であることが好ましく、10Ω/□以下であることがさらに好ましい。
本発明の光電変換材料用半導体が粒子状の場合には、光電変換材料用半導体を導電性支持体1に塗布あるいは吹き付けて、半導体電極を作製するのがよい。
また、本発明の光電変換材料用半導体が膜状であって、導電性支持体1上に保持されていない場合には、光電変換材料用半導体を導電性支持体1上に貼合して半導体電極を作製するのがよい。
感光層2は上記本発明の光電変換材料用半導体を含有する層である。
電荷移動層3はレドックス電解質を含有し、導電性支持体、感光層、対向電極に接触している。
本発明に用いることができるレドックス電解質としては、I-/I3 -系や、Br-/Br3 -系、キノン/ハイドロキノン系等が挙げられる。このようなレドックス電解質は、従来公知の方法によって得ることができ、例えば、I-/I3 -系の電解質は、ヨウ素のアンモニウム塩とヨウ素を混合することによって得ることができる。
電荷移動層はこれらレドックス電解質の分散物で構成され、それら分散物は溶液である場合に液体電解質、常温において固体である高分子中に分散させた場合に固体高分子電解質、ゲル状物質に分散された場合にゲル電解質と呼ばれる。
電荷移動層として液体電解質が用いられる場合、その溶媒としては、電気化学的に不活性なものが用いられ、例えば、アセトニトリル、炭酸プロピレン、エチレンカーボネート等が用いられる。
固体高分子電解質の例としては特開2001−160427号公報記載の電解質が、ゲル電解質の例としては(表面科学)21巻、第5号288〜293頁に記載の電解質が挙げられる。
対向電極4は、導電性を有するものであればよく、任意の導電性材料が用いられるが、I3 -イオン等の酸化や他のレドックスイオンの還元反応を充分な速さで行わせる触媒能を持ったものの使用が好ましい。
このようなものとしては、白金電極、導電材料表面に白金めっきや白金蒸着を施したもの、ロジウム金属、ルテニウム金属、酸化ルテニウム、カーボン等が挙げられる。
図1に示す光電変換素子を製造する方法を説明する。
まず、半導体の微粉末を含む塗布液を作る。
この半導体微粉末は、その1次粒子径が微細な程好ましく、その1次粒子径は、通常、1〜5000nm、好ましくは2〜50nmである。
半導体微粉末を含む塗布液は、半導体微粉末を溶媒中に分散させることによって調製することができる。
溶媒中に分散された半導体微粉末は、その1次粒子状で分散する。
溶媒としては、半導体微粉末を分散し得るものであればどのようなものでもよく、特に制約されない。
このような溶媒には、水、有機溶媒、水と有機溶媒との混合液が包含される。
有機溶媒としては、メタノールやエタノール等のアルコール、メチルエチルケトン、アセトン、アセチルアセトン等のケトン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素等が用いられる。
塗布液中には、必要に応じ、界面活性剤や粘度調節剤(ポリエチレングリコール等の多価アルコール等)を加えることができる。溶媒中の半導体微粉末濃度は、0.1〜70質量%、好ましくは0.1〜30質量%である。
また、前記のようにして得られた基板上の半導体膜表面が色素によって修飾されていない場合には、この時点で半導体表面に色素を吸着する。
吸着処理は先に説明したとおり、色素を適切な溶媒に溶解し、その溶液に前記半導体を焼成した基板を浸漬することによって行われる。
その際には半導体膜を焼成した基板を、あらかじめ減圧処理したり加熱処理したりして膜中の気泡を除去し、色素が半導体膜内部深くに進入できるようにしておくことが好ましく、半導体膜が多孔質構造膜である場合には特に好ましい。
色素を溶解するのに用いる溶媒は、色素を溶解することができ、なおかつ半導体を溶解したり半導体と反応したりすることのないものであれば格別の制限はないが、溶媒に溶解している水分及び気体が半導体膜に進入して色素の吸着を妨げることを防ぐために、あらかじめ脱気及び蒸留精製しておくことが好ましい。
本発明の化合物に対して好ましく用いられる溶媒はメタノール、エタノール、n−プロパノールなどのアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、塩化メチレン、1,1,2−トリクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素溶媒であり、特に好ましくはメタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、塩化メチレンである。
前記半導体を焼成した基板を色素の溶液に浸漬する時間は、25℃では3〜48時間が好ましい。時間が短すぎると半導体膜に色素が深く進入できず、吸着が充分に進行しないため半導体の増感が不充分となり、発明の効果が小さくなるので好ましくない。
これは特に、半導体膜が多孔質構造膜である場合において顕著である。一方で、時間が長すぎると色素がわずかながら徐々に分解するため、分解生成物が半導体表面に吸着されて色素の吸着を妨げる場合があり、これも発明の効果を充分に得る上で好ましくない。
とくに好ましい浸漬時間は4〜24時間である。
但し、浸漬時間は温度変化により変化するため上記の限りではない。
浸漬しておくにあたり色素溶液は、色素が分解しないかぎりにおいて、沸騰しない温度にまで加熱して用いてもよい。
好ましい温度範囲は10〜100℃、好ましくは25〜90℃であるが、前記のとおり溶媒が前記温度範囲で沸騰する場合はこの限りでない。
次に、前記塗布液を導電性支持体1上に塗布、乾燥し、次いで空気中または不活性ガス中で焼成して、導電性支持体1上に半導体膜を形成する。
導電性支持体1としては、少なくともその表面が導電性表面に形成された基板が用いられる。このような基板としては、ガラス等の耐熱性基板上に、In23やSnO2の導電性金属酸化物薄膜を形成したものや金属等の導電性材料からなる基板が用いられる。このような導電性基板は従来よく知られたものである。
基板の厚さは特に制約されないが、通常、0.3〜5mmである。この導電性基板は、透明または不透明であることができる。
導電性支持体1上に塗布液を塗布、乾燥して得られる皮膜は、半導体微粒子の集合体からなるもので、その微粒子の粒径は使用した半導体微粉末の1次粒子径に対応するものである。
このようにして導電性支持体1上に形成された半導体微粒子集合体膜は、基板との結合力及びその微粒子相互の結合力が弱く、機械的強度の弱いものであることから、これを焼成して機械的強度が高められ、かつ基板に強く固着した焼成物膜とする。
本発明においては、この焼成物膜はどのような構造を有していても良いが、多孔質構造膜であることが好ましい。
その厚さは少なくとも10nm、好ましくは100〜10000nmである。前記のような多孔質構造の焼成物膜は、半導体微粒子を含む塗布液を基板上に塗布、乾燥して形成された微粒子集合体膜を焼結させることによって得ることができる。
この場合、焼成温度は1000℃より低く、通常、200〜800℃、好ましくは300〜800℃である。焼成温度が1000℃より高くなると、焼成物膜の焼結が進みすぎてその実表面積が小さくなり、所望する焼成物膜を得ることができない。
前記見かけ表面積に対する実表面積の比は、半導体微粒子の粒径及び比表面積や、焼成温度等によりコントロールすることができる。また、加熱処理後、半導体粒子の表面積を増大させたり、半導体粒子近傍の純度を高め、色素から半導体粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば四塩化チタン水溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
本発明の太陽電池は、本発明の光電変換素子を用いて太陽光により光電変換を行うことができる構造としたものである。
即ち、光電変換材料用半導体に太陽光が照射されうる構造となっている。
本発明の太陽電池を構成する際には、前記半導体電極、電荷移動層及び対向電極をケース内に収納して封止するか、あるいはそれら全体を樹脂封止することが好ましい。
本発明の太陽電池に太陽光または太陽光と同等の電磁波を照射すると、光電変換材料用半導体に吸着された本発明の化合物は、照射された光もしくは電磁波を吸収して励起する。
励起によって発生した電子は半導体に移動し、次いで導電性支持体1を経由して対向電極4に移動して、電荷移動層3のレドックス電解質を還元する。
一方、半導体に電子を移動させた本発明の化合物は酸化体となっているが、対向電極4から電荷移動層3のレドックス電解質を経由して電子が供給されることにより、還元されて元の状態に戻り、同時に電荷移動層3のレドックス電解質は酸化されて、再び対向電極4から供給される電子により還元されうる状態に戻る。
このようにして電子が流れ、本発明の光電変換素子を用いた太陽電池を構成することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例1
〔光電変換素子の作製〕
チタンテトライソプロポキシド(和光純薬社製一級)62.5mlを純水375ml中に室温下、激しく攪拌しながら10分間で滴下し(白色の析出物が生成する)、次いで70%硝酸水を2.65ml加えて反応系を80℃に加熱した後、8時間攪拌を続けた。さらに該反応混合物の体積が約200mlになるまで減圧下に濃縮した後、純水を125ml、酸化チタン粉末(昭和タイタニウム社製スーパータイタニアF−6)140gを加えて酸化チタン懸濁液(約800ml)を調製した。
フッ素をドープした酸化スズをコートした透明導電性ガラス板上に該酸化チタン懸濁液を塗布し、自然乾燥の後300℃で60分間焼成して、支持体上に膜状の酸化チタンを形成した。
メタノール溶液200ml中に本発明の化合物No.SD−1を5g溶解した溶液を調製し、上記膜状酸化チタンを支持体ごと浸し、さらにトリフルオロ酢酸1gを加えて2時間超音波照射した。
反応後膜状酸化チタンをクロロホルムで洗浄し真空乾燥して、本発明の光電変換素子1を得た。
本発明の化合物を、下記表1の通りに変更した以外は同様の方法で調製し、各々の色素を吸着した本発明の光電変換素子2〜8を得た。
さらに下記比較化合物CR1及びCR2を用いた以外は同様に調製して、比較用光電変換素子R1とR2を得た。
Figure 2008277206
〔太陽電池の作製〕
得られた光電変換素子のいずれかを一方の電極として備え、対電極として、フッ素をドープした酸化スズをコートし、さらにその上に白金を担持した透明導電性ガラス板を用いた。
2つの電極の間に電解質を入れ、この側面を樹脂で封入した後、リード線を取り付けて、本発明の太陽電池SC−1〜SC−8及び比較用太陽電池SC−R1、SC−R2を各々、3つずつ作製した。
尚、前記の電解質は、体積比が1:4であるアセトニトリル/炭酸エチレンの混合溶媒に、テトラプロピルアンモニウムアイオダイドと沃素とを、各々の濃度が0.46モル/リットル、0.06モル/リットルとなるように溶解したものを用いた。
〔評価〕
作製した太陽電池にソーラーシミュレーター(JASCO(日本分光)製、低エネルギー分光感度測定装置CEP−25)により100mW/m2の強度の光を照射した時の短絡電流値Jsc及び開放電圧値Vocを測定し、各々の太陽電池に用いた化合物・光電変換素子とともに下記表1に示した。示した値は、同じ構成及び作製方法の太陽電池3つについての測定結果の平均値とした。
Figure 2008277206
表1から、本発明の化合物を用いた太陽電池は比較例よりも高い光電変換効率を有することを示しており、本発明の化合物が有用であることがわかる。さらに上記の太陽電池SC−1〜SC−8は、ソーラーシミュレーターによる100mW/m2の光照射100時間を経ても光電変換効率の低下が認められず、本発明の化合物を用いた太陽電池が安定性に優れていることが分かり、本発明の化合物が有用であることが示された。
本発明の光電変換素子の構造の一例を示す部分断面図である。
符号の説明
1 導電性支持体
2 感光層
3 電荷移動層
4 対向電極

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物が半導体表面に吸着されていることを特徴とする光電変換材料用半導体。
    Figure 2008277206
    (式中、A1及びA2は各々水素原子、若しくは置換基を表す。A1及びA2は、互いに連結して、環構造を形成しても良い。XはN−R4若しくは、酸素原子、硫黄原子を表し、R4は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R1、R2は各々置換基を表し、n及びmは各々0,1,2,3,4を表す。R3は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基を表す。R3はL1の置換したベンゼン環と連結して、環構造を形成しても良い。L1及びL2,L3は置換基を有しても良いメチン基を表し、pは0,1,2,3,4を表す。Cpは少なくとも1つの半導体表面への吸着基を置換基として有し、かつ可視域または近赤外域に吸収能を付与可能な原子団を表す。)
  2. 前記一般式(1)で表される化合物により分光増感されていることを特徴とする請求項1に記載の光電変換材料用半導体。
  3. 前記一般式(1)で表される化合物のCP上の吸着基がカルボキシ基であることを特徴とする請求項1または2に記載の光電変換材料用半導体。
  4. 前記半導体が、金属酸化物もしくは金属硫化物半導体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光電変換材料用半導体。
  5. 導電性支持体上に、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光電変換材料用半導体が設けられていることを特徴とする光電変換素子。
  6. 請求項5に記載の光電変換素子と、電荷移動層及び対向電極を有することを特徴とする太陽電池。
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