JP2008275489A - 光ファイバセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】FBGセンサに生じる温度変化ΔTの影響を取り除いて歪のみを取り出す。
【解決手段】それぞれ計測対象50と同一の熱膨張率βを有し且つ計測対象50の表面上に一辺11、21を対向させて所定間隔L1で定着させる第1定着体10及び第2定着体20と、両定着体10、20間に架渡して両定着体10、20に固定する一対のFBGセンサ2、3とでセンサ1を構成する。第1定着体10の対向辺11に第2定着体20側へ延出し且つその対向辺11と隙間Sを介して向い合う対向縁13が一部分に形成された第1延出部12を設け、第2定着体20の対向辺21に第1定着体10側へ延出し且つ隙間S内で第1延出部12の対向縁13と所定間隙L2で向い合う対向縁23が一部分に形成された第2延出部22を設け、一方のFBGセンサ2を両定着体10、20の延出部12、22の対向縁13、23を結ぶ線上に固定し、他方のFBGセンサ3を両定着体10、20の延出部12、22以外の対向辺11、21を結ぶ線上に固定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は光ファイバセンサに関し、とくにFBG方式の光ファイバセンサ(光ファイバ・グレーティング)を用いて計測対象に生じた歪を計測する光ファイバセンサに関する。
ビル・橋梁等の構造物や設備機器等の機械類の耐久性、疲労、損傷、寿命等(以下、これらをまとめて健全性という)を把握・診断するため、その構造物や機械類に生じる歪の分布や歪の履歴(歪の進行速度、最大歪量や動特性の変化等)の計測が要求されることがある。従来の構造物における一般的な健全性モニタリングでは、構造物の所要部位(例えば鉄骨の溶接部や接合部、補強用垂直ブレス材等の応力集中部)に電気式の歪ゲージや加速度センサを取り付けて歪を計測している。しかし、歪ゲージ等の電気式センサはセンサ部及び伝送部に電磁ノイズ・雷対策や防錆加工等の様々な処理が必要であることから、最近ではこれらを必要としない光ファイバセンサを用いた健全性モニタリングが注目され研究開発が進められている。光ファイバセンサは、電気信号ではなく光信号を用いるため電磁ノイズに強く、防爆性があり、石英ガラス製であるため防錆加工の必要がなく、更に屋外で長期間使用できる耐久性能を有するなど健全性モニタリングに適した特徴を持っている。
健全性モニタリングに用いる光ファイバセンサの1つに、FBG(Fiber Bragg Grating)方式の光ファイバセンサがある(以下、FBGセンサ又は光ファイバ・グレーティングということがある)。これは、光ファイバのコア部の屈折率を光の進行方向において周期的に変化させ、グレーティングとしたものである。FBGセンサのグレーティング部(検知部)は、屈折率変化の周期dと実効的な屈折率n0とによって定まるブラッグ波長λB((1)式参照)近傍の波長の光のみを反射し、その他の波長の光はそのまま透過する。(1)式から、グレーティング部の屈折率n0又は周期dが変化すると、それに応じてグレーティング部から反射されるブラッグ波長λBも変化することが分かる。例えば、FBGセンサのグレーティング部に外力が負荷されて光ファイバの軸方向に歪εが生じると、それに応じてグレーティング部が伸縮して周期dが変化すると共に実効的な屈折率n0も変化する。この周期d及び屈折率n0の変化によって生じるブラッグ波長λBのシフト量ΔλB1は(2)式で与えられる。(2)式においてρcは光弾性係数であり、歪εによるグレーティング部の実効的な屈折率の変化を表す係数である。(2)式から分かるように、FBGセンサのグレーティング部を計測対象に固定したうえでブラッグ波長λBのシフト量ΔλB1を検出すれば、そのグレーティング部(検知部)が固定された計測対象の歪εを計測することができる。
Figure 2008275489
ただし、FBGセンサのグレーティング部は外力だけでなく温度変化ΔTの影響を受ける。温度変化ΔTに伴い、周期dと実効的な屈折率n0とが変化するためである。(1)式の両辺を温度で偏微分すれば、温度変化ΔTによるブラッグ波長λBのシフト量ΔλB2として(3)式が得られる。ただし、α及びζはそれぞれ温度変化ΔTに伴う周期d及び屈折率n0の変化率である。FBGセンサのグレーティング部に外力と温度変化ΔTとが同時に負荷された場合のブラッグ波長λBのシフト量Δλfbgは、外力の影響によるシフト量ΔλB1と温度変化ΔTの影響によるシフト量ΔλB2とを合わせた(4)式で表される。FBGセンサで実際に検出されるのは(4)式のシフト量Δλfbgであり、歪εに関するシフト量ΔλB1のみを検出することはできない。このため、FBGセンサによって計測対象の歪εを精度良く計測するためには、検出されるシフト量Δλfbgから温度変化ΔTの影響によるシフト量ΔλB2を取り除く温度補償方法が必要となる。
従来から光ファイバセンサにおける温度補償方法として、図9に示すように、線膨張係数が光ファイバと等しい基板63上に歪計測用FBGセンサ61を固着すると共に、その基板63上に変位が拘束されないように弛んだ状態で温度補償用FBGセンサ62を固着し、両FBGセンサ61、62で検出されるブラッグ波長のシフト量の差により歪εを計測する方法が提案されている(特許文献1)。また特許文献2は、図10に示すように、X方向に相対的に移動可能な第1保持具64と第2保持具65の間に第1FBGセンサ61と第2FBGセンサ62とを一方の張力が強まると他方の張力が弱まるように固定し、両FBGセンサ61、62で検出されるブラッグ波長のシフト量の差によってX方向の歪εを計測する方法を開示している。更に特許文献3は、図11に示すように、歪計測用FBGセンサ61の両端を取付け板67、68で計測対象50に固定すると共に、計測対象50と線膨張率が等しい取付け板69で温度補償用FBGセンサ62の一端のみを計測対象50に固定し、両FBGセンサ61、62で検出されるブラッグ波長のシフト量の差によって歪εを計測する方法を開示している。
特許第2983018号公報 特開2002−257520公報 特許第3711905号公報
しかし、特許文献1〜3の開示する温度補償方法は何れも、実際にFBGセンサで検出されるブラッグ波長λBのシフト量Δλから全ての温度変化ΔTの影響を取り除くことができず、計測対象50の歪εを精度良く計測できない問題点がある。一般にFBGセンサは、図9に示すように、基板63等の固定板に接着剤等により取り付けられたうえで計測対象50の表面に固定される。固定板の熱膨張率がFBGセンサと異なる場合は、温度変化ΔTに伴う固定板の伸縮がFBGセンサに伝達され、ブラッグ波長λBのシフト量Δλに固定板の伸縮の影響が反映される。また、計測対象50の熱膨張率が固定板と異なる場合は、温度変化ΔTに伴う計測対象50の伸縮が固定板を介してFBGセンサに伝達され、ブラッグ波長λBのシフト量Δλに計測対象50の伸縮の影響が反映される。従って、実際にFBGセンサで検出されるシフト量Δλの温度補償を行うためには、温度変化ΔTによってFBGセンサ自体に生じる影響((3)式のシフト量ΔλB2)だけでなく、FBGセンサに連結された固定板や計測対象の温度変化ΔTによる伸張の影響を取り除く必要がある。
具体的には、FBGセンサの線膨張率αと固定板の線膨張率βとが異なると、温度変化ΔTに伴う固定板の伸縮によってFBGセンサが歪(=(β−α)ΔT)を受ける。この固定板の伸縮の影響は(11)式のブラッグ波長λBのシフト量ΔλB3となり、検出される温度変化ΔTの影響によるシフト量Δλsensorは(12)式となる。また、固定板の線膨張率βと計測対象50の線膨張率γとが異なる場合は、温度変化ΔTに伴う計測対象50の伸縮によってFBGセンサが固定板を介して歪(=(γ−β)ΔT)を受ける。この計測対象50の伸縮の影響は(13)式のブラッグ波長λBのシフト量ΔλB4となり、検出される温度変化ΔTの影響によるシフト量Δλtargetは(14)式となる。(13)式におけるηは歪拡大率であり、計測対象50の伸縮によって固定板に生じる歪のうちFBGセンサに伝達される実効的な歪の割合を示し、固定板の構造により決定される係数である。他方、外力によって生じる計測対象50の歪εも固定板を介してFBGセンサに伝達されるが、この外力による影響は歪拡大率ηを用いて(15)式のシフト量λB5と表され、外力と温度変化ΔTとが同時に負荷された場合は(16)式のシフト量Δλallが検出される。FBGセンサで計測対象50の歪εを精度良く計測するためには、検出される(16)式のシフト量Δλallから、温度変化ΔTの影響による(14)式のシフト量Δλtarget〔すなわち、温度変化ΔTによるFBGセンサ自体の伸縮の影響((3)式のシフト量ΔλB2)と、固定板の伸縮の影響((11)式のシフト量ΔλB3)と、計測対象の伸縮の影響((13)式のシフト量ΔλB4)との全て〕を取り除く必要がある。
Figure 2008275489
図9に示す温度補償方法では、歪計測用FBGセンサ61において(16)式のシフト量Δλallが検出され、温度補償用FBGセンサ62において(3)式のシフト量ΔλB2が検出される。(16)式から、両FBGセンサ61、62のシフト量の差は、ΔλB3+ΔλB4+ΔλB5となる。FBGセンサの線膨張率αと固定板(基板63)の線膨張率βとが等しいことから(11)式のシフト量ΔλB3は0となるが、求めたいΔλB5以外にも温度変化ΔTに依存する項ΔλB4(=λBη(1−ρc)(γ−β)ΔT)が残ってしまうので、温度変化ΔTの影響を取り除くことができないことになる((21)式)。また図9の方法では、温度補償用FBGセンサ62を弛んだ中空状態で保持しているため、外部から加わる振動に応じて温度補償用FBGセンサ62が変形しやすく、長期にわたる計測期間中に歪εの計測精度が劣化するおそれがある。
また図10に示す温度補償方法では、第1保持具64と第2保持具65とが相対的に移動すると第1FBGセンサ64と第2FBGセンサ65とに逆向きの力が加わるので、両FBGセンサ61、62で検出される外力による歪εの影響((15)式のシフト量ΔλB5)は符号が逆向きとなる。また、温度変化ΔTに伴う計測対象50の伸縮の影響((13)式のシフト量ΔλB4)も符号が逆向きとなる。すなわち、第1FBGセンサ61では(16)式のシフト量Δλall(+)が検出されるのに対し、第2FBGセンサ62ではΔλB4、ΔλB5の符号が逆向きのシフト量Δλall(-)(=ΔλB2+ΔλB3−ΔλB4−ΔλB5)が検出される。従って、両FBGセンサ61、62のシフト量の差は(22)式となり、やはり温度変化ΔTに依存する項2ΔλB4(=2λBη(1−ρc)(γ−β)ΔT)が残ってしまい、求めたい計測対象50の歪εの成分ΔλB5のみを取り出すことはできない。
更に図11に示す温度補償方法では、温度計測用FBGセンサ62の固定板69の線膨張率βを計測対象50の線膨張率γと等しくしているため、FBGセンサ62で検出される固定板の伸縮による歪の影響は(23)式のシフト量ΔλB3'となる。すなわち、歪計測用FBGセンサ61では(16)式のシフト量Δλallが検出されるのに対し、温度補償用FBGセンサ62では温度変化ΔTの影響による(3)式のシフト量ΔλB2と(23)式のシフト量ΔλB3'とを重ね合わせたシフト量Δλsensor(=ΔλB2+ΔλB3')が検出される。従って、両FBGセンサ61、62のシフト量の差は(24)式となり、やはり温度変化ΔTに依存する項(=(η−1)λB(1−ρc)(γ−β)ΔT)が残ってしまうため、計測対象50の歪εを精度良く計測することができない。また、温度計測用モジュール62は片持ち梁構造であるため、長期にわたる計測期間中に温度補償用FBGセンサ62が変形して計測精度が劣化するおそれもある。
Figure 2008275489
上述した温度変化ΔTに依存する項((21)式、(22)式、及び(24)式のアンダーライン部分)は、温度変化ΔTを無視できるような短期的な歪計測であれば大きな問題とならないが、構造物の小さな歪を長期にわたり計測する健全性モニタリングのような場合は問題となる。そこで本発明の目的は、FBGセンサに生じる温度変化ΔTの影響を取り除いて歪のみを取り出すことができる光ファイバセンサを提供することにある。
図1及び図2〜図4の実施例を参照するに、本発明による光ファイバセンサの一態様は、それぞれ計測対象50と同一の熱膨張率βを有し且つ計測対象50の表面上に一辺11、21を対向させて所定間隔L1(図示例では定着部材6、6間の所定間隔L1)で定着させる第1定着体10及び第2定着体20と、両定着体10、20間に架渡して両定着体10、20に固定する一対の光ファイバ・グレーティング2、3とを備えてなり、第1定着体10の対向辺11に第2定着体20側へ延出し且つその対向辺11と隙間Sを介して向い合う対向縁13が一部分に形成された第1延出部12を設け、第2定着体20の対向辺21に第1定着体10側へ延出し且つ隙間S内で第1延出部12の対向縁13と所定間隙L2で向い合う対向縁23が一部分に形成された第2延出部22を設け、光ファイバ・グレーティング2、3の一方(図示例では光ファイバ・グレーティング2)を両定着体10、20の延出部12、22の対向縁13、23を結ぶ線上に固定し、光ファイバ・グレーティング2、3の他方(図示例では光ファイバ・グレーティング3)を両定着体10、20の延出部12、22以外の対向辺11、21を結ぶ線上に固定してなるものである。
好ましくは、一対の光ファイバ・グレーティング2、3を平行に固定する。更に好ましくは、図示例のように、第1定着体10及び第2定着体20の延出部12、22以外の対向辺11、21に、それぞれ第2定着体20側及び第1定着体10側に突出し且つ先端縁18、28が所定間隙L3で相互に向い合う第1突出部17及び第2突出部27を設け、光ファイバ・グレーティング2、3の他方(図示例では光ファイバ・グレーティング3)を両突出部17、27の先端縁18、28を結ぶ線上に固定する。この場合は、両延出部12、22の対向縁13、23間の所定間隙L2と両突出部17、27の先端縁18、28間の所定間隙L3とを同じ大きさとすることができる。
望ましくは、図6(A)に示すように、両延出部12、22の対向縁13、23間に両定着体10、20より小さい剛性で両対向縁13、23を連結する対向縁架橋部31を設け、両突出部17、27の先端縁18、28間に両定着体10、20より小さい剛性で両先端縁18、28を連結する先端縁架橋部32を設ける。対向縁架橋部31と先端縁架橋部32とは同じ断面積とすることができる。更に望ましくは、第1定着体10及び第2定着体20と対向縁架橋部31及び先端縁架橋部32とを、計測対象50と同一の熱膨張率βの板状部材から一体成形したものとする。また同図(D)に示すように、第1定着体10及び第2定着体20の外縁を相互に連結する外縁結合部33、34を設けることができる。この場合は、第1定着体10及び第2定着体20と外縁結合部33、34とを、計測対象50と同一の熱膨張率βの板状部材から一体成形した枠体30としてもよい。
また図7の実施例を参照するに、本発明による光ファイバセンサの他の態様は、それぞれ計測対象50と同一の熱膨張率βを有する上層定着体10、20及び下層定着体15、25の積層体(10+15)、(20+25)であって計測対象50の表面上に上層10、20及び下層15、25の各一辺を対向させて所定間隔L1(図示例では定着部材6、6間の所定間隔L1)で定着させる第1積層定着体19及び第2積層定着体29と、両積層定着体19、29間に架渡して両定着体19、29に固定する一対の光ファイバ・グレーティング2、3とを備えてなり、第1積層定着体19の上下一方側層(上層10又は下層15)の対向辺11又は16に第2積層定着体29側へ延出し且つその対向辺11又は16と隙間Sを介して向い合う対向縁13が一部分に形成された第1延出部12を設け、第2積層定着体29の前記上下一方側層(上層20又は下層25のうち第1積層定着体19の第1延出部12を設けた側の層)の対向辺21又は26に第1積層定着体10側へ延出し且つ隙間S内で第1延出部12の対向縁13と所定間隙L2で向い合う対向縁23が一部分に形成された第2延出部22を設け、光ファイバ・グレーティング2、3の一方(図示例では光ファイバ・グレーティング2)を両延出部12、22の対向縁13、23を結ぶ線上に固定し、光ファイバ・グレーティング2、3の他方(図示例では光ファイバ・グレーティング3)を両積層定着体19、29の上下他方側層(延出部12、22を設けた層と反対側の下層15、25又は上層10、20)の対向辺16、26又は11、21を結ぶ線上に固定してなるものである。
好ましくは、一対の光ファイバ・グレーティング2、3を上下方向に位置合わせして平行に固定する。必要に応じて、図7(D)に示すように、第1積層定着体19及び第2積層定着体29の上層10、20と下層15、25との間にそれぞれスペーサ14、24を設けることができる。更に好ましくは、第1積層定着体19及び第2積層定着体29の上下他方側層(延出部12、22を設けた層と反対側の下層15、25又は上層10、20)の対向辺16、26又は11、21にそれぞれ第2積層体29側及び第1積層体19側に突出し且つ先端縁18、28が所定間隙L3で相互に向い合う第1突出部17及び第2突出部27を設け、光ファイバ・グレーティング2、3の他方(図示例では光ファイバ・グレーティング3)を両突出部17、27の先端縁18、28を結ぶ線上に固定する。この場合は、上下一方側層(上層10、20又は下層15、25)の両延出部12、22の対向縁13、23間の所定間隙L2と、上下他方側層(下層15、25又は上層10、20)の両突出部17、27の先端縁18、28間の所定間隙L3とは同じ大きさとすることができる。
望ましくは、図8に示すように、両延出部12、22の対向縁13、23間に両積層定着体19、29より小さい剛性で両対向縁13、23を連結する対向縁架橋部31を設け、両突出部17、27の先端縁18、28間に両積層定着体19、29より小さい剛性で両先端縁18、28を連結する先端縁架橋部32を設ける。この場合は、同図(B)、(C)に示すように、第1積層定着体19及び第2積層定着体29の上下一方側層(上層10、20又は下層15、25)と対向縁架橋部31とを計測対象50と同一の熱膨張率βの板状部材から一体成形したものとし、第1積層定着体19及び第2積層定着体29の上下他方側層(下層15、25又は上層10、20)と先端縁架橋部32とを計測対象50と同一の熱膨張率βの板状部材から一体成形したものとすることができる。
また、第1積層定着体19及び第2積層定着体29の上下一方側層(上層10、20又は下層15、25)の外縁を相互に連結する外縁結合部33、34を設け、第1積層定着体19及び第2積層定着体29の上下他方側層(下層15、25又は上層10、20)の外縁を相互に連結する外縁結合部33、34を設けることができる。この場合は、上下一方側層(上層10、20又は下層15、25)と外縁結合部33、34とを計測対象50と同一の熱膨張率βの板状部材から一体成形した枠体36又は35とし、上下他方側層(下層15、25又は上層10、20)と外縁結合部33、34とを計測対象50と同一の熱膨張率βの板状部材から一体成形した枠体35又は36としてもよい。
本発明による光ファイバセンサは、計測対象50の表面上に一辺11、21を対向させて所定間隔L1で定着する第1定着体10及び第2定着体20をそれぞれ計測対象50と同一の熱膨張率βを有する材質製とし、第1定着体10の対向辺11から第2定着体20側へ延出する第1延出部12の一部分にその対向辺11と隙間Sを介して向い合う対向縁13を形成すると共に、第2定着体20の対向辺21から第1定着体10側へ延出する第2延出部22の一部分にその隙間S内で第1延出部12の対向縁13と所定間隙L2で向い合う対向縁23を形成し、一方のFBGセンサ2を両定着体10、20の延出部12、22の対向縁13、23を結ぶ線上に固定すると共に、他方のFBGセンサ3を両定着体10、20の延出部12、22以外の対向辺11、21を結ぶ線上に固定するので、次の顕著な効果を奏する。
(イ)一対のFBGセンサ2、3を計測対象50と同一の熱膨張率βを有する定着体10、20を介して計測対象50に固定するので、FBGセンサ2、3で検出されるブラッグ波長λBのシフト量Δλall((16)式)から温度変化ΔTに伴う計測対象50の伸縮の影響((13)式のシフト量ΔλB4)を取り除くことができる。
(ロ)また、外力による計測対象50の歪εが両FBGセンサ2、3に逆向きに加わるので、FBGセンサ2、3で検出されるシフト量Δλallの差演算を行うことで、温度変化ΔTによるFBGセンサ自体の伸縮の影響((3)式のシフト量ΔλB2)と定着体10、20の伸縮の影響((11)式のシフト量ΔλB3)とを共に取り除き、計測対象50の歪εのシフト量((15)式のシフト量ΔλB5)のみを取り出すことができ、計測対象50の歪εを精度良く計測することができる。
(ハ)計測対象50に定着する定着体10、20の所定間隔L1と、FBGセンサ2を固定する定着体10、20の対向縁13、23の所定間隙L2との比、及び突出部17、27の先端縁18、28の所定間隙L3との比により計測対象50の歪εを所要の拡大率η(=L1/L2、及びL1/L3)で検出することができ、用途や場所に応じて計測感度を調節できると共に、歪εの計測精度の向上を図ることができる。
(ニ)また、FBGセンサ3を定着体10、20の対向辺11、21に設けた突出部17、27の先端縁18、28を結ぶ線上に固定し、FBGセンサ2を固定する延出部12、22の対向縁13、23の所定間隙L2と、FBGセンサ3を固定する突出部17、27の先端縁18、28の所定間隙L3とを同じ大きさとすることで、両FBGセンサ2、3で検出される歪εの拡大率ηを揃えることができ、歪εを計測する演算の容易化を図ると共に、歪計測精度の更なる向上を図ることができる。
(ホ)熱膨張率等の計測対象50に依存したパラメタを必要としない計測対象50の歪計測が可能となるので、様々な計測対象50の歪計測に適用できる汎用的な光ファイバセンサとすることができる。
(ヘ)計測対象50に定着体10、20を定着させる前又は定着させた後に、その定着体10、20にFBGセンサ2、3を同じ条件で固定すれば足りるので、施工が簡便・容易であって設置品質のバラツキが生じにくく、長期間安定的な歪計測が可能となる。
(ト)また、定着体10、20を板状又は板状枠体とすることで、定着体10、20の加工及び取扱いの容易化を図ると共に、計測対象50への定着施工作業やFBGセンサ2、3の固定施工作業の更なる容易化を図ることができる。
(チ)定着体を層状に重ねた一対の積層定着体を計測対象50の表面に対向させて定着させ、FBGセンサ2及びFBGセンサ3をそれぞれ両積層定着体の上層の間及び下層の間に上下方向に位置合わせして固定することにより、両FBGセンサ2、3の歪及び温度に対する環境を極めて近接させることが可能であり、更に高精度な歪測定が期待できる。
図1は、計測対象50の表面に取り付けた本発明の光ファイバセンサ1の実施例を示す。図示例の光ファイバセンサ1は、歪計測対象50と同じ熱膨張率βの材質の第1定着体10及び第2定着体20と、両定着体10、20の間に架渡して固定する一対のFBGセンサ2、3(光ファイバ4、5のグレーティング部)とを有する。各定着体10、20の熱膨張率βは計測対象50の熱膨張率γとできる限り一致していることが望ましいが、想定される温度変化ΔTに対して計測対象50の伸縮の影響((13)式のシフト量ΔλB4)を取り除くことができる許容範囲内であれば、計測対象50の熱膨張率と多少相異していてもよい。例えば鉄骨や機械類等の金属系の計測対象50の歪εを計測する場合は、各定着体10、20を同じ金属材質製とする。また、構造物のコンクリート表面を計測対象50とする場合は、各定着体10、20をコンクリートの熱膨張率γとほぼ等しい炭素鋼製とする。ただし、骨材の種類や配合量によってコンクリートの熱膨張率γにバラツキが生じることから、炭素鋼製を原則とするが、計測対象50の熱膨張率γに応じて各定着体10、20の材質を選択又は調製することが望ましい。
図2は、計測対象50の表面上に定着させた第1定着体10及び第2定着体20の平面図及び断面図を示す。図示例の第1定着体10及び第2定着体20はそれぞれ、計測対象50の表面上に一辺11、21を対向させて所定間隔L1で定着させる定着部と、その対向辺11、21の一部分から定着体20及び10側に延出する第1延出部12及び第2延出部22と、その対向辺11、21の他の部分から定着体20及び10側に突出する第1突出部17及び第2突出部27とで構成されている。図示例では、各定着部の定着孔6a(図6(D)参照)に挿通させた適当な定着部材6(例えばネジ等)で定着体10、20を計測対象50の表面に定着し、その定着部材6、6の間を所定間隔L1としている。ただし、定着体10、20は接着剤又は溶接等を用いて計測対象50に定着してもよく、その場合は、各定着部の計測対象50に定着させた部位の間隔(例えば対向辺11、21の間隔)を所定間隔L1とすればよい。
図示例の第1定着体10の延出部12には、一部分に側方へ張り出した張出部(又は突起部)12aを設け、その張出部12aにより第1定着体10の対向辺11と隙間Sを介して向い合う対向縁13が形成されている。また第2定着体20の延出部22には、その一部分に第1定着体10の対向辺11と第1延出部12との間の隙間S内に張り出した張出部(又は突起部)22aを設け、その張出部22aにより隙間S内で第1延出部12の対向縁13と所定間隙L2で向い合う対向縁23が形成されている(同図(B)参照)。第1定着体10の突出部17と第2定着体20の突出部27とは、各々の先端縁18、28が所定間隙L3で相互に向い合うように突出している(同図(C)参照)。
図2のX方向の外力により計測対象50に歪εが発生すると、その歪εは第1定着体10及び第2定着体20に伝達され、両延出部12、22の対向縁13、23の間隙L2と両突出部17、27の先端縁18、28の間隙L3とにそれぞれ極性の異なる変位を同時に発生する。すなわち、計測対象50の歪変形に応じて両定着体10、20に互いが離れる又は近付くような負荷が加わると、突出部17、27の先端縁18、28は同じように互いが離れる又は近付くように移動し、延出部12、22の対向縁13、23は反対に互いが近付く又は離れるように移動する。このため、延出部12、22の対向縁13、23に架渡して両端が固定された一方のFBGセンサ2と、突出部17、27の先端縁18、28に架渡して両端が固定された他方のFBGセンサ3とには、それぞれ引張力、圧縮力が負荷される。各定着体10、20は、対向辺11、12の相対的な変位が全てFBGセンサ2、3に集中するように、FBGセンサ2、3を構成する光ファイバ4、5よりも十分に大きい剛性とすることが望ましい。
図2の実施例では、各定着体10、20の定着部を矩形とし、その定着部の対向辺11、21に一端を支持して直角方向に伸びるL字形の延出部12、22を設け、そのL字形延出部12、22の他端の張出部12a、22aにおける一端側の端縁を間隙L2で相互に向い合わせて対向縁13、23としている。ただし、延出部12、22の形状は図示例に限定されず、両定着体10、20の変形方向と反対極性の変形が対向縁13、23の間に生じるような任意の形状を選択できる。例えば、図3(B)に示すように延出部12、22を定着体10、20から斜め方向に伸ばしてもよく、同図(A)に示すように延出部12、22の先端以外の中間部位に張出部(又は突起部)12a、22aを設けてもよい。また、同図(C)に示すように、張出部(又は突起部)12a、22aに代えて、延出部12、22の湾曲させた先端縁を相互に対向させ、その先端縁を間隙L2で向い合う対向縁13、23としてもよい。
また、突出部17、27の形状も、図2の実施例のように各定着体10、20に一端を支持して直角方向に伸びるI字形のものに限定されず、両定着体10、20の変形方向と同じ極性の変形が先端縁18、28の間に生じるような任意の形状を選択できる。好ましくは、図示例のように、FBGセンサ3を固定する突出部17、18の先端縁18、28の間隙L3と、FBGセンサ2を固定する延出部12、22の対向縁13、23の間隙L2とを同じ大きさとし、後述するように両定着体10、20の歪変形の拡大率ηを一致させる。ただし、対向縁13、23の間隙L2と先端縁18、28の間隙L3とを同じ大きさとすることは本発明に必須の条件ではなく、間隙L2及び間隙L3の大きさがそれぞれ所定であれば、後述するFBGセンサ2、3のシフト量Δλallの差演算の際に歪拡大率ηの相違を補正することができる。従って、図3(A)に示すように、定着体10、20の両方又は一方の突出部17、27を省略し、FBGセンサ3を両定着体10、20の延出部12、22以外の対向辺11、21に架渡して固定することも可能である。
図2の実施例において、両定着体10、20の所定間隔L1の対向辺11、21間に生じた計測対象50の歪εによる変形は、両延出部12、22の所定間隙L2の対向縁13、23間に架渡されたFBGセンサ2によって拡大率η(=L1/L2)の変形として検出され、両突出部17、27の所定間隙L3の先端縁18、28間に架渡されたFBGセンサ3によって拡大率η(=L1/L3)の変形として検出される。FBGセンサ2、3において計測対象50の歪εを拡大して検出することにより、歪εの検出感度及び検出精度を高めることができる。ただし、検出感度を大きくし過ぎるとFBGセンサ2、3が切断する危険もあるので、歪拡大率ηは用途や場所に応じて適宜調節することが望ましい。
FBGセンサ2、3における歪拡大率ηは、両定着体10、20の所定間隔L1に対する対向縁13、23の所定間隙L2の比、又は先端縁18、28の所定間隙L3の比を変えることで調節可能である。例えば図4(A)に示すように、両定着体10、20の対向辺11、21の対向向きに対して両延出部12、22の対向縁13、23の対向向き及び両突出部17、27の先端縁18、28の対向向きをそれぞれ角度θ=45度で交差させることにより、FBGセンサ2、3における歪拡大率ηを0.7(=1/√2)倍に減らすことができる。また、同図(B)に示すように、両定着体10、20の外縁に定着体20及び10側へ張り出した外延部33、34を設け、その外延部33、34を所定間隙L2、L3より小さい所定間隙L1で計測対象50に定着(ネジ止め等)させることにより、FBGセンサ2、3で検出される歪拡大率ηを1以下とすることができる。なお、定着体10、20の剛性がFBGセンサ2、3を構成する光ファイバ4、5に比べて十分に大きくない場合は、計測対象50の歪εが両FBGセンサ2、3のみに集中せず、一部が両定着体10、20によって緩和される。この緩和の度合いをk(<1)とすれば、両FBGセンサ2、3で検出される変形の拡大率ηはk倍に縮小される。
望ましくは、図示例のように各定着体10、20をそれぞれ、定着部と延出部12、22と突出部17、27とが同一面上に配置された板状とする。このような板状の定着体10、20は、例えば打ち抜き加工等の一体成形により比較的容易に且つ安価に製造することができる。また、定着体10、20の片側表面を計測対象50に確実に定着させると共にその反対側表面にFBGセンサ2、3を固定することができ、計測対象50への定着作業及びFBGセンサ2、3の固定作業の容易化が図れる。ただし、定着体10、20は平面状のものに限定されず、例えば図1(B)に示すように、直角又は特定角度で交差する計測対象50の表面等に設置する場合は、延出部12、22及び突出部17、27を定着部に対して折れ曲がり面又は曲面とすることができる。
また図2(D)及び同図(E)に示すように、各定着体10、20には、延出部12、22及び突出部17、27を計測対象50の表面から離して支持するスペーサ(脚部)14、24を含めることができる。例えば、図1(B)のようにコンクリート構造物等の計測対象50のひび割れ部又は接合部51aに本発明の光ファイバセンサ1を取り付ける場合や、平滑でない凹凸表面に光ファイバセンサ1を定着させる場合は、スペーサ14によって延出部12、22及び突出部17、27を計測対象50の表面から浮かして定着することが有効である。図示例では両定着体10、20のスペーサ14の高さを揃えているが、高さの異なる凹凸表面に跨って定着させる場合は、両定着体10、20のスペーサ14の高さを相違させることも有効である。なお、図2(E)のようにスペーサ14、24が変形しやすい場合は、計測対象50の歪εの一部がスペーサ14、24の変形によって緩和されるため、FBGセンサ2、3で検出される変形の拡大率ηは減少することになる。
FBGセンサ2及び3は、それぞれ接着剤、連結用ネジ、溶接等により定着体10、20の延出部12、22の表面又は突出部17、27の表面に固定することができる。定着体10、20の表面が平滑であってFBGセンサ2、3の位置決めが困難である場合は、図5(A)に示すように、延出部12、22の表面又は突出部17、27の表面に、FBGセンサ2、3の両端の光ファイバ4、5を這わせるための位置決め溝41を形成してもよい(同図(B)も参照)。位置決め溝41は、延出部12、22又は突出部17、27の剛性に大きく影響を与えない程度の幅及び深さとする。位置決め溝41を形成することにより、定着体10、20とFBGセンサ2、3との接着強度を増やすこともできる。更に接着強度を増やすため、同図(C)に示すように、定着体10、20と同じ熱膨張率の押え部材(ブロック等)42を用い、位置決め溝41に嵌合させたFBGセンサ2、3を押え部材42で固定してもよい。図示例では押え部材42を接着剤43で固定しているが、ネジ等で固定することもできる。
望ましくは、図5(D)に示すように、定着体10、20の延出部12、22の表面と突出部17、27の表面とにそれぞれプリテンション調節具45を設け、プリテンション調節具45によりFBGセンサ2及び3を定着体10、20に固定する。図2の実施例は、それ自体弾性体であるFBGセンサ2、3を間隙L2、L3に架渡して圧縮と引張とを加える方式であるから、FBGセンサ2、3で圧縮及び引張の何れの歪も安定的に検出できるように、予め引張力を加えた状態(プリテンションをかけた状態)でFBGセンサ2、3を延出部12、22の表面及び突出部17、27の表面に固定することが望ましい。図示例のプリテンション調節具45には矢印方向の長穴が穿たれており、その長穴の下方の延出部12、22及び突出部17、27には例えばネジ孔が穿たれ、プリテンション調節具45を矢印方向に移動させることでFBGセンサ2、3に加わるプリテンションの強さを調整することができる。なお、図示例では第1定着体10と第2定着体20とが離れており、両者の間にFBGセンサ2、3を架渡すことが困難である場合も考えられるが、そのような場合は、両定着体10、20の対向辺11、12の間隔L1を一時的に固定できる取外し可能な外縁結合部33、34(図6(D)参照)を用いることができる。
また、計測対象50の歪εの発生方向(例えば図2のX方向)が推定できる場合は、図示例のように、各FBGセンサ2、3を両定着体10、20の間に外力のかかる方向に架渡して平行に固定することが望ましい。FBGセンサ2、3の向きを外力のかかる方向と一致させることにより、FBGセンサ2、3で検出される計測対象50の歪εの検出感度(歪変換効率)を最大化することができる。また、FBGセンサ2、3を固定する延出部12、22の端となる対向縁13、23と突出部17、27の端となる先端縁18、28の近傍において、FBGセンサ2、3に応力が集中することを避けることができる。更に、FBGセンサ2、3がほぼ同じ歪及び温度の環境(雰囲気)となるように、両延出部12、22の対向縁13、23と両突出部17、27の先端縁18、28とは隣接する近傍部位とすることが望ましい。
次に、図1及び図2を参照して、本発明の光ファイバセンサ1による歪計測方法について説明する。図示例の光ファイバセンサ1は、上述した両定着体10、20の対向縁13、23の間と先端縁18、28との間とにそれぞれFBGセンサ2、3を固定したのち、その定着体10、20の定着部をFBGセンサ2、3と共に計測対象50の表面に定着させて設置する。例えば、予め工場等で一対のFBGセンサ2、3に定着体10、20を固定したセンサユニット又はモジュールを製造しておけば、光ファイバセンサ1の設置作業の容易化を図ることができる。各FBGセンサ2、3のプリテンションの調整は、センサユニット又はモジュールを工場で製造する段階で行うことができる。ただし、計測対象50の表面に定着体10、20を定着させたのち、その定着体10、20の間にFBGセンサ2、3を架渡して固定することも可能である。この場合は、例えば図5(D)のプリテンション調節具45により、取り付け現場においてFBGセンサ2、3のプリテンションを調整する。
本発明の光ファイバセンサ1は、2本のFBGセンサ2、3を、定着体10、20上に同じ条件(例えば同一の接着剤やその乾燥状態)で固定することできる。従って、2本のFBGセンサ2、3の固定手法が異なる従来の光ファイバセンサ(特許文献1等)に比し、2本のFBGセンサ2、3の固定品質にバラツキが生じにくい特徴がある。各FBGセンサ2、3には、広帯域の光信号を送出すると共にグレーティング部で発生するブラッグ波長λBのシフト量Δλを測定する歪計測器7と、両FBGセンサ2、3のシフト量Δλの差を求めて計測対象50の歪εを算出する歪量算出装置8とを接続する。
なお、2本の光ファイバ4、5を用いるのではなく、図示例のように配線した1本の光ファイバ上に形成された2個のFBGセンサ(グレーティング部)2、3を定着体10、20に架渡して固定することも可能である。この場合は、それぞれブラック波長の異なるFBGセンサ2、3を用意しておけば、歪計測器7及び歪量算出装置8によって各センサ2、3のシフト量Δλを容易に知ることができる。または、FBGセンサ2、3のブラッグ波長が同じであっても、反射光波長λBとその時間遅れtとにより何れのFBGセンサ2、3からの反射光であるかを識別し、各センサ2、3のシフト量Δλを知ることができる。また、例えば図1(B)に示すように、光ファイバにより直列接続された複数の光ファイバセンサ1を計測対象50(例えば構造物の応力集中が想定されるブレス材、耐震壁等)に沿って配置し、計測対象50上の複数部位における歪εを単独の歪計測器7及び歪量算出装置8で計測することも可能である。
光ファイバセンサ1の両定着体10、20の対向縁13、23の間隙L2と先端縁18、28の間隙L3とが同じ大きさ(同じ歪拡大率η)であるとすると、光ファイバセンサ1に外力と温度変化ΔTとが同時に負荷された場合に、先端縁18、28の間に固定されたFBGセンサ3において発生する(31)式のブラッグ波長λBのシフト量Δλall(+)が歪計測器7で検出され、対向縁13、23の間に固定したFBGセンサ2において発生する(32)式のブラッグ波長λBのシフト量Δλall(-)が歪計測器7で検出される。また歪量算出装置8において、両FBGセンサ2、3で検出されたブラッグ波長λBのシフト量Δλの差が(33)式により算出される。
Figure 2008275489
(33)式では、両FBGセンサ2、3で同じ極性である温度変化ΔTの影響、すなわち温度変化ΔTによるセンサ自体の伸縮の影響((3)式のシフト量ΔλB2)と定着体10、20の伸縮の影響((11)式のシフト量ΔλB3)とが相殺されている。また(33)式では、両定着体10、20の熱膨張率β((11)式及び(13)式参照)が計測対象50の熱膨張率γと等しいことから、温度変化ΔTに伴う計測対象50の伸縮の影響((13)式のシフト量ΔλB4)も取り除かれている。すなわち、(33)式の差演算によってFBGセンサ2、3で検出されるブラッグ波長λBのシフト量Δλallから温度変化ΔTの影響によるシフト量Δλtarget((14)式)を全て補償し、計測対象50の歪εのシフト量((15)式のシフト量ΔλB5)のみを取り出すことができる。なお、計測対象50に図2のY方向の歪εが生じた場合、両FBGセンサ2、3で検出される歪εのシフト量((15)式のシフト量ΔλB5)は等しくなるので、(33)式の差演算によりY方向の歪εの影響は取り除くことができ、X方向の歪εのみを精度良く求めることができる。
従って、歪量算出装置8において、(33)式のシフト量Δλと先端縁18、28の間隙L3(又は対向縁13、23の間隙L2)の歪拡大率ηとから、両定着体10、20の所定間隔L1における計測対象50の歪εを精度良く計測することができる。(33)式におけるブラッグ波長λB及び光弾性係数ρcは、例えば予め歪量算出装置8のメモリに記憶しておくことができる。なお、定着体10、20の対向縁13、23の間隙L2と先端縁18、28の間隙L3とが異なる大きさである場合((31)式のΔλall(-)の歪拡大率η(+)と(32)式のΔλall(-)の歪拡大率η(-)とが異なる場合)は、(33)式において2ΔλB5=(η(+)+η(-))・λB(1−ρc)εとなるので、(33)式の差演算結果を歪拡大率(η(+)+η(-))で補正すればよい。
また、本発明の光ファイバセンサ1から求められる(33)式は、従来の(21)、(22)、(24)式のアンダーライン部分のように熱膨張率γなどの計測対象50に依存する係数や、実験的に決める必要のある係数を含んでおらず、計測対象50の形状・構造等に依存しない汎用的な歪計測が可能である。更に、本発明の光ファイバセンサ1によれば、歪拡大率ηを調節することで光ファイバセンサ1の計測感度を調整することが可能であり、(31)式及び(32)式における外力による歪εの影響を温度変化ΔTによる影響に比べて拡大することができる。外力による影響を拡大することで、センサ1の設置場所や方法の相違に起因して温度補償性能のバラツキが生じた場合でも、その温度補償性能を所定水準以上に保つことができる。なお、(31)式と(32)式とを加えると(34)式となり、外力による歪εの影響を取り除き、温度変化ΔTによるシフト量のみを残すこともできる。このため本発明の光ファイバセンサ1を用いれば、センサ1の設置環境における温度変化を知ることも可能である。
こうして本発明の目的である「FBGセンサに生じる温度変化ΔTの影響を取り除いて歪のみを取り出すことができる光ファイバセンサ」の提供を達成できる。
図6は、第1定着体10及び第2定着体20の延出部12、22の対向縁13、23の間に両定着体10、20より小さい剛性で両対向縁13、23を連結する対向縁架橋部31を設け、両突出部17、27の先端縁18、28の間に両定着体10、20より小さい剛性で両先端縁18、28を連結する先端縁架橋部32を設けた本発明の光ファイバセンサ1の実施例を示す。各架橋部31、32も、定着体10、20と同様に歪計測対象50と同じ熱膨張率βの材質とする。図示例では、架橋部31、32の表面にFBGセンサ2、3を接着剤等で固定することができ、架橋部31、32を介して定着体10、20の変形がFBGセンサ2、3に伝達するので、予め引張力(プリテンション)を加えた状態でFBGセンサ2、3を固定するかどうかは任意である。必要に応じて、図5(A)の場合と同様に、架橋部31、32の表面にFBGセンサ2、3を構成する光ファイバ4、5を這わせるための位置決め溝41を設けてもよい。
架橋部31、32は、荷重P−歪εの関係が同一となるように同じ断面積とすることが望ましい。例えば図6(B)及び同図(C)に示すように、架橋部31をその両端の延出部12、22より歪変形しやすいように幅が細く且つ厚さが薄い小断面積の棒状部とし、架橋部32をその両端の突出部17、27より歪変形しやすいように幅が細く且つ厚さが薄い小断面積の棒状部とする。更に望ましくは、上述したように架橋部31の長さL2(対向縁13、23の間隙L2)と架橋部32の長さL3(先端縁18、28の間隙L3)とを一致させる。両架橋部31、32の剛性を等しく且つ両定着体10、20より小さくすることにより、対向辺11、12の相対的な変位を両架橋部31、32に集中させることができる。ただし、両架橋部31、32の剛性が小さい場合は計測対象50の歪εの一部が架橋部31、32によって緩和され、その緩和度合いk(<1)に応じてFBGセンサ2、3で検出される変形の拡大率ηが縮小される。また、光ファイバセンサ1は両架橋部31、32が座屈しない範囲で用いる必要がある。
また、図6(D)に示すように、両定着体10、20と両架橋部31、32とを、計測対象50と同一の熱膨張率βの板状部材から打ち抜き加工等で一体成形したものとすることができる。両定着体10、20と両架橋部31、32とを一体成形することにより、計測対象50への定着作業及びFBGセンサ2、3の固定作業の一層の容易化が図れる。図示例では更に、歪計測対象50と同じ熱膨張率βの材質の外縁結合部33、34によって定着体10、20の外縁を相互に連結し、両定着体10、20と両架橋部31、32と外縁結合部33、34との全体を一体成形の枠体30としている。架橋部31、32の剛性が小さい場合は作業時に両定着体10、20が変形して支障となることも考えられるが、外縁結合部33、34を設けることで枠体30を変形しにくくすることができ、定着作業及び固定作業の一層の効率化が期待できる。なお、外縁結合部33、34を枠体30から取外し可能なものとし、計測対象50への定着作業及びFBGセンサ2、3の固定作業の終了後に外縁結合部33、34を枠体30から取外して再利用等することも可能である。
図7及び図8は、計測対象50と同一の熱膨張率βを有する上層定着体10及び下層定着体15を積層した第1積層定着体19と、同じく熱膨張率βを有する上層定着体20及び下層定着体25を積層した第2積層定着体29とを用い、一方のFBGセンサ2を両積層定着体19、29間の上層定着体10、20の間に架渡して固定し、他方のFBGセンサ3を両積層定着体19、29間の下層定着体15、25の間に架渡して固定する本発明の光ファイバセンサ1の実施例を示す。上述した図1〜図6の実施例では、計測対象50の表面にFBGセンサ2、3を水平方向に隔てて固定しているので、FBGセンサ2、3の歪及び温度の環境(雰囲気)が多少相違する場合が考えられる。これに対し図7の実施例では、両FBGセンサ2、3を上下方向に位置合わせして固定することができ、FBGセンサ2、3に対する歪及び温度の環境をほぼ一致させることができる。
図7(A)の積層定着体19、29の上層定着体10、20は、計測対象50の表面上に一辺11、21を対向させて所定間隔L1で定着させる定着部と、その対向辺11、21から積層定着体29、19側に延出する第1延出部12及び第2延出部22とで構成されている。図示例では、各積層定着体19、29の位置合わせした定着孔6aに定着部材6(例えばネジ等)を挿通して各定着体19、29を計測対象50の表面に定着し、その定着部材6、6の間隔を所定間隔L1としているが、各積層定着体19、29を接着剤又は溶接等で計測対象50に定着し、その計測対象50に定着させた部位の間隔(例えば対向辺11、21の間隔)を所定間隔L1としてもよい。
上層定着体10の延出部12の一部分に側方へ張り出した張出部12aを設け、その張出部12aにより第1定着体10の対向辺11と隙間Sを介して向い合う対向縁13を形成する。また上層定着体20の延出部22の一部分に第1定着体10の対向辺11と第1延出部12との間の隙間S内に張り出した張出部(又は突起部)22aを設け、その張出部22aにより隙間S内で第1延出部12の対向縁13と所定間隙L2で向い合う対向縁23を形成する(同図(C)参照)。延出部12、22の形状は図示例のようにL字形のものに限定されず、上述したように、上層定着体10、20の変形方向と反対極性の変形が対向縁13、23の間に生じるような任意の形状とすることができる。
また図7(A)の積層定着体19、29の下層定着体15、25は、計測対象50の表面上に一辺16、26を対向させて所定間隔L1で定着させる定着部と、その対向辺16、26から積層定着体29、19側に突出する第1突出部17及び第2突出部27とで構成されている。突出部17、突出部27は、各々の先端縁18、28が所定間隙L3で相互に向い合うように突出させる(同図(B)参照)。突出部17、27の形状も実施例のようにI字形のものに限定されず、上述したように、下層定着体15、25の変形方向と同じ極性の変形が先端縁18、28の間に生じるような任意の形状とすることができる。ただし、図3(A)に沿って説明したように、下層定着体15、25の両方又は一方の突出部17、27は省略することが可能であり、FBGセンサ3を下層定着体15、25の対向辺16、26に架渡して固定してもよい。なお、下層定着体15、25は、積層定着体19、29が一体として変形するように、上層定着体10、20に接着剤等で固定する。
図7(D)に示すように、一対のFBGセンサ2、3にかかる外力が異なる極性となるように、FBGセンサ2を上層定着体10、20の延出部12、22の対向縁13、23に架渡して固定し、他方のFBGセンサ3を下層定着体15、25の突出部17、27の先端縁18、28に架渡して固定する。同図から分かるように、積層定着体19、29の上層定着体10、20及び下層定着体15、25をそれぞれ板状とし、FBGセンサ2、3を上下方向に位置合わせして固定することで、FBGセンサ2、3の歪及び温度の環境を極めて近接させることが可能である。好ましくは、FBGセンサ2、3で検出される歪εの拡大率ηが一致するように、FBGセンサ2を固定する上層の対向縁13、23の間隙L2と、FBGセンサ3を固定する下層の先端縁18、28の間隙L3とを同じ大きさとする。必要に応じて、第1積層定着体19の上層10と下層15との間及び第2積層定着体29の上層20と下層25との間にそれぞれスペーサ14、24を設け、FBGセンサ2、3の間隔を適宜に調節してもよい。スペーサ14、24は、積層定着体19、29が一体として変形するように、上層定着体10、20と下層定着体15、25との間に接着剤等で固定する。図2(D)のように、下層定着体15、25の下方に、積層定着体19、29を計測対象50の表面から離して支持するスペーサ(脚部)14、24を含めることも可能である。
好ましくは、図8に示すように、上層定着体10、20の延出部12、22の対向縁13、23の間にその上層定着体10、20より小さい剛性で両対向縁13、23を連結する対向縁架橋部31を設け、下層定着体15、25の突出部17、27の先端縁18、28の間にその下層定着体15、25より小さい剛性で両先端縁18、28を連結する先端縁架橋部32を設け、その架橋部31、32の表面にFBGセンサ2、3を接着剤等で固定する。図6を参照して上述したように、架橋部31、32は荷重P−歪εの関係が同一となるように同じ断面積とすることができ、歪変形しやすいように幅が細く且つ厚さが薄い小断面積の棒状部とすることができる。
更に好ましくは、図8(B)及び同図(C)に示すように、上層定着体10、20と架橋部31とを計測対象50と同一の熱膨張率βの板状部材から打ち抜き加工等で一体成形した上層枠体36とし、下層定着体15、25と架橋部32とを計測対象50と同一の熱膨張率βの板状部材から一体成形した下層枠体35とする。上層枠体36及び下層枠体35を用いることにより、計測対象50への定着作業及びFBGセンサ2、3の固定作業の容易化が期待できる。図6(C)に示すように、上層枠体36に上層定着体10、20の外縁を相互に結合する外縁結合部33、34を含め、下層枠体35に上層定着体10、20の外縁を相互に結合する外縁結合部33、34を含めることで、枠体35、36を変形しにくくすることも可能である。
図7及び図8の光ファイバセンサ1においても、外力と温度変化ΔTとが同時に負荷された場合に、下層定着体15、25の間に固定されたFBGセンサ3においてブラッグ波長λBのシフト量Δλall(+)((31)式)が検出され、上層定着体10、20の間に固定したFBGセンサ2においてブラッグ波長λBのシフト量Δλall(-)((32)式)が検出されるので、両FBGセンサ2、3で検出されたブラッグ波長λBのシフト量Δλの差((33)式)を算出することにより、FBGセンサ2、3で検出されるブラッグ波長λBのシフト量Δλallから温度変化ΔTの影響によるシフト量Δλtarget((14)式)を全て取り除き、計測対象50の歪εのシフト量((15)式のシフト量ΔλB5)のみを取り出すことができる。しかも、FBGセンサ2、3に対する歪及び温度の環境をほぼ一致させることができるので、設置場所や方法にバラツキが生じた場合でも、(33)式の差演算により温度変化ΔTの影響を確実に取り除くことができ、計測対象50の歪計測精度の向上が期待できる。なお図示例では、上述したように上層定着体10、20に反対極性の変形を生じる延出部12、22を設け、下層定着体15、25に同じ極性の変形を生じる突出部17、27を設けているが、上層定着体10、20に突出部17、27を設けると共に下層定着体15、25に延出部12、22を設けた場合も同様の計測が可能である。
一対の定着体を用いた本発明の光ファイバセンサの一例の説明図である。 図1の光ファイバセンサの平面図及び断面図である。 一対の定着体を用いた光ファイバセンサの他の一例の説明図である。 一対の定着体を用いた光ファイバセンサの更に他の一例の説明図である。 定着体に光ファイバ・グレーティングを固定する方法の説明図である。 一対の定着体を架橋部で連結した枠体を用いた光ファイバセンサの一例の説明図である。 一対の積層定着体を用いた光ファイバセンサの一例の説明図である。 一対の積層定着体を用いた光ファイバセンサの他の一例の説明図である。 従来の光ファイバ・グレーティングを用いたセンサの一例の説明図である。 従来の光ファイバ・グレーティングを用いたセンサの他の一例の説明図である。 従来の光ファイバ・グレーティングを用いたセンサの更に他の一例の説明図である。
符号の説明
1…光ファイバセンサ
2、3…光ファイバ・グレーティング(FBGセンサ)
4、5…光ファイバ
6…定着部材 6a…定着孔
7…歪計測器 8…歪量算出装置(コンピュータ)
9…メモリ
10…第1定着体(上層定着体) 11…対向辺
12…第1延出部 13…対向縁
14…スペーサ 15…下層定着体
16…対向辺 17…第1突出部
18…先端縁 19…第1積層定着体
20…第2定着体(上層定着体) 21…対向辺
22…第2延出部 23…対向縁
24…スペーサ 25…下層定着体
26…対向辺 27…第2突出部
28…先端縁 29…第2積層定着体
30…枠体 31…対向縁架橋部
32…先端縁架橋部 33…外縁部(外縁結合部)
34…外縁部(外縁結合部) 35…下層枠体
36…上層枠体
41…位置決め溝 42…押え部材
43…接着剤 45…プリテンション調節具
50…計測対象 51…鉄骨柱
52…鉄骨梁 51a…ひび割れ部又は接合部
61…FBGセンサ 62…FBGセンサ
63…基板 64…保持具
64a、64b…保持部 65…保持具
65a、65b…保持部 66、67、68…取付け板

Claims (19)

  1. それぞれ計測対象と同一の熱膨張率を有し且つ計測対象の表面上に一辺を対向させて所定間隔で定着させる第1定着体及び第2定着体と、両定着体間に架渡して当該両定着体に固定する一対の光ファイバ・グレーティングとを備えてなり、前記第1定着体の対向辺に第2定着体側へ延出し且つ当該対向辺と隙間を介して向い合う対向縁が一部分に形成された第1延出部を設け、前記第2定着体の対向辺に第1定着体側へ延出し且つ前記隙間内で第1延出部の対向縁と所定間隙で向い合う対向縁が一部分に形成された第2延出部を設け、前記光ファイバ・グレーティングの一方を両定着体の延出部の対向縁を結ぶ線上に固定し、前記光ファイバ・グレーティングの他方を両定着体の延出部以外の対向辺を結ぶ線上に固定してなる光ファイバセンサ。
  2. 請求項1の光ファイバセンサにおいて、前記一対の光ファイバ・グレーティングを平行に固定してなる光ファイバセンサ。
  3. 請求項1又は2の光ファイバセンサにおいて、前記第1定着体及び第2定着体の延出部以外の対向辺にそれぞれ第2定着体側及び第1定着体側に突出し且つ先端縁が所定間隙で相互に向い合う第1突出部及び第2突出部を設け、前記光ファイバ・グレーティングの他方を両突出部の先端縁を結ぶ線上に固定してなる光ファイバセンサ。
  4. 請求項3の光ファイバセンサにおいて、前記両延出部の対向縁間の所定間隙と前記両突出部の先端縁間の所定間隙とを同じ大きさとしてなる光ファイバセンサ。
  5. 請求項3又は4の光ファイバセンサにおいて、前記両延出部の対向縁間に前記両定着体より小さい剛性で両対向縁を連結する対向縁架橋部を設け、前記両突出部の先端縁間に前記両定着体より小さい剛性で両先端縁を連結する先端縁架橋部を設けてなる光ファイバセンサ。
  6. 請求項5の光ファイバセンサにおいて、前記対向縁架橋部及び先端縁架橋部を同じ断面積としてなる光ファイバセンサ。
  7. 請求項5又は6の光ファイバセンサにおいて、前記第1定着体及び第2定着体と前記対向縁架橋部及び先端縁架橋部とを、計測対象と同一の熱膨張率の板状部材から一体成形したものとしてなる光ファイバセンサ。
  8. 請求項1から7の何れかの光ファイバセンサにおいて、前記第1定着体及び第2定着体の外縁を相互に連結する外縁結合部を設けてなる光ファイバセンサ。
  9. 請求項8の光ファイバセンサにおいて、前記第1定着体及び第2定着体と前記外縁結合部とを、計測対象と同一の熱膨張率の板状部材から一体成形した枠体としてなる光ファイバセンサ。
  10. 請求項8の光ファイバセンサにおいて、前記外縁結合部を取外し可能としてなる光ファイバセンサ。
  11. それぞれ計測対象と同一の熱膨張率を有する上層定着体及び下層定着体の積層体であって計測対象の表面上に上層及び下層の各一辺を対向させて所定間隔で定着させる第1積層定着体及び第2積層定着体と、両積層定着体間に架渡して当該両定着体に固定する一対の光ファイバ・グレーティングとを備えてなり、前記第1積層定着体の上下一方側層の対向辺に第2積層定着体側へ延出し且つ当該対向辺と隙間を介して向い合う対向縁が一部分に形成された第1延出部を設け、前記第2積層定着体の前記上下一方側層の対向辺に第1積層定着体側へ延出し且つ前記隙間内で第1延出部の対向縁と所定間隙で向い合う対向縁が一部分に形成された第2延出部を設け、前記光ファイバ・グレーティングの一方を前記両延出部の対向縁を結ぶ線上に固定し、前記光ファイバ・グレーティングの他方を両積層定着体の上下他方側層の対向辺を結ぶ線上に固定してなる光ファイバセンサ。
  12. 請求項11の光ファイバセンサにおいて、前記一対の光ファイバ・グレーティングを上下方向に位置合わせして平行に固定してなる光ファイバセンサ。
  13. 請求項11又は12の光ファイバセンサにおいて、前記第1積層定着体及び第2積層定着体の上層と下層との間にそれぞれスペーサを設けてなる光ファイバセンサ。
  14. 請求項11から13の何れかの光ファイバセンサにおいて、前記第1積層定着体及び第2積層定着体の上下他方側層の対向辺にそれぞれ第2積層体側及び第1積層体側に突出し且つ先端縁が所定間隙で相互に向い合う第1突出部及び第2突出部を設け、前記光ファイバ・グレーティングの他方を両突出部の先端縁を結ぶ線上に固定してなる光ファイバセンサ。
  15. 請求項14の光ファイバセンサにおいて、前記両延出部の対向縁間に前記両積層定着体より小さい剛性で両対向縁を連結する対向縁架橋部を設け、前記両突出部の先端縁間に前記両積層定着体より小さい剛性で両先端縁を連結する先端縁架橋部を設けてなる光ファイバセンサ。
  16. 請求項15の光ファイバセンサにおいて、前記第1積層定着体及び第2積層定着体の上下一方側層と前記対向縁架橋部とを計測対象と同一の熱膨張率の板状部材から一体成形したものとし、前記第1積層定着体及び第2積層定着体の上下他方側層と前記先端縁架橋部とを計測対象と同一の熱膨張率の板状部材から一体成形したものとしてなる光ファイバセンサ。
  17. 請求項11から16の何れかの光ファイバセンサにおいて、前記第1積層定着体及び第2積層定着体の上下一方側層の外縁を相互に連結する外縁結合部、及び前記第1積層定着体及び第2積層定着体の上下他方側層の外縁を相互に連結する外縁結合部を設けてなる光ファイバセンサ。
  18. 請求項17の光ファイバセンサにおいて、前記第1積層定着体及び第2積層定着体の上下一方側層と外縁結合部とを計測対象と同一の熱膨張率の板状部材から一体成形した枠体とし、前記第1積層定着体及び第2積層定着体の上下他方側層と外縁結合部とを計測対象と同一の熱膨張率の板状部材から一体成形した枠体としてなる光ファイバセンサ。
  19. 請求項17の光ファイバセンサにおいて、前記外縁結合部を取外し可能としてなる光ファイバセンサ。
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