JP2008273911A - 顆粒球コロニー刺激因子産生促進物質 - Google Patents

顆粒球コロニー刺激因子産生促進物質 Download PDF

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Abstract

【課題】 体内におけるG−CSFの産生を促進させることによって、ヒトもしくはヒト以外の動物の免疫機能を調節することにより各種疾患の予防および治療に寄与する医薬品、医薬部外品、飲食品、嗜好品、飼料および化粧品に適用される顆粒球コロニー刺激因子産生促進物質を得るものである。
【解決手段】 甜菜由来のアラビノフラノースを主要な構成糖とする多糖体からなる顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)産生促進物質、および当該G−CSF産生促進作用の活性発現糖鎖部位としてアラビノフラノースを主要な構成糖とする糖鎖構造部分を有する多糖体からなる顆粒球コロニー刺激因子産生促進物質である。
【選択図】 なし

Description

本発明は顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)産生促進物質に関する。更に詳しく云えば植物由来のサイトカイン産生調節活性を有する多糖体、特にアラビノフラノースを主要な構成糖とする多糖体を主要構造部分として有する顆粒球コロニー刺激因子産生促進物質に関する。
近年、免疫機能に作用して異物に対する防御力を高める効果を有する生体応答修飾物質・BRMが、がんの治療や各種アレルギー疾患の予防や治療、感染症の予防や治療との関係で注目されている。そしてBRMを応用した予防、治療方法が種々研究されているが、中でも、サイトカインと総称される物質が注目され、これを遺伝子工学的手法により製造し、これを利用する方法が研究されている。その一方で、天然素材やその抽出物を利用し、体内におけるある種のサイトカインを誘導し、宿主の免疫系を調節することにより感染症に対する抵抗力を高める作用やアレルギー体質を改善するための素材探索や検討も広くなされている(Barrett 、Phytomedicine 2003; 10: 66-86)。
サイトカインのうち、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)は分子量約19KDa,174個のアミノ酸からなる糖蛋白質で、骨髄中の前駆細胞から好中球への分化・増殖を促進する生理活性物質として同定された蛋白質である。このためヒトG−CSFのリコンビナント製剤は、好中球減少症の治療に使用されているが、さらに、骨髄から血球系幹細胞を末梢血中に動員する作用が注目され、末梢血幹細胞移植に臨床応用されて既に有効性と安全性が確認されている(Vensinger ら、N Engl J Med 2001; 344: 175-181.) 。
近年、臨床例において、G−CSFで動員された幹細胞が血球系に限らず心筋(Kocherら Nat Med 2001; 7: 430-436 )、ならびに肝および消化管粘膜(Korblingら、N Engl JMed 2002; 346: 738-746)の構成細胞に分化することが報告された。このように、G−CSFは好中球の動員・活性化を通して「自然免疫」に、また、幹細胞の動員を介して「組織再生」に深く関与していることが知られ、G−CSFには障害を受けた組織の修復促進作用が期待される。この観点からG−CSFの心血管疾患、特に虚血性疾患治療への応用が試みられ、実験レベルでの有効性はほぼ確立されている[竹村ら、J Jpn Coll Angiol,2006, 46: 317-325 ]。
一方、G−CSFの持つ免疫抑制作用が前述の末梢血幹細胞移植での知見を通して知られるようになってきた。骨髄から採取した単核細胞と比較して、G−CSFを投与後に末梢血から採取した単核細胞には多数のTリンパ球が混入しているにも関わらず、これを他人(同種)に輸注した場合でも対宿主性移植片病[ graft-versus-host disease(GVHD)]の頻度の有意の増加がみられないことが報告されている(Bensinger ら、N Engl J Med2001; 344: 175-181)。臨床例において、G−CSF処置後の末梢血中では1型免疫反応を誘導する樹状細胞(DC1)の数は変わらないが、2型免疫反応を促進する樹状細胞(DC2)の有意の増加が認められることが報告されている(Arpinatiら、Blood 2000; 95: 2484-2490 )。
また、G−CSF処置により単球の増加ならびに抗炎症性サイトカインIL−10産生性の亢進が起こり、これによりTリンパ球の活性化が抑制されることも報告されている(Mielcarek ら、Blood 1998; 92: 215-222 ) 。さらに、G−CSF投与がTh1からTh2への免疫学的シフトを誘導し、1型免疫反応過剰を病態とするGVHDの発生が予防されることが報告されている(Sloandら、Blood 2000; 95: 2269-2274 )。このように、G−CSFは1型免疫反応の抑制、あるいは2型免疫反応へのシフトを通して「獲得免疫」にも関与している。また、G−CSFは、免疫寛容誘導性形質細胞様樹状細胞や抑制性T細胞を誘導し、全身性エリテマトーデスや炎症性腸疾患の発症を抑制できることがマウスを用いた実験により示されている(Rutella ら、J Immunol 2005; 175: 7085-7091)。
本発明の目的は、体内におけるG−CSFの産生を促進させることによって、ヒトもしくはヒト以外の動物の免疫機能を調節することにより、各種疾患の予防および治療に寄与する顆粒球コロニー刺激因子産生促進物質を提供するものである。
本発明者らは、上記のごとく課題を解決するため和漢生薬、およびその含有成分を探索した。より具体的には植物である甜菜由来のアラビノフラノースを主要な構成糖とする多糖体が、腸上皮細胞やマウス腹腔マクロファージに作用してG−CSF産生を促進することを見いだした。すなわち、上記のごとく課題はG−CSF産生促進多糖体を含む例えば医薬品、医薬部外品、飲食品、嗜好品、飼料および化粧品等に適用して実現される。
本発明は、アラビノフラノースを主要な構成糖とする多糖体を有効成分とする顆粒球コロニー刺激因子産生促進物質、および当該糖鎖構造を有する多糖成分を有効成分として含む植物エキスからなる顆粒球コロニー刺激因子産生促進物質を提供することにある。このような本発明に係るアラビノフラノースを主要な構成糖とする多糖体が、腸上皮細胞やマクロファージに作用し、そのG−CSF産生を促進する作用を有することを示すことは公知の文献には記載が全くなく、本発明者らの研究によって初めて明らかにされた新規な知見である。
このような知見に基づいて研究開発された本発明は、請求項1に記載したように、アラビノフラノースを主要な構成糖とする多糖体からなる顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)産生促進物質である。
更にまた本発明は請求項2に記載したように、アラビノフラノースを主要な構成糖とする糖鎖構造部分を有する多糖体からなるG−CSF産生促進物質である。
更にまた本発明は請求項3に記載したように、甜菜由来のアラビノフラノースを主要な構成糖とする多糖体からなるG−CSF産生促進物質である。
更にまた本発明は請求項4に記載したように、請求項1ないし2のいずれかに記載の多糖体、およびその多糖体を含有する多糖画分もしくは抽出物を有効成分とするG−CSF産生促進物質である。
更にまた本発明は請求項5に記載したように、請求項3に記載の甜菜由来のアラビノフラノースを主要な構成糖とする多糖体を含有する多糖画分もしくは抽出物を有効成分とするG−CSF産生促進物質である。
更にまた本発明は請求項6に記載したように、甜菜根の抽出物からなるG−CSF産生促進物質である。
更にまた本発明は請求項7に記載したように、腸上皮細胞に作用してG−CSF産生を促進する経口投与で有効な請求項1から5のいずれか一つに記載の多糖体、多糖画分もしくは抽出物である。
本発明に係るアラビノフラノースを主要な構成糖とする多糖体は、植物、とくにアカザ科(Chenopodiaceae)フダンソウ属(Beta)の植物である甜菜(Beta vulgaris L. var. sacchariferaまたは Beta vulgaris L. subsp. vulgaris )の根部に多く含有されており、砂糖製造工程において甜菜根から砂糖を抽出した後の残渣であるビートパルプを乾燥後、2.5%水酸化カルシウム水溶液中で90−100℃に加温して抽出することにより効率的に得られる[Jones & Tanaka 1965, Methods in Carbohydrate Chemistry(ed by Whistler, RL, 巻 5, Academic Press, New York, p132) ]。
上記のようにして得られた粗画分はエタノール沈澱、透析、イオン交換クロマトグラフィーやゲル濾過などの公知の方法で精製することができる。抽出に用いる溶媒としては、前述の水酸化カルシウム水溶液の他、水などの極性の高い溶媒を用いた熱時抽出が望ましい。抽出物はそのままでも例えば医薬品、医薬部外品、健康食品、家畜飼料、および化粧品等に配合できるが、水、アルコールなどの溶媒で希釈しても、或いは濃縮、乾固したものを配合してもよく、配合量は用途に応じて考慮すればよい。甜菜の葉部および根部の絞りかすであるビートパルプは、家畜飼料として長年にわたって利用されていることから、本発明に係る多糖類は、安全性に関しては極めて高いと考えられる。
本発明において、前記多糖体を構成するアラビノース残基は、G−CSF産生促進活性を示す限りにおいては、その水素や水酸基の水素が、他の基に置換されていてもよい。置換基としては、例えば、フェルロイル基、アセチル基、メトキシル基、ベンジル基、アリール基、メチル基などが挙げられる。本発明において、アラビノフラノースを主要な構成糖とする多糖体の末端の糖残基は、遊離型でもよく、また他の成分に結合しても良い。結合する成分としては、アミノ酸、タンパク質、合成ポリマーなどが挙げられる。本発明において使用されるアラビノフラノースは、粗アラビノフラノース、精製アラビノフラノース、アラビノフラノースを主要な構成糖とする多糖体、同多糖体を含有する植物の抽出エキスなどが挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
甜菜由来の市販のアラビナン(Megazyme社、アイルランド国)500mgを100mlの精製水に溶解し、100mlのエチルアルコールを加え、一晩攪拌した。生じた沈澱を遠心分離(2000g、4℃、30分間)により回収し、水に再溶解後、精製水を用いて4日間透析を行ない、混入する低分子性の物質を除去した。透析内液を遠心分離し、得られた上清を凍結乾燥することによりアラビナンを精製した。このアラビナンの構成糖は、5%塩化水素−メタノールでメタノリシスを行った後、トリメチルシリル化後、ガスクロマトグラフィー(GLC)で分析した。糖残基の結合様式は、箱守法によるメチル化、酸加水分解を行った後、アルジトールアセテート誘導体とした後、ガスクロマトグラフィー−質量分析(GLC−MS)で分析した。
このアラビナンの構成糖(モル%)は、Ara:75.5、Rha:6.4、Fuc:0.1、Xyl:1.6、Man:0.7、Gal:9.8、Glc:0.7、GlcA:0.8及びGalA:4.4である。このアラビナンは、メチル化分析による糖結合様式の検討から、主として末端アラビノフラノース、5結合アラビノフラノース、3,5分岐アラビノフラノース、4結合ガラクトース、2結合および2,4分岐ラムノース、4結合ガラクツロン酸から構成されていた。
実施例1の方法で調製したアラビナンを10mLの蒸留水に再溶解し、DEAE−Sepharose CL−6Bカラム(内径3cm、長さ15cm Cl; -型、GEヘルスケアバイオサイエンス社)に付した。蒸留水、50mM食塩水、100mM食塩水および200mM食塩水を用いて順次溶出を行い、透析、次いで凍結乾燥することにより、中性および3種の酸性アラビナンを得た。このうち、主要な活性多糖は、200mM食塩水溶出画分として得られた酸性アラビナンであった。
この200mM食塩水の溶出によって得られた酸性アラビナンの構成糖は、5%塩化水素−メタノールでメタノリシスを行った後、トリメチルシリル化後、ガスクロマトグラフィー(GCL)で分析した。糖残基の結合様式は、箱守法によるメチル化、酸加水分解を行った後、アルジトールアセテート誘導体とした後、ガスクロマトグラフィー−質量分析(GCL−MS)で分析した。200mM食塩水の溶出によって得られたアラビナンの構成糖(モル%)は、Ara:61.2、Rha:11.6、Fuc:0.1、Xyl:2.2、Man:0、Gal:14.4、Glc:0、GlcA:1.9、GalA:8.5から構成されている。
本酸性アラビナンは、メチル化分析による糖結合様式の検討から、主として末端アラビノフラノース、5結合アラビノフラノース、3,5分岐アラビノフラノース、4結合ガラクトース、2結合および2,4分岐ラムノース、4結合ガラクツロン酸から構成されていた。甜菜由来の類似の酸性アラビナンの構造モデルは、すでにSakamotoおよびSakaiにより提唱されており(Sakamoto & Sakai、Phytochemistry 1995; 39: 821-823)、本発明の活性な酸性アラビナンも類似の構造を有すると考えられる。
次に、アラビナンを主要構造とする多糖体などがG−CSF産生促進作用を有することを以下の試験例に従って説明する。
[ 試験例1]
マウス(ICR、8週齢、日本エスエルシー社)の腹腔内に3%チオグリコレート培地(ディフコ社)3mlを注射し、3日後に腹腔内細胞を回収し、5%のウシ胎児血清を含むRPMI−1640培地に1x106 cells/mlとなるように懸濁し、96穴プレートの各穴に分注し、37℃1時間インキュベートした後、各穴を5%のウシ胎児血清を含むRPMI−1640培地で2回洗浄し、各穴に残存するプラスチック付着性細胞をマウス腹腔マクロファージとして用いた。得られたマクロファージを本発明のアラビナン存在下に5%のウシ胎児血清を含むRPMI−1640培地を用いて24時間培養し、得られた培養上清中のG−CSFをELISA法キット(R&D社)を用いて測定した。その結果を図1に示した。
図1は実施例1で精製したアラビナンのマウス腹腔マクロファージのG−CSF産生に及ぼす作用を示したものである。横軸にはコントロール、及び本発明のアラビナンが示され、縦軸にはG−CSF(ng/mL)が示してある。本検討により明らかなごとく本発明の多糖体はマクロファージのG−CSF産生をコントロール群に較べ著明に促進することが明らかとなった。
[ 試験例2]
マウス(C3H/HeJ、6週齢、日本エスエルシー社)の結腸を摘出し、反転後、生理食塩水で5回洗浄し、腸内容物を除去した後、1%のディスパーゼを含むDMEM中に入れ、5%CO2 、95%O2 ガスをバブリングしながら、37℃30分間酵素消化を行った。ボルッテクスミキサーで攪拌後、細胞浮遊液を回収した。残存する腸組織には1%のディスパーゼを含むDMEM培地を加え、再度、5%CO2 、95%O2 ガスをバブリングしながら、37℃30分間酵素消化を行った。ボルッテクミキサーで攪拌後、細胞浮遊液を回収した。2回の酵素消化で得られた細胞浮遊液を合わせ、遠心分離(1500rpm、10min)により細胞を沈澱させた。
ハンクス緩衝液で細胞を3回洗浄後、金属メッシュ(No.200)に続いてナイロンメッシュ(50μm)を通した後、再度、遠心分離(1500rpm、10min)により細胞を沈澱させた。得られた細胞を5%のFBSを含むDMEM培地に懸濁した後、直径10cmの培養ディッシュに入れ、5%CO2 存在下、37℃1時間培養した。培養後、浮遊細胞を回収し、25%パーコール溶液上に重層した後、遠心し、5%のFBSを含むDMEM培地と25%パーコールの境界付近の細胞を腸上皮細胞として回収した。得られた腸上皮細胞を本発明のアラビナン存在下に5%のウシ胎児血清を含むDMEM培地を用いて24時間培養し、得られた培養上清中のG−CSFをELISA法キット(R&D社)を用いて測定した。その結果を図2に示した。
図2は、実施例1で精製したアラビナンのマウス初代培養結腸上皮細胞のG−CSF産生に及ぼす作用を示したものである。横軸にはコントロール、及び本発明のアラビナンが示され、縦軸にはG−CSF(pm/mL)が示してある。本検討により本発明の多糖体は初代培養結腸上皮細胞のG−CSF産生をコントロール群に較べ著明に促進することが明らかとなった。
[ 試験例3]
実施例1で精製したアラビナンを10mg/mLとなるように生理食塩水に溶解し、10mL/kgの液量でマウス(C3H/HeJ、12週齢、日本エスエルシー社)の腹腔内に注射した(100mg/kg)。コントロール群には同量の生理食塩水を注射した。投与後、経時的に血液100μLを眼窩静脈叢より採血し、直ちに等量のヘパリン加生理食塩水と混和後、遠心分離により血漿を調製した。得られた血漿中のG−CSF量をELISA法キット(R&D社)により測定した。その結果を図3に示した。
図3及び図4は実施例1で調製したアラビナンのマウスの血中G−CSF含量に及ぼす作用を示したものである。図3は血中G−CSF濃度の経時変化を示し、横軸には時間を、縦軸にはG−CSF(ng/mL)が示され、−○−はコントロール、−●−は本発明のアラビナンである。図4は投与3時間後のG−CSF血中濃度が示され、横軸にはコントロール、及び本発明のアラビナンが、縦軸にはG−CSF(ng/mL)が示してある。測定の結果、本発明のアラビナンを注射することにより、投与3時間後に血中G−CSF濃度の著明な上昇が観察され、投与9時間後においてもコントロール群に較べ有意な血中G−CSF濃度の上昇が観察された。この結果より、マウスを用いたin vivoの試験においても、本発明の多糖体がG−CSF産生を著明に促進し、血中G−CSF濃度を上昇させることが明らかとなった。
[ 試験例4]
実施例1で精製したアラビナンを蒸留水に溶解後、18時間絶食させたマウス(C3H/HeJ、7週齢、日本エスエルシー社)に200mg/kgまたは1000mg/kgの用量となるように経口投与し、1時間後に再度同量を経口投与した。投与開始6時間後に、血液75μLを眼窩静脈叢より採血し、直ちに等量のヘパリン加生理食塩水と混和後、遠心分離により血漿を調製した。得られた血漿中のG−CSF量をELISA法キット(R&D社)により測定した。その結果を図5に示した。
図5は、実施例1で精製したアラビナンを経口投与したマウスの血中G−CSF含量に及ぼす作用を示したものである。横軸にはコントロール、及び本発明のアラビナンを、縦軸にはG−CSF(ng/mL)が示してある。本発明の多糖体を経口投与することにより、血中G−CSF濃度の有意な上昇が観察された。この血中G−CSF濃度の上昇は用量依存的であった。この結果より、経口投与された本発明の多糖体はin vivoにおいてG−CSF産生を促進し、血中G−CSF濃度を上昇させることが明らかとなった。[ 試験例5]
マウス(C3H/HeJ、6週齢、日本エスエルシー社)の腹腔内に3%チオグリコレート培地(ディフコ社)3mlを注射し、3日後に腹腔内細胞を回収し、5%のウシ胎児血清を含むRPMI−1640培地に1×106 cells/mlとなるように懸濁し、96穴プレートの各穴に分注し、37℃1時間インキュベートした後、各穴を5%のウシ胎児血清を含むRPMI−1640培地で2回洗浄し、各穴に残存するプラスチック付着性細胞をマウス腹腔マクロファージとして用いた。得られたマクロファージを実施例2で精製した酸性アラビナン存在下に5%のウシ胎児血清を含むRPMI−1640培地を用いて24時間培養し、得られた培養上清中のG−CSFをELISA法キット(R&D社)を用いて測定した。その結果を図6に示した。
図6は実施例2で精製した酸性アラビナンのマウス腹腔マクロファージのG−CSF産生に及ぼす作用を示したものである。横軸にはコントロール、及び本発明の酸性アラビナンを、縦軸にはG−CSF(ng/mL)が示してある。本検討により実施例2で精製した本発明の酸性アラビナンはコントロール群に較べマクロファージのG−CSF産生を著明に促進することが明らかとなった。
本発明の多糖体のマクロファージに対するG−CSF産生促進活性を示したものである。 本発明の多糖体のマウス初代培養結腸上皮細胞に対するG−CSF産生促進活性を示したものである。 本発明の多糖体をマウスに投与することによりマウスの血中G−CSF濃度の経時変化を示したものである。 本発明の多糖体をマウスに投与3時間後のG−CSF含量が著明に増加することを示したものである。 本発明の多糖体をマウスに経口投与6時間後のマウスの血中G−CSF含量が有意に増加することを示したものである。 本発明の多糖体に含まれる酸性アラビナンのマクロファージに対するG−CSF産生促進活性を示したものである。

Claims (7)

  1. アラビノフラノースを主要な構成糖とする多糖体からなる顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)産生促進物質。
  2. アラビノフラノースを主要な構成糖とする糖鎖構造部分を有する多糖体からなるG−CSF産生促進物質。
  3. 甜菜由来のアラビノフラノースを主要な構成糖とする多糖体からなるG−CSF産生促進物質。
  4. 請求項1ないし2のいずれかに記載の多糖体、およびその多糖体を含有する多糖画分もしくは抽出物を有効成分とするG−CSF産生促進物質。
  5. 請求項3に記載の甜菜由来のアラビノフラノースを主要な構成糖とする多糖体を含有する多糖画分もしくは抽出物を有効成分とするG−CSF産生促進物質。
  6. 甜菜根の抽出物からなるG−CSF産生促進物質。
  7. 腸上皮細胞に作用してG−CSF産生を促進する経口投与で有効な請求項1から5のいずれか一つに記載の多糖体、多糖画分もしくは抽出物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010195728A (ja) * 2009-02-26 2010-09-09 Yamato Yakuhin Kk 腸疾患治療剤

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