JP2008273174A - ハニカム構造体の製造方法 - Google Patents

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一茂 大野
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雅文 国枝
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Abstract

【課題】寸法精度の高いハニカム構造体を製造することのできるハニカム構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】セラミック粉末とバインダとを含む原料組成物を押出成形することにより、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製する押出成形工程と、前記ハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体を作製する焼成工程と、複数個の前記ハニカム焼成体を所定の位置に位置決めし、その両端面を保持する保持工程と、所定の位置に保持された複数の前記ハニカム焼成体の間の空間に接着剤ペーストを注入する注入工程と、前記接着剤ペーストを乾燥固化させて接着剤層とする乾燥工程とを行うことを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、ハニカム構造体の製造方法に関する。
これまで、排ガス浄化フィルタ又は触媒担体として、長手方向に多数のセルが設けられたハニカム焼成体を複数個組み合わせてなる集合型ハニカム構造体が知られている。このような集合型ハニカム構造体では、各ハニカム焼成体の側面に接着剤層が形成されており、上記接着剤層を介してハニカム焼成体同士が接着されている。
そして、特許文献1には、このようなハニカム構造体のうち円柱状のものを製造する方法として、形状の異なる3種類のハニカム焼成体を接着剤層を介して結束することによって製造するハニカム構造体の製造方法が知られている。
従来、ハニカム焼成体を接着する結束工程においては、ハニカム焼成体の側面に接着剤ペーストを塗布し、接着剤ペースト塗布面に別のハニカム焼成体の側面を重ねることによって、ハニカム焼成体を一本づつ組み合わせていた。
この場合、塗布する接着剤ペーストの厚みばらつきによって、作製するハニカム構造体の寸法精度が悪くなることがあった。このような問題に対しては特許文献2に示すように接着剤層中にスペーサを挟むことによって改善を図る方法が知られているが、接着剤ペーストの粘度が高い場合などにはその改善効果は小さく、スペーサを用いることによる寸法精度の改善には限界があった。
また、従来用いられていた結束方法ではハニカム焼成体のうちの一つの位置がずれた場合に、そのずれたハニカム焼成体に重ねるハニカム焼成体の位置も本来の位置からずれてしまうため、ハニカム焼成体を組み合わせた形状全体の寸法精度が悪くなってしまうという問題があった。
そして、特許文献1に記載されているような、形状の異なるハニカム焼成体を組み合わせてハニカム構造体を製造する場合、ハニカム焼成体を組み合わせた形状の寸法精度が悪いと、製造されるハニカム構造体の寸法精度も悪くなってしまい、寸法精度の悪いハニカム構造体は排ガス浄化フィルタとしてケーシング内に設置することが困難となってしまうという問題があった。
特開2004−154718号公報 特開2002−102627号公報
本発明は、これらの問題を解決するためになされたものであり、寸法精度の高い集合型ハニカム構造体を製造することのできるハニカム構造体の製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、請求項1に記載のハニカム構造体の製造方法は、セラミック粉末とバインダとを含む原料組成物を押出成形することにより、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製する押出成形工程と、
上記ハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体を作製する焼成工程と、
複数個の上記ハニカム焼成体を所定の位置に位置決めし、その両端面を保持部材で保持する保持工程と、
所定の位置に保持された複数の上記ハニカム焼成体の間の空間に接着剤ペーストを注入する注入工程と、
上記接着剤ペーストを乾燥固化させて接着剤層とする乾燥工程とを行うことを特徴とする。
請求項1に記載のハニカム構造体の製造方法によると、保持工程においてハニカム焼成体を所定の位置に位置決めし、その両端面を保持部材で保持し、位置決めしたハニカム焼成体の間の空間に注入工程において接着剤ペーストを注入するため、接着剤ペーストの厚みは上記空間の幅と略同一となる。そのため、寸法精度の高いハニカム構造体を製造することができる。また、ハニカム焼成体を注入工程前に所定の位置に位置決めしているため、一つのハニカム焼成体の位置がずれた場合であっても他のハニカム焼成体の位置はそのずれの影響を受けることがない。そのため、ハニカム構造体全体としての寸法精度の高いハニカム構造体を製造することができる。
請求項2に記載のハニカム構造体の製造方法では、上記ハニカム焼成体の保持は、保持部材を一つのハニカム焼成体の端面に当接して、上記ハニカム焼成体を保持することが可能なように行う。
請求項3に記載のハニカム構造体の製造方法では、上記ハニカム焼成体の保持は、保持部材を複数のハニカム焼成体の端面に当接して、上記複数のハニカム焼成体を一括して保持することが可能なように行う。
請求項4に記載のハニカム構造体の製造方法では、上記保持工程では、載置面を有する複数個の載置部材の載置面上にそれぞれ複数個の上記ハニカム焼成体を互いに上記長手方向が平行となる向きに前もって載置しておき、
一の載置部材の載置面上の各ハニカム焼成体を所定の位置に位置決めし、保持部材でその両端面を保持し、
次に、上記一の載置部材を他所に移動させた後に、保持した上記ハニカム焼成体の直下で他の載置部材の載置面上の各ハニカム焼成体を所定の位置に位置決めし、保持部材でその両端面を保持し、
以下、ハニカム焼成体を保持した後の載置部材の他所への移動と別の載置部材の載置面上のハニカム焼成体の保持を繰り返すことによって必要数のハニカム焼成体を所定の位置に位置決めして保持する。
請求項4に記載のハニカム構造体の製造方法によると、複数個のハニカム焼成体を載置面に載置することによって、同じ載置面に載置したハニカム焼成体相互の位置を載置面に沿って揃えることができ、より寸法精度の高いハニカム構造体を製造することができる。
請求項5に記載のハニカム構造体の製造方法は、上記保持工程では、第一〜第四の上記載置部材の載置面上にそれぞれ四個の上記ハニカム焼成体を載置する。
請求項6に記載のハニカム構造体の製造方法は、上記保持工程では、上記第一〜第三の載置部材の載置面は平面であり、第一〜第三の上記載置部材の載置面上に上記ハニカム焼成体の側面のうち平面である面を載置し、
上記第四の載置部材の載置面は曲面であり、上記第四の載置部材の載置面上に上記ハニカム焼成体の側面のうち曲面である面を載置する。
請求項7に記載のハニカム構造体の製造方法では、上記載置面には位置決め用の突起部が設けられている。
請求項7に記載のハニカム構造体の製造方法によると、載置面に載置したハニカム焼成体の位置がずれる動きの幅が突起部の間隔以内に制限されるため、載置面に載置したハニカム焼成体の位置精度を向上させることができ、きわめて寸法精度の高いハニカム構造体を製造することができる。
請求項8に記載のハニカム構造体の製造方法では、上記載置面に位置決め用の溝が設けられている。
請求項8に記載のハニカム構造体の製造方法によると、載置面に載置したハニカム焼成体の位置がずれる動きの幅が溝部の幅以内に制限されるため、載置面に載置したハニカム焼成体の位置精度を向上させることができ、きわめて寸法精度の高いハニカム構造体を製造することができる。
請求項9に記載のハニカム構造体の製造方法では、複数種類の上記ハニカム焼成体からなる円柱形状のハニカム構造体を製造する。
(第一実施形態)
以下、本発明の一実施形態である第一実施形態について図面を参照しながら説明する。
本発明では、まず、セラミック粉末とバインダとを含む原料組成物を押出成形することにより、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製する押出成形工程と、上記ハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体を作製する焼成工程とを行い、ハニカム焼成体を得る。
ハニカム焼成体の形状は、特に限定されるものではなく、四角柱状等であってもよいが、本実施形態では、複数種類の形状からなるハニカム焼成体を製造しておき、これらを組み合わせることにより、外周部の切削加工等の後加工等を行うことなく、円柱形状のハニカム構造体を作製する方法を採用した場合について説明する。
図1(a)〜(c)は、種々のハニカム焼成体を組み合わせて製造する際に用いるハニカム焼成体を模式的に示した斜視図であり、矢印Aで示したセルに平行な方向を長手方向といい、セルが露出した面を端面といい、端面以外の面を側面ということとする。
ハニカム焼成体31では、多数のセル31aがセル壁31bを隔てて長手方向に平行に形成されており、セル31aのいずれかの端部が封止材31cにより封止されており、側面は、2つの平面と1つの曲面により構成されている。
ハニカム焼成体32では、多数のセル32aがセル壁32bを隔てて長手方向に平行に形成されており、セル32aのいずれかの端部が封止材32cにより封止され、側面は、3つの平面と1つの曲面により構成されている。
ハニカム焼成体33では、多数のセル33aがセル壁33bを隔てて長手方向に平行に形成されており、セル33aのいずれかの端部が封止材33cにより封止され、側面は、4つの平面により構成されている。
図2(a)〜(d)、図3(a)〜(d)及び図4(a)〜(c)は、上記ハニカム焼成体31、32、33を用いた第一の実施形態に係るハニカム構造体の製造工程を模式的に示した図面である。各図面において、左側は、縦断面図であり、右側は、平面図である。なお、各ハニカム焼成体については、輪郭のみで示している。
本実施形態では、載置面を有する複数個の載置部材の載置面上にそれぞれ複数個の上記ハニカム焼成体を互いに長手方向が平行となる向きに前もって載置しておく。
まず、図2(a)に示すように、載置部材10の載置面10a上の左右の両端の位置に、2個のハニカム焼成体31を配置し、一方、2個のハニカム焼成体31に挟まれる位置に2個のハニカム焼成体32を配置し、これらのハニカム焼成体31、32が載置された載置部材10を、封止材ペーストの注入等が可能な組立装置内に搬送し、載置面10aが水平になるように固定する。
長手方向が平行になるように載置された4個のハニカム焼成体31、32のそれぞれの四隅の位置には、位置決め用の突起部11a、11bが設けられている。これによりハニカム焼成体31、32の位置が所定の範囲内に決められる。すなわち、それぞれのハニカム焼成体31、32は、四隅の位置に配置された4個の突起部11a、11bに挟まれており、図面上、左右方向の位置は、これらの突起部11a、11bにより規制される。この場合、載置面10a上には、合計10個の突起部11a、11bが形成されている。
位置決め用の突起部11a同士の間隔及び突起部11b同士の間隔は、ハニカム焼成体31、32の寸法誤差を考慮に入れて、ハニカム焼成体31、32の幅よりほんの少し広くとっており、一定の範囲で少し移動可能である。しかし、4個のハニカム焼成体31、32の左右にも位置を規制する突起部11a、11bが形成されているため、ハニカム焼成体31は、突起部11a、11bの位置より外側にはみ出すことはなく、例えば、ハニカム焼成体を所定の厚さのスペーサを介して接着した場合と比較して、より正確にハニカム焼成体31、32の幅を一定に保つことができる。
次に、図2(b)に示すように、組立装置に備え付けられた保持部材20がハニカム焼成体31、32の両端面方向に延び、ハニカム焼成体31、32の両端面に当接し、ハニカム焼成体31、32を両端面からしっかり挟んで保持する。
このとき、保持部材20は、ハニカム焼成体31、32の端面が同一平面上に揃うように、ハニカム焼成体31、32を保持する。
次に、載置部材10を他所に移動させるが、ハニカム焼成体31、32は、保持部材20によりしっかりと保持されており、載置部材10上に載置された際の位置と同一の位置にしっかりと固定されている。
次に、図2(c)に示すように、載置面12a上に2個のハニカム焼成体32と四角柱状の2個のハニカム焼成体33とが4個の突起部13a、13bにそれぞれ挟まれて互いに平行に載置された載置部材12を、保持部材20により保持された4個のハニカム焼成体31、32の下の位置に搬送する。この場合、載置部材12の載置面12a上には、合計10個の突起部13a、13bが形成されている。この後、固定されている上の4個のハニカム焼成体31、32の最上部と下の4個のハニカム焼成体32、33の最下部との鉛直方向の間隔hが一定の間隔となり、上の4個のハニカム焼成体31、32の底面と下の4個のハニカム焼成体32、33の底面とが平行になり、かつ、長手方向に中心軸を設定した際、上の4個のハニカム焼成体31、32の全体の中心軸と下の4個のハニカム焼成体32、33の全体の中心軸とが鉛直方向に重なるように、載置部材12が配置される。間隔hに関しては、上に存在するハニカム焼成体32の鉛直方向の最大幅の平均を測定しておき、その値に基づいて載置部材12の位置を計算する。水平方向の位置に関しては、上の載置部材との位置関係であるので、容易に計算することができ、アーム等の把持部を有するロボット等を用い、計算された位置に載置部材12を配置することができる。
次に、図2(d)に示すように、組立装置に備え付けられた別の保持部材21が周囲からハニカム焼成体32、33の両端面方向に延びてハニカム焼成体32、33の両端面に当接し、ハニカム焼成体32、33を両端面からしっかり挟んで保持する。
このとき、保持部材21は、8個のハニカム焼成体31、32、33(以下、ハニカム焼成体31〜33と記す)の端面が同一平面上に揃うように、ハニカム焼成体32、33を保持する。
次に、前と同様に載置部材12を他所に移動させるが、ハニカム焼成体32、33は、保持部材21によりしっかりと保持されており、載置部材12上に載置された際の位置と同一の位置にしっかりと固定されている。
次に、図3(a)に示すように、載置面14a上に2個のハニカム焼成体32と2個のハニカム焼成体33とが4個の突起部15a、15bにそれぞれ挟まれて互いに平行に載置された載置部材14を、保持部材20、21により保持された8個のハニカム焼成体31〜33の下の位置に搬送する。この場合、載置面14a上には、合計10個の突起部15a、15bが形成されている。この後、固定されている上の8個のハニカム焼成体31〜33の最上部と下の4個のハニカム焼成体32、33の最下部との鉛直方向の間隔hが一定の間隔となり、上の8個のハニカム焼成体31〜33の底面と下の4個のハニカム焼成体32、33の底面とが平行になり、かつ、長手方向に中心軸を設定した際、上の8個のハニカム焼成体31〜33の全体の中心軸と下の4個のハニカム焼成体32、33の全体の中心軸とが鉛直方向に重なるように、載置部材14が配置される。
次に、図3(b)に示すように、組立装置に備え付けられた別の保持部材22が周囲からハニカム焼成体32、33の両端面方向に延びてハニカム焼成体32、33の両端面に当接し、ハニカム焼成体32、33を両端面からしっかり挟んで保持する。
このとき、保持部材22は、12個のハニカム焼成体31〜33の端面が同一平面上に揃うように、ハニカム焼成体32、33を保持する。
次に、図3(c)に示すように、曲面を含んで構成された載置面16a上に2個のハニカム焼成体31と2個のハニカム焼成体32とが6個の突起部17a、17bにより所定の位置に載置された載置部材16を、保持部材20、21、22により保持され12個のハニカム焼成体31〜33の下の位置に搬送する。この後、固定されている上の12個のハニカム焼成体31〜33の最上部と下の4個のハニカム焼成体31、32の最下部との鉛直方向の間隔h、すなわち、ハニカム構造体30の鉛直方向の間隔が一定となり、上の12個のハニカム焼成体31〜33の底面と下の4個のハニカム焼成体31、32の上面とが平行になり、かつ、長手方向に中心軸を設定した際、上の12個のハニカム焼成体31〜33の全体の中心軸と下の4個のハニカム焼成体31、32の全体の中心軸とが鉛直方向に重なるように、載置部材16が配置される。
なお、この場合、2個のハニカム焼成体31と2個のハニカム焼成体32は、作製しようとする円柱形状のハニカム構造体の下部に相当するため、曲面となっている部分が下側になるように載置する必要がある。そのため、図3(c)に示すように、載置面16aに、ハニカム焼成体31、32の下部と同じ形状に窪んだ曲面形状の凹部160aが形成されており、その凹部160aに嵌合するようにハニカム焼成体31、32が曲面を下にして載置されている。
次に、図3(d)に示すように、組立装置に備え付けられた別の保持部材23が周囲からハニカム焼成体31、32の両端面方向に延びてハニカム焼成体31、32の両端面に当接し、ハニカム焼成体31、32を両端面からしっかり挟んで保持する。
このとき、保持部材23は、16個のハニカム焼成体31〜33の端面が同一平面上に揃うように、ハニカム焼成体31、32を保持する。
このようにして、ハニカム構造体30を構成する16個のハニカム焼成体31〜33を長さ方向に平行に、かつ、同じ側にある各端面が同じ平面を構成するように整列、固定させることができる。このように整列した16個のハニカム焼成体31〜33をハニカム集合体300ということとする。
この後、図4(a)に示すように、接着剤ペーストが両端面から溢れ出ないように、格子状の端面密着部材40をハニカム集合体300の両端面の空間部分を塞ぐように密着させ、次に、図4(b)に示すように、ハニカム集合体300の両端面以外の部分である側面の全体に柔らかい樹脂製のシート45を巻き付け、側面からも接着剤ペーストが漏れないようにする。シート45には、接着剤ペーストを注入するための注入パイプ46が配設されており、注入パイプ46より接着剤ペーストを注入することにより、ハニカム集合体300を構成するハニカム焼成体31〜33の空間部分に接着剤ペーストが充填される。
この後、シート45及び端面密着部材40を取り除き、所定の温度で接着剤ペーストを乾燥させることにより、図4(c)に示すように、ハニカム焼成体31、32、33が接着剤層34を介して接着されたハニカム構造体30を得ることができる。
従来のように、ハニカム焼成体を所定の厚さのスペーサを介して接着した場合に比べて、上記実施形態では、ハニカム構造体30の水平方向の間隔は、載置部材の載置面に突起部を形成して制御しており、垂直方向の間隔は、載置部材の鉛直方向の位置の制御により制御しているため、ハニカム焼成体の寸法やハニカム焼成体間の空間のばらつきが大きい方に偏ったり、小さい方に偏ることに起因する寸法の大きなずれが発生せず、寸法精度の高いハニカム構造体を製造することができる。
以上、複数個のハニカム焼成体を所定の位置に位置決めし、その両端面を保持部材で挟んで保持する保持工程について説明を行ったが、保持工程における保持の方法は、保持部材で挟んで保持する方法に限られず、ハニカム焼成体の両端面を保持部材で引っ掛けて保持する方法等、どのような方法で保持してもよい。しかしながら、保持のしやすさ、確実性、ハニカム焼成体の外周部へのクラック、損傷の影響を考えると、保持部材で挟んで保持する方法が好ましい。
図4(c)に示したハニカム構造体は、セルのいずれか一方の端部が封止されており、排ガス浄化用のハニカムフィルタとして用いることができ、場合によっては、触媒も担持することができる。
一方、ハニカム構造体は、セルの端部がいずれも封止材で封止されていないハニカム構造体であってもよく、このようなハニカム構造体は、触媒担体として好適に使用することができる。
図5(a)は、ハニカム構造体30を構成するハニカム焼成体33を示す斜視図であり、(b)は、そのA−A線断面図である。
このハニカム焼成体33では、長手方向(図5(a)中、矢印Aの方向)に多数のセル33aが並設され、セル33a同士を隔てるセル壁33bがフィルタとして機能するようになっている。
即ち、ハニカム焼成体33に形成されたセル33aは、図5(b)に示すように、排ガスの入口側又は出口側の端部のいずれかが封止材33cにより目封じされ、一のセル33aに流入した排ガスは、必ずセル33aを隔てるセル壁33bを通過した後、他のセル33aから流出するようになっており、排ガスがこのセル壁33bを通過する際、パティキュレートがセル壁33b部分で捕捉され、排ガスが浄化されるのである。
以下、本実施形態のハニカム構造体の製造方法の全工程について説明する。以下においては、ハニカム構造体の端部のいずれかが封止材により目封じされたハニカム構造体の製造方法について説明することとする。
まず、セラミック原料として平均粒子径の異なる炭化ケイ素粉末と有機バインダとを乾式混合して混合粉末を調製するとともに、液状の可塑剤と潤滑剤と水とを混合して混合液体を調製し、続いて、上記混合粉末と上記混合液体とを湿式混合機を用いて混合することにより、成形体製造用の湿潤混合物を調製する。
上記炭化ケイ素粉末の粒径は特に限定されないが、後の焼成工程を経て作製されたハニカム焼結体の大きさが、脱脂されたハニカム成形体の大きさに比べて小さくなる場合が少ないものが好ましく、例えば、0.3〜50μmの平均粒径を有する粉末100重量部と0.1〜1.0μmの平均粒径を有する粉末5〜65重量部とを組み合せたものが好ましい。
無機粉末の粒径を調節することにより、ハニカム焼成体の気孔径等を調節することができる。
続いて、上記湿潤混合物を押出成形機に投入する。
押出成形機に投入された上記湿潤混合物は、押出成形により所定の形状のハニカム成形体となる。このハニカム成形体を切断し、乾燥機を用いて乾燥させ、乾燥させたハニカム成形体とする。
次に、乾燥させたハニカム成形体の両端を切断装置を用いて切断する切断工程を行い、ハニカム成形体を所定の長さに切断する。次いで、ガス流入側端面が開口するセル群のガス流出側の端部、及び、ガス流出側端面が開口するセルのガス流入側の端部に、封止材となる封止材ペーストを所定量充填し、セルを目封じする。このセルの目封じの際には、例えば、ハニカム成形体の端面(すなわち切断工程後の切断面)に目封じ用のマスクを当てて、目封じの必要なセルにのみ封止材ペーストを充填する方法を用いることができる。
このような工程を経て、セル封止ハニカム成形体を作製する。
次に、セル封止ハニカム成形体中の有機物を脱脂炉中で加熱する脱脂工程を行い、焼成炉に搬送し、焼成工程を行ってハニカム焼成体を作製する。
この後は、上述したように複数個のハニカム焼成体を所定の位置に位置決めし、その両端面を保持部材で挟んで保持する保持工程と、所定の位置に保持された複数の上記ハニカム焼成体の間の空間に接着剤ペーストを注入する注入工程と、上記接着剤ペーストを乾燥固化させて接着剤層とする乾燥工程とを行うことにより、ハニカム構造体を製造する。
なお、接着剤ペーストとしては、例えば、無機バインダと有機バインダと無機繊維及び/又は無機粒子とからなるものを使用することができる。
以下、本実施形態に係るハニカム構造体の製造方法の作用効果について列挙する。
(1)第一実施形態に係るハニカム構造体の製造方法においては、保持工程において、位置決め用の突起部が形成された載置部材上に複数個のハニカム焼成体を互いに上記長手方向が平行となる向きに前もって載置し、組立装置の一定の位置に正確に搬送することによりハニカム焼成体を所定の位置に位置決めし、それぞれのハニカム焼成体の端面を保持部材で挟んで保持し、位置決めしたハニカム焼成体の間の空間に注入工程において接着剤ペーストを注入するため、接着剤ペーストの厚みは上記空間の幅と略同一となる。
そのため、寸法精度の高いハニカム構造体を製造することができる。また、ハニカム焼成体を注入工程前に所定の位置に位置決めしているため、一つのハニカム焼成体の位置がずれた場合であっても他のハニカム焼成体の位置はそのずれの影響を受けることがない。そのため、ハニカム構造体全体としての寸法精度の高いハニカム構造体を製造することができる。
(2)また、縦4個×横4個の計16個のハニカム焼成体からなるハニカム構造体の製造工程において、横4個ごとのハニカム焼成体の位置を載置面に沿って揃えることができ、寸法精度の高いハニカム構造体を製造することができる。
(3)また、本実施の形態のように、円柱形状のハニカム構造体を製造する場合においても、載置面に曲面が形成された載置部材を用いることにより、寸法精度高く製造することができる。
以下、本発明の第一実施形態をより具体的に開示した実施例を示すが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例では、上記実施形態による方法及び従来の方法によりハニカム構造体を製造し、得られたハニカム構造体の寸法を測定した。
(実施例1)
(1)平均粒径22μmを有する炭化ケイ素の粗粉末52.8重量%と、平均粒径0.5μmの炭化ケイ素の微粉末22.6重量%とを湿式混合し、得られた混合物に対して、アクリル樹脂2.1重量%、有機バインダ(メチルセルロース)4.6重量%、潤滑剤(日本油脂社製 ユニルーブ)2.8重量%、グリセリン1.3重量%、及び、水13.8重量%を加えて混練して混合組成物を得た後、押出成形を行い、図1(a)に示すハニカム焼成体31の形状と略同様の形状の生のハニカム成形体、図1(b)に示すハニカム焼成体32の形状と略同様の形状の生のハニカム成形体、及び、図1(c)に示すハニカム焼成体33の形状と略同様の形状であってセルの目封じがされていない生のハニカム成形体をそれぞれ作製した。
(2)次に、これらの生のハニカム成形体を、その長手方向の長さが150mmとなるように切断し、次いで、マイクロ波乾燥機を用いて上記生のハニカム成形体を乾燥させ、ハニカム成形体の乾燥体とした後、上記生成形体と同様の組成のペーストを所定のセルに充填し、再び乾燥機を用いて乾燥させた。
(3)乾燥させたハニカム成形体を400℃で脱脂し、常圧のアルゴン雰囲気下2200℃、3時間の条件で焼成を行うことにより、ハニカム焼成体31、32、33を作製した。
製造したハニカム焼成体31の大きさは、図1(a)に示した平面からなる側面部分の幅a、aがいずれも19.9mm±0.5mm、長さが150mm、セルの数が31個/cm、セル壁の厚さが0.3mmであった。
ハニカム焼成体32の大きさは、図1(b)に示した平面からなる側面部分の幅b、bが35mm±0.5mm、bが20mm±0.5mm、長さが150mm、セルの数が31個/cm、セル壁の厚さが0.3mmであった。
ハニカム焼成体33の大きさは、図1(c)に示した側面部分の幅c、cが35mm±0.5mm、長さが150mm、セルの数が31個/cm、セル壁の厚さが0.3mmであった。
(4)平均繊維長20μmのアルミナファイバ30重量%、平均粒子径0.6μmの炭化ケイ素粒子21重量%、シリカゾル15重量%、カルボキシメチルセルロース5.6重量%、及び、水28.4重量%を含む耐熱性の接着剤ペーストを用い、上述した方法を用いてハニカム構造体を製造した。
すなわち、保持工程において、位置決め用の突起部が形成された載置部材上に4個のハニカム焼成体を互いに長手方向が平行となる向きに前もって載置し、組立装置の一定の位置に正確に搬送することによりハニカム焼成体を所定の位置に位置決めし、それぞれのハニカム焼成体の端面を保持部材で挟んで保持し、位置決めした16個のハニカム焼成体からなる集合体の間の空間に注入工程において接着剤ペーストを注入し、16個のハニカム焼成体を接着した後、120℃で乾燥させる乾燥工程を行うことにより、ハニカム構造体を製造した。このとき、円柱からなるハニカム構造体の直径は、143mm±1mmに設定した。
(比較例1)
実施例1と同様に(1)、(2)、(3)の工程を実施し、ハニカム焼成体31、32、33を製造した。
(4)次に、ハニカム焼成体31、32、33の側面に2箇所、直径が5.0mmで厚さが1.0mmのダンボール製のスペーサを貼り付けた。ただし、16個のハニカム焼成体31、32、33を接着剤ペーストを介して組み立てる際、隣り合わせとなる側面のいずれか一方のみにだけ、スペーサが存在するように、スペーサの数を調整した。
そして、実施例1で用いた接着剤ペーストと同様の組成の接着剤ペーストを使用し、接着剤ペーストをほぼ均一な厚さになるように塗布してほぼスペーサと同様の厚さの接着剤ペースト層を形成し、この接着剤ペースト層の上に、順次他のハニカム焼成体を積層する工程を繰り返し、この後、120℃で乾燥させる乾燥工程を行うことにより、ハニカム構造体を製造した。
(外形形状の測定)
実施例1に係るハニカム構造体と比較例に係るハニカム構造体を50個作製し、端面を写真撮影した。
そして、端面の輪郭に関し、写真から最小二乗法による形状分析を行い、中心を決定するとともに、輪郭の最も外側の点に接する円の半径rと輪郭の最も内側に接する円の半径rとの差(r−r)を求めた。
その結果、実施例1では、(r−r)の最大が0.8mm、(r−r)の最小が0.2mm、(r−r)の平均が0.4mmであったのに対し、比較例1では、(r−r)の最大が2.5mm、(r−r)の最小が0.6mm、(r−r)の平均が1.7mmであり、実施例の方が位置ずれが少ないハニカム構造体を製造することができることがわかった。
(第二実施形態)
第一実施形態においては、載置面上に位置決め用の突起部が設けられた載置部材を用いたが、載置部材は、載置面に位置決め用の溝が設けられた載置部材であってもよい。
図6(a)〜(d)は、載置面に位置決め用の溝が設けられた載置部材と該載置部材上に配置されたハニカム焼成体を模式的に示した正面図である。
図6(a)〜(c)において、それぞれ載置面60a、62a、64aに位置決め用の溝部61a、63a、65aが設けられた載置部材60、62、64を示している。平面図は示していないが、長手方向に同じ幅で形成された溝部61a、63a、65aのなかにハニカム焼成体31〜33の下部が収容され、微小の幅でのみハニカム焼成体31〜33が左右に移動可能なようになっている。
最下部に相当するハニカム焼成体31、32を載置する載置部材は、凹部が形成されている必要があり、図3(c)に示した載置部材16は、既に凹部160aが形成されているので、図6(d)に示すように、第二実施形態でもこの載置部材16を用いる。また、突起部17aを長さ方向に連続的に形成することにより、凹部160aに溝部を設けてよい。
ハニカム構造体の製造方法に関しては、載置部材として図6(a)〜(d)に示した載置部材60、62、64、16を用いる他は、第一実施形態と同様に実施するので、詳しい説明は、省略する。
第二の実施形態に係るハニカム構造体の製造方法においても、上述した第一の実施形態と同様の作用・効果を奏することができる。
(第三実施形態)
第一実施形態及び第二実施形態においては、複数のハニカム焼成体の端面に当接して、それぞれのハニカム焼成体を保持することが可能なように構成された保持部材を使用していたが、保持部材は、複数のハニカム焼成体の端面に当接して、上記複数のハニカム焼成体を一括して保持することが可能なように構成されていてもよい。
図7(a)〜(d)及び図8(a)〜(d)は、第三の実施形態に係るハニカム構造体の製造工程における保持工程と注入工程とを模式的に示した縦断面図及び平面図である。なお、各ハニカム焼成体については、輪郭のみで示している。
まず、本実施形態で使用する保持部材について説明すると、図7(a)〜(d)及び図8(a)〜(d)に示すように、それぞれの保持部材70、72、74、76は、当接保持部材70a、72a、74a、76aとそれを支持する支持部材71a、73a、75a、77aとから構成されている。
すなわち、1個の保持部材70は、1個の板状の当接保持部材70aとそれを支持する4本の支持部材71aより構成されており、当接保持部材70aが、載置部材上に載置された4個のハニカム焼成体を一括して挟んでしっかりと保持する。支持部材71aの数は、4本に限られるものではない。当接保持部材70a、72a、74a、76aは、接着剤ペーストの端面からの漏れを防止する端面密着部材40(図4(a)参照)の役割も果たしている。なお、図示はしないが、ハニカム焼成体のセルに接する部分に空気孔を設けている。
次に、保持工程と注入工程とについて、図7(a)〜(d)及び図8(a)〜(d)に基づいて簡単に説明する。
まず、第一実施形態と同様に、載置部材10の載置面10a上に4個のハニカム焼成体31、32を配置した後、組立装置内に搬送し、載置面10aが水平になるように所定の位置に固定する(図7(a)参照)。
次に、組立装置に備え付けられた保持部材70がハニカム焼成体31、32の両端面方向に延び、2個の当接保持部材70aが4個のハニカム焼成体31、32の両端面に当接し、しっかり挟んで保持する(図7(b)参照)。当接保持部材70aの当接面は、平面であるので、ハニカム焼成体31、32の端面が同一平面上に揃うこととなる。
次に、載置部材10を他所に移動させ、載置面12a上に4個のハニカム焼成体32、33とが載置された載置部材12を、保持部材70により保持されハニカム焼成体31、32の下の所定の位置に搬送して固定する(図7(c)参照)。
次に、組立装置に備え付けられた別の保持部材72がハニカム焼成体32、33の両端面方向に延びてハニカム焼成体32、33の両端面に当接し、しっかり挟んで保持する。
このとき、保持部材72は、8個のハニカム焼成体31〜33の端面が同一平面上に揃うように、ハニカム焼成体32、33を保持する(図7(d)参照)。
次に、前と同様に載置部材12を他所に移動させ、載置面14a上に4個のハニカム焼成体32、33が載置された載置部材14を、保持部材70、72により保持されハニカム焼成体31〜33の下の所定の位置まで搬送して固定する(図8(a)参照)。
次に、組立装置に備え付けられた別の保持部材74が周囲からハニカム焼成体32、33の両端面方向に延びてハニカム焼成体32、33の両端面に当接し、ハニカム焼成体32、33を両端面からしっかり挟んで保持する(図8(b)参照)。
このとき、保持部材74は、12個のハニカム焼成体31〜33の端面が同一平面上に揃うように、ハニカム焼成体32、33を保持する。
次に、載置面16aの凹部160aに4個のハニカム焼成体31、32が載置された載置部材76を、保持部材70、72、74により保持されハニカム焼成体31〜33の下の所定の位置に搬送し、固定する(図8(c)参照)。
次に、組立装置に備え付けられた別の保持部材76が周囲からハニカム焼成体31、32の両端面方向に延びてハニカム焼成体31、32の両端面に当接し、しっかり挟んで保持する(図8(d)参照)。
このとき、保持部材76は、16個のハニカム焼成体31〜33の端面が同一平面上に揃うように、ハニカム焼成体31、32を保持する。
本実施形態では、保持部材76が第一実施形態で用いる端面密着部材40(図4(a)参照)をかねているので、図4(a)に示した端面密着部材40の配置工程を省くことができる。この後、第一実施形態と同様に、シート45をハニカム集合体300の側面の全体に巻き付け、注入パイプ46より接着剤ペーストを注入する。その後、接着剤ペーストの乾燥工程を経てハニカム構造体30の製造を完了する。
第三の実施形態に係るハニカム構造体の製造方法においても、上述した第一の実施形態と同様の作用・効果を有することができる。
(第四実施形態)
上記実施形態では、製造されるハニカム構造体30は、ハニカム焼成体31〜33が接着剤層34を介して接着されたものであり、外周にシール材層は形成されていなかったが、本発明の製造方法で製造されるハニカム構造体は、図9に示すように接着剤層34を介して接着されたハニカム焼成体31〜33の外側にシール材層85が形成されたハニカム構造体80であってもよい。
第四の実施形態に係るハニカム構造体の製造方法においても、上述した第一の実施形態と同様の作用・効果を有することができる。
さらに、第四の実施形態に係るハニカム構造体の製造方法では、寸法精度の高いハニカム構造体を製造することができるため、シール材層85の厚さを薄くしても、均一なシール材層85を形成することができ、ハニカム構造体の開口率を高く保つことができるとともに、端面全体の面積に対するセル密度を高く保つことができる。
(その他の実施形態)
本発明の製造方法により得られるハニカム構造体の形状は、図4(c)に示した円柱状に限定されるものではなく、楕円柱状、多角柱状等の任意の柱の形状であればよい。
また、ハニカム構造体を構成するハニカム焼成体の数は、上記実施形態のように、16個に限定されるものではなく、16個より多くても少なくてもよい。
本発明のハニカム構造体の製造方法により製造されるハニカム構造体の気孔率は、30〜70%であることが望ましい。
上記ハニカム構造体の強度を維持することが可能であるとともに、排ガスがセル壁を通過する際の抵抗を低く保つことができるからである。
これに対し、気孔率が30%未満であると、セル壁が早期に目詰まりを起こすことがあり、一方、上記気孔率が70%を超えるとハニカム構造体の強度が低下して容易に破壊されることがある。
なお、上記気孔率は、例えば、水銀圧入法、アルキメデス法、走査型電子顕微鏡(SEM)による測定等、従来公知の方法により測定することができる。
上記ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面におけるセル密度は特に限定されないが、望ましい下限は、31.0個/cm(200個/in)、望ましい上限は、93個/cm(600個/in)、より望ましい下値は、38.8個/cm(250個/in)、より望ましい上限は、77.5個/cm(500個/in)である。
上記ハニカム構造体の構成材料の主成分は、炭化ケイ素に限定されるわけではなく、他のセラミック原料として、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物セラミック、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等の炭化物セラミック、金属と窒化物セラミックの複合体、金属と炭化物セラミックの複合体等であってもよい。
また、上述したセラミックに金属ケイ素を配合したケイ素含有セラミック、ケイ素やケイ酸塩化合物で結合されたセラミック等のセラミック原料も構成材料として挙げられる。
上記ハニカム構造体の構成材料の主成分は、炭化ケイ素が特に望ましい。
耐熱性、機械強度、熱伝導率等に優れるからである。
また、炭化ケイ素に金属ケイ素が配合されたもの(ケイ素含有炭化ケイ素)も望ましい。
湿潤混合物における炭化ケイ素粉末の粒子径は、特に限定されないが、後の焼成工程を経て作製されたハニカム焼結体の大きさが、脱脂されたハニカム成形体の大きさに比べて小さくなる場合が少ないものが望ましい。例えば、1.0〜50μmの平均粒子径を有する粉末100重量部と0.1〜1.0μmの平均粒子径を有する粉末5〜65重量部とを組み合わせたものが望ましい。
湿潤混合物を調製する際に使用する有機バインダは特に限定されず、例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール等が挙げられる。このなかでは、メチルセルロースが望ましい。有機バインダの配合量は、通常、セラミック粉末100重量部に対して、1〜10重量部が望ましい。
湿潤混合物を調製する際に使用する可塑剤や潤滑材は、特に限定されず、可塑剤としては、例えば、グリセリン等が挙げられる。また、潤滑剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン系化合物等が挙げられる。
潤滑剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンモノブチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノブチルエーテル等が挙げられる。
なお、可塑剤、潤滑剤は、場合によっては、湿潤混合物に含まれていなくてもよい。
また、湿潤混合物を調製する際には、分散媒液を使用してもよく、分散媒液としては、例えば、水、ベンゼン等の有機溶媒、メタノール等のアルコール等が挙げられる。
さらに、湿潤混合物中には、成形助剤が添加されていてもよい。
成形助剤としては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等が挙げられる。
さらに、湿潤混合物には、必要に応じて酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加してもよい。
バルーンとしては特に限定されず、例えば、アルミナバルーン、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン(FAバルーン)、ムライトバルーン等が挙げられる。これらのなかでは、アルミナバルーンが望ましい。
また、湿潤混合物中の有機分の含有量は10重量%以下であることが望ましく、水分の含有量は8〜30重量%であることが望ましい。
セルを封止する封止材ペーストとしては特に限定されないが、後工程を経て製造される封止材の気孔率が30〜75%となるものが望ましく、例えば、湿潤混合物と同様のものを用いることができる。
接着剤ペーストにおける無機バインダとしては、例えば、シリカゾル、アルミナゾル等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。無機バインダのなかでは、シリカゾルが望ましい。
接着剤ペーストにおける有機バインダとしては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。有機バインダのなかでは、カルボキシメチルセルロースが望ましい。
接着剤ペーストにおける無機繊維としては、例えば、シリカ−アルミナ、ムライト、アルミナ、シリカ等のセラミックファイバー等を挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。無機繊維のなかでは、アルミナファイバが望ましい。
接着剤ペーストにおける無機粒子としては、例えば、炭化物、窒化物等を挙げることができ、具体的には、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素からなる無機粉末等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。無機粒子のなかでは、熱伝導性に優れる炭化ケイ素が望ましい。
さらに、接着剤ペーストには、必要に応じて酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加してもよい。バルーンとしては特に限定されず、例えば、アルミナバルーン、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン(FAバルーン)、ムライトバルーン等が挙げられる。これらのなかでは、アルミナバルーンが望ましい。
上記ハニカム構造体は、触媒が担持されていてもよい。この場合、ハニカム構造体のセルに触媒担持層を形成し、その表面に触媒を担持することが望ましい。
上記触媒担持層を形成する材料としては、比表面積が高く触媒を高分散させて担持させることのできる材料であることが望ましく、例えば、アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカ等の酸化物セラミックが挙げられる。
これらの材料は、単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
この中でも、250m/g以上の高い比表面積を有するものを選択することが望ましく、γ−アルミナが特に望ましい。
上記アルミナからなる触媒担持層を形成する方法は、特に限定されるものではなく、ハニカム構造体をアルミニウムを含有する金属化合物の溶液、例えば、硝酸アルミニウムの水溶液などに含浸して、ゾル−ゲル法によりセル壁にアルミナ膜を被膜させ、ハニカム構造体を乾燥、焼成する方法を用いてもよい。
上記触媒担持層の表面に担持させる触媒としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属が望ましく、このなかでは、白金がより望ましい。また、その他の触媒として、例えば、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、バリウム等のアルカリ土類金属を用いることもできる。これらの触媒は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
図1(a)〜(c)は、ハニカム構造体を種々のハニカム焼成体を組み合わせて製造する際に用いるハニカム焼成体を模式的に示した斜視図である。 図2(a)〜(d)は、第一の実施形態に係るハニカム構造体の製造工程における保持工程と注入工程とを模式的に示した縦断面図及び平面図である。 図3(a)〜(d)は、第一の実施形態に係るハニカム構造体の製造工程における保持工程と注入工程とを模式的に示した縦断面図及び平面図である。 図4(a)〜(c)は、第一の実施形態に係るハニカム構造体の製造工程を模式的に示した図面である。 図5(a)は、ハニカム構造体30を構成するハニカム焼成体33を示す斜視図であり、(b)は、そのA−A線断面図である。 図6(a)〜(d)は、載置面に位置決め用の溝が設けられた載置部材と該載置部材上に配置されたハニカム焼成体を模式的に示した正面図である。 図7(a)〜(d)は、第三の実施形態に係るハニカム構造体の製造工程における保持工程と注入工程とを模式的に示した縦断面図及び平面図である。 図8(a)〜(d)は、第三の実施形態に係るハニカム構造体の製造工程における保持工程と注入工程とを模式的に示した縦断面図及び平面図である。 接着剤層を介して接着されたハニカム焼成体の外側にシール材層が形成されたハニカム構造体を模式的に示す斜視図である。
符号の説明
10、12、14、16 載置部材
10a、12a、14a、16a 載置面
11a、11b、13a、13b、15a、15b、17a、17b 突起部
20、21、22、23 保持部材
30 ハニカム構造体
31、32、33 ハニカム焼成体
31a、32a、33a セル
31b、32b、33b セル壁
34 接着剤層
40 端面密着部材
45 シート
46 注入パイプ
60、62、64 載置部材
60a、62a、64a 載置面
61a、63a、65a 溝部
70、72、74、76 保持部材
70a、72a、74a、76a 当接部材
71a、73a、75a、77a 支持保持部
80 ハニカム構造体
85 シール材層

Claims (9)

  1. セラミック粉末とバインダとを含む原料組成物を押出成形することにより、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製する押出成形工程と、
    前記ハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体を作製する焼成工程と、
    複数個の前記ハニカム焼成体を所定の位置に位置決めし、その両端面を保持部材で保持する保持工程と、
    所定の位置に保持された複数の前記ハニカム焼成体の間の空間に接着剤ペーストを注入する注入工程と、
    前記接着剤ペーストを乾燥固化させて接着剤層とする乾燥工程とを行うことを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
  2. 前記ハニカム焼成体の保持は、保持部材を一つのハニカム焼成体の端面に当接して、前記ハニカム焼成体を保持することが可能なように行う請求項1に記載のハニカム構造体の製造方法。
  3. 前記ハニカム焼成体の保持は、保持部材を複数のハニカム焼成体の端面に当接して、前記複数のハニカム焼成体を一括して保持することが可能なように行う請求項1に記載のハニカム構造体の製造方法。
  4. 前記保持工程では、載置面を有する複数個の載置部材の載置面上にそれぞれ複数個の前記ハニカム焼成体を互いに前記長手方向が平行となる向きに前もって載置しておき、
    一の載置部材の載置面上の各ハニカム焼成体を所定の位置に位置決めし、保持部材でその両端面を保持し、
    次に、前記一の載置部材を他所に移動させた後に、保持した前記ハニカム焼成体の直下で他の載置部材の載置面上の各ハニカム焼成体を所定の位置に位置決めし、保持部材でその両端面を保持し、
    以下、ハニカム焼成体を保持した後の載置部材の他所への移動と別の載置部材の載置面上のハニカム焼成体の保持を繰り返すことによって必要数のハニカム焼成体を所定の位置に位置決めして保持する請求項1〜3のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  5. 前記保持工程では、第一〜第四の前記載置部材の載置面上にそれぞれ四個の前記ハニカム焼成体を載置する請求項4に記載のハニカム構造体の製造方法。
  6. 前記保持工程では、前記第一〜第三の載置部材の載置面は平面であり、第一〜第三の前記載置部材の載置面上に前記ハニカム焼成体の側面のうち平面である面を載置し、
    前記第四の載置部材の載置面は曲面であり、前記第四の載置部材の載置面上に前記ハニカム焼成体の側面のうち曲面である面を載置する請求項5に記載のハニカム構造体の製造方法。
  7. 前記載置面には位置決め用の突起部が設けられている請求項4〜6のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  8. 前記載置面には位置決め用の溝が設けられている請求項4〜6のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  9. 複数種類の前記ハニカム焼成体からなる円柱形状のハニカム構造体を製造する請求項1〜8のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
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