JP2008269956A - 放電ランプ - Google Patents

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弘識 赤澤
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Abstract

【課題】放電容器内に配置される電極棒の強度を十分に高いものとすることができ、しかも、電極棒と封止管を確実に気密封止することができる放電ランプを提供する。
【解決手段】発光管11と封止管12とを有する透光性セラミックスよりなる放電容器10と、電極棒25が封止管12に挿通され、電極棒25と封止管12が封止材3によってフリット溶着された放電ランプにおいて、封止材3が、Dy−Al−SiOよりなる三成分系封止材であって、電極棒25の外径をA(mm)、封止管12の内径をB(mm)、電極棒25の熱膨張係数をαk(K−1)、封着材3の熱膨張係数をαf(K−1)、封止管12の熱膨張係数をαa(K−1)、としたとき、αk<αf<αa、4.5×10−6≦αk≦5.83×10−6、B/A≧−0.53αk×10+4.5の条件を満たすことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、透光性セラミックスよりなる放電容器を有するセラミック製の放電ランプに関する。
現在、店舗照明や屋外照明など光源として、メタルハライドランプなどの放電ランプが使用されている。このような放電ランプでは、発光管内に一対の電極が互いに対向するよう配置されると共に、水銀と希ガス、並びに必要に応じて各種の金属のハロゲン化物よりなる発光物質が封入されている。
放電ランプの放電容器は、通常、石英ガラスにより形成され、球形または楕円球形の発光管と、その両端に一体に連設された封止管とを具えてなり、先端に電極を有する電極棒が封止管においてピンチシールやシュリンクシールなどによって封着されて気密封止構造が形成されている。
一方、透光性材料としては、例えばアルミナ、イットリア、イットリウム−アルミニウム−ガーネット(いわゆる「YAG」)、ジルコニアなどの透光性セラミックスが知られており、これらは石英ガラスよりも強度が大きくて耐熱温度も高い利点を有している。このため、最近においては、放電容器を透光性セラミックス、特に透光性アルミナで形成したセラミック製の放電ランプ(以下、単に放電ランプと呼ぶ)が注目されている。
このような放電ランプの放電容器も、球形や楕円球形あるいは円筒状の形状を有する発光管を具えたものである。
このような放電ランプにおいては、放電容器の材質が透光性セラミックスであるために、封止管に気密封止構造を形成する工程において、当該封止管を溶融変形加工することができず、このため、封止管とこれに挿通された電極棒との間の間隙に封止材である封止用フリットガラスを充填することにより、気密封止構造が形成されている。
図8は、従来の放電ランプの説明図である。
セラミック製放電ランプにおいて、放電容器10は、発光管11と、この発光管部11の両端から外方に伸びるよう連設された直管状の封止管12とを有してなり、透光性セラミックスにより形成されている。
発光管11内には、水銀と、アルゴンと、DyI,TlI,NaI,CeI3などのハロゲン化物が封入されている。
発光管11の内部に一対の電極21が互いに対向するよう配置されている。図示の例の電極21は、電極芯22の先端部に金属コイル23が巻き付けられて形成されており、電極芯22の基端には、これと同方向に伸びる棒状の給電芯24が例えば溶接により一体に連結されて電気的に接続された状態となっており、電極芯22と給電芯24が一体に連結されて電極棒25となっている。
電極芯22は、導電性と耐熱性を有するタングステンよりなり、給電芯24はニオブよりなる。
そして、電極棒25と封止管12との間、具体的には、給電芯24と封止管12との間に、封止用フリットガラスよりなる封止材3を充填することにより、気密封止構造が形成されている。
封止材3は、セラミックスよりなる封止管12と膨張係数を合わせ、しかも、気密封止構造を達成するために、Dy−Al−SiOよりなる三成分系封止材を用いるものである。
また、給電芯24としてニオブを用いる理由は、Dy−Al−SiOよりなる三成分系封止材3と膨張係数を合わせ、確実に気密封止構造を達成するために選択されたものである。
さらに、電極芯22には金属コイル4が巻き付けられている。これは金属コイル4によって、封止管12と電極棒25との間の間隙を小さくし、これにより封入物の凝縮を防止するようにしたものである。
図9は、図8におけるX−X断面図であり、封止材によって給電芯と封止管を封止した部分の断面図である。
図9に示すように、給電芯24と封止管12との間に封止材3が存在しており、給電芯24はニオブからなり20〜400℃の温度範囲における熱膨張係数(αk)は7.1×10−6(K−1)であり、封止材3はDy−Al−SiOよりなる三成分系封止材からなり20〜400℃の温度範囲における熱膨張係数(αf)は5.9×10−6(K−1)であり、封止管12はセラミックスよりなり20〜400℃の温度範囲における熱膨張係数(αa)は7.2×10−6(K−1)である。
つまり、給電芯24と封止材3と封止管12のそれぞれの熱膨張係数を近づけることにより、確実に、給電芯24を封止管12に気密封止することができるものである。
特開2005−135604号公報
しかしながら、給電芯24にニオブを使用すると以下の問題があった。
放電容器10内に配置される電極棒25である給電芯24と電極芯22は、予め水素雰囲気内で高温状態にして、不純物を還元して取り除く水素処理を行う必要がある。
給電芯24と電極芯22を水素処理を施さずに、放電容器10内に配置すると、ランプ点灯中、給電芯24と電極芯22が高温になり、給電芯24と電極芯22から不純物が放出され、発光管11内に不純物が存在することにより、早期黒化や、電極21が早期に損耗する問題があり、これらの問題が発生しないように、給電芯24と電極芯22を水素処理するものである。
この水素処理では、電極芯22はタングステンからなり、タングステンは水素と反応しないために電極芯22はなんら問題が発生しないが、給電芯24はニオブからなり、ニオブは水素と反応して脆くなり脆弱化するものである。
この結果、脆弱化した状態の給電芯24に、ランプに電力を供給するための給電線を溶接等によって接続する際に、給電芯24が折れて破損するという問題があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、放電容器内に配置される電極棒の強度を十分に高いものとすることができ、しかも、電極棒と封止管を確実に気密封止することができる放電ランプを提供することにある。
本発明の放電ランプは、発光管とこの発光管に連設された封止管とを有する透光性セラミックスよりなる放電容器と、前記発光管内に対向配置された一対の電極と、前記電極を先端に有する電極棒と、前記電極棒が前記封止管に挿通され、前記電極棒と前記封止管が封止材によってフリット溶着された放電ランプにおいて、前記封止材が、Dy−Al−SiOよりなる三成分系封止材であって、前記封止材によってフリット溶着される部分の前記電極棒の外径をA(mm)、前記封止材によってフリット溶着される部分の前記封止管の内径をB(mm)、前記封止材によってフリット溶着される電極棒の20〜400℃の温度範囲における熱膨張係数をαk(K−1)、前記封着材の20〜400℃の温度範囲における熱膨張係数をαf(K−1)、前記封止管の20〜400℃の温度範囲における熱膨張係数をαa(K−1)、としたとき、αk<αf<αa、4.5×10−6≦αk≦5.83×10−6、B/A≧−0.53αk×10+4.5の条件を満たすことを特徴とする。
さらに、前記電極棒は、タングステン、モリブデン、ジルコニウムであることを特徴とする。
また、前記封止管から外部に突出した前記電極棒に、電極棒係止部材が設けられていることを特徴とする。
本発明の放電ランプによれば、放電容器内に配置される部材である電極棒に、水素処理を行っても脆弱化しない部材を用いることにより、電極棒の強度を十分に高いものとすることができる。さらに、封止材によってフリット溶着される電極棒の熱膨張係数と、封止材の熱膨張係数と、封止管の熱膨張係数を規定し、封止材によってフリット溶着される部分の電極棒の外径と、封止材によってフリット溶着される部分の封止管の内径を規定することにより、封止材にクラックが発生せず、電極棒と封止管を確実に気密封止することができる。
以下、本願発明の放電ランプを説明する。
図1は、本発明の放電ランプの説明図である。
セラミック製放電ランプにおいて、放電容器10は、発光管11と、この発光管部11の両端から外方に伸びるよう連設された直管状の封止管12とを有してなり、透光性セラミックスにより形成されている。
そして、発光管11内に水銀と希ガスとハロゲン化物が封入されている。
発光管11の内部に一対の電極21が互いに対向するよう配置されている。図示の例の電極21は、電極芯22の先端部に金属コイル23が巻き付けられて形成されており、電極芯22の基端には、これと同方向に伸びる棒状の給電芯24が例えば溶接により一体に連結されて電気的に接続された状態となっており、電極芯22と給電芯24が一体に連結されて電極棒25となっている。
電極芯22は、導電性と耐熱性を有するタングステンよりなり、給電芯24は、電極芯22と同様に導電性と耐熱性を有するモリブデンよりなる。
なお、給電芯24は、モリブデン以外にジルコニウムであってもよい。
さらに、電極棒25の変形例として、図2に示すように、給電芯24を使用せずに、タングステンの電極芯22をそのまま封止管12の外方に突出するようにしてもよく、この場合、電極棒25は電極芯22となる。なお、図1と同一符号は同一部分であるので説明は省略する。
そして、電極棒25と封止管12との間、具体的には、図1では給電芯24と封止管12との間、図2では電極芯22と封止管12との間に、封止用フリットガラスよりなる封止材3を充填することにより、電極棒25が封止管12に封止されて、気密封止構造が形成される。
封止材3は、セラミックスよりなる封止管12と膨張係数を合わせ、しかも、気密封止構造を達成するために、Dy−Al−SiOよりなる三成分系封止材を用いるものである。
電極芯22と給電芯24には金属コイル4が巻き付けられている。これは金属コイル4によって、封止管12と電極棒25との間の間隙を小さくし、これにより封入物の凝縮を防止するようにしたものである。
図1に示すように、電極棒25を構成している給電芯24をモリブデンやジルコニウムにすると、モリブデンやジルコニウムは、水素雰囲気内で高温状態にして水素処理を行っても、水素とは反応せず脆弱化しないものである。
この結果、給電芯24に、ランプに電力を供給するための給電線を溶接等によって接続しても、給電芯24が折れないものである。
なお、給電芯24に、タングステン以外のモリブデンやジルコニウムを用いると、モリブデンやジルコニウムはタングステンに比べ蒸発しにくい物質であり、点灯中に給電芯であるモリブデンやジルコニウムが赤熱状態になっても発光管内のハロゲンとは反応しにくい物質であり、給電芯とハロゲンとの反応を確実に防止することができる。
また、図2では、電極棒25を構成している電極芯22はタングステンであり、タングステンは、従来技術で説明した通り、水素雰囲気内で高温状態にして水素処理を行っても、水素とは反応せず脆弱化しないものであるため、電極棒25を構成しているタングステンの電極芯22に、ランプに電力を供給するための給電線を溶接等によって接続しても、電極芯22が折れないものである。
以下表1に、図1に示す放電ランプの構成部材の材質と寸法形状などについて整理して示す。
Figure 2008269956
図3は、図1におけるX−X断面図であり、封止材によって給電芯と封止管を封止した部分の断面図である。
この図3及び図1に示すように、封止材3によってフリット溶着される部分の電極棒25とは、給電芯24のことである。
図3に示すように、給電芯24と封止管12との間に封止材3が存在しており、それぞれの部材において20〜400℃の温度範囲の熱膨張係数を下記の表2に整理して示す。
Figure 2008269956
表2から分かるように、給電芯24と封止材3と封止管12との熱膨張係数の比較は、αk<αf<αaとなっている。
なお、封止材3によってフリット溶着される部分の電極棒25が給電芯24であり、その給電芯24がジルコニウムである場合の20〜400℃の温度範囲における熱膨張係数を下記の表3に整理して示す。
あわせて、図2に示すように、封止材3によってフリット溶着される部分の電極棒25が電極芯22であり、電極芯22がタングステンである場合の20〜400℃の温度範囲における熱膨張係数も下記の表3に合わせて整理して示す。
Figure 2008269956
つまり、表2、表3からフリット溶着される部分の電極棒の20〜400℃の温度範囲における熱膨張係数は、4.5×10-6〜5.83×10-6(K-1)の範囲であり、封止材3によってフリット溶着される部分の電極棒25と封止材3と封止管12との熱膨張係数の比較は、αk<αf<αaとなっている。
電極棒25と封止管12との封止方法は、予め、Dy−Al−SiOよりなる三成分系の封止材構成体を作っておく。この封止材構成体は、中心に貫通孔を有する円盤状の物体であり、封止管が上下に位置するように放電容器を垂直にした状態で、この封止材構成体を上部側に位置する封止管の上部端面に載置しておき、封止材構成体の貫通孔に上方から電極棒を挿入し、電極の位置が最適な位置にくるように電極棒を固定し、この状態で、封止材構成体とその近傍の電極棒と封止管を1450℃以上まで加熱する。
すると、封止材構成体が液体状になり、電極棒と封止管の間の隙間に、毛細管現象によって流れ込み、その後、加熱を停止して、冷却すること液体状になった封止材構成体が固化して、電極棒を封止管に気密封止するものである。
このように、液体状の封止材構造体が冷却されて固化する過程において、電極棒25と封止材3と封止管12との熱膨張係数の関係が、電極棒の熱膨張係数(αk)<封止材の熱膨張係数(αf)<封止管の熱膨張係数(αa)となっているために、それぞれの部材の境界面近傍では、図3中、矢印で示す応力が働くことになる。
なお、この矢印は、給電芯を中心に円周方向に働く応力を模式的に示すものである。
封止材3において給電芯24側の部分には、引張り応力が加わっている。これは封止材3が給電芯24に比べ熱膨張係数が大きいために、冷却時に、封止材3が給電芯24より大きく収縮する。しかし、給電芯24は封止材3に比べ収縮量が小さいために、封止材3の給電芯24側の部分は、相対的に収縮量が小さな給電芯24によって引っかかり収縮することができない状態となり、引張り応力がかかるものである。
封止材3において封止管12側の部分には、圧縮応力が加わっている。これは封止管12が封止材3に比べ熱膨張係数が大きいために、冷却時に、封止材3は封止管12に阻害されることなく、本来の収縮量まで十分に収縮するために、封止材3の封止管12側の部分は、圧縮応力がかかるものである。
封止材3は、Dy−Al−SiOよりなる三成分系封止材であり、圧縮応力には強く、引張り応力には弱いものである。
この引張り応力が限界を超えると封止材3が裂けるため、電極棒25と封止管12との気密封止工程後(冷却後)、封止材3に微小なクラックが入り気密封止できない状態になる。
図3に示すように、封止材3の給電芯24側の部分には引張り応力がかかり、封止材3は引張り応力に弱く、この部分で微小なクラックが発生すると考えられるが、給電芯24の外径及び封止管12の内径を規定することにより、封止材3にクラックが発生せず、確実な気密封止構造が得られることが実験によってわかった。
図4は、封止材3によってフリット溶着される部分の電極棒25である給電芯24と、封止材3と、封止管12の管軸方向の部分断面図であり、図中Aは給電芯21の外径、図中Bは封止管12の内径を示すものである。
図1に示す構造の放電ランプにおいて、フリット溶着される部分の電極棒である給電芯の材質を変え、さらに、給電芯の外径A、封止管の内径Bを変えた場合に、気密封止工程後に封止材にクラックが発生する割合を調べた実験結果を行った。
この実験条件と実験結果を図5に示す。
なお、この実験において使用した封止材の材質と熱膨張係数は表1、表2に示す通りである。
給電芯の熱膨張係数は、20〜400℃の温度範囲における熱膨張係数であり、給電芯として熱膨張係数が4.5×10-6(K-1)のタングステンと記載されている条件は、給電芯を使用せずに電極芯が給電芯を兼ねそのまま封止管から伸び出る構造(図2に示す構造)の場合を示すものである。
図5のクラック発生率の欄は、分母に同一条件で実験した複数の放電ランプの合計ランプ数を示し、分子にその合計ランプ数のうちクラックが発生したランプの合計ランプ数を示すものである。
図5の判定欄の記号○は同一条件で実験した複数の放電ランプにおいて全てクラックが発生しなかった状態を示し、記号△は同一条件で実験した複数の放電ランプにおいて一部の放電ランプでクラックが発生した状態を示し、記号×は同一条件で実験した複数の放電ランプにおいて全ての放電ランプでクラックが発生した状態を示すものである。
図6は、図5に示す実験結果を、横軸に給電芯の膨張係数、縦軸にB/Aの値を取ったものである。
図6では、給電芯の熱膨張係数が4.5×10-6のタングステンの場合、B/Aの値が2.14以上であれば、全ての放電ランプにおいて封止材にクラックが発生せず、気密封止構造が保たれていることがわかる。
給電芯の熱膨張係数が5.5×10-6のモリブデンの場合、B/Aの値が1.50以上であれば、全ての放電ランプにおいて封止材にクラックが発生せず、気密封止構造が保たれていることがわかる。
給電芯の熱膨張係数が5.83×10-6のジルコニウムの場合、B/Aの値が1.45以上であれば、全ての放電ランプにおいて封止材にクラックが発生せず、気密封止構造が保たれていることがわかる。
そして、給電芯の熱膨張係数とB/Aの値との関係は、それぞれの給電芯において、クラックが発生しなかったB/Aの最小値近傍を通る近似直線から、B/A≧−0.53αk×10+4.5であると、封止材にクラックが発生せず確実に気密封止構造が保たれた放電ランプになることが判明した。
これは、放電容器内に配置される電極棒に、水素処理行っても水素と反応せず、脆弱化しないタングステンやモリブデンやジルコニウムを用いると、電極棒の強度を十分高くすることができるが、これらの部材は、20〜400℃の温度範囲における熱膨張係数(αk)が4.5×10−6≦αk≦5.83×10−6の範囲であるために、図3に示すように、封止材3の電極棒25側の部分に引張り応力が発生する。
しかし、この引張り応力に対しては、電極棒の外径(A)に対して封止管の内径(B)を、B/A≧−0.53αk×10+4.5の条件を満たすような大きさにすると、図4中、Lで示す電極棒25と封止管12との間の封止材3の厚みが大きくなり、厚みが大きくなると引張り応力が発生しても、封止材3自体が引き裂かれ難くなり、封止材3にクラックが発生することが防止でき、電極棒25と封止管12を確実に気密封止することができるものである。
なお、封止材は、Dy−Al−SiOよりなる三成分系封止材であり、それぞれの成分の重量比率は、Dy:61.4重量%、Al:16.8重量%、SiO:21.8重量%である。
また、Dy−Al−SiOよりなる三成分以外に微量の他の金属酸化物が入っていてもよい。
このDy−Al−SiOよりなる三成分系封止材は、封止材としての機能を有するためには、それぞれの成分の含有割合は決まっており、20〜400℃の温度範囲における熱膨張係数(αf)はそれぞれの成分の重量比率によって5.85×10−6〜6.05×10−6(K−1)の範囲にある。
封止材の20〜400℃の温度範囲における膨張係数(αf)が5.85×10−6〜6.05×10−6(K−1)の範囲であれば、電極棒の外径(A)と封止管の内径(B)関係が、B/A≧−0.53αk×10+4.5の条件を満たせば、封止材にクラックが発生せず、電極棒25と封止管12を確実に気密封止することができるものである。
さらに、電極棒を、タングステン、モリブデン、ジルコニウム以外に、20〜400℃の温度範囲における熱膨張係数(αf)が、4.5×10−6〜5.5×10−6(K−1)の範囲となる水素処理行っても水素と反応せず、脆弱化しない導電性サーメットを用いてもよい。
このような導電性サーメットを用いた場合であっても、図6のグラフから、電極棒の外径(A)と封止管の内径(B)関係が、B/A≧−0.53αk×10+4.5の条件を満たせば、封止材にクラックが発生せず、電極棒と封止管を確実に気密封止することができることがわかる。
導電性サーメットの一例として、Mo−Al−MgO−SiOよりなる四成分からなる導電性サーメットがあげられる。
この導電性サーメットは、それぞれの成分の重量比率は、Mo:40重量%、Al:45重量%、MgO:5重量%、SiO:10重量%であり、0〜400℃の温度範囲における熱膨張係数(αf)が、5.0×10−6(K−1)である。
なお、電極棒に導電性サーメットを用いると、導電性サーメットは耐ハロゲン性の高い物質であり、発光管内のハロゲンとの反応を確実に防止することができる。また、導電性サーメットを構成する成分を変えることにより、自由に膨張係数を変えることができる。
図7は、本発明の放電ランプの他の実施例を示す説明図であり、図1に示す放電ランプと異なる部分は、電極棒25である給電芯24の封止管12から突出した部分にニオブ線を巻回して固定した電極棒係止部材5が設けられている。
この電極棒係止部5は、ニオブ線を給電芯24に巻き付けカシメまたは溶接で固定するものである。
或いは、予めコイル状の電極棒係止部5を作っておき、給電芯24に圧入してもよい。
このように、電極棒25に電極棒係止部5が設けられていると、前述した通り、気密封止工程において、封止管が上下に位置するように放電容器を垂直にした状態で、封止材となる封止材構成体を上部側に位置する封止管の上部端面に載置しておき、封止材構成体の貫通孔に上方から電極棒を挿入する際に、電極棒係止部5が封止材構成体に当接することにより、封止管12に対して電極棒25の位置決めを行うことができ、別途、電極棒25を固定する機構が不要となる。
なお、図1と同一符号である部分は同一部分であり、説明は省略する。
本発明に係る放電ランプの説明図である。 本発明に係る他の放電ランプの説明図である。 図1におけるX−X断面図であり、封止材によって給電芯と封止管を封止した部分の断面図である。 本願発明の放電ランプにおいて、封止材によってフリット溶着される部分の電極棒である給電芯と、封止材と、封止管の管軸方向の部分断面図である。 実験条件と実験結果を示すデータ説明図である。 実験結果を示すデータ説明図である。 本発明に係る他の実施例の放電ランプの説明図である。 従来の放電ランプの説明図である。 図8におけるX−X断面図であり、封止材によって給電芯と封止管を封止した部分の断面図である。
符号の説明
10 放電容器
11 発光管
12 封止管
21 電極
22 電極芯
23 金属コイル
24 給電芯
25 電極棒
3 封止材
4 金属コイル
5 電極係止部材

Claims (3)

  1. 発光管とこの発光管に連設された封止管とを有する透光性セラミックスよりなる放電容器と、前記発光管内に対向配置された一対の電極と、前記電極を先端に有する電極棒と、前記電極棒が前記封止管に挿通され、前記電極棒と前記封止管が封止材によってフリット溶着された放電ランプにおいて、
    前記封止材が、Dy−Al−SiOよりなる三成分系封止材であって、
    前記封止材によってフリット溶着される部分の前記電極棒の外径をA(mm)、前記封止材によってフリット溶着される部分の前記封止管の内径をB(mm)、
    前記封止材によってフリット溶着される電極棒の20〜400℃の温度範囲における熱膨張係数をαk(K−1)、
    前記封着材の20〜400℃の温度範囲における熱膨張係数をαf(K−1)、
    前記封止管の20〜400℃の温度範囲における熱膨張係数をαa(K−1)、
    としたとき、
    αk<αf<αa
    4.5×10−6≦αk≦5.83×10−6
    B/A≧−0.53αk×10+4.5
    の条件を満たすことを特徴とする放電ランプ。
  2. 前記電極棒は、タングステン、モリブデン、ジルコニウムである請求項1に記載の放電ランプ。
  3. 前記封止管から外部に突出した前記電極棒に、電極棒係止部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ。
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