JP2008267991A - 位相差フィルム検査装置、位相差フィルムの検査方法およびこれを用いた位相差フィルムの製造方法 - Google Patents

位相差フィルム検査装置、位相差フィルムの検査方法およびこれを用いた位相差フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】厚み方向のレターデーションに起因する位相差性の欠陥を検査可能な位相差フィルム検査装置を提供することを主目的とする。
【解決手段】互いに吸収軸が直交するように配置された第1直線偏光板および第2直線偏光板と、位相差フィルムを、上記第1直線偏光板および上記第2直線偏光板の間に配置されるように支持する位相差フィルム支持部と、上記第1直線偏光板側に配置され、上記位相差フィルム支持部に支持された位相差フィルムに第1直線偏光板を通して光を照射する光源と、上記第2直線偏光板側に配置され、上記2直線偏光板を透過した光を受光する、指向性を備える受光機とを有する位相差フィルム検査装置であって、上記受光機の垂直受光角度θが0°<θ<90°の範囲内となり、かつ、平行受光角度θが0°<θ<90°の範囲内であることを特徴とする位相差フィルム検査装置を提供することにより、上記課題を解決するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、位相差フィルムの位相差性を検査するために用いられる位相差フィルム検査装置等に関するものである。
液晶表示装置は、その省電力、軽量、薄型等といった特徴を有することから、従来のCRTディスプレイに替わり、近年急速に普及している。図5に示すように、一般的な液晶表示装置100としては、入射側の偏光板102Aと、出射側の偏光板102Bと、液晶セル101とを有するものが代表的である。ここで、偏光板102Aおよび102Bは、所定の振動方向の振動面を有する直線偏光のみを選択的に透過させるように構成されたものであり、それぞれの振動方向が相互に直角の関係になるようにクロスニコル状態で対向して配置されている。また、液晶セル101は画素に対応する多数のセルを含むものであり、偏光板102Aと102Bとの間に配置されている。
このような液晶表示装置は、上記液晶セルに用いられる液晶性材料の配列形態により種々の駆動方式を用いたものが知られている。今日、普及している液晶表示装置の主たるものは、TN、STN、MVA、IPS、および、OCB等に分類される。なかでも今日においては、上記MVA駆動方式を有するものが広く普及するに至っている。
一方、液晶表示装置はその特有の問題点として、液晶セルや偏光板の屈折率異方性に起因する視野角依存性の問題点がある。この視野角依存性の問題は、液晶表示装置を正面から見た場合と、斜め方向から見た場合とで視認される画像の色味やコントラストが変化してしまう問題である。このような視野角特性の問題は、近年の液晶表示装置の大画面化に伴って、さらにその問題の重大性を増している。
このような視野角依存性の問題を改善するため、現在までに様々な技術が開発されている。その代表的な方法として位相差フィルムを用いる方法がある。この位相差フィルムを用いる方法は、例えば、図6に示すように所定の光学特性を有する位相差フィルム103、104を、液晶セル101と偏光板102Aおよび102Bとの間に配置することにより、視野角依存性の問題を改善する方法である。このような方法は位相差フィルム103を液晶表示装置に組み込むことのみで上記視野角依存性の問題点を改善できることから、簡便に視野角特性に優れた液晶表示装置を得ることが可能な方法として広く用いられるに至っている。例えば、上記MVA方式の液晶表示装置には、面内レターデーション(Re)と厚み方向のレターデーション(Rth)とが、所定値を示す位相差フィルムを用いることにより、視野角特性を改善する方法が実用化されている。
ところで、上記液晶表示装置の視野角特性を改善するために用いられる位相差フィルムには、それが用いられる液晶表示装置の駆動方式等に応じて、所定の位相差性を備えることが厳格に求められている。これは、位相差フィルムの位相差性が所定値から外れていると、これが用いられた液晶表示装置の視野角特性が損なわれてしまうからである。また、上述したように位相差フィルムは、クロスニコルに配置された2枚の偏光板の間に配置されて用いられるため、例えば、位相差フィルムに異物等が付着していると、当該異物によって偏光が解消されてしまい、液晶表示装置とした場合にこれが輝点となって視認されてしまうという問題がある。このため、位相差フィルムの製造工程においては、上記位相差性が不適切なものが作製されていないか、あるいは、輝点欠陥の原因となり得る異物が付着していないかどうかを常に検査し、不良品が発生すること防止すること、および、不良品が発生した場合にその不良の箇所を特定し、対策する必要がある。
この点に関し、特許文献1〜4等には、各種の光学補償フィルム等の欠陥を検査する方法が開示されている。例えば特許文献1には、検査対象となる搬送中の透明フィルムに光源から検査光を照射し、その反射光、または透過光をラインセンサで受光することによって、フィルム表面に生じた微小な凹凸や、フィルム内部の異物混入、気泡欠陥さらにフィルム表面に施した反射防止膜部に生じる突起等を自動的に、そして高速に検出できるようにした検査方法が開示されている。
また、特許文献2には、連続的に移送される透明シートの一方の面に高輝度、高指向性の光を5°〜15°の角度で照射し、その透明シートを透過してきた光をカメラで受光し、カメラからの出力信号に画像処理を施したものに基づいて欠陥検出を行うことにより、微細な厚みムラ(深さ:0.1μm〜5μm、幅0.1μm〜10μm)を検出可能である旨が開示されている。
また特許文献3には、検査対象となるフィルムを挟んで光源とカメラとを対向して配置するとともに、光源の前面に第1の偏光板を、カメラの前面に第2の偏光板をそれぞれ配置し、カメラからの出力信号に画像処理を施して欠陥検出を行う方法が開示されている。この特許文献3に開示された検査方法は、各偏光板の偏光方向を直交状態から20°程度ずらし、フィルムの内部あるいは外部に異物が存在する部分で生じる偏光状態の変化による増光をカメラで捕えるものである。
さらに特許文献4には、特許文献3と同様に、光源、カメラ、第1の偏光板、第2の偏光板をそれぞれ配置するが、各偏光板の偏光方向のずれを±20°以内になるように配置することで、フィルムの分子配向ムラや若干の小さな歪みによる直角偏光成分を低減するし、地合信号やフィルムの場所による透過光量変化を減少させ、欠陥部による偏光状態の変化を暗部信号として顕在化させる方法が開示されている。
しかしながら、これらの特許文献に記載された検査方法では位相差フィルムの面内レターデーション(Re)に起因する欠陥は検査することができるが、一方で厚み方向のレターデーション(Rth)に起因する欠陥は、検査することができないという問題点があった。
特開平6−235624号公報 特開平8−54351号公報 特開平6−148095号公報 特開平11−30591号公報
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、厚み方向のレターデーション(Rth)に起因する位相差性の欠陥を検査することが可能な位相差フィルム検査装置を提供することを主目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、互いに吸収軸が直交するように配置された第1直線偏光板および第2直線偏光板と、位相差フィルムを、上記第1直線偏光板および上記第2直線偏光板の間に配置されるように支持する、位相差フィルム支持部と、上記第1直線偏光板側に配置され、上記位相差フィルム支持部に支持された位相差フィルムに第1直線偏光板を通して光を照射する光源と、上記第2直線偏光板側に配置され、上記第1直線偏光板、上記位相差フィルム支持部に支持された位相差フィルム、および、上記2直線偏光板を透過した光を受光する、指向性を備える受光機と、を有する位相差フィルム検査装置であって、上記受光機が、垂直受光角度θが0°<θ<90°の範囲内となり、かつ、平行受光角度θが0°<θ<90°の範囲内となるように配置されていることを特徴とする位相差フィルム検査装置を提供する。
本発明によれば、上記受光機が、垂直受光角度θが0°<θ<90°の範囲内となり、かつ、平行受光角度θが0°<θ<90°の範囲内となるように配置されていることにより、上記位相差フィルム支持部に支持された位相差フィルムを透過した光のうち、位相差フィルムの厚み方向に対して、斜めの方向に透過した光を受光し、これに基づいて位相差性の欠陥を検出することができる。このため、本発明によれば上記位相差フィルム支持部に支持された位相差フィルムの厚み方向のレターデーション(Rth)に起因する位相差性の欠陥を検査することができる。
このようなことから、本発明によれば厚み方向のレターデーション(Rth)に起因する位相差性の欠陥を検査することが可能な位相差フィルム検査装置を提供することができる。
本発明においては、上記第2直線偏光板が、上記受光機と一体になるように配置されていてもよい。上記第2直線偏光板がこのような態様で配置されていることにより、上記θを本発明で規定する範囲内にすることが容易になるからである。また、本発明の位相差フィルム検査装置は、上記位相差フィルム支持部として駆動部を有するものを用いることにより、位相差フィルムの製造工程においてオンラインで位相差フィルムを検査することが可能であるところ、上記第2直線偏光板が上記受光機と一体になるように配置されていることにより、上記第1直線偏光板と上記第2直線偏光板との間隔を広げることができるため、オンラインで搬送されている位相差フィルムが上記2枚の直線偏光板と接触して、工程上のトラブルが生じることを防止できるからである。
本発明は、上記本発明に係る位相差フィルム検査装置を用いた、位相差フィルムの検査方法を提供する。
本発明の位相差フィルムの検査方法によれば、上記本発明に係る位相差フィルム検査装置が用いられていることにより、厚み方向のレターデーション(Rth)に起因する欠陥を検査することができる。
また本発明は、厚み方向のレターデーション(Rth)を有する位相差フィルムを作製する位相差フィルム作製工程と、上記位相差フィルム作製工程によって作製された位相差フィルムを、上記本発明に係る位相差フィルムの検査方法を用いて検査する、位相差フィルム検査工程と、を有することを特徴とする、位相差フィルムの製造方法を提供する。
本発明によれば、上記位相差フィルム工程が、上記本発明の位相差フィルムの検査方法を用いて、上記位相差フィルム作製工程において作製された位相差フィルムを検査するものであることにより、上記位相差フィルムの厚み方向のレターデーション(Rth)に起因する欠陥を検出することができる。このため、本発明によれば厚み方向のレターデーション(Rth)に起因する欠陥の少ない、位相差フィルムを製造することができる。
本発明の位相差フィルム検査装置は、厚み方向のレターデーション(Rth)に起因する位相差性の欠陥を検査することができるという効果を奏する。
本発明は、位相差フィルム検査装置と、当該位相差フィルム検査装置が用いられた位相差フィルムの検査方法と、当該位相差フィルムの検査方法が用いられた位相差フィルムの製造方法とに関するものである。
以下、このような本発明の位相差フィルム検査装置、位相差フィルムの検査方法、および、位相差フィルムの製造方法について順に説明する。
A.位相差フィルム検査装置
まず、本発明の位相差フィルム検査装置について説明する。本発明の位相差フィルム検査装置は、互いに吸収軸が直交するように配置された第1直線偏光板および第2直線偏光板と、位相差フィルムを、上記第1直線偏光板および上記第2直線偏光板の間に配置されるように支持する位相差フィルム支持部と、上記第1直線偏光板側に配置され、上記位相差フィルム支持部に支持された位相差フィルムに第1直線偏光板を通して光を照射する光源と、上記第2直線偏光板側に配置され、上記第1直線偏光板、上記位相差フィルム支持部に支持された位相差フィルム、および、上記2直線偏光板を透過した光を受光する、指向性を備える受光機と、を有するものであって、上記受光機が、垂直受光角度θが0°<θ<90°の範囲内となり、かつ、平行受光角度θが0°<θ<90°の範囲内となるように配置されていることを特徴とするものである。
このような本発明の位相差フィルム検査装置について図を参照しながら説明する。図1は本発明の位相差フィルム検査装置の一例を示す概略図である。図1に例示するように本発明の位相差フィルム検査装置10は、互いに吸収軸が直交するように配置された第1直線偏光板1および第2直線偏光板2と、位相差フィルム20を、上記第1直線偏光板1および上記第2直線偏光板2の間に配置されるように支持する、位相差フィルム支持部3と、上記第1直線偏光板1側に配置され、上記位相差フィルム支持部3に支持された位相差フィルム20に第1直線偏光板1を通して光を照射する光源4と、上記第2直線偏光板2側に配置され、上記第1直線偏光板1、上記位相差フィルム支持部3に支持された位相差フィルム20、および、上記2直線偏光板2を透過した光を受光する、指向性を備える受光機5とを有するものである。
このような例において、本発明の位相差フィルム検査装置10は、上記受光機5が、垂直受光角度θが0°<θ<90°の範囲内となり、かつ、平行受光角度θが0°<θ<90°の範囲内となるように配置されていることを特徴とするものである。
次に、本発明における「垂直受光角度θ」および「平行受光角度θ」について説明する。本発明に用いられる受光機は特定の方向の光のみを受光する指向性を有するものであるところ、上記「垂直受光角度θ」は、上記位相差フィルム支持部に支持された位相差フィルムの表面と、上記受光機が光を受光する受光方向とがなす角度を指すものである。
また、上記「平行受光角度θ」は、上記第2直線偏光板の吸収軸と、上記受光機が光を受光する受光方向とがなす角度を指すものである。
このような、垂直受光角度θおよび平行受光角度θについて図を参照しながら具体的に説明する。図2は本発明における垂直受光角度θおよび平行受光角度θについて説明する概略図である。ここで、図2(a)は、上記図1におけるXの方向から本発明の位相差フィルム検査装置を正視した場合の概略図であり、図2(b)は、上記図1におけるZの方向から本発明の位相差フィルム検査装置を正視した場合の概略図である。
図2(a)に例示するように、本発明における垂直受光角度θは、上記位相差フィルム支持部3に支持された位相差フィルム20の表面と、上記受光機5が光を受光する受光方向(図2(a)中、Rで示す方向)と、がなす角度を指すものである。ここで、本発明においては、上記位相差フィルム20の法線方向(図2(a)中、Zで示す方向)を垂直受光角度θ=0°とし、上記位相差フィルム20の平面方向を垂直受光角度θ=90°とする。
また、図2(b)に例示するように、本発明における平行受光角度θは、上記第2直線偏光板2の吸収軸方向(図2(b)中、Pで示す方向)と、上記受光機5が光を受光する受光方向Rとがなす鋭角の角度を指すものである。ここで本発明においては、上記第2直線偏光板2の吸収軸方向Pを、平行受光角度θ=0°とし、当該吸収軸方向Pから90°ずれた方向、すなわち第1直線偏光板1の吸収軸方向(図2(b)中、Qで示す方向)を、平行受光角度θ=90°とする。したがって、本発明において上記平行受光角度θが0°<θ<90°であるということは、換言すると上記受光機5の受光方向Rが、上記第1直線偏光板1の吸収軸Qと、上記第2直線偏光板2の吸収軸Pとの間に位置することを意味するということができる。
本発明によれば、上記垂直受光角度θが0°<θ<90°の範囲内となり、かつ、上記平行受光角度θが0°<θ<90°の範囲内となるように、上記受光機が配置されていることにより、上記位相差フィルム支持部に支持された位相差フィルムを透過した光のうち、位相差フィルムの厚み方向に対して、斜めの方向に透過した光を受光し、これに基づいて位相差性の欠陥を検出することができる。このため、本発明によれば上記位相差フィルム支持部に支持された位相差フィルムの厚み方向のレターデーション(Rth)に起因する位相差性の欠陥を検査することができる。
このようなことから、本発明によれば厚み方向のレターデーション(Rth)に起因する位相差性の欠陥を検査することが可能な位相差フィルム検査装置を提供することができる。
本発明の位相差フィルム検査装置は、少なくとも上記第1直線偏光板および第2直線偏光板と、位相差フィルム支持部と、光源と、受光機とを有するものである。
以下、このような本発明に用いられる各構成について順に説明する。
1.受光機
まず、本発明に用いられる受光機について説明する。本発明に用いられる受光機は特定の方向の光を受光する指向性を有するものであり、第1直線偏光板、第2直線偏光板および位相差フィルム支持部に支持された位相差フィルムを透過した光を受光する機能を有するものである。また、本発明の受光機は、上記垂直受光角度θが0°<θ<90°となり、かつ、上記平行受光角度θが0°<θ<90°となるように、上記第2直線偏光板側に配置されたものである。
ここで、本発明において上記垂直受光角度θを上記範囲内に規定するのは、上記垂直受光角度θが0°であると、面内レターデーション(Re)に起因する欠陥のみが検査されることになり、本発明の目的である厚み方向のレターデーション(Rth)に起因する欠陥を検査することができなくなるからである。また、上記垂直受光角度θが90°であると、受光機で受光できる光量が著しく低下してしまい、有効な検査を行うことができなくなるからである。
また、本発明において平行受光角度θを上記範囲内に規定するのは、平行受光角度θが0°あるいは90°であると、後述する光源からの光がすべて第1直線偏光板および第2直線偏光板によって遮断されてしまい、受光機で光を受光することができなくなってしまうからである。
本発明に用いられる受光機としては、上述した指向性を有するものであれば特に限定されるものではない。このような受光機としては、例えば、光電子増倍管、CCDカメラ等を挙げることができる。本発明においてはこれらのいずれの受光機であっても好適に用いることができるが、なかでもCCDカメラを用いることが好ましい。CCDカメラを用いることにより、上記受光機によって欠陥の有無のみではなく、欠陥の位置までも特定することができるからである。
本発明に用いられる受光機は1つのみであってもよく、あるいは、複数であってもよい。ここで、本発明において単一の受光機が用いられる態様としては、位相差フィルムの所定範囲について厚み方向のレターデーションに起因する欠陥を検出できる態様であれば特に限定されるものではない。このような態様としては、例えば、単一の受光機を固定して用いる態様と、単一の受光機を走査させながら広範な領域の欠陥を検出できるように用いる態様とを挙げることができる。なかでも、本発明においては複数の受光機が用いられることが好ましい。これにより、例えば、本発明に用いられる受光機の受光可能な領域よりも広幅の位相差フィルムを、本発明の位相差フィルム検査装置を用いて検査する場合に、位相差フィルムの全領域について欠陥の有無を検査することが可能になるからである。
なお、本発明において複数の受光機が用いられる場合は、本発明の位相差フィルム検査装置によって検査する位相差フィルムの種類等に応じて、すべて同一種類の受光機が用いられてもよく、あるいは、2種類以上の受光機が用いられてもよい。なかでも本発明においては、通常、すべて同一の受光機が用いられる。すべて同一の受光機が用いられることにより、すべての受光機によって受光された信号処理等の面において有利になるからである。
また、上述したように本発明に用いられる受光機は、垂直受光角度θが0°<θ<90°の範囲内となるように配置されたものであるが、なかでも本発明においては、垂直受光角度θが、10°〜80°の範囲内であることが好ましく、特に20°〜60°の範囲内であることが好ましく、さらに30°〜50°の範囲内であることが好ましい。上記垂直受光角度θが上記範囲よりも小さいと、受光機によって検出される光量変化が小さくなるため有効な欠陥検出が困難になる場合があるからである。一方、上記垂直受光角度θが上記範囲よりも大きいと、例えば、本発明の位相差フィルム検査装置をオンラインで用いる場合に、フィルムと接触するおそれがあるからである。
なお、本発明において複数の受光機が用いられている場合、各受光機の垂直受光角度θは、すべての受光機において同一であってもよく、あるいは、異なっていてもよいが、通常はすべて同一とされることが好ましい。
さらに、本発明においては垂直受光角度θが上記範囲内となるように設置された受光機の他に、垂直受光角度θが0°になるように配置された受光機が用いられてもよい。垂直受光角度θが0°になるように配置された受光機では、後述する位相差フィルム支持部に支持された位相差フィルムの面内レターデーション(Re)に起因する欠陥を検出することができるため、本発明の位相差フィルム検査装置よって、厚み方向のレターデーション(Rth)に起因する欠陥のみではなく、面内レターデーション(Re)に起因する欠陥も検出することができるようになるからである。
また、上述したように本発明に用いられる受光機は、平行受光角度θが0°<θ<90°の範囲内となるように配置されたものであるが、なかでも本発明においては、平行受光角度θが10°〜80°の範囲内であることが好ましく、特に30°〜60°の範囲内であることが好ましく、45°であることがもっとも好ましい。上記平行受光角度θがこのような範囲内であることにより、第1直線偏光板および第2直線偏光板を透過する光量を増加させることができるため、本発明の位相差フィルム検査装置によって、より高精度で欠陥を検査することが可能になるからである。
ここで、上記平行受光角度θが45°であることは、本発明に用いられる受光機の光の受光方向が、第1直線偏光板の吸収軸と第2直線偏光板の吸収軸とがなす角度を2分する位置に受光機が配置されることになる。
なお、本発明において複数の受光機が用いられている場合、各受光機の平行受光角度θは、すべての受光機において同一であってもよく、あるいは、異なっていてもよいが、通常はすべて同一とされることが好ましい。
2.第1直線偏光板および第2直線偏光板
次に、本発明に用いられる第1直線偏光板および第2直線偏光板(以下、両者を合わせて、単に「直線偏光板」と称する場合がある。)について説明する。本発明に用いられる第1直線偏光板および第2直線偏光板は、単一の振動面を有する光のみを透過させる直線偏光特性を備えるものである。
以下、このような第1直線偏光板および第2直線偏光板について説明する。
本発明に用いられる第1直線偏光板および第2直線偏光板は、上述した直線偏光特性を備えるものであれば特に限定されるものではないが、なかでも本発明においては液晶表示装置に用いられる偏光板が用いられることが好ましい。本発明の位相差フィルム検査装置によって検査される位相差フィルムは、主に液晶表示装置の視野角特性を改善するために用いられるものであるため、上記第1直線偏光板および上記第2直線偏光板として液晶表示装置に用いられる偏光板が用いられることにより、実際の液晶表示装置に近い条件で位相差フィルムを検査できるようになる。このため、実際の液晶表示装置において問題となり得る欠陥を、本発明の位相差フィルム検査装置によって高精度で検査することが可能になるからである。
このようなことから、本発明に用いられる第1直線偏光板および第2直線偏光板としては、通常、直線偏光特性を備える偏光子と、当該偏光子の両面に配置された偏光板保護フィルムとを有するものが好適に用いられる。
以下、このような構成を有する直線偏光板について詳細に説明する。
(1)偏光子
まず、上記偏光子について説明する。本発明に用いられる偏光子としては、本発明に用いられる直線偏光板に所望の直線偏光特性を付与できるものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、ポリビニルアルコールフィルムが延伸されてなり、ヨウ素を含有する偏光子が好適に用いられる。
(2)偏光板保護フィルム
次に、上記偏光板保護フィルムについて説明する。本発明に用いられる偏光板保護フィルムは、本発明に用いられる直線偏光板において偏光子が空気中の水分等に曝されることを防止する機能と、偏光子の寸法変化を防止する機能とを有するものである。
本発明に用いられる偏光板保護フィルムは、上述した偏光子を保護することができ、かつ、所望の透明性を有するものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明に用いられる偏光板保護フィルムは、光学的等方性に優れたものであることが好ましい。これは、本発明の位相差フィルム検査装置は、位相差フィルムの厚み方向のレターデーション(Rth)に起因する欠陥を検出することができるものであるところ、上記偏光板保護フィルムが位相差性を有するものであると、検査対象である位相差フィルムの光学特性に起因する欠陥と、偏光板保護フィルムが備える光学特性に起因する欠陥とが混合されてしまい、検査精度が低下してしまうおそれがあるからである。より具体的には、本発明に用いられる偏光板保護フィルムは、波長589nmにおける面内レターデーション(Re)が、0nm〜10nm範囲内であることが好ましく、0nm〜5nmの範囲内であることがより好ましく、0nm〜3nmの範囲内であることがさらに好ましい。
また、波長589nmにおける厚み方向のレターデーション(Rth)は、0nm〜100nmの範囲内であることが好ましく、0nm〜80nmの範囲内であることがより好ましく、0nm〜60nmの範囲内であることがさらに好ましい。
ここで、本発明に用いられる偏光板保護フィルムの遅相軸方向xの屈折率をnx、進相軸方向yの屈折率をny、厚み方向zの屈折率をnz、さらに偏光板保護フィルムの厚みをdとした場合に、上記面内レターデーション(Re)および厚み方向のレターデーション(Rth)は、それぞれ以下の式によって表されるものである。
Re=(nx−ny)×d
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d
なお、上記面内レターデーション(Re)および厚み方向のレターデーション(Rth)は、例えば、王子計測機器株式会社製 KOBRA−WRを用い、平行ニコル回転法により測定することができる。
また、本発明に用いられる偏光板保護フィルムは、可視光領域における透過率が80%以上であるものが好ましく、90%以上であるものがより好ましい。
ここで、上記偏光板保護フィルムの透過率は、JIS K7361−1(プラスチックー透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
本発明に用いられる偏光板保護フィルムを構成する材料としては、例えば、セルロース誘導体、シクロオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アモルファスポリオレフィン、変性アクリル系ポリマー、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル類等を挙げることができる。
なかでも本発明においては、上記材料としてセルロース誘導体またはシクロオレフィン系ポリマーを用いることが好ましい。
上記セルロース誘導体としては、セルロースエステル類を用いることが好ましく、さらに、セルロースエステル類のなかでも、セルロースアシレート類を用いることが好ましい。セルロースアシレート類は工業的に広く用いられていることから、入手容易性の点において有利だからである。
上記セルロースアシレート類としては、炭素数2〜4の低級脂肪酸エステルが用いられることが好ましい。このような低級脂肪酸エステルとしては、例えばセルロースアセテートのように、単一の低級脂肪酸エステルのみを含むものでもよく、また、例えばセルロースアセテートブチレートやセルロースアセテートプロピオネートのような複数の脂肪酸エステルを含むものであってもよい。
本発明においては、上記低級脂肪酸エステルのなかでもセルロースアセテートを特に好適に用いることができる。また、セルロースアセテートのなかでも平均酢化度が57.5〜62.5%(置換度:2.6〜3.0)のトリアセチルセルロースを用いることが最も好ましい。ここで、酢化度とは、セルロース単位質量当りの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験方法)におけるアセチル化度の測定および計算により求めることができる。なお、トリアセチルセルロースフィルムを構成するトリアセチルセルロースの酢化度は、フィルム中に含まれる可塑剤等の不純物を除去した後、上記の方法により求めることができる。
一方、本発明に用いられるシクロオレフィン系ポリマーとしては、環状オレフィン(シクロオレフィン)からなるモノマーのユニットを有する樹脂であれば特に限定されるものではない。このような上記環状オレフィンからなるモノマーとしては、例えば、ノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマー等を挙げることができる。
なお、本発明に用いられるシクロオレフィン系ポリマーとしては、シクロオレフィンポリマー(COP)またはシクロオレフィンコポリマー(COC)のいずれであっても好適に用いることができる。
本発明に用いられるシクロオレフィン系ポリマーは上記環状オレフィンからなるモノマーの単独重合体であってもよく、または、共重合体であってもよい。
また、本発明に用いられるシクロオレフィン系ポリマーは、23℃における飽和吸水率が1質量%以下であるものが好ましく、なかでも0.1質量%〜0.7質量%の範囲内であるものが好ましい。このようなシクロオレフィン系ポリマーを用いることにより、本発明の位相差フィルムを吸水による光学特性の変化や寸法の変化が生じにくいものとすることができるからである。
ここで、上記飽和吸水率は、ASTMD570に準拠し23℃の水中で1週間浸漬して増加重量を測定することにより求められる。
本発明に用いられるシクロオレフィン系ポリマーからなる偏光板保護フィルムの具体例としては、例えば、Ticona社製 Topas、ジェイエスアール社製 アートン、日本ゼオン社製 ZEONOR、日本ゼオン社製 ZEONEX、三井化学社製 アペルや、これらの基材に延伸処理を施したもの等挙げることができる。
なお、第1直線偏光板および第2直線偏光板に用いられる偏光板保護フィルムは、同一であってもよく、あるいは、異なっていてもよいが、通常、すべて同一の偏光板保護フィルムが用いられる。
(3)第1直線偏光板および第2直線偏光板
本発明に用いられる第1直線偏光板および第2直線偏光板は、互いに吸収軸が直交するように配置されたものである。ここで、上記第1直線偏光板および第2直線偏光板が配置された態様としては、互いの吸収軸が直交し、かつ、両直線偏光板の間に位相差フィルムを配置できる程度の間隔がある態様であれば特に限定されるものではない。このような態様としては、図1に例示したように、後述する位相差フィルム支持部に支持された位相差フィルムの直近に両直線偏光板が配置された態様であってもよく、あるいは、上記第1直線偏光板が上記位相差フィルムの直近に配置され、上記第2直線偏光板が上記受光機と一体になるように配置されている態様であってもよい。上記第2直線偏光板がこのような態様で配置されていることにより、上記平行受光角度θを本発明で規定する範囲内にすることが容易になるからである。また、本発明の位相差フィルム検査装置は、後述する位相差フィルム支持部として駆動部を有するものを用いることにより、位相差フィルムの製造工程においてオンラインで位相差フィルムを検査することが可能なものであるところ、上記第2直線偏光板が上記受光機と一体になるように配置されていることにより、上記第1直線偏光板と上記第2直線偏光板との間隔を広げることができるため、オンラインで搬送されている位相差フィルムが上記直線偏光板と接触して、工程上のトラブルが生じることを防止できるからである。
上記第2直線偏光板が、上記受光機と一体になるように配置されている場合について図を参照しながら説明する。図3は、本発明の位相差フィルム検査装置において、上記第2直線偏光板が、上記受光機と一体になるように配置された場合の一例を示す概略図である。図3に例示するように、本発明の位相差フィルム検査装置10は、上記第2直線偏光板2が、上記受光機5と一体となるように配置されたものであってもよい。
3.位相差フィルム支持部
次に、本発明に用いられる位相差フィルム支持部について説明する。本発明に用いられる位相差フィルム支持部は、本発明の位相差フィルム検査装置によって検査する対象となる位相差フィルムが、上記第1直線偏光板および第2直線偏光板との間に配置されるように支持する機能を有するものである。
本発明に用いられる位相差フィルム支持部としては、本発明の位相差フィルム検査装置によって検査する対象となる位相差フィルムが、上記第1直線偏光板および第2直線偏光板との間に配置されるように支持できるものであれば特に限定されるものではなく、上記位相差フィルムの形態等に応じて、任意の位相差フィルム支持部を用いることができる。なかでも上記位相差フィルムが長尺状のものである場合、本発明に用いられる位相差フィルム支持部は駆動部を備えるものであることが好ましい。これにより、上記位相差フィルムを搬送させながら検査することが可能になるため、位相差フィルムの製造工程において、オンラインで検査することが可能になるからである。
4.光源
次に、本発明に用いられる光源について説明する。本発明に用いられる光源としては、可視光を照射することができるものであれば特に限定されるものではないが、なかでも一般的に液晶表示装置に用いられるバックライトと同様の波長の光を照射できるものであることが好ましい。本発明の位相差フィルム検査装置によって検査される位相差フィルムは、主に液晶表示装置の視野角特性を改善するために用いられるものであるため、上記光源として、一般的に液晶表示装置に用いられるバックライトと同様の波長の光を照射できるものが用いられることにより、実際の液晶表示装置に近い条件で位相差フィルムを検査できるようになる。このため、実際の液晶表示装置において問題となり得る欠陥を、本発明の位相差フィルム検査装置によって高精度で検査することが可能になるからである。このような光源としては、例えば、Xeランプ、ハロゲンランプ、水銀ランプ、冷陰極管(液晶ディスプレイ用バックライト)、LED(液晶ディスプレイ用バックライト)等を挙げることができる。
なお、本発明に用いられる光源は1つのみであってもよく、あるいは、複数であっても良い。
また、本発明に用いられる光源が配置される位置としては、上述した受光機によって、光源からの光を受光できる位置であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、上記受光機の受光方向の延長線上に光源が配置されることが好ましい。これにより、上記受光機によって受光される光の量を増加させることできるため、高感度で位相差フィルムの検査をすることが可能になるからである。
B.位相差フィルムの検査方法
次に、本発明の位相差フィルムの検査方法について説明する。本発明の検査方法は本発明に係る位相差フィルム検査装置を用いて行うことを特徴とするものである。
本発明の位相差フィルムの検査方法によれば、上記本発明に係る位相差フィルム検査装置が用いられていることにより、厚み方向のレターデーション(Rth)に起因する欠陥を検査することができる。
以下、このような本発明の位相差フィルの検査方法について説明する。
本発明の位相差フィルムの検査方法は、上述した本発明の位相差フィルム検査装置を用いて行うものである。ここで、本発明の位相差フィルム検査装置については、上記「A.位相差フィルム検査装置」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明の位相差フィルムの検査方法は、上記本発明の位相差フィルム検査装置を用いて行われるものであるが、通常、上記位相差フィルム検査装置を用いて検出された信号を処理することにより、検出されたすべての信号の中から許容範囲内の欠陥に起因するものと、許容範囲外の欠陥に起因するものと、を判別し、後者の信号が検出された部位を欠陥部位として特定する信号処理手段が用いられることになる。このような信号処理手段としては、位相差フィルムの厚み方向のレターデーション(Rth)に起因する所定の欠陥を特定できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、単位時間内に受光される光強度の下限値を設定しておき、当該下限値を下回る信号が検出された際に、その箇所を欠陥部位であると特定する方法と、単位時間内に受光される光強度の上限値を設定しておき、当該上限値を上回る信号が検出された際に、その箇所を欠陥部位であると特定する方法と、を例示することができる。本発明においては、これらのいずれの方法であっても好適に用いることができるが、少なくとも上記下限値を設定する方法が用いられることが好ましく、上記下限値を設定する方法と、上記上限値を設定する方法とを組み合わせて用いられることがさらに好ましい。すなわち、本発明においては単位時間内に受光される光強度の下限値と上限値とを設定しておき、当該下限値と上限値との範囲から外れる信号が検出された際に、その箇所を欠陥部位であると特定する方法が用いられることが好ましい。これにより、上記上限値を超える信号が検出された箇所を異物等に起因する輝点故障が発生した位置として特定し、かつ、上記下限地を下回る信号が検出された箇所を位相差フィルムの厚み方向のレターデーション(Rth)に起因する光学故障が発生した位置として特定することができるため、異なる原因に基づく欠陥を1回の検査で検出することが可能になるからである。
C.位相差フィルムの製造方法
次に、本発明の位相差フィルムの製造方法について説明する。本発明の位相差フィルムの製造方法は、厚み方向のレターデーション(Rth)を有する位相差フィルムを作製する、位相差フィルム作製工程と、上記位相差フィルム作製工程によって、作製された位相差フィルムを上記本発明に係る位相差フィルムの検査方法を用いて検査する、位相差フィルム検査工程と、を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、上記位相差フィルム工程が、上記本発明の位相差フィルムの検査方法を用いて、上記位相差フィルム作製工程において作製された位相差フィルムを検査するものであることにより、上記位相差フィルムの厚み方向のレターデーション(Rth)に起因する欠陥を検出することができる。このため、本発明によれば厚み方向のレターデーション(Rth)に起因する欠陥の少ない、位相差フィルムを製造することができる。
本発明の位相差フィルムの製造方法は、少なくとも位相差フィルム作製工程と、位相差フィルム検査工程とを有するものである。
以下、本発明に用いられる各工程について順に説明する。
1.位相差フィルム検査工程
まず、本発明に用いられる位相差フィルム検査工程について説明する。本工程は、後述する位相差フィルム作製工程において作製された位相差フィルムを検査する工程であり、その検査方法として、上記本発明に係る位相差フィルムの検査方法が用いられたことを特徴とするものである。
このように、本発明における位相差フィルム検査工程は、上記本発明に係る位相差フィルムの検査方法が用いられことを特徴とするものであるが、このような検査方法については、上記「B.位相差フィルムの検査方法」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
2.位相差フィルム作製工程
次に、本発明に用いられる位相差フィルム作製工程について説明する。本工程は、厚み方向のレターデーション(Rth)を有する位相差フィルムを作製する工程である。
本工程において製造される位相差フィルムの厚み方向のレターデーション(Rth)としては特に限定されるものではなく、作製される位相差フィルムの用途等に応じて任意に決定することができる。なかでも本工程において形成される位相差フィルムは、波長589nmにおける厚み方向のレターデーション(Rth)の絶対値は、50nm以上であることが好ましく、特に80nm以上であることが好ましく、さらに100nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。
本工程において作製される位相差フィルムとしては、厚み方向のレターデーション(Rth)が所定の範囲内であるものであれば特に限定されるものではない。したがって、本発明によって形成される位相差フィルムは、光学的異方性を有する樹脂材料からなる樹脂フィルムあるいはこれが延伸されたものであってもよく、また、基材と、当該基材上に形成され、光学異方性を備える化合物を含有する位相差層とを有するものであってもよい。このような位相差フィルムの構成については、一般的に公知の構成を採用することができるため、ここでの詳しい説明は省略する。
本工程において、位相差フィルムを作製する方法としては厚み方向のレターデーション(Rth)が所定の範囲内である位相差フィルムを作製できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、本工程によって作製される位相差フィルムの構成に応じて、一般的に公知の方法を用いることができるため、ここでの詳しい説明は省略する。
3.位相差フィルムの製造方法
本発明の位相差フィルムの製造方法は、少なくとも上記位相差フィルム作製工程と、上記位相差フィルム検査工程とを有するものである。本発明において上記位相差フィルム作製工程と、上記位相差フィルム検査工程とが実施される態様としては特に限定されるものではなく、両工程が別個に実施される態様であってもよく、あるいは、両工程が連続的に実施される態様であってもよい。なかでも本発明においては、上記位相差フィルム作製工程が、長尺の位相差フィルムを連続的に作製するものであり、上記位相差フィルム検査工程が、上記長尺の位相差フィルムを搬送しながら連続的に検査を行うものであって、両工程が同一ライン上で実施される態様が好ましい。これにより、上記位相差フィルム作製工程において作製された位相差フィルムを、上記位相差フィルム検査工程においてオンラインで検査することが可能であるため、製造不良を低減し、生産性の向上に資することができるからである。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
1.実施例
(1)位相差フィルムの作製
屈折率異方性材料として光重合性液晶化合物、重合開始剤としてイルガキュア907(日本チバガイギー社製)を光重合性液晶化合物に対して5wt%とし、シクロヘキサノンに15wt%溶解させ、位相差層形成用塗工液とした。
次いで、基材として厚み80μmの長尺トリアセチルセルロースフィルム(富士フイルム社製 TF80UL)を用い、上記位相差層形成用塗工液を上記基材上に、ロールコート法により塗工し、40℃オーブンで2分間乾燥させた後、窒素雰囲気下にて、100mJ/mの紫外線を照射して硬化させることにより位相差層を形成した。
このような方法により波長589nmにおける厚み方向のレターデーションが、200nmである位相差フィルムを作製した。
(2)位相差フィルムの検査
作製した位相差フィルムのうち位相差層の塗工ムラを有する部分を取り出してサンプルとした。このサンプルの塗工欠陥は、幅方向が約3mm、流れ方向5mmで、正常部分との厚みの差が約15nmで僅かに凹状となったものである。このようなサンプルについて、図4に示すような構成を有する位相差フィルム検査装置を用いて検査した。ここで、上記位相差フィルム検査装置としては、第1直線偏光板および第2直線偏光板として、株式会社サンリッツ社製 直線偏光板を用い、受光機としてCCDカメラを用い、また光源として水銀ランプを用い、さらに位相差フィルム支持部としてガイドロールを用いた。なお、本実施例で用いた位相差フィルム検査装置は、垂直受光角度θが40°、平行受光角度θが45°となるように受光機が配置されたものであった。
その結果、検出された欠陥数は、3.05個/mであった。これを液晶テレビ(シャープ社製 LC26GD1)にて実装したところ欠点数は4個/mであった。
2.比較例2
垂直受光角度θおよび平行受光角度θを共に0°としたこと以外は、実施例1と同様の構成を有する位相差フィルム検査装置を用い、実施例1と同様のサンプルについて検査を行った。
その結果、検出された欠陥数は、0.55個/mであり、検出されない欠陥が多数あった。これを液晶テレビ(シャープ製LC26GD1)にて実装したところ欠点数は5個/mであった。
本発明の位相差フィルム検査装置の一例を示す概略図である。 本発明における垂直受光角度θおよび平行受光角度θを説明する概略図である。 本発明の位相差フィルム検査装置の他の例を示す概略図である。 本発明の位相差フィルム検査装置の他の例を示す概略図である。 一般的な液晶表示装置の一例を示す概略図である。 位相差フィルムが用いられた液晶表示装置の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 … 第1直線偏光板
2 … 第2直線偏光板
3 … 位相差フィルム支持部
4 … 光源
5 … 受光機
10 … 位相差フィルム検査装置
20 … 位相差フィルム
100 … 液晶表示装置
101 … 液晶セル
102A、102B … 偏光板
103,104 … 位相差フィルム

Claims (4)

  1. 互いに吸収軸が直交するように配置された第1直線偏光板および第2直線偏光板と、
    位相差フィルムを、前記第1直線偏光板および前記第2直線偏光板の間に配置されるように支持する、位相差フィルム支持部と、
    前記第1直線偏光板側に配置され、前記位相差フィルム支持部に支持された位相差フィルムに第1直線偏光板を通して光を照射する光源と、
    前記第2直線偏光板側に配置され、前記第1直線偏光板、前記位相差フィルム支持部に支持された位相差フィルム、および、前記2直線偏光板を透過した光を受光する、指向性を備える受光機と、を有する位相差フィルム検査装置であって、
    前記受光機が、垂直受光角度θが0°<θ<90°の範囲内となり、かつ、平行受光角度θが0°<θ<90°の範囲内となるように配置されていることを特徴とする、位相差フィルム検査装置。
  2. 前記第2直線偏光板が、前記受光機と一体になるように配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の位相差フィルム検査装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の位相差フィルム検査装置を用いた、位相差フィルムの検査方法。
  4. 厚み方向のレターデーション(Rth)を有する位相差フィルムを作製する、位相差フィルム作製工程と、
    前記位相差フィルム作製工程によって作製された位相差フィルムを、請求項3に記載の位相差フィルムの検査方法を用いて検査する位相差フィルム検査工程と、を有することを特徴とする、位相差フィルムの製造方法。
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