JP2008266519A - 硬化性組成物、その硬化物および積層物 - Google Patents

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三季 平岡
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寿一 藤本
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Abstract

【課題】 基材表面等に、耐擦り傷性及び帯電防止性に優れる硬化被膜を形成するのに好適な硬化性組成物を提供する。
【解決手段】 下記一般式で示される化合物、エチレン性不飽和化合物及び光重合開始剤を含む硬化性組成物。
Figure 2008266519

【選択図】 なし

Description

本発明は、基材表面等に耐擦り傷性及び帯電防止性に優れる硬化被膜を形成しうる硬化性組成物に関する。
ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、トリアセチルセルロース樹脂等の合成樹脂は、軽量・透明性・易加工性等の利点を有する。そこで、そのような合成樹脂は、近年、CD、MO、DVD等の光ディスク;PDP、液晶、ELパネル等の表示窓;各種機能性フィルム;等、種々の分野で利用されている。
しかしながら一方で、これらの合成樹脂製の成型品は、その表面の耐擦り傷性が十分ではないことから、その表面に硬化性組成物を塗布、硬化させるハードコート処理がなされていることが多い。
特に、透明樹脂層表面に傷があると読み取り及び/又は書き込み時に致命的なエラーを引き起こす光ディスクの場合には、レーザー光が通過する透明樹脂層表面に予め、ハードコート処理を行うことが多い。
またそのような光ディスクは、長期間クリーニングをしない場合に、光ディスク表面に静電気により微細なホコリが吸着し、これが傷同様に、読み取り及び/又は書き込みのエラーを引き起こす可能性があるため、光ディスク表面への帯電防止性の付与が強く望まれている。
これらの要求を満足するものとして、特定のリチウム塩を配合した組成物のハードコート材が挙げられる(例えば特許文献1を参照)。
特開2001−288325号公報
しかしながら、特許文献1記載の組成物は、得られる硬化被膜の表面硬度が低位であり、耐擦り傷性に劣るという課題があった。
本発明の目的は、耐擦り傷性及び帯電防止性に優れる硬化被膜を形成しうる、硬化性組成物を提供することにある。
即ち、本発明は、下記一般式(1)で示される化合物、エチレン性不飽和化合物及び光重合開始剤を含む硬化性組成物である。
Figure 2008266519
(式中、Rfは、1〜8個の炭素原子を有するフッ素化されたアルキル基を、nは2〜20の整数を、Rはメチル基又はエチル基を示す。Xは、CO (カルボキシレート)、SO (スルホネート)、OSO (スルフェート)、OPO (ホスフェート)、またはONO (ニトレート)のアニオンであり、Yは、Li(リチウム)、Na(ナトリウム)、K(カリウム)、またはCs(セシウム)の対カチオンである。)
また、本発明は、前述の硬化性組成物の硬化物である。
さらに、本発明は、前述の硬化性組成物の硬化層を有する積層物である。
本発明の硬化性組成物は、基材表面等に、耐擦り傷性及び帯電防止性に優れる硬化被膜を形成するのに好適なものであって、特に透明プラスチック表面へのハードコートに好適である。
以下、本発明の硬化性組成物について詳細に説明する。
尚、本発明において「(メタ)アクリル酸エステル」とは「アクリル酸エステル又はメタアクリル酸エステル」を、「(メタ)アクリロイルオキシ基」とは「アクリロイルオキシ基又はメタアクリロイルオキシ基」を意味する。
一般式(1)で示される化合物
本発明の硬化性組成物を構成する一般式(1)で示される化合物を、以下「成分A」と略記する。成分Aは、得られる硬化被膜に帯電防止性を付与するための成分である。
成分AにおけるRfは、1〜8個の炭素原子を有するフッ素化されたアルキル基を、nは2〜20の整数を、Rはメチル基又はエチル基を示す。成分AにおけるXとしては、CO (カルボキシレート)、SO (スルホネート)、OSO (スルフェート)、OPO (ホスフェート)、ONO (ニトレート)が挙げられる。Yとしては、Li(リチウム)、Na(ナトリウム)、K(カリウム)、Cs(セシウム)が挙げられる。これらの中でも、硬化被膜に優れた帯電防止性を付与することができる点から、X:SO (スルホネート)、Y:Li(リチウム)の組み合わせが好ましい。成分Aは1種又は2種以上を併用して用いることができる。
成分Aの含有量は、後述する成分B及び成分Dの合計100質量部に対して、0.001〜3質量部が好ましく、0.01〜1質量部がより好ましい。
成分Aの含有量が0.001質量部以上である場合には、得られる硬化被膜の表面抵抗値を低下させ、また3質量部以下である場合には、硬化被膜外観が良好となる。
エチレン性不飽和化合物
本発明の硬化性組成物を構成するエチレン性不飽和化合物を、以下「成分B」と略記する。成分Bは、硬化性組成物に低粘度化と速硬化性を付与すると共に、得られる硬化被膜に表面硬度を付与する成分である。
成分Bとしては、例えば3官能以上の(メタ)アクリル酸エステル、ジ(メタ)アクリル酸エステル、モノ(メタ)アクリル酸エステル、ビニルエーテル、アリル化合物、アクリルアミド等が挙げられる。
成分Bの具体例としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、トリスエトキシレーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリル酸エステル、エトキシレーテッドペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステル、エトキシレーテッドペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリル酸エステル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステルを反応させたウレタントリ(メタ)アクリル酸エステル、有機ジイソシアネートとペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステルとを反応させたウレタンヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等の3官能以上の(メタ)アクリル酸エステル;グリセリンジ(メタ)アクリル酸エステル、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,4−ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ノナンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッドビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッドビスフェノールA、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのγ−ブチロラクトン付加物(付加数n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ネオペンチルグリコールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ブチレングリコールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、シクロヘキサンジメタノールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ジシクロペンタンジオールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールAのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールFのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル等のジ(メタ)アクリル酸エステル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステル、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリル酸エステル、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリル酸エステル、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリル酸エステル、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリル酸エステル、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリル酸エステル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリル酸エステル、2−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリル酸エステル、4−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリル酸エステル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステル又は2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリル酸エステルのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、2−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチルビシクロヘプタン、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸テトラシクロドデカニル、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のモノ(メタ)アクリル酸エステル;エチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル;ジアリルフタレート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のアリル化合物;アクリルアミド、 N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチルアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド等のアクリルアミド等が挙げられる。
これらの他、酢酸ビニル、酪酸ビニル、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アジピン酸ジビニル等のビニルエステルモノマー類;フタル酸、アジピン酸等の多塩基酸、エチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の多価アルコール及び(メタ)アクリル酸又はその誘導体との反応で得られるポリエステルポリ(メタ)アクリレート;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA等のビスフェノール類とエピクロルヒドリンの縮合反応で得られるビスフェノール型エポキシ樹脂に、(メタ)アクリル酸又はその誘導体を反応させたエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらは、一種単独で、又は二種以上を併用して用いることができる。
それらの中でも、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリト−ルテトラ(メタ)アクリル酸エステル、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレ−ト、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステルを反応させたウレタントリ(メタ)アクリル酸エステル、有機ジイソシアネートとペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステルとを反応させたウレタンヘキサ(メタ)アクリル酸エステル等は、組成物の硬化性及び得られる硬化被膜の耐擦り傷性に優れることから特に好ましい。
本発明の硬化性組成物が後述する溶剤を含まない場合は、水酸基を含有する(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましい。1〜2個の水酸基を含有する(メタ)アクリレート化合物を含むことがさらに好ましい。具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステル、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリル酸エステル、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリル酸エステル、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリル酸エステル、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリル酸エステル、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリル酸エステル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリル酸エステル、2−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリル酸エステル、4−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリル酸エステル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステル又は2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリル酸エステルのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物などの水酸基を有し、(メタ)アクリロイル基を1個有する化合物、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、グリセリンジ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステルなどの水酸基を有し、(メタ)アクリロイル基を2個以上有する化合物があげられる。これらは、一種単独で、又は二種以上を併用して用いることができる。これらの中で、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステル、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリル酸エステル、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリル酸エステル、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリル酸エステルが、組成物の低粘度化、成分Aの相溶性向上などの点から好ましい。
本発明において、成分Bの含有量は特に限定されない。その中でも、成分B及び後述する成分Dの合計100質量%中、10〜100質量%であることが好ましい。含有量は100質量%未満であることがより好ましく、20〜95質量%が更に好ましい。
成分Bの含有量が10質量%以上である場合には、得られる硬化被膜の耐久性、及び基材との密着性が十分に発現する。
本発明の硬化性組成物を構成する光重合開始剤を、以下「成分C」と略記する。
成分Cの具体例としては、特に限定されず、公知の光重合開始剤を用いることができる。
その中でも、例えば、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、4−フェニルベンゾフェノン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパノン、2−メチル1−[4−メチルチオ]フェニル−2−モルホリノプロパノン、メチルベンゾイルホルメート等は、特に好ましい。
更に、必要に応じて、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸アミル、4−ジメチルアミノアセトフェノン等の公知の光増感剤を添加してもよい。
本発明において、成分Cの含有量は特に限定されない。その中でも、成分B及び後述する成分Dの合計100質量部に対して、0.1〜15質量部が好ましく、1〜8質量部がより好ましい。
成分Cの含有量が0.1質量部以上である場合には、得られる硬化被膜の硬化性が向上し、15質量部以下である場合には、硬化被膜に残る臭気が軽減され、更に黄変しにくい傾向にある。
本発明においては、特に耐擦り傷性が要求される場合は、組成物中に成分Dを添加するのが好ましい。
本発明に用いる成分Dは、コロイダルシリカ微粒子(d1)(以下、「成分(d1)」と略記)及び有機シラン化合物の加水分解生成物(d2)(以下、「成分(d2)」と略記)の縮合反応物であり、親水性であるコロイダルシリカ微粒子表面をシリコーンで被覆して疎水化したものである。
そのため成分Dは他の成分との相溶性に優れるものとなり、得られる硬化被膜に良好な透明性を付与することができる。また成分Dは得られる硬化被膜に耐擦り傷性も付与することができる。
以下、成分Dを得るために用いる成分(d1)及び成分(d2)について説明する。
成分(d1)は、硬化被膜の耐擦り傷性を著しく改善でき、特に、ケイ砂等の微粒子に対する耐擦り傷性の改善効果に優れるものである。
成分(d1)は、一次粒子の面積平均粒子径(以下、「一次粒子径」と略記)が好ましくは1〜200nm、特に好ましくは5〜80nmの無水ケイ酸の超微粒子を分散媒に分散させた状態のものが使用でき、特に限定されるものではない。
成分(d1)の一次粒子径が1nm以上の場合には、成分Dの保存安定性が良好で、200nm以下の場合には硬化被膜の透明性が良好である。
成分(d1)における分散媒としては、例えば水又は有機溶媒が挙げられる。
この有機溶媒の具体例としては、例えば水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソブタノール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤;エチレングリコール等の多価アルコール系溶剤;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等の多価アルコール誘導体;メチルエチルケトン、ジアセトンアルコール等のケトン系溶剤;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等のモノマー類等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数3以下のアルコール系溶剤が、成分(d2)との反応工程が簡便であることから特に好ましい。
このような成分(d1)は、公知の方法で製造して用いてもよいし、市販品を用いてもよい。
成分(d2)は、加水分解してシラノール化合物とし、成分(d1)と予め反応させることにより、成分Bとの相溶性を向上させる成分である。
成分(d2)を得るために用いる有機シラン化合物としては、特に限定されるものではなく、公知のものを使用することができる。
有機シラン化合物の具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ビニルフェニレントリメトキシシラン、ビニルフェニレントリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ビニルトリス(3−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルーγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、
パーフルオロアルキルトリメトキシシラン、パーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートとアミノ基含有トリメトキシシランのマイケル付加体、パーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートとメルカプト基含有トリメトキシシランのマイケル付加体、パーフルオロアルキル基を有するアルコールとイソシアネート基含有トリメトキシシランの付加体等が挙げられる。
これらは、一種単独で、又は二種以上を併用して用いることができる。
また、それらの化合物のエポキシ基やグリシジル基に(メタ)アクリル酸を付加したシラン化合物、アミノ基に2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物をマイケル付加したシラン化合物、アミノ基やメルカプト基に(メタ)アクリロイルオキシ基及びイソシアネート基を有する化合物を付加したシラン化合物、イソシアネート基に(メタ)アクリロイルオキシ基及び水酸基を有する化合物を付加したシラン化合物等も用いることができる。
それらの中でも、最も好ましい有機シラン化合物は、下記一般式(2)で示される単量体である。
Figure 2008266519
(式中、Xはメタクリロイルオキシ基、アクリロイルオキシ基、ビニルフェニレン基又はビニル基を、Rは直接結合または炭素数1〜8の直鎖型もしくは分岐型アルキレン基を、R及びRは炭素数1〜8の直鎖型又は分岐型アルキル基を、aは1〜3の整数を、bは0〜2の整数を示し、a+bは1〜3の整数である。)
一般式(2)で示される単量体は、成分Bとの化学結合形成が可能でかつ光硬化性の成分Dを得ることができる。また、そのような成分Dを用いれば、得られる硬化被膜に強靭性を付与することができる。
一般式(2)で示される単量体としては、特に活性エネルギー線照射により重合活性を示すアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニルフェニレン基又はビニル基を有するシラン化合物が挙げられる。
一般式(2)で示されるシラン化合物の具体例としては、例えば、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、2−メタクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、2−アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、2−メタクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、2−アクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルフェニレントリメトキシシラン、ビニルフェニレントリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
これらは、一種単独で、又は二種以上を併用して用いることができる。
それらの中でも、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランから選択されるシラン化合物は、成分Bとの反応性が優れる点で特に好ましい。
本発明において用いる成分Dの製造法は特に限定されないが、例えば成分(d1)の分散体と成分(d2)との存在下で、成分(d1)の分散媒を常圧又は減圧下でトルエン等の非極性溶媒とともに共沸留出させ、該分散媒を非極性溶媒に置換した後、加熱下で反応させて得ることができる。
尚、成分(d1)の分散媒が、既に非極性溶媒に置換されている場合は、縮合反応で生成した水を、共沸により系外へ取り除くだけでよい。
以下、成分Dの製造法について、具体例を挙げて詳細に説明する。
ここでいう成分(d1)と成分(d2)の存在下とは、下記2通りの方法により得られる状態を意味する。
方法1:成分(d1)と有機シラン化合物とを混合した後、加水分解触媒を加え、常温又は加熱下で攪拌する等の常法により成分(d1)及び成分(d2)を共存させる方法。
方法2:予め有機シラン化合物を加水分解して得た成分(d2)と成分(d1)を混合し、共存させる方法。
具体的には、アルコール溶媒等有機溶媒の存在下又は非存在下において、有機シラン化合物1モルに対して、前記方法1の場合には成分(d1)の存在下、前記方法2の場合には成分(d1)の非存在下、0.5〜6モルの水、あるいは0.001〜0.1規定の塩酸又は酢酸水溶液等の加水分解触媒を加え、加熱下で攪拌しつつ、加水分解で生じるアルコールを系外に除去することにより、加水分解生成物を製造することができる。
次いで行われる縮合反応は以下の如く行えばよい。
具体的には、前記方法1では得られた成分(d2)の存在下、前記方法2では得られた(d2)成分と(d1)成分とを混合した後、まず成分(d1)中の分散媒と縮合反応で生じる水を常圧又は減圧下で60〜100℃、好ましくは70〜90℃の温度で共沸留出させ、固形分濃度を50〜90質量%とする。
次に系内にトルエン等の非極性溶媒を加え、この非極性溶媒、水、及びコロイダルシリカ微粒子の分散媒を更に共沸留出させながら60〜150℃、好ましくは80〜130℃の温度で固形分濃度を30〜90質量%、好ましくは50〜80質量%に保持しながら、0.5〜10時間攪拌し縮合反応を行う。
この際、反応を促進させる目的で、水、酸、塩基、塩等の触媒を用いてもよい。
このようにして成分Dを得ることができる。
非極性溶媒の具体例としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン等の炭化水素類;トリクロルエチレン、テトラクロルエチレン等のハロゲン化炭化水素類;1,4−ジオキサン、ジブチルエーテル等のエーテル類;酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸エチル、プロピオン酸エチル等のエステル類等を挙げることができる。
これらの非極性溶媒の中でも、炭化水素類、芳香族炭化水素類は、成分(d1)と成分(d2)との反応の面から好ましく、特に好ましい非極性溶媒としては、トルエン、キシレンを挙げることができる。成分(d1)と成分(d2)の縮合反応後は適用する基材に応じて、これら非極性溶媒を適宜、用途に応じた溶媒に置換してもよい。
前述した成分Dの製造工程において、成分(d1)と成分(d2)の含有量(以下、「固形分濃度」と略記)は30〜90質量%の範囲が好ましい。
この固形分濃度が30質量%以上の場合には、成分(d1)と成分(d2)との反応が良好であり、これを用いた被覆組成物を用いて得られる硬化被膜は十分な透明性が得られる。
また、この固形分濃度が90質量%以下の場合、縮合反応が急激に起こることなく、組成物の塗工作業性や得られる硬化被膜の物性が良好である。
成分Dを得るために行う縮合反応中の温度は60〜150℃の範囲が好ましい。反応温度が60℃以上の場合には、反応が十分に進行し、反応時間が短くなる傾向にあり、反応温度が150℃以下の場合には、シラノールの縮合以外の反応や、ゲル化が起こりにくい。
成分Dの製造において、反応工程での成分(d1)と成分(d2)の使用割合は、質量比で(d1)/(d2)=40〜90/10〜60、好ましくは50〜80/20〜50(但し、成分(d1)と成分(d2)の合計量を100質量部とする)である。
成分(d1)の使用割合が40質量部以上の場合、反応性は良好で、これを用いた硬化被膜の耐擦り傷性が向上する傾向にある。また、90質量部以下の場合、反応系が白濁、ゲル化することなく、これを用いた硬化被膜はクラックが発生しにくい。
また、非極性溶媒中で成分(d1)と成分(d2)とを反応させることにより、成分Bと相溶性良好な成分Dを合成することができる。
本発明において、成分Dを含有する場合、含有量は特に限定されないが、その中でも、成分B及び成分Dの合計100質量%中、0質量%を越えて90質量%以下が好ましく、5〜80質量%がより好ましい。
成分Dを含有することによって得られる硬化被膜の硬度が高くなり、90質量%以下である場合には、得られる硬化被膜にクラックが発生しにくい傾向にある。
本発明の硬化性組成物には、更に必要に応じて、レベリング材、界面活性剤、有機溶剤、酸化防止剤、黄変防止剤、ブルーイング剤、顔料、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、帯電防止剤、防曇剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の各種の添加剤を含有させてもよい。
本発明の組成物には、優れたレベリング性を付与する目的で、ポリエーテル変成シリコーン(以下、「成分E」と略記)を含有させることができる。
この成分Eは、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイド等のポリアルキレンオキサイドで変性されたシリコーンであればよく、特に限定されない。この成分Eは、硬化被膜に優れたレベリング性を付与することができる。
成分Eの好ましい具体例としては、例えば、市販品である、日本ユニカー(株)製L−77、L−720、L−722、L―7001、L−7002、L−7602、L−7604、L−7605、L−7607N、Y−7006、FZ−2104、FZ−2110、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164、FZ−2165、FZ−2166及びFZ−2171、東レ・ダウコーニング(株)製ペインタッド29、32、54、57、8142、8417、8388A、8353、8336等が挙げられる。
本発明において、成分Eの含有量は特に限定されない。その中でも、成分B及び成分Dの合計100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。
成分Eの使用量が0.01質量部以上である場合には、得られる硬化被膜のレベリング性を十分に付与できる。また、10質量部以下である場合には、得られる硬化被膜の耐擦り傷性が十分に発現する。
本発明の硬化性組成物は耐擦り傷性及び帯電防止性に優れるので、ポリカーボネート等の基材に塗布して、紫外線等によって硬化させることによって、光ディスクやディスプレイ表示窓フィルム等の積層物とすることができる。その硬化物層の厚みは、0.5〜10μmの範囲内であることが好ましい。
以下、本発明について実施例を用いて詳細に説明する。
また、実施例中の評価は下記評価方法に基づいて行った。
[評価方法]
1.透明性
日立製作所(株)製分光光度計U−3400を用いて、リファレンスを空気として、波長400nmにおける光線透過率を測定し、80%以上を良好(○)、80%未満を不良(×)とした。
2.耐擦り傷性
JIS K−7204に準拠し、摩耗輪CS−10F、荷重500g、回転数500サイクルの条件で硬化被膜面に耐擦り傷性テストを行った後、硬化被膜付きフィルムを中性洗剤で洗浄し、JIS K−7361に準拠するヘーズメータで曇価を測定した。尚、表中の評価結果は、テスト前の曇価に対するテスト後の曇価の増加値を示し、実用レベルである20以下の場合を良好(○)、20を超える場合を不良(×)とした。
3.密着性
硬化被膜付きフィルムの硬化被膜に、カミソリを用いて1.5mm間隔でフィルム基材に達する縦横それぞれ11本の傷を入れて100個のます目を作り、セロハンテープ(巾25mm、ニチバン社製)をます目に対して圧着させて上方に急激に剥がし、基材に残存したマス目数を数えた。尚、上記の残存マス目数は100個のものは密着性を良好(○)、0〜99個のものを不良(×)とした。
4.表面抵抗値
硬化被膜付きフィルムを、温度23℃、相対湿度50%の環境下で、24時間保持した後、(株)アドバンテスト製の高抵抗測定器(商品名:R8340)及びレジスティビティチェンバR12704を用いて、電圧100V印加条件にて、硬化被膜の表面抵抗値を測定した。表面抵抗値が1×1014Ω以下のものを良好(○)、1×1014Ωを超えるのものを不良(×)とした。
《合成例1》[有機被覆シリカD−1(成分D−1)の製造]
攪拌機、温度計及びコンデンサーを備えた3リットルの4ツ口フラスコに、メタノールシリカゾル(分散媒;メタノール、SiO濃度;30質量%、一次粒子径;12nm、商品名;MT−ST、日産化学工業(株))(以下、「MT−ST」と略記)1200g(SiO分として360g)と、有機シラン化合物として3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:SZ6030、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)230gを入れ、攪拌しながら昇温させ、揮発成分の還流が始まると同時に純水100gを徐々に滴下させ、滴下終了後、還流下で2時間攪拌しながら加水分解を行った。
加水分解終了後、常圧状態でアルコール、水等の揮発成分を留出させ、固形分濃度が60質量%の時点でトルエン720gを追加し、アルコール、水等をトルエンと一緒に共沸留出させた。
次に、トルエン1000gを追加し、完全に溶媒置換を行い、トルエン分散系とした。このときの固形分濃度は約40質量%であった。
更に、トルエンを留出させながら110℃で4時間反応を行い、固形分濃度を約60質量%とした。この後更に1−メトキシ−2−プロパノール1000gを追加し、トルエンを蒸発留出させ溶媒置換を行い、1−メトキシ−2−プロパノール分散系とした。得られた有機被覆シリカ分散体(以下、「D−1分散体」と略記)は、黄色状で透明な液体であり、固形分濃度は加熱残分で50質量%であった。またD−1分散体の酸価は8mgKOH/gであり、有機被覆シリカ単体であるD−1の酸価に換算すると16mgKOH/gであった。
[実施例1]
(1)硬化性組成物の調製
成分AとしてA−1(omnova solutions inc 製)を1.0質量部(内、固形分0.5質量部、水0.5質量部)、成分Bとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、商品名:カヤラッドDPHA)50質量部、ウレタンアクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名:ダイヤビームUK−6074)20質量部、合成例1で得られたD−1分散体60質量部(内、固形分が30質量部、1−メトキシ−2−プロパノールが30質量部)、成分Cとして2−メチル1−[4−メチルチオ]フェニル−2−モルホリノプロパノン(チバ・スペシャルティケミカルズ製、商品名:Irg907)8質量部、成分Eとしてペインタッド29(東レ・ダウコーニング製、商品名:ペインタッド29)を2質量部、有機溶剤として1−メトキシ−2−プロパノール43.4質量部、及び安定剤としてMEHQ(ハイドロキノンモノメチルエーテル)0.05質量部をそれぞれ混合攪拌して硬化性組成物を得た。得られた硬化性組成物は、淡黄色透明であった。
(2)積層物の製造
得られた硬化性組成物をポリカーボネートフィルム(フィルム厚:97μm)上(片面)にバーコータを用いて塗布し、80℃の熱風乾燥オーブン中で5分間かけて希釈溶剤を乾燥させた。その後、高圧水銀灯(出力160w/cm、ランプ高さ15cm)を用いて塗膜面に積算光量500mJ/cm(オーク(株)製、積算光量計UV−351にて測定)の紫外線を照射し、フィルム上に厚さ3μm(Carl Zaiss社製、光干渉式膜厚計MCS551 NIRにて測定)の硬化被膜を有する積層物を得た。
(3)評価
得られた積層物について前述した各種評価方法に準じて評価を行い、その評価結果を表1に示した。表面抵抗値は9×1012Ωであり、帯電防止性が良好であった。
[実施例2〜4、比較例1〜4]
表1に示す化合物及び組成とする以外は、実施例1と同様にして組成物及び物品を得た。また評価も実施例1と同様にして行い、その結果を表1に示した。
Figure 2008266519
なお、表1中の組成物欄に記載する略号は、以下の通りである。
A−1:一般式(1)においてRfがC、nが4、RがCH、XがSO 、YがLiである化合物の50%水分散体(omnova solutions inc 製)
A−2:一般式(1)においてRfがC、nが4、RがCH、XがSO 、YがNaである化合物の50%水分散体(omnova solutions inc 製)
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
A−TMMT:ペンタエリスリトールテトラアクリレート
UK−6074:ウレタンアクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名:ダイヤビームUK−6074)
A−200:ジアクリル酸テトラエチレングリコール
HDDA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
2−HPA:2−ヒドロキシプロピルアクリレート
Irg907:2−メチル1−[4−メチルチオ]フェニル−2−モルホリノプロパノン
D−1分散体:合成例1で得られた分散体
ペインタッド29:ポリエーテル変性ジメチルシリコーン(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名:ペインタッド29)
PGM:1−メトキシ−2−プロパノール
FTX−218:ノニオン系フッ素含有帯電防止剤((株)ネオス製、商品名:FTX−218)
MEHQ:ハイドロキノンモノメチルエーテル

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で示される化合物、エチレン性不飽和化合物及び光重合開始剤を含む硬化性組成物。
    Figure 2008266519
    (式中、Rfは、1〜8個の炭素原子を有するフッ素化されたアルキル基を、nは2〜20の整数を、Rはメチル基又はエチル基を示す。Xは、CO (カルボキシレート)、SO (スルホネート)、OSO (スルフェート)、OPO (ホスフェート)、またはONO (ニトレート)のアニオンであり、Yは、Li(リチウム)、Na(ナトリウム)、K(カリウム)、またはCs(セシウム)の対カチオンである。)
  2. 請求項1に記載の硬化性組成物の硬化物。
  3. 請求項1に記載の硬化性組成物の硬化層を有する積層物。
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