JP2008264366A - 野球用手袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】指に対するボールの衝突による衝撃を効果的に緩和して、重度の打撲・爪の剥離・骨折など深刻な指の損傷事故を効果的に防止すると共に、指の自由な運動性を制約も阻害もしない、野球用手袋を提供すること。
【解決手段】野球用手袋の手袋主体の甲の側であって、第1指乃至第5指の内の所望の指の背を防護する位置に、弾性率を異にする複数種類の衝撃緩和材を所定の順番で積層すると共に、その表面側に任意間隔の切り込みを形成してなる、多層構成の防護パッドを配設する。
【選択図】図1

Description

本発明は、野球用手袋、さらに詳しくは、野球競技における打撃やバントに際してボールの衝突によって引き起こされる指の損傷事故を、指の運動性を制約・阻害することなく、効果的に防止する野球用手袋に関する。
野球競技の試合や練習において、バットを握って構える打者の手は、投球の球道に近接した位置をとるため、指にボールが衝突する事態は少なからず起きている。特に、バントにおいて頻発し、深刻な事故を引き起こす場合のあることが指摘されている。
周知の通り、バントに際して、打者はバッターボックスの投手よりに立ち、バットのマーク(芯)の辺りを、利き手(右打者では右手)の第1指(親指)を上にし、第2指から第5指を下にして、指先をボールに向ける形で持ち、バットの先端部にボールを当てて転がすことを基本としており、バットを保持する利き手の指(特に、下記の末節骨部分)とボールが最も近接して位置することになるから、投球の僅かな変化などで容易にボールが指に衝突することとなる。
他方、図7に示す通り、人間の手は、手首部分の手根骨83から5本の中手骨82が略放射状に広がって手の本体部分をなし、各中手骨82の骨頭部に第1指乃至第5指の各指骨(中手骨側から、第1指では中節骨81bと末節骨81c、第2指乃至第5指では基節骨81aと中節骨81bと末節骨81c)が接合して指を形成しているが、その甲の側は、筋肉や脂肪など衝撃を吸収する柔軟な体組織に乏しい上に、骨が皮下に突出・露呈しているから、外部からの衝撃には大変に脆弱な構成となっており、この脆弱さは特に指(とりわけ、指の背の部分)において最も顕著である。
打撃やバントに際してボールが指に衝突した場合、この脆弱な指が、ボールとバットに挟まれた状態で、衝突したボールの大きな衝撃荷重を受けなければならない。これが、指に対するボールの衝突によって、重度の打撲、爪の剥離、骨折などの深刻な損傷事故が引き起こされる理由であり背景である。
このように、野球競技の試合や練習において、ボールが指に衝突する事態は頻発して深刻な指の損傷事故を引き起こしており、選手生命を奪うことさえ少なくない。この事実は、野球関係者や指導者の間でも認識され、衝突したボールの衝撃を緩和して指の損傷事故を防止する有効な用具や手段が求められてきた。しかし、現在に至るまで、衝撃を効果的に緩和する用具や手段は提供されてこなかった。
現在の野球競技の試合や練習では、打撃やバントにおいて野球用手袋を着用することが普及しており、この野球用手袋に適切な衝撃緩和手段を設けることができれば、ボールの衝突による指の損傷事故を防止し或いは回避することが可能と考えられるが、そのような従来提案は極めて限られており、事故防止の効果においても極めて不十分なものに止まっている。
例えば、特開2007−037637号(以下、従来技術1と呼ぶ)では、野球用手袋の甲側の指の背を覆う位置に、合成樹脂系エラストマからなるシート状の伸縮材を付設し、このシート状伸縮材の衝撃吸収力によって、衝突したボールが与える衝撃を減衰して緩和させることが提案されている。
また、実用新案登録第3086050号(以下、従来技術2と呼ぶ)では、手の甲側の
第2指乃至第5指の中手骨頭部位置に伸縮性シートを内面側から縫着した野球用手袋が提案されており、これも伸縮性シートの衝撃吸収力によって指に衝突したボールの衝撃荷重を緩和しようとするものである。
特開2007−037637号公報 実用新案登録第3086050号公報
上に挙げた従来技術1及び従来技術2は、野球用手袋の甲側の所定位置に伸縮材からなる衝撃緩和手段を設け、この衝撃緩和手段によって衝突したボールの衝撃を吸収して指の損傷事故を防止するよう提案するものであるが、次の点で致命的な問題を抱えている結果、事故防止のための野球用手袋として実効を奏することはできず、実用に供されることはなかった。
即ち、従来技術1は、野球用手袋の指の背を覆う位置に設けたポリウレタン近ゲル材エラストマからなるシート状部材の衝撃吸収力でボールの衝撃を減衰して緩和させようとする。しかし、このシート状部材の衝撃吸収力によって、指の損傷事故を防止できる程に衝撃を緩和しようとすると、シート状部材を著しく厚く大きなものにしなければならない。
言うまでもなく、打撃やバントにおいては、繊細なバット・コントロールが欠かせず、そのためには手・指の自由な運動性が確保されなければならない。逆に言うと、手・指の自由な運動性を制約しさらには阻害する限り、野球用手袋としては基本的に成立しないのである。
しかるに、従来技術1によって、ボールの衝突による衝撃を緩和して指の損傷事故を防止しようとすれば、著しく厚く大きなシート状部材が指の自由な運動性を奪い、逆に指の運動性を維持可能な程度にシート状部材の厚さと大きさを抑えてしまうと、ボールの衝撃を十分に吸収して緩和することができず、指の損傷事故を防止することができない。
この点で、従来技術1は、ボールの衝突による衝撃を緩和して指の損傷事故を防止する野球用手袋として、基本的に成立する余地を持たないのである。
また、従来技術2を見ると、やはり野球用手袋の甲側所定位置に、衝撃緩和手段としての伸縮性シートを設け、この伸縮性シートの衝撃吸収力でボールの衝撃を緩和するが、その設置位置は第2指乃至第5指の中手骨頭部位置を通る位置に限定されている。この設置位置では、伸縮性シートによって指骨を防護することはできず、伸縮性シートの衝撃吸収力を問うまでもなく、指の損傷事故を防止する野球用手袋として成立する余地がない。
従来技術2において、ボールの衝撃を吸収する伸縮性シートの設置位置を、第2指乃至第5指の中手骨頭部位置を通る位置に限り、指の背を防護する位置を排除したのか、その理由は定かでないが、一つの推定は成立する。
即ち、伸縮性シートを各指の背を防護する位置に設置しても、指の損傷事故を防止できる程にボールの衝撃を緩和しようとすると、伸縮性シートが著しく厚く大きなものになってしまい、指の自由な運動性を奪って野球用手袋としては成立不能になる。逆に、指の自由な運動性を確保しようとすれば、指の背を防護する位置に伸縮性シートを設けても指の損傷事故を防止することはできない。そのため、事故防止の効果を期待できない指の背を防護する位置には伸縮性シートを設けなかったと推定するのが自然である。
つまり、従来技術は、ボールの衝突による指の損傷事故を防止する野球用手袋に対して当然に求められる二つの要請を、満たすことができなかったことになる。二つの要請の一つは、野球用手袋に欠かせない、指の自由な運動性の確保である。そして、他の一つは、指の損傷事故を防止するための、衝撃の十分な緩和になる。
本発明は、ボールの衝突による衝撃を効果的に緩和して指の損傷事故を防止すると共に、指の自由な運動性を制約も阻害もしない野球用手袋を提供することを課題とし目的とする。
請求項1の発明は、第1指乃至第5指の各指を挿入する指袋を具えた手袋主体を有する野球用手袋であって、弾性率の低い伸縮材からなる第一防護層と弾性率の高い伸縮材からなる第二防護層を積層すると共に該第一防護層に任意間隔の切り込みを設けた防護パッドを、前記手袋主体の甲の側において、第1指乃至第5指の各指骨の骨端と中手骨の骨頭が接合する関節部から各指骨の骨頭に亘る指の背を防護する位置の内の2個所以上に、前記第一防護層の表面を外方に向けて配設したこと、を特徴とする野球用手袋である。
請求項2の発明は、前記第二防護層と積層された前記第一防護層の表面側に、剛性の高い硬質材からなる第三防護層を積層すると共に該第三防護層から前記第一防護層に亘る任意間隔の切り込みを設けてなる防護パッドを、前記第三防護層の表面を外方に向けて配設したこと、を特徴とする請求項1に記載の野球用手袋である。
請求項3の発明は、前記手袋主体の前記指袋の部分であって、第1指の開放側の側部を防護する位置に、前記防護パッドを設けたこと、を特徴とする請求項1または請求項2に記載の野球用手袋である。
請求項4の発明は、前記手袋主体の前記指袋の部分であって、第1指乃至第5指の先端部分の内の2個所以上を防護する位置に、前記防護パッドを設けたこと、を特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の野球用手袋である。
請求項5の発明は、前記手袋主体が手の略全体を覆う内皮部分と該内皮部分の表面の一部または全部を覆う外皮部分で構成されている野球用手袋において、重合する前記内皮部分と前記外皮部分の間に前記防護パッドが挿置されてなることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれかに記載の野球用手袋である。
以上のように、本発明は、野球用手袋の甲側において、第1指乃至第5指の所望の指を防護する所定位置に、弾性率を異にする複数種類の衝撃緩和材を積層した多層構成の防護パッドを設けると共に、該防護パッドの表面側に任意間隔の切り込みを形成している。したがって、本発明によれば、ボールの衝突による衝撃を効果的に緩和して指の損傷事故を防止すると共に、指の自由な運動性を制約も阻害もしない野球用手袋を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る野球用手袋の甲の側を模式的に示すものであり、該野球用手袋1は、第1指乃至第5指の各指を挿入する指袋3を具えた手袋主体2と、係止手段4aを具えたベルト部4によって構成されている。
該手袋主体2の甲側には、ボールが衝突した際の衝撃を減衰させ、指に加わる衝撃荷重を緩和するための防護パッド5が配設されており、その配設位置は、第1指乃至第5指の指の背を防護するための位置であって、第1指乃至第5指の各指骨の骨端と中手骨の骨頭が接合するそれぞれの関節部から、各指骨の先端部にある末節骨の骨頭部に亘る位置に照応している。
図2は、手袋主体2に配設された防護パッド5を示すもので、弾性率の異なる複数種類の合成樹脂シート材を積層することによって構成されている。
図2のaに示す防護パッド5は、下記2種類のシート状の伸縮材を第一防護層及び第二防護層として用いた二層構成のものである。
第一防護層51として用いた伸縮材は、相対的に弾性率が低く衝撃吸収力と共に衝撃抵抗力も発揮することのできるポリエチレン系発泡シート材(硬度70)であり、第二防護層52として選んだ伸縮材は、相対的に弾性率が高く衝撃吸収力に富むポリオレフィン系発泡シート材(硬度40)で、両者を貼り合わせて積層し、積層された第一防護層には適宜間隔の切り込み54を形成している。
図2のbに示した防護パッド5は、上記の二層構成の防護パッド5にさらに異なる種類の合成樹脂シート材を第三防護層53として積層し、三層構成としたものである。
該防護パッド5において第三防護層として用いたのは、高い剛性を有し強い衝撃抵抗力を発揮するポリプロピレン系の硬質シート材で、前記第二防護層と積層された第一防護層の表面側に貼り合わせて積層した後、この第三防護層から第一防護層に亘って適宜間隔の切り込み54を形成した。
これら多層構成の防護パッド5を、手袋主体2の前記した所定位置で、第二防護層の露呈した表面を手袋主体2に縫着若しくは貼着して固定し、露呈した第一防護層または第三防護層の表面を外方に向けた形で配設したものが、図1に示した野球用手袋である。
本発明者が、弾性率の異なる合成樹脂シート材を積層した多層構成に係る防護パッド5を用いた理由は下記の点にある。
既に指摘の通り、従来技術1は、野球用手袋の甲側であって指の背を覆う位置にポリウレタン近ゲル材エラストマからなるシート状部材からなる衝撃緩和手段を設けながら、衝突したボールの衝撃を緩和するには、該シート状部材を指の自由な運動性を奪うほどに厚く大きくしなければならず、結果として野球用手袋として成立させることができなかった。
このように、ボールの衝撃の十分な緩和と指の自由な運動性の確保を両立できなかった原因は、衝撃の緩和を衝撃緩和手段として用いたシート状部材の衝撃吸収力だけに依存した所にある。
なぜなら、衝撃吸収力は衝撃緩和手段であるシート状部材の変形量に依存し、衝撃吸収力だけで衝撃を十分に減衰しようとすれば、衝撃緩和手段を著しく厚く大きなものにするほかないからである。
このような場合、衝撃緩和手段の厚さや大きさを抑制しようとするならば、衝撃緩和手段に衝撃抵抗力を加味することが考えられる。強い衝撃抵抗力で衝突したボールを瞬時に弾き返せば、衝撃緩和手段に伝搬されるボールの衝撃がある程度は抑えられると共に分散でき、衝撃吸収力による衝撃の減衰を容易にするからである。
もちろん、野球競技において、打者の指を骨折させ、木製バットまで折るほどの力を持つボールの衝撃を、衝撃抵抗力だけで効果的に減衰させるなどは到底できず、衝撃抵抗力で抑制し分散させた衝撃を、さらに衝撃吸収力によって減衰させなければ、指の損傷事故を防止するだけの効果的な衝撃の緩和は確保できない。
しかしながら、衝撃抵抗力と衝撃吸収力を兼ね備え、このように効果的な衝撃緩和を実現する単一素材は未だ見出されていない。仮に、衝撃抵抗力と衝撃吸収力を具える既知の素材を衝撃緩和材に用いても、衝撃吸収力が不十分であるために、やはり指の運動性を奪うほどに厚く大きなものにしない限り、指の損傷事故を防止するだけの衝撃の緩和を確保できない。
従来技術1が、指の自由な動きを確保しながら、衝突したボールの衝撃を効果的に緩和して指の損傷事故を防止する野球用手袋を実現できなかった理由も、従来技術2が指の背を防護する位置に衝撃緩和手段を設けず、指の損傷事故の防止を放棄せざるを得なかった原因も、全てここにある。これは、衝撃緩和手段を単一種類の素材に求める従来技術では、決して解決することができない問題なのである。
これに対して、本発明は弾性率が相違する異なる種類の複数の素材を積層して衝撃緩和手段である防護パッド5を構成することで、この問題を氷解させたものである。
即ち、相対的に弾性率の低いシート状の伸縮材からなる第一防護層51と相対的に弾性率の高いシート状の伸縮材からなる第二防護層52を積層した二層構成の防護パッド5(図2のa)では、衝撃抵抗力と衝撃吸収力を具えた第一防護層51が、衝突したボールの衝撃を抑制すると共に伝搬した衝撃の一部を吸収して減衰し、なおも残る強い衝撃を衝撃吸収力に富む第二防護層52が減衰させることによって、指の損傷事故を防ぎ得る程度にまでボールが与えた衝撃を緩和する。
このような構成を採る結果、防護パッド5を、指の自由な動きを奪うほどに厚く大きくする必要はなくなっている。しかも、防護パッド5の表面側に位置する、相対的に硬質な第一防護層51には適宜間隔の切り込み54が形成されており、第二防護層は伸縮性に富む柔軟な伸縮材であるから、防護パッド5は指の動きに応じて容易に屈曲し、指の自由な動きを制約するところがない。
さらに、剛性が高く衝撃抵抗力に富む第三防護層53を積層した三層構成の防護パッド5(図2のb)では、衝撃抵抗力がより効果的に発揮され、衝撃の緩和をより確実なものにしている。即ち、ボールが衝突する表面側に積層された第三防護層53は、ボールの衝突によっても限られた曲がり変形や撓み変形を示すに止まり、衝撃吸収力をほとんど発揮しないが、その強い衝撃抵抗力によって瞬時にボールを弾き返し、伝搬する衝撃自体を効果的に抑制し分散する。
こうして抑制され分散されて防護パッド5に伝搬された衝撃も、指を損傷するだけの強さを持っているが、弾性率が相違し衝撃吸収力を異にする第一防護層51と第二防護層52の全体を介して、両層の全体に十分に分散された衝撃を段階的に減衰するため、指の損傷事故を防止し回避するに足る効果的な衝撃緩和を確保することができ、単一素材からなる衝撃緩和手段に求められるような厚みや大きさを必要としない。
なお、上記三層構成の防護パッド5では、相対的に硬質な第一防護層51のみならず、高い剛性の硬質素材からなる第三防護層53が積層されているから、いかに厚さや大きさが抑制されても、そのままでは指の自由な動きを制約・阻害せずにはおかない。しかしながら、表面側の第三防護層53から第一防護層51に亘る適宜間隔の切り込み54が形成されており、最も指に近く位置する第二防護層52は伸縮性に富む柔軟な伸縮材であるから、防護パッド5は指の動きに即して容易に屈曲し、指の自由な動きを制約するところがない。(図3)
なお、本発明者の検討と実験の限りでは、第二防護層52に用いている弾性率の高い最も柔軟な伸縮材と第三防護層53に用いている剛性の高い硬質素材を直接積層した二層構成の防護パッドを用いても、衝撃を効果的に緩和して指の損傷事故を防止すると共に、指の自由な運動を確保することのできる野球用手袋を実現することはできなかった。
その理由は、それ自体は強い衝撃抵抗力を持つ第三防護層53であるが、最も伸縮性が大きく柔軟な第二防護層52と直接貼り合わせて積層されている結果、ボールが衝突した際に第二防護層52の側へ大きく後退してしまい、この位置移動で衝撃抵抗力を減殺されるからである。
この結果、第二防護層52は、第三防護層53が存在しない場合と概ね変わらない衝撃を自らの衝撃吸収力だけで減衰しなければならず、指の自由な動きを制約しない程度の厚さと大きさの防護パッドでは、ボールの衝突による衝撃を、指の損傷事故を生じさせないほどに減衰させ緩和することができない。
この点、三層構成に係る防護パッド5において、第二防護層52と第三防護層53に挟まれた位置に積層される第一防護層51は、ボールが衝突した際における第三防護層53の衝撃抵抗力を支えると共に、第三防護層53が抑制し分散した衝撃を、さらに第一防護層51と第二防護層52の全体に分散させ、衝撃吸収力による衝撃の円滑な減衰を助けていると考えることができる。
本実施形態に係る防護パッド5は、以上の構成と機能を有しているから、この防護パッド5を手袋主体2の前記した所定の位置に所定の向きで配設すれば、指の自由な動きを制約も阻害もすることなく、指に衝突したボールの衝撃を効果的に緩和する好適な野球用手袋を実現することができ、練習においても試合においても避け難かった指の損傷事故を防止することができる。
また、本実施形態に係る防護パッド5は、合成樹脂製の複数種類のシート材を素材とし、これらを貼り合わせて積層し、切り込みを形成した上で、所望の形状に切り出すだけで製造することができるから、防護パッド自体を成形する場合に比較して、はるかに廉価・簡便である。したがって、防護パッドと防護パッドを配設した野球用手袋が消耗品であることも考慮すれば、この経済性と生産性における利点が著大であることは、明らかなものと思料する。
なお、上記した野球用手袋によって、ボールの衝突が引き起こす指の損傷事故が効果的に防止されることは疑いのないところであるが、バントの際の指の損傷事故をより万全に防止しようと考えた場合、さらに次のような防護処置を加えることが可能であり且つ望ましい。
即ち、バントに際しては、前に説明したように、利き手の第1指(親指)を上にし、第2指から第5指を下にして、指先をボールに向ける形でバットを保持する。この結果、通常の打撃の場合に比べ、単にボールと指との衝突の可能性が高まるばかりでなく、ボールに向けられた各指の先端部分や親指の開放側の側部に対するボールの衝突が頻発することになる。
したがって、防護パッド5を手袋主体2の指の背を防護する位置に設けるだけではなく、さらに所望の指の先端部分や親指の開放側の側部を防護する位置にも設ければ、バントに際して頻発している指の損傷事故に対する防止効果が高まることになる。
図4は、手袋主体2を構成する指袋3の内、第2指(人差し指)を挿入すべき指袋の先端部に防護パッド5を設け、これを着用した状態を示したものである。
手袋主体2において、指先の先端部分を防護する位置に設ける防護パッド5は、指の背を防護する位置に配設した防護パッド5と別体であることを妨げない。しかし、指の背を防護する位置に配設する防護パッド5を所定の長さより長く切り出し、所定位置に貼着若しくは縫着すると共に、その先端部を屈曲させて指袋3の先端部分まで延長位置させれば、指の背から指の先端部分に亘って連続的且つ一体に防護パッド5を設けることができ、別体の防護パッドを設ける場合に比べ、指の先端部分へのボールの衝突が引き起こす損傷事故に対する防止効果はより確実なものになる。
なお、このように指の背を防護する位置に配設した防護パッド5を延長し、その先端部分を屈曲させて指袋3の先端部まで及ばせた場合、二層構成であると三層構成であるとを問わず、屈曲させた防護パッド5の切り込み54が大きく開いてしまう。
かかる場合には、開いた切り込み54が指に対する防護を損なってしまうから、この開いた屈曲部に適宜形状の補助片を挿置すべきであり、この補助片は衝撃の減衰・緩和能力を持つ限り素材を限定しないが、防護パッド5と同一構成の補助片であることが好ましい。
図5は、同様に手袋主体2を構成する指袋3の内、第1指(親指)を挿入して位置させる指袋の側部であって、挿入された第1指の開放側の側部を防護する位置に防護パッド5を設けた一例を示したものである。
図5では、第1指の側部を防護する防護パッド5の配設位置を明瞭に示すため、第1指の指の背と側部を防護する2つの防護パッドだけを描いているが、さらに第1指の先端部分を防護する位置に防護パッドを設けることを妨げず、バントに際して起こる第1指の損傷事故の防止を考えれば、該位置にも防護パッドを設けることが望まれる。
また、第1指の先端部分を防護する位置に防護パッドを設けるに当たっても、既に説明の通り、別体の防護パッドを用いることを妨げないが、第1指の指の背または側部を防護する位置に設けた、いずれかの防護パッドの長さを所定長より長くし、その先端部を屈曲させて第1指の先端部分を防護する位置まで及ばせると共に、屈曲によって開いた切り込みに補助片を挿置することが望ましい。
さらに、本実施形態では、防護パッド5と手袋主体2における該防護パッド5の配設位置や配設状態を模式的に示すため、防護パッド5が手袋主体2の表面に配設され外部に露呈している状態で説明を進めた。しかしながら、使用に伴う防護パッド5の損耗を抑えるためにも、外観上の違和感や抵抗感を避けるためにも、防護パッド5は手袋主体2の外面に露呈させず上布や当て布などで覆われている方が望ましい。
従来から、野球用手袋は、着用時に挿入した手・指をフィットさせる内皮部分とバットに対するグリップ力を確保・向上させるための外皮の部分の二層で構成されていたり、或いは手の略全体を覆う手袋主体の表面に適宜革片や布片やシート片を縫着若しくは貼着し、部分的に二層構成を呈している場合が多い。このような場合、これら二層の間に防護パッドを挿置させれば、容易に防護パッドを覆うことができる。
第6図は、手袋主体2の所定位置に配設された防護パッド5が外部に露呈することなく覆われた一例を示すもので、内皮部分6と外皮部分7の二層で構成された手袋主体2において、防護パッド5が重合する内皮部分6と外皮部分7の間に挿置され、外皮部分7によって覆われている。
なお、図面を参照して説明した最良の実施形態に係る野球用手袋は、試合と練習の双方において、打撃とバントを通じて着用することを前提に置いており、第1指乃至第5指の全ての指の背を防護する位置に防護パッド5を配設したものを基本とし、さらにバントの際の指の事故防止効果を高めるために、第1指の開放側の側部や所望の指の先端部分を防護する位置に防護パッドを設ける可能性に言及した。
しかしながら、本発明に係る野球用手袋がこの実施形態に限られるものでないことは言うまでもないところで、例えば、第1指の指の背・側部・先端部分と、第2指乃至第3指の指の背と先端部分を防護する位置だけに防護パッドを配設して、バント専用の野球用手袋として提供するなど、防止しようとする指の損傷事故に即した目的や用途によって、防護パッドを配設すべき位置・数・これらの組み合わせを自由に選択して実施することができる。
本発明に係る野球用手袋の一例を示す正面図である。 本発明に係る野球用手袋において用いる防護パッドの例を示す斜視図である。 本発明に係る野球用手袋における防護パッドの配設状態を示す切り欠き側面図である。 本発明に係る野球用手袋における防護パッドの他の配設状態を示す切り欠き側面図である。 本発明に係る野球用手袋における防護パッドの他の配設状態を示す一部切り欠き斜視図である。 本発明に係る野球用手袋における防護パッドの他の配設状態を示す一部切り欠き正面図である。 人間の右手の骨格を示す正面図である。
符号の説明
1 手袋
2 手袋主体
3 指袋
4 ベルト部
5 防護パッド
6 内皮部分
7 外皮部分
51 第一防護層
52 第二防護層
53 第三防護層
54 切り込み
81 指骨
81a 基節骨
81b 中節骨
81c 末節骨
82 中手骨
83 手根骨
84 尺骨
85 橈 骨



































Claims (5)

  1. 第1指乃至第5指の各指を挿入する指袋を具えた手袋主体を有する野球用手袋であって、弾性率の低い伸縮材からなる第一防護層と弾性率の高い伸縮材からなる第二防護層を積層すると共に該第一防護層に任意間隔の切り込みを設けた防護パッドを、前記手袋主体の甲の側において、第1指乃至第5指の各指骨の骨端と中手骨の骨頭が接合する関節部から各指骨の骨頭に亘る指の背を防護する位置の内の2個所以上に、前記第一防護層の表面を外方に向けて配設したこと、を特徴とする野球用手袋。
  2. 前記第二防護層と積層された前記第一防護層の表面側に、剛性の高い硬質材からなる第三防護層を積層すると共に該第三防護層から前記第一防護層に亘る任意間隔の切り込みを設けてなる防護パッドを、前記第三防護層の表面を外方に向けて配設したこと、を特徴とする請求項1に記載の野球用手袋。
  3. 前記手袋主体の前記指袋の部分であって、第1指の開放側の側部を防護する位置に、前記防護パッドを設けたこと、を特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の野球用手袋。
  4. 前記手袋主体の前記指袋の部分であって、第1指乃至第5指の先端部分の内の2個所以上を防護する位置に、前記防護パッドを設けたこと、を特徴とする請求項1から請求項2のいずれかに記載の野球用手袋。
  5. 前記手袋主体が手の略全体を覆う内皮部分と該内皮部分の表面の一部または全部を覆う外皮部分で構成されている野球用手袋において、重合する前記内皮部分と前記外皮部分の間に前記防護パッドが挿置されてなることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれかに記載の野球用手袋。













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