JP2008262955A - 半導体装置とその製造方法 - Google Patents

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Tetsuji Kamine
哲治 加峯
Yasuaki Kodaira
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Abstract

【課題】フレキシブル基板上に積層された半導体装置において、硬く脆い層を起因とする耐衝撃性および柔軟性の低さを解決する半導体装置とその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置の製造方法は、第1基板上に第1剥離層を形成する工程と、第2基板上に第2剥離層を形成する工程と、第1剥離層上に無機中間層を形成する工程と、無機中間層上に半導体層を形成する工程と、半導体層上に接着層を形成する工程と、第1基板と前記第2基板とを対向させ、接着層と第2剥離層とを積層する工程と、第1剥離層に光または熱を照射して第1基板を剥離する工程と、無機中間層を薄膜化する工程と、薄膜化した無機中間層上に有機中間層を形成する工程と、有機中間層にフレキシブル基板を接着する工程と、第2剥離層に光または熱を照射して第2基板を剥離する工程と、接着層を除去する工程と、を含むことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体装置とその製造方法に関するものである。
近年、自由に折り曲げられる電子機器が注目されている。例えば、電子ペーパーに代表されるフレキシブルディスプレイは、携帯時の軽さに加え、衝撃に対する吸収や、手に馴染む柔軟性など、ユビキタス社会の一役を担う電子機器となり得るものである。このような電子機器としては、例えば特許文献1に開示されるように、可撓性を有するプラスチック基板上に転写技術を用いて薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor, 以下、TFTと略記する)等の薄膜素子を転写したものが知られている。
この転写工程では、まず転写元基板であるガラス基板上に、剥離層を形成し、その上に通常のプロセスを用いて、被転写層である薄膜素子を形成する。そして、転写元基板のガラス基板と転写先基板のプラスチック基板とを接着剤により接着し、光、熱等により剥離層と転写元基板との密着力を弱め、プラスチック基板上に被転写層の薄膜素子を転写する。
ところで、この転写工程において、被転写層と被転写基板との間にガラス基板からのイオンの移動を防ぐためのバリア性、絶縁性を保つ目的で中間層を介在させる。従来から、この中間層としては、SiOやSi等の無機薄膜がよく用いられている。
特開2004−140383号公報
しかしながら、上記の無機薄膜は硬質なものであって、被転写基板であるプラスチック基板と大きく物性が異なる。例えばSiOと同質の石英ガラスでは、ビッカース硬度が1200、ヤング率が72GPaであるのに対して、ポリカーボネートではビッカース硬度が14、ヤング率が2.5GPa、PET(ポリエチレンテレフタレート)ではヤング率が5.4GPaである。ビッカース硬度とヤング率が大きいということは、硬質で撓みにくいということであるから、柔軟な基板上に剛直な中間層が存在することにより、半導体装置全体において充分な柔軟性が得られないばかりでなく、屈曲や衝撃等の外部応力に対して割れや破損が生じ易く、信頼性が低くなる、という問題があった。
本発明は上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、充分な柔軟性と絶縁性とを有し、屈曲、落下等の耐衝撃性に優れた半導体装置とその製造方法を提供することを目的としている。
本発明の半導体装置は、フレキシブル基板上に、有機中間層と、無機中間層と、半導体層とが順次積層され、前記半導体層によって半導体素子が構成されたことを特徴とする。
フレキシブル基板を用いることにより、半導体装置に柔軟性を持たせることができる。また、フレキシブル基板と半導体層との間に、有機中間層と無機中間層とを積層して中間層として介在させることにより、無機中間層のみでは得がたい柔軟性を付与することができる。また、屈曲や衝撃等の外部応力に対して割れや破損が生じ難く、信頼性の高い半導体装置を提供可能となる。
本発明の半導体装置の製造方法は、第1基板上に第1剥離層を形成する工程と、第2基板上に第2剥離層を形成する工程と、前記第1剥離層上に無機中間層を形成する工程と、前記無機中間層上に半導体層を形成する工程と、前記半導体層上に接着層を形成する工程と、前記第1基板と前記第2基板とを対向させ、前記接着層と前記第2剥離層とを積層する工程と、前記第1剥離層に光または熱を照射して前記第1基板を剥離する工程と、前記無機中間層を薄膜化する工程と、薄膜化した前記無機中間層上に有機中間層を形成する工程と、前記有機中間層にフレキシブル基板を接着する工程と、前記第2剥離層に光または熱を照射して前記第2基板を剥離する工程と、前記接着層を除去する工程と、を含むことを特徴とする。
第1基板の第1剥離層上に被転写層となる無機中間層と半導体層とを積層しておき、これらを一旦、第2基板に転写する。この後、硬く撓まない剛直な無機中間層を出来る限り薄膜化する。これにより、半導体装置内における硬くて脆い無機中間層の比率を小さくし、半導体装置全体としての柔軟性を保持することができる。ついで、この中間層をフレキシブル基板に対向するように接着することで、柔軟性を有する半導体装置を提供できる。
さらに、本発明の製造方法によれば、転写工程を2回施すので、例えばTFT等の薄膜素子を最初から第1基板上に形成した際と同じ積層順でフレキシブル基板に転写できる。
加えて、これらの転写工程では、TFT作成工程に比べて高温を必要としないので、半導体層が高温処理によって劣化する心配がなく、また、可動イオンの移動が少ないため、無機中間層を薄くすることが可能であり、安定した半導体装置を提供できる。
本発明の半導体装置の製造方法にあっては、前記無機中間層を薄膜化する工程において、薄膜化の手段としてはドライエッチングやウエットエッチングが挙げられるが、特にウェットエッチングによって前記無機中間層を薄膜化することが好ましい。
ウエットエッチングは他の薄膜化の手法、例えばドライエッチングや機械的切削に比較して半導体層に亀裂の発生や熱による損傷、プラズマによるダメージ等を与えることが少ない。
本発明の半導体装置の製造方法にあっては、半導体層を転写する第2基板への接着層として水溶性接着剤を用いることができる。
これにより、接着層の除去は水による洗浄で済み、この工程を非常に簡便かつ安価で行うことができるばかりでなく、半導体層への損傷の可能性も更に低くなり、信頼性により優れた半導体装置を簡便に提供できる。
次に、図面を参照して本発明の半導体装置とその製造方法について説明する。本実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、本発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。なお、以下に示す各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を異ならせてある
(半導体装置)
まず、図1を参照し、半導体装置の構成について説明する。
図1は、本発明の製造方法によって得られた半導体装置10の一実施形態を示した概略構成図である。この半導体装置10はフレキシブル基板1の上に接着層2と絶縁体層3と半導体層4とを、順次積層してなる。絶縁体層3は、有機中間層31と無機中間層32とからなる。この絶縁体層3と半導体層4とは、フレキシブル基板1上に、所謂SUFTLA(Surface-Free Technology by Laser Ablaion/Annealing)(セイコーエプソン社登録商標)と称される技術によって転写されてなるものである。これら被転写層は接着層2によってフレキシブル基板1に接着されている。
半導体層4は特に限定されるものではないが、本実施形態においてはTFTを構成した例を示す。TFTは、絶縁体層3の上に積層されたシリコン層41と、このシリコン層41の表面を覆うように形成されたゲート絶縁層42と、各電極とから構成されている。
ゲート絶縁層42はSiOやSiNを主体とした絶縁体からなり、このゲート絶縁層42を挟んでシリコン層41の上にはゲート電極43が形成されている。ゲート電極43の直下のシリコン層41には、図示しないソース領域、ドレイン領域、チャネル領域等が形成されている。さらに、ゲート絶縁層42およびゲート電極43を覆うように、シリコン層41の全面には、SiOを主体とする層間絶縁層44が形成されている。
また、図示しないが、シリコン層41にはそれぞれソース領域とドレイン領域とが形成されている。この各領域には、ゲート絶縁層42と層間絶縁膜44とを貫通して開孔するコンタクトホールが形成されており、各領域がソース電極45およびドレイン電極46にそれぞれ接続されている。
なお、本実施形態のTFTはトップゲート構造であるが、当該構造を限定するものではなく、ボトムゲート構造であってもよい。また、TFTのほか、その他の能動素子や受動素子、またはこれらの組み合わせからなるものであってもよい。このような薄膜素子としては、薄膜ダイオード、シリコンPIN接合からなる光電変換素子(光センサ、太陽電池)、シリコン抵抗素子、その他の薄膜半導体デバイス、電極、スイッチング素子、メモリ、圧電素子などのアクチュエータ、マイクロミラー(ピエゾ薄膜セラミックス等)、磁気記録薄膜ヘッド、コイル、インダクタ、抵抗、キャパシタ、薄膜高誘電材料およびそれらを組み合わせたマイクロ磁気デバイス、フィルタ、反射膜、ダイクロイックミラーなどを例示することができる。
フレキシブル基板1は、透明性、非透過性に限定することなく、各種材料によって構成されるものである。本実施形態では、特に可撓性に優れたものとして、プラスチック基板を採用している。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリイミド(PI)等で構成されるプラスティック基板(樹脂基板)を例示することができる。また、この他にも可撓性のあるものであれば、ガラス基板、シリコン基板、金属基板、ガリウム砒素基板等を採用してもよい。
接着層2は、後述するSUFTLA工程において、被転写層である絶縁体層3と半導体層4とをフレキシブル基板1に接着するためのものであって、特に限定されるものではなく、反応性硬化型接着剤、熱硬化性接着剤、光硬化型接着剤(紫外線硬化型接着剤)、嫌気硬化型接着剤、その他の各種硬化型接着剤を用いることができる。具体的には、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤、天然ゴム系接着剤、ポリウレタン系接着剤、フェノール系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ポリイミド系接着剤、ポリアミド系接着剤等を用いることができ、これらを目的にあわせて変性する等してもよい。
絶縁体層3は、半導体層4を物理的、化学的に保護し、各層間の絶縁性を保持する目的で形成されるものである。より具体的には、水分やアルカリイオンの浸入の抑制、各層間との密着性等の特性を有することが要求されている。
上記特性を満足するためには、絶縁体層3の膜厚は、膜質やその製造工程によって特性が異なるので、一概には規定することは困難であるが、TFT製造上、一般的に10nm〜5000nm、更に好ましくは40nm〜1000nm程度である。SUFTLA工程においては、工程上必要とする温度がTFT製造時と比べて非常に低く、可動イオン移動距離が非常に小さいと考えられる。したがって、SUFTLA工程時、無機中間層32を薄くすることが可能である。ウェットエッチングによって無機中間層32を薄膜化した後に、無機中間層32に有機中間層31を積層することによって、無機層の割合を減らすことで柔軟性と上記特性とを併せ持つ絶縁体層3としている。更には、ウェットエッチング工程で面内の厚みむらが生じた場合においても無機中間層32を平坦化することができる。無機中間層32を確実に残すために200〜1000nm程度の無機中間層32を薄膜化し、100〜300nmとすることが好ましい。40〜200nm程度の無機中間層で工程上問題ない場合には薄膜化することなく、有機中間層を積層する等しても良い。
このように本実施形態においては、無機中間層32上に有機中間層31を積層することで絶縁体層3全体として柔軟性を持つ層とした点が従来の半導体装置と大きく異なる。
有機中間層31は、上記特性を満たす材料であれば特に限定されるものではないが、柔軟性を有する比誘電率の小さな材料が好ましいので、通常の半導体製造において層間絶縁膜として使用されている材料を好適に用いることができる。
具体的には、パリレンN(比誘電率:2.6)、フッ化炭化水素(比誘電率:2.0〜2.4)、テフロン(登録商標)AF(比誘電率:1.93)、MSQ(比誘電率:2.7〜2.9)、ポリイミド(比誘電率:2.7〜2.9)、SiLK(芳香族炭化水素ポリマー)(比誘電率:2.7)、PAE(ポリ(アリレンエーテル))(比誘電率:2.6)、フッ化アモルファスカーボン(比誘電率:2.1)等である。
無機中間層32も、有機中間層31と同様の特性が要求されるが、この膜厚が大きいと、半導体装置10の柔軟性が低下するばかりでなく、曲げ強度や耐衝撃性が低くなるので、できる限り薄膜化することが好ましい。無機絶縁層32として好適に使用される材料は、主にSiO(比誘電率:4.0)であるが、Si等を使用してもよい。
このように本実施形態の半導体装置10にあっては、フレキシブル基板1に柔軟性を有する絶縁体層3を積層することにより、各層、特に絶縁体層3の絶縁特性に代表される各機能を損ねることなく、半導体装置10全体としての柔軟性を確保することができる。また、この柔軟性により、半導体装置10は曲げ応力や落下等の外部応力によって破損することが少なくなり、より信頼性の高い半導体装置とすることができる。
(半導体装置の製造方法)
次に、図2ないし図8を参照して半導体装置10の製造方法の一実施形態を説明する。図2ないし図8は半導体装置10の製造工程図であって、図1に示した半導体装置10の断面図に対応している。本発明の半導体の製造方法は、SUFTLA技術を利用したものである。また、本実施形態は本発明の一態様を示したものであって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。また、以下の図面においては、各構成および工程を判り易くするために、実際の構造と各構造における縮尺や寸法等が異なっている。
図2(a)および図2(b)に示したように、本実施形態の半導体装置の製造方法においては、まず転写元基板となる第1基板5上に第1剥離層6と無機中間層33と半導体層4とを順次積層する。ここで無機中間層33と半導体層4とは、共に被転写層である。図2(b)に、図2(a)の要部(円Aで囲んだ部分)の拡大図を示した。図2(b)に示したように、半導体層4は、図1に示した半導体装置10の半導体層4に対応しており、同一部材には同一符号を付してあるので、説明は省略する。この半導体層4は、公知の薄膜形成技術によって第1基板5上に形成することができる。
無機中間層33は転写後に薄膜化されて無機中間層32とされるものであり、無機絶縁体からなり、その膜厚は10nm〜5000nm程度が好ましく、更に好ましくは40nm〜1000nm程度である。
第1基板5は、透明性、非透過性に限定することなくガラス、石英、プラスチック等を利用することができる。この第1基板は、被転写層を転写前後で変わらず維持できるものであればよく、可撓性を有するものであってもよい。ただし、被転写層のプロセス温度に耐え得る耐熱性を備えている必要がある。
第1剥離層6は、レーザ光等の照射光または熱により当該層内や界面において剥離(「層内剥離」又は「界面剥離」ともいう)が生ずる材料からなる。即ち、一定の強度の光や熱を照射することにより、構成物質を構成する原子または分子における原子間または分子間の結合力が消失しまたは減少し、アブレーション(ablation)等を生じ、剥離を起こすものである。また、照射光や熱の照射により、第1剥離層6に含有されていた成分が気体となって放出され分離に至る場合と、第1剥離層6が光や熱を吸収して一瞬気体になり、その蒸気が放出されて分離に至る場合とがある。
第1剥離層6の組成としては、例えば、非晶質シリコン(a−Si)が採用され、また、当該非晶質シリコン中に水素(H)が含有されていてもよい。水素が含有されていると、光の照射により、水素が放出されることにより第1剥離層6に内圧が発生し、これが剥離を促進するので好ましい。この場合の水素の含有量は、2原子%程度以上であることが好ましく、2〜20原子%であることが更に好ましい。水素の含有量は、成膜条件、例えば、CVD法を用いる場合には、そのガス組成、ガス圧力、ガス雰囲気、ガス流量、ガス温度、基板温度、投入するパワー等の条件を適宜設定することによって調整する。
この他の第1剥離層6の材料としては、酸化ケイ素もしくはケイ酸化合物、窒化ケイ素、窒化アルミ、窒化チタン等の窒化セラミックス、有機高分子材料(光や熱の照射によりこれらの原子間結合が切断されるもの)、金属、例えば、Al、Li、Ti、Mn、In、Sn、Y、La、Ce、Nd、Pr、GdもしくはSm、又はこれらのうち少なくとも一種を含む合金が挙げられる。
第1剥離層6の厚さとしては、1nm〜20μm程度であるのが好ましく、10nm〜2μm程度であるのがより好ましく、20nm〜1μm程度であるのが更に好ましい。第1剥離層6の厚みが薄すぎると、形成された膜厚の均一性が失われて剥離にむらが生じるからであり、逆に厚すぎると、剥離に必要とされる照射光のパワー(光量)を大きくする必要があったり、また、剥離後に残された第1剥離層6の残渣を除去するのに時間を要したりする。
第1剥離層6の形成方法は、均一な厚みで第1剥離層6を形成可能な方法であればよく、第1剥離層6の組成や厚み等の諸条件に応じて適宜選択することが可能である。例えば、CVD(MOCCVD、低圧CVD、ECR−CVD含む)法、蒸着、分子線蒸着(MB)、スパッタリング法、イオンドーピング法、PVD法等の各種気相成膜法、電気メッキ、浸漬メッキ(ディッピング)、無電解メッキ法等の各種メッキ法、ラングミュア・プロジェット(LB)法、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法等の塗布法、各種印刷法、転写法、インクジェット法、粉末ジェット法等に適用できる。これらのうち2種以上の方法を組み合わせてもよい。
第1剥離層6の組成が非晶質シリコン(a−Si)の場合には、CVD法、特に低圧CVDやプラズマCVDにより成膜するのが好ましい。また、第1剥離層6がセラミックの場合にはゾル−ゲル(sol-gel)法を用い、有機高分子材料の場合には、塗布法、特にスピンコートにより成膜するのが好ましい。
次に、図3に示したように、半導体層4上に接着剤層7を形成すると共に、表面に第2剥離層8が予め形成された第2基板9を用意し、これらを接着剤層7で接着する。この際に第2剥離層8と接着剤層7とが対向するように接着する。第2剥離層8と第2基板9とは共に、既述した第1剥離層6および第1基板5と同様なものを使用することができる。
第2基板9は暫定的に半導体層4を保持するものであり、後に第2剥離層8と接着剤層7と共に除去されるものであるので、半導体層4から分離しやすいことが重要である。取り扱い性を考慮すると、フレキシブル基板ではなく、リジッドなものの方が好ましい。
接着剤層7は半導体層4を保持できる一方でこの半導体層4を汚染しないものであれば特に限定されるものではなく、その種類としては、反応性硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、光効果型接着剤(紫外線硬化型接着剤等)、嫌気硬化型接着剤、その他の各種硬化型接着剤を用いることができる。具体的には、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤、天然ゴム系接着剤、ポリウレタン系接着剤、フェノール系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、ポリビニル系接着剤、ポリイミド系接着剤、ポリアミド系接着剤等を例示でき、これらを目的に合わせて変性するなどしてもよい。
接着剤層7は水溶性接着剤からなることが好ましい。水溶性接着剤は、接着剤を水と接触させた際に、容易に水との水素結合が可能な官能基を多く含んでいればよく、適宜選択することができる。水素結合が可能な官能基としては、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基等が例示できる。このような官能基を有する接着剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンの共重合体、ピロリドンの誘導体ポリマー、ピロリドン誘導体の共重合体などを多量に含む接着剤を例示できる。なお、ポリビニルアルコールを含む接着剤としては、特開平6−65463号公報および特開2002−37967号公報に記載されたポリビニルアルコールフィルムが望ましい。これらのポリビニルアルコールフィルムは、強度が大きく、高湿度環境下で粘着せず、さらに冷水に速やかに溶解することができるためである。
次に、図3に併せて示したように、第1基板5側から第1剥離層6に対して光または熱を照射して、第1剥離層6の密着力を低減させる。既述したように、第1剥離層6に光または熱が照射されると、層内剥離または界面剥離を起こす。第1剥離層6においては、光または熱によって、その構成材料が光または熱エネルギーにより励起されて内部の分子または原子の結合が切断され、第1剥離層6の一部または全部が融解、蒸散等を起こし、その結果として密着力の低減が起きるわけである。
第1剥離層6に照射する光としては、第1剥離層6に充分なエネルギーを付与して、層内剥離または界面剥離を起こさせるものであれば、いかなるものであっても構わない。例えば、X線、紫外線、可視光、赤外線(熱線)、レーザ光、ミリ波、マイクロ波、電子線、放射線(α線、β線、γ線)などである。なかでも、層内剥離または界面剥離を生じさせ易く、かつ高精度で所望位置に照射が可能なレーザ光が好適である。これにより、容易にかつ確実に第1基板5と第1剥離層6とを分離することができる。
このようにして、第1剥離層6の結合力を弱めたら、無機中間層33から第1基板5および第1剥離層6とに引き離す力を加えて、図4に示したように、第1基板5および第1剥離層6を分離する。
次いで、最下層として表出した無機中間層33を薄膜化する。この際に、無機中間層33の表面に第1剥離層6の残渣が付着している場合があるが、この薄膜化工程にて無機中間層33と共に除去することができる。この薄膜化工程は、例えば、洗浄、エッチング、アッシング、研磨等の方法、さらにはこれらを組み合わせた方法の中から適宜選択して採用することができるが、エッチングが好ましい。
エッチングの方法としては、ウエット、ドライのいずれの方法を利用してもよいが、半導体層4への損傷を考慮すると、ウエットエッチングがより好ましい。
ドライエッチングとしては、プラズマエッチング、RIE(反応性イオンエッチング)、スパッタエッチング、磁気強化RIE、反応性イオンビームエッチング、高密度プラズマエッチング等が挙げられる。また、用いられるガスとしては、CF/CHF/Ar、C、C、C/CO、C、CHが挙げられる。
ウエットエッチングの場合には、エッチング液としてHF液、またはHF液にNHFを加えたものを吹き付ける方法が好適である。エッチング液の混合比率は除去すべき無機中間層33の膜厚および種類によって適宜選択する。
図5に、無機中間層33を薄膜化して無機中間層32としたものを示した。無機中間層32を使用する場合、その膜厚は40nm〜1000nm程度が好ましいが、本実施形態においては、これよりも薄膜化して、100〜300nmとしている。TFT作成工程とは異なり、転写工程には高温を必要としないからである。逆に薄膜化させることにより、ある程度の柔軟性を有するようになり、硬質で脆い層が大きな膜厚で存在することが無くなるので、フレキシブル基板に積層した際には好適である。
次いで、図6に示したように、無機中間層32の表面、すなわち図面においては無機中間層32の下層に、有機中間層31を形成する。有機中間層31は、無機中間層32の平坦化に対して充分な厚みを確保し、平坦化できるように積層するものである。絶縁性を得るためには有機系の低誘電体材料を用いることが好ましい。積層方法としては、蒸着、スピンコート法などを用いる。パリレン、テフロン(登録商標)等には蒸着法が好適であり、HSQ、MSQ、ポリイミド、SiLK、PAE、フッ化アモルファスカーボン等にはスピンコート法が好適である。有機中間層31は無機中間層32が十分に平坦化できる膜厚とすればよい。また、有機中間層31は転写層の最下層となるが、この表面は無機中間層32よりも平滑度が高いので、これにより、フレキシブル基板への密着性を高めることができるという利点もある。
このようにして形成された絶縁体層3の表面に接着層2を形成した後、図7に示したように、フレキシブル基板1を接着する。
接着層2は、接着剤層7と同様に、反応性硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、光効果型接着剤(紫外線硬化型接着剤等)、嫌気硬化型接着剤、その他の各種硬化型接着剤を用いることができる。具体的には、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤、天然ゴム系接着剤、ポリウレタン系接着剤、フェノール系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、ポリビニル系接着剤、ポリイミド系接着剤、ポリアミド系接着剤等を例示でき、これらを目的に合わせて変性するなどしてもよい。
しかしながら、接着層2を構成する接着剤には、非水溶性の接着剤を用いることが望ましい。後述のように、第2基板9を分離した後、接着剤層7を水に溶解して除去するため、接着層2に水溶性接着剤を用いると、第2基板9および接着剤層7を除去する際に接着層2が同時に除去されてしまうからである。
このようにして形成された接着層2を介して半導体層4をフレキシブル基板1上に転写する。この際に、第2基板9がリジッドなものであると、取り扱い性が良好な上に、圧力をかけるなどした際には十分な圧力をフレキシブル基板1全体にかけることができ、接着層2と完全に接着することができる。
次に、図8に示したように、第2基板9の裏面側、つまり図面中において上方側から光または熱を照射する。すると、第2剥離層8の構成材料が光または熱エネルギーにより励起されて内部の原子や分子の結合が切断され、第2剥離層8の一部または全部が融解、蒸散等を起こし、その結果、密着力が低下し、第2基板および第2剥離層8を容易に取り外すことが可能となる。この後に、接着剤層7を除去する。接着剤層7が水溶性接着剤からなる場合には、冷水で洗浄するのみで容易に接着剤層7のみを除去できるので好適である。
このようにして図1に示した本実施形態の半導体装置とすることができる。
以上説明したように、本実施形態の半導体装置の製造方法にあっては、フレキシブル基板に半導体層を転写するSUFTLA技術において、半導体層を転写した後に、無機中間層を薄膜化し、これに有機中間層を積層することで、半導体装置全体の柔軟性を低下させることなく、充分な絶縁性を有する半導体装置を簡便に提供できるようになる。そして、このようにして製造された半導体装置は、その内部に硬くて脆い層を厚い膜厚で含まないので、外部応力に対して耐性を有する信頼性の高いものとなる。
なお、本実施形態では、2回転写の場合について説明したが、本発明の半導体装置およびその製造方法においては、転写回数は2回に限られるものではなく、例えば1回でも良い。
は本発明の半導体装置の一実施形態の概略断面図。 (a)は本発明の製造方法の一実施形態で用いる転写元基板の概略構成図、(b)は図2(a)の要部拡大図。 は本発明の製造方法の一実施形態において基板分離工程を示した概略構成図。 は本発明の製造方法の一実施形態において無機中間層の薄膜化工程を示した概略構成図。 は本発明の製造方法の一実施形態において無機中間層の薄膜化工程終了後の概略構成図。 は本発明の製造方法の一実施形態において有機中間層の形成工程を示した概略構成図。 は本発明の製造方法の一実施形態において転写先基板接着工程を示した概略構成図。 は本発明の製造方法の一実施形態において第2基板除去工程を示した概略構成図。
符号の説明
1…フレキシブル基板、2…接着層、3…絶縁体層、4…半導体層、5…第1基板、6…第1剥離層、7…接着剤層、8…第2剥離層、9…第2基板、10…半導体装置、31…有機中間層、32…無機中間層、33…無機中間層。

Claims (3)

  1. フレキシブル基板上に、有機中間層と、無機中間層と、半導体層とが順次積層され、前記半導体層によって半導体素子が構成されたことを特徴とする半導体装置。
  2. 第1基板上に第1剥離層を形成する工程と、
    第2基板上に第2剥離層を形成する工程と、
    前記第1剥離層上に無機中間層を形成する工程と、
    前記無機中間層上に半導体層を形成する工程と、
    前記半導体層上に接着層を形成する工程と、
    前記第1基板と前記第2基板とを対向させ、前記接着層と前記第2剥離層とを積層する工程と、
    前記第1剥離層に光または熱を照射して前記第1基板を剥離する工程と、
    前記無機中間層を薄膜化する工程と、
    薄膜化した前記無機中間層上に有機中間層を形成する工程と、
    前記有機中間層にフレキシブル基板を接着する工程と、
    前記第2剥離層に光または熱を照射して前記第2基板を剥離する工程と、
    前記接着層を除去する工程と、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 前記接着層は水溶性接着剤であることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
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