JP2008261925A - 光学素子および撮像光学系 - Google Patents

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Abstract

【課題】
従来のLPFよりも簡易かつ安価に製造可能でありながら高い光学性能を有し、かつ従来のマイクロレンズアレイと同様に固体撮像素子の有効領域に効果的に集光させることもできる光学素子、および該光学素子を備える撮像光学系を提供すること。
【解決手段】
光学素子は、固体撮像素子の前方に配設される光学素子であって、透光性ある基板からなり、基板の一方の面には、所定の構造を有するように第一の段差によって区切られた第一の屈折面が複数設けられ、第一の段差の寸法をΔ1、入射する光の波長をλ、前記基板の屈折率をnとすると、
(n−1)Δ1=λ/2・・・(1)
を満たすように構成され、固体撮像素子との関係において、該光学素子に入射し固体撮像素子に入射する光のナイキスト周波数成分をカットするような位置に配設されるように構成した。
【選択図】 図3

Description

本発明は、高画質な画像を提供するために、光路上、CCD等の固体撮像素子の前方に配設される光学素子、および該光学素子を用いる撮像光学系に関する。
近年、銀塩フィルムに変わり、CCD等の固体撮像素子で撮影した画像を電気信号に変換し、メモリ等に記録するデジタル映像機器が普及している。該デジタル映像機器の撮像光学系のように、縦横とも規則的に画素(受光部)が配列された固体撮像素子を撮像面として使用する場合、隣り合う画素の中心間の距離(以下、画素ピッチという)よりも細かい画像の成分(高周波数成分)が撮像面に入射するとモアレ現象や偽色現象等の不都合が生じて画質の低下を招いてしまう。
上記諸現象を防ぐため、従来の撮像光学系では、撮影レンズとCCD等の撮像面との間に光学式ローパスフィルタ(以下、LPF(Low Pass Filter)という)を設けることにより、上記高周波数成分を除去している。一般的にLPFは、複数の複屈折板や波長板といった高価な光学部品を、各部品での分離角や偏光状態を考慮しつつ貼り合わせることにより構成される。そのため従来のLPFは、製造効率が悪いあるいはコストアップに繋がるといった点が指摘されており、さらなる改善が望まれている。
また、固体撮像素子において、各画素は、配線領域を挟んでマトリクス状に配設されている。該配線領域に入射した光は利用することができない。従って、高い光利用効率を確保するために、液晶表示素子を使用する場合には、いかに配線領域にではなく各画素に集中して光を入射させるかが重要な課題となる。
なお、説明の便宜上、固体撮像素子において、各画素のように入射した光を利用することができる領域を有効領域、配線領域のように入射した光を利用することができない領域を無効領域という。
上記の課題に対して、従来は非特許文献1に例示するように平板型マイクロレンズアレイを使用する構成が提案されている。非特許文献1に記載の構成によれば、平板型マイクロレンズアレイは、一面に凸状の曲面部(凸レンズ部)が複数形成されている。該マイクロレンズアレイを透過した光は集光しつつ液晶表示素子の光透過部に入射する。これにより、固体撮像素子における有効領域に集光させて、無効領域への光の入射を防ぐことができる。つまり、固体撮像素子の有効領域に入射する光の強度を高くする(光利用効率を高める)ことが可能になる。
藤田欣裕、他9名、「オプトエレクトロニクス技術I」、社団法人日本オプトメカトロニクス協会、10固体撮像素子p.6図8
以上のように、固体撮像素子を撮像素子として使用する撮像光学系では、上記のようなLPFとマイクロレンズアレイを該固体撮像素子の前方に配置しなくてはならない。そのため、光学系全体として部品点数が増加し、大型化するといった問題が指摘されている。
上記の事情に鑑み、本発明は、従来のLPFよりも簡易かつ安価に製造可能でありながら高い光学性能を有し、かつ従来のマイクロレンズアレイと同様に固体撮像素子の有効領域に効果的に集光させることもできる光学素子、および該光学素子を備える撮像光学系を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の光学素子は、固体撮像素子の前方に配設される光学素子であって、透光性ある基板からなり、基板の一方の面には、所定の構造を有するように第一の段差によって区切られた第一の屈折面が複数設けられ、第一の段差の寸法をΔ1、入射する光の波長をλ、前記基板の屈折率をnとすると、
(n−1)Δ1=λ/2・・・(1)
を満たすように構成され、固体撮像素子との関係において、該光学素子を介して固体撮像素子に入射する光のナイキスト周波数成分付近をカットするような位置に配設されることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、該光学素子は、複屈折板を用いなくともLPFとしての高い光学性能を有する。従って、従来のLPFとは異なり、安価かつ簡易に製造することができる。
さらに請求項1に記載の発明によれば、該光学素子を透過した光の進行方向に沿って第一の段差を延長させた領域全域において暗転現象、つまり段差を挟んで互いに隣接する二つの第一の屈折面から射出された光が互いに弱め合う現象を発生させることができる。従って、固体撮像素子の無効領域に暗転現象が発生する領域(暗転領域)が位置するように光学素子を構成することにより、無効領域に入射する光を有効に低減して、固体撮像素子の有効領域に光を集中して入射させることが可能になる。つまり、本発明に係る光学素子は、従来のLPFとしての光学性能および集光機能を兼ね備える。
また、光学素子に入射する一本の光線は、該光学素子射出後、主として強度の高い四本の光線に分離され、光学素子は、四本の光線が固体撮像素子上に形成する各点像間における、水平方向における距離および鉛直方向における距離が、それぞれ、固体撮像素子の水平方向および鉛直方向の画素ピッチの0.7倍以上1.0倍以下となる位置に配設される(請求項2)。
詳しくは、請求項3に記載の光学素子によれば、該素子は、固体撮像素子の配置位置を基準として、以下の式(2)、
Figure 2008261925
ただし、dは固体撮像素子の画素ピッチを、
kは、0.7〜1.0までのいずれかの値を取る係数を、それぞれ表す、
を満たす位置Zに配設される。
なお、上記所定の構造は、凹部と凸部が連続する二段構造にすることができる(請求項
4)。
また、第一の屈折面を、固体撮像素子における有効領域の面形状に類似する形状にすることにより、固体撮像素子の光利用効率をより一層高めることができる(請求項5)。
請求項6に記載の光学素子によれば、第一の屈折面は、所定の曲率を持つ凹面として構成される。これにより、固体撮像素子との関係において、光学素子に入射し固体撮像素子に入射する光のナイキスト周波数成分付近をカットするような位置に配設した光学部材によってより一層高い光利用効率を得ることができる。
なお、各第一の屈折面の略中央部に、第二の段差によって区切られた第二の屈折面を設け、第二の屈折面は、第一の屈折面に対して凹とし、第二の段差の寸法をΔ2とすると、以下の式(3)、
(n−1)Δ2≒λ/4・・・(3)
を満たすように構成してもよい(請求項7)。このように構成することにより、第一の屈折面を所定の曲率を持つ凹面として構成した場合と略同様の効果を奏することができる。
なお、第一の屈折面および前記第二の屈折面は共に平面として構成すれば、より簡易に製造することが可能になり、製造コストを抑えることもできる(請求項8)。
また請求項9に記載の光学素子によれば、第二の屈折面の面積は、第一の屈折面の略1/4程度に抑えることが好ましい。
請求項10に記載の光学系は、物体側から順に、請求項1から請求項9のいずれかに記載の光学素子と固体撮像素子が配設されることを特徴とする。
以上のように、本発明に係る光学素子によれば、段差によって複数の屈折面を形成し、かつ固体撮像素子から所定の距離離れた位置に配設することにより、入射光のナイキスト周波数を良好に取り除くことができるとともに、高い光利用効率を確保することができる。しかも本発明に係る光学素子は、高価な光学部品を用いない構成にすることにより、安価かつ簡易に製造することができる。
図1は、本発明の実施形態の光学素子100を有する撮像光学系500の概略構成を示す図である。図1に示すように撮像光学系500は、図示しない物体側から光学素子100と固体撮像素子200を有する。光学素子100は、透光性ある材料、例えばガラス製の透明基板から構成されており、物体側に面する第一面1と、固体撮像素子200の受光面に面する第二面2を有する。第一面1は平面である。固体撮像素子200の受光面には略正方形状の画素がマトリクス状に配設されている。
図2は、第二面2の一部分の拡大図である。図2に示すように、第二面2は、第一の段差S1、および第一の段差S1によって区切られた複数の第一の屈折面21からなる。第一の段差S1は、第二面2において凹部と凸部が連続した二段構造として表れるように、格子状に形成されている。なお、第一の屈折面21は、平面であり、固体撮像素子200の受光面の画素形状に類似する外形を有する。より詳しくは、実施形態の第一の屈折面21は、全て0.1nm四方の正方形状を有している。
なお、第二面2を上記のように加工する方法としては、透明レジストを塗布してエッチングする方法や、所定の型を用いて成型する方法等が例示される。
段差S1の寸法Δ1は、段差S1を挟んで隣り合う凸状の第一の屈折面21と凹状の第一の屈折面21をそれぞれ透過した光の光路長差が、該光の波長の略1/2になるように設定される。詳しくは、透明基板10に入射する光の波長λ、透明基板10の屈折率nとの関係において、寸法Δ1は、以下の式(1)を満たすように設定される。
(n−1)Δ1=λ/2・・・(1)
光学素子100が有するLPFとしての光学性能について以下に説明する。なお以下のLPFとしての光学性能に関する説明では、便宜上、光学素子100に入射する光束のうち、特定の光線について説明を行う。また本明細書においては、説明の便宜上、光路上、固体撮像素子200における長辺方向を水平方向といい、該固体撮像素子の短辺方向のことを鉛直方向という。例えば、撮像光学系500をデジタルカメラに組み込んだ場合、該デジタルカメラの通常使用状態におけるカメラボディの幅方向が水平方向であり、該カメラボディの高さ方向が垂直方向である。
図3は、実施形態の光学素子100に光線を入射させた場合に、光学素子100から所定距離遠方の位置で得られる光強度分布の一例を表している。図3に示すように、光学素子100から射出された光線の光強度分布は、中央に高い強度を示す領域を四箇所有する。つまり、光学素子100から射出された光線は、光学素子100から離れるにつれ、四本の強度の高い成分と、該強度の高い成分の周囲に存在する無数の強度の弱い成分に分離される。四本の強度の高い成分は、光学素子100から所定距離遠方の位置に四つの点像を形成する。各点像間における、水平方向の距離Δhおよび鉛直方向の距離Δvの比は、第一の屈折面21の水平方向の辺および鉛直方向の辺の比に略等しい。本実施形態では、上記の通り、第一の屈折面21は、画素の形状に対応して略正方形であるため、Δh≒Δvである。点像間の距離Δh、Δvは、上記の所定距離が大きくなる、換言すれば点像が形成される面が光学素子100から離れるにつれ、大きくなる。
つまり、撮像光学系500において、光学素子100と固体撮像素子200の相対的位置関係を、該光学素子100を介して固体撮像素子200に入射する光の、ナイキスト周波数からサンプリング周波数間の所定領域をカットするように設定する。これにより、光学素子100にLPFとしての高い光学性能を付加している。
LPFによってカットすべき上記所定領域について説明を加える。理想的には、LPFによってナイキスト周波数からサンプリング周波数間の全成分を良好にカットすることが望まれる。少しでも理想的なLPFに近づけるように、本発明に係るLPFでは、撮像光学系500において最もモアレ現象を目立たせる原因となる周波数成分を含む領域を所定領域として設定している。詳しくは、一般的な単板式固体撮像素子(CCD)を使用した場合、サンプリング周波数寄りの成分よりも、ナイキスト周波数寄りの成分の方がモアレ現象を目立たせる原因になりやすい。また、サンプリング周波数寄りの成分をカットした方が画像の鮮明度(高解像感)が保証されやすい。従って、LPFによってカットすべき上記所定領域は、モアレ現象の低減と高解像感の保証のバランスを取りつつ、撮像光学系500が搭載されるデジタルカメラ等の装置同士の個体差も考慮して、設定される。
詳しくは、上記点像間の距離Δh、Δvが固体撮像素子200の画素ピッチに近づくように固体撮像素子に対する光学素子100の配置位置を決定することによって、光学素子100にLPFとしての高い光学性能を付加することができる。具体的には、本実施形態の光学素子100は、固体撮像素子200からの距離Zが、以下の式(2)を満たすような位置に配設される。
Figure 2008261925
ただし、dは固体撮像素子200の画素ピッチを、
kは、0.7〜1.0までのいずれかの値を取る係数を、それぞれ表す。
画素ピッチdが3μmの固体撮像素子200の前方であって、各点像間における距離Δh、Δvが画素ピッチと同一(3μm)になる位置に配設した光学素子100の、LPFとしての光学性能について図4、図5を参照しつつ説明する。図4、図5は、空間周波数が異なる複数種類の光線を撮像光学系500に入射させた場合において、入力時の波形と出力時の波形を表すグラフである。より詳しくは、入力時の波形とは、撮像光学系500において、光学素子100を介さずに光線を直接固体撮像素子200に入射させた場合に得られる画像に対応する信号波形である。出力時の波形とは、撮像光学系500において、光学素子100を介して固体撮像素子200に入射した光線により得られる画像に対応する信号波形である。つまり、各図に示す入力時の波形と出力時の波形を参照することにより、本実施形態の光学素子100の作用が理解できる。なお、いずれの図においてもサンプリング周波数は333本/mm、ナイキスト周波数は167本/mmとする。また、各図に示すグラフの縦軸は空間周波数成分の振幅を表し、横軸は固体撮像素子200上での位置を表す。
出力時の波形が入力時の波形に近似するほど、対象となる空間周波数成分を通していることになる。具体的には、入力時における、最も明るい場所(波形が山のところ)と最も暗い場所(波形が谷のところ)での光強度差と、出力時における該光強度差との比(以下、説明の便宜上、光強度比という)が、1に近い程、二つの波形が近似している、つまり対象となる空間周波数成分を良好に通していることになる。
図4は、空間周波数が42本/mmの成分を入力した場合のグラフである。空間周波数が42本/mmの成分が入力した場合、光強度比は、約0.738になる。図5は、空間周波数が167本/mmの成分を入力した場合のグラフである。空間周波数が167本/mmの成分を入力した場合、光強度比は、約0.024になる。このように、本実施形態の光学素子100は、ナイキスト周波数よりも低い周波数成分は良好に通し、ナイキスト周波数成分を、十分に低減している。つまり本実施形態の光学素子100は、ナイキスト周波数とその付近の成分を良好にカットすることにより、よりモアレ現象の低減を重視したLPFとして、高い光学性能を有していることが分かる。
次いで、光学素子100が有するマイクロレンズアレイとしての機能、つまり撮像光学系500における光利用効率を高めるための集光機能について以下に詳説する。
図6(A)、(B)は、光学素子100の集光機能を説明するための図である。図6(A)、(B)に示す透明基板10は、図2に示す第二面2の凹部と凸部が連続した二段構造の1パタンのみ抽出したものに相当する。また、図6(A)、(B)において、屈折面21aが凹部に位置する第一の屈折面21、屈折面21bが凸部に位置する第一の屈折面21に相当する。
段差S1が形成される位置を基準として同一距離だけ離れた点から射出され、段差S1の延長上にある点Pに入射する二つの光線L1、L2に着目する。但し、点Pは、図3に示す光強度分布が得られる場所よりも光学素子100近傍に位置するものとする。
図6(A)に示すように、透明基板10から射出された各光線L1、L2の射出角をθ1、θ2、透明基板10における各光線L1、L2の射出位置から点Pまでの距離をr1、r2とすると、寸法Δ1が非常に微細であるため、θ1≒θ2、r1≒r2となる。また、寸法Δ1が上記の値に設定されているため、光線L1と光線L2はちょうど位相が反転した状態にある。従って、図6(A)、(B)に示すように、光線L1と光線L2は、点Pにおいて互いの成分を打ち消し合う、つまり暗転現象を発生させる。該暗転現象は、段差S1の光の進行方向に沿った延長上全域で起こる。結果として、段差S1の光の進行方向に沿った延長上には帯状の暗転領域Bが生成される。ここで、暗転領域B以外の領域では各光線L1、L2が互いに打ち消し合う現象は起きない。つまり、暗転領域B以外の領域では、光の強度が高く維持される。
図6(A)、(B)に示す暗転領域Bは、説明の便宜上、模式的に厚みを持たない面として示している。実際には、暗転領域Bは、図7に示すように、発散、収束が連続するような状態で光の進行方向に沿って展開していく。図7に示すように、暗転領域Bの最大幅は二つの屈折面2a、2bの幅hの半分に相当する。
つまり、各第一の屈折面21が固体撮像素子200における一画素に対応したサイズとなるように設計し、暗転領域Bが固体撮像素子200における無効領域の幅と略同一の幅となるような距離を置いて光学素子100と固体撮像素子200とを位置決めすることにより、無効領域に入射する光の強度を十分に弱めると共に、有効領域の略全域に入射する光の強度を高く維持することが可能になる。
例えば、固体撮像素子200として、現在デジタルカメラ等において多用されている、一画素が3μm四方の正方形状(つまり、上記画素ピッチd=3μm)であるCCDを想定する。そこで、第一の屈折面21が上記一画素と同一サイズに設計された光学素子100を、固体撮像素子200から7.36μm離して配設する。このときの固体撮像素子200の受光面210の一部と、受光面210の該一部での光強度分布を図8に示す。なお、受光面210中、ハッチング領域は、無効領域201であり、無効領域201によって囲まれた正方形状の領域が有効領域(つまり画素)202である。
図8に示すように、固体撮像素子200上での光強度分布は、各画素202が設けられた位置では高い強度を示しており、かつ各画素202間に存在する無効領域201に対応する分布は殆ど強度を有していない。つまり、固体撮像素子200の画素に対応する形状に形成された第一の屈折面21を持つ光学素子100を、固体撮像素子200との関係において、適切な距離をおいて配設することにより、光学素子100によって形成された暗転領域Bが固体撮像素子200の無効領域201と略一致させて、固体撮像素子200において高い光利用効率を実現可能にしている。
以上のように、撮像光学系500において、固体撮像素子200に対する光学素子100の配置位置を適切に設定することにより、光学素子100は、LPFとしての高い光学性能および集光機能を併せ持つことができる。
図9から図13は、実施形態の光学素子100を撮像光学系500に使用した場合に、光学素子100から所定距離離れた位置で得られる光強度分布を表している。より具体的には、図9から図13は、屈折率n=1.5、段差Δ1=275nmの光学素子100に波長λ=550nmの光束を入射した場合に得られる光強度分布を示す図である。また、固体撮像素子200の一画素は、3μm四方の正方形とする。なお、説明の便宜上、以降に示す光強度分布に関する図は、いずれも光学素子100から所定距離離れた位置における光強度分布のうち、図2に示す第二面2の一部分に対応する分布のみを抽出して示している。但し、光学素子100の第二面2はいずれの部分であっても図4に示す形状と同一である。従って、光学素子100から所定距離離れた位置で得られる光強度分布は、全体としては、図3に示すように表れるものの、任意の一部を抽出した分布は、以降の各図に示す光強度分布に近似する。
図9は、光学素子100から約3.272μm離れた位置での光強度分布、図10は、光学素子100から約6.545μm離れた位置での光強度分布、図11は、光学素子100から約9.818μm離れた位置での光強度分布、図12は、光学素子100から約11.455μm離れた位置での光強度分布、図13は、光学素子100から約14.727μm離れた位置での光強度分布、をそれぞれ表す。
また、図9〜図13に示す光強度分布が得られるときの各点像間における距離Δh、Δv(但し、第一屈折面21が略正方形として構成されるため、Δh≒Δvである。)と、一画素の中央領域に入射する光の相対光量を表1に示す。なお、相対光量とは、一画素全域に入射した光の光量に対する中央の1/4領域に入射した光の光量を示す。例えば、光学素子100の特定の一画素に平行光が入射する場合には相対光量は0.25になり、入射する光が該特定の一画素の中央に収束する場合には相対光量は1になる。
Figure 2008261925
表1に示すように、光学素子100から離れるほど、ΔhおよびΔvが一画素分に近くなっていく。一般に光学素子100のLPFとしての光学性能を高めるには、既存のLPFを用いた場合の点像間の距離に鑑み、各点像間における距離Δh、Δvが、それぞれ、固体撮像素子の画素ピッチの0.7倍以上1.0倍以下になるような位置、つまり距離Zが条件式(2)を満たすような位置に光学素子100を設置するとよい。
点像間距離と画素ピッチの関係について説明を加える。点像間距離を画素ピッチの0.5倍に設定すると、輝度に関するモアレを低減することができる。また点像間距離を画素ピッチの1倍に設定すると、色に関するモアレ(偽色)を低減することができる。よって、原理的には、点像間距離を画素ピッチの0.5倍から1倍の間で適切に設定するとよい。ただし、本実施形態では、偽色は輝度モアレよりも明らかに目立ちやすいことに着目した。そして、より偽色低減を重視するように0.7倍以上1.0倍以下に設定している。点像間距離を0.7倍より小さく設定すると、色に関するモアレ(偽色)の低減が不十分になり、1倍より大きく設定するとLPFとしての効果が必要以上に大となり像の解像感が低減されてしまうため好ましくない。
また、光学素子100の集光機能は、相対光量の値が高いほど実効性がある(光利用効率が高い)といえる。従って、本実施形態の撮像光学系500では、表1に基づき、撮像素子200から約11.5nm前方に光学素子100を設置するとより効果的である。
なお、表1に示すように、光学素子100のLPFとしての光学性能が最も高くなる距離と、光学素子100の集光機能つまり相対光量が最も高くなる距離とは必ずしも一致しない。そこで、光学素子100のLPFとしての光学性能が最も高くなる距離と、光学素子100の集光機能つまり相対光量が最も高くなる距離との差を縮めるために、光学素子100を以下のように変形することができる。
図14は、上記実施形態の光学素子100における第二面2の第一の変形例である第二面2αを示す一部拡大図である。図14に示すように、変形例の第二面2αは、上記実施形態の第二面2における第一の屈折面21に所定の曲率を与え、凹面21Rとしている。本変形例では、焦点距離が−8.25nmとなるような曲率を与えている。
図15は、第二面2αを持つ光学素子100を図12に示す光強度分布を得た状態と同一条件下で使用した場合に得られる光強度分布を示す。図15に示す光強度分布が得られるときの各点像間における距離Δh(Δv)は約0.703画素分、相対光量は約0.891である。図12と図15を比較すればわかるように、第二面2αを持つ光学素子100を使用することにより、LPFとしての高い光学性能を維持しつつも、集光機能も高くすることができる。
さらに、製造の容易性を重視するのであれば、凹面21Rを持つ第二面2αの代替として図16に示す構成の第二面2βを採ることもできる。図16に示すように、第二の変形例の第二面2βは、上記実施形態の第二面2における第一の屈折面21の略中央部に、さらに、所定寸法の第二の段差S2によって区切られた第二の屈折面22が形成されている。第二の屈折面22は、第二の段差S2を挟んで隣り合う第一の屈折面21に対して凹となるように形成されている。
また第二の段差S2の寸法Δ2は、互いに隣接する第一の屈折面21と第二の屈折面22から射出される各光が、ちょうど1/4波長分のずれをもつように構成される。つまり、寸法Δ2は、光学素子に入射する光の波長λ、該光学素子の屈折率nとの関係において、以下の式(3)を満たす。
(n−1)Δ2≒λ/4・・・(3)
本実施形態では、Δ2=0.19λに設定される。
また、第二の屈折面22は、小さくしすぎると上記のような凹面とした場合の効果が得難くなり、大きくしすぎると第二の段差S2と第一の段差S1間が狭くなり第一の段差S1による光路長差を十分に確保することが困難になってしまう。以上の事情を勘案して、第二の屈折面22の面積は、前記第一の屈折面の略1/4に設定されている。本変形例では、第二の屈折面22は、一辺が画素一辺の0.46倍の長さを持つ正方形として構成される。
図17は、第二面2βを持つ光学素子100を図12に示す光強度分布を得た状態と同一条件下で使用した場合に得られる光強度分布を示す。図17に示す光強度分布が得られるときの各点像間における距離Δh(Δv)は約0.703画素分、相対光量は約0.837である。このように、第二面2βを持つ光学素子100は、各屈折面が曲率を持たない構成であるため、製造が容易でありながらも、第二面2αを持つ光学素子100に近似した光学性能を有する。
以上が本発明の実施形態である。なお、本発明の光学素子は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば以下のような変形を行っても同様の効果を奏することができる。
例えば、上記実施形態では、光学素子100の後段に配設される固体撮像素子200は、CCDであるとして説明をしたが、本発明において、固体撮像素子はCCD以外の素子、例えばCMOSであってもよい。また、固体撮像素子200の画素の形状は、必ずしも正方形状に限定されるものではない。
本発明の実施形態の光学素子を有する撮像光学系を示す。 実施形態の光学素子の第二面の一部拡大図である。 実施形態の光学素子に光線を入射させた場合に、光学素子から所定距離遠方の位置で得られる光強度分布の一例を表す図である。 特定の空間周波数を持つ光線を光学素子に入射させた場合に、入力時の波形と出力時の波形を表すグラフである。 特定の空間周波数を持つ光線を光学素子に入射させた場合に、入力時の波形と出力時の波形を表すグラフである。 本発明に係る光学素子の集光機能について説明するための図である。 本発明に係る光学素子により生成される暗転領域を説明するための図である。 固体撮像素子の受光面と該受光面での光強度分布を表す図である。 実施形態の光学素子を使用した場合における光強度分布を表す。 実施形態の光学素子を使用した場合における光強度分布を表す。 実施形態の光学素子を使用した場合における光強度分布を表す。 実施形態の光学素子を使用した場合における光強度分布を表す。 実施形態の光学素子を使用した場合における光強度分布を表す。 実施形態の光学素子における第二面の第一の変形例を示す一部拡大図である。 第一の変形例の光学素子を使用した場合における光強度分布を表す。 実施形態の光学素子における第二面の第一の変形例を示す一部拡大図である。 第一の変形例の光学素子を使用した場合における光強度分布を表す。
符号の説明
100 光学素子
2、2α、2β 第二面
21 第一の屈折面
22 第二の屈折面
S1 第一の段差
S2 第二の段差
200 固体撮像素子
500 光学系

Claims (10)

  1. 固体撮像素子の前方に配設される光学素子であって、
    透光性ある基板からなり、
    前記基板の一方の面には、所定の構造を有するように第一の段差によって区切られた、第一の屈折面が複数設けられ、
    前記第一の段差の寸法をΔ1、入射する光の波長をλ、前記基板の屈折率をnとすると、
    (n−1)Δ1=λ/2・・・(1)
    を満たすように構成され、
    前記固体撮像素子との関係において、前記光学素子を介して前記固体撮像素子に入射する光のナイキスト周波数からサンプリング周波数間にある所定領域をカットするような位置に配設されることを特徴とする光学素子。
  2. 前記光学素子に入射する一本の光線は、該光学素子射出後、主として強度の高い四本の光線に分離され、
    前記光学素子は、前記四本の光線が前記固体撮像素子上に形成する各点像間における、水平方向における距離および鉛直方向における距離が、それぞれ、前記固体撮像素子の水平方向および鉛直方向の画素ピッチの0.7倍以上1.0倍以下となる位置に配設されることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記固体撮像素子の配置位置を基準として、以下の式(2)、
    Figure 2008261925
    ただし、dは前記固体撮像素子の画素ピッチを、
    kは、0.7〜1.0までのいずれかの値を取る係数を、それぞれ表す、
    を満たす位置Zに配設されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学素子。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の光学素子において、
    前記所定の構造は、凹部と凸部が連続する二段構造であることを特徴とする光学素子。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の光学素子において、
    前記第一の屈折面は、前記固体撮像素子の有効領域の面形状に類似する外形を有することを特徴とする光学素子。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の光学素子において、
    前記第一の屈折面は、所定の曲率を持つ凹面として構成されることを特徴とする光学素子。
  7. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の光学素子において、
    各前記第一の屈折面の略中央部に、第二の段差によって区切られた第二の屈折面を有し、
    前記第二の屈折面は、前記第一の屈折面に対して凹であり、
    前記第二の段差の寸法をΔ2とすると、以下の式(3)、
    (n−1)Δ2≒λ/4・・・(3)
    を満たすことを特徴とする光学素子。
  8. 請求項7に記載の光学素子において、
    前記第一の屈折面および前記第二の屈折面は共に平面として構成されることを特徴とする光学素子。
  9. 請求項7または請求項8に記載の光学素子において、
    前記第二の屈折面は、前記第一の屈折面の略1/4の面積を有することを特徴とする光学素子。
  10. 物体側から順に、請求項1から請求項9のいずれかに記載の光学素子と、固体撮像素子が配設されることを特徴とする撮像光学系。
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