以下、本発明の移動体−データベース連携システムの実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は以下に説明する実施の形態に限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、移動体−データベース連携システムの一例を概略的に示す概念図である。同図に示す移動体−データベース連携システム50は、地域を複数のメッシュ領域R1〜R7に分けてメッシュ領域R1〜R7毎に該メッシュ領域での地形データ、道路データ、施設データ、植生データ等を含んだ既存の地図データをマッピングして地図データベースとし、通信機器を携行ないし具備した移動体からの取得要求に対応した所定の地図データを上記の地図データベースから移動体に配信する。
そのために、当該移動体−データベース連携システム50は、同じメッシュ領域内に位置している複数の移動体によって構成された群(スクール)S1〜S7と、地図情報集積管理装置20と、上記の地図データベースを有する地図データサーバ装置30とを備えている。同じ群内の移動体同士は例えば互いに無線接続され、各移動体と地図情報集積管理装置20も例えば互いに無線接続される。同様に、地図情報集積管理装置20と地図データサーバ装置30も、例えば互いに無線接続される。
図2に示すように、上記の群S1はメッシュ領域R1内に位置する6つの移動体M1〜M6により構成されており、その中の1つの移動体M1のみが地図情報集積管理装置20と送受信を行う代表権を有している。同様に、群S2はメッシュ領域R1内に位置する6つの移動体M11〜M16により構成されており、その中の1つの移動体M11のみが上記の代表権を有している。図示を省略するが、図1に示した残りの群S3〜S7の各々も、同じメッシュ領域内に位置する複数の移動体により構成されており、その中の1つの移動体のみが上記の代表権を有している。また、図示を省略するが、個々の移動体はメッシュ領域内を移動する過程で現在の地図データを収集し、現況データとして蓄積する現況データ収集・蓄積手段を備えている。この現況データ収集・蓄積手段は、例えば、撮像装置や測距装置、ジャイロ、測位計、およびこれらの機器により収集された現況データが格納される記憶装置等を用いて構成することができる。
図3に示すように、群S1を構成する各移動体M1〜M6は通信により互いに情報交換を行い、群S2を構成する各移動体M11〜M16も通信により互いに情報交換を行う。また、各移動体M1〜M6,M11〜M16は、メッシュ領域内を移動する過程で上述の現況データ収集・蓄積手段により現在の地図データを収集し、現況データとして蓄積する。上記の現況データには、例えば通行可能な道路についての情報である経路情報、当該道路についての幅員や重量制限等の属性情報、地形情報、局所的な被害状況等が含まれる。例えば砂漠等でも、通行が可能な箇所は経路情報となる。群S1,S2が位置しているメッシュ領域R1内で現況データが不足している箇所については、代表権を有する移動体M1,M11が地図データサーバ装置30から地図情報集積管理装置20を介して所定の地図データを受信し、補完する。
このとき、代表権を有する移動体M1,M11は、地図情報集積管理装置20に所定の地図データについての取得要求Ra,Ra(図1参照)をそれぞれ独自に送信する。地図情報集積管理装置20は、取得要求Raを受信する度に当該取得要求Raに対応した地図データについて地図データサーバ装置30に検索要求Rsを送信し、当該検索要求Rsを受けた地図データサーバ装置30は、検索要求Rsに対応した地図データDmを地図データベースから検索してきて地図情報集積管理装置20に送信する。地図情報集積管理装置20は、地図データDmをそのまま、または必要なデータのみを抽出して、代表権を有する移動体M1または移動体M11に送信する。
代表権を有する移動体M1は、地図情報集積管理装置20から受信した地図データDmと自己および他の移動体M2〜M6が独自に収集し、蓄積している現況データとを基に地図データを作成し、他の移動体M2〜M6に配布する。結果として、最新の地図データが各移動体M1〜M6によって共有される。同様に、代表権を有する移動体M11は、地図情報集積管理装置20から受信した地図データDmと自己および他の移動体M12〜M16が独自に収集し、蓄積している現況データとを基に地図データを作成し、他の移動体M12〜M16に配布する。結果として、最新の地図データが各移動体M11〜M16によって共有される。上述した群S1,S2以外の各群S3〜S7(図1参照)も、群S1,S2におけるのと同様にして、最新の地図データを群内の各移動体によって共有する。
図4は、1つの群を構成する各移動体が最新の地図データを共有するまでの手順の一例を概略的に示すフローチャートである。同図に示す例では、1つの群を構成する各移動体が最新の地図データを共有するにあたって、以下に説明するステップS1〜S11がこの順番で行われる。
ステップS1では、同じメッシュ領域内に位置している複数の移動体が無線通信により互いに情報交換を行って群を形成し、代表権を有する移動体を選出する。例えば、ある地域が緯度、経度、および高度に応じて予め複数のメッシュ領域に分けられ、メッシュ領域毎に番号付けされる。個々の移動体は、例えば全地球測位システム(GPS)を利用して自己の位置を認識し、自己が上記番号付けされたメッシュ領域の何番目のメッシュ領域にいるのかを所定の計算式を用いて算出する等して、認識する。
ステップS2では、代表権を有する移動体が群内の他の移動体から無線通信により現況データを収集する。各移動体は、その移動過程で独自に現況データを収集し、蓄積して、代表権を有する移動体からの要求に応じて当該現況データをタイムスタンプデータと共に送信する。例えば、1つの群を構成する各移動体M21〜M26が図5中に実線の矢印で示す移動経路P21〜P26を移動するとき、個々の移動体M21〜M26は自己の移動過程で現況データを収集し、蓄積する。
図4に示したステップS3では、群が位置しているメッシュ領域内で現況データが不足している箇所を上記代表権を有する移動体が判別する。例えば図6に示すように、代表権を有する移動体M21は、同図中に実線で示す箇所P30〜P42を上記欠損している箇所として判別する。なお、図6に示した要素のうちで図5に示した要素と共通するものについては、図5で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
図4に示したステップS4では、代表権を有する移動体が地図情報集積管理装置20に対して上記箇所の地図データの取得要求を送信し、ステップS5では、地図情報集積管理装置20が地図データサーバ装置30に対して上記箇所の地図データについて検索要求を送信する。この検索要求を受けた地図データサーバ装置30は、検索要求に対応した地図データを地図データベースから検索してきて、ステップS6で当該地図データを地図情報集積管理装置20に送信する。
現況データが不足している箇所が複数ある場合、上述の取得要求、検索要求、および地図データの送信は、個々の箇所毎に行ってもよいし、欠損している全ての箇所について一括して行ってもよい。また、上記の取得要求は、現況データが不足している箇所を判別し次第、リアルタイムで行うことが好ましいが、上記の検索要求および地図データの送信はリアルタイムで必ず行わなければならいというものではなく、通信回線が空いているときに行うように移動体−データベース連携システム50(図1参照)を構成することもできる。
ステップS7では、上記の地図データを受信した地図情報集積管理装置20が当該地図データから上記現況データが不足している箇所に対応する地図データを抽出し、前述の取得要求を送信してきた移動体、すなわち代表権を有する移動体に当該抽出した地図データを送信する。この送信は、上記の地図データを抽出し次第、リアルタイムで必ず行わなければならいというものではなく、通信回線が空いているときに行うように移動体−データベース連携システム50(図1参照)を構成することもできる。
必要に応じて、地図情報集積管理装置20には地図データサーバ装置30から受信した地図データを蓄積する機能を付加することができる。この機能を地図情報集積管理装置20に付加すると、互いに異なる群から時間を異にして同一の地図データについて取得要求があったときに、後から取得要求を送信してきた移動体に対しては地図データサーバ装置30にアクセスしなくても所定の地図データを送信することが可能になる。その結果として、所定の地図データを高いリアルタイム性の下に移動体に送信することが容易になる。
ステップS8では、代表権を有する移動体が上記の地図データを受信し、現況データが不足している箇所についての地図データとして補完すると共に、当該地図データを群内の他の移動体に配信することで配布する。代表権を有する移動体から上記の地図データを受信した移動体の各々は、前述のステップS3で代表権を有する移動体に現況データ等を送信した後に自己が新たに収集し、蓄積している現況データを基に、ステップS9で上記の地図データを新たな地図データに更新する。例えば図7に示すように、代表権を有する移動体にステップS3で現況データを送信した後に移動体M25のみが移動してその位置座標を(400,800)から(400,400)に変更したとすると、移動体M25は図7中に破線の矢印で示す移動経路P50について経路情報等の現況データを新たに収集し、蓄積しているので、当該現況データを基に上記の地図データを新たな地図データに更新する。なお、図7に示した要素のうちで図6に示した要素と共通するものについては、図6で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
図4に示したステップS10では、代表権を有する移動体が群内の他の移動体から上記更新された地図データをタイムスタンプデータと共に収集し、自己が更新した地図データと群内の他の移動体から収集した地図データとから重複部分の排除等を行って、群が属しているメッシュ領域についての最新の地図データを構築する。例えば図7に示した例では、移動体M25が移動経路P25を経て位置座標(400,800)の地点に達する際と、当該移動体M25が移動経路P50を経て位置座標(400,400)の地点に達する際とで、位置座標(400,600)と位置座標(400,800)とを結ぶ経路が重複している。このため、代表権を有する移動体M21は、位置座標(400,600)と位置座標(400,800)とを結ぶ経路情報のうち、タイムスタンプデータが古い方の経路情報、すなわち移動体M25が移動経路P25を移動する際に得た位置座標(400,600)と位置座標(400,800)とを結ぶ経路についての経路情報を削除し、最新の地図データを構築する。
図4に示したステップS11では、代表権を有する移動体が上記最新の地図データを群内の各移動体に配信することで配布する。結果として、最新の地図データが群内の各移動体によって共有される。
このように、図1に示した移動体−データベース連携システム50では、同じメッシュ領域R1,R2,R6,R7内に位置する複数の移動体がメッシュ領域毎に群S1〜S7を形成し、群S1〜S7毎に選出された代表権を有する移動体のみが地図情報集積管理装置20と送受信を行って現況データが不足している箇所の地図データを得るので、地図情報集積管理装置20は代表権を有する移動体以外の移動体と個別に送受信を行わなくてもよい。そのため、地図情報集積管理装置20が各群に所定の地図データを送信するにあたっての総送信量は、各移動体に個別に地図データを送信する場合に比べて格段に少なくなり、送信時間が短くなる。高いリアルタイム性の下に地図データを配信することが容易である。
また、群S1〜S7を構成する移動体の各々が群S1〜S7毎に独自に現況データを収集、蓄積し、当該現況データと地図情報集積管理装置20から受信した地図データとを用いて代表権を有する移動体が最新の地図データを作成して群内に配信するので、各移動体は最新の地図データを共有することができる。
したがって、移動体−データベース連携システム50では、最新の地図データを各移動体が高いリアルタイム性の下に共有することが容易である。例えば災害地のように実際の地形や道路網等が既存の地図データから変わってしまったメッシュ領域においても、各移動体は最新の地図データを得ることができるので、その進路を的確に選択し易くなる。
上述の技術的効果を奏する移動体−データベース連携システム50は、所定の機能を有する通信機器を携行ないし具備した複数の移動体、少なくとも1つの地図情報集積管理装置、および少なくとも1つの地図データサーバ装置により構成することができる。個々の構成要素の具体的構成をどのようなものにするかは、適宜選定可能である。以下、移動体が携行ないし具備する通信機器、地図情報集積管理装置、および地図データサーバ装置それぞれの具体例について、図面を参照して説明する。
図8は、移動体が携行ないし具備する通信機器の一例を概略的に示すブロック図である。同図に示す通信機器100は、外部環境情報取得部71、記憶部73、移動体間通信部75、移動体情報管理部77、群情報管理部90、および主通信部95を備えている。
上記の外部環境情報取得部61は、現況データやGPSからの位置情報等の外部環境情報EIを入力として取り込み、通信機器100を備えた移動体の位置データや当該移動体が収集した現況データを記憶部73に格納する。外部環境情報取得部61と記憶部73とは、現況データ収集・蓄積手段としても機能する。
移動体間通信部75は、通信機器100を備えた移動体が位置しているメッシュ領域を上記の位置データに基づいて特定すると共に、通信が可能な他の移動体と送受信を行う。この移動体間通信部75は、同じメッシュ領域内の他の移動体を通信により探索する機能と、通信が可能な上記他の移動体の動向を追跡する機能とを有している。また、他の移動体に上記の現況データ等を送信する機能、および他の移動体から上記の現況データ等を受信する機能等も有している。さらには、通信機器100を備えた移動体が代表権を有する移動体である場合には、現況データが不足している箇所を判別する機能や、主通信部95が地図情報集積管理装置20(図1参照)から受信した地図データを群内の他の移動体が独自に収集した現況データを基に更新して得た地図データとを用いて最新の地図データを構築する機能も有している。上記最新の地図データ等は、記憶部73に格納される。
移動体情報管理部77は、通信機器100を備えた移動体が代表権を有する移動体であるか否かを管理すると共に、当該移動体の移動動作の管理、群情報管理部90の動作管理、および主通信部95の動作管理を行う。通信機器100を備えた移動体が代表権を有する移動体であるか否かについての情報等は、記憶部73に格納される。
群情報管理部90は、群情報取得部81、群参入部83、および群離脱部85を有している。群情報取得部81は、移動体間通信部75の通信結果を基に群についての情報を取得する。取得した情報は、記憶部73に格納される。群参入部83は、通信機器100を備えた移動体の位置データ等、群に参入するための情報を移動体間通信部75に送り、群離脱部85は、群から離脱するための情報を移動体間通信部75に送る。これらの情報を受信した移動体間通信部75は、群内の他の移動体に当該情報を送信する。なお、通信機器100を備えた移動体が位置しているメッシュ領域内に他に移動体がないときには、当該移動体が1つの群をなす。
主通信部95は、移動体情報管理部77により動作を制御されて、メッシュ領域内で現況データが不足している箇所についての地図データの取得要求を地図情報集積管理装置20(図1参照)に送信する。また、地図情報集積管理装置20から送信される上記の地図データを受信する。
図9は、上述の通信機器100を具備した移動体が代表権を有する移動体となって群内で情報交換を行う際の手順の一例を概略的に示すフローチャートであり、図10は群内での情報交換の一例を示す概念図である。図9に示す例では、群の形成および群内での情報交換が以下に説明するステップS21〜S31に従って行われる。
ステップS21では、同じメッシュ領域内に位置している複数の移動体が無線通信により互いに情報交換を行って群を形成し、代表権を有する移動体を選出する。ステップS22では、代表権を有する移動体が群内の他の移動体から無線通信により現況データを収集する。
図10に示す例では、代表権を有する移動体M31が群内の他の移動体M32〜M35から現況データを収集するにあたって、まず、近接する移動体M32に現況データの取得要求Raを送信する。この取得要求Raを受信した移動体M32は、近接する移動体M33に現況データの取得要求Raを送信し、移動体M33は近接する2つの移動体M34,M35の各々に現況データの取得要求Raを順番に送信する。移動体M32〜M35の各々は、上記の取得要求Raを受信すると、自己が収集し、蓄積している現況データDcを、取得要求Raの送信元の移動体に送信する。
このとき、移動体M33には移動体M34,M35の各々から現況データDcが送信され、移動体M32には移動体M33から現況データDcが送信されてくる。各移動体M33,M32は通信経路を提供するだけで、他の移動体から送信されてきた現況データDcを取り込むことはしない。最終的に、移動体M32〜M35の各々が収集し、蓄積していた現況データDcが代表権を有する移動体M31に送信される。なお、同図においては図示を省略するが、現況データの取得要求Raの送信に先だって現況データDcの蓄積の有無についての取り合わせと当該問い合わせに対する応答とが上記と同様にして行われ、現況データDcの蓄積有りと応答した移動体に対してのみ現況データDcの取得要求Raが送信される。
上述のようにして現況データを収集した代表権を有する移動体は、群が属しているメッシュ領域内で現況データが不足している箇所を図9に示すステップS23で判別する。ステップS24では、代表権を有する移動体が現況データの収集を継続するか否かを判断し、継続すると判断したときにはステップS22に戻る。一方、現況データの収集を継続しないと判断したときにはステップS25に進み、地図情報集積管理装置への接続が可能であるか否かを判断する。
上記のステップS25で地図情報集積管理装置への接続が可能であると判断されたときには図4に示したステップS4に進み、それ以降は図4に示したステップS5〜S11を行う。一方、ステップS25で地図情報集積管理装置への接続が可能ではないと判断されたときにはステップS26に進み、代表権を有する移動体から群内の他の移動体に現況データの再収集を求める再収集開始要求を配信する。この再収集開始要求には、上記のステップS23で現況データが不足していると判別された箇所についてその後に現況データを収集したか否かの問い合わせ情報も含まれている。
上記の再収集開始要求を受信した各移動体は、前述のステップS22で代表権を有する移動体に現況データを送信した後で新たに収集し、蓄積した現況データに、上記現況データが不足していると判別された箇所の現況データが含まれているか否かを判断し、判断結果を代表権を有する移動体に送信する。
ステップS27では、収集したい現況データ、すなわち上記のステップS23で現況データが不足していると判別された箇所についての現況データを蓄積している移動体があるか否かを代表権を有する移動体が判断する。収集したい現況データを蓄積している移動体があると判断されたとき、代表権を有する移動体は当該現況データを収集した後にステップS23に戻る。図9においては、便宜上、上記収集したい現況データを収集した後にステップS23に戻る手順を「A」で表している。一方、ステップS27で上記収集したい現況データを蓄積している移動体がないと判断されたときには、ステップS28に進む。
ステップS28では、代表権を有する移動体が群内の各移動体に現況データの収集を指示する。ステップS29では、上記の指示を受けた各移動体が現況データの収集、蓄積を開始し、ステップS30では、上記の指示を受けた各移動体が現況データを実際に収集し、蓄積する。その後、代表権を有する移動体は、現況データの収集を継続するか否かをステップS31で改めて判断する。このステップS31で現況データの収集を継続すると判断されたときにはステップS22に戻り、間もなく他のメッシュ領域に移動する等の理由から現況データの収集を継続しないと判断されたときには群内での情報交換を終了する。
図11は、地図情報集積管理装置の一例を概略的に示すブロック図である。同図に示す地図情報集積管理装置150は、受信セッション監視部121、メッセージ作成部123、メッセージ解析部125、メッセージ蓄積部127、送信先判別部129、リアルタイム送信部131、メッセージ削除部133、送信セッション監視部135、未送信メッセージ処理部137、ノンリアルタイム送信部139、および記憶部141を有している。
上記の受信セッション監視部121は移動体からの送信および地図データサーバ装置からの送信を監視し、移動体から所定の地図データについての取得要求があったときや、地図データサーバ装置から所定の地図データの送信があったときには、これらを受信する。
メッセージ作成部123は、受信セッション監視部121から該受信セッション監視部121が受信した情報の入力を受け、当該情報をメッセージに変換する。ここで、本明細書でいう「メッセージ」とは、地図データ、移動体の移動経路についての経路情報、移動体の移動経路についての属性情報、代表権を有する移動体から取得要求のあった地図データ等の情報にタグデータを付したものを意味する。メッセージ作成部123がメッセージを作成するにあたっては、受信セッション監視部121が上記の情報を受信したときのタイムスタンプデータも当該メッセージに盛り込む。
メッセージ解析部125は、メッセージ作成部123が作成したメッセージの内容を解析し、既に受信した情報と重複するものがあるか否かを判別する。このとき、上記のタグデータを利用して、また上記のタイムスタンプデータも考慮して、重複するものがあるか否かが判別される。
メッセージ蓄積部127は、メッセージ解析部125から解析結果の入力を受け、上記メッセージが特定のメッシュ領域内の移動体から初めて取得要求された所定の地図データを含むときには、当該地図データに対応した検索要求を送信先判別部129に出力する一方で、当該メッセージについてのログ情報を作成してこれを記憶部141に格納する。同様に、上記メッセージが地図データサーバ装置から初めて受信した地図データを含むときには、当該地図データを送信先判別部129に出力する一方で、当該メッセージについてのログ情報を作成してこれを記憶部141に格納すると共に上記の地図データを記憶部141に格納する。上記メッセージの内容が既に受信した情報と重複し、この情報が記憶部141に格納されているときには、重複しているメッセージであることを表す重複情報を送信先判別129に出力する一方で、当該メッセージについてのログ情報を作成してこれを記憶部141に格納する。
送信先判別部129は、メッセージ蓄積部127から入力された情報の送信先が移動体であるか地図データサーバ装置であるかを判別して送信先情報を作成した後、当該送信先情報と共に上記の検索要求、地図データ、または重複情報をリアルタイム送信部131に出力する。
リアルタイム送信部131は、送信先判別部129から出力された上記の検索要求または地図データを、送信先情報に従って地図データサーバ装置または移動体に送信する。また、送信先判別部129から重複情報が出力されたときには、重複情報の対象となった情報を記憶部141から読み出し、送信先情報に従って移動体または地図データサーバ装置に送信する。ただし、通信経路が確立されなかった等の理由によりリアルタイムで送信できなかったときには、上記の検索要求、地図データ、または重複情報と送信先情報とを記憶部141に格納し、送信できなかったことを示すようにフラグを更新する。一方、送信できたときには、送信完了情報を作成してこれをメッセージ削除部133に出力する。メッセージ削除部133は、リアルタイム送信部131から送られてきた送信完了情報を基に、送信が完了した情報に対応するメッセージについてのログ情報を記憶部141から削除する。
送信セッション監視部135は、上述の取得要求を送信してきた移動体との通信経路や地図データサーバ装置との通信経路を監視し、当該通信経路が確立されたときには送信可能情報を作成してこれを未送信メッセージ処理部137に出力する。
未送信メッセージ処理部137は、送信セッション監視部135から上記送信可能情報が入力されると、記憶部141に格納されている未送信の情報(検索要求、地図データ、または重複情報)および当該情報の送信先情報を検索し、読み込んで、これらの情報をノンリアルタイム送信部139に出力する。
ノンリアルタイム送信部139は、未送信メッセージ処理部137から上記未送信の情報および当該未送信の情報の送信先情報が入力されると、送信先情報に従って上記未送信の情報を移動体または地図データサーバ装置に送信する。未送信の情報が重複情報であるときには、当該重複情報の対象となった情報を記憶部141から読み出し、送信先情報に従って移動体または地図データサーバ装置に送信する。送信後に、送信完了情報を作成してこれをメッセージ削除部133に出力する。メッセージ削除部133は、ノンリアルタイム送信部139から送られてきた送信完了情報を基に、送信が完了した情報に対応するメッセージについてのログ情報を記憶部141から削除する。
図12は、地図データサーバ装置の一例を概略的に示すブロック図である。同図に示す地図データサーバ装置180Aは、通信部161、メッシュデータ管理部163、およびデータベース部165を有している。
上記の通信部161は、地図情報集積管理装置との送受信を担うものであり、地図情報集積管理装置から所定の地図データについて検索要求が送信されてきたときに当該検索要求を受信して、その情報をメッシュデータ管理部163に出力する。また、メッシュデータ管理部163から所定の地図データが出力されてきたときには、当該地図データを地図情報集積管理装置に送信する。
メッシュデータ管理部163は、上記の検索要求が入力されたときに当該検索要求に対応した地図データを特定し、データベース部165に格納されている地図データベースを検索して、上記検索要求に対応する所定の地図データを読み込む。そして、読み込んだ地図データを通信部161に出力する。データベース部165には、地域を複数のメッシュ領域に分け、これらのメッシュ領域の各々に識別情報を付与すると共にメッシュ領域毎に当該メッシュ領域での地形データや道路データ、施設データ、植生データ等を含んだ既存の地図データをマッピングすることで作成された地図データベースが格納されている。
実施の形態2.
図13は、移動体−データベース連携システムの他の例を概略的に示す概念図である。同図に示す移動体−データベース連携システム250は、複数の地図情報集積管理装置220a〜220hが1つの地図データサーバ装置230に無線接続されているものであり、複数の地図情報集積管理装置220a〜220hによって複数のメッシュ領域R11〜R18を管轄している。図示の例では、1つのメッシュ領域に1つの地図情報集積管理装置が対応している。
あるメッシュ領域内に位置している複数の移動体によって構成された群(図示せず)での代表権を有する移動体(図示せず)は、当該メッシュ領域を管轄している地図情報集積管理装置に所定の地図データについての取得要求Raを送信する。この取得要求Raを受信した地図情報集積管理装置は、当該検索要求Raに対応した地図データについて地図データサーバ装置230に検索要求Rsを送信し、当該検索要求Rsを受けた地図データサーバ装置30は、検索要求Rsに対応した地図データDmを上記の検索要求Rsの送信元の地図情報集積管理装置に送信する。地図情報集積管理装置は、地図データDmをそのまま、または必要なデータのみを抽出して、上記の取得要求Raの送信元である代表権を有する移動体に送信する。個々の群での移動体同士の情報交換は、実施の形態1で説明した移動体−データベース連携システム50(図1参照)におけるのと同様にして行われる。
このように構成された移動体−データベース連携システム250では、1つの地図情報集積管理装置によって1つのメッシュ領域を管轄しているので、1つの地図情報集積管理装置によって複数のメッシュ領域を管轄する場合に比べ、地図情報集積管理装置から代表権を有する移動体に所定の地図データを送信する際にビジー状態となる可能性が低減する。結果として、群を構成する各移動体は、最新の地図データを更に高いリアルタイム性の下に共有し易くなる。
実施の形態3.
上述した移動体−データベース連携システム50,250(図1、図13参照)は、1つの群が収集した現況データを当該群の各移動体が共有するものであるが、ある群が収集した現況データを他の群の各移動体も共有することができるように移動体−データベース連携システムを構成することもできる。
この場合、ある群を構成する各移動体のうちの代表権を有する移動体は、自己および群内の他の移動体が収集し、蓄積した現況データを地図情報集積管理装置に送信する。この現況データを受信した地図情報集積管理装置は、当該現況データを記憶部に一旦格納し、地図データサーバ装置との通信経路が確保されたときに地図データサーバ装置に送信する。地図データサーバ装置は、上記の現況データと自己が保有している地図データベースとの差分を求め、当該差分を基に地図データベースを更新する。これらの手順以外の手順については、実施の形態1で説明した移動体−データベース連携システム50、または実施の形態2で説明した移動体−データベース連携システム250での手順と同様とすることができる。
ただし、代表権を有する移動体が収集した現況データについての重複部分の排除等の処理は、代表権を有する移動体、地図情報集積管理装置、および地図データサーバ装置のいずれが行ってもよい。また、1つのメッシュ領域内に複数の群が位置している場合、各群から送信されてくる現況データについての重複部分の排除は、地図情報集積管理装置または地図データサーバ装置において行うことができる。例えば図11に示した地図情報集積管理装置150では、複数の群から送信されてくる現況データについての重複部分の排除がメッセージ蓄積部127で行われるように、当該メッセージ蓄積部127に所定の機能を付与することができる。
図14は、ある群が収集した現況データを他の群の各移動体も共有することができる移動体−データベース連携システムの一例を概略的に示す概念図である。同図に示す移動体−データベース連携システム350は、2つの群S11、S12と、1つの地図情報集積管理装置320と、1つの地図データサーバ装置330とを有している。上記の群S11は4つの移動体M51〜M54により構成され、移動体M51が代表権を有している。また、群S12は3つの移動体M61〜M63により構成され、移動体M61が代表権を有している。図示の例では、これら2つの群S11,S12が1つのメッシュ領域R21内に位置している。
代表権を有する移動体M51は、メッシュ領域R21内に障害物Bがあるという現況データDc1を保有しており、代表権を有する移動体M61は、メッシュ領域R21内に障害物Bがあるという現況データDc2を保有している。これらの現況データDc1,Dc2は、地図情報集積管理装置320に送信される。
地図情報集積管理装置320は、現況データについての重複部分を排除する機能を有しており、たとえ上記代表権を有する移動体M51,M61から略同時刻に現況データDc1,Dc2が送信されてきても、重複している現況データである障害物Bについての情報が重複しないように所定の処理を施した現況データDc5を地図データサーバ装置330に送信する。この現況データDc5を受信した地図データサーバ装置330は、当該現況データDc5を基に地図データベースを更新する。
代表権を有する移動体M51または代表権を有するM61が障害物B近辺の地図データの取得要求を地図情報集積管理装置320に送信すると、現況データDc5を基に更新された地図データが地図データサーバ装置330から地図情報集積管理装置320を介して移動体M51または移動体M61に送信される。最終的には、群S11が独自に収集した現況データDc1が群S12の各移動体M61〜M63によっても共有され、群S12が独自に収集した現況データDc2が群S11の各移動体M51〜M54によっても共有される。
図15は、ある群が収集した現況データを他の群の各移動体も共有することができる移動体−データベース連携システムの他の例を概略的に示す概念図である。同図に示す移動体−データベース連携システム450は、2つの群(図示せず)と、2つの地図情報集積管理装置420a,420bと、1つの地図データサーバ装置430とを有している。上記2つの群の各々は複数の移動体により構成されており、一方の群では移動体M71が代表権を、また他方の群では移動体M81が代表権を有している。移動体M71が代表権を有している群はメッシュ領域R31に位置しており、移動体M81が代表権を有している群はメッシュ領域R32に位置している。地図情報集積管理装置420aはメッシュ領域R31を管轄しており、地図情報集積管理装置420bはメッシュ領域R32を管轄している。
代表権を有する移動体M81は、メッシュ領域R32とメッシュ領域R31との境界部分に障害物Bがあるという現況データDc10を保有しており、この現況データDc10は地図情報集積管理装置420bに送信される。現況データDc10を受信した地図情報集積管理装置420bは、当該現況データDc10を地図データサーバ装置430に送信する。この現況データDc10を受信した地図データサーバ装置430は、当該現況データDc10を基に地図データベースの内容を更新する。
代表権を有する移動体M71が障害物B近辺の地図データの取得要求Raを地図情報集積管理装置420aに送信すると、現況データDc10を基に更新された地図データDmが地図情報集積管理装置420aを介して移動体M71に送信される。最終的には、2つの群のうちの一方の群が独自に収集した現況データDc10が、他方の群の各移動体によっても共有される。
図16は、上記の地図データサーバ装置430として用いることができる地図データサーバ装置の一例を概略的に示すブロック図である。同図に示す地図データサーバ装置180Bは、データベース更新部175を有しているという点を除き、図12に示した地図データサーバ装置180Aと同様の構成を有している。図16に示した構成要素のうちで図12に示した構成要素と共通するものについては、図12で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
なお、図16に示す通信部161は、地図情報集積管理装置から現況データが送信されたときに当該現況データを受信してメッシュデータ管理部163に出力する。また、メッシュデータ管理部163は、通信部161から現況データが入力されたときに当該現況データをデータベース更新部175に入力する。
上記のデータベース変更部175は、地形情報更新部171、経路情報更新部172、属性情報更新部173、および境界情報更新部174を有している。地形情報更新部171は、データベース変更部175に入力された現況データを地形情報、経路情報、属性情報、互いに隣接するメッシュ領域の境界部についての境界情報等に区分する。そして、地形情報が含まれていたときには、現況データに付加されているタイムスタンプデータを参照して、当該地形情報がデータベース部165に格納されている地図データベースよりも新しい地形情報であるか否かを判断し、新しい地形情報であると判断されたときには当該地形情報を基にデータベース部165内の地図データベースを更新する。
なお、上記の現況データに含まれている経路情報は地図データ差分更新部171から経路情報更新部172に送られ、属性情報は属性情報更新部173に送られ、境界情報は境界情報更新部174に送られる。
経路情報更新部172は、上記のタイムスタンプデータを参照して、地形情報更新部171から送られてきた経路情報がデータベース部165に格納されている地図データベースよりも新しい経路情報であるか否かを判断し、新しい経路情報であると判断されたときには当該経路情報を基にデータベース部165内の地図データベースを更新する。必要に応じて、上記の経路情報が取得できなかった箇所について未供用であることを表す未共用情報の設定およびその索引の作成を経路情報更新部172が行うように、またこれら未共用情報と索引とを基にデータベース部165内の地図データベースを経路情報更新部172が更新するように、データベース変更部175を構成することもできる。
属性情報更新部173は、上記のタイムスタンプデータを参照して、地形情報更新部171から送られてきた属性情報がデータベース部165に格納されている地図データベースよりも新しい属性情報であるか否かを判断し、新しい属性情報であると判断されたときには当該属性情報を基にデータベース部165内の地図データベースを更新する。
境界情報更新部174は、上記のタイムスタンプデータを参照して、地形情報更新部171から送られてきた境界情報がデータベース部165に格納されている地図データベースよりも新しい境界情報であるか否かを判断し、新しい境界情報であると判断されたときには当該境界情報を基にデータベース部165内の地図データベースを更新する。
以上説明した移動体−データベース連携システムでは、ある群が収集した現況データを他の群の各移動体も共有することができるので、各群を構成する移動体の各々は、実施の形態1,2で説明した移動体−データベース連携システム50,250(図1、図13参照)におけるよりも、より広い範囲に亘る最新の地図データを高いリアルタイム性の下に共有し易くなる。
実施の形態4.
代表権を有する移動体から地図情報集積管理装置に取得要求のあった地図データを地図データサーバ装置から地図情報集積管理装置に送信し、その後に地図情報集積管理装置から上記の移動体に送信するシステムでは、地図情報集積管理装置と地図データサーバ装置との通信経路が長時間に亘って確立されなかったときにリアルタイム性が損なわれる。地図情報集積管理装置に地図データサーバ装置としての機能を持たせることにより、より高いリアルタイム性を確保し易くなる。
図17は、地図情報集積管理装置に地図データサーバ装置としての機能を持たせた移動体−データベース連携システムの一例を概略的に示す概念図である。同図に示す移動体−データベース連携システム550は、2つの群(図示せず)と、1つの地図情報集積管理装置520と、1つの地図データサーバ装置530とを有している。上記2つの群の各々は複数の移動体により構成されており、一方の群では移動体M91が代表権を、また他方の群では移動体M101が代表権を有している。図示の例では、これら2つの群が1つのメッシュ領域R41内に位置している。
上記の地図情報集積管理装置520は地図データサーバ装置としても機能するものであり、当該地図情報集積管理装置520は、地図データサーバ装置530が保有している地図データベースと同じ地図データベースを保有している。地図データサーバ装置530が保有している地図データベースが更新される度に、更新内容を表す更新情報Iuが地図データサーバ装置530から地図情報集積管理装置520に送信される。この更新情報Iuを受信した地図情報集積管理装置520は、自己が保有している地図データベースを上記の更新情報Iuを基に更新する。地図データサーバ装置530が保有している地図データベースの更新は、例えば、図示を省略した入力装置から有線または無線により所定の更新情報を地図データサーバ装置530に入力することで行われる。
代表権を有する移動体M91,M101から地図情報集積管理装置520に所定の地図データについての取得要求Raが送信されてくると、地図情報集積管理装置520は自己が保有している地図データベースから上記の取得要求Raに対応した地図データを読み出し、当該地図データDmを取得要求Raの送信元の移動体M91または移動体M101に送信する。
図18は、地図データサーバ装置530が保有している地図データベースの更新から地図情報集積管理装置520への更新情報Iuの送信までの手順の一例を概略的に示すフローチャートである。同図に示す例では、以下に説明するステップS41〜S51がこの順番で行われる。
ステップS41では、地図データサーバ装置530に地図データベースについての更新情報が入力される。ステップS42では、上記の更新情報によって地図データが更新されるメッシュ領域についての情報を地図データサーバ装置530が取得する。ステップS43では、リンク情報の変更があるか否かを地図データサーバ装置530が判断する。ここで、「リンク情報」とは、例えば経路の合流や分岐、あるいは分断等の情報を意味する。
上記のステップS43でリンク情報の変更があると判断されたときには、ステップS44に進んで上記の更新情報からリンク情報を取得した後にステップS45に進む。一方、上記のステップS43でリンク情報の変更がないと判断されたときには、ステップS45に進む。
ステップS45では、属性情報の変更があるか否かを地図データサーバ装置530が判断する。このステップS45で属性情報の変更があると判断されたときには、ステップS46に進んで上記の更新情報から属性情報を取得した後にステップS47に進む。一方、上記のステップS45で属性情報の変更がないと判断されたときには、ステップS47に進む。
ステップS47では、経路情報の変更があるか否かを地図データサーバ装置530が判断する。このステップS47で経路情報の変更があると判断されたときには、ステップS48に進んで上記の更新情報から経路情報を取得した後にステップS49に進む。一方、上記のステップS47で経路情報の変更がないと判断されたときには、ステップS49に進む。
ステップS49では、ステップS42で取得した情報を基に、更新情報Iuの送信先の地図情報集積管理装置が当該地図データサーバ装置530と共に移動体−データベース連携システムを構成しているものであるか否かが、地図データサーバ装置530によって判断される。そして、送信先の地図情報集積管理装置が上記のシステムを構成していないものであるときにはステップS50に進んで上記の更新情報の送信を保留し、その後に処理を終了する。一方、送信先の地図情報集積管理装置が上記のシステムを構成しているものであるときにはステップS51に進んで上記の更新情報Iuを当該地図情報集積管理装置に送信し、その後に処理を終了する。
以上説明した移動体−データベース連携システムでは、地図情報集積管理装置に地図データサーバ装置としての機能を持たせているので、代表権を有する移動体から所定の地図データについての取得要求があったときには、地図情報集積管理装置と地図データサーバ装置とが通信を行わなくても、上記代表権を有する移動体に地図情報集積管理装置から所定の地図データを送信することができる。代表権を有する移動体が上記の取得要求を送信するまでの手順、および上記の地図データを受信した後の手順については、実施の形態1〜3で説明した移動体−データベース連携システム50,250,350,450(図1、図13、図14、図15参照)のいずれかでの手順と同様とすることができる。
したがって、実施の形態1〜3で説明した各移動体−データベース連携システム50,250,350,450に比べても、各群を構成する移動体の各々は、最新の地図データを高いリアルタイム性の下に共有し易くなる。
以上、本発明の移動体−データベース連携システムについて実施の形態を挙げて説明したが、前述のように、本発明は上述の形態に限定されるものではない。例えば、1つの移動体−データベース連携システムにおける移動体の数、地図情報集積管理装置の数、および地図データサーバ装置の数は、それぞれ、適宜選定可能である。また、1つの群における移動体の数についても、適宜選定可能である。代表権を有する移動体から群内の他の移動体への取得要求や地図データ等の配信方法としては、例えば図10を用いて説明した配信方法の他に、ユニキャスト、マルチキャスト、ブロードキャスト等の配信方法を適用することができる。本発明の移動体−データベース連携システムについては、上述の形態以外に種々の変形、修飾、組み合わせ等が可能である。