JP2008260856A - シール用硬化性二液型ポリウレタン組成物及びそれを用いたガスケット - Google Patents
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Abstract
【課題】垂れ抵抗性に優れ、耐汚染性に優れたシール用硬化性二液型ポリウレタン組成物と、この組成物から製造されるガスケットを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のシール用硬化性二液型ポリウレタン組成物は、平均分子量が1000〜8000のポリオールを含む第1の成分(A)と、イソシアネート基を含有し、平均分子量が500〜4000のポリオキシアルキレングリコールとイソシアネートを含有する化合物とを反応させて得られるウレタンプレポリマーを含む第2の成分(B)とからなり、BET比表面積が100〜400m2/gの無機質充填材が前記第1の成分(A)又は前記第2の成分(B)のいずれか一方に配合されていることを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】本発明のシール用硬化性二液型ポリウレタン組成物は、平均分子量が1000〜8000のポリオールを含む第1の成分(A)と、イソシアネート基を含有し、平均分子量が500〜4000のポリオキシアルキレングリコールとイソシアネートを含有する化合物とを反応させて得られるウレタンプレポリマーを含む第2の成分(B)とからなり、BET比表面積が100〜400m2/gの無機質充填材が前記第1の成分(A)又は前記第2の成分(B)のいずれか一方に配合されていることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、垂れ抵抗性に優れ、耐汚染性に優れたシール用硬化性二液型ポリウレタン組成物と、この組成物から製造されるガスケットに関し、特に、電子機器としてハードディスクドライブケースや小型ビデオカメラ、形態電子機器類(以下、「HDDケース」とも称する)の筺体と蓋体の気密、防湿のためのシール部位に用いられるシール用硬化性二液型ポリウレタン組成物と、この組成物から製造されるガスケットに関する。
近年、コンピュータのハードディスク装置においては、高性能化、小型化が進み複雑な回路構成を有するようになってきており、僅かなダストまたは汚染物質が混入し磁気ディスクに付着すると誤動作の原因となる。そのため、ガスケットを使ってダストの侵入を防ぐことが一般に行なわれている。さらにガスケット自身にも汚染物質を含有しないこと、さらに汚染物質となるアウトガスを発生しないことも要求されている。例えばHDDケース用のガスケットの製造方法として、2成分系ポリウレタン樹脂のような溶液状樹脂をディスペンサーによりガスケット形状に押し出し、一体化するディスペンシング法が主流となってきている。このディスペンス法においては、気密性を確保するためにディスペンスした樹脂の液垂れがなく、変形の小さいことが要求されている。すなわち樹脂にはチキソトロピー性が必要となる。
その液垂れを改善するためにチキソ化付与剤として2成分系ポリウレタン樹脂にコロイド状シリカ、炭酸カルシウムのような無機質充填剤を添加する方法が知られている。しかしその効果を得るためには多量に添加しなければならないため粘度が高くなりすぎ作業性が悪いという課題がある。さらにこの課題を解決するためにイソシアネートとの反応性の高いアミン化合物やメルカプト化合物を添加し、硬化が始まる前にこれらの反応性の高い化合物による弱い架橋構造を形成することにより液垂れを改善しようとする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、同様に多量のアミン触媒、有機錫触媒を添加し架橋構造を形成して、液垂れを改善しようとする方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平10−168303号、段落0003、0004
国際公開第WO99/51653号パンフレット
しかしながら、これらの方法では、硬化物中に微量でもアミン化合物、メルカプト化合物、触媒が残存すると、それらがブリードアウトし磁気ディスクを汚染してしまうという課題がある。さらにこれらの方法を用いると硬化反応が速いためディスペンスに必要な可使時間を確保できないという課題がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、垂れ抵抗性に優れ、耐汚染性に優れたシール用硬化性二液型ポリウレタン組成物と、この組成物から製造されるガスケットを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、平均分子量が1000〜8000のポリオールを含む第1の成分(A)と、イソシアネート基を含有し、平均分子量が500〜4000のポリオキシアルキレングリコールとイソシアネートを含有する化合物とを反応させて得られるウレタンプレポリマーを含む第2の成分(B)とからなり、BET比表面積が100〜400m2/gの無機質充填材が前記第1の成分(A)又は前記第2の成分(B)のいずれか一方に配合されているシール用硬化性二液型ポリウレタン組成物を用いることにより、課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記の課題を解決するため、本発明の一態様によるシール用硬化性二液型ポリウレタン組成物は、平均分子量が1000〜8000のポリオールを含む第1の成分(A)と、イソシアネート基を含有し、平均分子量が500〜4000のポリオキシアルキレングリコールとイソシアネートを含有する化合物とを反応させて得られるウレタンプレポリマーを含む第2の成分(B)とからなり、BET比表面積が100〜400m2/gの無機質充填材が前記第1の成分(A)又は前記第2の成分(B)のいずれか一方に配合されていることを特徴とする。
また、本発明の他の態様によるガスケットは、前記のシール用硬化性二液型ポリウレタン組成物を硬化させてなることを特徴とする。
本発明によれば、垂れ抵抗性に優れ、耐汚染性に優れたシール用硬化性二液型ポリウレタン組成物と、この組成物から製造されるガスケットを提供できる。
以下に、本発明を実施するための形態について説明する。本発明はこの実施の形態の記載になんら限定されるものではない。
本発明の実施の形態に係るシール用硬化性二液型ポリウレタン組成物は、平均分子量が1000〜8000のポリオールを含む第1の成分(A)と、イソシアネート基を含有し、平均分子量が500〜4000のポリオキシアルキレングリコールとイソシアネートを含有する化合物とを反応させて得られるウレタンプレポリマーを含む第2の成分(B)とからなり、BET比表面積が100〜400m2/gの無機質充填材が第1の成分(A)又は第2の成分(B)のいずれか一方に配合されている。この無機質充填材は、第1の成分(A)に配合されている方が好ましい。まず、第1の成分(A)について説明する。
本発明の実施形態において、第1の成分(A)は、平均分子量(重量平均分子量(Mw))が1000〜8000のポリオールを含む。
第1の成分(A)に用いられるポリオールは、比較的低分子量の多価アルコールの1種又は2種以上の重合体、ポリエーテル型ポリオール、あるいはこれらポリエーテル型ポリオールの変性物などが挙げられる。
より具体的には、比較的低分子量の多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、プロピレングリコール(PG)、ジプロピレングリコール(DPG)、1,3−ブタンジオール(1,3−BD)、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)、4,4’−ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4’−ジヒドロキシフェニルメタン等の2価アルコール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン(TMP)、1,2,5−ヘキサントリオール等の3価アルコール、ペンタエリスリトール、グルコース、シュークロース、ソルビトール等の4価以上の多価アルコールが挙げられる。
より具体的には、比較的低分子量の多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、プロピレングリコール(PG)、ジプロピレングリコール(DPG)、1,3−ブタンジオール(1,3−BD)、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)、4,4’−ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4’−ジヒドロキシフェニルメタン等の2価アルコール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン(TMP)、1,2,5−ヘキサントリオール等の3価アルコール、ペンタエリスリトール、グルコース、シュークロース、ソルビトール等の4価以上の多価アルコールが挙げられる。
この実施形態に用いられるポリエーテル型ポリオールとしては、例えば、比較的低分子量の多価アルコール1種または2種以上に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の1種または2種以上を付加重合して得られるポリエーテルポリオール、テトラヒドロフランを開環重合して得られるポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)等が挙げられる。また、例えば、グリセリンや1,2,5−ヘキサントリオール等を開始剤としてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等を開環重合して得られるポリオキシアルキレントリオール、例えば、ポリオキシエチレントリオール、ポリオキシプロピレントリオール等が挙げられる。
ポリエーテル型ポリオールの変性物としては、前記の公知のポリエーテル型ポリオールにアクリロニトリル、スチレン、メチルメタクリレート等のエチレン性不飽和化合物をグラフト重合させて得たポリマーポリオール等が挙げられる。
これらのうち開環連鎖が規則性を有し、チキソトロピー性を得やすいため、ポリエーテル型ポリオールが好ましい。特に、ポリエーテル型ポリオールのうち、プロピレンオキサイドを開環重合して得られるポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシプロピレントリオール、テトラヒドロフランを開環重合して得られるポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)が好ましく、ポリオキシプロピレントリオールがより好ましい。
また、第1の成分(A)に用いられるポリオールの平均分子量(重量平均分子量(Mw))は、1000〜8000の範囲である。平均分子量が1000未満の場合には十分なチキソトロピー性が得られずに液垂れが生ずるおそれがあり、平均分子量が8000を超える場合には、無機充填剤と混練りすると粘度が高くなりすぎ作業性を悪化させてしまうためである。
平均分子量は、1000〜6000の範囲がより好ましく、2000〜4000の範囲がより好ましい。
平均分子量は、1000〜6000の範囲がより好ましく、2000〜4000の範囲がより好ましい。
ポリオールの水酸基価は、25〜150mgKOH/g程度が好ましい。また、この実施形態に用いられるポリオールは、1種単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
また、第1の成分(A)は、好ましくはBET比表面積が100〜400m2/gの無機質充填材をさらに含む。無機質充填剤としては、シリカ、炭酸カルシウムなどが挙げられるが、親水性でチキソトロピー付与性のあるコロイド状シリカ、炭酸カルシウム又はこれらを混合したものが好ましく、コロイド状シリカがより好ましい。この実施形態に用いられる無機質充填剤は、BET比表面積が100〜400m2/gである。BET比表面積が100m2/g未満又は400m2/gを超える場合には、十分なチキソトロピー性が付与されないおそれがある。BET比表面積が250〜350m2/gの微粉末シリカが好ましい。また、無機質充填剤は、表面処理を施していないものが、親水性が高いためより好ましい。
例えば、コロイド状シリカは、ハロゲン化ケイ素の分解による方法、あるいはケイ砂を加熱還元した後、空気により酸化する方法(アーク法)などによって製造することができる。また、市販のコロイド状シリカを使用することもできる。
無機質充填材の配合量としては、ポリオール100重量部に対して5〜30重量部が好ましく、15〜25重量部がより好ましい。無機質充填材の配合量がポリオール100重量部に対して5重量部未満の場合には十分なチキソトロピー性が付与されないおそれがあり、30重量部を超える場合には、粘度が高くなりすぎ作業性が悪くなるおそれがある。
無機質充填材は、ポリオールを含有する第1の成分(A)に予め混合しておくほうが、チキソトロピー性が向上するため、また、作業性が向上するため好ましい。また、無機質充填剤として親水性であるシリカを使用する場合には、第1の成分(A)中のポリオールとの相溶性が高いためより好ましい。
次に、第2の成分(B)について説明する。本発明の実施形態において、第2の成分(B)は、イソシアネート基を含有し、平均分子量が500〜4000のポリオキシアルキレングリコールとイソシアネートを含有する化合物とを反応させて得られるウレタンプレポリマーを含む。
このウレタンプレポリマーは、イソシアネート基を含有し、平均分子量が500〜4000のポリオキシアルキレングリコールとイソシアネートを含有する化合物とを反応させて得られるものであり、ウレタン結合を有する。
このウレタンプレポリマーは、イソシアネート基を含有し、平均分子量が500〜4000のポリオキシアルキレングリコールとイソシアネートを含有する化合物とを反応させて得られるものであり、ウレタン結合を有する。
ウレタンプレポリマーの調製に用いられるイソシアネート基を含有する化合物としては、例えば芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネート、それらの混合物または有機イソシアネート化合物の変性物等が挙げられる。
これらのうち、分子中に2個以上イソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物、特には、分子内に2個以上の分子末端イソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物が好ましい。
このようなイソシアネート基を有する化合物としては、たとえば、トリレンジイソシアネート(TDI)、水添トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI(PMDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)等の芳香族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族イソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添XDI(H6XDI)、水添MDI(H12MDI)、ノルボルナンジイソシアネートメチル(NBDI)等の脂環式ポリイソシアネート、上記イソシアネートのカルボジイミド変性イソシアネート、イソシアヌレート変性体等があげられる。
これらのうち、反応性の点から、反応性の速いTDI、MDI、カルボジイミド変性MDI(液状MDI)及びPMDIが好ましく、TDIがより好ましい。
これらイソシアネート基を有する化合物は、1種単独で、または2種以上を混合して使用してもよい。
これらイソシアネート基を有する化合物は、1種単独で、または2種以上を混合して使用してもよい。
ウレタンプレポリマーの調製に用いられるポリオキシアルキレングリコールは、多価アルコール、例えば2価のアルコールである、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコールなどを重合したポリアルキレングリコール、あるいは、アルキレンオキサイド、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフランを開環重合したポリアルキレングリコールなどが挙げられる。これらのうち、開環連鎖が規則性を有し、チキソトロピー性を得やすいため、プロピレンオキサイドを開環重合して得られるポリオキシプロピレングリコール、テトラヒドロフランを開環重合して得られるポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)がより好ましい。
ポリオキシアルキレングリコールの平均分子量(重量平均分子量(Mw))は、500〜4000の範囲である。平均分子量が500未満又は4000を超える場合には、ポリウレタン組成物のその後の硬化処理による反応制御などが困難となるおそれがあるからである。平均分子量は、500〜3000の範囲が好ましい。
また、これらのポリアルキレングリコールは、1種単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
また、これらのポリアルキレングリコールは、1種単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
ウレタンプレポリマーの合成方法は特に限定されないが、狙いのNCO%となるようにポリオールとイソシアネートを混合し、80〜90℃で、2〜4時間反応させることにより得ることができる。この反応は、不活性ガス下、例えば、窒素ガス下、アルゴンガス下で行なうことが好ましい。
このようにして得られるウレタンプレポリマーのNCO基含有率(NCO%)は、ポリウレタン組成物のその後の硬化処理による反応制御などが容易となり、また、シーリング用途として所望の硬度が得られるため0.5〜20%が好ましく、1〜8%がより好ましい。
このようにして得られるウレタンプレポリマーのNCO基含有率(NCO%)は、ポリウレタン組成物のその後の硬化処理による反応制御などが容易となり、また、シーリング用途として所望の硬度が得られるため0.5〜20%が好ましく、1〜8%がより好ましい。
第2の成分(B)に用いられるウレタンプレポリマーの配合量は、第1の成分(A)に用いられるポリオール100重量部に対して20〜100重量部が好ましく、60〜80重量部がより好ましい。ウレタンプレポリマーの配合量が20重量部未満の場合には、ポリウレタン組成物の硬度が低くなりすぎ、液垂れ性が改善されないおそれがあり、100重量部を超える場合には、ポリウレタン組成物の硬度が高くなり、気密性を損なうおそれがある。
第2の成分(B)に用いられるウレタンプレポリマーを使用することにより、液垂れ性を改善することができる。
第2の成分(B)に用いられるウレタンプレポリマーを使用することにより、液垂れ性を改善することができる。
この実施形態に係るシール用硬化性二液型ポリウレタン組成物は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、充填剤、可塑剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、顔料あるいは染料の着色剤、分散剤等の添加剤を任意の量で配合することにより、シーリング材としてより好ましく用いることができる。なおこれらの添加剤は、第1の成分(A)及び/又は第2の成分(B)に配合することができるが、第1の成分(A)に配合することが好ましい。
この実施形態に係るシール用硬化性二液型ポリウレタン組成物は、第1の成分(A)のポリオールと第2の成分(B)のウレタンプレポリマーとの重合などに、必要に応じて用いられる触媒、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジマレートなどの有機錫化合物、あるいは、トリエチルアミン、テトラエチレンジアミン、N−メチルモルホリンなどのアミン系触媒等を実質的に含まないものである。そのため、このポリウレタンシール用硬化性組成物は触媒などのブリードアウトが発生せずに耐汚染性に優れ、例えばハードディスク装置ケース用ガスケットに形成しても、ハードディスク装置での汚染物の生成を抑制できる。
次に、この実施形態に係るシール用硬化性二液型ポリウレタン組成物の調製方法及びガスケットの製造方法について説明する。このシール用硬化性二液型ポリウレタン組成物は、例えば、平均分子量が1000〜8000のポリオール及びBET比表面積が100〜400m2/gの無機質充填材が前記第1の成分(A)と、イソシアネート基を含有し、平均分子量が500〜4000のポリオキシアルキレングリコールとイソシアネートを含有する化合物とを反応させて得られるウレタンプレポリマーを含む第2の成分(B)とを混合して得ることができる。
混合方法は特に限定されず、その後の加熱硬化により、第1の成分(A)中の ポリオールの活性水素基(水酸基)と第2の成分(B)のウレタンプレポリマー中のイソシアネート基とが反応し、架橋構造を形成されることを考慮し、所望に応じた方法にて混合すればよい。
混合方法は特に限定されず、その後の加熱硬化により、第1の成分(A)中の ポリオールの活性水素基(水酸基)と第2の成分(B)のウレタンプレポリマー中のイソシアネート基とが反応し、架橋構造を形成されることを考慮し、所望に応じた方法にて混合すればよい。
さらに、上記のようにして得られたシール用硬化性二液型ポリウレタン組成物を脱泡した後、ハードディスクのハウジングケースの片面にディスペンスする。ディスペンスされたシール用硬化性ポリウレタン組成物を、50〜200℃、好ましくは100〜160℃の範囲で、1〜10時間加熱し、硬化させてガスケットを形成させる。シール用硬化性ポリウレタン組成物は垂れ抵抗性に優れ、また、耐汚染性に優れているので、このシール用硬化性ポリウレタン組成物から形成されたハードディスク装置ケース用ガスケットは、ガスケットが形成されたハウジングケースとハードディスクとを組み立てた後の汚染物の生成を抑制できる。
この実施形態に係るシール用硬化性二液型ポリウレタン組成物は、加熱硬化を施して、例えば電子機器としてハードディスクドライブケースや小型ビデオカメラ、形態電子機器類の筺体と蓋体の気密、防湿のためのシール部位に用いることができる。
このように、本実施の形態によれば、垂れ抵抗性に優れ、耐汚染性に優れたシール用硬化性二液型ポリウレタン組成物を得ることができる。従って、このシール用硬化性二液型ポリウレタン組成物を加熱硬化させて、ハードディスク装置ケース用ガスケットをディスペンス法で製造するときの液垂れを抑制できるので、ガスケットの機密性を向上させ、ダストの侵入を抑えることができる。また、このシール用硬化性二液型ポリウレタン組成物を加熱硬化して得られるガスケットは、汚染物の発生を抑制できるので、例えば、磁気ディスクへの汚染物質の混入による誤動作を低減することができる。そのため、信頼性の高いハードディスクを得ることができる。
(調製例1)第1の成分(A):ポリオール成分1の調製
エクセノール3030(重量平均分子量(Mw)3000のポリオキシエチレントリオール、旭硝子株式会社製)100重量部に、アエロジル300(コロイド状シリカ、日本アエロジル株式会社製)20重量部を添加し、室温で2時間混練りし、ポリオール成分1を調製した。
エクセノール3030(重量平均分子量(Mw)3000のポリオキシエチレントリオール、旭硝子株式会社製)100重量部に、アエロジル300(コロイド状シリカ、日本アエロジル株式会社製)20重量部を添加し、室温で2時間混練りし、ポリオール成分1を調製した。
(調製例2)第2の成分(B):ウレタンプレポリマー1の合成
PTMG2000(重量平均分子量(Mw)2000のポリテトラメチレングリコール、三菱化学株式会社製)100重量部に、トリレンジイソシアネート(2,4−異性体/2,6−異性体=80/20)24.1重量部を添加し、窒素気流下、80℃で3時間反応させてNCO%=6.0%のウレタンプレポリマー1を合成した。
PTMG2000(重量平均分子量(Mw)2000のポリテトラメチレングリコール、三菱化学株式会社製)100重量部に、トリレンジイソシアネート(2,4−異性体/2,6−異性体=80/20)24.1重量部を添加し、窒素気流下、80℃で3時間反応させてNCO%=6.0%のウレタンプレポリマー1を合成した。
(調製例3)ポリオール成分2の調製
上記と同じエクセノール3030、100重量部に、テトラエチレンジアミン0.3重量部、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)0.05重量部、及び上記と同じアエロジル300、20重量部を添加し、室温で2時間混練りし、ポリオール成分2を調製した。
上記と同じエクセノール3030、100重量部に、テトラエチレンジアミン0.3重量部、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)0.05重量部、及び上記と同じアエロジル300、20重量部を添加し、室温で2時間混練りし、ポリオール成分2を調製した。
(調製例4)ウレタンプレポリマー2の合成
上記と同じエクセノール3030、100重量部に、トリレンジイソシアネート(2,4−異性体/2,6−異性体=80/20)24.1重量部を添加し、窒素気流下、80℃で3時間反応させてNCO%=6.0%のウレタンプレポリマー成分2を合成した。
上記と同じエクセノール3030、100重量部に、トリレンジイソシアネート(2,4−異性体/2,6−異性体=80/20)24.1重量部を添加し、窒素気流下、80℃で3時間反応させてNCO%=6.0%のウレタンプレポリマー成分2を合成した。
(実施例1)
第1の成分(A)としての上記ポリオール成分1と、第2の成分(B)としての上記ウレタンプレポリマー1とを、ウレタンプレポリマー1の配合量がポリオール成分1中のエクセノール3030、100重量部に対して70重量部となるように混合した。このようにして得られた混合物を脱泡した後、JIS A 1439に記載の「スランプ試験」方法に従って、垂れ性(スランプ性)を評価した。但し、試験温度は25℃で行なった。
その結果、垂れ試験値(スランプ試験値)は0mmであり、混合物の垂れは発生しなかった。
第1の成分(A)としての上記ポリオール成分1と、第2の成分(B)としての上記ウレタンプレポリマー1とを、ウレタンプレポリマー1の配合量がポリオール成分1中のエクセノール3030、100重量部に対して70重量部となるように混合した。このようにして得られた混合物を脱泡した後、JIS A 1439に記載の「スランプ試験」方法に従って、垂れ性(スランプ性)を評価した。但し、試験温度は25℃で行なった。
その結果、垂れ試験値(スランプ試験値)は0mmであり、混合物の垂れは発生しなかった。
また、このポリオール成分1とウレタンプレポリマー1とを混合し、脱泡した後の混合物を、ハードディスクのハウジングケースの片面にディスペンスし、140℃で3時間加熱し、硬化させてガスケットを形成させた。このようにガスケットを形成させたハウジングケースとハードディスクとを組み立てた後、50℃の恒温槽に7日間投入し、その後ディスクを取り出して、表面に付着物があるかどうかを光学顕微鏡(倍率100倍)で観察した。その結果、ディスクの表面に付着物は見られなかった。
(比較例1)
第1の成分(A)としての上記ポリオール成分1と、第2の成分(B)としての上記ウレタンプレポリマー2とを、ウレタンプレポリマー2の配合量がポリオール成分1中のエクセノール3030、100重量部に対して70重量部となるように混合した。
このようにして得られた混合物を脱泡した後、上記と同様の「スランプ試験」方法に従って、垂れ性(スランプ性)を評価した。但し、試験温度は25℃で行なった。その結果、垂れ試験値(スランプ試験値)は7mmであり、混合物の垂れが発生した。
第1の成分(A)としての上記ポリオール成分1と、第2の成分(B)としての上記ウレタンプレポリマー2とを、ウレタンプレポリマー2の配合量がポリオール成分1中のエクセノール3030、100重量部に対して70重量部となるように混合した。
このようにして得られた混合物を脱泡した後、上記と同様の「スランプ試験」方法に従って、垂れ性(スランプ性)を評価した。但し、試験温度は25℃で行なった。その結果、垂れ試験値(スランプ試験値)は7mmであり、混合物の垂れが発生した。
また、このポリオール成分1とウレタンプレポリマー2とを混合し、脱泡した後の混合物を、ハードディスクのハウジングケースの片面にディスペンスし、140℃で3時間加熱し、硬化させてガスケットを形成させた。このようにガスケットを形成させたハウジングケースとハードディスクとを組み立てた後、実施例1と同様に、50℃の恒温槽に7日間投入し、その後ディスクを取り出して、表面に付着物があるかどうかを光学顕微鏡(倍率100倍)で観察した。その結果、ディスクの表面に付着物は見られなかった。
(比較例2)
第1の成分(A)としての上記ポリオール成分2と第2の成分(B)としての上記ウレタンプレポリマー2とを、ウレタンプレポリマー2の配合量がポリオール成分2中のエクセノール3030、100重量部に対して70重量部となるように混合した。
このようにして得られた混合物を脱泡した後、上記と同様の「スランプ試験」方法に従って、垂れ性(スランプ性)を評価した。但し、試験温度は25℃で行なった。その結果、垂れ試験値(スランプ試験値)は1mmであった。
第1の成分(A)としての上記ポリオール成分2と第2の成分(B)としての上記ウレタンプレポリマー2とを、ウレタンプレポリマー2の配合量がポリオール成分2中のエクセノール3030、100重量部に対して70重量部となるように混合した。
このようにして得られた混合物を脱泡した後、上記と同様の「スランプ試験」方法に従って、垂れ性(スランプ性)を評価した。但し、試験温度は25℃で行なった。その結果、垂れ試験値(スランプ試験値)は1mmであった。
また、このポリオール成分2とウレタンプレポリマー2とを混合し、脱泡した後の混合物を、ハードディスクのハウジングケースの片面にディスペンスし、140℃で3時間加熱し、硬化させてガスケットを形成させた。このようにガスケットを形成させたハウジングケースとハードディスクとを組み立てた後、実施例1と同様に、50℃の恒温槽に7日間投入し、その後ディスクを取り出して、表面に付着物があるかどうかを光学顕微鏡(倍率100倍)で観察した。その結果、ディスクの表面に付着物が見られた。
これらの実施例1、比較例1及び比較例2の物性の評価結果を表1に示す。
これらの実施例1、比較例1及び比較例2の物性の評価結果を表1に示す。
表1から理解されるように、実施例1のシール用硬化性ポリウレタン組成物は、液垂れ性(スランプ性)が改善され、また、硬化処理によりガスケットを形成させたハウジングケースとハードディスクとを組み立てた後のディスクの表面に付着物は見られず、汚染性が改善されることが確認された。
また、触媒としてのジブチル錫ジラウレート(DBTDL)を含有しない場合には、ディスクの表面に付着物は見られず、ディスク表面の汚染性が改善された。
また、触媒としてのジブチル錫ジラウレート(DBTDL)を含有しない場合には、ディスクの表面に付着物は見られず、ディスク表面の汚染性が改善された。
Claims (7)
- 平均分子量が1000〜8000のポリオールを含む第1の成分(A)と、
イソシアネート基を含有し、平均分子量が500〜4000のポリオキシアルキレングリコールとイソシアネートを含有する化合物とを反応させて得られるウレタンプレポリマーを含む第2の成分(B)とからなり、
BET比表面積が100〜400m2/gの無機質充填材が前記第1の成分(A)又は前記第2の成分(B)のいずれか一方に配合されている
ことを特徴とするシール用硬化性二液型ポリウレタン組成物。 - 前記無機質充填材が前記第1の成分(A)に配合されている
ことを特徴とする請求項1記載のシール用硬化性二液型ポリウレタン組成物。 - 前記無機質充填材の配合量は、前記ポリオール100重量部に対して5〜30重量部であり、
前記ウレタンプレポリマーの配合量は、前記ポリオール100重量部に対して50〜100重量部である
ことを特徴とする請求項1記載のシール用硬化性二液型ポリウレタン組成物。 - 前記無機質充填剤は、コロイド状シリカであることを特徴とする請求項1記載のシール用硬化性二液型ポリウレタン組成物。
- 前記ポリオールは、ポリオキシプロピレントリオールであることを特徴とする請求項1記載のシール用硬化性二液型ポリウレタン組成物。
- 前記ウレタンプレポリマーは、平均分子量が500〜4000のポリオキシテトラメチレングリコールとイソシアネートを有する化合物とを反応させて得られるものであり、NCO基含有率が0.5〜20%であることを特徴とする請求項1記載のシール用硬化性二液型ポリウレタン組成物。
- 請求項1ないし6に記載のシール用硬化性二液型ポリウレタン組成物を硬化させてなることを特徴とするガスケット。
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---|---|---|---|
JP2007104806A JP2008260856A (ja) | 2007-04-12 | 2007-04-12 | シール用硬化性二液型ポリウレタン組成物及びそれを用いたガスケット |
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JP2021147580A (ja) * | 2020-03-23 | 2021-09-27 | 横浜ゴム株式会社 | シーリング材組成物 |
-
2007
- 2007-04-12 JP JP2007104806A patent/JP2008260856A/ja not_active Withdrawn
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