以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を、複数の形態について説明する。各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。各フローチャートの開始条件は、記載した開始条件だけに必ずしも限定されるものではない。
図1は、本発明の第1の実施の形態の切換装置1の電気的構成を示すブロック図である。切換装置1は、たとえば少なくとも2個以上の分離個数で分離された画像情報が、分離個数のコネクタからそれぞれ入力され、1つの画像を構成する表示システム(図示せず)に一体に設けられる。切換装置1は、与えられる画像情報を表示システムが出力可能となるように、与えられる画像情報の伝達経路を切換える。切換装置1は、画像情報を出力する電子装置に接続され、予め定める表示パターンに基づいて情報の伝達経路を切換えて、画像情報を表示システムに与える。切換装置1は、5個の入力部2、スイッチ(SW)部3、同期信号検出部4、座標検出部5、水平/垂直同期判別部6、パターン格納部7、パターン比較部8、ソース信号セレクト部9、信号セレクタ部10、および5個の出力部11とを含んで構成される。
5個の入力部2は、画像情報を入力部2と同数の画像情報に分離して、出力する出力手段、たとえばビデオなどの電子装置にコネクタを有するケーブルなどによって電気的に接続される。各入力部2には、各コネクタがそれぞれ電気的および機械的に接続され、各コネクタから出力される画像情報を各入力部2に伝達する。各入力部2は、入力される各情報を信号セレクタ部10によって選択される出力部11にそれぞれ伝達する。したがって各入力部2は、各出力部11に1体1でそれぞれ対応しており、その対応関係は信号セレクタ部10によって制御される。各出力部11は、各入力部2から与えられる画像情報を表示システムに与える。
スイッチ部3は、各入力部2、同期信号検出部4および水平/垂直同期判別部6に電気的に接続され、各入力部2のうちいずれか1つの入力部2に入力される画像情報を同期信号検出部4および水平/垂直同期判別部6に与える。したがってスイッチ部3は、各入力部2をスキャンして順次、各入力部2に入力される画像情報を同期信号検出部4および水平/垂直同期判別部6に与える。またスイッチ部3は、パターン比較部8に電気的に接続され、パターン比較部8から与えられる指令に基づいて、入力部2を選択する。
同期信号検出部4は、同期信号検出手段であって、各入力部2に入力される画像情報に含まれる同期信号および映像信号を検出する。同期信号検出部4は、スイッチ部3、座標検出部5および水平/垂直同期判別部6に電気的に接続される。同期信号検出部4は、スイッチ部3から与えられる画像情報に含まれる同期信号を検出し、検出した同期信号を水平/垂直同期判別部6に与える。また同期信号検出部4は、スイッチ部3から与えられる画像情報に含まれる映像信号を検出し、検出した映像信号を座標検出部5に与える。
水平/垂直同期判別部6は、スイッチ部3、同期信号検出部4、座標検出部5およびソース信号セレクト部9に電気的に接続される。水平/垂直同期判別部6は、スイッチ部3から与えられる画像情報からデジタルの同期信号の検出、換言すると水平同期信号および垂直同期信号を検出する。また水平/垂直同期判別部6は、同期信号検出部4から与えられる同期信号から同期信号成分の検出を行う。水平/垂直同期判別部6は、検出した同期信号をソース信号セレクト部9および座標検出部5に与える。水平/垂直同期判別部6が検出した同期信号は、入力部2をセレクトする他に、色座標検出のための基準信号に使用される。
座標検出部5は、画像情報検出手段であって、同期信号検出部4によって検出される同期信号に基づいて、各入力部2に入力される画像情報に含まれる予め定める座標の画像情報を検出する。座標検出部5は、同期信号検出部4、水平/垂直同期判別部6およびパターン比較部8に電気的に接続され、水平/垂直同期判別部6から与えられる水平同期信号および垂直同期信号を基準に、同期信号検出部4から与えられる映像信号に含まれる色データの座標データ(XY)を検出する。したがって座標検出部5は、予め定める座標の画像情報として、座標データを検出する。座標検出部5は、検出した座標データをパターン比較部8に与える。
パターン格納部7は、画像情報出力手段であって、予め定める画像に基づく画像情報として予め定める表示パターンが記憶される。パターン格納部7は、パターン比較部8に電気的に接続され、記憶している画像情報をパターン比較部8に与える。パターン格納部7に記憶される画像情報は、たとえば通信手段を介して接続される外部の電子装置から与えられる画像情報であってもよく、また予め記憶されている画像情報であってもよい。パターン格納部7は、画像情報として表示パターンの座標データが格納される。
パターン比較部8は、比較手段であって、パターン格納部7から与えられる画像情報と、座標検出部5によって検出される画像情報とを予め定める座標に関して比較する。パターン比較部8は、パターン格納部7から与えられる座標データと座標検出部5から与えられる座標データとを比較する。したがってパターン比較部8は、予め定める座標に出力されるべき映像信号が等しいか否かを判断する。パターン比較部8は、座標検出部5、パターン格納部7およびソース信号セレクト部9に電気的に接続され、パターン比較部8の比較結果をソース信号セレクト部9に与える。またパターン比較部8は、スイッチ部3に電気的に接続され、比較結果をソース信号セレクト部9に与えると、スイッチ部3が次の入力部2をスキャンするように指令を与える。
ソース信号セレクト部9は、切換手段であって、パターン比較部8の比較結果に基づいて、各入力部2に入力される画像情報が出力される出力部11を個別に切換えるように信号セレクタ部10を制御する。ソース信号セレクト部9は、たとえば5個の入力部2にRGBHVの5つの信号がそれぞれ与えられる場合、予め定める出力部11からRGBHVの信号がそれぞれ出力されるように、各出力部11と各入力部2との信号の伝達経路を切り換えるように信号セレクタ部10を制御する。
次に、切換装置1の動作についてフローチャートを用いて説明する。各フローチャートの動作は、スイッチ部3によって行われる。図2は、切換装置1のスイッチ部3による同期信号検出処理を示すフローチャートである。この処理は、たとえば入力部2が画像情報を検出すると実行される。
ステップa1では、定数Mにコネクタ数、本実施の形態では5がセットされ、ステップa2に移る。ステップa2では、変数Nに初期値である1をセットし、ステップa3に移る。ステップa3では、5個の入力部2のうち第N番目の入力部2からの画像情報を水平/垂直同期判別部6であるH/V判定回路に与え、ステップa4に移る。ステップa4では、水平/垂直同期判別部6が与えられる画像情報から水平同期信号を検出したか否かを判断し、検出した場合、ステップa6に移り、検出していない場合、ステップa5に移る。ステップa6では、第N番目の入力部2に与えられる画像情報に水平同期信号が含まれるので、第N番目の入力部2を水平同期チャネルと設定し、ステップa8に移る。
ステップa5では、水平/垂直同期判別部6が与えられる画像情報から垂直同期信号を検出したか否かを判断し、検出した場合、ステップa7に移り、検出していない場合、ステップa9に移る。ステップa7では、第N番目の入力部2に与えられる画像情報に垂直同期信号が含まれるので、第N番目の入力部2を垂直同期チャネルと設定し、ステップa8に移る。ステップa9では、第N番目の入力部2から水平/垂直同期判別部6によって水平同期信号および垂直同期信号が検出されたなかったので、第N番目の入力部2からの画像情報を同期信号検出部4に与え、ステップa10に移る。
ステップa10では、同期信号検出部4が与えられる画像情報から同期信号を検出したか否かを判断し、検出した場合、ステップa13に移り、検出していない場合、ステップa11に移る。ステップa13では、第N番目の入力部2に与えられる画像情報に同期信号が含まれるので、第N番目の入力部2を同期チャネルと設定し、ステップa14に移る。
ステップa11では、変数Nとコネクタ数Mとが等しいか否かを判断し、等しい場合、ステップa2に戻り、等しくない場合、ステップa12に移る。ステップa12では、変数Nを1増加させ、ステップa3に戻る。ステップa8では、水平同期信号および垂直同期信号の各チャネルが設定されているか否かを判断し、設定されていない場合、ステップa11に移り、設定されている場合、ステップa14に移る。ステップa14では、設定された入力部2に基づいて、予め定める信号が出力されるように信号セレクタ部10が信号の伝達経路を設定し、本フローを終了する。
このように図2に示す同期信号検出処理では、入力部2が順次、スキャンされ、垂直同期信号および水平同期信号が設定されるか、同期信号が設定されると、処理が終了する。図2に示すように、最初にステップa3にて、デジタルの同期信号(HSYNC/VSYNC)の検出を行うため、スイッチ部3で各入力部2に入力されている画像情報を順次、水平/垂直同期判別部6に供給する。水平/垂直同期判別部6では、ターゲットであるVSYNCとHSYNCを判別するために、水平/垂直同期判別部6に順次入力される画像情報である入力信号に含まれる同期信号を検出し、同期信号が検出された入力信号に対して、さらに周波数成分を判断することによりHSYNCとVSYNCの入力信号を判別することができる。
たとえば各入力部2に後述するような画像情報が入力信号とし入力されている場合に関して説明する。5個の入力部2をそれぞれ第N番目(Nは1から5までの整数)の入力部2とすると、HSYNC→第1番目の入力部2(Signal1)、VSYNC→第4番目の入力部2( Signal4)、Analog R→第2番目の入力部2(Signal2)、Analog G →第3番目の入力部2(Signal3)、およびAnalog B →第5番目の入力部2(Signal5)とする。このような接続例では、まず、第1番目の入力部2に入力されているHSYNCがスイッチ部3によって、水平/垂直同期判別部6に入力され、ステップa6にて第1番目の入力部2にHSYNCが入力されていることが判別される。
次に、第2番目の入力部2に入力されている入力信号が同様に水平/垂直同期判別部6に入力されるが、同期信号が検出されないことから、判別の対象外の入力信号であるので、ステップa12に移り、次の入力部2がスキャンされる。このような処理を図2に示すように、各入力部2に関して順次、繰返すことによって、第1番目の入力部2にHSYNC、第4番目の入力部2にVSYNCが接続されていることが水平/垂直同期判別部6にて判別される。
水平/垂直同期判別部6によるHSYNC、VSYNCが接続されている入力部2の判別結果は、ソース信号セレクト部9に入力される。ソース信号セレクト部9は、前述したように、水平/垂直同期判別部6によるHSYNC、VSYNCの判別結果に応じて信号セレクタ部10を制御し、HSYNC、VSYNCが入力されている各入力部2を本来接続すべき正しい位置の出力部11へと切換える。これによって、最低限の映像を映す基本条件を整えることができる。この状態は、最低限の映像を映す基本条件が整っただけであり、色信号が正しく接続されている保証はない。
また、アナログ信号に同期信号が重畳されている場合、3つの全て映像に同期信号が重畳されることはないので、同期信号検出部4で同期信号検出することで、色信号のGと同期信号が検出され、検出信号を水平/垂直同期判別部6に送ることで、HSYNCとVSYNCの成分を検出することが可能となる。
前述の例では、HSYNC、VSYNCにて説明を行ったが、コンポーネント映像信号(CSYNC)においても、VSYNCのありなしの判定に、HSYNC成分の検出フィルターを組み合わせることによってVSYNCおよびHSYNCの成分を検出し、CSYNCに対応することが可能である。したがって入力部2に入力される画像情報に含まれる同期信号が、水平同期信号および垂直同期信号であっても、コンポーネント映像信号であっても、アナログ信号(G)であっても検出することができる。このような水平/垂直同期判別部6は、複雑なものではなく、映像信号は、表示座標および表示された順番など検出できればよいので、予め定める信号の有無を検出できる構成であればよい。また同期信号検出部4は、同期信号がKHzまたはHzレベルでの判定でよいので、簡単なフィルタ回路で実現することができる。
図3は、切換装置1のスイッチ部3による切換処理を示すフローチャートである。この処理は、たとえば同期信号検出処理が終了すると実行される。図3に示すフローチャートでは、入力部2に接続される送信側の電子装置には、予め赤(R)・緑(G)・青(B)で作成された表示パターンがセットされており、画像情報を送信する送信側の電子装置にて作成されるパターンの座標データが、予めパターン格納部7にセットされているものとする。
ステップb1では、定数Mにコネクタ数がセットされ、ステップb2に移る。ステップb2では、図2に示す同期信号検出処理にて設定されたチャネルを処理の対象から除外するように設定し、ステップb3に移る。ステップb3では、変数Nに初期値である1をセットし、ステップb3に移る。ステップb3では、第N番目の入力部2が未設定の入力部2であるか否かを判断し、未設定の入力部2である場合、ステップb5に移り、設定済みの入力部2である場合、ステップb15に移る。ステップb5では、同期信号検出部4によって第N番目の入力部2に入力される画像情報から映像信号を検出し、ステップb6に移る。ステップb6では、ステップb5にて検出される映像信号の座標データを検出し、ステップb7に移る。
ステップb7では、座標検出部5にて検出した座標位置と、パターン格納部7に格納されたパターンの座標位置とがパターン比較部8にて比較されRの座標と一致するか否かを判断し、Rの座標と一致する場合、ステップb10に移り、一致しない場合、ステップb8に移る。ステップb10では、第N番目の入力部2に与えられる映像信号がRの信号であるので、第N番目の入力部2をRチャネルと設定し、ステップb13に移る。
ステップb8では、座標検出部5にて検出した座標位置と、パターン格納部7に格納されたパターンの座標位置とがパターン比較部8にて比較されGの座標と一致するか否かを判断し、Gの座標と一致する場合、ステップb11に移り、一致しない場合、ステップb9に移る。ステップb11では、第N番目の入力部2に与えられる映像信号がGの信号であるので、第N番目の入力部2をGチャネルと設定し、ステップb13に移る。
ステップb9では、座標検出部5にて検出した座標位置と、パターン格納部7に格納されたパターンの座標位置とがパターン比較部8にて比較されBの座標と一致するか否かを判断し、Bの座標と一致する場合、ステップb11に移り、一致しない場合、ステップb15に移る。ステップb11では、第N番目の入力部2に与えられる映像信号がBの信号であるので、第N番目の入力部2をBチャネルと設定し、ステップb13に移る。
ステップb13では、全ての入力部2が設定されているか否かを判断し、設定されていない場合、ステップb15に移り、設定されている場合、ステップb14に移る。ステップb15では、変数Nとコネクタ数Mとが等しいか否かを判断し、等しい場合、ステップb3に戻り、等しくない場合、ステップb16に移る。ステップb16では、変数Nを1増加させ、ステップb4に戻る。ステップb14では、設定された入力部2に基づいて、予め定める信号が出力されるように信号セレクタ部10が信号の伝達経路を設定し、本フローを終了する。
このように図3に示す切換処理では、同期信号検出処理と同様に、入力部2が順次、スキャンされ、映像信号が設定されると、判断した結果は、ソース信号セレクト部9に送られ、入力されている信号を本来接続すべき正しい位置の出力部11へと切換える。
切換処理によって、前述に図2に関連して説明したように、第1番目の入力部2( signal1)、第4番目の入力部2(signal4)は映像信号ではないことが分かっているので、ステップb2にてsignal1、signal4を除いた入力信号を検出対象として供給しているが、このような処理に限ることはなく、全ての入力信号を検出対象として供給しても良い。
また図3に示す切換処理では、ステップb7〜ステップb9に示すように、入力信号に対して比較する表示パターンを変更しているが、表示パターンに対して入力信号を変える様にしてもよい。また送信側の電子装置と切換装置1とが、座標パターンを共有していればよいので、送信側の電子装置から何らかの通信手段で、パターン格納部7に座標データを送信してもよい。
図4は、パターン格納部7に記憶される表示パターンの一例を示す図である。図5は、パターン格納部7に記憶される表示パターンの他の例を示す図である。図6は、パターン格納部7に記憶される表示パターンのさらに他の例を示す図である。以下、図4から図6に示すように、表示パターンの例を示す図では、理解を容易にするため、Rに対応する領域を右上がりの斜線を施して示し、Gに対応する領域を縦縞を施して示し、Bに対応する領域を右下がりの斜線を施して示す。
図4に示すように、表示パターンは、横方向に3つの領域に分割して、各領域にRGBの各色を有する画像が表示される。したがって1つの画面に基づく画像情報、換言すると静止画像に基づいて、RGBに対応する座標が既知であるので、このような表示パターンを用いて、前述の図3におけるステップb7〜ステップb9における処理を実現することができる。また図5に示すように、表示パターンは、縦方向に3つの領域に分割してもよい。また図6に示すように、表示パターンは、画面に文字を示すパターンであってもよい。
このように図4から図6では、3色の色信号の全てが1つの画面に表示されるような画像情報であれば、他の色が表示されている画面であってもよい。また3色の色信号を混合させた、たとえば紫色が一面に表示されるような表示パターンであってもよい。したがって全ての色信号を含むような表示パターンであればよく、操作者が視認時に不快感を生じない、図6に示すような文字などの表示パターンが好適に用いられる。
以上説明したように、本実施の形態の切換装置1では、各入力部2から入力される画像情報に含まれる同期信号が同期信号検出部4によって検出され、各入力部2に入力される画像情報に含まれる予め定める画像である表示パターンの予め定める座標の画像情報が座標検出部5によって検出される。パターン比較部8は、パターン格納部7に記憶さえる画像情報と、座標検出部5によって検出される画像情報とを予め定める座標に関して比較する。前述したように座標検出部5は、予め定める座標の画像情報を検出するので、同じ座標でパターン比較部8が画像情報を比較することができる。ソース信号セレクト部9は、比較結果に基づいて、各入力部2に入力される画像情報が出力される出力部11を個別に切換える。パターン格納部7に記憶される表示パターンと各入力部2に入力される表示パターンとは互いに等しい。したがって各出力部11から出力される画像情報がパターン格納部7に記憶される表示パターンと等しくなるように、各出力部11を個別に切換ることによって、各入力部2から入力される画像情報を、各出力部11から出力することができる。
したがって切換装置1を構成する5個の入力部2にそれぞれ入力される5個の分離個数に分離された画像情報を、5個の出力部11から、それぞれ出力することができる。画像情報の入力部2が2個以上である場合、前述の従来の技術では映像信号を識別することができなかったが、本実施の形態の切換装置1では同期信号とパターン格納部7に記憶される画像情報に基づいて各入力部2に入力される画像情報を識別することができる。したがって画像情報を構成する複数の情報がそれぞれ任意の入力部2から入力された場合であっても、入力された各情報がその種類に対応した出力部11から出力されるので、5個以上の入力部2への誤接続を防止することができる。
このような入力部2に接続されるコネクタは、形状が互いに同一および類似していることが多く、さらに色などの識別している場合であっても、互いに同一の形状を有する延長ケーブルなどを用いて延長して、延長ケーブルのコネクタを各入力部2に接続するときは、コネクタと入力部2のと対応関係が予め定められていると、誤接続をするおそれがある。このような場合であっても、本実施の形態の切換装置1を用いることによって、どのコネクタをどの入力部2に接続しても、いわば自動的に予め定める出力部11に出力されるので、誤接続を確実に防止することができる。これによって接続作業が容易となる。
次に、本発明の第2の実施の形態に関して説明する。図7は、本発明の第2の実施の形態の切換装置20の電気的構成を示すブロック図である。切換装置20は、たとえば少なくとも2個以上のコネクタから入力される画像情報によって、1つの画像を構成する表示システムに一体に設けられる。切換装置20は、与えられる画像情報を表示システムが出力可能となるように、与えられる画像情報の伝達経路を切換える。切換装置20は、画像情報を出力する電子装置に接続され、予め定める表示パターンに基づいて情報の伝達経路を切換えて、画像情報を表示システムに与える。切換装置20は、5個の入力部2、スイッチ(SW)部、同期信号検出部4、タイミング検出部21、水平/垂直同期判別部6、タイミング生成部22、タイミング比較部23、ソース信号セレクト部9、信号セレクタ部10、および5個の出力部11とを含んで構成される。
5個の入力部2は、画像情報を入力部2と同数の画像情報に分離して、出力する出力手段、たとえばビデオなどの電子装置にコネクタを有するケーブルなどによって電気的に接続される。各入力部2には、各コネクタがそれぞれ電気的および機械的に接続され、各コネクタから出力される画像情報を各入力部2に伝達する。各入力部2は、入力される各情報を信号セレクタ部10によって選択される出力部11にそれぞれ伝達する。したがって各入力部2は、各出力部11に1体1でそれぞれ対応しており、その対応関係は信号セレクタ部10によって制御される。各出力部11は、各入力部2から与えられる画像情報を表示システムに与える。
スイッチ部3は、各入力部2、同期信号検出部4および水平/垂直同期判別部6に電気的に接続され、各入力部2のうちいずれか1つの入力部2に入力される画像情報を同期信号検出部4および水平/垂直同期判別部6に与える。したがってスイッチ部3は、各入力部2をスキャンして順次、各入力部2に入力される画像情報を同期信号検出部4および水平/垂直同期判別部6に与える。またスイッチ部3は、タイミング比較部23に電気的に接続され、タイミング比較部23から与えられる指令に基づいて、入力部2を選択する。
同期信号検出部4は、同期信号検出手段であって、各入力部2に入力される画像情報に含まれる同期信号および映像信号を検出する。同期信号検出部4は、スイッチ部3、タイミング検出部21および水平/垂直同期判別部6に電気的に接続される。同期信号検出部4は、スイッチ部3から与えられる画像情報に含まれる同期信号を検出し、検出した同期信号を水平/垂直同期判別部6に与える。また同期信号検出部4は、スイッチ部3から与えられる画像情報に含まれる映像信号を検出し、検出した映像信号をタイミング検出部21に与える。
水平/垂直同期判別部6は、スイッチ部3、同期信号検出部4、タイミング検出部21およびソース信号セレクト部9に電気的に接続される。水平/垂直同期判別部6は、スイッチ部3から与えられる画像情報からデジタルの同期信号の検出、換言すると水平同期信号および垂直同期信号を検出する。また水平/垂直同期判別部6は、同期信号検出部4から与えられる同期信号から同期信号成分の検出を行う。水平/垂直同期判別部6は、検出した同期信号をソース信号セレクト部9およびタイミング検出部21に与える。
タイミング検出部21は、タイミング生成手段であって、同期信号検出部4または水平/垂直同期判別部6によって検出される同期信号に基づいて、タイミング生成部22が画像情報を出力するタイミングを生成する。タイミング検出部21は、同期信号検出部4、水平/垂直同期判別部6およびタイミング比較部23に電気的に接続され、水平/垂直同期判別部6から与えられる水平同期信号および垂直同期信号を基準に、同期信号検出部4から与えられる映像信号に含まれる色データの表示タイミングを検出する。タイミング検出部21は、検出したタイミングをタイミング比較部23に与える。
タイミング生成部22は、画像情報出力手段であって、予め定める画像に基づく表示パターンが記憶される。タイミング生成部22は、タイミング比較部23に電気的に接続され、記憶している表示パターンをタイミング比較部23に与える。タイミング生成部22に記憶される表示パターンは、たとえば通信手段を介して接続される外部の電子装置から与えられる画像情報であってもよく、また予め記憶されている表示パターンであってもよい。タイミング生成部22は、たとえば表示パターンとして経時的にRGBの順に変化する画像情報が格納される。
タイミング比較部23は、比較手段であって、タイミング生成部22から与えられる表示パターンと、タイミング検出部21によって検出される表示パターンとを予め定める期間にわたって比較する。タイミング比較部23は、タイミング生成部22から与えられる表示パターンとタイミング検出部21から与えられる表示パターンとを、タイミング検出部21によって検出されるタイミングに基づいて比較する。したがってタイミング比較部23は、予め定める期間に出力されるべき映像信号が等しいか否かを判断する。タイミング比較部23は、タイミング検出部21、タイミング生成部22およびソース信号セレクト部9に電気的に接続され、タイミング比較部23の比較結果をソース信号セレクト部9に与える。またタイミング比較部23は、スイッチ部3に電気的に接続され、比較結果をソース信号セレクト部9に与えると、スイッチ部3が次の入力部2をスキャンするように指令を与える。
ソース信号セレクト部9は、切換手段であって、タイミング比較部23の比較結果に基づいて、各入力部2に入力される画像情報が出力される出力部11を個別に切換えるように信号セレクタ部10を制御する。ソース信号セレクト部9は、たとえば5個の入力部2にRGBHVの信号が与えられる場合、予め定める出力部11からRGBHVの信号がそれぞれ出力されるように、各出力部11と各入力部2との信号の伝達経路を切り換えるように信号セレクタ部10を制御する。
次に、切換装置20の動作についてフローチャートを用いて説明する。各フローチャートの動作は、スイッチ部3によって行われる。図8は、切換装置20のスイッチ部3による切換処理を示すフローチャートである。この処理は、たとえば図2に示す同期信号検出処理が終了すると実行される。図8に示すフローチャートでは、入力部2に接続される送信側の電子装置には、予め赤(R)・緑(G)・青(B)で作成された経時的に変化する表示パターンがセットされており、画像情報を送信する送信側の電子装置にて作成される表示パターンの画像情報が、予めタイミング生成部22にセットされているものとする。
ステップc1では、定数Mにコネクタ数がセットされ、ステップc2に移る。ステップc2では、図2に示す同期信号検出処理にて設定されたチャネルを処理の対象から除外するように設定し、ステップc3に移る。ステップc3では、変数Nに初期値である1をセットし、ステップc3に移る。ステップc3では、第N番目の入力部2が未設定の入力部2であるか否かを判断し、未設定の入力部2である場合、ステップc5に移り、設定済みの入力部2である場合、ステップc15に移る。ステップc5では、同期信号検出部4によって第N番目の入力部2に入力される画像情報から映像信号を検出し、ステップc6に移る。ステップc6では、ステップc5にて検出される映像信号の表示タイミングを検出し、ステップc7に移る。
ステップc7では、タイミング検出部21にて検出したタイミングと、タイミング生成部22に格納された画像情報とがタイミング比較部23にて比較されRの映像信号と一致するか否かを判断し、Rの映像信号と一致する場合、ステップc10に移り、一致しない場合、ステップc8に移る。ステップc10では、第N番目の入力部2に与えられる映像信号がRの信号であるので、第N番目の入力部2をRチャネルと設定し、ステップc13に移る。
ステップc8では、タイミング検出部21にて検出したタイミングと、タイミング生成部22に格納された画像情報とがタイミング比較部23にて比較され、Gの映像信号と一致するか否かを判断し、Gの映像信号と一致する場合、ステップc11に移り、一致しない場合、ステップc9に移る。ステップc11では、第N番目の入力部2に与えられる映像信号がGの信号であるので、第N番目の入力部2をGチャネルと設定し、ステップc13に移る。
ステップc9では、タイミング検出部21にて検出したタイミングと、タイミング生成部22に格納された画像情報とがタイミング比較部23にて比較され、Bの映像信号と一致するか否かを判断し、Bの映像信号と一致する場合、ステップc11に移り、一致しない場合、ステップc15に移る。ステップc11では、第N番目の入力部2に与えられる映像信号がBの信号であるので、第N番目の入力部2をBチャネルと設定し、ステップc13に移る。
ステップc13では、全ての入力部2が設定されているか否かを判断し、設定されていない場合、ステップc15に移り、設定されている場合、ステップc14に移る。ステップc15では、変数Nとコネクタ数Mとが等しいか否かを判断し、等しい場合、ステップc3に戻り、等しくない場合、ステップc16に移る。ステップc16では、変数Nを1増加させ、ステップc4に戻る。ステップc14では、設定された入力部2に基づいて、予め定める信号が出力されるように信号セレクタ部10が信号の伝達経路を設定し、本フローを終了する。
このように図8に示す切換処理では、図2に示す同期信号検出処理と同様に、入力部2が順次、スキャンされ、映像信号が設定されると、判断した結果は、ソース信号セレクト部9に送られ、入力されている信号を本来接続すべき正しい位置の出力部11へと切換える。
切換処理によって、前述に図2に関連して説明したように、第1番目の入力部2( signal1)、第4番目の入力部2(signal4)は映像信号ではないことが分かっているので、ステップc2にてsignal1、signal4を除いた入力信号を検出対象として供給しているが、このような処理に限ることはなく、全ての入力信号を検出対象として供給しても良い。
また図8に示す切換処理では、ステップc7〜ステップc9に示すように、入力信号に対して比較する表示パターンを変更しているが、表示パターンに対して入力信号を変える様にしてもよい。
また送信側の電子装置と切換装置20とが、画像情報を共有していればよいので、タイミング生成部22をタイミング検出部21と別体に設け、タイミング生成部22を備える送信側の電子装置から何らかの通信手段で、タイミング比較部23に画像情報を送信してもよい。このようにタイミング生成部22を別体に設けることによって、タイミング生成部22を他の電子装置などと一体に構成することができ、タイミング生成部22が出力する表示パターンの管理が容易となる。
図9は、タイミング生成部22に記憶される表示パターンの一例を示す図である。図9に示すように、表示パターンは、経時的に、R、G、Bと変化し、予め定める期間ではRGBの各色を有する画面が表示される。したがってRGBが出力されるタイミングが既知であるので、このような表示パターンを用いて、前述の図8におけるステップc7〜ステップc9における処理を実現することができる。
このように図9では、3色の色信号が一色づつ順次、表示されるが、このような動画にい限ることはなく、他の色が表示されている画像が順次変化する動画であってもよい。したがって3色全ての色信号を含むような表示パターンであればよく、操作者が視認時に不快感を生じない、画像が変化する表示パターンが好適に用いられる。
以上、説明したように本実施の形態の切換装置20では、各入力部2から入力される画像情報に含まれる同期信号が同期信号検出部4によって検出され、検出される同期信号に基づいて、タイミング生成部22によって画像情報が出力されるタイミングがタイミング検出部21によって生成される。タイミング比較部23は、生成されたタイミングに基づいて、タイミング生成部22から与えられる画像情報と、各入力部2によって入力される画像情報とを予め定める期間にわたって比較する。前述したように同期信号に基づいてタイミングを生成するので、同じタイミングでタイミング比較部23が画像情報を比較することができる。ソース信号セレクト部9は、タイミング比較部23の比較結果に基づいて、各入力部2に入力される画像情報が出力される出力部11を個別に切換える。タイミング生成部22から与えられる表示パターンと各入力部2に入力される表示パターンとは互いに等しい。したがって各出力部11から出力される表示パターンがタイミング生成部22から与えられる表示パターンと等しくなるように、各出力部11を個別に切換ることによって、各入力部2から入力される画像情報を、各出力部11から出力することができる。
したがって切換装置20を構成する5個の入力部2に入力される画像情報を、5個の出力部11から、出力することができる。画像情報の入力部2が2個以上ある場合、前述の従来の技術では映像信号である画像情報を識別することができなかったが、本実施の形態の切換装置20では同期信号とタイミング生成部22から与えられる画像情報に基づいて各入力部2に入力される画像情報を識別することができる。したがって画像情報を構成する複数の情報がそれぞれ任意の入力部2から入力された場合であっても、入力された各情報がその種類に対応した出力部11から出力されるので、2個以上の入力部2への誤接続を防止することができる。
また本実施の形態では、予め定める表示パターンは、経時的に変化する画像情報である。このような経時的に変化する画像情報であっても、タイミングが制御されているので、タイミング比較部23によって各表示パターンを比較することができる。したがって予め定める画像情報が経時的に変化する表示パターンであっても、本実施の形態を好適に実現することができる。
前述の実施の各形態では、5個の入力部2の全てに画像情報が入力される場合に関して説明したが、入力部2の数は5個に限るものではなく、2個以上の分離個数であればよく、また切換装置20が備える全ての入力部2に画像情報を入力する必要はなく画像情報を構成可能な数、たとえば3つに分離された画像情報であってもよい。
また同様に、前述の実施の各形態では、5個の出力部11の全てから画像情報が出力される場合に関して説明したが、出力部11の数は5個に限るものではなく、画像情報が分離された分離個数と同数であればよく、また切換装置20が備える全ての出力部11から画像情報を出力する必要はなく画像情報を構成可能な数、たとえば3つに分離された画像情報であってもよい。
また前述の実施の各形態では、切換装置20は、表示システムと一体に設けられているが、一体に設けられる構成に限定されることはなく、別体に設けても良く、また画像情報を出力する電子装置に一体に設けられてもよい。換言すると、切換装置20は、画像情報を出力する出力手段と、画像情報が入力される入力手段との間に設けられて、互いを電気的に接続するように構成すればよい。