JP2008256842A - 新規な感光性樹脂組成物、それから得られる硬化膜、絶縁膜及び絶縁膜付きプリント配線板 - Google Patents

新規な感光性樹脂組成物、それから得られる硬化膜、絶縁膜及び絶縁膜付きプリント配線板 Download PDF

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Hiroshi Fujiwara
寛 藤原
Yoshihide Sekito
由英 関藤
Tetsuya Ogiso
哲哉 小木曽
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Abstract

【課題】 本発明の課題は、良好な感光性機能、電気絶縁材料としての基本特性を有する感光性樹脂組成物であって、更には、フレキシブルプリント配線板等の柔らかい基材の片面に塗工した時のプリント配線板の反りが小さい感光性樹脂組成物を提供することにある。
【解決手段】 少なくとも(A)末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマー、(B)ジアミノ化合物、(C)フォスファゼン化合物、(D)感光性樹脂、及び(E)光重合開始剤を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物を用いることで上記問題点を改善することができる。
【選択図】 なし

Description

この発明は、低温で硬化可能であって、電気・電子用途の絶縁材料として好適に用いることのできる、アルカリ水溶液で現像可能な感光性樹脂組成物、それから得られる硬化膜、絶縁膜、及び絶縁膜付きプリント配線板に関するものである。
ポリイミド樹脂は、耐熱性、電気絶縁性や耐薬品性に優れ、機械特性に優れることから電気・電子用途に使用される。例えば、半導体デバイス上への絶縁フィルムや保護コーティング剤、フレキシブル回路基板や集積回路等の表面保護材料や基材樹脂、更には、微細な回路の層間絶縁膜や保護膜を形成させる場合に用いられる。特に、基板配線用のコーティング材料として用いる場合には、ポリイミドフィルム等の成形体に接着剤を塗布して得られるカバーレイフィルムや、エポキシ樹脂等で構成された液状の液状カバーコートインクなどが用いられてきた。
カバーレイフィルムはポリイミドフィルムに接着剤を塗布したものであり、種々の電気特性や耐薬品性などに優れるものであった。しかし、微細な基板配線用に適合させるには、カバーレイフィルムを微細加工した後に、熱圧着させる方法がとられるが、微細パターンに限界があり、より微細加工を行うには感光性機能が求められている。
一方、液状カバーコートインクは、エポキシ樹脂等を主体とした感光性のカバーコートインク(一般には、ソルダーレジストとも称する)が用いらており、感光性を有することから微細加工性には優れる。しかし、このインクは、絶縁材料としては電気絶縁信頼性に優れるが、屈曲等の機械特性が悪くフレキシブル回路基板用に用いるのは難しい。特に、フレキシブルプリント配線板用途に使用されるポリイミドフィルムといった柔軟で屈曲性に富むフィルム基材の片面に塗工するとフィルムがそり上がることがあった。
近年では、この液状カバーコートインクに、ポリイミド樹脂を用いたものも提案されている。例えば、シロキサンジアミンを用いたポリイミド樹脂を含有する感光性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1〜2参照。)。
また、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸溶液からなる感光性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献3〜4参照。)。
さらに、末端ハーフエステル化イミドシロキサンオリゴマーを用いた感光性樹脂組成物もしくはプラズマエッチングレジストが提案されている(例えば、特許文献5〜8参照。)。
特開平9−100350 特開2002−162740 特開平2−50161 特開2005−148611 特開2000−212446 特開2001−89656 特開2001−125273 特開2001−215702
ところが、上記の特許文献1〜3では、ポリイミド型やその前駆体であるポリアミド酸型のカバーコートインクは、硬化温度が高くなり、しかも、硬化膜の弾性率が高く、プリント配線板表面に塗工した際に、プリント配線板がそり上がる問題があった。また、特許文献4では上記問題に加えて、ポリアミド酸の側鎖にアクリル樹脂を反応させており、その官能基を除去するのに高温(300℃以上)の温度が必要であり、一般的なプリント配線板表面の絶縁保護フィルムとして使用することが出来ない問題もあった。
また、特許文献5〜8に記載されている末端ハーフエステル化イミドシロキサンオリゴマーを用いた場合、末端ハーフエステル化イミドシロキサンオリゴマーの硬化物の弾性率が高く、プリント配線板表面に塗布するとそりが大きく問題であった。
上記状況に鑑み、本発明の課題は、良好な感光性機能、電気絶縁材料としての基本特性を有する感光性樹脂組成物であって、更には、フレキシブルプリント配線板等の柔らかい基材の片面に塗工した時のプリント配線板の反りが小さい感光性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、下記感光性樹脂組成物を用いることで上記課題を解決しうることを見出した。
すなわちこの発明は、少なくとも(A)末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマー、(B)ジアミノ化合物、(C)フォスファゼン化合物、(D)感光性樹脂、及び(E)光重合開始剤を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物である。
また、前記感光性樹脂組成物が更に、(F)熱硬化性樹脂を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物である。
また、前記(C)フォスファゼン化合物が下記一般式(1)で示される構造を有することを特徴とする感光性樹脂組成物である。
(式中、R及びRは同一又は異なってよく、下記一般式群(1)より選ばれる有機基である。)
また、前記(A)末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマーが、下記一般式(2)で示されるシロキサンジアミンと、
(式中、R,Rは炭素数1〜12のアルキル基もしくはアリール基であり、R,Rは同一であっても異なっていても良い。mは1〜40の整数、nは1〜20の整数を示す。)
下記一般式(3)で示されるテトラカルボン酸二無水物及び水を、
(式中、Rは4価の有機基を示す。)
モル比でシロキサンジアミンのモル数/テトラカルボン酸二無水物のモル数≦0.80となるように反応して得られることを特徴とする感光性樹脂組成物である。
また、前記(B)ジアミノ化合物が、下記一般式(4)で示されるアミノ基を2つ以上有する化合物であることを特徴とする感光性樹脂組成物である。
(式中、Rは、2価の芳香族基である。)
また、前記(D)感光性樹脂が、分子内に不飽和二重結合を少なくとも1つ有する感光性樹脂組成物である。
また、前記(F)熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂であることを特徴とする感光性樹脂組成物である。
また、前記感光性樹脂組成物における(A)成分と(B)成分は、
(a)(A)成分のテトラカルボン酸二無水物のモル数、
(b)(A)成分のシロキサンジアミンのモル数、
(c)(B)成分のジアミンのモル数
とした場合に、モル比で(a)/((b)+(c))が0.80以上1.20以下になるように配合されていることを特徴とする感光性樹脂組成物である。
また、前記感光性樹脂組成物における(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分および(E)成分は、
(A)成分と(B)成分を合計した固形分100重量部に対して、(C)成分が、10〜100重量部、(D)成分が、10〜200重量部、(E)成分が、0.1〜50重量部となるように配合されていることを特徴とする感光性樹脂組成物である。
また、前記(F)熱硬化性樹脂の配合割合が、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分および(E)成分を合計した固形分100重量部に対して、0.5〜100重量部となるように配合されていることを特徴とする感光性樹脂組成物である。
本願発明の別の発明は、感光性樹脂組成物を有機溶剤に溶解して得られる感光性樹脂組成物溶液である。
本願発明の別の発明は、感光性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化膜である。
本願発明の別の発明は、感光性樹脂組成物から得られる絶縁膜である。
本願発明の別の発明は、感光性樹脂組成物をプリント配線板に被覆した絶縁膜付きプリント配線板である。
本発明の感光性樹脂組成物は、良好な感光性機能、電気絶縁材料としての基本特性を有する感光性樹脂組成物であって、更には、フレキシブルプリント配線板等の柔らかい基材の片面に塗工した時のプリント配線板の反りが小さい感光性樹脂組成物である。
本願発明の構成は、少なくとも(A)末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマー、(B)ジアミノ化合物、(C)フォスファゼン化合物、(D)感光性樹脂、及び(E)光重合開始剤を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物である。
それぞれの構成材料について説明を行う。
<(A)末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマー>
本発明の(A)末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマーとは、末端にテトラカルボン酸を有し、内部にはシロキサン構造を有し、イミド環が閉環している、数平均分子量がポリエチレングリコール換算で2万以下のオリゴマーである。これらの構造であれば特に限定はされないが、好ましくは、下記一般式(2)で示されるシロキサンジアミンと、
(式中、R,Rは炭素数1〜12のアルキル基もしくは芳香族基であり、R,Rは同一であっても異なっていても良い。mは1〜40の整数、nは1〜20の整数を示す。)
下記一般式(3)で示されるテトラカルボン酸二無水物及び水を、
(式中、Rは4価の有機基を示す。)
モル比でシロキサンジアミンのモル数/テトラカルボン酸二無水物のモル数≦0.80となるように反応して得られる、内部はイミド環を有しており、末端がカルボン酸のシロキサンイミドオリゴマーである。より具体的には、本願発明に好適に用いられるシロキサンジアミンとテトラカルボン酸二無水物のモル比は、1未満、より好ましくは、0.20以上0.80以下であり、特に好ましくは0.25以上0.70以下である。尚、上記範囲に添加量を制御して反応させることで、末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマーの分子量を最適な範囲に制御することができるので好ましい。0.80より大きい場合には、オリゴマーの分子量が大きくなり感光性樹脂組成物に用いた場合に、現像することが困難になる場合がある。また、本願発明の末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマーの合成の際には、水を反応させることが必須である。
好適には平均分子量(ポリエチレングリコール換算の重量平均分子量)が2万以下、特に平均分子量が800〜20000程度の末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマ−である。
更に本願発明では、上記イミド化の際に水を反応させて、末端の酸無水物基を開環させることで末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマー(内部はイミド環を有しており、末端がカルボン酸の構造をとる)を得ることが好適に用いられる。但し、上記イミド化反応を行った後に、水を反応させて末端の酸無水物基を開環して末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマーを得る方法を用いても良い。
尚、本願発明におけるテトラカルボン酸二無水物とシロキサンジアミンのモル比が0.50未満の場合、過剰なテトラカルボン酸二無水物の末端無水物基が開環したテトラカルボン酸が並存することになるが、本願発明ではこのようなテトラカルボン酸が並存していても何ら問題無い。
上記(A)末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマーの原料として用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、例えば3,3’,4,4’―ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’―オキシジフタル酸二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3´,4,4´−テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’―ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’―ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4―ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。
特に2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、3,3’,4,4’―ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’―オキシジフタル酸二無水物を用いることで、得られる末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマーの有機溶剤への溶解性を向上させることができるとともに、ポリイミド樹脂の耐薬品性を向上させる上で好ましい。
特に好ましくは、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物を用いることが感光性樹脂等との相溶性の観点から最も好ましい。
また、本願発明に用いられるシロキサンジアミンは、下記一般式(2)で表されるシロキサンジアミン用いることが好ましく、
(式中、R,Rは炭素数1〜12のアルキル基もしくは芳香族基であり、R,Rは同一であっても異なっていても良い。mは1〜40の整数、nは1〜20の整数を示す。)
特に本願発明に用いられるシロキサンジアミンの構造は、R,Rがメチル基、エチル基、フェニル基であって、mは1〜40、nが2以上であるものが好ましく用いられる。
特に好ましくは、R,Rがメチル基であって、mが1〜20、nが3のシロキサンジアミンもしくは、R,Rがメチル基もしくはフェニル基であって、n=3、m=9〜12であるシロキサンジアミンが好適に用いられる。このジアミンを用いることで、イミド化温度を低下させることができると共に、ポリイミド樹脂の電気絶縁信頼性を向上させることができ、更に、良好なアルカリ溶液現像性を付与することができる。
末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマーの製造方法としては、種々の方法が挙げられる。その代表的な方法を下記に例記する。
方法1:テトラカルボン酸二無水物を有機溶剤中に分散もしくは溶解させた溶液中に、一般式(2)で示されるシロキサンジアミンを添加して反応させてポリアミド酸溶液を作製する。テトラカルボン酸二無水物とシロキサンジアミンの反応が終了した後、得られたポリアミド酸溶液を100℃以上300℃以下、より好ましくは、150℃以上250℃以下に加熱して脱水・イミド化を行い続いて、反応溶液を150℃以下に冷却して水を投入する。より好ましくは、20℃以上150℃以下、特に好ましくは、40℃以上100℃以下である。尚、イミド化の際には、トルエン、ヘキサン等の溶剤と共沸させながら反応系内から除去することもできる。水の投入量は、使用するテトラカルボン酸二無水物のモル量よりも多い事が好ましい。
尚、本方法で用いられる溶剤は、沸点が100℃以上である溶剤を用いることが好ましい。尚、各工程の反応時間は用いる原料により変化するため、適宜選定することが好ましい。
方法2:テトラカルボン酸ニ無水物を有機溶剤中に分散もしくは溶解させた溶液中に、一般式(2)で示されるシロキサンジアミンを添加して反応させてポリアミド酸溶液を作製する。このポリアミド酸溶液中にイミド化の触媒(好ましくは3級アミンであるピリジン、ピコリン、イソキノリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等が用いられる)及び脱水剤(無水酢酸等)を添加して60℃以上180℃以下に加熱して、イミド化する。このイミド化を行った溶液に水を投入する、或いは、このイミド化を行った溶液を水に投入することで固体状に析出させる。析出させた粒子を沈殿・ろ過・乾燥することで末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマーを得ることができる。尚、析出しない場合には、溶剤を減圧乾燥装置等で溶剤を除去することで製造することができる。
方法3:テトラカルボン酸ニ無水物を有機溶剤中に分散もしくは溶解させた溶液中に、一般式(2)で示されるシロキサンジアミンを添加して反応させてポリアミド酸溶液を作製する。このポリアミド酸溶液を100℃以上250℃以下に加熱した真空減圧乾燥機中に入れて加熱・乾燥を行いながら真空に引くことでイミド化を行う。この樹脂をを水と反応させることで末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマーを得ることができる。
以上の方法が好ましく用いられるが、上記方法に係らず、内部がイミド環を有しており、末端がカルボン酸である末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマーが得られる方法であればどのような方法を用いても問題がない。
また、反応させる水の添加量は、使用したテトラカルボン酸二無水物のモル量の2.0倍以上300倍以下、より好ましくは、2.0倍以上200倍以下の水を添加して、開環することが好ましい。水の添加量は多く含むことが好ましい。但し、反応の方法によっては上記範囲以外でも問題が無い。適宜最適な量を選定することが好ましい。
尚、上記の末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマーの合成に用いられる溶剤としては、例えばジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトン、メチルモノグライム(1,2-ジメトキシエタン)、メチルジグライム(ビス(2-メトキシエテル)エーテル)、メチルトリグライム(1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタン)、メチルテトラグライム(ビス[2-(2-メトキシエトキシエチル)]エーテル)、エチルモノグライム(1,2-ジエトキシエタン)、エチルジグライム(ビス(2-エトキシエチル)エーテル)、ブチルジグライム(ビス(2-ブトキシエチル)エーテル)等の対称グリコールジエーテル類、γ―ブチロラクトンやN−メチル−2−ピロリドン、メチルアセテート、エチルアセテート、イソプロピルアセテート、n―プロピルアセテート、ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(別名、カルビトールアセテート、酢酸2-(2-ブトキシエトキシ)エチル))、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、1,3―ブチレングリコールジアセテート等のアセテート類や、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、1,3―ジオキソラン、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールものエチルエーテル等のエーテル類の溶剤を用いることもできる。尚、必要に応じて低沸点のヘキサン、アセトン、トルエン、キシレン等も併用するこができる。
中でも特に対称グリコールジエーテル類がオリゴマーの溶解性が高いので好ましい。
<(B)ジアミノ化合物>
この発明における、(B)ジアミノ化合物とは、アミノ基を2つ以上有する化合物である。好ましくは、下記一般式(4)で示されるアミノ基を2つ以上有する化合物である。
(式中、Rは、2価の芳香族基である。)
上記ジアミノ化合物の中で、より具体的には、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルホキシド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、(4−アミノフェノキシフェニル)(3−アミノフェノキシフェニル)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、(4−アミノフェノキシフェニル)(3−アミノフェノキシフェニル)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、(4−アミノフェノキシフェニル)(3−アミノフェノキシフェニル)フェニル]スルフィド、3,3’−ジアミノベンズアニリド、3,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノベンズアニリド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)]エタン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)] プロパン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)] −1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−P−アミノベンゾエート、ポリ(テトラメチレン/3−メチルテトラメチレンエーテル)グリコールビス(4−アミノベンゾエート)、トリメチレン―ビス(4−アミノベンゾエート)、p-フェニレン−ビス(4−アミノベンゾエート)、m−フェニレン−ビス(4−アミノベンゾエート)、ビスフェノールA−ビス(4−アミノベンゾエート)、2,4−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシビフェニル、[ビス(4-アミノ-2-カルボキシ)フェニル]メタン、 [ビス(4-アミノ-3-カルボキシ)フェニル]メタン、[ビス(3-アミノ-4-カルボキシ)フェニル]メタン、 [ビス(3-アミノ-5-カルボキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[3−アミノ−4−カルボキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−アミノ−3−カルボキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−カルボキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−アミノ−3−カルボキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4‘−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4‘−ジカルボキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシジフェニルスルフォン、2,3−ジアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール、2,5−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノフェノール等のジアミノフェノール類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラヒドロキシビフェニル等のヒドロキシビフェニル化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルメタン等のジヒドロキシジフェニルメタン類、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル]プロパン等のビス[ヒドロキシフェニル]プロパン類、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン等のビス[ヒヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルエーテル等のヒドロキシジフェニルエーテル類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン等のジヒドロキシジフェニルスルフォン類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジフェニルスルフィド類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジフェニルスルホキシド類、2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル]プロパン等のビス[(ヒドロキシフェニル)フェニル]アルカン化合物類、4,4’−ビス(4−アミノ−3−ヒドキシフェノキシ)ビフェニル等のビス(ヒドキシフェノキシ)ビフェニル化合物類、2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル]スルフォン等のビス[(ヒドロキシフェノキシ)フェニル]スルフォン化合物、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジハイドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジハイドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス[3−アミノ−4−カルボキシフェニル]プロパン、4,4’−ビス(4−アミノ−3−ヒドキシフェノキシ)ビフェニル等のビス(ヒドキシフェノキシ)ビフェニル化合物類をあげることができる。
特に本願発明の感光性樹脂組成物に好適に用いることのできるジアミンは、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)] プロパン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)] −1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−P−アミノベンゾエート、ポリ(テトラメチレン/3−メチルテトラメチレンエーテル)グリコールビス(4−アミノベンゾエート)、トリメチレン―ビス(4−アミノベンゾエート)、p-フェニレン−ビス(4−アミノベンゾエート)、m−フェニレン−ビス(4−アミノベンゾエート)、ビスフェノールA−ビス(4−アミノベンゾエート)である。上記芳香族ジアミンを用いることで感光性樹脂組成物の耐熱性が向上するので好ましい。
本願発明におけるジアミノ化合物の配合量は、感光性樹脂組成物における(A)成分と(B)成分が、
(a)(A)成分のテトラカルボン酸二無水物のモル数、
(b)(A)成分のシロキサンジアミンのモル数、
(c)(B)成分のジアミンのモル数
とした場合に、モル比で(a)/((b)+(c))が0.80以上1.20以下になるように配合されていることが好ましい。
上記範囲内にすることでジアミン化合物により、末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマーの鎖延長反応が進み易くなり、感光性樹脂組成物中に高分子量のポリイミド樹脂が生成し易くなり、感光性樹脂組成物の硬化後の耐熱性・耐薬品性・耐屈曲性が向上するので好ましい。
<(C)フォスファゼン化合物>
本願発明の(C)フォスファゼン化合物とは、構造骨格内に−P=N−結合を有する化合物のことである。好ましくは、下記一般式(1)で示されるフォスファゼン化合物が用いられる。
(式中、R及びRは同一又は異なってよく、下記一般式群(1)より選ばれる有機基である。)
特に、本願発明では、アルキルエーテルアリーレン基とアリール基を併用している構造を有するフォスファゼン化合物を用いることで感光性樹脂組成物の硬化後の弾性率を低下させることができ、ポリイミドフィルム等のフレキシブルな基材に積層した時に、反りが少なくなるので好ましい。尚、上記フォスファゼン化合物を使用することで上記積層フィルムのそりを低減できるだけではなく、フォスファゼン化合物由来の難燃性も付与することができる。
<(D)感光性樹脂>
本願発明における(D)感光性樹脂とは、光重合開始剤により化学結合が形成される樹脂である。その中でも分子内に不飽和二重結合を少なくとも1つ有する樹脂であることが好ましい。さらには、前記不飽和二重結合は、アクリル基(CH2=CH−基)、メタアクリロイル基(CH=C(CH3)−基)もしくはビニル基(−CH=CH−基)であることが好ましい。
例えばビスフェノールF EO変性(n=2〜50)ジアクリレート、ビスフェノールA EO変性(n=2〜50)ジアクリレート、ビスフェノールS EO変性(n=2〜50)ジアクリレート、ビスフェノールF EO変性(n=2〜50)ジメタクリレート、ビスフェノールA EO変性(n=2〜50)ジメタクリレート、ビスフェノールS EO変性(n=2〜50)ジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、テトラメチロールプロパンテトラメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、β−アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、ラウリルアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールアクリレート、1 − アクリロイルオキシプロピル−2−フタレート、イソステアリルアクリレート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルアクリレート、ノニルフェノキシエチレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、1,6−メキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールメタクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、2,2−水添ビス[4−(アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ポリプロポキシ)フェニル]プロパン、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、エトキシ化トチメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トチメチロールプロパントリアクリレート、イソシアヌル酸トリ(エタンアクリレート)、ペンタスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタスリトールテトラアクリレート、プロポキシ化ペンタスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールポリアクリレート、イソシアヌル酸トリアリル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアリルエーテル、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、トリアリル1,3,5−ベンゼンカルボキシレート、トリアリルアミン、トリアリルシトレート、トリアリルフォスフェート、アロバービタル、ジアリルアミン、ジアリルジメチルシラン、ジアリルジスルフィド、ジアリルエーテル、ザリルシアルレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルテレフタレート、1,3−ジアリロキシ−2−プロパノール、ジアリルスルフィドジアリルマレエート、4,4’−イソプロピリデンジフェノールジメタクリレート、4,4’−イソプロピリデンジフェノールジアクリレート、等が好ましいが、これらに限定されない。特に、ジアクリレートあるいはメタアクリレートの一分子中に含まれるEO(エチレンオキサイド)の繰り返し単位が、2〜50の範囲のものが好ましく、さらに好ましくは2〜40である。EOの繰り返し単位が2〜50の範囲の物を使用することにより、アルカリ水溶液に代表される水系現像液への溶解性が向上し、現像時間が短縮される。更に、感光性樹脂組成物を硬化した硬化膜中に応力が残りにくく、例えばプリント配線板の中でも、ポリイミド樹脂を基材とするフレキシブルプリント配線板上に積層した際に、プリント配線板の反りを抑えることができるなどの特徴を有する。
特に、上記EO変性のジアクリレート或いは、ジメタクリレートと、アクリル基もしくは、メタクリル基を3以上有するアクリル樹脂を併用することが現像性を高める上で特に好ましく、例えばエトキシ化イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸EO変性トリメタクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、プロポキシ化ペンタエリストールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、2,2,2−トリスアクリロイロキシメチルエチルコハク酸、2,2,2−トリスアクリロイロキシメチルエチルフタル酸、プロポキシ化ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、プロポキシ化ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、カプロラクトン変性ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、下記一般式(5)、
(式中、a+b=6、n=12である。)
下記一般式(6)、
(式中、a+b=4、n=4である。)
下記一般式(7)、
下記一般式(8)、
(式中、m=1、a=2、b=4もしくは、m=1、a=3、b=3もしくは、m=1、a=6、b=0もしくは、m=2、a=6、b=0である。)
下記一般式(9)、
(式中、a+b+c=3.6である。)
下記一般式(10)、
下記一般式(11)、
(式中、m・a=3、a+b=3)
等のアクリル樹脂が好適に用いられる。
また、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、アクリル酸ダイマー、ペンタエスリトールトリ及びテトラアクリレート等の分子構造骨格中にヒドロキシル基、カルボニル基を有する物も好適に用いられる。
この他、エポキシ変性のアクリル(メタクリル)樹脂や、ウレタン変性のアクリル(メタクリル)樹脂、ポリエステル変性のアクリル(メタクリル)樹脂等どのような感光性樹脂を用いても良い。
<(E)光重合開始剤>
(E)光重合開始剤としては、例えば、ミヒラ−ズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’,4’’−トリス(ジメチルアミノ)トリフェニルメタン、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ジイミダゾール、アセトフェノン、ベンゾイン、2−メチルベンゾイン、ベンゾインメチルエ−テル、ベンゾインエチルエ−テル、ベンゾインイソプロピルエ−テル、ベンゾインイソブチルエ−テル、2−t−ブチルアントラキノン、1,2−ベンゾ−9,10−アントラキノン、メチルアントラキノン、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジアセチルベンジル、ベンジルジメチルケタ−ル、ベンジルジエチルケタ−ル、2(2’−フリルエチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2[2’(5’’−メチルフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2,6−ジ(p−アジドベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、4,4’−ジアジドカルコン、ジ(テトラアルキルアンモニウム)−4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルフォネ−ト、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−ケトン、ビス(n5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、1,2−オクタノンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、ヨード二ウム,(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]−ヘキサフルオロフォスフェート(1−)、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾエート、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシオム)などが挙げられる。上記光重合開始剤は適宜選択することが望ましく、1種以上を混合させて用いることが好ましい。
本願発明の感光性樹脂組成物における(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分および(E)成分は、
(A)成分と(B)成分を合計した固形分100重量部に対して、(C)成分が、10〜100重量部、(D)成分が、10〜200重量部、(E)成分が、0.1〜50重量部となるように配合されていることが好ましい。
上記配合割合にすることで最終的に得られる硬化物や絶縁膜の諸特性(電気絶縁信頼性等)が向上するので好ましい。
(C)フォスファゼン化合物が、上記範囲よりも少ない場合には、硬化後のフィルムの難燃性が不充分であったり、硬化フィルムの反りが大きくなることがある。そのため、上記範囲内にすることで制御することが好ましい。
(D)感光性樹脂が上記範囲よりも少ない場合には、感光性樹脂を光硬化した後の硬化被膜の耐熱性が低下すると共に、露光・現像したときのコントラストがつきにくくなる場合がある。そのため、上記範囲内にすることで露光・現像時の解像度を最適な範囲にすることが可能となる。
(E)光重合開始剤が上記範囲よりも少ない場合には、光照射時のアクリル樹脂の硬化反応が起こりにくく、硬化が不十分となることが多い。また、多すぎた場合には、光照射量の調整が難しくなり、過露光状態となる場合がある。そのため、光硬化反応を効率良く進めるためには上記範囲内に調整することが好ましい。
<(F)熱硬化性樹脂>
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)〜(E)成分に加えて、さらに(F)熱硬化性樹脂を含有していることも好ましい。(F)熱硬化性樹脂を含有することで、耐熱性が更に向上して、特に半田耐熱性が向上するので好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物に用いられる熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、イソシアネート樹脂、ブロックイシアネート樹脂、ビスマレイミド樹脂、ビスアリルナジイミド樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ヒドロシリル硬化樹脂、アリル硬化樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂;高分子鎖の側鎖または末端にアリル基、ビニル基、アルコキシシリル基、ヒドロシリル基、等の反応性基を有する側鎖反応性基型熱硬化性高分子等を用いることができる。上記熱硬化性成分は、1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いればよい。
この中でも、エポキシ樹脂を用いることが好ましい。エポキシ樹脂成分を含有することにより、熱硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化樹脂に対して耐熱性を付与できると共に、金属箔等の導体や回路基板に対する接着性を付与することができる。
上記エポキシ樹脂としては、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を含むもので、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、水添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エチレンオキシド付加体ビスフェノールA型エポキシ樹脂、プロピレンオキシド付加体ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ポリグリコール型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、シクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、エポキシ変性ポリシロキサン等のエポキシ樹脂類を挙げることができる。これらエポキシ樹脂は、1種のみを用いてもよく、2 種以上を任意の割合で組み合わせて用いてもよい。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、大日本インキ化学(株)製ナフタレン型4官能エポキシ樹脂の商品名エピクロンHP―4700、シクロペンタジエン型エポキシ樹脂の商品名エピクロンHP―7200、フェノールノボラック型エポキシ樹脂の商品名エピクロンN―740、高耐熱性のエポキシ樹脂であるエピクロンEXA―7240、クレゾールノボラック型の多官能エポキシ樹脂であるエピクロンN―660、N―665、N―670、N―680、N―655―EXP、フェノールノボラック型エポキシ樹脂の商品名エピクロンN―740、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂の商品名エピクロンETePE、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂の商品名エピクロンETrPM、ジャパンエポキシレジン(株)製の商品名エピコート828等のビスフェノールA 型エポキシ樹脂、東都化成(株)製の商品名YDF−170等のビスフェノールF型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製の商品名エピコート152、154、日本化薬(株)製の商品名EPPN−201、ダウケミカル社製の商品名DEN−438等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、日本化薬(株)製の商品名EOCN−125S,103S、104S等のo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製の商品名Epon1031S、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製の商品名アラルダイト0163、ナガセ化成(株)製の商品名デナコールEX−611、EX−614、EX−614B、EX−622、EX−512、EX−521、EX−421、EX−411、EX−321等の多官能エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製の商品名エピコート604、東都化成(株)製の商品名YH434、三菱ガス化学(株)製の商品名TETRAD−X、TERRAD−C 、日本化薬(株)製の商品名GAN、住友化学(株)製の商品名ELM−120等のアミン型エポキシ樹脂、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製の商品名アラルダイトPT810等の複素環含有エポキシ樹脂、UCC社製のERL4234,4299、4221、4206等の脂環式エポキシ樹脂などが挙げられ、これらを単独で又は2種類以上組合せて使用することができる。
これらのエポキシ樹脂のうち、1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂が感光性樹脂組成物の耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性、耐湿性の向上の点で特に好ましい。
本発明における熱硬化性樹脂の使用量は、(A)末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマー、(B)ジアミノ化合物、(C)フォスファゼン化合物、(D)感光性樹脂、及び(E)光重合開始剤を合計した固形分100重量部に対して、0.5〜100重量部となるように配合することが好ましい。特に好ましくは、1.0〜50重量部である。上記範囲に配合することで感光性樹脂組成物の硬化膜の耐熱性、耐薬品性、電気絶縁信頼性を向上することができるので好ましい。
本発明の樹脂組成物に用いられるエポキシ樹脂は、1分子中にエポキシ基を1個だけ有するエポキシ化合物、例えばn−ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ジブロモフェニルグシジルエーテル、ジブロモクレジルグリシジルエーテル等がある。また、3,4−エポキシシクロヘキシル、メチル(3,4−エポキシシクロヘキサン)カルボキシレート等の脂環式エポキシ化合物を併用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物には、上記感光性樹脂の硬化剤として、例えば、フェノールノボラック型フェノール樹脂、クレゾールノボラック型フェノール樹脂、ナフタレン型フェノール樹脂等のフェノール樹脂、アミノ樹脂類、ユリア樹脂類、メラミン樹脂類、ジシアンジアミド、ジヒドラジン化合物類、イミダゾール化合物類、ルイス酸、及びブレンステッド酸塩類、ポリメルカプタン化合物類、イソシアネートおよびブロックイソシアネート化合物類、等を併用することができる。
また、硬化促進剤としては、特に限定されないが、例えば、トリフェニルホスフィン等のホスフィン系化合物;3級アミン系、トリメタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラエタノールアミン等のアミン系化合物;1,8−ジアザ−ビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムテトラフェニルボレート等のボレート系化合物等、イミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;2−メチルイミダゾリン、2−エチルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチルイミダゾリン等のイミダゾリン類;2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン等のアジン系イミダゾール類等が挙げられる。ウレタン樹脂にアミノ基が含まれる場合、回路埋め込み性が向上させることができるる点で、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン等のイミダゾール類を用いることが好ましい。
<(A)〜(E)又は(A)〜(F)の混合方法>
この発明の感光性樹脂組成物は、前記各成分(A)〜(E)又は(A)〜(F)を均一に混合して得られる。均一に混合する方法としては、例えば3本ロール、ビーズミル装置等の一般的な混練装置を用いて混合すればよい。また、溶液の粘度が低い場合には、一般的な攪拌装置を用いて混合してもよい。
<その他の成分>
この発明の感光性樹脂組成物には、さらに必要に応じて充填剤、接着助剤、レベリング剤、重合禁止剤、酸化防止剤、シランカップリング剤、消泡剤等の各種添加剤を加えることができる。充填剤としては、シリカ、マイカ、タルク、硫酸バリウム、ワラストナイト、炭酸カルシウムなどの微細な無機充填剤、微細な有機ポリマ−充填剤を含有させてもよい。含有量は適宜選定することが好ましい。
<感光性樹脂組成物溶液>
本願発明の感光性樹脂組成物は、種々の有機溶剤に溶解性が高く、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトン、メチルモノグライム(1,2-ジメトキシエタン)、メチルジグライム(ビス(2-メトキシエテル)エーテル)、メチルトリグライム(1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタン)、メチルテトラグライム(ビス[2-(2-メトキシエトキシエチル)]エーテル)、エチルモノグライム(1,2-ジエトキシエタン)、エチルジグライム(ビス(2-エトキシエチル)エーテル)、ブチルジグライム(ビス(2-ブトキシエチル)エーテル)等の対称グリコールジエーテル類、γ―ブチロラクトンやN−メチル−2−ピロリドン、メチルアセテート、エチルアセテート、イソプロピルアセテート、n―プロピルアセテート、ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(別名、カルビトールアセテート、酢酸2-(2-ブトキシエトキシ)エチル))、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、1,3―ブチレングリコールジアセテート等のアセテート類や、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、1,3―ジオキソラン、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールものエチルエーテル等のエーテル類の溶剤を用いることもできる。尚、必要に応じて低沸点のヘキサン、アセトン、トルエン、キシレン等も併用するこができる。
中でも特に対称グリコールジエーテル類が感光性樹脂組成物の溶解性が高いので好ましい。
本願発明の感光性樹脂組成物溶液は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分、(F)成分の全固形分100重量部に対して、有機溶剤が、10重量部以上100重量部以下で配合されていることが好ましい。
この範囲内の感光性樹脂組成物溶液にすることで塗布・乾燥後の膜減り率が小さくなるので好ましい。
<感光性樹脂組成物の使用方法>
この発明の感光性樹脂組成物を直接に、もしくは、上記感光性樹脂組成物溶液を調整した後に、以下のようにしてパタ−ンを形成することができる。先ず上記の感光性樹脂組成物を基板に塗布し、乾燥して有機溶媒を除去する。基板への塗布はスクリ−ン印刷、カ−テンロ−ル、リバ−スロ−ル、スプレーコーティング、スピンナーを利用した回転塗布等により行うことができる。塗布膜(好ましくは厚み:5〜100μm、特に10〜100μm)の乾燥は120℃以下、好ましくは40〜100℃で行う。乾燥後、乾燥塗布膜にネガ型のフォトマスクを置き、紫外線、可視光線、電子線などの活性光線を照射する。次いで、未露光部分をシャワー、パドル、浸漬または超音波等の各種方式を用い、現像液で洗い出すことによりレリ−フパタ−ンを得ることができる。なお、現像装置の噴霧圧力や流速、エッチング液の温度によりパターンが露出するまでの時間が異なる為、適宜最適な装置条件を見出すことが好ましい。
上記現像液としては、アルカリ水溶液を使用することが好ましく、この現像液には、メタノ−ル、エタノ−ル、n−プロパノ−ル、イソプロパノ−ル、N−メチル−2−ピロリドン等の水溶性有機溶媒が含有されていてもよい。上記のアルカリ性水溶液を与えるアルカリ性化合物としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウムイオンの、水酸化物または炭酸塩や炭酸水素塩、アミン化合物などが挙げられ、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、N−メチルジエタノ−ルアミン、N−エチルジエタノ−ルアミン、N,N−ジメチルエタノ−ルアミン、トリエタノ−ルアミン、トリイソプロパノ−ルアミン、トリイソプロピルアミンなどを挙げることができ、水溶液が塩基性を呈するものであればこれ以外の化合物も当然使用することができる。本願発明の感光性樹脂組成物の現像工程に好適に用いることのできる、アルカリ性化合物の濃度は、0.01〜20重量%、特に好ましくは、0.02〜10重量%とすることが好ましい。また、現像液の温度は感光性樹脂組成物の組成や、アルカリ現像液の組成に依存しており、一般的には0℃以上80℃以下、より一般的には、10℃以上60℃以下で使用することが好ましい。
上記現像工程によって形成したレリ−フパタ−ンは、リンスして不用な残分を除去する。リンス液としては、水、酸性水溶液などが挙げられる。
次に、加熱硬化処理を行うことにより末端カルボン酸シロキサンイミドオリゴマーをジアミノ化合物で鎖延長ことにより、耐熱性に富む硬化膜を得ることができる。硬化膜は配線厚み等を考慮して決定されるが、厚みが2〜50μm程度であることが好ましい。このときの最終硬化温度は配線等の酸化を防ぎ、配線と基材との密着性を低下させないことを目的として低温で加熱してイミド化できることが望まれている。
このときにかける加熱硬化温度は100℃以上250℃以下であることが好ましく、更に好ましくは120℃以上200℃以下であることが望ましく、特に好ましくは130℃以上190℃以下である。最終加熱温度が高くなると配線の酸化劣化が進むので望ましくない。
この発明の感光性樹脂組成物から形成した硬化膜からなるパタ−ンは、耐熱性、電気的及び機械的性質に優れており、特に柔軟性に優れている。例えば、この発明の絶縁膜は、好適には厚さ2〜50μm程度の膜厚で光硬化後少なくとも10μmまでの解像力、特に10〜1000μm程度の解像力のものである。このためこの発明の絶縁膜は高密度フレキシブル基板の絶縁材料として特に適しているのである。また更には、光硬化型の各種配線被覆保護剤、感光性の耐熱性接着剤、電線・ケーブル絶縁被膜、等に用いられる。
以下本発明を実施例により具体的に説明するが本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(合成例1)
2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物(以下BPADAと略す)200g(0.384mol)を1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタン140gに分散し、80℃に保った。これにシロキサンジアミン(信越化学社製:商品名KF8010、分子量830、一般式(2)中のR、Rがメチル基、n=3、m=6〜11(平均9)である。)を128g(0.154mol)投入し、30分間均一攪拌を行った。次いで、140℃に加熱して1時間均一攪拌を行い、次いで180℃に昇温させて3時間加熱還流を行いイミド化反応を行った。次いで、80℃まで冷却し水を27.7g(1.54mol)投入し、5時間加熱還流を行った。このようにして、末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマー(数平均分子量は、ポリエチレングリコール換算で末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマーが2340、残留するBPADAの残分が530であった。)を含む、末端テトラカルボン酸樹脂を得た。この溶液の固形分濃度は66重量%、溶液の粘度は23℃で140ポイズであった。この末端テトラカルボン酸樹脂溶液は、1ヶ月間室温で放置しておいても、粘度の変化は殆ど無く安定的な溶液であった。この合成樹脂を樹脂Aと略す。
(合成例2)
BPADA200g(0.384mol)を1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタン159gに分散し、80℃に保った。これにシロキサンジアミン(信越化学社製:商品名X−22−9409S、分子量1492、一般式(2)中のR,Rがメチル基もしくはフェニル基、n=3、m=9〜12である。)を172g(0.115mol)投入し、30分間均一攪拌を行った。次いで、140℃に加熱して1時間均一攪拌を行い、次いで、180℃に昇温させて3時間加熱還流を行いイミド化反応を行った。次いで、80℃まで冷却し水を27.7g(1.54mol)投入し、5時間加熱還流を行った。このようにして、末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマー(数平均分子量は、ポリエチレングリコール換算で末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマーが3190、残留するBPADAの残分が530であった。)を含む、末端テトラカルボン酸樹脂を得た。この溶液の固形分濃度は67重量%、溶液の粘度は23℃で120ポイズであった。この末端テトラカルボン酸シロキサン樹脂溶液は、1ヶ月間室温で放置しておいても、粘度の変化は殆ど無く安定的な溶液であった。この合成樹脂を樹脂Bと略す。
(合成例3)
合成例1で反応後に投入する水をメタノールに変更し、ハーフエステル化した。この合成樹脂を樹脂Cと略す。
(実施例1〜2)
合成例1で得られた末端テトラカルボン酸樹脂にジアミノ化合物、フォスファゼン化合物、感光性樹脂、光重合開始剤、有機溶剤を添加して感光性樹脂組成物を作製した。それぞれの構成原料の樹脂固形分での配合量及び原料の種類を表1に記載する。なお、表中の溶媒である1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタンは上記合成樹脂溶液等に含まれる溶剤等も含めた全溶剤量である。
感光性樹脂組成物ははじめに一般的な攪拌翼のついた攪拌装置で混合し、その溶液を3本ロールミルで2回パスし均一な溶液とした。グラインドメーターにて粒子径を測定したところ、いずれも10μm以下であった。混合溶液を脱泡装置で溶液中の泡を完全に脱泡して下記評価を実施した。評価結果を表3に示す。
(ポリイミドフィルム上への塗膜の作製)
上記感光性樹脂組成物を、ベーカー式アプリケーターを用いて、75μmのポリイミドフィルム(株式会社カネカ製:商品名75NPI)に最終乾燥厚みが25μmになるように100mm×100mmの面積に流延・塗布し、80℃で20分乾燥した後、50mm×50mmの面積のライン幅/スペース幅=100μm/100μmのネガ型フォトマスクを置いて窒素雰囲気下で紫外線を300mJ/cm2露光して感光させた。この感光フィルムに対し、1.0重量%の炭酸ナトリウム水溶液を30℃に加熱した溶液を用いて、1.0kgf/mm2の吐出圧でスプレー現像を行った。現像後、純粋で十分洗浄した後、170℃のオーブン中で60分加熱乾燥させて感光性樹脂組成物の硬化膜を作製した。
(感光性評価)
感光性樹脂組成物の感光性の評価は、上記(ポリイミドフィルム上への塗膜の作製)の項目で得られた硬化膜の表面観察を行い判定した。
ポリイミドフィルム表面に
〇:くっきりとしたライン幅/スペース幅=100/100μmの感光パターンが描けており、ライン部の剥離に伴うラインの揺れが発生しておらず、スペース部にも溶解残りが無いもの。
△:くっきりとしたライン幅/スペース幅=100/100μmの感光パターンが描けており、ライン部に剥離に伴うラインの揺れが発生しているが、スペース部には溶解残りが無いもの。
×:くっきりとしたライン幅/スペース幅=100/100μmの感光パターンが描けておらず、ライン部が剥離しており、しかも、スペース部には溶解残りが発生しているもの。
(塗膜の密着性)
上記(ポリイミドフィルム上への塗膜の作製)の項目で得られた感光性樹脂組成物の硬化膜の接着強度をJIS K5400に従って碁盤目テープ法で評価した。
碁盤目テープ法で剥がれの無いものを○、
升目の95%以上が残存している場合を△、
升目の残存量が80%未満のものを×とした。
(耐溶剤性)
上記(ポリイミドフィルム上への塗膜の作製)の項目で得られた感光性樹脂組成物の硬化膜の耐溶剤性の評価を行った。評価方法は25℃のイソプロパノール中に15分間浸漬した後風乾し、フィルム表面の状態を観察した。
○:塗膜に異常がない。
×:塗膜に異常が発生する。
(耐酸性)
上記(ポリイミドフィルム上への塗膜の作製)の項目で得られた感光性樹脂組成物の硬化膜の耐酸性の評価を行った。評価方法は25℃の2N塩酸溶液中に15分間浸漬した後風乾し、フィルム表面の状態を観察した。
○:塗膜に異常(白化もしくは剥離)がないもの。
×:塗膜に異常(白化もしくは剥離)が発生する。
(耐アルカリ性)
上記(ポリイミドフィルム上への塗膜の作製)の項目で得られた感光性樹脂組成物の硬化膜の耐アルカリ性の評価を行った。評価方法は25℃の2N水酸化ナトリウム溶液中に15分間浸漬した後風乾し、フィルム表面の状態を観察した。
○:塗膜に異常(白化もしくは剥離)がない。
×:塗膜に異常(白化もしくは剥離)が発生する。
(屈曲性)
上記(ポリイミドフィルム上への塗膜の作製)の項目と同様の方法で、25μm厚みのポリイミドフィルム(株式会社カネカ製アピカル25NPI)表面に感光性樹脂組成物の硬化膜積層フィルムを作製した。硬化膜積層フィルムを30mm×10mmの短冊に切り出して、15mmのところで180°に10回折り曲げて塗膜を目視で確認してクラックの確認を行った。
○:硬化膜にクラックが無いもの
△:硬化膜に若干クラックがあるもの
×:硬化膜にクラックがあるもの
(耐湿絶縁性)
フレキシブル銅貼り積層版(銅箔の厚み12μm、ポリイミドフィルムは株式会社カネカ製アピカル25NPI、ポリイミド系接着剤で銅箔を接着している)上にライン幅/スペース幅=100μm/100μmの櫛形パターンを作製し、10容量%の硫酸水溶液中に1分間浸漬した後、純水で洗浄し銅箔の表面処理を行った。その後、ポリイミドフィルム上への硬化膜の作製方法と同様の方法で櫛形パターン上に感光性樹脂組成物の硬化膜を作製し試験片の調整を行った。85℃、85%RHの環境試験機中で試験片の両端子部分に100Vの直流電流を印加し、絶縁抵抗値の変化やマイグレーションの発生などを観察した。
○:試験開始後、500時間以上で10の6乗以上の抵抗値を示し、マイグレーション、デンドライトなどの発生が無いもの
×:試験開始後、500時間以上でマイグレーション、デンドライトなどの発生があるもの
(反り量)
上記感光性樹脂組成物を、ベーカー式アプリケーターを用いて、25μm厚みのポリイミドフィルム(株式会社カネカ製アピカル25NPI)に最終乾燥厚みが25μmになるように100mm×100mmの面積に流延・塗布し、80℃で20分乾燥した。この全面を窒素雰囲気下で紫外線を300mJ/cm2露光して感光させた。この感光フィルムに対し、1.0重量%の炭酸ナトリウム水溶液を30℃に加熱した溶液を用いて、1.0kgf/mm2の吐出圧でスプレー現像を行った。但し、全面が露光されているため、膜面積の変化は見られなかった。現像後、純粋で十分洗浄した後、170℃のオーブン中で60分加熱乾燥させて感光性樹脂組成物の硬化膜を作製した。
この硬化膜を50mm×50mmの面積のフィルムに切り出して平滑な台の上に塗布膜が上面になるように置き、フィルム端部の反り高さを測定した。測定部位の模式図を図1に示す。ポリイミドフィルム表面での反り量が少ない程、プリント配線板表面での応力が小さくなり、プリント配線板の反り量も低下することになる。反り量は10mm以下であることが好ましい。
(難燃性)
上記感光性樹脂組成物を、ベーカー式アプリケーターを用いて、25μm厚みのポリイミドフィルム(株式会社カネカ製アピカル25NPI)に最終乾燥厚みが25μmになるように300mm×300mmの面積に流延・塗布し、80℃で20分乾燥した。この全面を窒素雰囲気下で紫外線を300mJ/cm2露光して感光させた。この感光フィルムに対し、1.0重量%の炭酸ナトリウム水溶液を30℃に加熱した溶液を用いて、1.0kgf/mmの吐出圧でスプレー現像を行った。但し、全面が露光されているため、膜面積の変化は見られなかった。現像後、純粋で十分洗浄した後、170℃のオーブン中で60分加熱乾燥させて感光性樹脂組成物の硬化膜を作製した。
更に、裏面にも上記感光性樹脂組成物を、ベーカー式アプリケーターを用いて、最終乾燥厚みが25μmになるように300mm×300mmの面積に流延・塗布し、80℃で20分乾燥した。この全面を窒素雰囲気下で紫外線を300mJ/cm2露光して感光させた。この感光フィルムに対し、1.0重量%の炭酸ナトリウム水溶液を30℃に加熱した溶液を用いて、1.0kgf/mmの吐出圧でスプレー現像を行った。但し、全面が露光されているため、膜面積の変化は見られなかった。現像後、純粋で十分洗浄した後、170℃のオーブン中で60分加熱乾燥させて両面感光性樹脂組成物の硬化膜を作製した。
上記フィルムを50mm幅×200mm長さに切り出して直径が12.7mmの直径で長さが200mmの筒状になるように加工する。筒の固定はポリイミドテープで行い、筒の一端はポリイミドテープで封止する。このようなサンプルを5本作製する。
燃焼試験は、メタンガスの流量が105ml/分に調整されたULバーナーの炎が19mmになるように調整し、封止していない方の端部をULバーナーの筒の上部から試料端部までの距離が9.5mmになるように炎を3秒間あてて、その後152mm試料から離す。炎を離した後に試料が10秒間以上炎を出して燃焼しないかどうかを判断する。
10秒以上燃焼しない場合、再度端部に3秒間炎を9.5mmの間隔であてて、その後152mm試料から離す。離した後の炎の消火までの時間を測定する。
○: 炎が2回とも10秒以下で消火する場合。
×: 炎が1回目に10秒以上燃焼する場合、もしくは、2回目に10秒以上燃焼する場合。
(実施例3〜4)
合成例1で得られた末端テトラカルボン酸樹脂にジアミノ化合物、フォスファゼン化合物、感光性樹脂、光重合開始剤、有機溶剤および熱硬化性樹脂を添加して感光性樹脂組成物を作製した。それぞれの構成原料の樹脂固形分での配合量及び原料の種類を表1に記載する。なお、表中の溶媒である1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタンは上記合成樹脂溶液等に含まれる溶剤等も含めた全溶剤量である。
感光性樹脂組成物ははじめに一般的な攪拌翼のついた攪拌装置で混合し、その溶液を3本ロールミルで2回パスし均一な溶液とした。グラインドメーターにて粒子径を測定したところ、いずれも10μm以下であった。混合溶液を脱泡装置で溶液中の泡を完全に脱泡して実施例1および2の評価方法と同様の方法で評価し、更に、下記半田耐熱性の試験を実施した。評価結果を表3に示す。
(半田耐熱性)
感光性樹脂組成物を、ベーカー式アプリケーターを用いて、75μmのポリイミドフィルム(株式会社カネカ製:商品名75NPI)に最終乾燥厚みが25μmになるように100mm×100mmの面積に流延・塗布し、80℃で20分乾燥した後、50mm×50mmの面積のライン幅/スペース幅=100μm/100μmのネガ型フォトマスクを置いて窒素雰囲気下で紫外線を300mJ/cm2露光して感光させた。この感光フィルムに対し、1.0重量%の炭酸ナトリウム水溶液を30℃に加熱した溶液を用いて、1.0kgf/mm2の吐出圧でスプレー現像を行った。現像後、純粋で十分洗浄した後、170℃のオーブン中で60分加熱乾燥させて感光性樹脂組成物の硬化膜を作製した。
上記塗工膜を260℃で完全に溶解してある半田浴に感光性樹脂組成物の硬化膜が塗工してある面が接する様に浮かべて10秒後に引き上げた。その操作を3回行い、硬化膜の接着強度をJIS K5400に従って碁盤目テープ法で評価した。
碁盤目テープ法で剥がれの無いものを○、
升目の95%以上が残存している場合を△、
升目の残存量が80%未満のものを×とした。
(実施例5〜6)
合成例2で得られた末端テトラカルボン酸樹脂にジアミノ化合物、フォスファゼン化合物、感光性樹脂、光重合開始剤、有機溶剤を添加して感光性樹脂組成物を作製した。それぞれの構成原料の樹脂固形分での配合量及び原料の種類を表2に記載する。なお、表中の溶媒である1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタンは上記合成樹脂溶液等に含まれる溶剤等も含めた全溶剤量である。
感光性樹脂組成物ははじめに一般的な攪拌翼のついた攪拌装置で混合し、その溶液を3本ロールミルで2回パスし均一な溶液とした。グラインドメーターにて粒子径を測定したところ、いずれも10μm以下であった。混合溶液を脱泡装置で溶液中の泡を完全に脱泡して実施例1〜2と同様の評価を実施した。評価結果を表4に示す。
(実施例7〜8)
合成例2で得られた末端テトラカルボン酸樹脂にジアミノ化合物、フォスファゼン化合物、感光性樹脂、光重合開始剤、有機溶剤および熱硬化性樹脂を添加して感光性樹脂組成物を作製した。それぞれの構成原料の樹脂固形分での配合量及び原料の種類を表2に記載する。なお、表中の溶媒である1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタンは上記合成樹脂溶液等に含まれる溶剤等も含めた全溶剤量である。
感光性樹脂組成物ははじめに一般的な攪拌翼のついた攪拌装置で混合し、その溶液を3本ロールミルで2回パスし均一な溶液とした。グラインドメーターにて粒子径を測定したところ、いずれも10μm以下であった。混合溶液を脱泡装置で溶液中の泡を完全に脱泡して実施例3〜4と同様の評価を実施した。評価結果を表4に示す。
(比較例1)
合成例3で得られた末端ハーフエステル化樹脂にジアミノ化合物、感光性樹脂、光重合開始剤、有機溶剤を添加して感光性樹脂組成物を作製した。それぞれの構成原料の樹脂固形分での配合量及び原料の種類を表2に記載する。なお、表中の溶媒である1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタンは上記合成樹脂溶液等に含まれる溶剤等も含めた全溶剤量である。
感光性樹脂組成物ははじめに一般的な攪拌翼のついた攪拌装置で混合し、その溶液を3本ロールミルで2回パスし均一な溶液とした。グラインドメーターにて粒子径を測定したところ、いずれも10μm以下であった。混合溶液を脱泡装置で溶液中の泡を完全に脱泡して実施例1〜2と同様の評価を実施した。評価結果を表5に示す。フィルムの反りが大きく、しかも、難燃性の無い感光性樹脂組成物となった。更には、イミド化が充分には進んでおらず、耐湿絶縁性の非常に悪いものになった。
フィルムの反り量を測定している模式図
符号の説明
1 感光性樹脂組成物を積層したポリイミドフィルム
2 反り量
3 平滑な台

Claims (14)

  1. 少なくとも(A)末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマー、(B)ジアミノ化合物、(C)フォスファゼン化合物、(D)感光性樹脂、及び(E)光重合開始剤を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 前記感光性樹脂組成物が更に、(F)熱硬化性樹脂を含有することを特徴とする請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記(C)フォスファゼン化合物が下記一般式(1)で示される構造を有することを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
    (式中、R及びRは同一又は異なってよく、下記一般式群(1)より選ばれる有機基である。)
  4. 前記(A)末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマーが、下記一般式(2)で示されるシロキサンジアミンと、
    (式中、R,Rは炭素数1〜12のアルキル基もしくはアリール基であり、R,Rは同一であっても異なっていても良い。mは1〜40の整数、nは1〜20の整数を示す。)
    下記一般式(3)で示されるテトラカルボン酸二無水物及び水を、
    (式中、Rは4価の有機基を示す。)
    モル比でシロキサンジアミンのモル数/テトラカルボン酸二無水物のモル数≦0.80となるように反応して得られることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記(B)ジアミノ化合物が、下記一般式(4)で示されるアミノ基を2つ以上有する化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
    (式中、Rは、2価の芳香族基である。)
  6. 前記(D)感光性樹脂が、分子内に不飽和二重結合を少なくとも1つ有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 前記(F)熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 前記感光性樹脂組成物における(A)成分と(B)成分は、
    (a)(A)成分のテトラカルボン酸二無水物のモル数、
    (b)(A)成分のシロキサンジアミンのモル数、
    (c)(B)成分のジアミンのモル数
    とした場合に、モル比で(a)/((b)+(c))が0.80以上1.20以下になるように配合されていることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  9. 前記感光性樹脂組成物における(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分および(E)成分は、
    (A)成分と(B)成分を合計した固形分100重量部に対して、(C)成分が、10〜100重量部、(D)成分が、10〜200重量部、(E)成分が、0.1〜50重量部となるように配合されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  10. 前記(F)熱硬化性樹脂の配合割合が、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分および(E)成分を合計した固形分100重量部に対して、0.5〜100重量部となるように配合されていることを特徴とする請求項9に記載の感光性樹脂組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を有機溶剤に溶解して得られる感光性樹脂組成物溶液。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化膜。
  13. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物から得られる絶縁膜。
  14. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物をプリント配線板に被覆した絶縁膜付きプリント配線板。
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