JP2008255967A - 蒸気タービン装置 - Google Patents

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JP2008255967A JP2007101952A JP2007101952A JP2008255967A JP 2008255967 A JP2008255967 A JP 2008255967A JP 2007101952 A JP2007101952 A JP 2007101952A JP 2007101952 A JP2007101952 A JP 2007101952A JP 2008255967 A JP2008255967 A JP 2008255967A
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誠 池田
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Abstract

【目的】柔軟性の壁面を持つ水蒸気通流用の筒状接続体と、筒状接続体に発生する差圧力の相殺用の補償力発生体とを一体的に構成できる蒸気タービン装置の提供。
【構成】蒸気タービン装置1の筒状接続体2はベローズ製の柔軟性筒状部81,上流側筒状部82,下流側筒状部83でなる柔軟性筒状接続部8Aと、下流側筒状部83の外周部に固着した補償力用支持体34,この支持体34の排気99の通流に関する下流側面に一方を固着した大径と小径のベローズを用いた筒状体32・33でなる補償力用筒状体31,この筒状体31の他方を塞ぎ密閉空間39を形成する端板35,上流側筒状部82の外周部に固着した連結体用支持体36,端板35と連結体用支持体36とを連結する所要の強度と剛性を持つ複数の連結体37,排気99の通流路と密閉空間39の内部空間を連通する1個の連通管38を有する補償力発生部3を備える。
【選択図】 図2

Description

この発明は、蒸気タービンから排出された排気である水蒸気を復水装置に導く接続部にベローズ等の柔軟性のある筒状壁面を持つ筒状接続体を備える蒸気タービン装置、あるいは、高圧蒸気タービン,中圧蒸気タービンおよび低圧蒸気タービンと、ベローズ等の柔軟性のある筒状壁面を持つ筒状接続体を有して,前記中圧蒸気タービンから排出される中圧排気である水蒸気を前記低圧蒸気タービンに導くクロスオーバー管とを備える蒸気タービン装置に係わり、前記排気あるいは中圧排気の圧力が大気圧値と異なることによって前記筒状接続体などに発生する差圧力を相殺するための補償力を発生する補償力発生部に関する。
蒸気タービンではその出力容量などに応じて各種の構成形式のものが採用されているが、比較的に小容量の蒸気タービンでは、高圧タービン,中圧タービンおよび低圧タービンが単一のタービンロータからなると共に一体のケーシングに納められている。こうした、単一タービンロータおよび一体ケーシングが採用された蒸気タービンを備える蒸気タービン装置では、蒸気タービンのケーシングから排出された排気である水蒸気を復水装置に導く筒状接続体には、蒸気タービン装置の運転時における復水装置との熱膨張差を吸収するために、ベローズ等の柔軟性のある筒状壁面を持つ柔軟性筒状部を有することが一般的である。単一タービンロータ・一体ケーシングを有する蒸気タービンと、海水などを冷却水に用いて表面復水器と称されている復水器が収容された復水装置と、蒸気タービンから排出された水蒸気をこの復水装置に導くための,柔軟性の筒状壁面を持つ熱膨張差吸収用の柔軟性筒状部を有する筒状接続体と、この筒状接続体のフランジ部などの剛性を持つ部位に,排出された水蒸気が持つ圧力値(真空圧を持つとしてよい。)と大気圧との差圧に基因して働く差圧力(この事例の場合には、真空力あるいは真空荷重と呼ばれることがある。)を相殺するための補償力発生体をこの筒状接続体の配設位置に関して反対側となる復水装置の外被の部位に備えた蒸気タービン装置が知られている。なお、このように全体として差圧力が相殺されるようにしたベローズの構造体は、バランス型ベローズとも呼ばれている。(例えば、特許文献1参照。)。
また、蒸気源に地熱蒸気を用いる蒸気タービン装置などに関する事例としては、単一タービンロータ・一体ケーシングを有する蒸気タービンと、冷却水を排気である水蒸気に直接噴射する直接接触式と称されている復水器を収容した復水装置と、蒸気タービンから排出された水蒸気をこの復水装置に導くための,柔軟性の筒状壁面を持つ熱膨張差吸収用の柔軟性筒状部を有する筒状接続体とを備えた蒸気タービン装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
また、大容量の蒸気タービンでは、その出力容量や使用する蒸気の圧力・温度などに応じて、例えば、単一のタービンロータを用いると共に一体のケーシングに納められた高圧タービンと中圧タービンとでなる高中圧一体蒸気タービンと、これとは別個に構成された低圧蒸気タービンとを組み合わせる方式のもの、あるいは、それぞれ別個に構成された高圧蒸気タービン,中圧蒸気タービンおよび低圧蒸気タービンを組み合わせる方式のものがあり、個々の蒸気タービンの配列の方式についても複数の方式がある。こうした中で、低圧蒸気タービンは中圧蒸気タービンから排出される中圧排気である水蒸気の供給を受けて運転されるのが一般的である。また、中圧蒸気タービンから排出される中圧排気を低圧蒸気タービンに導くクロスオーバー管には、蒸気タービン装置の運転時における各部の熱膨張差を吸収するために、ベローズ等の柔軟性の筒状壁面を持つ柔軟性筒状部を有する筒状接続体を備えることも一般的である。そうして、単一のタービンロータ・一体ケーシングを有する1台の高中圧一体蒸気タービンと、これとは別個に構成された1台の低圧蒸気タービンとを一列に組み合わせると共に、高中圧一体蒸気タービンから排出された中圧排気を低圧蒸気タービンに導くためのクロスオーバー管として、柔軟性の筒状壁面を持つ熱膨張差吸収用の柔軟性筒状部を有する筒状接続体を備えたクロスオーバー管を使用した蒸気タービン装置が知られている(例えば、特許文献3参照。)。また、単一のタービンロータ・一体ケーシングを有する1台の高中圧一体蒸気タービンと、これとは別個に構成された2台の低圧蒸気タービンとを一列に組み合わせると共に、高中圧一体蒸気タービンから排出された中圧排気を2台のそれぞれの低圧蒸気タービンに導くためのクロスオーバー管として、柔軟性の筒状壁面を持つ熱膨張差吸収用の柔軟性筒状部を有する筒状接続体を含むバランス型ベローズを備えたクロスオーバー管を使用する蒸気タービン装置が知られている(例えば、特許文献4参照。)。
特開平10−196313号公報 (第7−9,11−13頁、第1−2,6−7図) 特開2007−23962号公報 (第5−8頁、第1−9図) 特開2005−337181号公報 (第3頁、第8図) 特開平11−229818号公報 (第5頁、第1図)
前述した従来技術による蒸気タービン装置では、いずれの場合も水蒸気を復水装置または低圧蒸気タービンに導くための筒状接続体に熱膨張差吸収用の柔軟性筒状部を有することにより、蒸気タービンの運転時に発生する復水装置あるいは各部との熱膨張差をこの柔軟性筒状部で吸収することができて、蒸気タービン装置を安全・安定に運転することができている。しかしながら、従来技術による蒸気タービン装置には下記するような問題点が残存していることで、その解決が望まれている。すなわち、
(1)まず前記特許文献1に開示された従来例の蒸気タービン装置の概要を図7を用いて説明する。ここで、図7は従来例の蒸気タービン装置の概要を説明する説明図である。図7において、9は、不図示の単一タービンロータと一体ケーシングであるケーシング92とを有する軸流排気式の蒸気タービン91と、不図示の復水器を収容した復水装置93と、蒸気タービン91で仕事を終えてケーシング92から排出された水蒸気である排気99を復水装置93に導く筒状接続体8と、補償力発生部86とを備えた従来例の蒸気タービン装置である。筒状接続体8は、この事例の場合には、ケーシング92の排気99が排出される端部に気密に接続されると共に,排気99を通流させるための図示しない貫通孔が形成されている円形の外形を持つ接続用フランジ84と、熱膨張差吸収用の柔軟性筒状部81,上流側筒状部82および下流側筒状部83とを持つ。柔軟性筒状部81には、柔軟性のある壁面を持つ筒状部である、例えば、金属製のベローズが用いられている。上流側筒状部82は柔軟性筒状部81の排気99の通流方向に関する上流側に配設されて接続用フランジ84と柔軟性筒状部81との間を気密に接続する剛性のある壁面を持つ筒状部であり、接続用フランジ84とは強固に固着されている。下流側筒状部83は柔軟性筒状部81の排気99の通流方向に関する下流側に接続された剛性のある壁面を持つ筒状部である。なお、上流側筒状部82と下流側筒状部83とは、これ等を総称する場合には剛性筒状部と称することがある。
復水装置93は、この事例の場合には、排気99を冷却して凝縮するための表面冷却器である不図示の冷却器と、この冷却器を内部に収容する真空容器でもある外被部94とを有する。外被部94は、冷却器を収容する部位である直方体状の外形を持つ外被部本体95と、外被部本体95と筒状接続体8との間を接続する筒状のダクト部96とを有する。補償力発生部86は、この事例の場合には、盲板である端板88と、外被部本体95と端板88との間を接続する柔軟性のある壁面を持つ筒状接続体87と、筒状接続体8の接続用フランジ84と端板88とを互いに連結し合う所要の機械的強度・剛性を持つ円柱状の連結体89とを有する。端板88は接続用フランジ84とほぼ同一外径を持つ円形の外形を持っており、また、筒状接続体87は、基本的には筒状接続体8の柔軟性筒状部81,上流側筒状部82および下流側筒状部83を総合した部分と同等の形状・寸法および構成・機能を有する。なお、補償力発生部86は、下流側筒状部83と同等の形状・寸法を持つ筒状接続体87の端部の部位で、復水装置93の外被部本体95に気密に接合されるが、外被部本体95のこの部位には、例えば、筒状接続体87の端部の部位と同等寸法を持つ不図示の円形孔が設けられている。
従来例の蒸気タービン装置9は前記構成とされ、バランス型ベローズを備えることから、前記特許文献1で説明されているように、筒状接続体8が持つ柔軟性筒状部81による熱膨張差の吸収効果と共に、接続用フランジ84と端板88とに働く差圧力である真空力が互いに相殺されることで、復水装置93,蒸気タービン91などには実質的に真空力が働かないようにすることができる。これによって、蒸気タービン装置9では、復水装置93,この復水装置93と結合される蒸気タービン91,および両者を支持する不図示の基礎には、真空力に対応するための機械的強度を不要にすることが可能になるとの特長を得ることができている。
しかしながら、蒸気タービン装置9では、これらの特長が得られるようにするためには、復水装置93を挟んで筒状接続体8の反対側となる部位に補償力発生部86を備えることが必要であり、したがって、蒸気タービン装置9の全長寸法Lは、補償力発生部86の前記全長寸法Lに沿う方向の長さ寸法である寸法L86だけ長くならざるを得ない。発明者らがこの長さ寸法L86について調査したところ、この寸法L86は蒸気タービン装置9の出力容量などによって異なるが、2m前後に達する場合がある。そうして、この寸法L86が必要であることにより、その分だけ、蒸気タービン装置9を収容するための建屋の大形化を要するために、蒸気タービン装置9を備えるプラントの所要敷地面積が増大すると共に、その建設費の増加を招くことになる。また、プラントの敷地などからの制約によっては、真空力に対応するための機械的強度を不要にできるとの特長を断念して、補償力発生部86を設けないようにする場合もあった。さらに、補償力発生部86の有する連結体89は、筒状接続体8の接続用フランジ84と補償力発生部86の端板88とを互いに連結し合うものであるから、筒状接続体8と補償力発生部86とが復水装置93を間に挟んで配設された状態とされた後でなければ、接続用フランジ84および端板88に締結することはできない。このために、少なくとも連結体89の配設作業は、蒸気タービン装置9の現地据え付け作業の際に実施せざるを得ず、製造工場での作業と対比して制約の多い現地作業を極力減少したいとする立場からは、改善対象の一つとされていた。
(2)次に、前記特許文献2に開示された従来例の蒸気タービン装置の概要を図8を用いて説明する。ここで、図8は従来の異なる例の蒸気タービン装置の概要を説明する説明図である。なお、以下の説明においては、図7に示した従来例の蒸気タービン装置9と同一部分には同じ符号を付しその説明を省略する。また、以後の説明に用いる図中には、図7で付した符号については極力代表的な符号のみを記すようにしている。図8において、9Aは、軸流排気式の蒸気タービン91と、復水装置93Aと、蒸気タービン91で仕事を終えてケーシング92から排出された排気99を復水装置93Aに導く筒状接続体8とを備えた従来例の蒸気タービン装置である。復水装置93Aは、この事例の場合には、冷却水939を排気99に直接噴射して復水させる冷却器931と、冷却器931を内部に収容する直方体状の外形形状を持ち,真空容器でもある外被部94Aと、排気ダクト932とを有する直接接触式の復水装置である。排気ダクト932は、筒状接続体8から外被部94Aまでの間の排気99の通流路を形成するものであり、蒸気タービン8からほぼ水平方向に排出された排気99を、その通流方向を下向きに変更するようにして復水器93Aの外被部94Aにその上方から流入させるようにする。
排気ダクト932は筒状接続体8との接続部933には筒状接続体8の排気99用の通流路形状に合わせた円形状の貫通孔を持つ端部構造を有するが、排気ダクト932全体としての排気99の通流路の断面形状はほぼ長方形状とされ、外被部94Aに接続される端部には長方形状の開口934が形成されている。この事例の排気ダクト932の場合には、冷却器931から噴射されて開口934から排気ダクト932に入り込んだ冷却水939が蒸気タービン91に入り込むのを防止するスプレー水防止体935が備えられている。このスプレー水防止体935は、長方形状の面形状と排気ダクト932の相対する側壁のそれぞれにその端部が当接される長さ方向寸法とを持つと共に、互いに間隔を設けて離間された複数の平板状体で構成されている。排気99はスプレー水防止体935の平板状体の相互間の間隙をスムースに通流するのに対し、排気ダクト932に入り込んだ冷却水939はスプレー水防止体935の前記平板状体に衝突されることで、この平板状体によって跳ね返されて外被部94Aに戻ることになる。
従来例の蒸気タービン装置9Aは前記構成を備えることから、前記特許文献2で説明されているように、筒状接続体8が持つ柔軟性筒状部81により蒸気タービン装置9Aを構成する各部の停止時と運転時とにおける温度差が主因となって発生する熱膨張差が吸収されると共に、蒸気タービン91などの部位への冷却水939の侵入の防止と、直接接触式の復水器93Aの高さ寸法の低減との両立が可能になり、蒸気タービン91などの据付用の架台や蒸気タービン装置9Aを収容する建屋の高さ寸法の削減が可能になるとの特長を得ることができている。
しかしながら、蒸気タービン装置9Aでは、前記(1)項で述べた蒸気タービン装置9の補償力発生部86が持つ機能に相当する装置を備えていないのが一般的であり、このことは、蒸気タービン装置9Aはバランス型ベローズを備えていないことが一般的であることを意味する。その理由について以下に述べる。蒸気タービン装置9Aにこの補償力発生部86と同等構成の補償力発生部を備えようとすると、この補償力発生部は排気ダクト932の側壁の外面側に装着されることになる。蒸気タービン装置9Aの排気ダクト932では排気99の通流路を、その断面形状については接続部933での円形から開口934での長方形に徐徐に変化させると共に、その排気99の通流方向については接続部933での水平方向から開口934での垂直方向に徐徐に変化させる必要があることから、排気ダクト932の側壁の表面形状は、単純な円形や長方形とは異なる複雑な三次元形状にならざるを得ない。
このような形状の排気ダクト932の側壁に前記(1)項で述べた補償力発生部86と同等構成の補償力発生部を装着する場合には、その筒状接続体87と同等の機能を担う部品の複雑な三次元形状を持つ側壁に接合される部位は、極めて複雑な形状となり、しかも、その接合部は気密性を保有する必要があることから、その実現には多大な製造工数が必要になる。このことが、蒸気タービン装置9Aが前記蒸気タービン装置9の補償力発生部86が持つ真空力に対応するための機械的強度を不要にできるとの特長を断念して、補償力発生部86と同等目的の装置を設けていない主な理由である。また、補償力発生部86と同等構成の補償力発生部を備えるようにした場合には、補償力発生部が持つことになる連結体(蒸気タービン装置9における連結体89と同等のものである。)がスプレー水防止体935と干渉する懸念が発生することも、この補償力発生部の設置を困難にしている理由の一つである。
(3)次に、前記特許文献3に開示された従来例の蒸気タービン装置の概要を図9を用いて説明する。ここで、図9は従来の異なる例の蒸気タービン装置の概要を説明する説明図である。図9において、9Bは、不図示の単一のタービンロータを用いると共に一体のケーシングに納められた高圧タービンと中圧タービンとでなる高中圧一体蒸気タービン91Bと、不図示の低圧タービンロータを用いると共に低圧ケーシングに納められた低圧蒸気タービン91Cと、不図示の復水器を収容した復水装置93Cと、高中圧一体蒸気タービン91Bの不図示の中圧タービンから排出された中圧排気98を低圧蒸気タービン91Cに導くクロスオーバー管97とを備えた従来例の蒸気タービン装置である。クロスオーバー管97は、筒状接続体8と,この筒状接続体8を間に挟んで配設される高中圧一体蒸気タービン91B側の曲がり角90度の曲管部971および低圧蒸気タービン91C側の曲がり角90度の曲管部972とでなる。なお、復水装置93Cに収容される復水器の形式には、前記表面冷却器である場合も前記直接接触式である場合もあり得る。
蒸気タービン装置9Bは前記構成を備えることから、筒状接続体8が持つ柔軟性筒状部81により蒸気タービン装置9Bを構成する各部の停止時と運転時とにおける温度差が主因となって発生する熱膨張差を吸収することができるとの特長を持つことができる。しかしながら、前記(2)項で述べた蒸気タービン装置9Aの場合と同様に、前記(1)項で述べた蒸気タービン装置9が有する補償力発生部86に相当する装置を備えていないことで、中圧排気98の圧力と大気圧との差圧に基因する差圧力が、高中圧一体蒸気タービン91B,低圧蒸気タービン91C,クロスオーバー管97などに働いてしまうことを免れることはできない。
(4)次に、前記特許文献4に開示された従来例の蒸気タービン装置を基にし、高中圧一体蒸気タービンから排出された中圧排気により駆動される低圧蒸気タービンの台数が1台とされた構成を持つ従来例の蒸気タービン装置の概要を図10を用いて説明する。ここで、図10は従来のさらに異なる例の蒸気タービン装置の概要を説明する説明図である。なお、以下の説明においては、図9に示した従来の異なる例の蒸気タービン装置9Bと同一部分には同じ符号を付しその説明を省略する。図10において、9Dは、高中圧一体蒸気タービン91B、低圧蒸気タービン91Cおよび復水装置93Cと、高中圧一体蒸気タービン91Bの中圧タービンから排出された中圧排気98を低圧蒸気タービン91Cに導くクロスオーバー管97Aとを備えた従来例の蒸気タービン装置である。クロスオーバー管97Aは、曲管部971,筒状接続体8および補償力発生部86と、筒状接続体8と低圧蒸気タービン91Cとの間を接続する接続管973とでなる。
接続管973は中圧排気98の低圧蒸気タービン91Cへの通流に関しては、前記従来例の蒸気タービン装置9Bがクロスオーバー管97に有する曲管部972と同一の役目を果たす部材である。補償力発生部86の連結体89が端板88と接続用フランジ84とを互いに連結し合うものであるため、接続管973は、補償力発生部86を筒状接続体8が装着される部位とは反対側となる部位に装着する必要がある。このことから接続管973は、筒状接続体8と補償力発生部86とをそれぞれ異なる端部に装着すると共に筒状接続体8および補償力発生部86と同等の口径を持つ直管部974に、曲がり角が90度よりも小さい曲管部975を接続したような構成を持たせている。なお、中圧排気98が持つ圧力値は、絶対真空を基準とした場合の絶対圧力値で表して最大でも1MPa程度である。
従来のさらに異なる例の蒸気タービン装置9Dは前記構成とし、バランス型ベローズを備えることから、筒状接続体8が持つ柔軟性筒状部81による熱膨張差の吸収効果と共に、前記(1)項で述べた蒸気タービン装置9の場合と同一原理により、中圧排気98の圧力と大気圧との差圧に基因して、接続用フランジ84と端板88とに働く差圧力が互いに相殺されることで、高中圧一体蒸気タービン91B,低圧蒸気タービン91C,クロスオーバー管97Aなどには実質的に差圧力が働かないようにすることができる。これによって、蒸気タービン装置9Dおよび蒸気タービン装置9Dを支持する基礎には、差圧力に対応するための機械的強度を不要にすることが可能になるとの特長を得ることができている。
しかしながら、蒸気タービン装置9Dでは、中圧排気98が持つ圧力に基因する差圧力の発生を解消するために設けられた補償力発生部86およびこの補償力発生部86に対応するための接続管973とは、前記(3)項で述べた蒸気タービン装置9Bが備えるクロスオーバー管97の曲管部972と対比して、その寸法・重量が増大している。しかも、補償力発生部86の連結体89は補償力発生部86の端板88と筒状接続体8の接続用フランジ84とを互いに連結し合うものであるから、前記(1)項で述べたことと同様に、筒状接続体8、接続管973および補償力発生部86が相互に結合された後でなければ接続用フランジ84および端板88に締結することはできない。このために、連結体89の接続用フランジ84および端板88への装着は殆どの場合に蒸気タービン装置9Dの現地据え付け作業の際に実施せざるを得ないことで、前記した寸法・重量が増大した接続管973などのことと相俟って、製造工場での作業と対比して制約の多い現地作業を極力減少したいとする立場からは、改善が望まれていた。
前記(1)項〜前記(4)項で蒸気タービン装置9〜蒸気タービン装置9Dに代表させて述べた従来例の蒸気タービン装置の問題点は、補償力発生部86の筒状接続体87が、筒状接続体8の柔軟性筒状部81,上流側筒状部82および下流側筒状部83を総合した部分と同等の形状・寸法および構成・機能を有し、また、補償力発生部86の盲板である端板88が筒状接続体8の接続用フランジ84とほぼ同一外径を持つ円形の外形を持つと共に、補償力発生部86が筒状接続体8とは別構成の部材とされていることにより生じている。このことにより、蒸気タービン装置9の場合には、補償力発生部86は復水装置93を間に挟んで筒状接続体8と同心に配置することになり、寸法L86の確保を要することになっていた。また、蒸気タービン装置9Aの場合には、補償力発生部86の筒状接続体87を復水装置93Aの排気ダクト932を間に挟んで筒状接続体8と同心に配置することが困難なことから、補償力発生部86の設置を断念せざるを得なかった。
また、蒸気タービン装置9Dは蒸気タービン装置9Bの問題点を解決するものではあるが、この場合にも、補償力発生部86は接続管973を間に挟んで筒状接続体8と同心に配置することが必要になるので、補償力発生部86と接続管973とを合わせた部位が蒸気タービン装置9Bの持つ曲管部972と対比してその寸法・重量が増大してしまうことで、その製造・設置・取り外しなどに要する工数を増加させることになっていた。さらに、連結体89は端板88と接続用フランジ84とを互いに連結し合うものであるから、その配設作業は先に説明した理由のために現地据え付け作業の際に実施せざるを得ず、蒸気タービン装置9および蒸気タービン装置9Dの場合に、現地での作業量を増大させる要因になっていた。これ等のことから、従来例の蒸気タービン装置が持つ前記諸問題を総合的に解決した蒸気タービン装置が要望されている。したがってこの発明の目的は、柔軟性のある壁面を持ち大気圧とは異なる圧力値を持つ水蒸気を通流させる筒状接続体と、この筒状接続体に発生する差圧力を相殺するための補償力発生体とを一体的に構成することが可能な蒸気タービン装置を提供することにある。
この発明では前述の目的は、
1)高圧蒸気が供給される蒸気タービンと、この蒸気タービンが有するケーシングから排出される水蒸気を水に戻す復水器が収容された復水装置と、柔軟性のある壁面を持ち前記復水装置と前記ケーシングとの間を接続して前記水蒸気を復水装置に導く筒状接続体とを備える蒸気タービン装置において、前記筒状接続体は柔軟性のある壁面を持つ筒状部である熱膨張差吸収用の柔軟性筒状部と,この柔軟性筒状部の前記水蒸気の通流方向に関する上流側および下流側のそれぞれに接続される剛性のある壁面を持つ筒状部である剛性筒状部とを有して前記水蒸気を通流させる柔軟性筒状接続部と、この柔軟性筒状接続部に通流する前記水蒸気の圧力値が大気圧値とは異なることから前記剛性筒状部に加えられる差圧力をほぼ相殺させる補償力をこの剛性筒状部に与える補償力発生部を前記柔軟性筒状接続部の外周側となる部位に備えること、または、
2)蒸気により駆動される高圧蒸気タービン,中圧蒸気タービンおよび低圧蒸気タービンと、柔軟性のある壁面を持つ筒状接続体を有して前記中圧蒸気タービンから排出される中圧排気である水蒸気を前記低圧蒸気タービンに導くクロスオーバー管とを備える蒸気タービン装置において、前記筒状接続体は柔軟性のある壁面を持つ筒状部である熱膨張差吸収用の柔軟性筒状部と,この柔軟性筒状部の前記水蒸気の通流方向に関する上流側および下流側のそれぞれに接続される剛性のある壁面を持つ筒状部である剛性筒状部とを有して前記水蒸気を通流させる柔軟性筒状接続部と、この柔軟性筒状接続部に通流する前記水蒸気の圧力値が大気圧値とは異なることから前記剛性筒状部に加えられる差圧力をほぼ相殺させる補償力をこの剛性筒状部に与える補償力発生部を前記柔軟性筒状接続部の外周側となる部位に備えること、または、
3)前記1項または2項に記載の手段において、前記筒状接続体の前記補償力発生部は前記柔軟性筒状接続部の前記剛性筒状部の内の前記上流側に接続される上流側筒状部または前記下流側に接続される下流側筒状部のいずれか一方の外周部に固着されて配設される補償力用支持体と、この補償力用支持体が配設される前記剛性筒状部の外周側となる部位であると共に前記補償力用支持体に対してこの補償力用支持体が配設されない前記剛性筒状部が位置する側とは反対側となる方向に離れて配設された端板と、この端板と前記補償力用支持体との間に配設される柔軟性のある壁面を持つ複数の補償力用筒状体によって仕切られると共にこれ等の補償力用筒状体によって仕切られる部位の前記端板に投影される面積が前記剛性筒状部の前記水蒸気が通流する流路の面積とほぼ同等とされた密閉空間と、この密閉空間の内部空間と前記柔軟性筒状接続部の前記水蒸気が通流する流路とを連通させる連通管と、前記補償力用支持体が配設されない前記剛性筒状部の外周部に固着されて配設される連結体用支持体と、この連結体用支持体と前記端板とを互いに連結し合う剛性を持つ連結体とを備えること、または、
4)前記1項または2項に記載の手段において、前記筒状接続体の前記補償力発生部は前記柔軟性筒状接続部の前記剛性筒状部の内の前記上流側に接続される上流側筒状部または前記下流側に接続される下流側筒状部のいずれか一方の外周部に固着されて配設される補償力用支持体と、前記柔軟性筒状接続部の外周側となる部位にこの柔軟性筒状接続部の外周を巡るようにしてその筒状の軸心を互いにほぼ平行させながらそれぞれの前記軸心がこの柔軟性筒状接続部の筒状の軸心に対してもほぼ平行されるように配設されると共に一方の端部がそれぞれに補償力用支持体に固着されてなる柔軟性のある壁面を持つ複数の補償力用筒状体と、これ等の複数の補償力用筒状体の前記補償力用支持体に固着される一方の端部とは反対側となる他方の端部をそれぞれに塞ぐ複数の端板と、これ等の端板と前記補償力用支持体との間にそれぞれに配設されることになる複数の前記補償力用筒状体によって仕切られると共にこの補償力用筒状体によって仕切られる部位の前記端板に投影される総面積が前記剛性筒状部の前記水蒸気が通流する流路の面積とほぼ同等とされた密閉空間と、前記端板のそれぞれにこの端板の前記密閉空間とは反対側となる面の側で一方の端部が固着されると共に他方の端部が前記補償力用支持体が配設されない前記剛性筒状部の外周部に固着される筒状に形成されてしかも剛性を持つ複数の筒状支持体とを備え、この筒状支持体の筒状であることによって有する孔はそれぞれの前記補償力用筒状体によって仕切られたそれぞれの前記密閉空間と筒状支持体の一方の端部で個別に連通されると共に,筒状支持体の他方の端部で前記補償力用支持体が配設されない前記剛性筒状部において前記柔軟性筒状接続部の前記水蒸気が通流する流路とも連通されること、さらにまたは、
5)前記3項または4項に記載の手段において、前記補償力発生部の前記補償力用支持体は前記密閉空間を仕切る柔軟性のある壁面を持つ前記補償力用筒状体の前記補償力用支持体に対する配設位置が、この補償力用支持体が固着されて配設される前記上流側筒状部または下流側筒状部のいずれか一方の前記剛性筒状部に対する配設位置に対して、前記補償力用支持体が配設されない前記剛性筒状部が位置する側に接近するようにずらされることにより達成される。
この発明による蒸気タービン装置では、前記課題を解決するための手段の項で述べた構成とすることで、次記の効果を得られる。
(1)前記課題を解決するための手段の項の第(1)項,第(3)項による構成とすることにより、この発明による蒸気タービン装置が蒸気タービンと復水装置との間を接続して備える筒状接続体では、熱膨張差吸収用の柔軟性筒状部を有する柔軟性筒状接続部に働く差圧力の相殺を行うための補償力をこの柔軟性筒状接続部に与える補償力発生部は、柔軟性筒状接続部と一体の構造物として取り扱えることができるようになり、従来例の場合の補償力発生部を持たない前記筒状接続体8に替えて、この発明による補償力発生部を有する筒状接続体を配設することが可能になる。これによって、従来例の単体の前記補償力発生部86が不要になることにより、2m前後に達する場合がある補償力発生部86の寸法L86だけ蒸気タービン装置の全長寸法を短小化できることで、従来例の蒸気タービン装置の場合に対してプラントの建屋面積および所要敷地面積を縮小できてその建設費を低減することが可能になる。
また、補償力発生部が有する連結体は、柔軟性筒状接続部の一方の剛性筒状部と補償力発生部の端板とを互いに連結し合うものであるが、この発明による筒状接続体では、柔軟性筒状接続部の一方の剛性筒状部と補償力発生部の端板の両者は、筒状接続体の単体の中に配設されることになるので、連結体による剛性筒状部および端板との締結作業を筒状接続体の組立作業の中で実施することができる。すなわち、この発明の筒状接続体はバランス型ベローズであるにも係わらず、蒸気タービン装置を据え付け現地に運び込む前の製造工場の製造段階で完成させることが出来るので、従来例のバランス型ベローズを備える蒸気タービン装置の場合とは異なり、連結体の端板および連結体用支持体との締結に関わる現地作業を不要にすることが可能になる。
さらに、前記蒸気タービン装置9Aのように補償力発生部86を設置していなかった従来例の蒸気タービン装置に関しては、従来例の場合の補償力発生部を持たない筒状接続体8に替えて、この発明による補償力発生部を有する筒状接続体を配設することが可能であることで、これにより、復水装置,蒸気タービンなどには実質的に真空力が働かないようにすることができ、復水装置,蒸気タービン,および両者を支持する基礎には、真空力に対応するための機械的強度を不要にすることが可能になる。また、
(2)前記課題を解決するための手段の項の第(2)項,第(3)項による構成とすることにより、この発明による蒸気タービン装置がクロスオーバー管に備える筒状接続体では、「発明の効果」の項の前記(1)項で述べたことと同様に、従来例の場合の補償力発生部を持たない筒状接続体8に替えて、この発明による補償力発生部を有する筒状接続体を配設することが可能になる。これによって、従来例の単体の補償力発生部86が不要になることにより、従来例の蒸気タービン装置9Dが備えるクロスオーバー管97Aが有していた補償力発生部86を装着するための複雑な構造を持つ接続管973も不要となり、例えば、従来例の蒸気タービン装置9Bが備えるクロスオーバー管97が有する曲がり角90度の曲管部972に置き換えることが可能になる。これによって、従来例の蒸気タービン装置9Dの問題点の一つであるクロスオーバー管の寸法・重量の増大の問題を解消できる。また、蒸気タービン装置9Dにおける連結体89の接続用フランジ84および端板88への締結に関わる現地作業の問題は、「発明の効果」の項の前記(1)項で説明したところと全く同一の理由によってこれを解消できる。
さらに、前記蒸気タービン装置9Bのように補償力発生部86を設置していなかった従来例の蒸気タービン装置に関しては、従来例の場合の補償力発生部を持たない筒状接続体8に替えて、この発明による補償力発生部を有する筒状接続体を配設することが可能であることで、これにより、高中圧一体蒸気タービン,低圧蒸気タービン,クロスオーバー管などに前記差圧力が働く問題を解消することが可能になる。また、
(3)前記課題を解決するための手段の項の第(4)項による構成を持つこの発明の蒸気タービン装置が備える筒状接続体は、「発明の効果」の項の前記(1)項および(2)項で述べたこの発明の蒸気タービン装置が備える筒状接続体と置き換えて装着した場合にも、全く同等の作用・効果を得ることができる。さらにまた、
(4)前記課題を解決するための手段の項の第(5)項による構成を持つこの発明の蒸気タービン装置が備える筒状接続体は、前記補償力用筒状体の前記補償力用支持体に対する配設位置が、前記補償力用支持体の柔軟性筒状接続部の一方の剛性筒状部に対する配設位置に対して、他方の剛性筒状部が位置する側に接近するようにずらされて配設されるが、このことによって、「発明の効果」の項の前記(1)項,(2)項および(3)項で述べたこの発明の効果をそのまま維持しながら、前記補償力発生部の前記排気または前記中圧排気の通流方向に関する長さ寸法を、前記ずらした寸法に応じて短縮できることで、この発明による筒状接続体の蒸気タービン装置への配設を容易にすることが可能になる。
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明においては、図8〜図10に示した従来例の蒸気タービン装置9Aなどと同一部分には同じ符号を付しその説明を省略する。また、以後の説明に用いる図中には、図8〜図10で付した符号については極力代表的な符号のみを記すようにしている。
『実施の形態1』図1はこの発明の実施の形態の一例による蒸気タービン装置を説明する説明図であり、図2は、図1におけるP部の拡大断面図である。図1,図2において、1は、図7に示した従来例の蒸気タービン装置9に対して、筒状接続体8および補償力発生部86に替えてこの発明による筒状接続体2を用いるようにした蒸気タービン装置である。この筒状接続体2は、図7に示した従来例の場合の筒状接続体8と同一物である柔軟性筒状接続部8Aと補償力発生部3とを備え、この補償力発生部3は、補償力用支持体34,端板35,連結体用支持体36,例えば複数の連結体37,補償力用筒状体31および例えば1個の連通管38を備える。なお、筒状接続体2の柔軟性筒状接続部8Aは従来例の筒状接続体8の場合と同様に接続用フランジ84も備えるとしてよいが、図2においてはその図示が省略されている。補償力用支持体34は、この事例の場合には平板状のものであり,排気99の通流方向に関して柔軟性筒状部81の下流側に位置する下流側筒状部83の外周面に固着されて配設される。端板35は、例えば平板状のものであり,補償力用支持体34が配設される下流側筒状部83の外周側となる部位であると共に,補償力用支持体34に対して上流側筒状部82(この事例の場合の補償力用支持体34が配設されない剛性筒状部であると共に、この事例の場合には補償力用支持体34に対して排気99の通流方向に関して柔軟性筒状部81の上流側に位置することになる。)が配設される側とは反対側となる方向に離れて配設される。
連結体用支持体36は、例えば平板状のものであり,上流側筒状部82の外周面に固着されて配設される。そうして、筒状接続体2では、柔軟性筒状接続部8Aに通流する排気99の圧力値が大気圧値とは異なることから上流側筒状部82や接続用フランジ84には、従来例の蒸気タービン装置9の場合と同様に、前記差圧力F(この事例の場合には真空力である。)が図2の紙面において右方向に加わることになる。連結体用支持体36が上流側筒状部82に固着されていることによって、連結体用支持体36には差圧力Fがそのまま伝達され、また、端板35には後記するように、差圧力Fをほぼ相殺させる補償力Fが加えられる。それぞれの連結体37は、例えば、円形の外形を持ち,前記差圧力Fおよび前記補償力Fに対し,これに十分に耐える機械的強度と剛性とを有している。これ等の連結体37は、その端部を、端板35および連結体用支持体36のそれぞれに、例えば、ナットを用いた締結方法によって締結されている。なお、連結体37の端板35および連結体用支持体36との締結方法は、例えば、溶接法などを採用することもできる。
補償力用筒状体31は、例えば、柔軟性筒状接続部8Aの柔軟性筒状部81よりも大きな口径を持つと共に,柔軟性筒状部81の外側に柔軟性筒状部81とほぼ同心で配設された筒状体32と筒状体33とでなり、筒状体32が筒状体33よりも大きな口径を持っている。筒状体32および筒状体33のそれぞれは、例えば、金属製のベローズが用いられて柔軟性壁面を有し、その端部で端板35および補償力用支持体34にそれぞれ気密に固着され、そのことによって、筒状体32,筒状体33,端板35および補償力用支持体34により仕切られた密閉空間39を形成する。そうして、この密閉空間39の端板35に投影される面積は、柔軟性筒状接続部8Aの排気99が通流する流路の面積とほぼ同等値とされている。連通管38は、柔軟性筒状接続部8Aの排気99が通流する流路と密閉空間39の内部空間とを連通させる柔軟性のある管状体であり、例えば、一方の端部は下流側筒状部83か上流側筒状部82かのいずれかを貫通し、他方の端部は密閉空間39と接する部位の端板35か補償力用支持体34かのいずれかを貫通して、それぞれに気密に締結される。したがって、密閉空間39には、連通管38を介して柔軟性筒状接続部8Aを通流する排気99が充填される。
図1,図2に示すこの発明の実施の形態の一例による蒸気タービン装置1が持つ前述の構成は、下記のような発明者らの発想を基に得られたものである。すなわち、図7に例示した従来例の蒸気タービン装置9の場合では、排気99の圧力が大気圧値と異なることに基因して、排気99を復水装置93に導くベローズ等の柔軟性のある筒状壁面を持つ筒状接続体8の例えば接続用フランジ84には、排気99が持つ圧力値と大気圧値との差圧に従う差圧力が発生する。蒸気タービン装置9ではこの差圧力を相殺するための補償力を発生させる補償力発生部86を備えるが、この補償力発生部86の構成は、筒状接続体8での排気99の通流路の面積と同一の面積を持つ補償力発生用の空間を設け、この空間を排気99で満たすことで前記差圧力と同値の補償力を発生させて差圧力を相殺するとの原理に基づいている。
しかしながら、従来例の蒸気タービン装置9の場合には、補償力発生用の空間を形成するのに際して、筒状接続体8での排気99の通流路の口径と同一にすることに拘泥してしまい、このような形状・寸法を持つ補償力発生用の空間を筒状接続体8の柔軟性筒状部81の排気99の通流方向に関する下流側に配設しようとした結果、補償力発生部86は復水装置93を挟んで筒状接続体8の反対側となる部位に備えられることになっていた点に発明者らは着目した。さらに発明者らは、この事例の場合の前記差圧力を相殺するための補償力を発生させる補償力発生部は、筒状接続体8での排気99の通流路の面積と同一の面積を持つ補償力発生用の空間を備えればよく、その口径などには依存しないことに着目し、柔軟性筒状体8の外周側となる部位に、例えば、筒状に形成するとの発想に到達したのである。
蒸気タービン装置1では、密閉空間39には排気99が充填され、密閉空間39を囲む補償力用筒状体31,端板35,補償力用支持体34の外面には大気が存在することで、補償力用筒状体31,補償力用支持体34,端板35には排気99が持つ圧力値と大気圧値との差に従う差圧力が加わる。この差圧力について説明すると、まず、補償力用筒状体31に働く差圧力は径方向に加わることによってそれ自体で相殺し合うことで外部には現れない。また、補償力用支持体34に加わる前記差圧力は、補償力用支持体34が下流側筒状部83の外周面に固着されていることでこれも外部には現れない。また、端板35に加わる前記差圧力は、端板35が柔軟性のある壁面を持つ筒状部である補償力用筒状体31を介して補償力用支持体34に装着されていることによって、端板35の外部に現れることになる。そうして、端板35に加わる差圧力の値は、密閉空間39の端板35に投影される面積が前述のように柔軟性筒状接続部8Aの排気99が通流する流路の面積とほぼ同等値にされていることから前記Fとほぼ同等値である。また、この事例の場合には、前述のように排気99の圧力値が真空圧であるとしてよいことのために大気圧よりも低圧であるから、端板35に加わる差圧力は図2の紙面において左方向に働くことになる。この端板35に排気99が持つ圧力値と大気圧値との差に従って加えられる差圧力が、前記補償力Fである。
蒸気タービン装置1の筒状接続体2が持つ前述の構成によって、連結体用支持体36に働く差圧力Fと端板35に加わる補償力Fとはほぼ同一値であってその方向が互いに逆方向の関係になる。そうして、連結体用支持体36と端板35とが所要の機械的強度と剛性とを持つ連結体37によって連結されているので、連結体用支持体36と端板35のそれぞれに働く差圧力Fと補償力Fとは互いに相殺されることになり、蒸気タービン装置1には排気99の圧力と大気圧との差圧に基因する差圧力は働かないことになる。またこのことから、蒸気タービン装置1の筒状接続体2はバランス型ベローズであることになる。
蒸気タービン装置1の筒状接続体2が有する補償力発生部3は、この事例の場合には、従来例の筒状接続体8と同一物である柔軟性筒状接続部8Aと一体の構造物として取り扱えることができると共に、その排気99の通流方向に関する長さ寸法を,柔軟性筒状接続部8Aの排気99の通流方向に関する長さ寸法よりも短小にすることができる。また、蒸気タービン装置1では、復水装置93の外被部本体95の反蒸気タービン91側には補償力発生部の配設が不要であるので、蒸気タービン装置1の全長寸法Lは、従来例の蒸気タービン装置9の全長寸法Lよりも短小にすることができる。なお、このことに関連して、蒸気タービン装置1の復水装置93の場合には、外被部本体95の反蒸気タービン91側には補償力発生部を配設するための円形状貫通孔の形成は不要になる。
そうして、蒸気タービン装置1の場合では、従来例の補償力発生部86の前記寸法L86だけその全長寸法Lが短小化できることで、従来例の蒸気タービン装置9の場合に対してプラントの建屋面積および所要敷地面積を縮小できてその建設費を低減できると共に、プラントの敷地などからの制約を受けずに、蒸気タービン装置1に補償力発生部3を配設することができるようになる。また、筒状接続体2の補償力発生部3が備える連結体37は、補償力発生部3が備える端板35と連結体用支持体36とを締結することになるので、従来例の補償力発生部86が備える連結体89の場合とは異なり、筒状接続体2の単体の中でその締結作業を実施することができる。すなわち、筒状接続体2は、蒸気タービン装置1を据え付け現地に運び込む前の製造工場の製造段階で完成させることが出来るので、バランス型ベローズを備える従来例の蒸気タービン装置9の場合とは異なり、連結体の端板および連結体用支持体との締結に関わる現地作業を不要にすることができる。
前述の説明では、補償力発生部3が備える補償力用筒状体31は、柔軟性筒状接続部8Aの柔軟性筒状部81よりも大きな口径を持つと共に,柔軟性筒状部81の外側に柔軟性筒状部81とほぼ同心で配設された筒状体32と筒状体33とでなり、筒状体32が筒状体33よりも大きな口径を持っているとしてきたが、これに限定されるものではなく、例えば、柔軟性筒状部81よりも小さな口径を持つ複数の筒状体を、柔軟性筒状部81の外側に柔軟性筒状部81を巡るようにして配列するようにしてもよい。また、前述の説明では、補償力用支持体34は下流側筒状部83の外周面に、連結体用支持体36は上流側筒状部82の外周面にそれぞれ配設されるとしてきたが、これに限定されるものではなく、例えば、補償力用支持体34は柔軟性筒状部81と下流側筒状部83との間に介挿されてもよく、また、連結体用支持体36は柔軟性筒状部81と上流側筒状部82との間に介挿されてもよい。
『実施の形態2』図3はこの発明の実施の形態の異なる例による蒸気タービン装置に用いられるバランス型ベローズである筒状接続体の要部の拡大断面図であり、前記図2に示したこの発明の筒状接続体2と同等部位を示している。なお、以下の説明においては、図1,図2に示したこの発明による蒸気タービン装置1と同一部分には同じ符号を付しその説明を省略する。また、以後の説明に用いる図中には、図1,図2で付した符号については極力代表的な符号のみを記すようにしている。図3において、2Aは、図1,図2に示したこの発明による蒸気タービン装置1に用いられる筒状接続体2に対して、補償力発生部3に替えて補償力発生部4を用いるようにした蒸気タービン装置に用いられる筒状接続体である。この補償力発生部4は、下流側筒状部83の外周面に固着されて配設された補償力用支持体34と,複数の補償力個別発生体4Aとを備える。なお、筒状接続体2Aの柔軟性筒状接続部8Aはこの発明による蒸気タービン装置1の場合と同様に接続用フランジ84も備えるとしてよいが、図3においてはその図示が省略されている。
それぞれの補償力個別発生体4Aは、補償力用筒状体41,端板42,密閉空間49および筒状支持体43を備える。補償力用筒状体41は、例えば、金属製のベローズが用いられ、柔軟性のある壁面を持ち柔軟性筒状接続部8Aの柔軟性筒状部81よりも小さな口径を持つと共に,柔軟性筒状接続部8Aの外周側となる部位にこの柔軟性筒状接続部8Aの外周を巡るようにしてその筒状の軸心を互いにほぼ平行させながらそれぞれの前記軸心が柔軟性筒状接続部8Aの筒状の軸心に対してもほぼ平行されるように配設される。補償力用筒状体41の一方の端部は、それぞれに補償力用支持体34に気密に固着される。端板42は、例えば平板状のものであり、補償力用筒状体41の補償力用支持体34に固着される一方の端部とは反対側となる他方の端部をそれぞれに気密に塞ぐ。それぞれの補償力用筒状体41は、一方の端部が補償力用支持体34に固着され、他方の端部が端板42に固着されることで、補償力用支持体34と端板35により仕切られた密閉空間49を形成する。そうして、補償力発生部4に備えられる全ての補償力個別発生体4Aの補償力用筒状体41に形成される密閉空間49の端板42に投影される面積の総和は、柔軟性筒状接続部8Aの排気99が通流する流路の面積とほぼ同等値にされている。
筒状支持体43は筒状に形成され、しかも個々の端板42などに加わる差圧力に対してこれに十分に耐える機械的強度と剛性とを有している。この筒状支持体43は、端板42のそれぞれに端板42の密閉空間49とは反対側となる面の側で一方の端部が気密にかつ機械的に強固に締結されると共に、他方の端部が上流側筒状部82(この事例の場合の補償力用支持体34が配設されない剛性筒状部であると共に、この事例の場合には補償力用支持体34に対して排気99の通流方向に関して柔軟性筒状部81の上流側に位置することになる。)の外周面に気密にかつ機械的に強固に締結される。そうして、筒状支持体43が筒状であることによって有する不図示の孔は、筒状支持体43の一方の端部で端板42に設けられた不図示の貫通孔を介して、それぞれの密閉空間49に連通されると共に、筒状支持体43の他方の端部で上流側筒状部82に設けられた不図示の貫通孔を介して、柔軟性筒状接続部8Aの排気99が通流する流路とも連通される。したがって、それぞれの密閉空間49には、筒状支持体43を介して柔軟性筒状接続部8Aを通流する排気99が充填される。
図3に示すこの発明の実施の形態の異なる例による蒸気タービン装置用の筒状接続体2Aは前述の構成を持つのでバランス型ベローズであり、例えば、前記「実施の形態1」の項で述べた筒状接続体2に替えて蒸気タービン装置1に筒状接続体2Aを装着した場合にも、蒸気タービン装置1は、筒状接続体2を装着した場合と全く同等の作用・効果を得ることができる。「実施の形態2」項での前述の説明では、補償力用支持体34は下流側筒状部83の外周面に配設されるとしてきたが、これに限定されるものではなく、例えば、補償力用支持体34は柔軟性筒状部81と下流側筒状部83との間に介挿されてもよい。
『実施の形態3』図4はこの発明の実施の形態の異なる例による蒸気タービン装置に用いられるバランス型ベローズである筒状接続体の要部の拡大断面図であり、前記図2に示したこの発明の筒状接続体2と同等部位を示している。図4において、2Bは、図1,図2に示したこの発明による蒸気タービン装置1に用いられる筒状接続体2に対して、補償力発生部3に替えて補償力用支持体として補償力用支持体34Aを備える補償力発生部5を用いるようにした蒸気タービン装置に用いられる筒状接続体である。なお、筒状接続体2Bの柔軟性筒状接続部8Aはこの発明による蒸気タービン装置1の場合と同様に接続用フランジ84も備えるとしてよいが、図4においてはその図示が省略されている。
補償力発生部5に備えられる補償力用支持体34Aは、排気99の通流方向に関して柔軟性筒状部81の下流側に位置する下流側筒状部83の外周面に固着されて配設される点では、蒸気タービン装置1の筒状接続体2の補償力発生部3に備えられた補償力用支持体34の場合と同じであるが、例えば、平板状の支持体片51,53と、円筒状の支持体片52とを組み合わせて構成されていることが異なっている。すなわち、例えば、支持体片52は柔軟性筒状接続部8Aの外周側となる部位に柔軟性筒状接続部8Aの外周面から所要の間隔を隔てた位置に柔軟性筒状接続部8Aとほぼ同心に位置される。支持体片51は排気99の通流方向に関して柔軟性筒状部81の下流側に位置する下流側筒状部83の外周面と、支持体片52の排気99の通流方向に関する下流側の端部とを接続してそれぞれと固着されて配設される。また、支持体片53は補償力用筒状体31の反端板35側の端部が気密に固着される部位であり、支持体片52の排気99の通流方向に関する上流側の端部に固着されて配設される。なお、支持体片53の反補償力用筒状体31側の面と連結体用支持体36との間には、所要の間隔が設けられる。
図4に示すこの発明の実施の形態の異なる例による蒸気タービン装置用の筒状接続体2Bは前述の構成を持つのでバランス型ベローズであり、前記「実施の形態1」の項で説明した蒸気タービン装置1の筒状接続体2の作用・効果をそのまま維持しながら、排気99の通流方向に関する補償力発生部5の長さ寸法を、例えば、支持体片51の厚さ寸法と支持体片52の長さ寸法との和の値だけ短縮することができ、補償力発生部の筒状接続体2への配設を容易にすることができる。なお、これまでの「実施の形態3」の項での説明では、この発明の前記筒状接続体2の補償力発生部3に備えられた補償力用支持体34を補償力用支持体34Aに置き換える事例について説明してきたが、補償力用支持体34Aは、この発明の前記筒状接続体2Aの補償力発生部4に備えられた補償力用支持体34を置き換えても、同様の作用・効果を得ることができる。
『実施の形態4』図5はこの発明の実施の形態の異なる例による蒸気タービン装置を説明する説明図である。図5において、1Aは、図8に示した従来例の蒸気タービン装置9Aに対して、筒状接続体8に替えてこの発明によるバランス型ベローズである筒状接続体2を用いるようにした蒸気タービン装置である。先に図8を用いて説明したように、直接接触式の復水装置93Aを備えた従来例の蒸気タービン装置9Aでは、図7に示した構造のバランス型ベローズを装着することが出来なかったが、この発明による筒状接続体2は、バランス型ベローズでありながら、従来の筒状接続体8が装着されていた部位に装着することができる。これにより、この発明による蒸気タービン装置1Aは、直接接触式の復水装置93Aを備えながらも、図7に示した従来例の蒸気タービン装置9の場合と同様に、復水装置93A,蒸気タービン91などには実質的に真空力が働かないようにすることができる。これによって、蒸気タービン装置1Aでは、復水装置93A,この復水装置93Aと結合される蒸気タービン91,および両者を支持する基礎には、真空力に対応するための機械的強度を不要にすることができる。また、筒状接続体2はバランス型ベローズでありながら、連結体37を含む補償力発生部3の排気99の通流方向に関する長さ寸法を、柔軟性筒状接続部8Aの排気99の通流方向に関する長さ寸法よりも短小にすることができることで、その軸長方向の長さは柔軟性筒状接続部8Aの中に収まる。このことにより、補償力発生部3が持つ連結体37がスプレー水防止体935と干渉する問題を全く生じることがないと共に、この発明の蒸気タービン装置1Aの全長寸法を従来例の蒸気タービン装置9Aの全長寸法と同一にすることができる。
『実施の形態5』図6はこの発明の実施の形態のさらに異なる例による蒸気タービン装置を説明する説明図である。図6において、1Bは、図9に示した従来例の蒸気タービン装置9Bに対して、筒状接続体8を有するクロスオーバー管97に替えて、この発明によるバランス型ベローズである筒状接続体2を用いるようにしたクロスオーバー管6を備える蒸気タービン装置である。クロスオーバー管6は、筒状接続体2と,この筒状接続体2を間に挟んで配設される高中圧一体蒸気タービン91B側の曲がり角90度の曲管部971および低圧蒸気タービン91C側の曲がり角90度の曲管部972とでなる。すなわち、この発明の蒸気タービン装置1Bはバランス型ベローズを備えながら、従来例のバランス型ベローズを備えない蒸気タービン装置9Bと対比すると、筒状接続体8を筒状接続体2に置き換えることのみで構成することができると言うことができる。
また、この発明の蒸気タービン装置1Bは、従来例のバランス型ベローズを備えた蒸気タービン装置9Dと対比すると次のように言うことができる。すなわち、蒸気タービン装置9Dがバランス型ベローズを備えるようにするためには筒状接続体8と共に、連結体89を有する補償力発生部86と,曲管部972よりも複雑な構造を持つ接続管973とを追加して備える必要があったのに対し、蒸気タービン装置1Bは、筒状接続体2と単純な構造を持つ曲管部972とを組み合わせることで済む。このことにより、この発明の蒸気タービン装置1Bは、蒸気タービン装置9Dの問題点の一つであるクロスオーバー管97の寸法・重量の増大の問題を解消できる。また、蒸気タービン装置9Dにおける連結体89の接続用フランジ84および端板88への締結に関わる現地作業の問題は、この発明の蒸気タービン装置1Bでは、筒状接続体2の補償力発生部3が備える連結体37の端板35と連結体用支持体36との締結に関わって前記「実施の形態1」の項で説明したところと全く同一の理由によって、これを解消できる。
前記「実施の形態1」の項,前記「実施の形態4」の項および前記「実施の形態5」の項での前述の説明では、蒸気タービン装置1,蒸気タービン装置1Aおよび蒸気タービン装置1Bに用いられるこの発明によるバランス型ベローズである筒状接続体は、筒状接続体2であるとしてきたが、これに限定されるものではなく、例えば、前記筒状接続体2Aまたは前記筒状接続体2Bであってもよい。
発明を実施するための最良の形態の項での前述の説明では、連結体用支持体36は,排気99の通流方向に関して柔軟性筒状部81の上流側に位置する上流側筒状部82の外周部に固着されて配設され、補償力用支持体34および34Aは,排気99の通流方向に関して柔軟性筒状部81の下流側に位置する下流側筒状部83の外周部に配設され、また、端板35は,補償力用支持体34または34Aが配設される下流側筒状部83の外周側となる部位であると共に,補償力用支持体34または34Aに対して上流側筒状部82が配設される側とは反対側となる方向に離れて配設されるとしてきたが、これに限定されるものではなく、例えば、連結体用支持体36は,排気99の通流方向に関して柔軟性筒状部81の下流側に位置する下流側筒状部83の外周部に固着されて配設され、補償力用支持体34および34Aは,排気99の通流方向に関して柔軟性筒状部81の上流側に位置する上流側筒状部82の外周部に配設され、また、端板35は,補償力用支持体34または34Aが配設される上流側筒状部82の外周側となる部位であると共に,補償力用支持体34または34Aに対して下流側筒状部83が配設される側とは反対側となる方向に離れて配設されることでもよい。また、発明の実施の形態の項における今までの説明では、筒状接続体2などの柔軟性筒状接続部8Aが有する柔軟性を持つ熱膨張差吸収用の筒状部である柔軟性筒状部81、および、補償力発生部3,補償力発生部4が有する柔軟性のある壁面を持つ補償力用筒状体である補償力用筒状体31,補償力用筒状体41としては、金属製のベローズが用いられるとしてきたが、これに限定されるものではなく、例えば、周知のダイアフラムにより柔軟性を持たせたものであってもよいものである。
この発明の実施の形態の一例による蒸気タービン装置を説明する説明図である。 図1におけるP部の拡大断面図である。 この発明の実施の形態の異なる例による蒸気タービン装置に用いられるバランス型ベローズである筒状接続体の要部の拡大断面図である。 この発明の実施の形態の異なる例による蒸気タービン装置に用いられるバランス型ベローズである筒状接続体の要部の拡大断面図である。 この発明の実施の形態の異なる例による蒸気タービン装置を説明する説明図である。 この発明の実施の形態のさらに異なる例による蒸気タービン装置を説明する説明図である。 従来例の蒸気タービン装置の概要を説明する説明図である。 従来の異なる例の蒸気タービン装置の概要を説明する説明図である。 従来の異なる例の蒸気タービン装置の概要を説明する説明図である。 従来のさらに異なる例の蒸気タービン装置の概要を説明する説明図である。
符号の説明
1 蒸気タービン装置
2 筒状接続体
3 補償力発生部
31 補償力用筒状体
32 筒状体
33 筒状体
34 補償力用支持体
35 端板
36 連結体用支持体
37 連結体
38 連通管
39 密閉空間
8A 柔軟性筒状接続部
81 柔軟性筒状部
82 上流側筒状部
83 下流側筒状部
99 排気

Claims (5)

  1. 高圧蒸気が供給される蒸気タービンと、この蒸気タービンが有するケーシングから排出される水蒸気を水に戻す復水器が収容された復水装置と、柔軟性のある壁面を持ち前記復水装置と前記ケーシングとの間を接続して前記水蒸気を復水装置に導く筒状接続体とを備える蒸気タービン装置において、
    前記筒状接続体は柔軟性のある壁面を持つ筒状部である熱膨張差吸収用の柔軟性筒状部と,この柔軟性筒状部の前記水蒸気の通流方向に関する上流側および下流側のそれぞれに接続される剛性のある壁面を持つ筒状部である剛性筒状部とを有して前記水蒸気を通流させる柔軟性筒状接続部と、この柔軟性筒状接続部に通流する前記水蒸気の圧力値が大気圧値とは異なることから前記剛性筒状部に加えられる差圧力をほぼ相殺させる補償力をこの剛性筒状部に与える補償力発生部を前記柔軟性筒状接続部の外周側となる部位に備えることを特徴とする蒸気タービン装置。
  2. 蒸気により駆動される高圧蒸気タービン,中圧蒸気タービンおよび低圧蒸気タービンと、柔軟性のある壁面を持つ筒状接続体を有して前記中圧蒸気タービンから排出される中圧排気である水蒸気を前記低圧蒸気タービンに導くクロスオーバー管とを備える蒸気タービン装置において、
    前記筒状接続体は柔軟性のある壁面を持つ筒状部である熱膨張差吸収用の柔軟性筒状部と,この柔軟性筒状部の前記水蒸気の通流方向に関する上流側および下流側のそれぞれに接続される剛性のある壁面を持つ筒状部である剛性筒状部とを有して前記水蒸気を通流させる柔軟性筒状接続部と、この柔軟性筒状接続部に通流する前記水蒸気の圧力値が大気圧値とは異なることから前記剛性筒状部に加えられる差圧力をほぼ相殺させる補償力をこの剛性筒状部に与える補償力発生部を前記柔軟性筒状接続部の外周側となる部位に備えることを特徴とする蒸気タービン装置。
  3. 請求項1または2に記載の蒸気タービン装置において、前記筒状接続体の前記補償力発生部は前記柔軟性筒状接続部の前記剛性筒状部の内の前記上流側に接続される上流側筒状部または前記下流側に接続される下流側筒状部のいずれか一方の外周部に固着されて配設される補償力用支持体と、この補償力用支持体が配設される前記剛性筒状部の外周側となる部位であると共に前記補償力用支持体に対してこの補償力用支持体が配設されない前記剛性筒状部が位置する側とは反対側となる方向に離れて配設された端板と、この端板と前記補償力用支持体との間に配設される柔軟性のある壁面を持つ複数の補償力用筒状体によって仕切られると共にこれ等の補償力用筒状体によって仕切られる部位の前記端板に投影される面積が前記剛性筒状部の前記水蒸気が通流する流路の面積とほぼ同等とされた密閉空間と、この密閉空間の内部空間と前記柔軟性筒状接続部の前記水蒸気が通流する流路とを連通させる連通管と、前記補償力用支持体が配設されない前記剛性筒状部の外周部に固着されて配設される連結体用支持体と、この連結体用支持体と前記端板とを互いに連結し合う剛性を持つ連結体とを備えることを特徴とする蒸気タービン装置。
  4. 請求項1または2に記載の蒸気タービン装置において、前記筒状接続体の前記補償力発生部は前記柔軟性筒状接続部の前記剛性筒状部の内の前記上流側に接続される上流側筒状部または前記下流側に接続される下流側筒状部のいずれか一方の外周部に固着されて配設される補償力用支持体と、前記柔軟性筒状接続部の外周側となる部位にこの柔軟性筒状接続部の外周を巡るようにしてその筒状の軸心を互いにほぼ平行させながらそれぞれの前記軸心がこの柔軟性筒状接続部の筒状の軸心に対してもほぼ平行されるように配設されると共に一方の端部がそれぞれに補償力用支持体に固着されてなる柔軟性のある壁面を持つ複数の補償力用筒状体と、これ等の複数の補償力用筒状体の前記補償力用支持体に固着される一方の端部とは反対側となる他方の端部をそれぞれに塞ぐ複数の端板と、これ等の端板と前記補償力用支持体との間にそれぞれに配設されることになる複数の前記補償力用筒状体によって仕切られると共にこの補償力用筒状体によって仕切られる部位の前記端板に投影される総面積が前記剛性筒状部の前記水蒸気が通流する流路の面積とほぼ同等とされた密閉空間と、前記端板のそれぞれにこの端板の前記密閉空間とは反対側となる面の側で一方の端部が固着されると共に他方の端部が前記補償力用支持体が配設されない前記剛性筒状部の外周部に固着される筒状に形成されてしかも剛性を持つ複数の筒状支持体とを備え、この筒状支持体の筒状であることによって有する孔はそれぞれの前記補償力用筒状体によって仕切られたそれぞれの前記密閉空間と筒状支持体の一方の端部で個別に連通されると共に,筒状支持体の他方の端部で前記補償力用支持体が配設されない前記剛性筒状部において前記柔軟性筒状接続部の前記水蒸気が通流する流路とも連通されることを特徴とする蒸気タービン装置。
  5. 請求項3または4に記載の蒸気タービン装置において、前記補償力発生部の前記補償力用支持体は前記密閉空間を仕切る柔軟性のある壁面を持つ前記補償力用筒状体の前記補償力用支持体に対する配設位置が、この補償力用支持体が固着されて配設される前記上流側筒状部または下流側筒状部のいずれか一方の前記剛性筒状部に対する配設位置に対して、前記補償力用支持体が配設されない前記剛性筒状部が位置する側に接近するようにずらされることを特徴とする蒸気タービン装置。
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