JP2008255742A - 乾式タイル及び乾式タイルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】自然な風合いを有する乾式タイルを、プレス工法で作製出来、隣接配置される他の乾式タイルとの位置精度を、緩和しても、仕上がりに違和感が無く、良好な外観品質を得られる乾式タイル及び乾式タイルの製造方法を提供する。
【解決手段】乾式タイル10は、ベースの杯土として、含水率が、7〜9%となるように、調整された基材が用いられていて、杯土12と異なる色彩の混合物としての黒色粒状体13を含有することにより、湿式タイルのような自然に近い風合いを、醸し出す疑似湿式タイル意匠を有する意匠面11aが、形成されている。
そして、プレス成型により、意匠面11aには、水平方向に直交する縦方向に沿って、複数の縦溝部C,C1,C2…が、異なる寸法の溝幅WC1,WCを有して、凹設形成され、縦溝部C,C1,C2…間に、異なる寸法の隆起幅WD1等が、形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、自然な風合いを有する乾式タイルで、特に、ベースの杯土の含水率が低くても、湿式タイルの質感を醸し出せる乾式タイル及び乾式タイルの製造方法に関するものである。
従来、図5に示すような窯業係外壁材1,1の端部1a,1b〜1g,1h同士の突き合わせ部分における合決り接合構造が知られている(例えば、特許文献1等参照。)。
このような従来の合決り接合構造では、窯業係外壁材1,1の端部1a,1b〜1g,1h同士の突き合わせ部分が、例えば、図中Cに示される一部面取り角度部が出来る端部1e,と、平坦面で面取り角度部が出来ない端部1fとを不規則的交互のランダムに配することにより、前記合決り接合部分A〜Dで、様々な形状の組み合わせとすることが出来る。
次に、この従来の合決り接合構造の作用効果について説明する。
このように構成された従来の合決り接合構造では、前記合決り接合部分A〜Dが、様々な形状の端部1a,1b〜1g,1hの組み合わせとなるので、合決り部の線状の突き合わせラインが、目立たなくなる。
また、他のこの種のタイル風外壁、サイディング外壁に関しての製造方法等も知られている(例えば、特許文献2,3,4,5等参照)。
更に、タイルの基材の材質が、「フライアッシュバルーン(中空発泡体)」であるものも知られている(例えば、特許文献6等参照)。
実用新案登録第3124090号公報(段落0007乃至0013、図1,図2,図3) 特許公開平07−247653号公報 特許公開平08−128165号公報 特許公開平11−336297号公報 特許公開2002−021290号公報 特許公開2006−016936号公報
しかしながら、このような従来の合決り接合構造では、ベースとなる杯土の含水率が、20〜25%と多い湿式タイルの製造方法では、プレス工法独自の制限から、凹凸の深さに制約を生じて、高精度の自然な風合いを有する乾式タイルを作製することが、困難であった。
また、乾式タイルでは、湿式タイルの持つ風合いと比較して、形状が簡素で、意匠面の仕上がりが、明確で無機質な硬さを感じる光沢を有するものとなってしまい、自然な風合いを醸し出すことが出来なかった。
更に、タイル外壁の接着貼工法においては、建物の壁面等の鉛直面に、接着材若しくはモルタル等で、圧着施工をした場合、その垂直基調から段差、ズレ等が目立ってしまうといった問題もあった。
そして、意匠面の仕上がりが、光沢を有すると、タイル表面のヒビ、欠けわれが目立ちやすく歩留まりが、良好であるとは言い難かった。
また、所望の寸法にカットした場合等に、カット小口が目立ってしまい、外観品質が良好でなくなる虞もあった。
さらに、複数枚の前記タイルを、規則的に一枚のパネル上に並べるパネル工法に、適用すると、隣接配置されるタイルの位置に視線が行くので、前記パネル同士も、高精度で設置する必要があった。
そこで、この発明は、自然な風合いを有する乾式タイルを、プレス工法で作製出来、隣接配置される他の乾式タイルとの位置精度を、緩和しても、仕上がりに違和感が無く、良好な外観品質を得られる乾式タイル及び乾式タイルの製造方法を提供することを課題としている。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、水平方向に長尺状を呈する平板形状の意匠面を有して、該水平方向に直交する縦方向に沿って、複数の縦溝部を凹設形成することにより、該縦溝部間に凸部を形成した乾式タイルであって、前記意匠面の側縁部には、前記隣接配置される凸部間で異なる傾斜角度を有するエッジ部が設けられていると共に、意匠面の前記凸部には、エグレ部が、不規則に形成されていて、前記縦溝部の溝幅及び前記凸部の隆起幅を相違させている乾式タイルを特徴としている。
また、請求項2に記載されたものは、前記意匠面には、シボ加工が施されて、光沢が除去されている請求項1記載の乾式タイルを特徴としている。
更に、請求項3に記載されたものは、前記意匠面には、基材となるベースの生地色と異なる色彩の混合物を含有することにより、疑似湿式タイル意匠面を構成する多彩フレックス処理が施されている請求項1又は2記載の乾式タイルを特徴としている。
そして、請求項4に記載されたものは、前記意匠面の角部は、面取り角R加工が施されている請求項1乃至3のうち、何れか一項記載の乾式タイルを特徴としている。
また、請求項5に記載されたものは、前記ベースの杯土の含水率を7〜9%とした請求項1乃至4のうち、何れか一項記載の乾式タイルを特徴としている。
このように構成された請求項1記載の乾式タイルでは、前記意匠面の側縁部に形成されたエッジ部が、隣接配置される凸部間で異なる傾斜角度を有するので、該乾式タイルに隣接配置される他の乾式タイルとの間の段差を視覚的に緩和させることができる。
また、前記隣接配置される凸部間で異なる傾斜角度を有するエッジ部が設けられていると共に、意匠面の前記凸部には、エグレ部が、隣接配置されていて、前記縦溝部の溝幅及び前記凸部の隆起幅を相違させている。
このため、陰影が、規則性を有すること無く、不均一なものとなり、隣接配置される他のタイルとの段差が、更に緩和される。
しかも、意匠面の前記凸部には、エグレ部が、不規則に形成されていて、前記意匠面の側縁部に形成された異なる傾斜角度を有するエッジ部と共に、意匠面のヒビ、欠け、われが目立ちにくく、歩留まりを向上させることが出来ると共に、自然の風合いを醸し出すことが出来る。
また、請求項2に記載されたものは、前記意匠面に施されたシボ加工によって、光沢が除去されている。
このため、更に、自然の風合いを醸し出すことが出来る。
更に、請求項3に記載されたものは、前記意匠面に施された多彩フレックス処理が、基材となるベースの生地色と異なる色彩の混合物を含有することにより、疑似湿式タイル意匠面が構成されている。
このため、意匠面が、多彩フレックス処理によって、異なる色彩の混合物を一部露出させて、疑似湿式タイル意匠面が構成されているので、更に、自然の風合いを醸し出すことができる。
そして、請求項4に記載されたものは、前記意匠面の角部に施された面取り角R加工によって、複数の乾式タイルを配列した際の規則感が緩和されて、より自然な風合いを醸し出すことができる。
また、請求項5に記載されたものは、前記ベースの杯土の含水率が7〜9%とされているので、プレス成型により、乾式タイルを成型する際にも、意匠面の精度を高精度なものとすることができる。
次に、図面に基づいて、この発明を実施するための最良の実施の形態の乾式タイル及び乾式タイルの製造方法について、説明する。なお、前記従来例と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
図1乃至図4は、この発明の実施の形態の実施例1の乾式タイル及び乾式タイルの製造方法を示している。
まず、この乾式タイルの構成から説明すると、この実施の形態では、複数枚の乾式タイル10…が、図3及び図4に示すように、一枚の外壁ボード9に、所定の間隙を置いて、目地部9a…を形成しながら、配列されている。
この乾式タイル10は、前記ベースの杯土として、含水率が、7〜9%となるように、調整された基材が用いられていて、図4に示すように、杯土12と異なる色彩の混合物としての黒色粒状体13を含有することにより、湿式タイルのような自然に近い風合いを、醸し出す疑似湿式タイル意匠を有する意匠面11aが、形成されている。
そして、図示省略の型枠内で、プレス成型されることにより、この乾式タイル10には、前記外壁ボード9に、略平坦な裏面側が接着された状態で、表面側の外側方に前記意匠面11aを有している。
この乾式タイル10は、建物外壁部への装着状態で、水平方向に長手方向を沿わせる長尺状を呈して、縦幅寸法Hを、水平方向寸法Lに比して、幅狭(H<L)とする平板形状を呈している。
この意匠面11aには、水平方向に直交する縦方向に沿って、複数の縦溝部C,C1,C2…が、凹設形成されることにより、これらの縦溝部C,C1,C2…間に、凸部D,D1,D2…が、形成されている。
この実施例1では、前記隣接配置される縦溝部C1,C2が、異なる寸法を有して、溝幅WC1,WC2等を相違させている。
また、これらの縦溝部C1,C2,C3間に形成されている、凸部D1,D2…が、異なる寸法を有して、隆起幅WD1,WD2及びWD3,WD4等を相違させている。
前記意匠面11の側縁部11a,11a及び11b,11bには、例えば、前記隣接配置される凸部D1,D2間で、異なる傾斜角度α1,α2を有するエッジ部14,15が設けられていると共に、意匠面11の前記各凸部D,D1〜,D4,D5には、複数のエグレ部E…が、不規則に凹設形成されている。
この実施例1では、図1に示すように、前記水平方向に隣接配置される各凸部D3〜D5には、水平方向に略同一位置となるように、前記エグレ部E1,E2,E3が、水平方向に直線状に連続形成されている。
更に、この実施例1では、前記意匠面11は、シボ加工Gが施されて、光沢が除去されている。
また、前記意匠面11の四隅に位置する角部11c…には、面取り角R加工F…が施されている。この実施例1では、曲率半径R=約2cmとなるように設定されている。
次に、この実施例1の乾式タイル及び乾式タイルの製造方法の作用効果について、説明する。
この実施例1では、前記乾式タイル10の意匠面11の側縁部11aに位置する凸部D1,D2の各端縁に形成されたエッジ部14,15が、図2に示すように、隣接配置される凸部D1,D2間で、異なる傾斜角度α1,α2を有していて、不規則側縁部A…が形成されている。
このため、前記乾式タイル10に隣接配置される他の乾式タイル10との間の段差Jに、相違する位置に形成される太陽光SUの陰影S14,S15によって、不規則感が与えられて、例えば、図2中二点鎖線で示す位置から、実線で示すように部分的に下げて、視覚的に緩和させることができる。
更に、この実施例1では、図2に示すように、前記隣接配置される凸部D1,D2間で異なる傾斜角度α1,α2を有するエッジ部14,15が、設けられていると共に、図1及び図4に示すように、意匠面11の前記凸部D,D1等には、エグレ部E,E1等が、隣接配置されていて、しかも、前記縦溝部C,C1,C2等の溝幅WC1,WC2及び前記凸部D,D1,D2の隆起幅WD1,WD2及びWD3,WD4を相違させている。
このため、更に、図2に示すように、陰影Sが、規則性を有すること無く、不均一なものとなり、隣接配置される他の乾式タイル10との段差Jが、更に緩和される。
しかも、意匠面11の前記凸部D,D1等には、図1に示すように、部分的なエグレ部E,E1等が、不規則に形成されている。
このため、前記意匠面の側縁部に形成された異なる傾斜角度を有するエッジ部と共に、凹凸の変化量が増大して、従来の平坦な凸部上面では、目立つといった問題があった意匠面11のヒビ、欠け、われが、目立ちにくく、歩留まりを向上させることが出来ると共に、自然の風合いを醸し出すことが出来る。
また、前記意匠面11には、略全面に渡りシボ加工Gが施されていて、光沢が除去されている。
このため、更に、自然の風合いを醸し出すことが出来る。
更に、図4に示すように、前記意匠面11に施された多彩フレックス処理が、基材となるベースの生地色(例えば、乳白色)と異なる色彩(例えば、黒色)の混合物である黒色粒状体13を含有することにより、疑似的に、湿式タイル意匠面と同等の外観品質を有する乾式タイルの意匠面11が構成されている。
このため、意匠面11が、多彩フレックス処理によって、異なる色彩の黒色粒状体13…混合物を一部露出させて、目視可能に前記意匠面11が構成されているので、更に、自然の風合いが醸し出されている。
そして、前記意匠面11の角部11c…に施された面取り角R加工によって、複数の乾式タイル10…が、図3に示すように、一定の間隔の目地部9a…を有して、配列された際にも、規則感が緩和されて、より自然な風合いを醸し出すことができる。
また、前記ベースの杯土の含水率が7〜9%とされているので、プレス成型により、乾式タイル10…が成型される際にも、型抜き時に欠落等の成型ミスが、発生しにくい。
このため、更に、前記エグレ部E,E1,E2,E3の凹凸深さや、エッジ部14,15の傾斜角度α1,α2の設定の自由度を向上させて、意匠面11を、更に、自然の風合いを醸し出すように、設定できる。
また、この実施例1では、図1に示すように、前記水平方向に隣接配置される各凸部D3〜D5には、水平方向に略同一位置となるように、前記エグレ部E1,E2,E3が、水平方向に直線状に連続形成されている。
このため、建物の外壁部に、この外壁ボード9が装着された状態で、各縦溝部C,C1,C2,C3…が、整列状態となっても、これらのエグレ部E1,E2,E3が、水平方向に直線状に連続形成されているため、あたかも横溝部が形成されているように、視覚的に認識されて、更に、自然な風合いを醸し出すことができる。
しかも、プレス成型により、乾式タイル10…が成型されるので、前記意匠面11の四隅に位置する角部11c…に、面取り角R加工F…が、曲率半径R=約2cmによって、容易に施される。このため、図3及び図4に示すように、規則的に前記乾式タイル10…を配列する際にも、寸法管理を容易に行うことができる。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態及び実施例1を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
即ち、前記実施の形態の実施例1では、乳白色のベースの杯土を用いて、意匠面11に、複数の異なる寸法の溝幅WC1,WC2を有する縦溝部C,C1,C2…が、凹設形成されることにより、これらの縦溝部C,C1,C2…間に、異なる寸法の隆起幅WD1,WD2及びWD3,WD4…を有する凸部D,D1,D2…が、形成されているが、特にこれに限らず、例えば、茶色若しくは灰色等他の色彩の杯土等を用いても良く、乾式タイル10の意匠面11の形状、数量及び材質が、特に限定されるものではない。
この発明の最良の実施の形態の実施例1の乾式タイル及び乾式タイルの製造方法で、タイルの意匠面を説明する正面図である。 実施の形態の実施例1の乾式タイル及び乾式タイルの製造方法で、(a)は、乾式タイルの凸部の傾斜角度の相違による陰影の変化を説明する模式的な部分斜視図、(b)は、(a)のP−P線に沿った位置での端面図である。 実施の形態の実施例1の乾式タイル及び乾式タイルの製造方法で、建物の外壁部に、乾式タイルを複数装着した外壁ボードを貼設した様子を示す斜視図である。 実施の形態の実施例1の乾式タイル及び乾式タイルの製造方法で、特にエグレ部を説明する乾式タイルの意匠面の正面図である。 従来例の乾式タイル及び乾式タイルの製造方法で、一対の窯業系外壁材の各部A〜Dにの断面図である。
符号の説明
9 外壁ボード
9a 目地部
10 乾式タイル(タイル)
11 意匠面
11a,11b 側縁部
11c… 角部
12 杯土(ベース)
13 黒色粒状体(多彩フレックス処理の混合物)
14 エッジ部
A… 不規則側縁部
C,C1,C2,C3 縦溝部
D,D1,D2,D3,D4,D5 凸部
E,E1,E2,E3 エグレ部
F 面取り角R加工
G シボ加工

Claims (5)

  1. 水平方向に長尺状を呈する平板形状の意匠面を有して、該水平方向に直交する縦方向に沿って、複数の縦溝部を凹設形成することにより、該縦溝部間に凸部を形成した乾式タイルであって、
    前記意匠面の側縁部には、前記隣接配置される凸部間で異なる傾斜角度を有するエッジ部が設けられていると共に、意匠面の前記凸部には、エグレ部が、不規則に形成されていて、前記縦溝部の溝幅及び前記凸部の隆起幅を相違させていることを特徴とする乾式タイル。
  2. 前記意匠面には、シボ加工が施されて、光沢が除去されていることを特徴とする請求項1記載の乾式タイル。
  3. 前記意匠面には、基材となるベースの生地色と異なる色彩の混合物を含有することにより、疑似湿式タイル意匠面を構成する多彩フレックス処理が施されていることを特徴とする請求項1又は2記載の乾式タイル。
  4. 前記意匠面の角部は、面取り角R加工が施されていることを特徴とする請求項1乃至3のうち、何れか一項記載の乾式タイル。
  5. 前記ベースの杯土の含水率を7〜9%としたことを特徴とする請求項1乃至4のうち、何れか一項記載の乾式タイル。
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