JP2008254669A - 車両制動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】乗員や作業者に大きな負担をかけることなく車両制動装置内に混入したエアを簡便に排出する技術を提供する。
【解決手段】液圧アクチュエータ18は、マスタシリンダおよび動力液圧源16からホイールシリンダ24への作動流体の供給が可能なように、マスタシリンダおよび動力液圧源16とホイールシリンダ24とを接続する。制御弁は、液圧供給流路に設けられ、マスタシリンダおよび動力液圧源16からホイールシリンダ24への作動流体の供給を制御する。ブレーキECU100は、動力液圧源16の駆動および制御弁の開閉を制御する。温度センサ104は、作動流体の温度と相関のある情報を検出する。ブレーキECU100は、温度センサ104が検出した温度が所定の値より大きい場合、動力液圧源16を駆動させるとともに動力液圧源16とリザーバ流路72とが連通するように制御弁の開閉を制御する。
【選択図】図1
【解決手段】液圧アクチュエータ18は、マスタシリンダおよび動力液圧源16からホイールシリンダ24への作動流体の供給が可能なように、マスタシリンダおよび動力液圧源16とホイールシリンダ24とを接続する。制御弁は、液圧供給流路に設けられ、マスタシリンダおよび動力液圧源16からホイールシリンダ24への作動流体の供給を制御する。ブレーキECU100は、動力液圧源16の駆動および制御弁の開閉を制御する。温度センサ104は、作動流体の温度と相関のある情報を検出する。ブレーキECU100は、温度センサ104が検出した温度が所定の値より大きい場合、動力液圧源16を駆動させるとともに動力液圧源16とリザーバ流路72とが連通するように制御弁の開閉を制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両に設けられた車輪に制動力を付与するブレーキシステムに関し、特に、ブレーキシステム内に混入したエアを排出する技術に関する。
従来、ブレーキペダルの操作量に応じた液圧を液圧回路内に発生させ、ホイールシリンダにその液圧回路内の液圧を供給することにより車両に設けられた車輪に制動力を付与する液圧制御装置が知られている。
このような液圧制御装置では、製造時に液圧回路内へブレーキフルードを供給する際にエアが混入したり、走行時にブレーキフルードが高温になった際に、ブレーキフルードに含まれている水分が沸騰することで液圧回路内でエアが発生したりすることがある。そのため、液圧回路内にエアが混入した場合、何らかの方法でエア抜きする必要がある。
例えば、特許文献1には、リザーバからサクションラインを経てポンプが汲み上げたブレーキフルードを、増圧弁およびサクションラインを経ることなく流れさせることにより、サクションラインおよびポンプ内のエアを、ブレーキシステム外へ排出することができる車両用ブレーキシステムが開示されている。
また、特許文献2には、増圧リニアバルブおよび減圧リニアバルブを開状態に切り換えるとともにポンプを駆動し、アキュムレータの作動液を液圧制御弁装置全体に循環させ減圧通路を経てリザーバに排出することでエアを排出するブレーキ装置が開示されている。
また、特許文献3には、ブリーダプラグとリザーバタンクとをリターンホースで接続し、ホイールシリンダ内のブレーキフルードをエンジンの作動を用いてリザーバ側へ循環させることでホイールシリンダ内のフルードをリザーバ側へ循環させ、エア抜きするエア抜き装置が開示されている。
特開2005−343297号公報
特開2005−145136号公報
特開2002−87243号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載の装置では、増圧バルブや減圧バルブで生じているエアを排出することはできるものの、増圧バルブと減圧バルブとの間から分岐されている配管と連結したブレーキシリンダで生じているエアを完全に排出することは困難である。また、特許文献3に記載のエア抜き装置では、制動時に用いる液圧回路の他に、ホイールシリンダ内のブレーキフルードをリザーバ側へ循環させるための流路が別途必要とされるため、省スペースを図りにくくなるとともに製造コストや部品コストの増大を招くこととなる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、乗員や作業者に大きな負担をかけることなく車両制動装置内に混入したエアを簡便に排出する技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の車両制動装置は、ブレーキ操作部材の操作に応じて液圧を発生させるマスタシリンダと、動力を用いて液圧を発生させる動力液圧源と、前記マスタシリンダおよび前記動力液圧源の少なくとも一方から作動流体の供給を受けて車輪に制動力を付与するホイールシリンダと、前記マスタシリンダおよび前記動力液圧源から前記ホイールシリンダへの作動流体の供給が可能なように、前記マスタシリンダおよび前記動力液圧源と前記ホイールシリンダとを接続する液圧供給流路と、前記液圧供給流路に設けられ、前記マスタシリンダおよび前記動力液圧源から前記ホイールシリンダへの作動流体の供給を制御する制御弁と、前記動力液圧源の駆動および前記制御弁の開閉を制御する制御部と、前記マスタシリンダおよび前記動力液圧源の少なくとも一方に作動流体を供給するとともに、前記ホイールシリンダで制動力の発生に利用された作動流体を回収するリザーバと、前記ホイールシリンダから前記リザーバへ回収される作動流体が流れる回収流路と、前記作動流体の温度と相関のある情報を検出する温度センサと、を備える。前記制御部は、前記温度センサが検出した情報に基づいて作動流体の温度を算出し該温度が所定の値より大きい場合、前記動力液圧源を駆動させるとともに該動力液圧源と前記回収流路とが連通するように前記制御弁の開閉を制御する。
一般的に、作動流体の液圧を用いて車両に制動力を付与する車両制動装置の場合、山地などのアップダウンの多い道路環境で繰り返し使用したり高速域で強い制動を行ったりすると、作動流体が高温となり気泡が発生する、いわゆるベーパーロック現象が起きる可能性がある。そこで、上述の態様によると、温度センサにより作動流体の温度と相関のある情報を検出することで、ベーパーロック現象が生じやすい状態か否かを間接的に推測することができる。そして、制御部は、温度センサで検出した情報から算出された作動流体の温度と所定の値とを比較し、作動流体の温度が所定の値より大きい場合、液圧供給流路を含む作動流体が流れる流路で気泡(エア)が発生している可能性が高いと判定することができる。このような場合、制御部は、動力液圧源を駆動させるとともに動力液圧源と回収流路とが連通するように制御弁の開閉を制御する。これにより、動力液圧源で発生した液圧により、作動流体が液圧供給流路から回収流路を経由してリザーバに回収されるため、気泡も一緒にリザーバに排出される。そのため、乗員や作業者に大きな負担をかけることなく車両制動装置内に混入したエアを簡便に排出することができる。
前記温度センサは、ホイールシリンダにおける作動流体の温度と相関のある情報を検出してもよい。一般的に、ホイールシリンダでは、制動が行われる際のロータとパッドとの摩擦により作動流体の温度が比較的高くなる傾向があり、他の箇所と比較してエアを生じやすい。そのため、温度センサがホイールシリンダにおける作動流体の温度と相関のある情報を検出することで、より精度の高いエア混入判定をすることができる。
前記ホイールシリンダは、前記液圧供給流路と接続されている第1接続部と、前記回収流路と接続されている第2接続部とを有してもよい。これにより、液圧供給流路から第1接続部を介してホイールシリンダへ流入した作動流体は、第1接続部とは異なる第2接続部から回収流路へ流出することができる。そのため、ホイールシリンダへの作動流体の流入路とホイールシリンダからの作動流体の流出路が一つの流路で共用されている場合と比較して、それまでホイールシリンダ内にあった作動流体をエアとともに確実に回収流路に排出することができる。
前記制御弁は、前記ホイールシリンダにおける作動流体の液圧を保持する保持弁と、前記ホイールシリンダにおける作動流体の液圧を減圧する減圧弁と、を含んでもよい。前記減圧弁は、前記第2接続部と前記回収流路との間に設けられていてもよい。これにより、車両制動装置は、例えば、動力液圧源としてポンプを用い、保持弁と減圧弁の開閉状態を制御することでポンプで発生する油圧を調圧しタイヤのロックを回避するいわゆるアンチロックブレーキシステム(ABS)を備えることもできる。また、このような車両制動装置は、ホイールシリンダからエアを排出する際にホイールシリンダと回収流路とを連通させるためのエア排出用の弁として減圧弁を用いることができる。
本発明によれば、乗員や作業者に大きな負担をかけることなく車両制動装置内に混入したエアを簡便に排出することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る車両制動装置10を示す系統図である。図1に示される車両制動装置10は、ABSおよびブレーキアシスト機能を備えており、車両に設けられた4つの車輪に付与される制動力を制御する。
図1は、第1の実施の形態に係る車両制動装置10を示す系統図である。図1に示される車両制動装置10は、ABSおよびブレーキアシスト機能を備えており、車両に設けられた4つの車輪に付与される制動力を制御する。
車両制動装置10は、図1に示されるように、各車輪に対応して設けられたディスクブレーキユニット12FR,12FL,12RR,12RLと、マスタシリンダユニット14と、動力液圧源16と、液圧アクチュエータ18とを含む。
ディスクブレーキユニット12FR,12FL,12RRおよび12RLは、車両の右前輪、左前輪、右後輪、および左後輪のそれぞれに制動力を付与する。本実施の形態では、通常、前輪の方が後輪よりも制動力配分が大きく設定されている。マニュアル液圧源としてのマスタシリンダユニット14は、ブレーキ操作部材としてのブレーキペダル20の運転者による操作量に応じて液圧を発生し、加圧されたブレーキフルードをディスクブレーキユニット12FR〜12RLに対して送出する。
動力液圧源16は、動力の供給により液圧を発生し、加圧された作動流体としてのブレーキフルードを、運転者によるブレーキペダル20の操作から独立してディスクブレーキユニット12FR〜12RLに対して送出することが可能である。液圧アクチュエータ18は、動力液圧源16またはマスタシリンダユニット14から供給されたブレーキフルードの液圧を適宜調整してディスクブレーキユニット12FR〜12RLに送出する。これにより、液圧制動による各車輪に対する制動力が調整される。
ディスクブレーキユニット12FR〜12RL、マスタシリンダユニット14、動力液圧源16、および液圧アクチュエータ18のそれぞれについて以下で更に詳しく説明する。各ディスクブレーキユニット12FR〜12RLは、それぞれブレーキディスク22とブレーキキャリパに内蔵されたホイールシリンダ24FR〜24RLを含む。そして、各ホイールシリンダ24FR〜24RLは、それぞれ異なる流体通路を介して液圧アクチュエータ18に接続されている。なお以下では適宜、ホイールシリンダ24FR〜24RLを総称して「ホイールシリンダ24」という。
ディスクブレーキユニット12FR〜12RLにおいては、ホイールシリンダ24に液圧アクチュエータ18からブレーキフルードが供給されると、車輪とともに回転するブレーキディスク22に摩擦部材としてのブレーキパッドが押し付けられる。これにより、各車輪に制動力が付与される。なお、本実施の形態においてはディスクブレーキユニット12FR〜12RLを用いているが、例えばドラムブレーキ等のホイールシリンダを含む他の制動力付与機構を用いてもよい。
マスタシリンダユニット14は、本実施の形態では液圧ブースタ付きマスタシリンダであり、液圧ブースタ26、マスタシリンダ28、およびリザーバ30を含む。液圧ブースタ26は、ブレーキペダル20に連結されており、ブレーキペダル20に加えられたペダル踏力を増幅してマスタシリンダ28に伝達する。そして、マスタシリンダ28は、ペダル踏力に対して所定の倍力比を有するマスタシリンダ圧を発生する。
マスタシリンダ28の上部には、ブレーキフルードを貯留するリザーバ30が配置されている。マスタシリンダ28は、ブレーキペダル20の踏み込みが解除されているときにリザーバ30と連通する。つまり、リザーバ30は、マスタシリンダ28にブレーキフルードを供給することになる。動力液圧源16は、ポンプ32を含む。ポンプ32は、駆動源としてモータ34を有し、その吸込側がポンプ配管35に接続されている。つまり、リザーバ30は、ポンプ32に作動流体を供給することになる。なお、本実施の形態に係る動力液圧源16は、ディスクブレーキユニット12FR,12FLと連通しているフロント側ポンプ流路36、および、ディスクブレーキユニット12RR,12RLと連通しているリヤ側ポンプ流路38にそれぞれ設けられているが、液圧アクチュエータ18の外部に配置してもよい。
上述のように、車両制動装置10は、ホイールシリンダ24に対するブレーキフルードの供給源として、マスタシリンダ28、ポンプ32を有している。そして、マスタシリンダ28の第1マスタシリンダ室28aには第1マスタ配管40が、第2マスタシリンダ室28bには第2マスタ配管42がそれぞれ接続されている。これらのポンプ配管35、第1マスタ配管40および第2マスタ配管42は、それぞれ液圧アクチュエータ18に接続されている。
液圧アクチュエータ18は、マスタシリンダ28および動力液圧源16からホイールシリンダ24へのブレーキフルードの供給が可能なように、マスタシリンダ28および動力液圧源16とホイールシリンダ24とを接続する液圧供給流路と、液圧供給流路に設けられ、マスタシリンダ28および動力液圧源16からホイールシリンダ24へのブレーキフルードの供給を制御する複数の電磁制御弁を含む。
アクチュエータブロックに形成された液圧供給流路には、個別流路44、46,48,50が含まれる。個別流路44,46,48,50は、対応するディスクブレーキユニット12FR、12FL,12RR,12RLのホイールシリンダ24FR、24FL,24RR,24RLの第1接続部52にそれぞれ接続されている。これにより、各ホイールシリンダ24は、マスタシリンダ28と動力液圧源16と連通可能となる。つまり、ホイールシリンダ24は、マスタシリンダ28および動力液圧源16の少なくとも一方からブレーキフルードの供給を受けて車輪に制動力を付与することができる。
また、個別流路44,46,48,50の中途には、ABS保持弁54,56,58,60が設けられている。各ABS保持弁54,56,58,60は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングをそれぞれ有しており、いずれもソレノイドが非通電状態にある場合に開とされる常開型電磁制御弁である。開状態とされた各ABS保持弁54,56,58,60は、ブレーキフルードを双方向に流通させることができる。つまり、マスタシリンダ28側からホイールシリンダ24へとブレーキフルードを流すことができるとともに、逆にホイールシリンダ24からマスタシリンダ28側へもブレーキフルードを流すことができる。ソレノイドに通電されて各ABS保持弁54,56,58,60が閉弁されると、個別流路44,46,48,50におけるブレーキフルードの流通は遮断される。
さらに、各ホイールシリンダ24は、第2接続部62にそれぞれ接続された減圧用流路64,66,68,70を介して、リザーバ流路72に接続されている。リザーバ流路72は、ホイールシリンダ24で制動力の発生に利用されたブレーキフルードがリザーバ30へ回収される際に流れる回収流路として機能する。減圧用流路64,66,68,70の中途には、ABS減圧弁74,76,78,80が設けられている。各ABS減圧弁74,76,78,80は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングをそれぞれ有しており、いずれもソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。
各ABS減圧弁74,76,78,80が閉状態であるときには、減圧用流路64,66,68,70におけるブレーキフルードの流通は遮断される。ソレノイドに通電されて各ABS減圧弁74,76,78,80が開弁されると、減圧用流路64,66,68,70におけるブレーキフルードの流通が許容され、ブレーキフルードがホイールシリンダ24から減圧用流路64,66,68,70およびリザーバ流路72を介してリザーバ30へと還流する。なお、リザーバ流路72は、リザーバ配管82を介してマスタシリンダユニット14のリザーバ30に接続されている。本実施の形態に係る車両制動装置10は、ホイールシリンダ24FR,24FLと連通しているリザーバ流路72と、ホイールシリンダ24RR,24RLと連通しているリザーバ流路72とが別々に設けられているが、すべてのホイールシリンダ24と連通している一つのリザーバ流路72を設けてもよい。
また、液圧アクチュエータ18において、個別流路44および46と接続される第1主流路83aと、個別流路48および50と接続される第2主流路83bとが形成されている。さらに、液圧アクチュエータ18において、第1主流路83aと連通する第1マスタ流路84および第2主流路83bと連通する第2マスタ流路86が形成されている。より詳細には、第1マスタ流路84は、第1主流路83aに接続されており、第2マスタ流路86は、第2主流路83bに接続されている。また、第1マスタ流路84は、第1マスタシリンダ室28aと連通する第1マスタ配管40に接続される。第2マスタ流路86は、第2マスタシリンダ室28bと連通する第2マスタ配管42に接続される。つまり、第1主流路83aは、個別流路44および46を介して前輪側のホイールシリンダ24FRおよび24FLに接続され、第2主流路83bは、個別流路48および50を介して後輪側のホイールシリンダ24RRおよび24RLに接続されている。
第1マスタ流路84は、中途にマスタカット弁88を有する。マスタカット弁88は、マスタシリンダ28からホイールシリンダ24FR,24FLへのブレーキフルードの供給系路上に設けられている。マスタカット弁88は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、規定の制御電流の供給を受けてソレノイドが発生させる電磁力により閉弁状態が保証され、ソレノイドが非通電状態にある場合に開とされる常開型電磁制御弁である。開状態とされたマスタカット弁88は、マスタシリンダ28と第1主流路83aとの間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。ソレノイドに規定の制御電流が通電されてマスタカット弁88が閉弁されると、第1マスタ流路84におけるブレーキフルードの流通は遮断される。
第2マスタ流路86は、中途にマスタカット弁90を有する。マスタカット弁90は、マスタシリンダ28からホイールシリンダ24RR,24RLへのブレーキフルードの供給系路上に設けられている。マスタカット弁90も、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、規定の制御電流の供給を受けてソレノイドが発生させる電磁力により閉弁状態が保証され、ソレノイドが非通電状態にある場合に開とされる常開型電磁制御弁である。開状態とされたマスタカット弁90は、マスタシリンダ28と第2主流路83bとの間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。ソレノイドに規定の制御電流が通電されてマスタカット弁90が閉弁されると、第2マスタ流路86におけるブレーキフルードの流通は遮断される。
フロント側ポンプ流路36は、第1マスタ流路84のマスタカット弁88よりホイールシリンダ24側に接続されているとともに、ポンプ32よりリザーバ30側に電磁制御弁92が設けられている。電磁制御弁92は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、規定の制御電流の供給を受けてソレノイドが発生させる電磁力により開弁状態が保証され、ソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。ソレノイドに規定の制御電流が通電されて開状態とされた電磁制御弁92は、リザーバ30と第1主流路83aとの間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。
また、リヤ側ポンプ流路38は、第2マスタ流路86のマスタカット弁90よりホイールシリンダ24側に接続されているとともに、ポンプ32よりリザーバ30側に電磁制御弁94が設けられている。電磁制御弁94は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、規定の制御電流の供給を受けてソレノイドが発生させる電磁力により開弁状態が保証され、ソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。ソレノイドに規定の制御電流が通電されて開状態とされた電磁制御弁94は、リザーバ30と第2主流路83bとの間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。
車両制動装置10において、動力液圧源16および液圧アクチュエータ18は、本実施の形態における制御部としてのブレーキECU100により制御される。ブレーキECU100は、CPUを含むマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に各種プログラムを記憶するROM、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポートおよび通信ポート等を備える。そして、ブレーキECU100は、他のECUからの制御信号や、各種センサからの信号に基づいて動力液圧源16のポンプ32や、液圧アクチュエータ18を構成するABS保持弁54,56,58,60、ABS減圧弁74,76,78,80、マスタカット弁88,90、電磁制御弁92,94などを制御する。
図2は、本実施の形態に係る車両制動装置10の制御ブロック図である。ブレーキECU100には、M/C圧センサ(マスタシリンダ圧センサ)98、ブレーキペダル20に設けられたストロークセンサ25、各ディスクブレーキユニット12FR〜12RLに設けられた車輪速センサ102FR〜102RL(以下、適宜「車輪速センサ102」という)、ホイールシリンダ24における作動流体の温度と相関のある情報を検出する温度センサ104が接続されている。
M/C圧センサ98は、図1に示すように、マスタカット弁90の上流側で第2マスタ流路86内のブレーキフルードの圧力、すなわちマスタシリンダ圧を検知し、検知した値を示す信号をブレーキECU100に与える。M/C圧センサ98の検出値は、所定時間おきにブレーキECU100に順次与えられ、ブレーキECU100の所定の記憶領域に所定量ずつ格納保持される。
ストロークセンサ25は、ブレーキペダル20の操作量としてのペダルストロークを検知し、検知した値を示す信号をブレーキECU100に与える。ストロークセンサ25の出力値も、所定時間おきにブレーキECU100に順次与えられ、ブレーキECU100の所定の記憶領域に所定量ずつ格納保持される。なお、ストロークセンサ25以外のブレーキ操作状態検出手段をストロークセンサ25に加えて、あるいは、ストロークセンサ25に代えて設け、ブレーキECU100に接続してもよい。ブレーキ操作状態検出手段としては、例えば、ブレーキペダル20の操作力を検出するペダル踏力センサや、ブレーキペダル20が踏み込まれたことを検出するブレーキスイッチなどがある。
各車輪速センサ102は、対応する車輪の回転速度すなわち車輪速度と回転方向とを示す信号をECU100に与える。
ブレーキECU100は、図2に示すように、車速取得部110、加速度取得部112、弁制御部114、ABS制御部116、ポンプ制御部118、エア抜き制御部120を含む。車速取得部110は、各車輪速センサ102の検出値に基づいて車両の推定速度および各車輪速を取得する。加速度取得部112は、各車輪速センサ102の検出値に基づいて車両や車輪の加速度を算出する。
弁制御部114は、ABS保持弁54,56,58,60、ABS減圧弁74,76,78,80、マスタカット弁88,90、電磁制御弁92,94を制御する。ABS制御部116は、動力液圧源16としてポンプ32を制御し、車輪のスリップ率に基づき弁制御部114と協働してABS保持弁54,56,58,60、および、ABS減圧弁74,76,78,80の開閉制御を行い、車輪と路面のスリップ率を最適な制動力と操舵性・方向安定性を同時に確保できる範囲にコントロールする。ポンプ制御部118は、弁制御部114の制御状態に応じて、モータ34を駆動してマスタシリンダユニット14が十分な液圧を発生できるようにブレーキフルードを第1主流路83a、第2主流路83bに送出させる。
(エア抜き制御)
次に、車両制動装置10におけるエア抜き制御について説明する。本実施の形態に係る車両制動装置10は、上述のようにブレーキフルードがマスタシリンダ28からホイールシリンダ24に供給される流路とは別に、ホイールシリンダ24からリザーバ30へブレーキフルードを回収する回収流路を設けている。そのため、エア抜きが必要な場合であっても、エア抜きのためにフルードを交換したり、作業者の手作業によるエア抜きを行ったりせずに簡便にエアを排出することができる。以下に、このようなエア抜き制御が行われる場合について具体的に説明する。
次に、車両制動装置10におけるエア抜き制御について説明する。本実施の形態に係る車両制動装置10は、上述のようにブレーキフルードがマスタシリンダ28からホイールシリンダ24に供給される流路とは別に、ホイールシリンダ24からリザーバ30へブレーキフルードを回収する回収流路を設けている。そのため、エア抜きが必要な場合であっても、エア抜きのためにフルードを交換したり、作業者の手作業によるエア抜きを行ったりせずに簡便にエアを排出することができる。以下に、このようなエア抜き制御が行われる場合について具体的に説明する。
図3は、第1の実施の形態に係るエア抜き制御の一例を示したフローチャートである。所定のタイミングで図3に示す処理が開始されると、ブレーキECU100は、図2に示すイグニッションスイッチ(以下、「IGスイッチ」という)106からの信号に基づいて、IGがOFF状態となっているか否かを判定する(S10)。
IGがOFF状態の場合(S10のYes)、ブレーキECU100は、車輪速センサ102からの信号に基づいて車速を算出し、車速が20km/h未満か否かを判定する(S12)。車速が20km/h以上の場合(S12のNo)、エア抜き制御を行わずにこの処理を終了する。車速が20km/h未満の場合(S12のYes)、ブレーキECU100は、ストロークセンサ25やストップランプスイッチ(不図示)などの信号に基づいてブレーキ操作が行われているか否かを判定する(S14)。ブレーキ操作が行われている場合(S14のNo)、エア抜き制御を実行せずにこの処理を終了する。これにより、IGがOFF状態であるにもかかわらず、ブレーキ操作の必要な速度で車両が走行している場合やブレーキ操作が行われている場合には、後述するエア抜き制御が実行されないようにすることができる。
ブレーキ操作がOFFの場合(S14のYes)、ブレーキECU100は、ポンプ制御部118によりポンプ電源をONにしモータ34の駆動を開始し(S16)、弁制御部114により液圧アクチュエータ18の各弁を制御して、エア抜き制御を開始する(S18)。なお、IGスイッチ106や車速、ブレーキ操作の信号に基づく判定の代わりに、ドアの開閉スイッチやフロアセンサからの信号に基づいて乗員が降車したか否かを判定し、以下のエア抜き制御を行ってもよい。
図4は、第1の実施の形態に係る車両制動装置10のエア抜き制御時のブレーキフルードの流れを示す系統図である。S18においてエア抜き制御が開始されると、弁制御部114により、ABS保持弁54,56,58,60、ABS減圧弁74,76,78,80、電磁制御弁92,94が図4に示すように開弁され、駆動されたポンプ32で発生した液圧によりブレーキフルードが矢印のように循環し、液圧アクチュエータ18やホイールシリンダ24のブレーキフルードがリザーバ流路72を経由してリザーバ30に回収される。これにより、液圧アクチュエータ18やホイールシリンダ24にエアが発生していても、ブレーキフルードとともにより確実にリザーバ30にエアを排出することができ、乗員や作業者に大きな負担をかけることなく車両制動装置内に混入したエアを簡便に排出することができる。
また、一般的に、ブレーキフルードの液圧を用いて車両に制動力を付与する車両制動装置10のような場合、山地などのアップダウンの多い道路環境で繰り返し使用したり高速域で強い制動を行ったりすると、ブレーキフルードが高温となり気泡が発生する、いわゆるベーパーロック現象が起きる可能性がある。このような場合、車両を使用中であってもなるべく早いタイミングでエア抜き制御を実行することで、その後の制動精度を向上することができる。
そこで、本実施の形態に係る車両制動装置10は、温度センサ104によりブレーキフルードの温度と相関のある情報を検出することで、ベーパーロック現象が生じやすい状態か否かを間接的に推測し、IGがON状態であっても適切なタイミングでエア抜き制御をすることができる。
具体的には、図3に示す処理において、例えば、車両が使用中のようにIGがOFF状態でないと判定された場合(S10のNo)、ブレーキECU100は、車輪速センサ102からの信号に基づいて車速を算出し、車速が20km/h未満か否かを判定する(S20)。車速が20km/h以上の場合(S20のNo)、エア抜き制御を行わずにこの処理を終了する。車速が20km/h未満の場合(S20のYes)、ブレーキECU100は、ストロークセンサ25やストップランプスイッチ(不図示)などの信号に基づいてブレーキ操作が行われているか否かを判定する(S22)。ブレーキ操作が行われている場合(S22のNo)、エア抜き制御を実行せずにこの処理を終了する。
ブレーキ操作がOFFの場合(S22のYes)、ブレーキECU100のエア抜き制御部120は、温度取得部122にて、温度センサ104で検出した情報からブレーキフルードの温度を算出する。そして、エア混入判定部124は、算出されたブレーキフルードの温度と所定の値とを比較し、算出したホイールシリンダにおけるブレーキフルードの温度が180℃より高いか否かを判定する(S24)。なお、本実施の形態に係る温度センサ104は、ホイールシリンダ24近傍に設けられている。一般的に、ホイールシリンダ24では、制動が行われる際のロータとパッドとの摩擦によりブレーキフルードの温度が比較的高くなる傾向があり、他の箇所と比較してエアを生じやすい。そのため、温度センサ104がホイールシリンダにおける作動流体の温度と相関のある情報を検出することで、より精度の高いエア混入判定をすることができる。
ブレーキフルードの温度が180℃以下の場合、エア混入判定部124は、液圧アクチュエータ18やホイールシリンダ24を含むブレーキフルードが流れる流路で気泡(エア)が発生している可能性は低いと判定し(S24のNo)、ブレーキECU100は、エア抜き制御を実行せずにこの処理を終了する。
一方、ブレーキフルードの温度が180℃より高い場合、エア混入判定部124は、液圧アクチュエータ18やホイールシリンダ24を含むブレーキフルードが流れる流路で気泡(エア)が発生している可能性が高いと判定する(S24のYes)。そして、S18で説明した処理と同様に、ブレーキECU100は、動力液圧源16を駆動させるとともに動力液圧源16とリザーバ流路72とが連通するように、弁制御部114により、ABS保持弁54,56,58,60、ABS減圧弁74,76,78,80、電磁制御弁92,94の開閉を制御し、エア抜き制御をする(S26)。
これにより、ディスクブレーキユニット12に厳しい使用状態によりホイールシリンダ24にエアが発生しても、車両を使用しながら制動に影響のないタイミングで、ブレーキフルードとともにエアをより確実にリザーバに排出することができ、乗員や作業者に大きな負担をかけることなく車両制動装置内に混入しているエアを簡便に排出することができる。
また、本実施の形態に係るホイールシリンダ24は、液圧供給流路を構成する液圧アクチュエータ18と接続されている第1接続部52と、リザーバ流路72と接続されている第2接続部62とを有している。これにより、液圧アクチュエータ18から第1接続部52を介してホイールシリンダ24へ流入したブレーキフルードは、第1接続部52とは異なる第2接続部62からリザーバ流路72へ流出することができる。そのため、ホイールシリンダ24へのブレーキフルードの流入路とホイールシリンダ24からの作動流体の流出路が一つの流路で共用されている場合と比較して、それまでホイールシリンダ24内にあったブレーキフルードをエアとともに確実に回収流路に排出することができる。
また、本実施の形態に係る車両制動装置10は、動力液圧源16としてポンプ32を用い、ABS保持弁54,56,58,60、および、ABS減圧弁74,76,78,80の開閉状態を制御することでポンプ32で発生する液圧を調圧し、タイヤのロックを回避するいわゆるアンチロックブレーキシステム(ABS)を備えている。ABS減圧弁74,76,78,80は、第2接続部62とリザーバ流路72との間に設けられている。そのため、上述のエア抜き制御において、ホイールシリンダ24からエアを排出する際にホイールシリンダ24とリザーバ流路72とを連通させるためのエア排出用の弁として、ABS減圧弁74,76,78,80を用いることで、エア排出用に新たな弁を設ける必要がなく簡易な構成の車両制動装置を提供することができる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る車両制動装置は、第1の実施の形態に係る車両制動装置10と同様であり、ストロークセンサ25とM/C圧センサ98との情報に基づいてエアの混入が検出された場合に、第1の実施の形態で説明したエア抜き制御をする。なお、以下の説明では、第1の実施の形態に係る車両制動装置10を例に用い、第1の実施の形態と同様の内容については、適宜説明を省略する。
第2の実施の形態に係る車両制動装置は、第1の実施の形態に係る車両制動装置10と同様であり、ストロークセンサ25とM/C圧センサ98との情報に基づいてエアの混入が検出された場合に、第1の実施の形態で説明したエア抜き制御をする。なお、以下の説明では、第1の実施の形態に係る車両制動装置10を例に用い、第1の実施の形態と同様の内容については、適宜説明を省略する。
液圧アクチュエータ18やホイールシリンダ24にエアが混入している場合、エアが混入していない場合と比較して、所定の制動力が発揮されるM/C圧に到達するために必要なブレーキペダル20のストローク量が多くなる。そこで、ブレーキECU100は、M/C圧センサ98が検出したM/C圧が所定の値となった場合に、ストロークセンサ25により検出したブレーキペダル20のストローク量を所定の閾値と比較する。
ブレーキECU100のエア混入判定部124は、検出したストローク量が所定の閾値を超えている場合、エアが混入していると判定し、上述のエア抜き制御をする。一方、検出したストローク量が所定の閾値以下の場合、エアが混入していないと判定し、上述のエア抜き制御は行わない。なお、エア抜き制御をするタイミングは、図3に示すように、車速が20km/h未満で、ブレーキ操作が行われていないタイミングである。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態に係る車両制動装置は、第1の実施の形態に係る車両制動装置10と同様であり、ホイールシリンダ24近傍に設けられた温度センサ104や、不図示の外気温センサなどの情報に基づいて、ブレーキフルードを循環させることで、ブレーキフルードの流れをよくすることができる。本実施の形態に係る車両制動装置は、ブレーキフルードを循環させるために、第1の実施の形態で説明したエア抜き制御と同様なポンプの駆動や弁の制御をする。
第3の実施の形態に係る車両制動装置は、第1の実施の形態に係る車両制動装置10と同様であり、ホイールシリンダ24近傍に設けられた温度センサ104や、不図示の外気温センサなどの情報に基づいて、ブレーキフルードを循環させることで、ブレーキフルードの流れをよくすることができる。本実施の形態に係る車両制動装置は、ブレーキフルードを循環させるために、第1の実施の形態で説明したエア抜き制御と同様なポンプの駆動や弁の制御をする。
寒冷地などで車両が長時間駐車されている場合、ブレーキフルードはその温度が低下し粘度が増している。そのため、そのような車両の使用開始直後は、ブレーキフィーリングが通常とは異なっている場合がある。そこで、本実施の形態に係る車両制動装置では、ブレーキフルードが冷えているような環境が検出された場合、第1の実施の形態で説明したエア抜き制御と同様のブレーキフルード環流制御が行われる。なお、以下の説明では、第1の実施の形態に係る車両制動装置10を例に用い、第1の実施の形態と同様の内容については、適宜説明を省略する。
図5は、第3の実施の形態に係るブレーキフルード環流制御の一例を示したフローチャートである。所定のタイミングで図5に示す処理が開始されると、ブレーキECU100は、乗車が開始されているか否かを判定する(S30)。乗車が開始されているか否かの判定は、例えば、ドアの開閉スイッチからの信号や、車両内のフロアセンサからの信号に基づいて行うとよい。これにより、IGスイッチをON状態にするより早くブレーキフルードの環流制御を開始することができる。
乗車が開始されていないと判定された場合(S30のNo)、ブレーキフルード循環制御を実行せずにこの処理を終了する。乗車が開始されていると判定された場合(S30のYes)、ブレーキECU100は、ポンプ制御部118によりポンプ電源をONにしモータ34の駆動を開始する(S32)。
次に、ブレーキECU100は、車輪速センサ102からの信号に基づいて車速を算出し、車速が20km/h未満か否かを判定する(S34)。車速が20km/h以上の場合(S34のNo)、ブレーキフルード循環制御を行わずにこの処理を終了する。車速が20km/h未満の場合(S34のYes)、ブレーキECU100は、ストロークセンサ25やストップランプスイッチ(不図示)などの信号に基づいてブレーキ操作が行われているか否かを判定する(S36)。ブレーキ操作が行われている場合(S36のNo)、ブレーキフルード循環制御を実行せずにこの処理を終了する。
ブレーキ操作がOFFの場合(S36のYes)、ブレーキECU100のエア抜き制御部120は、温度取得部122にて、温度センサ104で検出した情報からブレーキフルードの温度を算出する。そして、エア混入判定部124は、算出されたブレーキフルードの温度と所定の値とを比較し、算出したホイールシリンダにおけるブレーキフルードの温度が−10℃未満か否かを判定する(S38)。なお、本実施の形態に係るエア抜き制御部120は、ブレーキフルードの循環を制御するブレーキフルード循環制御部として機能するが、ブレーキECU100はブレーキフルード循環制御部を別に備えていてもよい。また、本実施の形態に係るエア混入判定部124は、ブレーキフルードの循環が必要な条件であるか否かを判定するブレーキフルード循環判定部として機能するが、ブレーキECU100はブレーキフルード循環判定部を別に備えていてもよい。
ブレーキフルードの温度が−10℃以下の場合、エア混入判定部124は、液圧アクチュエータ18やホイールシリンダ24におけるブレーキフルードの粘度は高くなく、車両使用開始直後の制動時にブレーキフィーリングの変動が生じる可能性は低いと判定し(S38のNo)、ブレーキECU100は、ブレーキフルード循環制御を実行せずにこの処理を終了する。
一方、ブレーキフルードの温度が−10℃未満の場合、エア混入判定部124は、液圧アクチュエータ18やホイールシリンダ24におけるブレーキフルードの粘度が高く、車両使用開始直後の制動時にブレーキフィーリングの変動が生じている可能性が高いと判定する(S38のYes)。そして、第1の実施の形態で説明したエア抜き制御と同様に、ブレーキECU100は、動力液圧源16を駆動させるとともに動力液圧源16とリザーバ流路72とが連通するように、弁制御部114により、ABS保持弁54,56,58,60、ABS減圧弁74,76,78,80、電磁制御弁92,94の開閉を制御し、ブレーキフルード循環制御を行う(S40)。
これにより、寒冷地などで車両が長時間駐車されブレーキフルードの粘度が高くなっている場合であっても、前もってブレーキフルードを循環させ粘度を下げることで、車両使用開始直後の制動時におけるブレーキフィーリングの悪化を抑制することができる。
(第4の実施の形態)
図6は、第4の実施の形態に係る車両制動装置210を示す系統図である。第4の実施の形態に係る車両制動装置210は、第1の実施の形態に係る車両制動装置10と異なり、ホイールシリンダ24の下流に、ABS減圧弁とは別にブレーキフルードを循環させる際に開閉する制御弁を設けている。なお、以下の説明では、第1の実施の形態に係る車両制動装置10と同様の構成については、適宜説明を省略する。
図6は、第4の実施の形態に係る車両制動装置210を示す系統図である。第4の実施の形態に係る車両制動装置210は、第1の実施の形態に係る車両制動装置10と異なり、ホイールシリンダ24の下流に、ABS減圧弁とは別にブレーキフルードを循環させる際に開閉する制御弁を設けている。なお、以下の説明では、第1の実施の形態に係る車両制動装置10と同様の構成については、適宜説明を省略する。
車両制動装置210は、図4に示されるように、各車輪に対応して設けられたディスクブレーキユニット12FR,12FL、12RRおよび12RLと、マスタシリンダユニット14と、動力液圧源16と、液圧アクチュエータ218とを含む。
動力液圧源16は、動力の供給により液圧を発生し、加圧された作動流体としてのブレーキフルードを、運転者によるブレーキペダル20の操作から独立してディスクブレーキユニット12FR〜12RLに対して送出することが可能である。液圧アクチュエータ218は、動力液圧源16またはマスタシリンダユニット214から供給されたブレーキフルードの液圧を適宜調整してディスクブレーキユニット12FR〜12RLに送出する。これにより、液圧制動による各車輪に対する制動力が調整される。
動力液圧源16は、ポンプ32を含む。ポンプ32は、駆動源としてモータ34を有し、その吸込側が第1マスタ流路84または第2マスタ流路86に接続されている。つまり、リザーバ30は、ポンプ32に作動流体を供給することになる。なお、本実施の形態に係る動力液圧源16は、ディスクブレーキユニット12FR,12FLと連通しているフロント側ポンプ流路36、および、ディスクブレーキユニット12RR,12RLと連通しているリヤ側ポンプ流路38にそれぞれ設けられているが、液圧アクチュエータ218の外部に配置してもよい。
上述のように、車両制動装置210は、ホイールシリンダ24に対するブレーキフルードの供給源として、マスタシリンダ28、ポンプ32を有している。そして、マスタシリンダ28の第1マスタシリンダ室28aには第1マスタ配管40が、第2マスタシリンダ室28bには第2マスタ配管42がそれぞれ接続されている。これらの第1マスタ配管40および第2マスタ配管42は、それぞれ液圧アクチュエータ218に接続されている。
液圧アクチュエータ18について以下で更に詳しく説明する。液圧アクチュエータ218は、マスタシリンダ28および動力液圧源16からホイールシリンダ24へのブレーキフルードの供給が可能なように、マスタシリンダ28および動力液圧源16とホイールシリンダ24とを接続する液圧供給流路と、液圧供給流路に設けられ、マスタシリンダ28および動力液圧源16からホイールシリンダ24へのブレーキフルードの供給を制御する複数の電磁制御弁を含む。
アクチュエータブロックに形成された液圧供給流路には、個別流路44、46,48,50が含まれる。個別流路44,46,48,50は、対応するディスクブレーキユニット12FR、12FL,12RR,12RLのホイールシリンダ24FR、24FL,24RR,24RLの第1接続部52にそれぞれ接続されている。これにより、各ホイールシリンダ24は、マスタシリンダ28と動力液圧源16と連通可能となる。つまり、ホイールシリンダ24は、マスタシリンダ28および動力液圧源16の少なくとも一方からブレーキフルードの供給を受けて車輪に制動力を付与することができる。
また、個別流路44,46,48,50の中途には、ABS保持弁54,56,58,60が設けられている。各ABS保持弁54,56,58,60は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングをそれぞれ有しており、いずれもソレノイドが非通電状態にある場合に開とされる常開型電磁制御弁である。開状態とされた各ABS保持弁54,56,58,60は、ブレーキフルードを双方向に流通させることができる。つまり、マスタシリンダ28側からホイールシリンダ24へとブレーキフルードを流すことができるとともに、逆にホイールシリンダ24からマスタシリンダ28側へもブレーキフルードを流すことができる。ソレノイドに通電されて各ABS保持弁54,56,58,60が閉弁されると、個別流路44,46,48,50におけるブレーキフルードの流通は遮断される。
さらに、各ホイールシリンダ24は、第2接続部62にそれぞれ接続された減圧用流路264,266,268,270を介して、リザーバ流路272およびABS減圧弁74,76,78,80に接続されている。リザーバ流路272は、ホイールシリンダ24で制動力の発生に利用されたブレーキフルードがリザーバ30へ回収される際に流れる回収流路として機能する。減圧用流路264,266,268,270は分岐されており、分岐された一方の流路にはABS減圧弁74,76,78,80が設けられている。各ABS減圧弁74,76,78,80は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングをそれぞれ有しており、いずれもソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。
各ABS減圧弁74,76,78,80の下流には、一時的にブレーキフルードを蓄え蓄圧することが可能なリザーバ274,276,278,280がそれぞれ設けられている。
各リザーバ流路272の下流側には、エア抜き用制御弁284,286が設けられている。エア抜き用制御弁284,286は、リザーバ流路272からリザーバ配管82へのブレーキフルードの流れを制御する。各エア抜き用制御弁284,286は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングをそれぞれ有しており、いずれもソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。
各エア抜き用制御弁284,286が閉状態であるときには、減圧用流路264,266,268,270からリザーバ配管82へのブレーキフルードの流通は遮断される。ソレノイドに通電されて各エア抜き用制御弁284,286が開弁されると、減圧用流路264,266,268,270からリザーバ配管82へのブレーキフルードの流通が許容され、ブレーキフルードがホイールシリンダ24から減圧用流路264,266,268,270、リザーバ流路272を介してリザーバ30へと還流する。なお、リザーバ流路72は、リザーバ配管82を介してマスタシリンダユニット14のリザーバ30に接続されている。本実施の形態に係る車両制動装置210は、ホイールシリンダ24FR,24FLと連通しているリザーバ流路272と、ホイールシリンダ24RR,24RLと連通しているリザーバ流路272とが別々に設けられているが、すべてのホイールシリンダ24と連通している一つのリザーバ流路272を設けてもよい。
次に、車両制動装置210におけるエア抜き制御について説明する。本実施の形態に係る車両制動装置10は、上述のようにブレーキフルードがマスタシリンダ28からホイールシリンダ24に供給される流路とは別に、ホイールシリンダ24からリザーバ30へブレーキフルードを回収する回収流路を設けている。そのため、エア抜きが必要な場合であっても、エア抜きのためにフルードを交換したり、作業者の手作業によるエア抜きを行ったりせずに簡便にエアを排出することができる。
図7は、第4の実施の形態に係る車両制動装置210のエア抜き制御時のブレーキフルードの流れを示す系統図である。第1の実施の形態で説明した図3に示すような処理においてエア抜き制御が開始されると、弁制御部114により、ABS保持弁54,56,58,60、ABS減圧弁74,76,78,80、電磁制御弁92,94、エア抜き用制御弁284,286が図7に示すように開弁され、駆動されたポンプ32で発生した液圧によりブレーキフルードが矢印のように循環し、液圧アクチュエータ218やホイールシリンダ24のブレーキフルードがリザーバ流路272を経由してリザーバ30に回収される。これにより、液圧アクチュエータ218やホイールシリンダ24にエアが発生していても、ブレーキフルードとともにより確実にリザーバにエアを排出することができ、乗員や作業者に大きな負担をかけることなく車両制動装置内に混入したエアを簡便に排出することができる。
なお、車両制動装置210は、第1の実施の形態に係る車両制動装置10と同様に、第2の実施の形態で説明したエア抜き制御や、第3の実施の形態で説明したブレーキフルード循環制御も行うことができる。
以上、本発明を上述の各実施の形態を参照して説明したが、本発明は上述の各実施の形態に限定されるものではなく、各実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
10 車両制動装置、 12 ディスクブレーキユニット、 14 マスタシリンダユニット、 16 動力液圧源、 18 液圧アクチュエータ、 20 ブレーキペダル、 24 ホイールシリンダ、 25 ストロークセンサ、 26 液圧ブースタ、 28 マスタシリンダ、 30 リザーバ、 32 ポンプ、 34 モータ、 35 ポンプ配管、 52 第1接続部、 54 ABS保持弁、 62 第2接続部、 64 減圧用流路、 72 リザーバ流路、 74 ABS減圧弁、 82 リザーバ配管、 88 マスタカット弁、 92 電磁制御弁、 98 M/C圧センサ、 100 ブレーキECU、 102 車輪速センサ、 104 温度センサ、 106 IGスイッチ、 116 ABS制御部、 118 ポンプ制御部、 120 エア抜き制御部、 122 温度取得部、 124 エア混入判定部、 210 車両制動装置、 214 マスタシリンダユニット、 218 液圧アクチュエータ、 264 減圧用流路、 272 リザーバ流路、 274 リザーバ、 284 エア抜き用制御弁。
Claims (4)
- ブレーキ操作部材の操作に応じて液圧を発生させるマスタシリンダと、
動力を用いて液圧を発生させる動力液圧源と、
前記マスタシリンダおよび前記動力液圧源の少なくとも一方から作動流体の供給を受けて車輪に制動力を付与するホイールシリンダと、
前記マスタシリンダおよび前記動力液圧源から前記ホイールシリンダへの作動流体の供給が可能なように、前記マスタシリンダおよび前記動力液圧源と前記ホイールシリンダとを接続する液圧供給流路と、
前記液圧供給流路に設けられ、前記マスタシリンダおよび前記動力液圧源から前記ホイールシリンダへの作動流体の供給を制御する制御弁と、
前記動力液圧源の駆動および前記制御弁の開閉を制御する制御部と、
前記マスタシリンダおよび前記動力液圧源の少なくとも一方に作動流体を供給するとともに、前記ホイールシリンダで制動力の発生に利用された作動流体を回収するリザーバと、
前記ホイールシリンダから前記リザーバへ回収される作動流体が流れる回収流路と、
前記作動流体の温度と相関のある情報を検出する温度センサと、を備え、
前記制御部は、前記温度センサが検出した情報に基づいて作動流体の温度を算出し該温度が所定の値より大きい場合、前記動力液圧源を駆動させるとともに該動力液圧源と前記回収流路とが連通するように前記制御弁の開閉を制御する、
ことを特徴とする車両制動装置。 - 前記温度センサは、ホイールシリンダにおける作動流体の温度と相関のある情報を検出することを特徴とする請求項1に記載の車両制動装置。
- 前記ホイールシリンダは、前記液圧供給流路と接続されている第1接続部と、前記回収流路と接続されている第2接続部とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の車両制動装置。
- 前記制御弁は、前記ホイールシリンダにおける作動流体の液圧を保持する保持弁と、前記ホイールシリンダにおける作動流体の液圧を減圧する減圧弁と、を含み、
前記減圧弁は、前記第2接続部と前記回収流路との間に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の車両制動装置。
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- 2007-04-06 JP JP2007100965A patent/JP2008254669A/ja active Pending
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