JP2008254075A - 微粉体回収装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】機械加工等の工程で発生する微粉体を確実に回収するとともに、微粉体が分離された回収済みの液体を効率よく再利用することが可能な微粉体回収装置を提供する。
【解決手段】微粉体回収装置1は、泡発生部2で発生した泡Bを用いて微粉体回収部3において形成された泡状流Fによって微粉体Kを捕捉・回収するものであり、微粉体回収部3において一緒に回収された泡Bと微粉体Kを、サイクロン型分離器6と異物分離器7とからなる微粉体分離部4においてそれぞれ分離し、泡Bを消泡部5において消滅させ、消泡処理された液体を泡発生部2に還流させる構造となっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、機械加工等の工程において発生する切り粉等の微粉体を回収する装置に係り、特に、微粉体が飛散する空間に泡状の流れ(以下、泡状流という。)を形成し、この泡状流によって微粉体を回収する微粉体回収装置に関する。
金属材料を切削したり、研削したりすると、切り粉と呼ばれる金属屑が発生する。この切り粉は加工装置の刃先に付着して加工効率を低下させるなどの弊害をもたらすため、金属材料の加工においては、通常、油性又はエマルジョンからなる加工液を工具に供給して切り粉を洗い流すことが行われる。しかし、この方法では、刃先から洗い流された切り粉が回収されずに加工装置の周辺に溜まってしまい、作業環境を悪化させるおそれがある。そこで、従来、金属材料の加工工程で発生した切り粉を確実に回収する技術について盛んに研究が行われており、それに関して既に幾つかの発明や考案が開示されている。
例えば、特許文献1には「微粉体回収装置とその方法」という名称で、切り粉などの微粉体を捕捉・運搬・回収することにより加工工具とその周囲の作業環境を改善することが可能な微粉体回収装置とその方法に関する発明が開示されている。
特許文献1に開示された発明は、第一の液体と不活性ガスにより泡塊を形成させる泡発生部と、微粉体の混ざった泡塊を捕集して運搬する泡充填部と、この泡充填部に接続され、泡塊を消滅させる第二の液体を貯留する微粉体回収部とを備えるものである。
上記構成の発明によれば、泡塊に捕捉された微粉体は外部の空気、特に酸素から隔離されるため、急激な酸化反応が抑制される。従って、反応性が高い微粉体でも安全に回収することができる。また、泡塊が微粉体の発生箇所の周囲に流動しながら供給されるため、広範囲にわたって微粉体を確実に回収することが可能である。
また、特許文献2には「切削液供給装置」という名称で、気泡を混入させたクーラントをノズルから噴出させるように構成された切削液供給装置に関する発明が開示されている。
特許文献2に開示された発明は、水溶性切削液の貯溜槽と噴出ノズルを接続する配管の途中にポンプとエアー供給手段を介装し、噴出ノズルから金属の加工部に向けて噴出された水溶性切削液が貯溜槽に回収されることを特徴とするものである。
上記構成の発明によれば、クーラント中に混入させた気泡がノズル噴出時に急激に膨張するため、ノズルが詰まり難く、また、ノズルから噴出されるクーラントの水勢が高まる。従って、ノズルの口径を小さくしてクーラントポンプの流量を低減することができる。また、クーラント中の気泡によって嫌気性バクテリアの繁殖が抑制されるため、例えば、硫化水素等の悪臭を放つガスの発生を抑制することが可能である。
特開2003−236730号公報 特開2003−039274号公報
しかしながら、特許文献1に開示される発明においては、泡塊ごと微粉体を運搬するため、急激な酸化反応を抑えて安全に回収できるものの、工具の加工速度が速く、周囲に勢いよく飛散する微粉体については、捕捉が容易でないという課題があった。また、回収された泡を消すために消泡剤を使用しているため、消泡済みの液体を再利用できないという課題があった。
また、上述の特許文献2に記載の発明は、金属の加工部に付着した切粉を払い流すことはできるものの、飛散する切粉を回収することはできないという課題があった。また、回収された切削液を循環させる構成となっているが、消泡手段を備えていないため、切削液を効率よく再利用できないという課題があった。
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、機械加工等の工程で発生する微粉体を確実に回収するとともに、微粉体が分離された回収済みの液体を効率よく再利用することが可能な微粉体回収装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明である微粉体回収装置は、液体に気体を注入して泡を発生させる泡発生部と、この泡発生部から供給される泡を吐出ノズルから吐出するとともに吸引ノズルで吸引して微粉体が飛散する空間に泡状流を形成する微粉体回収部とを備え、微粉体は泡状流によって捕捉され、泡状流を形成した泡とともに吸引ノズルで吸引されることを特徴とするものである。
このような構造の微粉体回収装置においては、泡状流を他の部材に接触させない構成となっているため、飛散するおそれがなく、従って、回収が容易である。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の微粉体回収装置において、排出口が設けられた下端に向かって逐次縮径する略円錐状をなすとともに、上面に排気口が設けられ、上部側面に吸気口が設けられたサイクロン型分離器を備え、このサイクロン型分離器は吸引ノズルに吸引された泡を吸気口から吸い込んで内部で旋回させることによって泡を吸引する際に混入した空気を分離して排気口から排出するとともに、残った泡を排出口から排出することを特徴とするものである。
このような構造の微粉体回収装置においては、微粉体回収部で泡を吸引する際に混入した空気がサイクロン型分離器によって予め分離され、微粉体を内包する泡のみが次工程に送られるという作用を有する。これにより、次工程の処理にかかる負担が軽減される。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の微粉体回収装置において、吸引ノズルに吸引された泡から微粉体を分離するフィルタを有する異物分離器を備えたことを特徴とするものである。
このような構造の微粉体回収装置においては、簡単な構造により確実に微粉体が分離される。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の微粉体回収装置において、吸引ノズルに吸引され、かつ、微粉体を含まない泡を減圧しつつ、泡発生部に還流させる消泡部を備えたことを特徴とするものである。
このような構造の微粉体回収装置においては、消泡剤を用いることなく、泡が消滅するという作用を有する。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の微粉体回収装置において、減圧されて消泡部から排出された泡を再度消泡部に還流させる配管を備えたことを特徴とするものである。
このような構造の微粉体回収装置においては、消泡部が泡を繰り返し減圧しながら消滅させるという作用を有する。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の微粉体回収装置において、吐出ノズルは略I字状断面の吐出口を備えることを特徴とするものである。
このような構造の微粉体回収装置においては、泡状流が略I字状断面をなすように形成されるという作用を有する。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の微粉体回収装置において、吐出ノズルは略I字状断面の吐出口に代えて略L字状断面の吐出口を備えることを特徴とするものである。
このような構造の微粉体回収装置においては、泡状流が略L字状断面をなすように形成されるという作用を有する。
以上説明したように、本発明の請求項1に記載の微粉体回収装置においては、泡状流を任意の方向に形成することが可能である。従って、微粉体がいろいろな方向に飛散する場合でも、泡状流によって微粉体を確実に捕捉することができる。
本発明の請求項2に記載の微粉体回収装置においては、次工程に送られる泡の嵩が少なくなり、処理にかかる負担が軽減されるため、処理効率が向上する。
本発明の請求項3に記載の微粉体回収装置においては、異物分離器の構造が簡単なため、製造コストを安くするとともに、装置の小型化を図ることができる。
本発明の請求項4に記載の微粉体回収装置においては、消泡処理された液体の再利用が可能であるため、この液体に予め起泡剤が添加されていた場合には、起泡剤を節約することができる。これにより、装置の稼動コストの削減が可能となる。
本発明の請求項5に記載の微粉体回収装置においては、泡を効率的に消滅させることが可能である。
本発明の請求項6に記載の微粉体回収装置においては、一方向に放出される微粉体に対し、泡状流によってその飛散を遮って確実に捕捉することができる。
本発明の請求項7に記載の微粉体回収装置においては、例えば、前方及び下方のように二方向に対して放出される微粉体に対し、泡状流によってその飛散を遮って確実に捕捉することができる。
以下に、本発明の最良の実施の形態に係る微粉体回収装置の実施例について説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る微粉体回収装置の構成図である。また、図2は設定圧力に対する泡の発生量と界面活性剤使用量との関係を示した図である。
図1に示すように、本実施の形態における微粉体回収装置1は、泡発生部2で発生した泡Bを用いて微粉体回収部3において形成された泡状流Fによって微粉体Kを捕捉・回収するものである。そして、微粉体回収部3において泡Bと微粉体Kを一緒に回収し、サイクロン型分離器6と異物分離器7とからなる微粉体分離部4において微粉体Kを泡Bから分離するとともに、消泡部5において泡Bを消し、消泡処理された液体を泡発生部2に還流させる構造となっている。
泡発生部2は、調圧器8a〜8c、ガス混合器9及び泡発生器10とから構成される。調圧器8a,8bにそれぞれ導入された空気と窒素は圧力を調整された後、矢印21aで示されるようにガス混合器9に送られる。ガス混合器9は酸素濃度センサ9aを備えており、微粉体回収部3において泡状流Fにより捕捉される微粉体Kの燃焼を抑制するために、泡状流Fに含まれる酸素濃度を予め調整するという機能を有している。従って、ガス混合器9に送られた空気と窒素は酸素濃度が所定の値になるように混合され、矢印21bで示されるように調圧器8cを経て泡発生器10へと送られる。
なお、調圧器8cは、泡発生器10における内圧が0.1MPa以下になるように、空気と窒素の混合気体の圧力を予め調整するためのものである。泡発生器10内に導入され、多孔質体11から放出される混合気体は、起泡剤として界面活性剤が添加された液体12a中で泡Bを発生させる。液体12aの上部には気相が形成されており、この気相に溜まった泡Bは図に示されるように配管21cを通じて微粉体回収部3へ供給される。なお、泡発生器10にはフローティングスイッチ15aが設置されており、このフローティングスイッチ15aによって検知される液体12aの液位が所定の高さより下回った場合、ポンプ制御部16aはポンプ17aに対して吸引開始信号22aを送り、ポンプ17aは吸引開始信号22aに従って作動し、配管21dを介して異物分離器7から後述する消泡処理された液体を吸引して泡発生器10に供給する。
なお、図2に示すように、泡Bの発生量は設定圧力と界面活性剤によって決定される。従って、微粉体回収装置1においては泡発生器10の内圧と界面活性剤の使用量を適宜選択することによって泡Bの発生量を制御することが可能となっている。
加工装置の工具近傍に設置される微粉体回収部3は、泡発生部2から供給された泡Bを吐出ノズル13から吐出させて微粉体Kの飛散を遮る箇所に泡状流Fを形成する。そして、微粉体Kを捕捉した泡状流Fは吸引ノズル14によって吸引され、泡状流Fを形成していた泡Bは微粉体Kとともに配管21eを介して微粉体分離部4に送られる。
微粉体分離部4では、後述するサイクロン型分離器6と異物分離器7によって泡Bと微粉体Kが分離される。異物分離器7にはフローティングスイッチ15bが設置されており、フローティングスイッチ15bによって検知される泡Bの嵩が所定の位置に達すると、ポンプ制御部16bはポンプ17bに対して吸引開始信号22bを送り、ポンプ17bは吸引開始信号22bに従って作動し、配管21fを介して異物分離器7から泡Bを吸引して消泡部5に供給する。なお、異物分離器7においてフローティングスイッチ15bによって検知される泡Bの嵩が所定の位置を下回った場合には、ポンプ制御部16bはポンプ17bに対して吸引停止信号22cを送り、ポンプ17bは吸引停止信号22cに従って作動し、泡Bの吸引を停止する。すなわち、異物分離器7において泡Bが所定の嵩以上になった場合にのみ消泡部5に対して泡Bが供給されるのである。
消泡部5は、異物分離器7から送られた泡Bを減圧により消滅させつつ、配管21gを介してサイクロン型分離器6へと還流させる。
すなわち、消泡部5は泡Bを微粉体分離部4と消泡部5の間で、配管21f、配管21g及び配管21hを介して循環させながら、繰り返し減圧するという作用を有する。これにより、泡Bを効率的に消滅させることができる。
なお、本実施の形態においては、サイクロン型分離器6と異物分離器7を配管21hで接続する構成としているが、一体に構成される場合には配管21hが不要であることは言うまでもない。
図3(a)は本実施例の吐出ノズル13及び吸引ノズル14の外観を示す斜視図であり、(b)及び(c)はその変形例の外観を示す斜視図である。なお、図1で説明した構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
カバー18aにより上部が覆われた回転工具18bによって加工対象物19を研磨する場合、例えば、図3(a)に示すように、加工対象物19が回転工具18bに接触する箇所の近傍に微粉体回収部3を構成する吐出ノズル13及び吸引ノズル14が設置される。なお、吐出ノズル13の吐出口13aは円形状の多孔質体で形成されている。従って、吐出ノズル13から吐出され、吸引ノズル14によって吸引される泡Bは微粉体Kの飛散を遮るように円筒状の泡状流Fを形成する。この泡状流Fにより、回転工具18bに研磨される加工対象物19から発生する微粉体Kは確実に捕捉され、吸引ノズル14へと吸引される。この場合、泡状流Fは回転工具18bや加工対象物19に接触しないため、飛散することがなく、回収が容易である。また、泡状流Fは水平方向や垂直方法あるいはそれ以外の任意の方向に形成することができるため、微粉体Kがあらゆる方向に飛散する場合でも確実に捕捉することが可能である。
なお、吐出ノズル13は、図3(a)に示される形状に限定されるものではない。例えば、図3(b)に示すように、吐出口13aの断面をI字状とすることもできる。この場合、泡状流FはI字状断面をなすように形成される。従って、この泡状流Fによれば一方向に放出される微粉体Kを確実に捕捉することができる。また、図3(c)に示すように、吐出ノズル13がL字状断面の吐出口13aを備えたものであっても良い。この場合、泡状流FがL字状断面をなすように形成されるため、例えば、微粉体Kが前方及び下方のように二方向に対して放出された場合でも、泡状流Fによって微粉体Kを確実に捕捉することが可能である。なお、泡状流Fの吸引を確実なものとするため、吸引ノズル14の吸引口(図示せず)は吐出口13aと外形が略同一であって、かつ、その大きさが吐出口13aよりも小さくならないように形成することが望ましい。また、吐出ノズル13の吐出口13aの断面は、円形、I字状及びL字状に限らず、略C字状であっても良い。そして、吐出ノズル13は泡状流Fが「く」の字状断面をなすようにL字状断面の吐出口13aを45度傾けて設置させることもできる。この場合、例えば、前方と上方と下方のように三方向に対して放出された微粉体Kについても確実に捕捉することが可能となる。さらに、吐出ノズル13及び吸引ノズル14の個数は、本実施例に示す場合に限らず、適宜変更可能である。すなわち、微粉体Kが飛散する空間を略完全に覆うように複数個の吐出ノズル13と吸引ノズル14を設置しても良い。
図4(a)及び(b)はそれぞれ本実施例のサイクロン型分離器6の正面図及び上面図であり、(c)は本実施例の異物分離器7の構成を示す模式図である。なお、図1で説明した構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図4(a)及び(b)に示すように、サイクロン型分離器6は上面及び上部側面にそれぞれ排気口6a及び吸気口6bが設けられ、略円錐状の先端部となる箇所に排出口6cが設けられた構造となっている。このような構造によれば、吸引ノズル14で吸引された微粉体Kを内包する泡Bとその吸引の際に混入した空気とが、矢印22cで示されるように吸気口6bからサイクロン型分離器6の内部に供給される。サイクロン型分離器6の内部に供給された泡B及び上記空気は、矢印22dで示されるように旋回する。このとき、密度差により気体と液体・固体に分離される。すなわち、矢印22eで示されるように上記空気は排気口6aからサイクロン型分離器6の上方へ排出され、矢印22fで示されるように微粉体Kを内包する泡Bは排出口6cからサイクロン型分離器6の下方へと排出され、異物分離器7に送られる。
図4(c)に示すように、サイクロン型分離器6から送出され、配管21hを介して異物分離器7の上部から供給される微粉体Kを内包する泡Bは、異物分離器7の中間部に傾斜して配置されるフィルタ7aの表面を伝って流下する。このとき、フィルタ7aの穴を通過できない微粉体Kと、フィルタ7aの穴を通過する泡Bとは分離される。フィルタ7aを通って滴下した泡Bは異物分離器7の下部に貯留する。既に述べたように、フローティングスイッチ15bにより泡Bの嵩が所定の位置を越えたことが検知されると、ポンプ17bが作動する。これにより、泡Bは配管21fを介してフローティングノズル7bから吸引されて消泡部5に供給される。また、異物分離器7の下部に貯留した消泡処理済みの液体12bは、ポンプ17aが作動した場合に、配管21dを介して吸引されて泡発生器10へと供給される。
このように、微粉体分離部4では、微粉体回収部3が泡Bを吸引する際に混入した空気を予めサイクロン型分離器6において泡Bから分離することにより、異物分離器7に供給される泡Bの嵩を少なくするという作用を有する。これにより、異物分離器7への負担が低減されるため、異物分離器7の処理効率が高まる。また、異物分離器7は簡単な構造でありながら、確実に微粉体Kを分離するという作用を有する。なお、異物分離器7は構造が簡単であるため、小型化が可能であり、また、安価に製造される。
図5(a)及び(b)はそれぞれ本実施例の消泡部5を構成するサクションノズル20の上面図及び縦断面図である。なお、図1で説明した構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図5(a)及び(b)に示すように、サクションノズル20は両端にそれぞれ吸気口20a及び排気口20bを備えるとともに途中部分に給気口20cが設けられた略円筒状の配管であり、ベルヌーイの方程式で説明されるように矢印21jで示される向きに給気口20cから供給されてノズル環20dに形成された複数のノズル20eから高速度で噴出する圧縮空気の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換することによって、矢印21kで示されるように吸気口20aから泡Bを吸引し、矢印21iで示されるように排気口20bから排出するものである。そして、吸気口20aからは泡Bのみが吸引されるのに対し、排気口20bからは泡B及び圧縮空気が排出されることから、排気口20bから排出される泡Bの静圧は、吸気口20aから吸引される泡Bの静圧に比べて低くなる。すなわち、サクションノズル20は、内部を通過する泡Bを減圧することによって消滅させるという作用を有する。このような構造のサクションノズル20によれば、消泡剤を添加することなく、泡Bを消滅させることができる。従って、消泡処理された界面活性剤入りの液体を再利用することが可能となる。これにより、界面活性剤を節約して装置の稼動コストを削減することができる。
以上説明したように、本実施例の微粉体回収装置1によれば、機械加工等の工程で発生する微粉体Kを泡状流Fによって確実に捕捉するとともに、分離・回収することができる。また、微粉体Kを分離した泡Bを効率よく、消滅させることができる。さらに、消泡処理の際に消泡剤を使用しないため、界面活性剤入りの液体を再利用することが可能である。
以上説明したように、請求項1乃至請求項7に記載された発明は、金属材料の加工に限らず、一般の機械加工の工程において発生する微粉体の回収に対して適用可能である。
本発明の実施の形態に係る微粉体回収装置の構成図である。 は設定圧力に対する泡の発生量と界面活性剤使用量との関係を示した図である。 (a)は本実施例の吐出ノズル及び吸引ノズルの外観を示す斜視図であり、(b)及び(c)はその変形例の外観を示す斜視図である。 (a)及び(b)はそれぞれ本実施例のサイクロン型分離器の正面図及び上面図であり、(c)は本実施例の異物分離器の構成を示す模式図である。 (a)及び(b)はそれぞれ本実施例の消泡部を構成するサクションノズルの上面図及び縦断面図である。
符号の説明
1…微粉体回収装置 2…泡発生部 3…微粉体回収部 4…微粉体分離部 5…消泡部 6…サイクロン型分離器 6a…排気口 6b…吸気口 6c…排出口 7…異物分離器 7a…フィルタ 7b…フローティングノズル 8a〜8c…調圧器 9…ガス混合器 9a…酸素濃度センサ 10…泡発生器 11…多孔質体 12a,12b…液体 13…吐出ノズル 13a…吐出口 14…吸引ノズル 14a…吸引口 15a,15b…フローティングスイッチ 16a,16b…ポンプ制御部 17a,17b…ポンプ 18a…カバー 18b…回転工具 19…加工対象物 20…サクションノズル 20a…吸気口 20b…排気口 20c…給気口 20d…ノズル環 20e…ノズル 21a,21b…矢印 21c〜21h…配管 21i〜21k…矢印 22a,22b…吸引開始信号 22c…吸引停止信号 B…泡 F…泡状流 K…微粉体

Claims (7)

  1. 液体に気体を注入して泡を発生させる泡発生部と、この泡発生部から供給される前記泡を吐出ノズルから吐出するとともに吸引ノズルで吸引して微粉体が飛散する空間に泡状流を形成する微粉体回収部とを備え、前記微粉体は前記泡状流によって捕捉され、前記泡状流を形成した前記泡とともに前記吸引ノズルで吸引されることを特徴とする微粉体回収装置。
  2. 排出口が設けられた下端に向かって逐次縮径する略円錐状をなすとともに、上面に排気口が設けられ、上部側面に吸気口が設けられたサイクロン型分離器を備え、このサイクロン型分離器は前記吸引ノズルに吸引された前記泡を前記吸気口から吸い込んで内部で旋回させることによって前記泡を吸引する際に混入した空気を分離して前記排気口から排出するとともに、残った前記泡を前記排出口から排出することを特徴とする請求項1記載の微粉体回収装置。
  3. 前記吸引ノズルに吸引された前記泡から前記微粉体を分離するフィルタを有する異物分離器を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の微粉体回収装置。
  4. 前記吸引ノズルに吸引され、かつ、前記微粉体を含まない前記泡を減圧しつつ、前記泡発生部に還流させる消泡部を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の微粉体回収装置。
  5. 減圧されて前記消泡部から排出された前記泡を再度前記消泡部に還流させる配管を備えたことを特徴とする請求項4記載の微粉体回収装置。
  6. 前記吐出ノズルは略I字状断面の吐出口を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の微粉体回収装置。
  7. 前記吐出ノズルは略I字状断面の吐出口に代えて略L字状断面の吐出口を備えることを特徴とする請求項6記載の微粉体回収装置。
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