JP2008254015A - 圧造機 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧造加工時の全数検査を高精度に行うことができるとともに、省スペースで廉価かつ取り扱いが容易で中小形機にも適用できる良否判定手段を有する圧造機を提供する。
【解決手段】基台2と、ダイス21と、該基台2に対して往復動するラム3と、パンチ31と、クランク軸43の回転運動を該ラム3の往復動に変換するクランク駆動部4と、を備える圧造機1において、前記クランク軸43の回転角度を検出する角度検出手段(ロータリエンコーダ5)と、前記基台2に対する前記ラム3の相対変位量を検出する変位検出手段(テーパ部材61及び距離センサ62)と、検出された該回転角度と該相対変位量とを同一のタイミングで逐次収集し、該回転角度と該相対変位量との関係を示すストローク特性を求め、該ストローク特性をあらかじめ設定した基準特性または動作初回時に求めた初期特性と比較して圧造加工の良否を判定する判定手段7と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】基台2と、ダイス21と、該基台2に対して往復動するラム3と、パンチ31と、クランク軸43の回転運動を該ラム3の往復動に変換するクランク駆動部4と、を備える圧造機1において、前記クランク軸43の回転角度を検出する角度検出手段(ロータリエンコーダ5)と、前記基台2に対する前記ラム3の相対変位量を検出する変位検出手段(テーパ部材61及び距離センサ62)と、検出された該回転角度と該相対変位量とを同一のタイミングで逐次収集し、該回転角度と該相対変位量との関係を示すストローク特性を求め、該ストローク特性をあらかじめ設定した基準特性または動作初回時に求めた初期特性と比較して圧造加工の良否を判定する判定手段7と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、ダイスとパンチとによりワークを圧造加工する圧造機に関し、より詳細には圧造加工の良否判定手段を有する圧造機に関する。
圧造機では、ダイスと呼ばれる固定金型とパンチと呼ばれる可動金型との間でワークが圧造加工され、所定形状の部品が製造されている。そして、ダイス及びパンチは、製造する部品形状に合わせて交換可能となっている。また、ワークを自動的に搬入及び搬出するトランスファー装置や、ダイスからワークを押し出すキックアウト装置が付属され、大量の部品を自動的に製造できるように構成されている。このような量産を行う圧造機では、加工されたワークに対して随時抜き取り検査を行って圧造加工の実施状況を確認することが一般的となっている。しかしながら、抜き取り検査による確認では、万一圧造機に不具合の生じたときに、多数の不良部品を製造してしまうおそれがある。また、トランスファー装置などの偶発的な要因により、ワークの掴み落としによる空打ち加工や、2個を重ねた重ね打ち加工、姿勢不良状態での加工などが生じ、不良部品が混入したり、圧造機自体が損傷したりすることがある。
そこで、センサを用いた検出により全数検査を行う各種の技術が発明され、実用化されている。例えば、本願出願人が特許文献1に開示した圧造機における異常検出装置は、マイクロウェーブの発信器及び受信器を備えて、ワークや金型の特定位置への到達を検出するようにしている。また、パンチの往復動の変位量を検出して、加工が終了する前死点位置を求め、加工の良否を判定することも行われている。さらには、荷重計を組み込んで、加工の際に発生する荷重の大きさを計測することも行われている。
実開平5−49138号公報
ところで、特許文献1の異常検出装置では、金型の破損やワークの掴み落としなどの比較的顕著な異常は検出できても、金型の摩耗やワークの寸法不良などの微細な異常を検出することは難しかった。また、前死点位置を求める方法も、圧造加工の途中の状況が不明であり、万全の良否判定を行うことは難しいとされていた。これに対して、通常の荷重計は、ロードセルとして歪ゲージを備え、圧造加工の実施状況を連続的に確認できるようになっている。しかしながら、荷重計では、金型近傍に荷重を受ける部材を設けて歪ゲージを貼設する必要があり、部材スペースが必要となって圧造機が大型化する難点があった。また、検出した信号を処理する信号処理装置が必要で高価となり、さらに、加工時の衝撃や振動により素子や配線が損傷しやすく、取り扱いが煩雑であるという問題もある。このため、荷重計はスペース面やコスト面、取り扱いの面で適用範囲が限定され、中小形の圧造機には適切な手段ではなかった。
本発明は上記背景に鑑みてなされたものであり、圧造加工時の全数検査を高精度に行うことができるとともに、省スペースで廉価かつ取り扱いが容易で中小形機にも適用できる良否判定手段を有する圧造機を提供する。
本発明の圧造機は、基台と、該基台に装着されたダイスと、該基台に対して往復動するラムと、該ラムに装着され対向する該ダイスとの間でワークに圧造加工を施すパンチと、クランク軸の回転運動を該ラムの往復動に変換するクランク駆動部と、を備える圧造機において、前記クランク軸の回転角度を検出する角度検出手段と、前記基台に対する前記ラムの相対変位量を検出する変位検出手段と、検出された該回転角度と該相対変位量とを同一のタイミングで逐次収集し、該回転角度と該相対変位量との関係を示すストローク特性を求め、該ストローク特性をあらかじめ設定した基準特性または動作初回時に求めた初期特性と比較して圧造加工の良否を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする。
本発明の圧造機は、クランク軸の回転運動とラムの往復動との間のストローク特性を求めて、全数検査を行えるようにしたことを特徴としており、基台、ダイス、ラム、パンチ、クランク駆動部、からなる圧造機の基本的な構成は従来の構造を踏襲することができる。言うまでもなく、ワークを順次搬送するトランスファー装置や、ダイスからワークを押し出すキックアウト装置などを備えてもよい。
クランク駆動部は、例えばモータの回転運動をラムの往復動に変換するものであり、モータの出力軸にクランク軸を連結し、回転するクランクとラムとをコネクティングロッドで連結して、構成することができる。角度検出手段は、このクランク軸の回転角度を検出する手段であり、例えば、公知のロータリエンコーダなどのセンサを適用することができる。変位検出手段は、基台に対するラムの相対変位量を検出する手段であり、以下に説明する各種方式のセンサを適用することができる。
前記変位検出手段は、前記基台及び前記ラムの一方に設けられて該ラムの往復動の方向に対し傾斜したテーパ部材と、他方に設けられて該テーパ部材との距離を検出する距離センサと、からなるようにしてもよい。
テーパ部材と距離センサとからなる変位検出手段では、テーパ部材がラムと一体に動作するため、ラムの相対変位量に応じて、検出される距離は単調に増加あるいは減少する。したがって、相対変位量と距離との関係を前もって把握しておくことにより、検出された距離を換算して、ラムの相対変位量を求めることができる。
前記変位検出手段は、前記基台及び前記ラムの一方に設けられて該ラムの往復動の方向と平行に配置されたラックギヤと、他方に設けられて該ラックギヤに噛合するピニオンギヤと、該ピニオンギヤの回転量を検出するエンコーダと、からなるようにしてもよい。
ラックギヤ、ピニオンギヤ及びエンコーダからなる変位検出手段では、ラックギヤとピニオンギとの相対変位量は基台に対するラムの相対変位量と一致する。したがって、変位量に比例して増加するピニオンギヤの回転量を検出することにより、ラムの相対変位量を求めることができる。
前記変位検出手段は、前記基台及び前記ラムの一方に設けられて該ラムの往復動の方向と平行に配置されたリニアスケールと、他方に設けられて該リニアスケールとの相対変位量を指示する指示部材と、からなるようにしてもよい。
リニアスケール及び指示部材からなる変位検出手段では、リニアスケールと指示部材との相対変位量は基台に対するラムの相対変位量と一致する。したがって、検出した相対変位量をラムの相対変位量とすることができる。リニアスケール及び指示部材には、静電式や磁気式、光学式などの検出方式を用いたリニアエンコーダを適用することができる。
以上説明した3方式の変位検出手段はいずれも、往復動するラムの任意の箇所と基台との間に設ければよいので設計上の自由度が大きく、荷重計と比較して省スペースとすることができる。また、使用するセンサは汎用品でよいので廉価であり、煩雑な調整やメンテナンスは不要で取り扱いも容易である。
判定手段には、例えばマイクロコンピュータを内蔵しソフトウェアで動作するディジタル計測解析装置を適用することができる。判定手段には、以下に説明するように3つの機能を併せ持たせることができる。判定手段の第1の機能はデータ収集機能であり、角度検出手段から回転角度のデータを、変位検出手段から相対変位量のデータを、それぞれ収集するように構成することができる。そして、ラムの往復動の間、2つのデータを同一のタイミングで逐次収集するように制御することができる。例えば、内蔵クロックにより一定時間間隔で、2つのアナログ量のデータをディジタル変換し、内部データとして保持するように構成することができる。第2の機能はデータ処理機能であり、同一のタイミングで収集した回転角度及び相対変位量の内部データのセットからストローク特性を求めて保持するように構成することができる。第3の機能は良否判定機能であり、求めたストローク特性をもとにして圧造加工の良否を判定することができる。詳述すると、圧造加工の都度毎回求めたストローク特性を、あらかじめ設定した基準特性または初回動作時に求めた初期特性と比較することができる。基準特性または初期特性は、例えば、前もってメモリ装置内に格納し常時参照できるようにしておくことができる。そして、求めたストローク特性が基準特性または初期特性から一定範囲以上変化した場合に異常として、良否を判定することができる。
なお、判定手段は、異常の検出を係員に通報する通報機能や、求めたストローク特性を統計的に処理するデータベース機能を備えるようにしてもよい。
前記判定手段は、前記ラムが動き始める後死点から前記ワークに荷重が作用し始める圧造開始点までの無荷重ストローク特性、及び該圧造開始点から圧造加工が終了する前死点までの実荷重ストローク特性、の少なくとも一方を用いて判定を行う、ようにすることができる。
ストローク特性は、圧造開始点以前と、以後とに大別することができる。前者はワークに荷重が作用しない無荷重ストローク特性であり、後者は荷重が作用する実荷重ストローク特性である。無荷重ストローク特性には、ワークの有無や姿勢は関与しておらず、圧造機自体の状態のみが関与する。したがって、無荷重ストローク特性を用いて判定を行うことにより、圧造機自体の状態を判定することができる。すなわち、駆動部の調整異常や動作異常などを判定することができる。一方、実荷重ストローク特性には、ワークの状態と、ダイス及びパンチの状態が関与しており、圧造加工の状況が反映される。したがって、実荷重ストローク特性を用いて判定を行うことにより、ワークの掴み落としや2個の重なり、姿勢不良や寸法不良などと、ダイス及びパンチの摩耗や破損などと、を判定することができる。
本発明の判定手段では、無荷重ストローク特性及び実荷重ストローク特性の少なくとも一方を用いて判定を行うことができ、当然ながら両方用いることもできる。さらに、ストローク特性中で、基準特性または初期特性から変化した部分とその増減量とを把握することで、以下に例示するように異常原因を特定することができる。
例えば、偶発的にワークの掴み落としが発生した場合には、荷重が発生せず前死点位置は正常時よりも前方に突出する。ワークが2個重なっている場合には、荷重が過大となって駆動部を構成する部材が大きく撓んで、前死点位置は正常時よりも後方に後退する。また、ワークの姿勢不良では、圧造加工の途中で正常時と異なる荷重が発生し、ストローク特性が滑らかに変化しなくなる。さらに、ダイスやパンチの摩耗が徐々に進行する場合、発生する荷重は少しずつ減少し、前死点位置は徐々に突出する。駆動部の調整異常が有る場合には、無荷重ストローク特性においても変化が発生する。
なお、以上の説明ではダイス及びパンチの実装数については言及していないが、本発明は複数組のダイス及びパンチを備える多段式圧造機にも適用することができる。すなわち、複数個のパンチが装着された共通ラムの相対変位量を検出する変位検出手段を備えるようにすればよい。また、圧造加工時の荷重は各組で発生する荷重の総和となるため、ストローク特性の変化の様相は圧造機の構成に依存する。したがって、良否の判定基準は、各圧造機の構成に合わせて設定することになる。
以上説明した本発明の圧造機によれば、角度検出手段及び変位検出手段と判定手段とを備え、圧造加工時に毎回ストローク特性を求めて圧造加工の良否を判定するので、全数検査を高精度に行うことができる。また、変位検出手段には汎用品のセンサを用い、往復動するラムの任意の箇所と基台との間に配設すればよいので、荷重計と比較して省スペースとすることができ、さらに廉価でかつ取り扱いも容易であるため中小形機にも十分適用できる。
本発明を実施するための最良の形態を、図1〜図4を参考にして説明する。図1は、本発明の実施例の圧造機を説明する平面図である。実施例の圧造機1は、基台2及びラム3と、5組のダイス21及びパンチ31と、クランク駆動部4と、角度検出手段に相当するロータリエンコーダ5と、変位検出手段に相当するテーパ部材61及び距離センサ62と、判定手段に相当するモーションアナライザ7と、その他の機能部と、で構成されている。実施例の圧造機1は、長尺の線材Mを送り機構部11で送給し、切断機構部12で切断して一定長のワークを作成している。そして、図略のトランスファー機構部によるワークの搬送と、5組のダイス21及びパンチ31による圧造加工と、キックアウト機構部13によるワークの押し出しと、を順次行うことにより成形部品を製造するように構成されている。
基台2は、各機構部を配設するための筐体であり、堅牢に形成されている。5個のダイス21は、基台2の図中右側に一列に配置されて装着され、左方向を向いた面に所定の加工型が形成されている。ラム3は、基台2の図中左側に配設され、基台2に対して図中左右方向に往復動可能に保持されている。5個のパンチ31は、ラム3の図中右側に一列に配置されて装着され、右方向を向いた面に所定の加工型が形成されて、ダイス21と対向している。
クランク駆動部4は、モータ41、ベルト伝達機構部42、クランク軸43、連結部材44、で構成されている。モータ41は駆動力を発生する駆動源であり、その出力軸にはベルト伝達機構部42の一端が係合されている。ベルト伝達機構部42の他端はクランク軸43に係合され、駆動力を伝達するように構成されている。クランク軸43は、両端431、432を基台2に軸支され、中央にクランク433を有する回転軸である。連結部材44は、一端がクランク433に回動可能に係止され、他端がラム3に係止されている。そして、モータ41が運転されると、クランク軸43に駆動力が伝達され、連結部材44によって回転運動が往復動に変換される。回転運動の前半の半サイクルでは、ラム3は図中左端の後死点から右端の前死点に向かって往動し、ダイス21とパンチ31との間で、ワークの圧造加工が行われる。後半の半サイクルでは、ラム3は前死点から後死点に向かって復動し、1回の圧造加工が終了する。
ロータリエンコーダ5は、クランク軸43の回転角度を検出する角度検出手段に相当するセンサである。ロータリエンコーダ5は、クランク軸43の一端431に臨むように、取付金具51を用いて基台2に固定されている。
変位検出手段を構成するするテーパ部材61はラム3に配設され、距離センサ62は取付金具63を用いて基台2に固設されている。図2は、変位検出手段を構成するするテーパ部材61及び距離センサ62を説明する側面図である。図示されるように、テーパ部材61はラム3の上面に設けられ、テーパ部材61の上面は右側で高く左側で低い傾斜面とされている。距離センサ62は、テーパ部材61の上方に離隔して下向きに固定され、テーパ部材61との距離Lを検出できるようになっている。したがって、図中に矢印で示すように、ラム3が左側の後死点から右側の前死点の方向に動くと、テーパ部材61も一体に動き、距離センサ62で検出される距離Lは徐々に大きくなる。
判定手段に相当するモーションアナライザ7は、ディジタル方式で計測及びデータ解析を行う装置である。モーションアナライザ7は入力部をもち、図1に示されるように、ロータリエンコーダ5及び距離センサ62の出力線71、72が配線接続されている。また、モーションアナライザ7は、記憶部や演算部、表示部、制御部をもち、計測やデータ解析、表示などの処理はソフトウェアによって制御されるようになっている。そして、動作が指示されると、一定のサンプリング間隔で逐次、ロータリエンコーダ5及び距離センサ62の出力を検出して計測を行い、物理量換算やデータ記憶などの必要な処理を行うようになっている。また、クランク軸43の回転角度とラム3の相対変位量とのデータセットを座標軸上に順次プロットし、ストローク特性を求めて保持するようになっている。さらに、求めたストローク特性を、あらかじめ求め記憶させておいた初回動作時の初期特性と比較し、良否を判定して表示するようになっている。
次に、図3を参考にして、ストローク特性による良否判定の具体例を説明する。図3は、圧造加工時にモーションアナライザ7で得られるストローク特性を模式的に説明する図である。図中で、縦軸はラム3の相対変位量D、横軸はクランク軸43の回転角度Aであり、圧造加工を行う回転角度Aが0〜180°すなわちラム3の後死点Rから前死点Fまでの範囲で、5種類のストローク特性S1〜S5のデータが示されている。また横軸の中央からやや右寄りに圧造開始点Pがあり、圧造開始点Pから180°の範囲はワークに荷重が作用する実荷重ストローク特性であり、圧造開始点P以前は無荷重ストローク特性である。
5種類の特性S1〜S5のうち、中央の太線で示される特性データが初期特性S1である。初期特性S1は、ダイス21及びパンチ31を装着し調整を行った後に初回動作で試作を行い、製造された部品が良好であることを確認したときに求められた特性データである。初期特性S1では、回転角度Aの増加に応じて、相対変位量Dが滑らかに後死点Rから前死点Fまで変化している。この初期特性S1が良否判定の基準であり、以下に例示するように初期特性S1から変化した特性は異常と判定される。
図3で、最も下側の特性データは、駆動部の調整異常特性S2を示している。調整異常特性S2は、図中左側の無荷重ストローク特性で既に初期特性S1から変化していることで、容易に異常と判定することができる。駆動部の調整異常は、例えば、クランク軸43の軸支部や連結部材44との係止状態の変化、ガタの発生などにより生じる。
下から2番目の特性データは、過負荷異常特性S3を示している。過負荷異常特性S3は、図中右側の実荷重ストローク特性で、前死点Fが初期特性S1まで到達せず後退(図中では下側)していることで、異常と判定することができる。過負荷異常は、例えば、キックアウト機構部13がワークを押し出せないときに次のワークが搬入されて重ね打ちになった場合や、一定長よりも長いワークが搬入された場合などに生じる。正常時よりも過大なワークがダイス21とパンチ31との間で圧造加工されると、過大な荷重が発生してクランク軸43や連結部材44が過大に撓みあるいは圧縮変形して、ラム3が正規の前死点Fにまで到達しなくなる。
最も上側の特性データは、不足負荷異常特性S4を示している。不足負荷異常特性S4は、図中右側の実荷重ストローク特性で、前死点Fが初期特性S1を通過して突出(図中では上側)していることで、異常と判定することができる。不足負荷異常は、例えば、トランスファー機構部がワークを掴み落として空打ちになった場合や、一定長よりも短いワークが搬入された場合などに生じる。不足負荷異常では、過負荷異常とは逆に発生する荷重が過小となり、クランク軸43や連結部材44の撓み量や圧縮量が減少して、ラム3が正規の前死点Fを通過する。
上から2番目の特性データは、金型摩耗異常特性S5を示している。金型摩耗異常特性S5は、図中右側の実荷重ストローク特性で、前死点Fが初期特性S1をわずかに通過して突出していることで、異常と判定することができる。金型摩耗異常は、ダイス21またはパンチ31が摩耗あるいは破損したときなどに生じる。金型摩耗異常では、摩耗の進展に伴って前死点Fの突出量が徐々に増加するので、突出量の絶対値が小さくとも、偶発的な検出上のばらつきと見分けることができる。
以上説明したように、実施例の圧造機1では、モーションアナライザ7で求めたストローク特性により、全数検査を高精度に行うことができ、異常原因まで特定することができる。また、ロータリエンコーダ5やテーパ部材61及び距離センサ62は、従来の圧造機の設計を変更することなく追加取り付け可能であり、スペース的な課題は生じない。
次に、図4を参考にして、本発明の別の実施例の圧造機について説明する。図4は別の実施例の圧造機11を説明する平面図であり、図1の実施例と比較して変位検出手段が異なっており、その他の部位は略同様となっている。すなわち、変位検出手段は、スケール部材65とインデックスカラー66とで構成されている。リニアスケールに相当するスケール部材65は、極性の異なる狭幅の電極が軸長方向に交互に配された筒状の部材である。また、スケール部材65は、基台2に固定され、軸長方向がラム3の往復動の方向と平行するように配置されている。指示部材に相当するインデックスカラー66は環状で、スケール部材65の外周に同軸に配置され、軸長方向に相対変位可能な部材である。また、インデックスカラー66は、アームを用いてラム3に固定されている。そして、スケール部材65には、インデックスカラー66が横切った電極数をカウントする検出部が設けられ、検出部はモーションアナライザ7まで配線接続されている。
上述の別の実施例の圧造機11では、基台2に対してラム3が相対変位すると、インデックスカラー66がスケール部材65の外周を軸方向に変位する。したがって、検出部によりインデックスカラー66が横切った電極数が検出され、モーションアナライザ7はラム3の相対変位量を収集することができる。モーションアナライザ7におけるストローク特性の作成、良否判定などの動作、作用は、図1の実施例と同様である。
1、11:圧造機
2:基台 21:ダイス
3:ラム 31:パンチ
4:クランク駆動部
41:モータ 42:ベルト伝達機構部
43:クランク軸 44:連結部材
5:ロータリエンコーダ(角度検出手段)
61:テーパ部材 62:距離センサ
65:スケール部材 66:インデックスカラー
7:モーションアナライザ
A:クランク軸の回転角度 D:ラムの相対変位量
F:前死点 R:後死点
S1:(ストローク特性の)初期特性
S2:調整異常特性 S3:過負荷異常特性
S4:不足負荷異常特性 S5:金型摩耗異常特性
2:基台 21:ダイス
3:ラム 31:パンチ
4:クランク駆動部
41:モータ 42:ベルト伝達機構部
43:クランク軸 44:連結部材
5:ロータリエンコーダ(角度検出手段)
61:テーパ部材 62:距離センサ
65:スケール部材 66:インデックスカラー
7:モーションアナライザ
A:クランク軸の回転角度 D:ラムの相対変位量
F:前死点 R:後死点
S1:(ストローク特性の)初期特性
S2:調整異常特性 S3:過負荷異常特性
S4:不足負荷異常特性 S5:金型摩耗異常特性
Claims (5)
- 基台と、該基台に装着されたダイスと、該基台に対して往復動するラムと、該ラムに装着され対向する該ダイスとの間でワークに圧造加工を施すパンチと、クランク軸の回転運動を該ラムの往復動に変換するクランク駆動部と、を備える圧造機において、
前記クランク軸の回転角度を検出する角度検出手段と、
前記基台に対する前記ラムの相対変位量を検出する変位検出手段と、
検出された該回転角度と該相対変位量とを同一のタイミングで逐次収集し、該回転角度と該相対変位量との関係を示すストローク特性を求め、該ストローク特性をあらかじめ設定した基準特性または動作初回時に求めた初期特性と比較して圧造加工の良否を判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする圧造機。 - 前記変位検出手段は、前記基台及び前記ラムの一方に設けられて該ラムの往復動の方向に対し傾斜したテーパ部材と、他方に設けられて該テーパ部材との距離を検出する距離センサと、からなる請求項1に記載の圧造機。
- 前記変位検出手段は、前記基台及び前記ラムの一方に設けられて該ラムの往復動の方向と平行に配置されたラックギヤと、他方に設けられて該ラックギヤに噛合するピニオンギヤと、該ピニオンギヤの回転量を検出するエンコーダと、からなる請求項1に記載の圧造機。
- 前記変位検出手段は、前記基台及び前記ラムの一方に設けられて該ラムの往復動の方向と平行に配置されたリニアスケールと、他方に設けられて該リニアスケールとの相対変位量を指示する指示部材と、からなる請求項1に記載の圧造機。
- 前記判定手段は、前記ラムが動き始める後死点から前記ワークに荷重が作用し始める圧造開始点までの無荷重ストローク特性、及び該圧造開始点から圧造加工が終了する前死点までの実荷重ストローク特性、の少なくとも一方を用いて判定を行う、請求項1〜4のいずれかに記載の圧造機。
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2007
- 2007-04-03 JP JP2007097579A patent/JP2008254015A/ja active Pending
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