次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機をとり上げて説明するが、本発明はこれに限らず、たとえば、コイン遊技機やスロットマシン等であってもよく、表示状態が変化可能な可変表示装置を有し、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となる遊技機であればすべて対象となる。
第1実施の形態
図1に示すように、遊技機の一例のパチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3から溢れた景品玉を貯留する余剰玉受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の後方には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が設けられている。
遊技領域7の中央付近には、複数種類の識別情報(図柄)を可変表示するための可変表示部9、7セグメントLEDによる可変表示器10を含む可変表示装置8が設けられている。この実施の形態では、可変表示部9には、可変表示される左図柄、中図柄、右図柄の3つの図柄(総称して、特別図柄という)や、左図柄、中図柄、右図柄の可変表示の演出効果を高めるための演出用キャラクタ等の各種の情報が表示される。これら可変表示装置8の側部には、打玉を導く通過ゲート11が設けられている。通過ゲート11を通過した打玉は、玉出口13を経て始動入賞口14の方に導かれる。通過ゲート11と玉出口13との間の通路には、通過ゲート11を通過した打玉を検出するゲートスイッチ12がある。また、始動入賞口14に入った入賞玉は、遊技盤6の背面に導かれ、入賞口スイッチ17によって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行なう可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。この実施の形態では、開閉板20が大入賞口を開閉する手段となる。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞玉のうち一方(Vポケット)に入った入賞玉はVカウントスイッチ22で検出される。また、開閉板20からの入賞玉はカウントスイッチ23で検出される。可変入賞球装置8の下部には、始動入賞口14に入った入賞玉数を記憶して表示する4個の表示部を有する始動入賞記憶表示器18が設けられている。この例では、4個を上限として、始動入賞がある毎に、始動入賞記憶表示器18は点灯している表示部を1つずつ増やす。そして、可変表示部9の可変表示が開始される毎に、点灯している表示部を1つずつ減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口19,24が設けられている。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点灯表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打玉を回収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、遊技効果LED28aおよび遊技効果ランプ28b,28cが設けられている。そして、この例では、一方のスピーカ27の近傍に、景品玉払出時に点灯する賞球ランプ51が設けられ、他方のスピーカ27の近傍に、補給玉が切れたときに点灯する玉切れランプ52が設けられている。さらに、図1には、パチンコ遊技台1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることにより玉貸を可能にするカードユニット50も示されている。
打球発射装置から発射された打玉は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を流下していく。打玉が通過ゲート11を通ってゲートスイッチ12で検出されると、可変表示器10の表示数字が連続的に変化する状態となる。また、打玉が始動入賞口14に入り始動口スイッチ17で検出されると、特別図柄の変動を開始できる状態であれば、可変表示部9に表示される特別図柄がスクロールを始める。特別図柄の変動を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶を一時増やす。可変表示部9内の画像のスクロールは、一定時間が経過したときに停止する。停止時の画像(図柄)の組合せが大当り図柄の組合せ(左図柄、中図柄、右図柄が揃った図柄の組合せ)であると、大当り状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または所定個数(たとえば10個)の打玉が入賞するまで開放する。このような開閉板20の開放中の期間をラウンドという。そして、開閉板20の開放中に打玉が特定入賞領域に入賞してVカウントスイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行なわれる。この継続権の発生は、所定回数(最大限15回)許容される。つまり、大当りが発生すれば、最大限16ラウンド分開閉板20が開放され得る。このように、継続権の発生に応じて開閉板20の開放が繰返し継続される制御を繰返継続制御という。
また、可変表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、後述する確率変動状態(高確率状態)では、可変表示部9の可変表示結果が大当りの表示結果となる確率が高められるとともに、可変表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる。また、可変入賞球装置15の開放時間が延長され、その開放回数が増加する。
パチンコ遊技機1に隣接されているカードユニット50には、このカードユニット50が使用可能な状態であるか否かを示す使用可表示器151が設けられており、この使用可表示器151が点灯中であれば使用可能な状態となっている。さらに、カードユニット50には、どちらのパチンコ遊技機1に接続されているかを点灯表示する表示器153と、プリペイドカードの挿入・排出口155と、カードユニット50の前面側蓋を施錠および解錠するための鍵が挿入される鍵穴156とが設けられている。図1中、152は端数表示スイッチであり、挿入カードの残高の端数を表示するものである。また、154はカード投入ランプであり、カード投入時に点灯または点滅するランプである。
次に、パチンコ遊技機1の遊技動作を簡単に説明する。まず遊技者がプリペイドカードをカード挿入・排出口155に挿入して玉貸操作を行なえば、そのプリペイドカードに記録されているカード残高が一部減額されてその減額分だけのパチンコ玉が打球供給皿3内に払出される。その状態で、遊技者が打球操作ハンドル(操作ノブ)5を回動操作することにより、打球供給皿3内のパチンコ玉が1つずつ遊技領域7内に打込まれる。遊技領域7内に打込まれたパチンコ玉が通過ゲート11を通過してゲートスイッチ12により検出されれば、可変表示器10が可変表示動作して、その表示結果が予め定められた特定の識別情報(たとえば7)となった場合に、始動入賞口14を構成している可変入賞球装置15が所定時間開成して遊技者にとって有利な第1の状態となる。
一方、この始動入賞口14にパチンコ玉が入賞すれば、可変表示装置8の可変表示部9が可変表示動作してその表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば777の特定の識別情報の組合せ)となった場合に、特定遊技状態(大当り状態)が発生して、可変入賞球装置19の開閉板20が開成して遊技者にとって有利な第1の状態となる。この第1の状態は、所定期間(たとえば30秒間)の経過または打玉の所定個数(たとえば10個)の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立することにより終了して遊技者にとって不利な第2の状態となる。第1の状態となっている可変入賞球装置19内に進入した打玉が特定入賞領域(Vポケット)に入賞してVカウントスイッチ22により検出されれば、その回の第1の状態の終了を待って再度開閉板20が開成されて第1の状態となる。この第1の状態の繰返し継続制御は、最大限16ラウンドまで実行可能である。
また、可変表示部9により左,中,右の各図柄がゾロ目に揃った状態でスクロール表示される全回転リーチが表示された場合に、所定の演出表示が行なわれ、その演出表示結果に応じた回数だけ時短制御が行なわれる。この時短制御とは、前述した可変表示器10の可変表示期間を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御である。
なお、可変表示器10の可変表示中に打玉が通過ゲート11を通過した場合にはその始動通過が記憶され、可変表示器10が停止して再可変表示可能な状態になってから前記始動通過記憶を「1」減算して可変表示器10が可変表示制御される。この始動通過記憶の上限はたとえば「4」に定められており、現時点での始動通過記憶数が始動通過記憶表示器(図示せず)により表示される。
さらに、ここで言う導出表示とは、表示結果が完全停止している状態と、表示結果が完全停止していなくても、たとえば識別情報を往復変動させ、継続的にある表示結果が表示されている場合(後述する図21(c)の左リール90a,右リール90cの表示状態)を含む概念である。
次に、確率変動状態についてさらに詳細に説明する。可変表示装置8の可変表示部9で可変表示される特別図柄が所定の組合せで停止表示されたとき、大当りが発生するが、その大当り図柄が複数種類の大当り図柄のうちの予め定められた確変図柄(たとえば、この実施の形態では奇数図柄)である場合には、通常遊技状態に比べて大当りが発生する確率が高く変動した確率変動状態(高確率状態)となる。以下、確変図柄による大当りを確変大当りといい、確変図柄以外の大当り図柄(非確変図柄)による大当りを非確変大当りという。
通常遊技状態中に一旦、確変大当りが発生すると、たとえば、少なくとも予め定められた確変継続回数(たとえば、1回、あるいは2回)大当りが発生するまで確率変動状態に継続制御される。また、確率変動状態中に再度確変大当りが発生すれば、その確変大当り以降、改めて確変継続回数が計数され、その後、少なくとも確変継続回数だけ大当りが発生するまで確率変動状態が継続する。そして、確変継続回数に達した大当りが確変図柄以外の非確変図柄によるものであった場合には、確率変動の生じていない通常遊技状態に戻る。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図2を参照して説明する。
パチンコ遊技機1の遊技盤6の裏面側には、機構板36が設けられている。この機構板36の上部には玉タンク38が設けられ、パチンコ遊技機1が遊技機設置島に設置された状態でその上方からパチンコ玉が玉タンク38に供給される。玉タンク38内のパチンコ玉は、誘導樋39を通って玉払出装置に供給される。
機構板36には、中継基板30を介して可変表示部9を制御する可変表示制御ユニット29、基板ケース32に覆われ遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主制御基板)31、可変表示制御ユニット29と遊技制御基板31との間の信号を中継するための中継基板33、およびパチンコ玉の払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された賞球基板37が設置されている。さらに、機構板36には、モータの回転力を利用して打玉を遊技領域7に発射する打球発射装置34と、遊技効果LED28a、遊技効果ランプ28b,28c、確変判定図柄表示部200、賞球ランプ51、および、玉切れランプ52に信号を送るためのランプ制御基板35とが設置されている。
図3は、パチンコ遊技機1の遊技盤6を背面から見た背面図である。遊技盤6の裏面には、図3に示すように、各入賞口および入賞球装置に入賞した入賞玉を所定の入賞経路に沿って導く入賞玉集合カバー40が設けられている。入賞玉集合カバー40により導かれた入賞玉は入賞玉を1個宛処理する入賞玉処理装置(図示せず)に供給される。入賞玉処理装置には入賞球検出スイッチ99(図4参照)が設けられており、入賞球検出スイッチ99の検出信号が遊技制御基板31に送られる。遊技制御基板31では、その検出信号と始動口スイッチ17の検出信号、Vカウントスイッチ22の検出信号、カウントスイッチ23の検出信号に基づいて、所定個数の景品玉を払出すための賞球信号を賞球基板37に出力する。賞球基板37では、その出力されてきた賞球信号に基づいて玉払出装置を制御して所定個数の景品玉を払出すための制御を行なう。
具体的には、開閉板20を経て入賞した入賞玉については1個の入賞玉につきたとえば15個の景品玉が払出され、始動入賞口14に入賞した入賞玉については1個の入賞玉につきたとえば6個の景品玉が払出され、その他の入賞口24および入賞球装置を経て入賞した入賞玉については入賞玉1個につきたとえば10個の景品玉が払出されるように制御される。
このような3種類の個数の景品玉を払出制御するべく、遊技制御基板31は次のように制御動作を行なう。入賞球検出スイッチ99からの検出信号が入力されれば、その入力以前に始動口スイッチ17からの検出信号があったかどうか判断し、あった場合には遊技制御基板31は賞球基板37に対し「6」の賞球個数を払出指令するための賞球指令信号を出力する。一方、入賞球検出スイッチ99からの検出信号があった場合に、それ以前にVカウントスイッチ22またはカウントスイッチ23からの検出信号があった場合には、遊技制御基板31は「15」の賞球個数の賞球指令信号を賞球基板37に出力する。さらに、入賞球検出スイッチ99からの検出信号があった場合において、それ以前に始動口スイッチ17,Vスイッチ22,カウントスイッチ23のいずれからも検出信号が入力されていなかった場合には、遊技制御基板31は「10」の賞球個数を払出し指令するための賞球指令信号を賞球基板37に出力する。
図4は、遊技制御基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図4には、賞球基板37、ランプ制御基板35、音声制御基板70、発射制御基板91および表示制御基板80も示されている。遊技制御基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23および入賞球検出スイッチ99からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16および開閉板20を開閉するソレノイド21を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59と、始動記憶表示器18の点灯および点滅を行なうとともに7セグメントLEDによる可変表示器10と装飾ランプ25とを駆動するランプ・LED回路60とを含む。
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示部9の画像表示開始に利用された始動入賞玉の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等をホール用管理コンピュータ等のホストコンピュータに対して出力する情報出力回路64を含む。
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用されるRAM55、制御用のプログラムに従って制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート57を含む。なお、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている場合もある。
さらに、遊技制御基板31には、電源投入時に基本回路53をリセットするための初期リセット回路56と、基本回路53から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート57のうちのいずれかのI/Oポートを選択するための信号を出力するアドレスデコード回路67とが設けられている。
打玉を弾発発射する打球発射装置は発射制御基板91上の回路によって制御される駆動モータ94で駆動される。そして、駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。すなわち、発射制御基板91上の回路によって、操作ノブ5の操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御される。
確変判定図柄表示部200は、基本回路53からランプ制御基板35に与えられるランプ制御用の制御信号のうちの確変判定図柄表示制御用信号に基づいて、ランプ制御基板35に設けられた制御回路により表示制御される。
図5は、表示制御基板80内の回路構成を、可変表示部9を実現するCRT82とともに示すブロック図である。表示制御用CPU101は、制御データROM102に格納されたプログラムに従って動作し、遊技制御基板31からストローブ信号(割込信号)が入力されると表示制御用CPU101が割込動作状態となって表示制御コマンドデータを取込む。そして、取込んだ表示制御コマンドデータに従って、CRT82に表示される画像の表示制御を行なう。具体的には、表示制御コマンドデータに応じた指令をVDP103に与える。VDP103は、キャラクタROM86から必要なデータを読出す。そして、VDP103は、入力したデータに従ってCRT82に表示するための画像データを生成し、その画像データをVRAM87に格納する。そして、VRAM87内の画像データは、R(赤),G(緑),B(青)信号(RGB信号)に変換され、D/A変換回路104でアナログ信号に変換されてCRT82に出力される。
なお、図5には、VDP103をリセットするためのリセット回路83、VDP103に動作クロックを与えるための発振回路85、使用頻度の高い画像データを格納するキャラクタROM86、および表示制御コマンドデータを入力する入力バッファ回路105も示されている。キャラクタROM86に格納される使用頻度の高い画像データとは、たとえば、CRT82に表示される人物、動物、または、文字、図形もしくは記号等からなる画像などである。
また入力バッファ回路105における各バッファは、遊技制御基板31から表示制御基板80へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。したがって、表示制御基板80側から遊技制御基板31側に信号が伝わる余地はない。表示制御基板80内の回路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号が遊技制御基板31側に伝わることはない。このように、遊技制御基板31と表示制御基板80との間の情報の伝送が、遊技制御基板31(特に基本回路53)から表示制御基板80(特に表示制御用CPU101)への情報の一方向通信に基づいて行なわれるため、表示制御基板80側から遊技制御基板31側への不正なデータの入力による遊技制御基板31での基本回路53の不正制御動作を極力防止することができる。
図6は、このパチンコ遊技機1の制御に用いられる各種ランダムカウンタを示す図である。ランダムカウンタには、C_RND1、C_RND_L、C_RND_C、C_RND_R、C_RND_RCH、C_RND_CARの6種類のランダムカウンタがある。
C_RND1は、特定遊技状態(大当り状態)を発生させるか否かを決定するために用いられるランダムカウンタであり、後述するタイマ割込毎(具体的には0.002秒毎)に1ずつ加算更新され、0から加算更新されてその上限である293まで加算更新された後再度0から加算更新される。
C_RND_L、C_RND_C、C_RND_Rは、可変表示部9に表示される停止図柄を事前決定するために用いられる。
C_RND_Lは左図柄決定用であり、0から加算されてその上限である14まで加算されると再度0から加算される。なお、C_RND_Lは、前述したタイマ割込毎すなわち0.002秒毎に1ずつ加算される。
C_RND_Cは、中図柄決定用のランダムカウンタであり、0から加算されてその上限である14まで加算されると再度0から加算される。なお、C_RND_Cは、前述したタイマ割込毎すなわち0.002秒毎、および、割込処理余り時間毎に1ずつ加算される。割込処理余り時間とは、図8の割込ルーチンが一通り実行された後次のタイマ割込が発生するまでの余り時間のことであり、この余り時間を利用して図8のステップS3に従い無限ループで加算処理が実行される。
C_RND_Rは、中図柄決定用のランダムカウンタであり、0から加算されてその上限である14まで加算された後再度0から加算される。なお、C_RND_Rは、前述のC_RND_Cの桁上げごとに1ずつ加算される。
C_RND_RCHは、リーチの種類を決定するとともに、図柄の可変表示途中に演出用キャラクタ等を表示させるか否かを決定するためのものであり、前述したタイマ割込である0.002秒毎および割込処理余り時間に1ずつ加算され、0から加算されてその上限である11まで加算された後再度0から加算される。
C_RND_CARは、キャラクタ決定用のランダムカウンタであり、0から加算されてその上限である60まで加算されると再度0から加算される。このC_RND_CARは、割込処理余り時間に1ずつ加算される。
図7は、可変表示装置8の表示結果を決定する概略手順を示すフローチャートである。まず、0〜293の範囲でカウントするランダムカウンタC_RND1のカウント数を抽出する。
高確率時(確率変動状態)でない通常時(通常遊技状態)では、その抽出値が「7」のときには大当りを発生させることが事前決定される。なお、C_RND1の抽出値が「7」以外のときには、外れが事前決定され、C_RND_L、C_RND_C、C_RND_Rのカウント値からデータを抽出し、その抽出値に基づいて可変表示部9に表示される外れ図柄が決定される。ここで、この決定された外れ図柄が偶然ゾロ目の図柄であった場合には、C_RND_Cの抽出値に「1」を加算し、強制的に外れ図柄にして表示制御する。
一方、高確率時(確率変動状態)の場合には、C_RND1の抽出値が7,11,79のときに特定遊技状態(大当り状態)を発生させることが決定される。一方、高確率時(確率変動状態)においてランダム1の抽出値が7,11,79以外のときに、外れが事前決定される。
図8は、基本回路53により実行されるメイン処理および割込処理を示すフローチャートである。図8においては、(a)にメインプログラムのフローチャートが示され、(b)に割込処理のプログラムのフローチャートが示されている。
図8の(a)を参照して、メイン処理においては、まず、ステップS(以下単にSという)1により、スタックポインタの指定アドレスをセットするためのスタックセット処理が行なわれる。具体的には、スタックポインタに00FFHを設定する処理がなされる。次にS2へ進み、初期化処理が実行される。次にS3へ進み、可変表示部9により停止される図柄を事前に決定する等のための表示用乱数更新処理が行なわれる。このS3では、無限ループにより繰返し表示用乱数の更新処理が行なわれる。具体的には、前述したランダムカウンタC_RND_L等について加算処理が行なわれる。このS3を繰返し実行している最中に、後述する割込処理が起動された場合には、このS3の処理を構成するプログラムのうちの実行中の位置で一時停止され、その割込処理が終了すると一時停止したプログラムの位置から実行が再開される。
次に、図8(b)を参照して、割込処理は、CPU56により管理されるタイマ割込用のタイマの計時値が設定値(S15で設定されるタイマ割込時間:具体的には0.002秒)になるごとに実行が開始される。
図8(b)に示す割込処理ルーチンでは、まずS4により、表示制御データを設定する処理がなされる。この表示制御データは、可変表示装置8の可変表示部9を表示制御するための指令データ(コマンドデータ)である。この表示制御データ(コマンドデータ)の詳細は、図12〜図18に基づいて後述する。
次に制御がS5へ進み、S4により設定された表示制御データ(コマンドデータ)を表示制御基板80へ出力する処理がなされる。このコマンドデータの出力処理の詳細は、図12〜図18に基づいて後述する。
次に、S6により、ランプ制御基板35および音声制御基板70に音声発生やLED点灯制御用の所定のコマンドデータを送信するための処理を行なうとともに、ホール用管理コンピュータに大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを送信するためのデータ出力処理が行なわれる。次にS7へ進み、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断処理が行なわれ、その結果に応じて必要ならば警報が発せられるエラー処理が行なわれる。次にS8へ進み、遊技制御に用いられる各種の判定用乱数(判定用のランダムカウンタ)を更新する処理が行なわれる。S8においては、具体的には、判定用乱数としての大当り決定用のランダムC_RND1等のカウントアップ(1加算)が行なわれる。
次にS9へ進み、特別図柄プロセス処理が行なわれる。特別図柄プロセス処理とは、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。次にS10へ進み、普通図柄プロセス処理が行なわれる。普通図柄プロセス処理では、可変表示器10を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次に制御がS11へ進み、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、カウントスイッチ23、Vカウントスイッチ22等の状態を入力し、各入賞口や可変入賞球装置に対する入賞があったか否か判定するスイッチ処理が行なわれる。次にS12へ進み、前述した表示用乱数更新処理が行なわれる。次にS13に進み、賞球基板37へ賞球個数信号と賞球可能信号とを出力して景品玉の払出制御指令を行なうための入賞球信号処理が行なわれる。賞球基板37は、この賞球可能信号と賞球個数信号とを受け、賞球個数信号で特定される個数の景品玉を払出すために玉払出装置97を制御する。
次にS14へ進み、賞球コマンド出力処理がなされる。これにより、賞球予定数に応じた賞球コマンド等が基本回路53から払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された賞球基板37へ出力される。次にS15へ進み、CPU56により管理されるタイマ割込用のタイマの計時値を設定するタイマ割込時間設定処理が実行され、割込処理が終了する。
図9は、前述したS9の特別図柄プロセス処理の中の予定停止図柄を決定するための特別図柄判定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
まず、ステップSA(以下、単にSAという)1により、確率変動フラグが高確率時のデータに設定されているか否かの判断がなされる。ここで、確率変動フラグは、確率変動状態であるか否かを示すフラグであり、確率変動状態の場合には確率変動フラグが高確率時のデータに設定され、確率変動状態以外の場合には、低確率時(通常遊技状態)を示すデータに設定されている。
SA1により高確率時のデータに設定されていないと判断された場合は、SA2に進み、高確率時以外の低確率時(通常遊技状態)の大当り判定値のデータである低確率時特別図柄判定値データを設定する処理がなされ、その後、SA4に進む。一方、SA1により高確率時のデータに設定されていると判断された場合は、SA3に進み、高確率時の大当り判定値のデータである高確率時特別図柄判定値データを設定する処理がなされ、その後、SA4に進む。このように、確率変動状態時であるか否かに応じて、大当り判定値のデータが選択的に設定される。この実施の形態の場合は、低確率時特別図柄判定値データが1つの特別図柄判定値「7」により構成され、高確率時特別図柄判定値データが複数の特別図柄判定値「7,11,79」により構成されている。
SA4では、大当りフラグをクリアする処理がなされる。ここで、大当りフラグとは、大当りが発生する場合に設定されるフラグである。SA4の後、SA5に進み、特別図柄判定用バンク0に記憶されたランダムカウンタC_RND1の抽出値のデータが特別図柄判定値と一致するか否かの判断がなされる。これにより、大当りを発生させるか否かの判定がなされる。SA5において、高確率時特別図柄判定値データにより判定がなされる場合には、複数の特別図柄判定値のうちの選択された1つの特別図柄判定値データを用いて1回の判定が行なわれる。高確率時特別図柄判定値データを構成する複数の特別図柄判定値のそれぞれは、判定に用いられる順序が予め定められており、最初の順番の特別図柄判定値から順にSA5での判断に用いられる。SA5での判断に用いられる特別図柄判定値が、後述するSA14およびSA15の処理により順次更新されて行くことにより、高確率時特別図柄判定値データのすべてについての判定が行なわれる。
ここで、特別図柄判定用バンクとは、始動入賞に応じて抽出されたC_RND1の抽出値のデータを一時的に格納するための記憶領域をいい、基本回路53のRAM55の作業領域に設けられている。始動入賞は最大4つまで記憶されるため、特別図柄判定用バンクは、特別図柄判定用バンク0〜特別図柄判定用バンク3の4つの記憶領域を有するシフトレジスタにより構成されている。特別図柄判定用バンクにおいては、特別図柄判定用バンク0,1,2,3の順序で、始動入賞に対応するC_RND1の抽出値のデータが記憶されて行く。
具体的に、始動入賞に応じたC_RND1の抽出値は、最大4つ記憶されるが、最も古いタイミングでの抽出値が特別図柄判定用バンク0に記憶され、始動入賞に応じて、バンク1,2,3の順に抽出値が記憶されて行く。特別図柄判定用バンク0〜3のうちのバンク0に記憶されている抽出値が、大当りを発生させるか否かの判定に用いられる。そして、バンク0の判定が済むと、バンク0の記憶データがクリアされるとともに、バンク1,2,3のそれぞれの記憶データが、1バンクずつバンク0に向けてシフトされる。そして、そのような大当りの判定とデータのシフトとが繰返し実行されることにより、始動入賞記憶に応じた大当りの判定が行なわれるのである。
SA5により特別図柄判定用バンク0のC_RND1の記憶データが特別図柄判定値と一致すると判断された場合は、大当りを発生させる場合であり、後述するSA6に進む。一方、SA5により特別図柄判定用バンク0のC_RND1の記憶データが特別図柄判定値ではないと判断された場合は、SA14に進み、次の順序の特別図柄判定値のデータをSA5での判定に用いられる特別図柄判定値として設定する処理がなされる。ここで、低確率時特別図柄判定値データおよび高確率時特別図柄判定値データのそれぞれは、特別図柄判定値の他に判定終了コードと呼ばれるデータを含んでいる。低確率時特別図柄判定値データがSA5での判定のために設定されている場合には、SA14において、判定終了コードが設定される。一方、高確率時特別図柄判定値データがSA5での判定のために設定されている場合にSA5で最後の順序の特別図柄判定値を用いた判定がなされた後には、SA14において、判定終了コードが設定される。
SA14の後、SA15に進み、SA14で設定された特別図柄判定値のデータが判定終了コードであるか否かの判断がなされる。SA15により判定終了コードではないと判断された場合には、SA14により設定された次の特別図柄判定値を用いて大当りの判定を行なうため、SA5に戻る。これにより、高確率時の場合には、複数の特別図柄判定値による大当りの判定が繰返し行なわれる。一方、SA15により判定終了コードであると判断された場合には、特別図柄判定値を用いた大当りの判定が済み、外れにすることが決定されたため、後述するSA20に進む。
前述したSA5により特別図柄判定用バンク0のC_RND1の記憶データが特別図柄判定値と一致すると判断され、SA6に進んだ場合は、大当りを発生させることが決定されたため、大当りフラグを設定する処理がなされる。SA6の後、SA7に進み、リーチフラグを設定する処理がなされる。ここでリーチフラグとは、リーチ状態が表示される場合に設定されるフラグをいう。このリーチフラグの設定により、大当りが発生する前には、リーチ状態が表示される。
次に、SA8に進み、特定図柄判定用バンク0に記憶されたランダムカウンタC_RND_Lの抽出値のデータを図柄判定のために抽出する処理がなされる。ここで、特定図柄判定用バンクとは、始動入賞に応じて抽出されたC_RND_Lの抽出値のデータを一時的に格納するための記憶領域をいい、基本回路53のRAM55の作業領域に設けられている。始動入賞は最大4つまで記憶されるため、特定図柄判定用バンクは、特定図柄判定用バンク0〜特別図柄判定用バンク3の4つの記憶領域を有するシフトレジスタにより構成されている。特定図柄判定用バンクにおいては、特定図柄判定用バンク0,1,2,3の順序で、始動入賞に対応するC_RND_Lの抽出値のデータが記憶されて行く。
具体的に、始動入賞に応じたC_RND_Lの抽出値は、最大4つ記憶されるが、最も古いタイミングでの抽出値が特別図柄判定用バンク0に記憶され、始動入賞に応じて、バンク1,2,3の順に抽出値が記憶されて行く。特別図柄判定用バンク0〜3のうちのバンク0に記憶されている抽出値が、大当りを発生させる場合の全図柄の決定または大当りを発生させない場合の左図柄の決定に用いられるとともに、確率変動状態を発生させるか否かの判断に用いられる。そして、バンク0の判定が済むと、バンク0の記憶データがクリアされるとともに、バンク1,2,3のそれぞれの記憶データが、1バンクずつバンク0に向けてシフトされる。そして、そのような大当りの判定とデータのシフトとが繰返し実行される。
SA8の処理の後、SA9に進み、確率変動回数カウンタが最大継続回数以上となっているか否かを判断する。ここで、確率変動回数カウンタとは、確率変動を伴う大当りの継続回数をカウントするカウンタである。そして、パチンコ遊技機1では、確率変動を伴う大当りの継続回数が、所定回数(最大継続回数)を越えないように制御される。したがって、SA9で、確率変動回数カウンタが最大継続回数以上となっていると判断した場合には、SA11で、リミッタ作動時の特別図柄データを、C_RND_Lの抽出値に対してセットする行ないSA22に進む。リミッタとは、高確率時においてそれ以上確率変動状態が継続しないように制限するための制御動作である。一方、SA9で、確率変動回数カウンタが最大継続回数に満たないと判断した場合には、SA10で、通常時の特別図柄データを、C_RND_Lの抽出値に対してセットする行ないSA22に進む。
SA15によりYESの判断がなされた場合にはSA20へ進み、予定停止図柄はリーチ態様であるか否か、すなわち、最終的な表示結果を外れとするものの、たとえば、左図柄と右図柄とを同一種類の停止図柄に設定してリーチ状態を表示することが決定されているか否かが判断される。そして、リーチ状態とすることが決定されていない場合には直接SA22に進むが、リーチ状態とすることが決定されている場合には、SA21に進みリーチフラグが設定された後、SA22に進む。一致する場合はリーチとなるためにSA21によりリーチフラグが設定され、一致しない場合にはSA22へ進む。
SA22では、特別図柄データ設定処理がなされる。特別図柄データ設定処理では、停止図柄の種類をC_RND_L、C_RND_C、C_RND_Rの値に基づいて予定停止図柄に関する特別図柄データを設定する処理が実行される。
次に、SA12では、SA22において設定した特別図柄データが抽出され、SA13ではその抽出データに基づいて、予定停止図柄を設定する処理がなされた後、SA16に進む。
SA16では、基本回路53のRAM55の作業領域において、特別図柄判定用バンクおよび特定図柄判定用バンクの各々で、データをシフトさせる処理である作業領域転送処理が実行される。これにより、特別図柄判定用バンクおよび特定図柄判定用バンクの各々において、バンク0のデータが廃棄され、バンク1〜3のそれぞれのデータが1つ先のバンクにシフトされる。これにより、次のデータが大当り判定および図柄の決定等の処理に用いられる状態になる。
次に、SA17に進み、特別図柄判定用バンク3の記憶データをクリアする処理がなされる。これは、SA16によるデータのシフトにより、データのシフト前の特別図柄判定用バンク3の記憶データを保持する必要がなくなったためであり、これにより、新たな始動入賞に応じたC_RND1の抽出値を特別図柄判定用バンク3に記憶させることが可能になる。
次に、SA18に進み、特定図柄判定用バンク3の記憶データをクリアする処理がなされる。これは、SA16によるデータのシフトにより、データのシフト前の特定図柄判定用バンク3の記憶データを保持する必要がなくなったためであり、これにより、新たな始動入賞に応じたC_RND_Lの抽出値を特別図柄判定用バンク3に記憶させることが可能になる。
次に、SA19に進み、特別図柄プロセスフラグのデータを「1」加算更新して、次の処理が実行される状態にする。ここで、特別図柄プロセスフラグとは、各特別図柄の可変表示を実行する際に実行するプロセスを指定するフラグをいう。特別図柄の可変表示動作は、複数のプロセスに分けられており、特別図柄プロセスフラグのデータにより指定されるプロセスに応じた状態に制御される。このSA19の処理の結果、次のプロセスとして、たとえば、特別図柄停止図柄設定処理の実行が指定され、次のプロセスに進められる。SA19の後、この特別図柄判定処理が終了する。
図10は、基本回路53が実行する合体演出設定処理1を説明するためのフローチャートである。以下に説明する処理手順に従い、可変表示部9に表示される演出用キャラクタの種類および演出内容が決定される。なお、合体演出設定処理1が実行されることに基づく可変表示部9での表示内容については、図17を用いて後述する。
まず、C_RND_RCHの抽出値が合体演出判定値であるか否かが判断される(SS1)。合体演出判定値でない場合には処理が終了する。合体演出判定値の場合には、大当りフラグが設定されているか否か、すなわち、大当りとすることが事前決定されているか否かが判定される(SS2)。大当りフラグが設定されていない場合には、SS2でNOの判断がなされ、リーチフラグが決定されているか否か、すなわち、リーチ状態とすることが事前決定されているか否かが判断される(SS6)。リーチフラグが設定されていない場合には処理が終了する。この場合には、可変表示部9には演出用キャラクタはまったく表示されない。
図11(a)は確変当り用テーブルであり、図11(b)は大当り用テーブルであり、図11(c)はリーチ用テーブルを示す。これらのテーブルには、キャラクタ決定用のランダムカウンタであるC_RND_CARの値に応じて、キャラクタの組合せデータが設定されている。
すなわち、図11(a)に示す確変当り用テーブルには、C_RND_CARの値が0〜26,27〜37,38〜45,46〜51,52〜56,57〜59,60のそれぞれに対して、「AAA」,「ABA」,「ACA」,「ACB」,「BAB」,「BBB」,「BCB」が設定されている。
また、図11(b)に示す大当り用テーブルには、C_RND_CARの値が0〜14,15〜24,25〜32,33〜39,40〜45,46〜50,51〜54,55〜57,58、59,60のそれぞれに対して、「AAA」,「ABA」,「ACA」,「ACB」,「BAB」,「BBB」,「BCB」,「CAC」,「CBC」,「CCC」が設定されている。
さらに、図11(c)に示すリーチ用テーブルには、C_RND_CARの値が0,1〜10,11〜29,30〜60の値に対して、「AA」,「AB」,「BB」,「CC」が設定されている。
図10において、リーチフラグが設定されている場合にはSS6でYESの判断がなされ、図11(c)に示すリーチ用テーブルが参照される(SS7)。そして、SS9においてC_RND_CARの値により、リーチ用テーブルからキャラクタの組合せが選ばれて設定される。たとえば、C_RND_CARの値が1〜10の間にあれば、演出用キャラクタとしてキャラクタA,Bが設定される。キャラクタA,Bは、実際には所定の人物や動物、自然物、風景等を基に創作された所定の形態からなる、それぞれ異なる種類の画像であり、以下に登場するキャラクタC,X,Y,Zについても同様である。
SS7で演出用キャラクタA,Bが設定されることにより、リーチ状態となる前には演出用キャラクタAと演出用キャラクタBとが可変表示部9に登場する。これにより、リーチ状態となることが演出用キャラクタAと演出用キャラクタBとによって遊技者に予告される。なお、リーチフラグがある場合に常に演出用キャラクタA,Bを設定することに代えて、たとえば、80%程度の所定確率で演出用キャラクタA,Bを設定するように構成してもよい。
SS7に基づく表示制御が実行されることにより、可変表示部9で図柄の可変表示が開始された後、可変表示部9に演出用キャラクタA,Bが登場し、まもなくして双方の演出用キャラクタ同士が合体(融合)を試みるものの、合体(融合)に失敗する表示がなされる。
SS2で大当りフラグが設定されていると判断された場合には、予定停止図柄として定められている大当り図柄の種類が確変図柄であるか否かが判断される(SS3)。そして、非確変図柄である場合には、SS3でNOの判断がなされ、SS5で大当り用テーブルが参照される。そして、SS9でC_RND_CARの値がたとえば33〜39の間であれば、可変表示部9に表示する演出用キャラクタとしてキャラクタA,C,Bが設定され、表示制御が実行されることにより、リーチ状態となる前に演出用キャラクタAと演出用キャラクタBとが可変表示部9に登場し、リーチ状態となった後、さらに演出用キャラクタCが登場する。3種類の演出用キャラクタA,B,Cが登場した後しばらくすると3種類の演出用キャラクタが合体を試みるものの、合体に失敗する表示がなされる。その後、非確変図柄による大当りの表示結果が導出表示される。このように、3種類の演出用キャラクタが合体に失敗する表示がなされることによって、可変表示結果が非確変大当りとなることが遊技者に予告される。
SS3で大当り図柄として確変図柄が設定されていると判断された場合には、SS4で図11(a)に示す確変当り用テーブルが参照され、SS8において合体キャラクタとしてキャラクタXを表示するための設定がなされる。その後、SS9においてC_RND_CARの値に応じたキャラクタの組合せが設定される。このように表示制御が実行されることにより、リーチ状態となる前に表示されるキャラクタの組合せが図11(c)のように設定され、リーチ状態となった後図11(b)に示すように設定され、その後しばらくすると3種類の演出用キャラクタが合体し、合体キャラクタXに変化する。合体キャラクタXが出現した後、確変図柄による大当り結果が図11(a)に示すキャラクタの組合せで導出表示される。このように、3種類の演出用キャラクタが合体に成功し、合体キャラクタXが表示されることによって、可変表示結果が確変大当りとなることが遊技者に予告される。しかも、C_RND_CARの値により、キャラクタの組合せが変化し、期待度が高いかあるいは低いかの予告を複雑にして遊技者が飽きないように演出することができる。
また、確変大当りや通常大当りが予め決定している場合は、図11(a)および図11(b)に示したキャラクタの組合せの順に「AAA」〜「CCC」で出現する確率が高くなっている。すなわち、図11(a),図(b)の上位の組合せ、特に「AAA」が選択されやすくなっている。このため、遊技者は、たとえば「AAA」が表示された場合には、大当りの期待を大きく持つことができる。
なお、SS4,5,7の各ステップに処理が移行した場合に各処理が常に実行されるのではなく、所定確率で実行されるようにしてもよい。これにより、たとえば、合体キャラクタXが表示されない(合体に成功しない)場合にも確変大当りとなることを遊技者が期待できるようになる。あるいは、合体キャラクタXが表示された(合体に成功した)場合でも確変大当りが発生しない可能性が生じるために、遊技者に確変大当りに対する期待感を付与しながらも遊技者の緊張感を持続させることができる。ただし、予告の信頼性を向上させるためには、たとえば、合体キャラクタXが出現した場合に確変大当りとなる確率は、合体キャラクタXが出現しない場合に確変大当りとなる確率よりも高くなるように設定する必要がある。
以上、説明した合体演出設定処理1が実行されることにより、可変表示装置8には複数の演出用キャラクタA,B,Cが表示されるのみならず、それらの演出用キャラクタ同士を合体させる表示がなされ、しかも演出用キャラクタ同士が合体した場合と合体しなかった場合とでは大当り(確変大当り)となる確率が異なるために、可変表示装置8において効果的な演出を行なって遊技の興趣向上を図ることができる。また、図10のSS4、SS5の設定により3種類のキャラクタA,B,Cが表示されると、少なくとも大当りが発生するのであり、このため、演出用キャラクタの表示によって可変表示装置の表示結果を遊技者に予告可能となる。
次に、遊技制御基板(主制御基板)31から表示制御基板80へ送信される表示制御用のコマンドデータについて詳細に説明する。
図12は、遊技制御基板(主制御基板)31から表示制御基板80へ一方向通信で送信される表示制御用のコマンドデータを示す図である。表示制御用のコマンドデータはCD0〜CD7の8ビットのデータが構成されており、各ビットデータが図11に示すようにパラレル転送される。さらに、遊技制御基板31から表示制御基板80へストローブ信号としての表示制御信号INT(割込信号)が送信される。表示制御基板80は、この割込信号が入力されることにより表示制御用CPU101が割込状態となり、コマンドデータCD0〜CD7を取込む動作を行なう。さらに、遊技制御基板31から表示制御基板80に対し、+30V,+5Vの直流電圧が供給されるとともに、グランドラインが接続された状態となる。
図13は、遊技制御基板31から表示制御基板80に対しコマンドデータを送信する場合の送信動作を示すタイミングチャートである。表示制御用のコマンドデータCD0〜CD7は、前回送ったコマンドデータとは異なった内容のコマンドデータを表示制御基板80へ送信しなければならなくなった場合に、基本回路53から表示制御基板80へ一回のみ送信される。その場合には、まず、ストローブ信号である表示制御信号INT(割込信号)を30μsecのパルス信号として基本回路53が表示制御基板80へ出力する。この信号は、表示制御用CPU101(図5参照)のIRQ2へ入力される。その結果、表示制御用CPU101は、割込状態となる。一方、基本回路53は、この表示制御信号INTの出力に同期して表示制御用のコマンドデータCD0〜CD7を出力する。すると、表示制御用CPU101は、割込状態でそのコマンドデータCD0〜CD7を取込む制御を行なう。
図14は、コマンドデータのデータ構造を示す図である。表示制御用のコマンドデータCD0〜CD7の各々は、0〜7の8ビットデータで構成されており、4〜7の上位4ビットは、たとえば左,中,右のどの図柄を変動制御するための指令データか等のモードを指定するためのデータである。0〜3の下位4ビットは、上位4ビットで指定されたモードの具体的な内容、たとえば図柄の変動速度や変動方法の具体的な内容等を特定するためのデータである。
図15は、コマンドの内容を示す図である。8ビットのコマンドデータのうち上位4ビットが80Hの場合には、図柄の変動を制御するコマンドであることが指定され、具体的な制御動作内容を指定するデータであるEXTDATA(エキストラデータ)の内容は、図柄の変動速度と変動方法(たとえば高速変動,低速変動,コマ送り変動等)とに応じて種々設定される。
上位4ビットが83Hの場合には、電源投入時の画面を表示するコマンドであることが指定され、エキストラデータは00Hに固定されたデータとなる。上位4ビットが88Hの場合には、左図柄を差替えるコマンドであることが指定され、下位4ビットのエキストラデータは、差替える図柄の種類によって種々設定される。上位4ビットが89Hの場合には、中図柄を差替えるコマンドであることが指定され、下位4ビットのエキストラデータは差替える図柄の種類によって種々設定される。上位4ビットが8AHの場合には、右図柄を差替えるコマンドであることが指定され、下位4ビットのエキストラデータは差替える図柄の種類によって種々設定される。
上位4ビットが8BHの場合には、左図柄を停止するコマンドであることが指定され、下位4ビットであるエキストラデータは停止する図柄の種類によって種々設定される。上位4ビットが8CHの場合には、中図柄を停止するコマンドであることが指定され、下位4ビットであるエキストラデータは停止する図柄の種類によって種々設定される。
上位4ビットが8DHの場合には、右図柄を停止するコマンドであることが指定され、下位4ビットであるエキストラデータは停止する図柄の種類によって種々設定される。
上位4ビットが8FHの場合には、全図柄を変動するコマンドであることが指定され、下位4ビットであるエキストラデータは00Hに固定される。この全図柄変動は、打玉の始動入賞に伴い左,中,右の各図柄が一斉に可変表示動作する状態をいう。
上位4ビットが90Hの場合には、図柄変動領域および図柄の形状を制御するコマンドであることが指定され、下位4ビットであるエキストラデータは図柄の表示領域と形状に応じて種々設定される。このコマンドデータにより、左,中,右の図柄表示部の表示領域の大きさや位置や形状が制御される。上位4ビットがA0Hの場合には、可変入賞球装置19を第1の状態に制御している大当り制御中における可変表示部9の画面を表示するためのコマンドであることが指定され、下位4ビットであるエキストラデータは、大当り制御の繰返し実行回数(ラウンド回数)やインターバル等の表示画面に応じて種々設定される。上位4ビットがC0Hの場合には、可変表示部9の背景およびキャラクタ(演出用キャラクタや合体キャラクタ等)を制御するためのコマンドであることが指定され、下位4ビットであるエキストラデータは背景と表示キャラクタとに応じて種々設定される。
本実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、可変表示装置8の可変表示部9が可変表示動作し、その後、可変表示部9に、表示結果が導出される。なお、「リーチ状態」とは、可変表示装置8の可変表示部9が可変開始された後、表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特定の表示態様となる表示条件から外れていない表示態様をいう。言い換えれば、リーチとは、表示状態が変化可能な可変表示装置を有し、該可変表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特定の表示態様の組合せとなった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、前記複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が前記特定の表示態様の組合せとなる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチとは、表示状態が変化可能な可変表示部を複数有する可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様の組合せになった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、前記可変表示装置の表示結果がまだ導出表示されていない段階で、前記特定の表示態様の組合せが表示されやすい可変表示態様となったと遊技者に思わせるための表示状態をいう。そして、たとえば、前記特定の表示態様の組合せが揃った状態を維持しながら複数の前記可変表示部による可変表示を行なう状態もリーチ表示状態に含まれる。さらにリーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいものがある。このような特定のリーチをスーパーリーチという。
また、リーチ状態とは、可変表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、前記表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の可変表示領域の表示結果の少なくとも一部が前記特定の表示態様となる条件を満たしている場合の表示状態をもいう。
図16は、可変表示部9において、合体演出設定処理1のSS4の設定に基づいて可変表示が行なわれる場合のコマンドデータとそのコマンド内容との一例を示す図である。この場合、基本回路53は、表示制御基板80に対し、図16に示すように1〜21の21種類のコマンドデータを順次送信する。これらコマンドデータそれぞれには図に示すような名称が付されている。
また、各コマンドデータの送信のタイミングチャートが図17に示されている。また、各コマンドデータが送信された結果として、可変表示部9における表示内容を示す表示画面図が図18に示されている。図16〜図18を参照して、可変表示部9における可変表示制御について説明する。
まず基本回路53は、コマンドデータ8FH00Hを表示制御基板80へ出力する。このコマンドデータの上位4ビットは8FHであるために、図15を用いて説明したように全図柄を制御するモードとなる。そしてエキストラデータの00Hにより、全図柄の低速変動開始が指定される。その結果、表示制御基板80の表示制御用CPU101は可変表示部の左,中,右図柄90a,90b,90cを低速で変動開始させる。このとき、可変表示部9では、それまで前回の可変表示の結果として行なわれていた停止表示が、図18の(a)に示すような、左,中,右図柄90a,90b,90cのスクロールでの可変表示に切替わる。なお、図中の上向き矢符は、スクロール状態を示している。
次に、図17を参照して、時間T1経過後に、次のコマンドデータであるC0HA0Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより背景およびキャラクタを制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより、前記演出用キャラクタの一つである、キャラクタAを表示することが指定される。これにより、図18の(b)に示すように、可変表示部9において、左図柄90aの下方から演出用キャラクタA 92aが飛出すような態様で出現し、左図柄90aの下方に待機する。
次に、時間T2経過後にコマンドデータ8AH07Hが送信される。これらのコマンドデータの上位4ビットにより、左図柄を差替えるコマンドであることが指定され、下位4ビットにより、左図柄を「7」に差替えることが指定される。これにより、図18の(b)に示すように、可変表示部9において、「7」の図柄が左図柄90aとして表示される。なお、T1とT2との時間間隔は微小であるために、左図柄90aの差替え表示とほぼ同時にキャラクタAが出現したような表示態様となる。
次に、時間T3経過後に、次のコマンドデータである80H10Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより左図柄の変動を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより左図柄を揺れ変動させることが指定される。この揺れ変動とは、左図柄を可変表示部9の表示領域内で上下に反復移動させて揺れているように見せる表示である。これにより、左図柄90aが揺れながら表示される。なお、以下、このような揺れ状態を準停止ともいう。
次に、時間T4経過後に、次のコマンドデータであるC0HA1Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより背景およびキャラクタを制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより、前記演出用キャラクタの一つである、キャラクタBを表示することが指定される。これにより、図18の(c)に示すように、可変表示部9において、右図柄90cの下方から演出用キャラクタB 92bが飛出すような態様で出現し、右図柄90cの下方に待機する。
次に、時間T5経過後に、次のコマンドデータである8AH07Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより、右図柄を差替えるコマンドであることが指定され、下位4ビットにより、右図柄を「7」に差替えることが指定される。これにより、図18の(c)に示すように、可変表示部9において、「7」の図柄が右図柄90cとして表示され、左図柄90aと右図柄90cとが揃ったリーチ状態が成立する。なお、T4とT5との時間間隔は微小であるために、右図柄90cの表示とほぼ同時に演出用キャラクタB 92bが出現したような表示態様となる。
次に、時間T6経過後に、次のコマンドデータである82H10Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより右図柄の変動を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより右図柄を揺れ変動させることが指定される。これにより、可変表示部9において、右図柄90cが揺れながら表示され、右図柄90cが準停止状態となる。
次に、時間T7経過後に、次のコマンドデータであるC0HA2Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより背景およびキャラクタを制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより、前記演出用キャラクタの一つである、キャラクタCを表示することが指定される。これにより、図18の(d)に示すように、可変表示部9において、中図柄の下方から演出用キャラクタキャラクタC 92cが飛出すような態様で出現し、中図柄90bの下方に待機する。なお、前述した合体演出設定処理1においてSS7の表示設定がされている場合には、コマンドデータC0HA2Hは送信されない。このため、前記SS7の表示設定がされている場合には、演出用キャラクタC 92cは表示されない。
次に、時間T8経過後に、次のコマンドデータである89H02Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより、中図柄を差替えるコマンドであることが指定され、下位4ビットにより、中図柄を「2」に差替えることが指定される。これにより、図18の(d)に示すように、可変表示部9において、中図柄90bとして「2」の図柄が表示される。この段階では、図18の(d)に示すように「727」の外れの表示態様となっている。前述した合体演出設定処理1においてSS7の表示設定がされている場合には、この段階(ただし、演出用キャラクタC 92cは表示されない)で表示結果が確定し、次の始動入賞に基づいた新たな可変表示が開始される。
次に、時間T9経過後に、次のコマンドデータである81H10Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより中図柄の変動を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより中図柄を揺れ変動させることが指定される。これにより、中図柄90bが揺れながら表示され、その結果、左,中,右の各図柄90a,90b,90cが揺れながら表示される。
次に、時間T10経過後に、次のコマンドデータであるC0HB0Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより背景およびキャラクタを制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより全キャラクタA,B,Cを合体させる表示を行なった後、合体キャラクタXを表示することが指定される。これにより、まず、図18(d)に示すように、演出用キャラクタ(A,B,C)を覆い包むような煙のごときキャラクタ92d(以下、煙キャラクタ92dという)が表示され、該煙キャラクタ92dを含む演出用キャラクタ(A,B,C)が点滅し始める。その後、たとえば、各演出用キャラクタが中央位置に集合し、融合されていくような表示がなされる。そして、演出用キャラクタ同士の合体が成功し、図18(e)に示すように新たな合体キャラクタX 93が中図柄90bの一部の領域を覆うようにして中図柄90bの前面側に出現する。
この合体キャラクタX 93は、確率変動状態が発生する旨を示す確変判定図柄であり、この合体キャラクタX 93が表示されると、やがて、確率変動状態の発生を伴う大当り状態が発生する。これにより、可変表示装置8の表示結果(確変大当り)に対する遊技者の期待感を向上させることができる。
なお、確率変動状態の発生を伴わない大当り状態が発生する場合には、この合体キャラクタXの代わりに、合体キャラクタX′を表示することが指定されるように構成してもよい。この合体キャラクタX′は、確率変動状態が発生しない旨を示す確変判定図柄ということができ、この合体キャラクタX′が表示されると、やがて、確率変動状態の発生を伴わない大当り状態が発生する。つまり、合体キャラクタXと、合体キャラクタX′とが選択に表示されるように構成することにより、確変判定図柄の表示によって、確率変動状態が発生するか否かが予告報知されるのである。このように構成することにより、合体キャラクタを用いて確率変動状態の発生の有無を予告報知でき、当該予告報知により、遊技者の期待感を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
次に、時間T11経過後に、次のコマンドデータである80H02Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより左図柄の変動を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより左図柄を中速度変動させることが指定される。この中速度変動は、高速変動と低速変動との中間の速度での変動であり、予め定められている速度での変動である。これにより、左図柄90aが中速度変動でのスクロールにより変動開始される。
次に、時間T12経過後に、次のコマンドデータである82H02Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより右図柄の変動を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより右図柄を中速度変動させることが指定される。これにより、右図柄90cが中速度変動でのスクロールにより変動開始される。
次に、時間T13経過後に、次のコマンドデータである81H02Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより中図柄の変動を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより中図柄を中速度変動させることが指定される。これにより、中図柄90bが中速度変動でのスクロールにより変動開始される。
次に、時間T14経過後にコマンドデータ88H07Hが送信される。これらのコマンドデータの上位4ビットにより、左図柄を差替えるコマンドであることが指定され、下位4ビットにより、左図柄を「7」に差替えることが指定される。これにより、図18の(f)に示すように、可変表示部9において、「7」の図柄が左図柄90aとして表示される。
次に、時間T15経過後に、次のコマンドデータである80H10Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより左図柄の変動を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより左図柄を揺れ変動させることが指定される。これにより、「7」の左図柄90aが揺れながら表示される。
次に、時間T16経過後に、次のコマンドデータである8AH07Hが送信される。これのコマンドデータの上位4ビットにより、右図柄を差替えるコマンドであることが指定され、下位4ビットにより、右図柄を「7」に差替えることが指定される。これにより、図18の(f)に示すように、可変表示部9において、「7」の図柄が右図柄90cとして表示される。
次に、時間T17経過後に、次のコマンドデータである82H10Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより右図柄の変動を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより右図柄を揺れ変動させることが指定される。これにより、「7」の右図柄90cが揺れながら表示される。
次に、時間T18経過後に、次のコマンドデータである89H07Hが送信される。これのコマンドデータの上位4ビットにより、中図柄を差替えるコマンドであることが指定され、下位4ビットにより、中図柄を「7」に差替えることが指定される。これにより、図18の(f)に示すように、可変表示部9において、中図柄90bとして「7」の図柄が表示される。
次に、時間T19経過後に、次のコマンドデータである81H10Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより中図柄の変動を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより中図柄を揺れ変動させることが指定される。これにより、中図柄90bが揺れながら表示され、その結果、左図柄,中図柄,右図柄90a,90b,90cが「7」を示した状態で揺れながら表示される。
次に、時間T20経過後に、次のコマンドデータである8FH01Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより全図柄を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより全図柄の変動を停止させることが指定される。これにより、図18の(f)に示すように、可変表示部9において、揺れていた全図柄90a,90b,90cが同時に停止表示される。その結果、左,中,右の各図柄の表示結果が「7」に揃って、大当り状態が発生し、大当り制御状態に移行する。この場合の大当りは、合体キャラクタX 93の表示により予告された確変大当りであるため、確率変動状態に制御される。
なお、前記SS5の表示設定(合体を失敗させる設定)がされている場合には、前記時間T10の経過後に、C0HB0Hとは異なる図示しないコマンドデータが送信される。このコマンドデータの上位4ビットはC0Hであり、これにより背景およびキャラクタを制御するモードであることが指定される。また、下位4ビットにより全キャラクタA,B,Cの合体を試行させる表示を行なった後、合体に失敗する表示を行なうことが指定される。これにより、可変表示部9には、演出用キャラクタ(A,B,C)を覆い包む煙キャラクタ92dが表示され、該煙キャラクタ92dを含む演出用キャラクタ(A,B,C)が点滅し始める。その後、たとえば、各演出用キャラクタが中央位置に集合し、融合されていくような表示がなされた後、各演出用キャラクタが合体に失敗する表示(たとえば、合体に失敗して元の演出用キャラクタA,B,Cに分離)がなされ、その後、各図柄の再変動が行なわれた結果、非確変大当りとなる。
なお、図18では、図柄の停止順序が左図柄、中図柄、右図柄である場合を例に挙げて説明したが、これに限らず、任意の順序としてもよい。この場合には、その順序に従って、各図柄に対応する演出用キャラクタを出現させる。
以上に示したように、遊技制御基板31(基本回路53)側では、可変表示部9の表示の変化の開始に対して所定のタイミングで、表示制御基板80側が読取可能な態様で1回のみ、コマンドデータを表示制御基板80へ向けて出力している。遊技制御手段が同じ内容の指令情報を繰返し出力させる処理を行なう必要がなくなる。このため、指令情報の出力に関する処理回数を低減することができるので、遊技制御基板31(基本回路53)側の処理負担を軽減することができる。
第2実施の形態
次に、第2実施の形態について説明する。
図19は、第2実施の形態に係るパチンコ遊技機1の基本回路53が実行する合体演出設定処理2を説明するためのフローチャートである。以下に説明する処理手順に従い、可変表示部9に表示される演出用キャラクタの種類および演出内容が決定される。なお、合体演出設定処理2が実行されることに基づく可変表示部9での表示内容については、図20〜図22を用いて後述する。
まず、C_RND_RCHの抽出値が合体演出判定値であるか否かが判断される(ST1)。合体演出判定値でない場合には処理が終了する。合体演出判定値の場合には、大当りフラグが設定されているか否か、すなわち、大当りとすることが事前決定されているか否かが判定される(ST2)。大当りフラグが設定されていない場合には、ST2でNOの判断がなされ、リーチフラグが決定されているか否か、すなわち、リーチ状態とすることが事前決定されているか否かが判断される(ST6)。リーチフラグが設定されていない場合には処理が終了する。この場合には、可変表示部9には演出用キャラクタはまったく表示されない。リーチフラグが設定されている場合にはST6でYESの判断がなされ、可変表示部9に表示する演出用キャラクタの表示設定の内容として「合体3」が設定される(ST7)。「合体3」の設定に基づく表示制御が実行されることにより、可変表示部9で図柄の可変表示が開始された後、可変表示部9にキャラクタA,Cが登場し、まもなくして双方のキャラクタ同士が合体して合体キャラクタXとなり、リーチ状態となることが予告される。このため、合体キャラクタXが出現した場合には遊技者のリーチ発生に対する期待感を向上させることができる。その後、リーチ状態を経て外れの表示結果が導出表示される。「合体3」の設定に基づく表示制御内容の詳細については、図22を用いて後述する。
ST2で大当りフラグが設定されていると判断された場合には、予定停止図柄として定められている大当り図柄の種類が確変図柄であるか否かが判断される(ST3)。そして、非確変図柄である場合にはST3でNOの判断がなされ、可変表示部9に表示する演出用キャラクタの表示設定の内容として「合体2」が設定される(ST5)。「合体2」の設定に基づく表示制御が実行されることにより、可変表示部9で図柄の可変表示が開始された後、可変表示部9にキャラクタA,B,Cが登場し、まもなくして3つのキャラクタが合体して合体キャラクタZとなる。その後、リーチ状態を経て非確変大当りの表示結果が導出表示される。よって、合体キャラクタZ 96の出現により非確変大当りとなることが遊技者に予告されることになる。「合体2」の設定に基づく表示制御内容の詳細については、図21を用いて後述する。
ST3で大当り図柄として確変図柄が設定されていると判断された場合には、可変表示部9に表示する演出用キャラクタの表示設定の内容として「合体1」が設定される(ST4)。「合体1」の設定に基づく表示制御が実行されることにより、可変表示部9で図柄の可変表示が開始された後、可変表示部9にキャラクタB,Cが登場し、まもなくして双方のキャラクタ同士が合体して合体キャラクタXとなる。この合体キャラクタXによって、リーチ状態が予告され、その後、確変大当りの条件を満たすリーチ状態を経て、一旦、外れの表示結果となるが、最後に停止した図柄の下方から演出用キャラクタAが登場し、合体キャラクタXと演出用キャラクタAとが合体して合体キャラクタYに変化する。その後、図柄の再度の可変表示が行なわれた結果、確変大当りが発生する。よって、合体キャラクタYの出現により確変大当りが遊技者に予告される。
以上、説明した合体演出設定処理2の設定に応じて、基本回路53は表示制御基板80の表示制御用CPU101に対して第1実施の形態と同様の方式でコマンドデータを送信する。表示制御基板80の表示制御用CPU101は、基本回路53からのコマンドデータに基づき、複数種類の演出用キャラクタ(A,B,C)および複数種類の合体キャラクタ(X,Y,Z)の中から表示すべきキャラクタを選択して、キャラクタの表示制御等を行なう。このように、表示される合体キャラクタの種類にも選択肢があるため、これにより遊技の興趣のより一層の向上を図ることができる。以下に、コマンドデータの送信に基づく表示内容を図20〜図22の画面図に基づいて説明する。
図20は、合体1の表示設定(ST4)に基づく表示内容を説明するための画面図である。なお、合体1の表示設定は、可変表示結果を確変大当りとすることが事前決定されている場合に行なわれる設定である。
まず、前回の可変表示結果が表示された状態(図20(a))から、各図柄90a〜90cが一斉に可変表示開始する。その後、各可変表示部9が画面上部で縮小表示され、それと同時に画面下方には演出用キャラクタB 92b,演出用キャラクタC 92cが順に出現する。
次に、左図柄90aが表示され、その後、演出用キャラクタB 92bと演出用キャラクタC 92cとが合体して合体キャラクタX 93が出現する(図20(b))。この第2実施の形態では、合体キャラクタX 93が出現すると、必ずリーチ状態となる。よって、合体キャラクタX 93は、リーチ状態予告機能を備えている。このように演出用キャラクタ同士が合体した場合にリーチ状態となるために、遊技者のリーチ状態に対する期待感を向上させることができる。
合体キャラクタX 93が出現した後、所定時間が経過すれば、右図柄90cの可変表示が終了し、予告通りに左図柄90aとの関係でリーチ状態を成立させる図柄「7」が表示される(図20(c))。なお、図において、導出表示されている図柄の上下に記された二重円弧の記号は、その図柄が上下方向に揺れ変動している状態(準停止の状態)を示すものである。
その後、一旦、中図柄90bとして外れ図柄「3」が導出表示され、外れ図柄の表示と同時に画面下方に演出用キャラクタA 92aが出現する(図19(d))。次に、出現した演出用キャラクタA 92aと合体キャラクタX 93とが合体する表示がなされ、図20(e)に示すように、合体キャラクタY 95が出現する。その後、中図柄90bが再度可変表示を開始する。やがて、所定時間が経過すると、確変大当りの表示結果が導出表示される(図20(f))。
図20において、合体キャラクタY 95が表示されることにより確変大当りの表示結果となるために、合体キャラクタY 95は、確変大当りを予告する予告機能を備えている。これにより、可変表示装置8の表示結果(確変大当り)に対する遊技者の期待感を向上させることができる。
なお、図20(d)の時点で可変表示部9の表示状態が、一旦、非確変大当りの状態(たとえば「666」など)となり、その後、合体キャラクタY 95が表示されることで、すべての図柄の再可変表示が開始してその表示結果が確変大当り(「777」等)に変化するように構成してもよい。
また、図20に示す表示例では、各図柄90a,90b,90cの可変表示結果に基づき、最終的に確変大当りとなるか非確変大当りとなるかが表示されるが、これに代えて、各図柄90a,90b,90cの可変表示結果は単に大当りであるか否かを表示するのみとして、確変大当りであるか非確変大当りであるかは合体キャラクタの種類により定まるよう構成してもよい。この場合、演出用キャラクタおよび合体キャラクタは、各図柄90a,90b,90cの可変表示結果の確定後に出現するように構成し、各図柄90a,90b,90cの可変表示により大当りであるか否かを決定する表示制御が実行された後に、演出用キャラクタおよび合体キャラクタを用いて確変大当りであるか否かを決定する表示制御が行なわれるようにしてもよい。
図21は、合体2の表示設定(ST5)に基づく表示内容を説明するための画面図である。なお、合体2の表示設定は、可変表示結果を非確変大当りとすることが事前決定されている場合に行なわれる設定である。
まず、前回の可変表示結果が表示された状態(図21(a))から改めて図柄の可変表示が開始された後、すべての図柄90a,90b,90cの可変表示が継続している最中に演出用キャラクタA 92a,演出用キャラクタB 92b,演出用キャラクタC 92cが順次表示される(図21(b))。なお、演出用キャラクタが表示されることに伴い、各図柄90a,90b,90cが画面上部に縮小表示される。次に、図示しない煙キャラクタによって3つの演出用キャラクタが覆われ、複数の演出用キャラクタが合体を試みる合体演出表示が開始される。次に、合体演出表示が継続している間に左図柄90aとして「2」が導出表示され、続いて合体キャラクタZ 96が出現する。合体キャラクタZ 96は、非確変リーチ状態または非確変大当りを予告する予告キャラクタであり、この合体キャラクタZ 96が出現した後、右図柄90cとして「2」が導出表示される(図21(c))。これにより、リーチ状態となる。その後、中図柄90bの可変表示が終了して図21(d)に示すように、非確変大当りの表示結果が導出表示される。
図22は、合体3の表示設定(ST7)に基づく表示内容を説明するための画面図である。なお、合体3の表示設定は、可変表示結果を外れとすることが事前決定されている場合に行なわれる設定である。
まず、可変表示部9で図柄の可変表示が開始された後(図22(a))、演出用キャラクタA 92a,演出用キャラクタC 92cが順に出現する(図22(b))。なお、演出用キャラクタA 92a,演出用キャラクタC 92cは、図柄90a,90b,90cのうち、リーチ状態となる図柄に対応してその下方に出現する。図22(b)では、左図柄90aの下方と右図柄90cの下方とに演出用キャラクタが表示されているため、遊技者は左図柄90aと右図柄90cとの組合せにおいてリーチ状態となることを予期できる。その他、たとえば、中図柄90bの下方に演出用キャラクタB 92bが表示され、右図柄90cの下方に演出用キャラクタC 92cが表示された場合には、遊技者は、中図柄90bと右図柄90cとの組合せにおいてリーチ状態となることを予期できる。
その後、両演出用キャラクタが合体する合体演出表示が行なわれ、その最中に左図柄90aとして「7」が導出表示される。その後、合体キャラクタX 93が中図柄90bの一部の領域を覆うようにして中図柄90bの前面側に出現する(図22(c))。
次に、図22(c)に示すように、合体キャラクタX 93が出現した後、リーチ状態となる。よって、合体キャラクタX 93は、リーチ状態予告機能を備えている。また、合体キャラクタX 93が出現した場合にリーチ状態となるために、遊技者のリーチ状態に対する期待感を向上させることができる。その後、可変表示部9に外れ図柄が導出表示され外れの結果が確定する(図22(d))。
以上、図20〜図22を用いて説明したように、合体キャラクタ(X,Y,Z)の中には、大当り(非確変大当りまたは確変大当り)が発生して特定遊技状態となる場合に選択される特定合体キャラクタ(合体キャラクタY,Z)が含まれる。このため、特定合体キャラクタを出現させた場合には、特定遊技状態に対する遊技者の期待感を向上させることができる。一方、合体キャラクタの中には、特に確変大当りが発生して確率変動状態となる場合に選択される特別合体キャラクタ(合体キャラクタY)が含まれる。このため、特別合体キャラクタを出現させた場合には、確率変動状態に対する遊技者の期待感を向上させることができる。
図23は、演出用キャラクタの表示制御に関するその他の変形例を説明するための画面図である。以下に説明する変形例1、2は、すべての図柄90a,90b,90cが変動している最中に合体演出表示が行われる点において上述した制御内容とは異なっている。
最初に、図23(a)〜(d)を用いて変形例1を説明する。まず、図23(a)の状態から図柄90a,90b,90cの可変表示が開始された後、すべての図柄90a,90b,90cの変動中に演出用キャラクタA 92a,演出用キャラクタB 92bが出現し(図23(b))、出現した両演出用キャラクタA,Bが合体して合体キャラクタZ 96が出現したことに基づき(図23(c))、リーチ状態となる。よって、合体キャラクタZ 96は、リーチ状態を予告するキャラクタである。ただし、合体キャラクタZ 96が出現した場合に、常にリーチ状態となるように構成する必要はなく、合体キャラクタZ 96が出現した場合であっても、リーチ状態とならない場合があるように構成してもよい。ただし、合体キャラクタZ 96の予告の信頼性を向上させるためには、合体キャラクタZ 96が出現した場合にリーチ状態となる確率は、50%を超えるようにする必要がある。
その後、所定時間が経過すれば、可変表示結果が確変大当りとなる場合が示されている(図23(d))。なお、リーチ状態となる前に合体キャラクタZ 96を出現させることに代えて、リーチ状態となった後に合体キャラクタZ 96が出現するように構成してもよい。この場合、合体キャラクタZ 96は、確変大当りを予告する予告キャラクタとして機能する。
次に、図23(e)〜(h)を用いて変形例2を説明する。まず、図23(e)の状態から図柄90a,90b,90cの可変表示が開始された後、すべての図柄90a,90b,90cの変動中に演出用キャラクタA 92a,演出用キャラクタB 92bが出現し(図23(f))、両演出用キャラクタA,Bが合体に失敗した結果(図23(g))、可変表示結果が外れとなる場合が示されている(図23(h))。この場合、合体の失敗は、外れを予告する動作となる。ただし、合体に失敗した場合に、常に外れとなるように構成する必要はない。合体に失敗した場合であっても、確変大当りとなる場合、あるいは非確変大当りとなる場合があるように構成してもよい。ただし、予告の信頼性を向上させるために、合体に失敗した場合に外れとなる確率は、合体に失敗した場合に非確変大当りとなる確率や確変大当りとなる確率に比較して高くする必要がある。
次に、以上説明した実施の形態における変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 合体することを試行する演出用キャラクタ、および、合体キャラクタのその他の具体例について
a 複数の小キャラクタが1ヵ所に移動して1つに重なり、大キャラクタが形成されるようにする。たとえば、同種の演出用キャラクタ(小魚等の動物等)が合体することによって元の演出用キャラクタの数倍の大きさの合体キャラクタに変化するように構成する。この場合、小魚等からなる演出用キャラクタの色彩は各々異なっていても、同一色であってもよい。また、合体の演出のために、前述した煙キャラクタで演出用キャラクタを覆うようにしてもよい。
b 異種のキャラクタを演出用キャラクタとする。たとえば、鍵からなるキャラクタと鍵穴のある扉からなるキャラクタとを演出用キャラクタとし、鍵穴に鍵が挿入される表示がなされるようにする。そして、鍵穴に鍵が合致しない場合には鍵が回らないことを示す表示がなされ、鍵穴に鍵が合致する(合体する)と扉が開いて所定のキャラクタが扉から現れる表示がなされるようにする。
c 演出用キャラクタは合体キャラクタの部品とする。たとえば、ロボットを合体キャラクタとし、そのロボットの頭部、胴部、脚部等を演出用キャラクタとして、演出用キャラクタの合体に成功すると作動可能なロボットが出現するようにする。
d 複数の演出用キャラクタがミキサーを模したミキサーキャラクタ内に進入した後、ミキサーが稼働し、ミキシングに成功すれば(合体に成功すれば)、大きな合体キャラクタが形成されるようにする。
e なお、上記実施の形態では、演出用キャラクタ同士が合体に成功すると遊技者に有利な結果が得られるように構成したが、逆に合体に成功すると遊技者に不利な結果が得られるように構成してもよい。たとえば、演出用キャラクタ同士が合体に成功した場合には、確変大当りになる確率よりも非確変大当りになる確率の方が高くなるようにする。あるいは、演出用キャラクタ同士が合体に成功した場合には、大当りになる確率よりも外れになる確率の方が高くなるようにする。
f 複数の演出用キャラクタ同士を合体させる合体表示制御を実行する場合において、新たな合体キャラクタが出現するように構成する他、単に合体前の複数の演出用キャラクタ同士が結合している状態となるように構成してもよい。
(2) 演出用キャラクタは、たとえば、各図柄90a,90b,90cに対応してその下方から出現している。たとえば、図18(b),(c)の場合には、左図柄90a下方に演出用キャラクタAが出現し、次に右図柄90c下方に演出用キャラクタBが出現しており、図柄の停止表示される順序に従って演出用キャラクタが各図柄に対応して出現する。このため、遊技者は、どの順序で図柄が停止するのかを予測可能となる。たとえば、最初に中図柄90b下方に演出用キャラクタが出現し、次に左図柄90a下方に演出用キャラクタが出現した場合には、図柄の停止順序が中図柄、左図柄、右図柄であることを遊技者は予測可能となる。
(3) 可変表示部に出現した複数の演出用キャラクタの組合わせにより、大当りの期待度(大当り確率)、あるいは特に確変大当りの期待度を変化させるように構成してもよい。たとえば、猫の演出用キャラクタと犬の演出用キャラクタとを表示可能に構成し、可変表示部に出現した複数の演出用キャラクタのうち、猫の演出用キャラクタが占める割合が多い程、大当りの期待度(あるいは、特に確変大当りの期待度)が高くなるように構成してもよい。
(4) 合体する演出用キャラクタの数により、大当りの期待度(あるいは、特に確変大当りの期待度)が異なるように構成してもよい。たとえば、多数の演出用キャラクタが1つに合体する程、合体キャラクタとして大当り期待度の高い特定キャラクタが表示されるように構成する。
(5) 図6に示すフローチャートの各処理を実行する制御回路により、前記可変表示装置の表示結果を決定する表示結果決定手段が構成されている。なお、上記実施の形態では、可変表示を開始させる前にランダムカウンタ等に基づいて大当り(あるいは確変大当り)とするか否かを決定した後、その決定結果に基づいて合体キャラクタを表示するように構成した。しかしながら、これに代えて、可変表示を開始させた後に大当り(あるいは確変大当り)とするか否かを決定し、その後、その決定結果に基づいて合体キャラクタを表示するように構成してもよい。また、合体キャラクタを表示させるか否かを先に決定し、可変表示の開始した後に、その決定結果に基づいて大当り(あるいは確変大当り)とするか否かを決定するようにしてもよい。前述したように、図10のSS5の設定により3種類のキャラクタが合体に失敗する表示がなされることによって、可変表示結果が非確変大当りとなることが遊技者に予告される。また、図10のSS8の設定により3種類のキャラクタが合体に成功し、合体キャラクタX 93が出現することによって、可変表示結果が確変大当りとなることが遊技者に予告される。さらに、図19のST5の設定によって合体キャラクタZ 96が出現することにより非確変大当りとなることが遊技者に予告されることになる。さらに、図19のST4の設定によって、合体キャラクタY 95が出現することにより確変大当りとなることが遊技者に予告される。これらの内容により、前記演出表示制御手段は、前記可変表示装置の表示結果を予告可能であることが開示されている。
(6) 可変入賞球装置19により、遊技者にとって有利な第1の状態と遊技者にとって不利な第2の状態とに変化可能な可変入賞球装置が構成されている。可変入賞球装置19の第1の状態は、開閉板20が連続的に開閉動作する状態であってもよく、可変入賞球装置19の第2の状態は、打玉が入賞可能ではあるが入賞困難な状態であってもよい。パチンコ遊技機1により表示状態が変化可能な可変表示部を複数有する可変表示装置を含み、前記複数の可変表示部の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となる遊技機が構成されている。図柄90a〜90cが表示される表示領域により、前記複数の可変表示部が構成されている。表示制御用CPU101により、前記複数の可変表示部を可変表示動作させた後表示結果を導出表示させる制御を行なう可変表示制御手段が構成されている。
(7) 前述した実施の形態においては、特別遊技状態の一例として、確率変動状態を示したが、これに限らず、特別遊技状態としては、確率変動状態を含め、以下のようなものを単独または組合わせて用いてもよい。i普通図柄の変動が開始してから表示結果が導出表示されるまでの変動時間を短縮する時間短縮制御が行なわれる遊技状態、ii普通図柄の当りの発生確率を向上させる普通図柄当り確率向上制御が行なわれる遊技状態、iii特別図柄の変動が開始してから表示結果が導出表示されるまでの変動時間を短縮する変動時間短縮制御が行なわれる遊技状態、iv始動入賞口14に設けられた左右1対の可動片(電導チューリップ)の開放回数を増加させる開放回数増加制御が行なわれる遊技状態、vその可動片の開放時間を延長させる開放時間延長制御が行なわれる遊技状態。
(8) 以上説明した本実施の形態では、図11〜図18を用いて説明したように、表示状態の変化に合わせて、遊技制御手段(基本回路53)から可変表示制御手段(表示制御基板80)へコマンドを送信する例を示したが、これに限らず、一連の変動パターンの導出表示が開始されるタイミングにおいて、遊技制御手段から表示制御手段に対して、その変動パターンを示すコマンドを含む信号を送信し、これを受けて、表示制御手段が一連の変動パターンを導出するようにしても良い。この場合、表示制御手段は、変動パターンを示すコマンドに対応させて、一連の変動パターンに従って可変表示装置8の表示状態を制御するためのデータを記憶していることが好ましい。パチンコ遊技機1をこのように構成することにより、遊技制御手段から可変表示制御手段へのデータ送信途中におけるノイズの影響を最小限にとどめることができるため、ノイズによる誤動作を最小限にとどめることができる。
(9) パチンコ遊技機1により、表示状態が変化可能な可変表示装置(可変表示装置8)を有し、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば777、222など)となった場合、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り状態)に制御可能となる遊技機が構成されている。図4などに示された基本回路53により、遊技機の遊技状態を制御する遊技制御手段が構成されている。図5に示された表示制御CPU101により、複数種類の演出用キャラクタ(A,B,C)および複数種類の合体キャラクタ(X,Y,Z)の中から表示すべきキャラクタを選択してキャラクタの表示制御などを行なう。表示制御用CPU101はSS4で特定遊技状態とすることを決定した場合と、SS5で特定遊技状態としない場合とで演出用キャラクタおよび合体キャラクタの組合せパターンを選択しやすく設定し、予告種類が決定されたことに応じて予め定められた組合せパターンで演出用キャラクタを出現させる制御を行なう。
これにより、可変表示制御手段による可変表示の導出態様が所定の態様である可能性があることを予告報知するために、予告報知のためのキャラクタの組合せパターンを複数の中から選択し、特定遊技状態決定手段が特定遊技状態とすることを決定した場合と特定遊技状態としないことを決定した場合とで特定の予告報知のためのキャラクタの組合せパターンを選択しやすく設定し、予告報知組合せ選択に応じて予め定められた組合せでキャラクタを出現させることにより、予告を複雑にして遊技者が飽きないように演出することができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。
(10) 表示制御用CPU101は予告報知用の演出のキャラクタおよび合体キャラクタを可変表示領域と異なる表示領域に表示させる。
これにより、予告報知用のキャラクタを可変表示領域と異なる表示領域に出現させることにより、識別情報の視認性を妨げない。
(11) 表示制御CPU101は可変表示のスクロールの停止するタイミングに関連して演出用キャラクタおよび合体用キャラクタを出現させる。
これにより、識別情報の停止するタイミングに関連してキャラクタを出現させることにより、識別情報停止時への遊技者の期待感を向上させることができる。
(12) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 遊技機の一例のパチンコ遊技機、8 可変表示装置、9 可変表示部、31 遊技制御基板(主制御基板)、90a 左図柄、90b 中図柄、90c 右図柄、92a 演出用キャラクタA、92b 演出用キャラクタB、92c 演出用キャラクタC、93 合体合体キャラクタX、95 合体キャラクタY、96 合体キャラクタZ、101 表示制御用CPU。