JP2008249508A - コンベアレールの摩耗検査装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コンベアレール4上を走行するトロリ2からコンベアレール4の下フランジ7,8よりも下側に垂下する支持部材32により非接触変位センサ34,35を上向きに支持し、該センサ34,35により下フランジ7,8の下面7B,8Bまでの距離D1,D2を測定し、この距離D1,D2を基準値と比較することによりコンベアレール4の下フランジ7,8の上面7A,8Aの摩耗状態を検査する。
【選択図】図3
Description
また、コンベアレール上を走行するトロリに、コンベアレールの長手方向に対して垂直方向に切断する光帯を照射する光照射手段と、光照射手段からコンベアレールに照射され反射してきた光を受光する受光手段と、トロリを含めた周囲の背景を動画像にて撮像するための撮像手段とを備え、撮像手段にて撮像した動画像と受光手段からの光に基づいて変換されたレールの動画像とを時刻同期した状態で同時再生するための時刻同期再生手段を設け、画像処理により摩耗状態の把握及び摩耗箇所の特定を行うものがある(例えば、特許文献2参照。)。
また、特許文献2のコンベアレールの摩耗検査装置は、撮像した動画像を画像処理して摩耗箇所を特定する構成であり、車輪のスリップ等に起因する誤差の影響がなくなるため、レールの摩耗位置を特定する精度が向上する等の特長を有するものであるとともに、左右のレール間の距離も測定することができるため、左右の溝形鋼の下フランジの上面の摩耗状態に加えて、左右の溝形鋼の下フランジの内側面の摩耗状態も検査することができるものである。しかし、光切断法による画像を画像処理する構成であり、画像処理や調整作業に時間がかかるため結果を迅速に得ることができないとともに画像処理を行うため測定精度が低下する場合がある。
あるいは、車輪の下面及び非接触変位センサの測定基準位置(上記測定距離が零の位置)間の距離から上記測定距離を引いて求めた下フランジの厚さを基準値と比較して摩耗状態の検査を行っても同様の効果を奏する。
あるいは、角度センサにより測定された揺動角度からレール間距離を求め、このレール間距離を基準値と比較して摩耗状態の検査を行っても同様の効果を奏する。
図1〜図3に示すように、本発明の実施の形態に係るコンベアレールの摩耗検査装置は、例えばコンベアレールの例として示す、互いに間隔をおいて開口同士を対向させて設置された左右一対の断面略コ字状のレール(溝形鋼)5,6からなるフリーレール4に沿って走行し、該フリーレール4の摩耗状態を検査するものであり、前後の牽引トロリ1及び検査トロリ2を連結具3により連結して構成される。
トロリ本体11に取り付けられて下フランジ7,8よりも下側に垂下する支持部材15には、検査トロリ2を含めた周囲の背景を動画像にて撮影するように後方上側に向けられたレール外撮影用カメラ17が取付具16を介して取り付けられ、レール外撮影用カメラ17及び後述する検査トロリに設けられる各センサを制御するとともにデータを蓄積するシグナルコンディショナ及びコントローラ18、地上側の受信機へデータを無線送信する送信機19並びに各機器及びセンサに電力を供給する電源ユニット20が取り付けられる。
トロリ本体21に取り付けられて下フランジ7,8よりも垂下する支持部材32には、センサ取付具33を介して非接触変位センサである例えばレーザ変位計34,35が上向きに取り付けられ、これら左右のレーザ変位計34,35によりフリーレール4の下フランジ7,8の下面7B,8Bまでの距離を測定することができる。
なお、レーザ変位計34,35には、牽引トロリ1上の電源ユニット20から電力が供給されるとともに、レーザ変位計34,35の測定電圧がケーブルにより牽引トロリ1上のシグナルコンディショナ及びコントローラ18に送られて処理される。
図5に示すように、前側の揺動アーム26の垂直支軸31から略右側に離間した位置には上下に延びるピン27が突設されるとともに、トロリ本体21の右側面には左右に延びる支持ボルト28が取り付けられ、ピン27及び支持ボルト28には引張りコイルばね29の端末29A,29Bが掛止される。したがって、前側の揺動アーム26遊端部の左右のガイドローラ24,25は引張りコイルばね29の弾性付勢力により左右のレール5,6の下フランジ7,8の内側面7C,8Cに圧接される。
なお、前後の揺動アーム26,26は連結ロッド30により連結されているため、後側の揺動アーム26にも前記弾性付勢力が作用するため、後側の揺動アーム26の左右のガイドローラ24,25も下フランジ7,8の内側面7C,8Cに圧接される。
このようにして左右のガイドローラ24,25が下フランジ7,8の内側面7C,8Cに圧接されることから、検査トロリ2は、フリーレール4の左右のレール5,6に対して下フランジ7,8の内側面7C,8Cの中央にセンタリングされる。
また、円環状のマグネット37の外側面に近接して対向するように、検査トロリ2の本体側の支持部材32には、ホール素子38,39が取り付けられており、後述するようにマグネット37及びホール素子38,39が角度センサを構成するため、該角度センサにより検査トロリ2のトロリ本体21に対する揺動アーム26の揺動角度を測定することができる。
まず、フリーレール4の下フランジ7,8の上面7A,8Aの摩耗状態の検査について説明する。図3において、フリーレール4の下フランジ7,8の上面7A,8Aが摩耗して薄くなっている箇所では、下フランジ7,8上を転動する車輪22,23の高さ位置が低くなる。したがって、下フランジ7,8上を転動する車輪22,23を介してフリーレール4に沿って移動する前記レーザ変位計34,35の位置も、フリーレール4に対して低くなる。よって、左右のレーザ変位計34,35により直接測定したフリーレール4の下フランジ7,8の下面7B,8Bまでの距離D1,D2が長くなるため、この距離D1,D2を基準値と比較することにより、フリーレール4の下フランジ7,8の上面7A,8Aの摩耗状態を検査することができる。
あるいは、車輪22,23の下面とレーザ変位計34,35の測定基準位置(上記測定距離が零の位置)との距離から上記測定距離D1,D2を引いて求めた下フランジ7,8の厚さを基準値と比較して摩耗状態の検査を行ってもよい。
以上のようなフリーレール4の下フランジ7,8の上面7A,8Aの摩耗状態の検査によれば、検査対象である下フランジ7又は8に対して1個のみの非接触変位センサ34又は35を使用して上記距離D1,D2を直接測定する簡素な構成により、摩耗状態の検査を迅速かつ高精度に行うことができる。
なお、このようなレーザ変位計等の非接触変位センサを用いてコンベアレールの下フランジの上面の摩耗状態を検査する構成は、コンベアレールが互いに間隔をおいて開口同士を対向させて設置された左右一対の断面略コ字状のレール5,6からなるフリーレール4である場合でなくても、例えばコンベアレールが他の形態のフリーレールである場合又はI形鋼等からなるパワーレールである場合等においても容易に適用することができる。
まず、角度センサを構成するホール素子38,39及びマグネット37について、これらの構成例を説明する。図4、図5及び図6(a)に示すホール素子38,39は、InSbやGaAsなどの半導体薄膜に電流を流し、発生するホール電圧から薄膜と垂直方向の磁界を検出するものであり、測定面を貫く磁力線の密度に比例した電圧を生じるものである。
また、図6(b)に示すように、円環状のマグネット37は、磁場配向が径方向異方性(2極異方性)となるように着磁されており、マグネット37は前記のとおり揺動アーム26とともに垂直支軸31まわりに揺動するため、マグネット37の外側面に対向するようにトロリ本体21側に固定されているホール素子38,39の測定面を貫く磁力線Gの密度が変化し、該変化が電圧変化として出力される。したがって、ホール素子38,39の出力電圧から揺動アーム26の揺動角度を測定することができる。なお、マグネット37は円盤状であってもよく、磁場配向を部分ラジアル異方性としてもよい。
また、図6(a)に示すように、フリーレール4の下フランジ7,8の内側面7C,8C間の距離(以下において、レール間距離という。)Wは、揺動アーム26とガイドローラ24,25のアーム長手方向の全長(以下において、アーム長という。)をLとし、アーム長手方向が移動方向Aと平行な状態からガイドローラ24,25が内側面7C,8Cに圧接された揺動状態までの揺動角をθとすると、W=L・sinθとなる。
なお、このようにホール素子39の出力電圧Vとレール間距離Wとを略比例するように設定してホール素子の出力電圧Vからレール間距離Wを演算により求めてもよいし、出力電圧Vとレール間距離Wとの対応関係を実測して予めテーブルにしておいて参照するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、広い測定角度範囲で分解能を高めるために位相を90°ずらして2個のホール素子38,39を配設しているが、ホール素子の数は1個でもよいし3個以上であってもよい。
なお、ホール素子38,39には、牽引トロリ1上の電源ユニット20から電力が供給されるとともに、ホール素子38,39の測定電圧がケーブルにより牽引トロリ1上のシグナルコンディショナ及びコントローラ18に送られて処理される。
また、角度センサとしては、ホール素子及びマグネットからなる構成に限定されるものではなく、ポテンショメータ等の回転角度センサを用いてもよい。
図5及び図6(a)において、フリーレール4の下フランジ7,8の内側面7C,8Cが摩耗している箇所では、レール間距離Wが長くなり、内側面7C,8Cに圧接されるガイドローラ24,25を支持する揺動アーム26がトロリ本体21に対して揺動する角度が大きくなる。したがって、前記のとおり角度センサにより測定された揺動角度からレール間距離Wを求め、このレール間距離を基準値と比較して摩耗状態の検査を行うことにより、検査対象に対して1個のみの角度センサを使用する簡素な構成により、フリーレール4の下フランジ7,8の内側面7C,8Cの摩耗状態の検査を迅速かつ高精度に行うことができる。
あるいは、検査トロリ2に設けた前記角度センサにより直接測定されたトロリ本体21に対する揺動アーム26の揺動角度自体を基準値と比較することにより下フランジ7,8の内側面7C,8Cの摩耗状態の検査を行ってもよい。
したがって、摩耗状態の検査データと送信機19により地上側の受信機へ無線送信された前記レール外撮影用カメラ17の画像データと突き合わせることにより、コンベアレール4の摩耗箇所を特定することができる。
なお、本実施形態においては、摩耗箇所の特定のためにレール外撮影用カメラ17を使用しているが、レール外撮影用カメラ17に代えて牽引トロリ1又は検査トロリの車輪の回転軸に取り付けたエンコーダにより移動距離を測定してもよい。
2 検査トロリ
3 連結具
4 フリーレール(コンベアレール)
5,6 レール(溝形鋼)
7,8 下フランジ
7A,8A 上面
7B,8B 下面
7C,8C 内側面
9 カムドッグ
10 ドライビングドッグ
11 トロリ本体
12,13 車輪
14 ガイドローラ
15 支持部材
16 取付具
17 レール外撮影用カメラ
18 コントローラ
19 送信機
20 電源ユニット
21 トロリ本体
22,23 車輪
24,25 ガイドローラ
26 揺動アーム
26A,26B 垂直軸
27 ピン
28 支持ボルト
29 引張りコイルばね
29A,29B 端末
30 連結ロッド
31 垂直支軸
32 支持部材
33 センサ取付具
34,35 レーザ変位計(非接触変位センサ)
36 円筒部材
37 マグネット
38,39 ホール素子
A 移動方向
D1,D2 距離
G 磁力線
L アーム長さ
W レール間距離
θ 角度
Claims (3)
- 工場内の生産ラインに設けられたコンベアレール上を走行するトロリに設けたセンサを用いてコンベアレールの摩耗状態を検査する検査装置であって、
前記トロリから前記レールの下フランジよりも下側に垂下する支持部材により非接触変位センサを上向きに支持し、該センサにより前記下フランジの下面までの距離を測定することにより前記下フランジの上面の摩耗状態を検査することを特徴とするコンベアレールの摩耗検査装置。 - 工場内の生産ラインに設けられたコンベアレール上を走行するトロリに設けたセンサを用いてコンベアレールの摩耗状態を検査する検査装置であって、
前記レールが互いに間隔をおいて開口同士を対向させてなる左右一対の断面略コ字状のものであり、
前記トロリの本体に垂直支軸まわりに揺動可能に中央が支持された揺動アームの遊端部に垂直軸まわりに回転可能なガイドローラを取り付け、該左右のガイドローラを前記左右のレールの下フランジの内側面に圧接した状態で、前記トロリに設けた角度センサにより前記トロリの本体に対する前記揺動アームの揺動角度を測定することにより前記下フランジの内側面の摩耗状態を検査することを特徴とするコンベアレールの摩耗検査装置。 - 前記角度センサが、前記揺動アームと一体となって前記垂直支軸まわりに回転する、径方向異方性又は部分ラジアル異方性の磁場配向とした円環状又は円盤状のマグネットと、該マグネットの外側面に対向するように前記トロリの本体側に固定されたホール素子である請求項2記載のコンベアレールの摩耗測定装置。
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