JP2008248791A - 密封型ラッシュアジャスタ - Google Patents

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正司 勝間田
Tadashi Oshima
正 大島
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和之 中西
Hideo Tachikawa
英男 太刀川
Akihiko Hosaka
明彦 保坂
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Abstract

【課題】 過酷な条件下で機能を確保できるとともに、低温時に必要なリフトロスも確保でき、同時に摺動部の発熱による作動油の損傷や摺動部の磨耗を好適に抑制できる密封型ラッシュアジャスタを提供する。
【解決手段】 密封型ラッシュアジャスタ100は、機能上必要となる所定の動粘度特性を有するメチルフェニルシリコーン油を作動油として有するとともに、プランジャ2の摺動面にダイヤモンドライクカーボン(DLC)被膜が形成されている。このメチルフェニルシリコーン油は所定の動粘度特性として、動粘度が130℃で20cst以上、且つ−35℃で2000cst以下になる動粘度特性を有している。DLC被膜はSiを含有している。Si含有量は1at%以上、20at%以下である。
【選択図】 図3

Description

本発明は密封型ラッシュアジャスタに関する。
従来、内燃機関の吸排気弁とシリンダヘッドとの間に設けられたバルブクリアランスを自動的に略零に調整するラッシュアジャスタが実用化されている。このラッシュアジャスタによれば、機能面では吸排気弁とシリンダヘッドとの干渉で発生する打音が解消されるとともに、メンテナンス面ではバルブクリアランスを定期的に点検調整する作業が不要化される。ラッシュアジャスタには、例えばエンジンオイルを利用する外部給油型がある。この外部給油型ラッシュアジャスタの場合、エンジンオイルの注入量が不適切であったり、劣化したオイルがそのまま使用されていたりするとエアや異物がオイルに混入する虞が増大し、これらの要因によりラッシュアジャスタの機能が損なわれる場合がある。すなわち、外部給油型ラッシュアジャスタにおいては、エンジンオイルのメンテナンスの良否によってラッシュアジャスタの機能が左右されてしまう。
これに対して、ラッシュアジャスタには作動油が密封された密封型ラッシュアジャスタがあり、係る密封型ラッシュアジャスタによれば、上述の機能阻害要因を排除できる。密封型ラッシュアジャスタとしては、具体的には例えば特許文献1で開示されているものがある。また、密封型ラッシュアジャスタの作動油として、ジメチルシリコーン油やアルキル変性シリコーン油を用いることが特許文献2で提案されている。
特開2001−254609号公報 特開昭63−295810号公報
ところで密封型ラッシュアジャスタでは、カムの緩衝部高さを超えるようなリフトロス(縮み量)の増加は、動弁系の打音やバルブステムの過大応力発生の原因となる。しかしながら、このとき正常な着座を保証するために緩衝部高さを過度に大きくすることは、エンジン性能の低下や燃費の悪化を招くことになる。これに対してリフトロスを小さくするために、特許文献2で提案されているようなシリコーン油を作動油に適用することは容易に想到できると考えられる。これは、シリコーン油は一般に温度に対する粘度変化が少ないためである。
一方、リフトロスはボディとプランジャとの間のクリアランスを小さくすることでも小さくできる。このためリフトロスを小さくするためには、クリアランスを製造上、可能な範囲内で極力小さく設定したほうが好ましい。ところが、このクリアランスを小さくすると、高温雰囲気下での摺動部の発熱がより顕著となる。そして係る過酷な条件下においては従来提案されていたシリコーン油では、耐熱性が不足することから油の高粘度化や固化が誘発される結果(作動油の損傷)、摺動部の磨耗が促進され、ラッシュアジャスタの機能が損なわれる虞があることがわかった。さらに、ラッシュアジャスタにはエンジン冷間始動時にある程度のリフトロスが必要とされる。このため、密封型ラッシュアジャスタの作動油は、上記のような過酷な条件下での耐熱性だけでなく、同時に低温時に必要なリフトロスを確保できるものでなければならない。
そこで、本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、過酷な条件下で機能を確保できるとともに、エンジン冷間始動時など低温時に必要なリフトロスも確保でき、同時に摺動部の発熱による作動油の損傷や摺動部の磨耗を好適に抑制できる密封型ラッシュアジャスタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の密封型ラッシュアジャスタは機能上必要となる所定の動粘度特性を有するメチルフェニルシリコーン油を作動油として有するとともに、プランジャの摺動部にダイヤモンドライクカーボン被膜が形成されていることを特徴とする。ここでメチルフェニルシリコーン油とは、図6に示すようにジメチルシリコーン油のメチル基の一部がフェニル基に置換されたものであり、一般にフェニル基が多いものは耐熱性に優れ、少ないものは耐寒性に優れるという性質を有している。これに対して本発明は、このメチルフェニルシリコーン油の性質に着目し、メチルフェニルシリコーン油であれば、上記課題を解決すべく機能上必要となる所定の動粘度特性を有することができることを見出したメチルフェニルシリコーン油の用途発明である。
これに加えてさらに本発明によれば、プランジャの摺動部に形成したダイヤモンドライクカーボン(以下、単にDLCとも称す)被膜で摺動部の発熱を抑制できることから、酸化によるメチルフェニルシリコーン油の高粘度化(ゲル化)をより好適に抑制できる。このため本発明によれば、過酷な条件下でも機能を確保できるとともに、低温時に必要なリフトロスも確保でき、同時に摺動部の発熱による作動油の損傷や摺動部の磨耗を好適に抑制できる。なお、DLC被膜はSiを含有することが好適である。この場合には摺動部の摩擦係数をさらに低摩擦係数にすることもできることから、摺動部の発熱による作動油の損傷や摺動部の磨耗をさらに好適に抑制できる。
なお、本発明は機能上必要となる所定の動粘度特性を有することを規定しているが、これは、メチルフェニルシリコーン油を単に有するだけでは必ずしも密封型ラッシュアジャスタに適したものにはならず、そのメチルフェニルシリコーン油が所定の動粘度特性を有することで初めて密封型ラッシュアジャスタに適したものとなる点に鑑みたものである。すなわち上記規定は、密封型ラッシュアジャスタに適さないメチルフェニルシリコーン油までもが本発明に含まれることを概念上、除外する趣旨である。
本発明によれば、過酷な条件下で機能を確保できるとともに、低温時に必要なリフトロスも確保でき、同時に摺動部の発熱による作動油の損傷や摺動部の磨耗を好適に抑制できる密封型ラッシュアジャスタを提供できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面とともに詳細に説明する。
図1は密封型ラッシュアジャスタ(以下、単にラッシュアジャスタと称す)100の構成を示す図である。このラッシュアジャスタ100は、直打方式の動弁機構のほか、ローラロッカ式やスイングアーム式などの動弁機構にも使用できる。ラッシュアジャスタ100は、ボディ1と、プランジャ2と、チェック弁3と、プランジャスプリング4と、リテーナ5と、ボールプラグ6と、リザーバキャップ7とを有して構成されている。
ボディ1は上端側が開口した円筒部を有し、円筒部の内部にはプランジャ2が中心軸線と平行な方向で摺動自在に嵌挿されている。ボディ1及びプランジャ2の素材としては、例えばクロムモリブデン鋼(SCM材)が用いられる。ボディ1とプランジャ2の摺動面(摺動部)の間には、オイルの流れを許容するクリアランスLが確保されている。このクリアランスLは製造上、可能な範囲内で十分小さく設定されており、これによりリフトロスを小さくすることができる。またプランジャ2の摺動面にはDLC被膜が形成されている。プランジャ2には作動油を封入するための封入孔2aが形成されており、さらにこの封入孔2aは封入した作動油を密封するためのボールプラグ6で密封されている。本実施例ではこの作動油にメチルフェニルシリコーン油が適用されている。
ボディ1の上端部にはリザーバキャップ7が配設されている。リザーバ室10はボディ1、プランジャ2及びリザーバキャップ7とで囲われた空間として形成されている。一方、プランジャ2の下端側にはボディ1とプランジャ2とで囲われた空間として高圧室11が形成されている。リザーバ室10と高圧室11とは、プランジャ2に形成された連通孔2bを介して連通しており、ともにメチルフェニルシリコーン油で満たされている。高圧室11にはリテーナ5が配設されており、リテーナ5はプランジャスプリング4によってプランジャ2に向けて付勢されている。リテーナ5内にはチェック弁3が配設されている。チェック弁3はプランジャ2が突出する方向に移動する際に連通孔2bを開いて、リザーバ室10から高圧室11への作動油の移動のみを許容し、その逆の移動を遮断する。
上述の構成で、次にメチルフェニルシリコーン油について詳述する。メチルフェニルシリコーン油は前述の通り、図6に示すような構造を有している。ここで例えばフェニル含有量が4モル%であるとは、図6に示すジフェニルシロキサン単位(Yで表される値)が全体の重合度(X+Yの値)に対して4%であることをいう。メチルフェニルシリコーン油の動粘度特性は、全体の重合度とフェニル含有量とで決定され、これら2つのファクターのバランスを取ることでコントロールできる。なお、基本的には重合度が大きくなれば高粘度のオイルとなり、またフェニル含有量が大きくなれば、この場合も同様に高粘度のオイルとなる。逆にこれら夫々の値が小さくなれば低粘度のオイルとなる。
ここで、シリコーン油は一般的に150℃以下の場合には空気中にあっても酸化による影響がほとんどないといわれている。ところが、180℃以上になると酸化が促進され、メチル基の酸化生成物であるホルムアルデヒド、ぎ酸などが発生するとともに粘度が上昇し、長時間の加熱ではゲル化に至る。これに対してメチルフェニルシリコーン油の動粘度特性は、具体的には例えば動粘度が130℃で20cst以上、且つ−35℃で2000cst以下になる特性であることが好ましく、またこのときのメチルフェニルシリコーン油のフェニル含有量が、4モル%乃至12モル%であることが好ましい。さらに好ましくはこのときのフェニル含有量が5モル%であると、低温での流動性をより好適に確保できる。
また動粘度が25℃で225cstになるようにすれば、フェニル含有量を4モル%乃至12モル%にすることで、動粘度が130℃で20cst以上、且つ−35℃で2000cst以下になる動粘度特性を有するメチルフェニルシリコーン油を得ることもできる。これにより、過酷な条件下で機能を確保できるとともに、低温時に必要なリフトロスも確保でき、同時に摺動面の発熱による作動油の損傷や摺動面の磨耗を抑制できる。
なお、機能上必要となる上記動粘度特性は最大リフトロス要求値及び最小リフトロス要求値を満たすべく、極低温では上限粘度を上回らず、高温側では下限粘度を下回らないようにするといった観点から定められている。最大リフトロス要求値は、高温時にリフトロス増加に伴い発生するタペット音を許容範囲内に収めることができる値に決定される。一方最小リフトロス要求値は、エンジン冷間始動時にプランジャ2が少なくとも吸排気弁が膨張する分は縮む必要があることから、この縮み量により決定される。ラッシュアジャスタ100はボディ1とプランジャ2の間のクリアランスLと、封入する油の動粘度特性とを要件として、最大リフトロス要求値及び最小リフトロス要求値を満足する必要がある。参考として、ラッシュアジャスタ100に要求されるリフトロスと、要求動粘度特性と、クリアランスLとの関係を図2に模式的に示す。
次にプランジャ2の摺動面に形成されたDLC被膜(非晶質硬質炭素膜ともいう)について詳述する。このDLC被膜はSiを含有することが好ましく(以下、Siを含むDLC被膜を単にDLC−Si被膜とも称す)、さらにSi含有量が1at%以上20at%以下であることが好ましい。またDLC被膜の表面粗さはRzjis0.5μm以下であることが好ましい。またDLC被膜はボディ1とプランジャ2の摺動面双方には施さず、プランジャ2の摺動面にのみ形成する(図3参照)。これは次に述べる試験結果に基づくものである。
図4はボディ1とプランジャ2の摺動面について行った耐久試験の試験結果を摺動面の最大磨耗深さで示す図である。この耐久試験ではエンジン回転数を4,000rpm一定で運転し、ラッシュアジャスタ100を120℃雰囲気下で3,000万回作動させた。またこの耐久試験で用いた供試仕様は図4中の表に示す通りであり、仕様1としてプランジャ2の摺動面にのみDLC−Si被膜を形成したものを用意し、仕様2としてボディ1とプランジャ2の摺動面双方にDLC−Si被膜を形成したものを用意した。また比較のためにボディ1とプランジャ2の摺動面双方にDLC−Si被膜形成処理をしなかったものも用意した。
プランジャ2のみにDLC−Si被膜を形成した仕様1では、処理なしのものと比較して最大磨耗深さがおよそ1/13以上減少した。一方、ボディ1とプランジャ2双方にDLC−Si被膜を形成した仕様2では、ボディ1側の磨耗を抑制できず、トータルの最大磨耗深さが仕様1のおよそ2.5倍になった。このように仕様1で最大磨耗深さが小さくなったのは、ボディ1の摺動面が押しならされて、平らなプラトー面に形成されることにより、良好な潤滑接触が得られた結果であると考えられる。
ところでDLC被膜の表面粗さは非常に小さい。このためDLC被膜を摺動面とした場合、固体間接触による境界摩擦の割合が低減され、潤滑油による潤滑割合が増加する。これにより摺動面の摩擦係数が低減する。
またDLC被膜は鋼材と比較して硬く、磨耗し難い。このため相手材と摺接しても初期の表面粗さを維持することができる。
このためプランジャ2の摺動面にDLC被膜を形成することで、摺動面の発熱と磨耗とをより好適に抑制できる。したがって、摺動面の発熱による作動油の損傷もより好適に抑制できる。
さらに本実施例ではプランジャ2の摺動面に形成されたDLC被膜がSiを含むDLC−Si被膜となっている。本発明者の分析によれば、Siを含むことにより、摺接時にDLC被膜の表面にシラノール(SiOH)が生成される。このシラノールの生成により、仮に固体同士が接触した場合でも、境界摩擦は大幅に低減すると考えられる。
このようにラッシュアジャスタ100は、潤滑油による潤滑割合の増加及び境界摩擦の低減の両作用により摺動面の摩擦係数が低摩擦係数となる。このためラッシュアジャスタ100によれば、摺動面の発熱と磨耗とをさらに好適に抑制できる。したがって摺動面の発熱による作動油の損傷もさらに好適に抑制できる。
またプランジャ2の摺動面に形成されたDLC被膜は、Siのほか炭素(C)、水素(H)も含んでおり、Si含有量は1at%以上、20at%以下である。ここでSi含有量が1at%未満の場合には、境界摩擦の低減効果が小さくなる。
この点、境界摩擦をより低減するためには、Si含有量を5at%以上、さらには6at%以上とすることが好ましい。また実用的な成膜速度を得るという観点では、Si含有量を5at%以上とすることが好ましい。
一方、Si含有量が20at%を超えると、DLC被膜の磨耗量が増加してしまう。この点、耐摩耗性及び耐焼付き性を考慮した場合には、Si含有量を9.8at%以下とすることが好ましい。
またH含有量は20at%以上、40at%以下とするとよい。H含有量が20at%未満の場合にはDLC被膜の硬さは大きくなるが、密着力や靭性が低下する。この点、H含有量を25at%以上とすると好適である。一方、H含有量が40at%を超えるとDLC被膜の硬さが小さくなり、耐摩耗性が低下する。この点、H含有量を35at%以下とすると好適である。
またプランジャ2の摺動面に形成されたDLC被膜は、表面粗さがRzjis0.5μm以下である。表面粗さがRzjis0.5μmを超えると、潤滑油による潤滑割合の増加は期待できず、摩擦係数を低減することができない。この点、表面粗さはRzjis0.45μm以下とすることが好ましく、さらにRzjis0.3μm以下とするとより好適である。表面粗さの算出方法はJIS B 0601(1994)に規定された方法に従う。
なお、DLC被膜の硬さは特に限定されるものではない。例えば耐摩耗性等を考慮した場合には、硬さは15GPa以下であるとよい。
また自動車用エンジンの寿命は一般に30万km以上と言われており、エンジンの動弁系部品には高い耐久性が要求される。このため磨耗等を考慮して、DLC被膜の膜厚を2μm以上とすることが好ましい。この点、5μm以上とするとより好適である。
次にDLC−Si被膜の形成方法について詳述する。DLC−Si被膜の形成は図5に示す直流プラズマCVD(PVD)成膜装置20を用いて行った。図5に示すように、直流プラズマCVD成膜装置20は、ステンレス製の容器21と、基台22と、ガス導入管23と、ガス導出管24とを備えている。ガス導入管23はバルブ(図示省略)を介して各種ガスボンベ(図示省略)に接続されている。ガス導出管24は、バルブ(図示省略)を介してロータリーポンプ及び拡散ポンプ(図示省略)に接続されている。
まず、容器21内に設置された基台22の上に基材26を配置した。基材26は例えばSCM材であり、この基材26としてプランジャ2を適用できる。
次に容器21を密閉し、ガス導出管24に接続されたロータリーポンプ及び拡散ポンプにより、容器21内のガスを排気した。容器21内にガス導入管23から水素ガスを15sccm導入し、ガス圧を約133Paとした。
その後、容器21の内側に設けたステンレス製陽極板25と基台22との間に200Vの直流電圧を印加して、放電を開始した。
そして、基材26の温度が500℃になるまでイオン衝撃による昇温を行った。
次にガス導入管23から窒素ガス120sccm及び水素ガス480sccmを導入し、温度500℃でプラズマ窒化処理を60min行った。
基材26の断面組織を観察したところ、窒化深さは100μmであった。
プラズマ窒化処理後、ガス導入管23から水素ガスとアルゴンガスとを200sccmずつ導入し、温度500℃で60minスパッタリングし、基材26の表面に微細な凹凸を形成した(凹凸形成処理)。凸部の幅は60nm、高さは30nmであった。
次にガス導入管23から反応ガスとしてTMSガスを6sccm、及びメタンガスを100sccm導入し、さらに水素ガスとアルゴンガスとを60sccmずつ導入し、温度500℃で40min成膜した。このとき膜厚は3μmであった。
このようにして形成されたDLC−Si被膜の組成は、Si:6at%、C:64at%、H:30at%であった。またこのようにして形成されたDLC−Si被膜と基材26との密着力はいずれも30Nであった。またこのようにして形成されたDLC−Si被膜の硬さはいずれも20GPaであった。
DLC−Si被膜中のSi含有量は、電子プローブ微小部分析法(EPMA)、X線光電子分光法(XPS)、オージェ電子分光法(AES)、ラザフォード後方散乱法(RBS)により定量した。
またH含有量は、弾性反跳粒子検出法(ERDA)により定量した。なお、ERDAは、2MeVのヘリウムイオンビームを被膜表面に照射して、被膜からはじき出される水素を半導体検出器により検出し、被膜中の水素濃度を測定する方法である。以上により、過酷な条件下で機能を確保できるとともに、低温時に必要なリフトロスも確保でき、同時に摺動部の発熱による作動油の損傷や摺動部の磨耗を好適に抑制できるラッシュアジャスタ100を実現できる。
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
ラッシュアジャスタ100の構成を示す図である。 ラッシュアジャスタ100に要求されるリフトロスと、要求動粘度特性と、クリアランスLとの関係をグラフで模式的に示す図である。 DLC被膜形成部位を模式的に示す図である。 ボディ1とプランジャ2の摺動面について行った耐久試験の試験結果を摺動面の最大磨耗深さで示す図である。 直流プラズマCVD(PVD)成膜装置20を模式的に示す図である。 メチルフェニルシリコーン油の構造を示す図である。
符号の説明
1 ボディ
2 プランジャ
10 リザーバ室
11 高圧室
20 直流プラズマCVD(PVD)成膜装置
100 密封型ラッシュアジャスタ

Claims (1)

  1. 機能上必要となる所定の動粘度特性を有するメチルフェニルシリコーン油を作動油として有するとともに、プランジャの摺動部にダイヤモンドライクカーボン被膜が形成されていることを特徴とする密封型ラッシュアジャスタ。

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