JP2008248710A - 還元剤添加システムの解凍判定装置及びエンジンの排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】感温型の尿素センサ74により、貯蔵タンク内の尿素水の温度を検出するとともに、この尿素水に含まれる尿素の濃度を検出し、検出された温度及び濃度に基づいて、貯蔵タンクにおける尿素水の凍結を判定する(S302)。凍結判定時において、供給ポンプを作動させて、その出力側における圧力を検出し、検出された圧力に基づいて、尿素水供給系の配管における解凍を判定し、システム全体としての解凍を判定する。
【選択図】 図6
Description
温度センサからの出力のみからでは、融点付近の温度域において、尿素水が実質的な解凍前の固体の状態にあるのか、解凍後の液体の状態にあるのかの相状態の判別まではすることができないことである。従って、凍結した状態からの解凍の過程において、温度センサからの出力に基づいて解凍したとの一応の判定をなした後、システム全体としての解凍を判定するために加圧ポンプを作動させるに際し、貯蔵タンクの内部で尿素水が完全には解凍していない(融点付近の温度域にはあるが、固体の状態にある。)場合は、更に解凍が進み、液体となるまでの間、加圧ポンプを無駄に作動させることとなる。このような無駄を削減するため、融点付近の温度域に達した後、解凍が進んで液体への相変化が生じたものと見込まれるまでの時間を遅らせて加圧ポンプを作動させることも考えられるが、この温度域おいては、温度の上昇に時間がかかり、温度の上昇も必ずしも一様な変化を示すものではないことから、加圧ポンプを作動させるタイミングとして適切なタイミングを設定することは困難である。従って、NOxの排出をできるだけ抑制するとの観点からは、尿素水の供給の可否を早期に確定することが必要であり、そのためには、温度センサからの出力による判定の後、直ちに加圧ポンプを作動させて、圧力による判定に移行せざるを得ない。
図1は、本発明の一実施形態に係るエンジン(以下「エンジン」という。)1の構成を示している。本実施形態では、エンジン1として直噴型のディーゼルエンジンを採用しており、エンジン1は、トラック等の大型車両の駆動源を構成する。
吸気通路11の導入部には、図示しないエアクリーナが取り付けられており、エアクリーナにより吸入空気中の粉塵が除去される。吸気通路11には、可変ノズル型のターボチャージャ12のコンプレッサ12aが設置されており、コンプレッサ12aにより吸入空気が圧縮されて送り出される。圧縮された吸入空気は、サージタンク13に流入し、マニホールド部で各気筒に分配される。
タービン12bの下流には、上流側から順に酸化触媒32、NOx浄化触媒33及びアンモニア浄化触媒34が設置されている。酸化触媒32は、排気中の炭化水素及び一酸化炭素を酸化するとともに、排気中の一酸化窒素(以下「NO」という。)を、二酸化窒素(以下「NO2」という。)を主とするNOxに転換するためのものであり、排気に含まれるNOとNO2との比率を、後述するNOxの還元反応に最適なものに調整する作用を奏する。NOx浄化触媒33は、NOxを還元し、浄化するためのものである。このNOx浄化触媒NOx33でNOxの還元を生じさせるため、本実施形態では、NOx浄化触媒33の上流で排気に還元剤としてのアンモニアを添加する。アンモニア浄化触媒34は、NOx浄化触媒33を通過したスリップアンモニアを酸化し、浄化するためのものであり、これにより大気中へのアンモニアの放出が抑制される。本実施形態では、NOx浄化触媒33と、アンモニア浄化触媒34とを単一の筐体に内蔵させるとともに、これとは別体のものとして構成した筐体に酸化触媒32を内蔵させることとしている。NOx浄化触媒33等を内蔵させる筐体は、排気マフラーとしての機能を兼ねるものである。
尿素の水溶液(以下「尿素水」という。)を貯蔵するための貯蔵タンク41は、車両のシャシーフレームに固定されている。この貯蔵タンク41には、尿素水供給管(「供給管」に相当する。)42が接続されており、尿素水の添加ユニット43に対し、この尿素水供給管42を介して貯蔵タンク41に貯えられている尿素水が供給される。尿素水供給管42には、上流側から順にフィードポンプ44及びフィルタ45が介装されている。フィードポンプ44は、電動モータ441により駆動される。電動モータ441は、コントロールユニット(以下「SCR−C/U」という。)61からの信号により回転数が制御され、フィードポンプ44の吐出し量を調整する。また、フィルタ45の下流において、尿素水供給管42に尿素水戻り管46が接続されている。この尿素水戻り管46は、尿素水供給管42に連通する「液体流通部」に相当するものである。尿素水戻り管46には、戻し弁47が介装されており、規定圧力を超える分の余剰の尿素水がこの戻し弁47を介して貯蔵タンク41に戻されるように構成されている。本実施形態において、戻し弁47は、電磁式の圧力制御弁として構成されており、ソレノイドに対する通電のオン及びオフを制御することで、その開閉を制御することが可能である。尿素水供給管42及び尿素水戻り管46は、尿素水供給系の配管を構成している。
(NH2)2CO+H2O → 2NH3+CO2 ・・・(2)
NO+NO2+2NH3 → 2N2+3H2O ・・・(3)
4NH3+3O2 → 2N2+6H2O ・・・(4)
また、排気通路31は、EGR管35により吸気通路11と接続されている。このEGR管35を介して排気が吸気通路11に還流される。本実施形態では、このEGR管35により、ターボチャージャ12のタービン12bの上流における排気通路31と、吸気通路11に介装されたサージタンク13とが接続されている。EGR管35には、EGR弁36が介装されており、このEGR弁36により還流される排気の流量が制御される。EGR弁は、エンジンC/U51からの信号により作動する。
尿素センサ74は、感温型の濃度センサを構成するものであり、尿素水に対して直接的又は間接的に接続された感温体を強制的に加熱した場合における、この感温体の電気特性値の変化に基づいて、尿素の濃度を検出するものである。感温体は、温度に応じて電気特性値が変化する性質を有しており、感温体の電気特性値は、尿素水を媒体とする熱伝達の特性に相関するものとして、尿素の濃度に応じて異なる変化を示す。
センサ素子部741は、「感温体」が測温抵抗層の形態で設けられたセンサ素子741aを有しており、回路部742は、この測温抵抗層の抵抗値(感温体の「電気特性値」に相当する。)に基づいて、尿素の濃度を算出する。濃度の検出に際し、センサ素子部741は、貯蔵タンク41に挿入されて、貯蔵タンク41の底面近傍に配置される一方、回路部742は、貯蔵タンク41外に配置される。径の異なる2つの筒部材743,744が設けられ、これらの筒部材743,744は、互いに同心に配置されるとともに、一端で回路部742の底面に接合されて、尿素センサ74の内筒及び外筒を形成している。内筒743及び外筒744は、貯蔵タンク41の天蓋を上下に貫通して、貯蔵タンク41の底面近傍にまで延伸しており、内筒743の先端に、尿素センサ74のセンサ素子部741が取り付けられている。センサ素子部741と回路部742とは、内筒743に封入された配線(図示せず。)を介して接続されている。本実施形態では、後述する液位の検出のため、外筒744に、軸方向に延伸するスリット744aが形成されている。尿素水がこのスリット744aを介して外筒744の内部に流入し、又は外部に流出することで、内筒743及び外筒744の間における静電容量に変化が生じるため、この静電容量に基づいて尿素水の液位を検出することが可能である。
本実施形態では、寒冷地等におけるエンジン1の始動に際して貯蔵タンク41に蓄えられている尿素水が凍結している場合に、その解凍を促進させるため、貯蔵タンク41において、尿素水を強制的に加熱するためのタンクヒータを設置している。このタンクヒータは、エンジン本体におけるエンジン冷却水の通路から分岐させて形成されるものであり、貯蔵タンク41の内部に配置された、エンジン冷却水を流通させるための熱交換パイプ81を含んで構成される。この熱交換パイプ81は、貯蔵タンク41の天蓋にエンジン冷却水の流入部81a及び流出部81bが設けられるとともに、貯蔵タンク41の内部において、尿素センサ74のセンサ素子部741と、尿素水供給管42の吸入部(図示せず。)とを取り囲むように配置されている。タンクヒータによる加熱は、熱交換パイプ81を流れるエンジン冷却水の流量を制御することにより調整される。
ヒータ層による測温抵抗層の加熱は、所定の時間Δt01に亘ってヒータ層にヒータ駆動電流ihを通電することにより行う。回路部742は、ヒータ層による加熱前の時刻t0における測温抵抗層の抵抗値R0を検出するとともに、ヒータ層への通電を停止した時点t1における抵抗値R1を検出し、検出した抵抗値R1,R0の差DLTR(=R1−R0)を算出する。この差DLTRは、尿素水を媒体とする熱伝達の特性に相関するものであり、この熱伝達の特性は、尿素の濃度Dに応じて変化するものであるため、算出した差DLTRを、濃度Dに換算することが可能である。濃度Dの検出は、所定のインターバル毎に実行される。既述の通り、尿素センサ74は、濃度Dの検出以外に、尿素水の温度Tを検出する「温度センサ」としての機能を兼ねるものである。尿素水の温度Tは、加熱前の抵抗値R0に基づいて算出される。
図4は、尿素水の供給制御に関する基本ルーチンのフローチャートである。このルーチンは、イグニッションスイッチがオンされることによるエンジンC/U51からの指令を受けて起動され、その後所定の時間毎に繰り返し実行される。このルーチンにより、尿素水の温度管理がなされるとともに、尿素水噴射量Quが演算及び設定される。
S103では、熱交換パイプ81を流れるエンジン冷却水の流量を、保温時(S102)と比較して増大させ、凍結した尿素水の解凍を促進させる。
S106では、異常判定フラグFscrを読み込み、読み込んだFscrが0であるか否かを判定する。0であるときは、S107へ進み、0でないときは、S110へ進む。異常判定フラグFscrは、貯蔵タンク41に貯えられている尿素水に関する異常の発生を示すものであり、後述する異常検出ルーチン(図5)により設定される。本実施形態では、尿素水に関する異常として、尿素水の消費に関する異常、ならびに尿素水の濃度及び残量に関する異常を検出する。尿素水に関して何らかの異常が検出された場合は、異常判定フラグFscrが1に設定される。
S108では、尿素水噴射量Quを演算する。尿素水噴射量Quの演算は、燃料噴射量Qf及びNOx濃度NOXに応じた基本噴射量を算出するとともに、算出した基本噴射量を濃度Dで補正することにより行う。たとえば、濃度Dが高く、単位噴射量当たりの尿素含有量が多いと判断されるときは、基本噴射量に対して減量補正を施す。
S110では、添加ユニット43による尿素水の供給を停止させる。尿素水に関して異常が発生している状態では、NOx排出量に対して的確な量のアンモニアを添加することができないからである。たとえば、貯蔵タンク41に規定濃度の尿素水ではなく、過度に希釈された尿素水、又は尿素を含まない水が貯えられている場合は、添加されるアンモニアの量が適正な量に対して不足し、NOxが未浄化のまま大気中に放出されるおそれがある。また、実際に噴射された尿素水の量(すなわち、実際に消費された量)が消費されるべき量よりも多いときは、尿素水が無駄に消費されるばかりでなく、過剰に発生したアンモニアがアンモニア浄化触媒34により完全には分解されず、大気中に放出されるおそれがある。消費されるべき尿素水の量(以下「指示消費量」という。)は、演算周期毎の噴射量Quの積算値として算出することが可能である。
S201では、尿素水の水位L、濃度D及び温度Tを読み込む。既に述べたように、本実施形態において、これらの制御情報は、尿素センサ74からの出力に基づいて算出される。
S202では、解凍完了判定フラグFfrzを読み込み、読み込んだFfrzが1であるか否かを判定する。1であるとき(すなわち、還元剤添加システム全体としての尿素水の解凍が完了しているとき)は、S203へ進み、0でないときは、このルーチンを終了する。
S207では、尿素水に関して何らかの異常が発生したとして、異常判定フラグFscrを1に設定する。これに併せ、運転者に異常の発生を認識させるため、警告灯を点灯させたり、警報を鳴動させる。
S303では、凍結判定ルーチンにより設定された凍結判定フラグFfrz1が0であるか否か、すなわち、貯蔵タンク41内で尿素水が未だ凍結した状態にあるか否かを判定する。0であるときは、凍結した状態にあるとしてS304へ進み、0でないときは、圧力による判定に移行するべくS308へ進む。
S307では、タンクヒータの異常を検出する。エンジン冷却水が充分な高さの温度域にあり、所定の時間TIM1に亘ってタンクヒータを作動させたにも拘わらず、凍結が解除されないのは、エンジン冷却水の流通に関して何らかの異常が発生したためであると判定するのである。本実施形態では、タンクヒータの異常として、タンクヒータに設けられる流量制御弁の異常を検出する。
S309では、圧力判定ルーチンにより設定された圧力判定フラグFprsが0であるか否かを判定する。0であるときは、S310へ進み、0でないときは、S311へ進む。
S311では、尿素水供給系の配管内で尿素水が解凍し、還元剤添加システム全体としての解凍が完了したとして、解凍完了判定フラグFfrzを1に設定する。
S312では、圧力判定用のカウンタの値CNTaを1だけ増加させる。
S313では、増加後のカウンタの値CNTaが所定の値CNT1に達したか否かを判定する。達したときは、S314へ進み、達していないうちは、このルーチンを終了する。この圧力判定用のカウンタは、貯蔵タンク41に貯えられている尿素水について凍結の解除が判定されてからの時間を示すものである。値CNT1により定められる相当の時間が経過したにも拘わらず、配管の詰りが検出されるのは、尿素水の凍結によるものではなく、尿素の析出等の異常によるものであると判定するのである。
図7は、凍結判定ルーチンのフローチャートである。
S401では、尿素水の温度Tが、尿素水の融点を示す設定温度Tsl1よりも高いか否かを判定する。Tsl1よりも高いときは、S402へ進み、Tsl1以下であるときは、S404へ進む。尿素水の温度Tは、ヒータ層による加熱前の測温抵抗層の抵抗値R0に基づいて算出される(図3)。
S403では、凍結判定用のカウンタの値CNTbを0にリセットする。
S404では、尿素の濃度Dを読み込み、読み込んだDが第2の濃度Dsl2以下であるか否かを判定する。Dsl2以下であるときは、S405へ進み、Dsl2よりも高いときは、S402へ進む。尿素水が液体の状態にある場合と、凍結した固体の状態にある場合とでは、尿素水を媒体とする熱伝達の特性が大きく異なり、凍結した状態では、加熱に対する測温抵抗層の抵抗値Rの変化が極めて小さくなる。図3は、尿素水が液体の状態にある場合と、凍結した固体の状態にある場合とで抵抗値Rの変化を比較したものであり、両者の変化に顕著な違いがあることを示している。同図において、実線Aは、液体の状態にある規定濃度の尿素水に関して得られる変化を、一点鎖線Bは、液体の状態にある水に関して得られる変化を、二点鎖線Cは、固体の状態にある尿素水に関して得られる変化を夫々示している。このことから、第2の濃度Dsl2は、液体の状態にある場合に得られる濃度(すなわち、32.5%)と、凍結した固体の状態にある場合に得られる濃度との間の値を持たせたものとして、第1の濃度Dsl1よりも低い濃度に設定される。
S406では、増加後のカウンタの値CNTbが所定の値CNT2に達したか否かを判定する。達したときは、S407へ進み、達していないうちは、このルーチンを終了する。
S407では、貯蔵タンク41内で尿素水が凍結している(実質的な解凍には至っておらず、固体の状態にある場合を含む。)ものとして、凍結判定フラグFfrzを0に設定する。
S501では、フィードポンプ44を作動させ、尿素水供給管42内の尿素水を加圧する。
S502では、フィードポンプ44の出力側における尿素水の圧力Pueaを読み込み、読み込んだPureaが第1の圧力P1以下であるか否かを判定する。P1以下であるときは、S503へ進み、P1よりも高いときは、S504へ進む。圧力Pureaは、圧力センサ75により検出される。
S504では、フィードポンプを停止させる。
S505では、添加制御弁431aを開弁させる。
S507では、添加制御弁431aを開弁させて尿素水供給管42と排気通路31とを連通させたにも拘わらず、尿素水の圧力Pureaが下降しないことから、フィードポンプ44の出力側に詰りが生じているとして、圧力判定フラグFprsを1に設定する。
S509では、フィードポンプ44を再び作動させ、尿素水供給管42内の尿素水を加圧する。
S510では、尿素水の圧力Pureaが第1の圧力P1に達したか否かを判定し、達した場合に、S511へ進む。それ以外の場合は、尿素水の加圧を継続させる。
S512では、戻し弁47を開弁させる。
S513では、尿素水の圧力Pureaが、第1の圧力P1よりも低い第3の圧力P3以上であるか否かを判定する。P3以上であるときは、S514へ進み、P3よりも低いときは、S515へ進む。
S515では、戻し弁47を閉弁させ、尿素水の供給制御に備えさせる。
また、ここでは明示していないが、尿素水供給管42及び尿素水戻り管46にヒータを設置し、配管内の尿素水が直接的に加熱されるようにしてもよい。たとえば、このヒータとして電気ヒータを設置した場合に、断線又はショートの検出により電気ヒータの異常を判定し得ることから、配管に生じた詰りが凍結によるものであるか、尿素の析出等によるものであるかを容易に判別することができる。
本実施形態では、尿素センサ74(「温度センサ」及び「濃度センサ」としての機能を兼ねる。)及び圧力センサ75を設置し、これらのセンサ74,75により検出された尿素水の温度T及び圧力Purea、ならびに尿素の濃度Dに基づいて、還元剤添加システムにおける尿素水の解凍を判定することとした。解凍の過程において、尿素水は、融点付近の温度域で実質的な解凍前の固体の状態と、解凍後の液体の状態とをとり得るところ、液体の状態と固体の状態とでは、これを媒体とする熱伝達の特性が大きく異なる。ここで、尿素センサ74に備わる感温体は、この熱伝達の特性に応じて電気特性値が変化する性質を有するものであることから、この尿素センサ74によれば、尿素水が解凍したか否かを、相状態の判別を含めて判定することが可能である。従って、本実施形態によれば、貯蔵タンク41に貯蔵されている尿素水の凍結が解除されたことを、融点付近の温度域にある場合を含めて正確に判定したうえで、圧力センサ75からの出力による判定(還元剤供給系の配管に関する判定)に移行することが可能となることから、貯蔵タンク41における尿素水の実質的な解凍前にフィードポンプ44を作動させるなどの不要な操作を伴うことなく還元剤添加システム全体としての解凍を判定することができ、始動後の早い時期から還元剤の添加を開始して、NOxの放出を抑制することができる。
また、以上では、NOxの還元剤にアンモニアを採用した場合を例に説明したが、アンモニアに代え、炭化水素を採用することもできる。
Claims (9)
- NOxの還元剤又はその前駆体を水溶液の状態で貯蔵するための貯蔵タンクと、
前記貯蔵タンクに貯蔵されている水溶液を噴射するための噴射ノズルと、
前記貯蔵タンクと前記噴射ノズルとを接続する前記水溶液の供給管と、を含んで構成される還元剤添加システムにおいて、凍結した前記水溶液の解凍を判定するための装置であって、
前記貯蔵されている水溶液の温度を検出可能に構成された温度センサと、
前記貯蔵されている水溶液に含まれる還元剤又は前駆体の濃度を検出するための濃度センサであって、温度に応じて電気特性値が変化する性質を有し、前記水溶液に対して直接的又は間接的に接触させた状態で設けられた感温体と、この感温体に対して熱的に接続されたヒータとを有し、前記ヒータを駆動するとともに、前記ヒータにより加熱された前記感温体の電気特性値を、前記還元剤又は前駆体の濃度として出力する濃度センサと、
前記供給管又はこれと連通する液体流通部における水溶液の圧力を検出可能に構成された圧力センサと、
前記温度センサにより検出された水溶液の温度、前記濃度センサにより検出された還元剤又は前駆体の濃度、及び前記圧力センサにより検出された水溶液の圧力に基づいて、前記水溶液の解凍を判定する制御ユニットと、を含んで構成される還元剤添加システムの解凍判定装置。 - 前記還元剤添加システムは、前記水溶液の噴射に際して前記供給管内の水溶液を加圧するための供給ポンプを更に含んで構成され、
前記制御ユニットは、前記供給ポンプにより加圧された前記水溶液の圧力に基づいて、前記供給管又は液体流通部における水溶液の解凍を判定する請求項1に記載の還元剤添加システムの解凍判定装置。 - 前記制御ユニットは、
前記検出された温度及び濃度に基づいて、前記貯蔵されている水溶液が凍結しているか否かを判定する手段と、
前記貯蔵されている水溶液が凍結していると判定された凍結判定時以外のときに、前記検出された圧力に基づいて、前記供給管又は液体流通部における水溶液の解凍を判定する手段と、を有する請求項1又は2に記載の還元剤添加システムの解凍判定装置。 - 前記貯蔵タンクにおいて、前記貯蔵されている水溶液を加熱可能に構成されたタンクヒータが設けられ、
前記制御ユニットは、
前記凍結判定時において、前記タンクヒータを作動させてからの経過時間を測定する手段と、
測定された経過時間に基づいて、前記タンクヒータの異常を検出する手段と、を有する請求項3に記載の還元剤添加システムの解凍判定装置。 - 前記タンクヒータは、前記貯蔵タンク内に配置された、エンジン冷却水を流通させるための熱交換パイプを含んで構成され、
前記制御ユニットは、前記凍結判定時において、エンジン冷却水の温度及び測定された経過時間に基づいて、前記タンクヒータの異常を検出する請求項4に記載の還元剤添加システムの解凍判定装置。 - 前記制御ユニットは、
前記凍結判定時以外のときに、前記検出された圧力に基づいて、前記供給管又は液体流通部の詰りを検出する手段を有する請求項3〜5のいずれかに記載の還元剤添加システムの解凍判定装置。 - エンジンの排気通路に介装された還元触媒と、
請求項1〜6のいずれかに記載の解凍判定装置と、
エンジンの排気にNOxの還元剤を添加するための還元剤添加システムと、を含んで構成され、
前記還元剤添加システムは、
エンジンからの排気に含まれるNOxの還元剤又はその前駆体を水溶液の状態で貯蔵するための貯蔵タンクと、
前記貯蔵タンクに貯蔵されている水溶液を前記還元触媒の上流で排気通路内に噴射可能に設けられた噴射ノズルと、
前記貯蔵タンクと前記噴射ノズルとを接続する供給管と、を含んで構成されるエンジンの排気浄化装置。 - NOxの還元剤又はその前駆体を水溶液の状態で貯蔵するための貯蔵タンクと、
前記貯蔵タンクに貯蔵されている水溶液を加熱可能に構成されたタンクヒータと、を含んで構成される還元剤添加システムの異常を検出するための装置であって、
前記貯蔵されている水溶液の温度を検出可能に構成された温度センサと、
前記貯蔵されている水溶液に含まれる還元剤又は前駆体の濃度を検出するための濃度センサであって、温度に応じて電気特性値が変化する性質を有し、前記水溶液に対して直接的又は間接的に接触させた状態で設けられた感温体と、この感温体に対して熱的に接続されたヒータとを有し、前記ヒータを駆動するとともに、前記ヒータにより加熱された前記感温体の電気特性値を、前記還元剤又は前駆体の濃度として出力する濃度センサと、
前記温度センサにより検出された水溶液の温度、及び前記濃度センサにより検出された還元剤又は前駆体の濃度に基づいて、前記貯蔵されている水溶液が凍結しているか否かを判定する手段と、
前記貯蔵されている水溶液が凍結していると判定された凍結判定時において、前記タンクヒータを作動させてからの経過時間を測定する手段と、
測定された経過時間に基づいて、前記タンクヒータの異常を検出する手段と、を含んで構成される還元剤添加システムの異常検出装置。 - NOxの還元剤又はその前駆体を水溶液の状態で貯蔵するための貯蔵タンクと、
前記貯蔵タンクに貯蔵されている水溶液を噴射するための噴射ノズルと、
前記貯蔵タンクと前記噴射ノズルとを接続する前記水溶液の供給管と、を含んで構成される還元剤添加システムの異常を検出するための装置であって、
前記貯蔵されている水溶液の温度を検出可能に構成された温度センサと、
前記貯蔵されている水溶液に含まれる還元剤又は前駆体の濃度を検出するための濃度センサであって、温度に応じて電気特性値が変化する性質を有し、前記水溶液に対して直接的又は間接的に接触させた状態で設けられた感温体と、この感温体に対して熱的に接続されたヒータとを有し、前記ヒータを駆動するとともに、前記ヒータにより加熱された前記感温体の電気特性値を、前記還元剤又は前駆体の濃度として出力する濃度センサと、
前記供給管又はこれと連通する液体流通部における水溶液の圧力を検出可能に構成された圧力センサと、
前記温度センサにより検出された水溶液の温度、及び前記濃度センサにより検出された還元剤又は前駆体の濃度に基づいて、前記貯蔵されている水溶液が凍結しているか否かを判定する手段と、
前記貯蔵されている水溶液が凍結していると判定された凍結判定時以外のときに、前記圧力センサにより検出された水溶液の圧力に基づいて、前記供給管又は液体流通部の異常を検出する手段と、を含んで構成される還元剤添加システムの異常検出装置。
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