JP2008246898A - インクジェット記録ヘッドを保護するキャップユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】物流形態においてインクジェット記録ヘッドの吐出口形成面におけるインク漏れ等を生じさせず、インクジェット記録ヘッドを損傷させることを防ぐことを可能にするインクジェット記録ヘッドのキャップユニットを提供する。
【解決手段】保護キャップユニット15は、爪部7を備えた保護キャップ6と、記録ヘッド1の吐出口形成面2と対向する面に、吐出口形成面2に当接して記録ヘッド1の吐出口が形成された領域を密閉する接触部11を備えた弾性キャップ9とを有する。さらに、弾性キャップ9の接触部11で囲まれた領域内に配置された液体吸収部材10を有する。弾性キャップ9の接触部11が吐出口形成面2に当接したときに液体吸収部材10と吐出口形成面2との間に間隙が形成される。弾性キャップ9の、吐出口形成面2と対向する面の裏面側における、接触部11で囲まれた領域に対応する領域に弾性構造16が設けられている。
【選択図】図5
【解決手段】保護キャップユニット15は、爪部7を備えた保護キャップ6と、記録ヘッド1の吐出口形成面2と対向する面に、吐出口形成面2に当接して記録ヘッド1の吐出口が形成された領域を密閉する接触部11を備えた弾性キャップ9とを有する。さらに、弾性キャップ9の接触部11で囲まれた領域内に配置された液体吸収部材10を有する。弾性キャップ9の接触部11が吐出口形成面2に当接したときに液体吸収部材10と吐出口形成面2との間に間隙が形成される。弾性キャップ9の、吐出口形成面2と対向する面の裏面側における、接触部11で囲まれた領域に対応する領域に弾性構造16が設けられている。
【選択図】図5
Description
本発明は、吐出口から記録液体を吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドを保護するキャップユニットに関する。
一般的なインクジェット記録ヘッドでは、記録に必要な量のインクが、インクを収容しているインクタンクからインクジェット記録ヘッドのノズルへ安定して供給される。インクジェット記録ヘッドは、吐出口からインクが漏れてこないように、より詳しく言えば吐出口のインクのメニスカスが破れないように維持するために、インクタンクからノズルへのインク供給圧が負圧に調整されている。インク供給圧を負圧に調整する手段としては、インクを直接収容したインクタンクのインク導出口からインクジェット記録ヘッドの吐出口までの水頭差を利用する手段や、インクタンク内に負圧発生部材としてインク吸収体を収納する手段がある。
インクジェット記録ヘッドのノズルへインクを供給する方式として、インクジェット記録ヘッドを、これを搭載するキャリッジの外部に配置されたインクタンクとチューブを介して接続する、いわゆるチューブ供給方式がある。大量のインクを消費するインクジェット記録装置においては、インクタンクも大容量のものが必要となる。キャリッジ上に大容量のインクタンクを備えるとインクジェット記録装置自体が大型化してしまうため、このような記録装置では一般にキャリッジの外部にインクタンクを配置してチューブ供給方式でインク供給が行われる。
このようなチューブ供給方式でインクが供給されるインクジェット記録ヘッドでは、急激な圧力変化による吐出不良やインク漏れを発生させないように、インクタンクとの間にインクを二次的に溜めるインク溜まりやフィルタ等の緩衝部が設けられる。インク滴の吐出部となるノズル、インク貯留空間、およびインク導入口をも備えている。
このようなインクジェット記録ヘッドでは、使用時にノズル内が乾燥した状態であると、記録ヘッドの内部にインクを供給した際に、ノズル内面のインクに対する濡れ性が変化する。濡れ性の不均一に起因する吐出不良が発生することがある。そこで、記録ヘッドの物流時にノズル内に色材を含まない透明なインク(物流インク)を収納させておくことで、記録ヘッド内(ノズル内)を湿潤状態にする方式がとられている。
チューブ供給方式に用いられるキャリッジ上に搭載されるインクジェット記録ヘッドでは、ノズルに供給するインクを貯留するインク貯留部に空気を収容する構成が採られている。
このようなタイプのインクジェット記録ヘッドは製造後から製品出荷までの保管過程や、出荷からユーザに渡るまでの物流過程の環境変化等でヘッド内圧が上昇すると、ノズルの吐出口あるいはインク導入口から物流インクが漏れ出るおそれがある。ノズルからインクが漏れ出ないようにするために、記録ヘッドのフェイス面(吐出口形成面)にテープやゴム等を直接押し付けて密閉する方式も考えられる。インク貯留部に空気を収容した場合には、空気の膨張による圧力増加が著しく、インクの漏れを防止する為に、相当の強い圧力でフェイス面を押さえつける必要がある。強い圧力でフェイス面を押圧すると、ノズル部に変形等が生じるおそれがある。ごみ等をテープやゴム等の間に挟み込むことにより、ノズルを詰まらせたり、テープ面の接着剤がフェイス面に転写してインクの濡れ性を変化させたり、フェイス面に傷をつけたりするおそれもある。
そこで、弾性キャップの中に平面形状の液体吸収部材が設けられたキャップユニットを、ノズル内に物流インクが充填されたインクジェット記録ヘッドに取り付ける構成が、特許文献1に提案されている。これにより、ノズル部分には非接触でありながらノズルを保護することができる物流形態が可能となり、従来はこの構成を採用することが一般的であった。
しかしながら、特許文献1に開示された従来技術は、弾性キャップ内に収納した液体吸収部材の形状が平面の板状のものである。キャップユニットを記録ヘッドのフェイス面に取り付けた時に、液体吸収部材の表面と記録ヘッドの吐出口との間に大きな隙間ができてしまう。このような隙間が生じていると、インクジェット記録ヘッドを落下させてた場合や、高温下に置かれて記録ヘッド内部の空気が膨張した場合に、ノズルから物流インクが漏れ出る。漏れ出した物流インクは、そのまま大きな液滴となってフェイス面に付着する。この状態でキャップユニットを取り外すと、インクジェット記録ヘッドのフェイス面に付着した物流インクが垂れ落ち、ユーザの手や衣服、あるいは作業台等を汚してしまう可能性がある。
このような問題に対する対策が、特許文献2に提案されている。図13は、特許文献2に提案されている従来の弾性キャップを備えた保護キャップユニットを、インクジェット記録ヘッドに装着させた状態を示す模式的な断面図である。特許文献2に開示された保護キャップユニットは、液体吸収部材110を収容した弾性キャップ109と、その弾性キャップ109を収容する保護キャップ106とを有している。キャップユニットがインクジェット記録ヘッド101に取り付けられたとき、液体吸収部材110は記録ヘッド101の吐出口形成面102に対向する位置に配置される。特許文献2に開示されている液体吸収部材110は、インクジェット記録ヘッド101の吐出口形成面102には接触しないが、吐出口形成面102以外の領域には接触することができるよう、段差が設けられている。その段差を小さくすることにより、吐出口形成面102と液体吸収部材110との間の隙間120を小さくでき、物流インクが大きな液滴になる前に液体吸収部材110に吸収させることが可能となる。
特許文献3には、弾性キャップ内に、吐出口形成面から垂れてくるインクを誘導するためのリブを立設する構成が開示されている。リブと吐出口形成面との間に隙間を設けると、物流インクが大きな液滴になる前に、リブに液滴が接触する。接触した液滴はリブに誘導されて重力方向に流れ落ちる。このようにして、物流インクが大きな液滴になる前に、リブによって吐出口形成面から液滴を除去することが可能となっている。
特開2002−321387号公報
特開2004−262035号公報
特開2003−127434号公報
特許文献3には、弾性キャップ内に、吐出口形成面から垂れてくるインクを誘導するためのリブを立設する構成が開示されている。リブと吐出口形成面との間に隙間を設けると、物流インクが大きな液滴になる前に、リブに液滴が接触する。接触した液滴はリブに誘導されて重力方向に流れ落ちる。このようにして、物流インクが大きな液滴になる前に、リブによって吐出口形成面から液滴を除去することが可能となっている。
図13に示した特許文献2の構成では、液体吸収部材110と吐出口形成面102との間の隙間120を適切な範囲に規制することが重要である。隙間120が広すぎると、物流インクが吐出口形成面102上で大きな液滴に成長してしまい、キャップユニットを取り外した際に物流インクが垂れ落ちてしまう。隙間120が狭すぎると、インクジェット記録ヘッド101を落下させた時などに生じる衝撃で、吐出口形成面102に液体吸収部材110が接触してしまう。隙間120を適切な大きさに保つには、液体吸収部材110の寸法を厳しく規制したり、液体吸収部材110を複雑な構造としたりする必要があり、液体吸収部材110の設計自由度やコストの面で課題がある。
特許文献3の構成においても、リブ部と吐出口形成面との隙間を適切な範囲に規制することは困難である。特許文献2と同様、リブ部と吐出口形成面との隙間が広ければ、物流インクが大きな液滴に成長してしまい、キャップユニットを取り外した際に物流インクが垂れ落ちてしまう。その隙間が狭すぎると、インクジェット記録ヘッドの落下時などに生じる衝撃で吐出口形成面にリブ部が接触してしまう。
特許文献3の構成においても、リブ部と吐出口形成面との隙間を適切な範囲に規制することは困難である。特許文献2と同様、リブ部と吐出口形成面との隙間が広ければ、物流インクが大きな液滴に成長してしまい、キャップユニットを取り外した際に物流インクが垂れ落ちてしまう。その隙間が狭すぎると、インクジェット記録ヘッドの落下時などに生じる衝撃で吐出口形成面にリブ部が接触してしまう。
近年、画像を高精細かつ高速に記録する要望が高まり、これに合わせてインクジェット記録ヘッドは大型化している。大型化したインクジェット記録ヘッドでは、ヘッドを落下させてしまった場合に生じる衝撃も大きい。液体吸収部材あるいはリブ部が、吐出口形成面に接触した場合には、記録ヘッドの損傷を引き起こすおそれもある。記録ヘッド落下時の衝撃を軽減するために、そのパッケージ内に緩衝部材を多量に入れておく方法や、頑丈なパッケージを用いるという方法も考えられるが、いずれの方法もコストの増加を招く。特許文献3に示されているように、リブ部を弾性体で形成し、そのリブ部を吐出口の周囲に予め接触させておく方法も考えられるが、接触部分が吐出口の周囲に張り付くことによって、吐出口形成面の劣化が懸念される。特許文献3で提案されている構成は、記録装置本体内でインクジェット記録ヘッドを保管する場合においては、使用環境も限られているので、有効な場合がある。しかし、インクジェット記録ヘッドの物流時の環境はより過酷であるため、インクジェット記録ヘッドの物流形態にはそぐわないといわざるをえない。
本発明は、物流形態においてインクジェット記録ヘッドの吐出口形成面におけるインク漏れ等を生じさせず、かつインクジェット記録ヘッドを損傷させることを防ぐことができるインクジェット記録ヘッドのキャップユニットを提供することを目的とする。
本発明は、物流形態においてインクジェット記録ヘッドの吐出口形成面におけるインク漏れ等を生じさせず、かつインクジェット記録ヘッドを損傷させることを防ぐことができるインクジェット記録ヘッドのキャップユニットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のインクジェット記録ヘッドを保護するキャップユニットは、インクジェット記録ヘッドに装着する係合手段を備えた保護キャップと、前記記録ヘッドの吐出口形成面と対向する面に、前記吐出口形成面に当接して前記記録ヘッドの吐出口が形成されている領域を密閉する接触部を備え、かつ前記保護キャップ内に配置された弾性キャップと、該弾性キャップの前記接触部で囲まれた領域内に配置された液体吸収部材と、を有する、インクジェット記録ヘッドを保護するキャップユニットにおいて、前記弾性キャップの前記接触部が、前記記録ヘッドの前記吐出口形成面に当接したときに前記液体吸収部材と前記吐出口形成面との間に間隙が形成され、前記弾性キャップの、前記吐出口形成面と対向する面の裏面側における、前記接触部で囲まれた領域に対応する領域に、弾性構造が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、物流形態においてインクジェット記録ヘッドの吐出口形成面におけるインク漏れ等を生じさせず、かつインクジェット記録ヘッドを損傷させることを防ぐことができるインクジェット記録ヘッドのキャップユニットを提供することができる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明が適用されるインクジェット記録ヘッドの斜視図である。
図1は、本発明が適用されるインクジェット記録ヘッドの斜視図である。
図1に示すように、インクジェット記録ヘッド1には、インクを吐出する吐出口が形成された吐出口形成面2が設けられている。インクジェット記録ヘッド1は、吐出口形成面2に電気的信号を送るための電気配線テープ3と、電気配線テープ3が接続された外部信入力端子4とを有している。インクジェット記録ヘッド1には、不図示のインクタンクからインクを供給するためのチューブが挿入されるインク注入口5が形成されている。インク注入口5に挿入されたチューブから供給されたインクは、インクジェット記録ヘッド1の内部空間に一時的に保持された後に、ノズルを通って吐出口から吐出される。インクジェット記録ヘッド1の物流時には、吐出口の濡れ性を均一に保つために、その内部空間に物流インクを保持させる。
図2は、本発明が適用されるインクジェット記録ヘッドとその保護キャップユニットとの係合関係を示す分解斜視図である。
図2において、符号6はインクジェット記録ヘッド1に着脱可能な保護キャップを示している。保護キャップ6は、インクジェット記録ヘッド1に対する装着に利用される係合手段としての爪部7を有しており、インクジェット記録ヘッド1の引っ掛け部8に爪部7をかけることでインクジェット記録ヘッド1に装着可能である。
保護キャップ内には、吐出口形成面2(図1参照)を密閉するための弾性キャップ9が収容される。弾性キャップ9には、吐出口形成面2に接触することで、インクジェット記録ヘッド1の吐出口が形成されている領域を密閉する接触部11が形成されている。
さらに、弾性キャップ9の接触部11で囲まれた領域内には液体吸収部材10が収容される。液体吸収部材10は、吐出口形成面に対向する領域12と、吐出口形成面2の周囲に接触する脚部13とを有している。脚部13が吐出口形成面2の周囲に接触した際に、吐出口形成面に対向する領域12と吐出口形成面2との間に所定の隙間ができるよう、脚部13と吐出口形成面に対向する領域12とには段差が設けられている。液体吸収部材10は、弾性キャップ9の吐出口形成面と対向する面14の上に配置される。以下、液体吸収部材10を収容した弾性キャップ9を保護キャップ6に装着したユニットを、保護キャップユニット15と称する。弾性キャップ9は保護キャップ内に配置されている。
図3は、図2に示した弾性キャップ9を図2のZ方向から見た斜視図である。図3に示すように、弾性キャップ9の、吐出口形成面2と対向する面の裏面17側における、接触部11で囲まれた領域に対応する領域には、複数の弾性構造16が設けられている。弾性キャップ9の周囲縁部には、弾性キャップ9を保護キャップ6に装着する際に、保護キャップ6内に形成されたリブがはめ込まれるはめ込み穴18が形成されている。
図4は、図3に示した弾性キャップの弾性構造の拡大断面図である。
弾性構造16は、Z方向に荷重がかけられたときに、図4の矢印方向に広がるように容易に変形できるような傾きを持ったリブ19によって形成されている。そして、弾性キャップ9の、吐出口形成面と対向する面の裏面17も、容易に変形できるリブ19より形成された弾性構造16が複数存在することにより、容易に変形可能である。
図5は、図3に示す弾性キャップを備えた保護キャップユニットをインクジェット記録ヘッドに装着させた状態を示す模式的な断面図である。図5以降では、記録ヘッド1はその形を省略して記載している。実際は、保護キャップユニットの爪部7が記録ヘッドの引っ掛け部8に係合し、ヘッドと保護キャップユニットが接触した状態で装着されている。保護キャップユニット15をインクジェット記録ヘッド1に装着させた状態では、吐出口形成面2と液体吸収部材10との間に隙間20が形成されている。図5に示す状態から、弾性キャップ9に対して±Z方向に荷重がかけられた場合には、弾性キャップ9の弾性構造16が変形して、その荷重によって生じる衝撃を吸収する。図6は、弾性キャップに対して図5のZ方向に荷重がかけられたときの状態を示しており、弾性構造16が広がるように変形して衝撃を吸収する。
実際に、本実施形態の弾性キャップ9を備えた保護キャップユニット15をインクジェット記録ヘッド1に装着して、150cmの高さから吐出口形成面2に衝撃がかかるように落下させたところ、記録ヘッド1の破損は発生しなかった。これに対し、弾性構造16を有しない弾性キャップ9を備えた保護キャップユニット15(図13参照)を、記録ヘッドに装着して150cmの高さから落下させたところ、記録ヘッドの破損が生じた。破損箇所は電気配線テープであり、記録ヘッドの落下時の衝撃で液体吸水部材10の脚部が電気配線テープに強く接触したことが破損の原因であった。
液体吸水部材10の脚部13が、記録ヘッドに接触する部分に加わる衝撃を緩和することは、液体吸水部材10の厚み(図5におけるZ方向の高さ)が厚い場合に記録ヘッド1にかかる衝撃も緩和することになる。図7は、図6に示したA部の拡大図である。液体吸収部材10の、吐出口形成面に対する領域の高さ21および脚部の高さ22の各々の寸法は、適切な幅の隙間20を形成するためにばらつきを小さくしなくてはならない。液体吸水部材の脚部13は、記録ヘッド1の吐出口形成面2以外の部分と接触するものであるため、脚部の高さ22は必要以上に高くすることはできない。脚部の高さ22が高すぎると、最悪の場合、記録ヘッド1に保護キャプユニット15を装着した際に、脚部13が記録ヘッド1に接触する部分に強い負荷がかかり、記録ヘッド1を破損させてしまう。これに対し、図3に示した本実施形態における弾性キャップ9によれば、弾性構造16が変形することによって吐出口形成面と対向する面14(図6参照)の高さが変わるので、液体吸収部材10の各部の高さ21,22のばらつきを吸収することができる。したがって、本実施形態に用いる液体吸収部材10の各部の高さ寸法の許容差を大きくとることができるので、液体吸収部材10の品質管理に要する手間やコストを抑えることができる。
実際に、脚部の高さ22が4.1mm(弾性キャップ9の接触部11と同じ高さ)の液体吸収部材10が設けられた弾性キャップ9を備えた保護キャップユニット15をインクジェット記録ヘッド1に装着した。その結果、記録ヘッド1の吐出口形成面2を良好に密閉することが可能であった。これは、弾性キャップ9の弾性構造16が変形し、これによって液体吸収部材10の脚部の高さ22が適切な高さに調節されたためである。
これに対し、弾性構造16を有さない弾性キャップ9に同様の液体吸収部材10を設置し、これを備えた保護キャップユニット15をインクジェット記録ヘッドに装着したところ、記録ヘッドの吐出口形成面の密閉は不十分であった。これは、弾性構造9を有さない形態では、液体吸収部材の脚部の高さが弾性構造9の変形によって適切な高さに調節されることがないためである。その理由は、液体吸収部材13の脚部が、記録ヘッド1の吐出口形成面2の周囲に接触してつかえてしまい、弾性キャップ9の接触部11が、記録ヘッド1の吐出口形成面2の周囲に良好に接触することが阻害されてしまうためである。
(第2の実施形態)
図8は、本発明の第2の実施形態のキャップユニットにおける弾性キャップ9を示す斜視図である。図9は、図8に示す弾性キャップを備えた保護キャップユニット15を示す模式的な断面図である。
図8は、本発明の第2の実施形態のキャップユニットにおける弾性キャップ9を示す斜視図である。図9は、図8に示す弾性キャップを備えた保護キャップユニット15を示す模式的な断面図である。
図8に示すように、本実施形態における弾性キャップ9は、吐出口形成面2と対向する面14における接触部11で囲まれた領域に、突起形状の弾性構造A23が設けられている。図9に示す状態から、弾性キャップ9に対して±Z方向に荷重が加えられた場合には、弾性構造A23は液体吸収部材に当接して変形する。したがって、本実施形態の構成によっても、弾性キャップ9の弾性構造A23によって、インクジェット記録ヘッド1の落下時の衝撃を緩和することが可能である。さらに、弾性構造A23が変形することによって、液体吸収部材10の各部の高さ21,22のばらつきを吸収することにより、液体吸収部材10の脚部の高さ22を適切な高さに調節することができる。
(第3の実施形態)
図10は、本発明の第3の実施形態のキャップユニットにおける弾性キャップを示す斜視図である。図10は、弾性キャップ9を吐出口形成面と対向する面14を上に向けた状態で示している。
図10は、本発明の第3の実施形態のキャップユニットにおける弾性キャップを示す斜視図である。図10は、弾性キャップ9を吐出口形成面と対向する面14を上に向けた状態で示している。
図10に示すように、本実施形態における弾性キャップ9は、保護キャップユニット15をインクジェット記録ヘッド1に装着した際に、液体吸収部材10と記録ヘッド1の吐出口形成面2あるいは吐出口形成面2の周囲との間に挟まれるベロ部24を有している。ベロ部24によって、保護キャップユニット15をインクジェット記録ヘッド1に装着した際に、液体吸収部材10と吐出口形成面2との間に隙間20が形成される。このように、弾性キャップ9に設けられたベロ部24は、液体吸収部材10と吐出口形成面2との間に隙間20を形成する間隙形成部材として機能する。
図11は、図10に示した弾性キャップを、吐出口形成面と対向する面の裏面を上に向けた状態で示す斜視図である。
本実施形態の弾性キャップ9の吐出口形成面と対向する面の裏面17には、図3に示したものと同様の弾性構造16が設けられている。ただし、弾性キャップ9の接触部11が形成されている部分の直ぐ裏側の部分である底面部25には、弾性構造17は設けられていない。
図12は、図10及び図11に示した弾性キャップ9を備えた保護キャップユニット15をインクジェット記録ヘッド1に装着させた状態を示す模式的な断面図である。先の実施例と同様に、実際は、保護キャップユニットの爪部7が記録ヘッドの引っ掛け部8に係合し、ヘッドと保護キャップユニットが接触した状態で装着されている。
図12に示すように、本実施形態においては、ベロ部24が液体吸収部材10と記録ヘッド1の吐出口形成面2の周囲(電気配線テープ3)の部分との間に挟まれることによって、吐出口形成面2と液体吸収部材10との間に隙間20が形成されている。
本実施形態の構成によれば、図12のZ方向に衝撃がかかった場合においても、弾性構造16が変形して、その衝撃を緩和することができる。
また、液体吸収部材10に段差部を設けて隙間20を形成する必要がない。さらに、本実施形態の液体吸収部材10は、第1及び第2の実施形態の液体吸収部材10のような脚部13を設ける必要がない。そのため、本実施形態では単なる平板形状の液体吸収部材10を用いることができるため、液体吸収部材10のコストダウンを図ることができる。
さらに、本実施形態における弾性キャップ9に関しても、弾性構造16が変形することによって吐出口形成面と対向する面14の高さが変わる。そのため、仮に液体吸収部材10の厚さが所定の厚さよりもいくらか大きい場合であっても、そのような厚さのばらつきは弾性構造16の変形によって吸収することができる。
ここで、接触部11の裏面側である底面部25には弾性構造16が設けられていないため、弾性キャップ9の周囲部である接触部11は弾性構造16が設けられているその他の部分よりも剛性が高く、容易に変形しない。そのため、保護キャップユニット15をインクジェット記録ヘッド1に装着させたときに、インクジェット記録ヘッド1の電気配線テープ3と接触部11とが確実に接触し、弾性キャップ9による吐出口形成面2の十分な密閉性が得られることとなる。
6 保護キャップ
9 弾性キャップ
10 液体吸収部材
11 接触部
12 吐出口形成面に対向する領域
13 脚部
14 吐出口形成面と対向する面
15 保護キャップユニット
9 弾性キャップ
10 液体吸収部材
11 接触部
12 吐出口形成面に対向する領域
13 脚部
14 吐出口形成面と対向する面
15 保護キャップユニット
Claims (3)
- インクジェット記録ヘッドに装着する係合手段を備えた保護キャップと、
前記記録ヘッドの吐出口形成面と対向する面に、前記吐出口形成面に当接して前記記録ヘッドの吐出口が形成されている領域を密閉する接触部を備え、かつ前記保護キャップ内に配置された弾性キャップと、
該弾性キャップの前記接触部で囲まれた領域内に配置された液体吸収部材と、
を有する、インクジェット記録ヘッドを保護するキャップユニットにおいて、
前記弾性キャップの前記接触部が、前記記録ヘッドの前記吐出口形成面に当接したときに、前記液体吸収部材と前記吐出口形成面との間に間隙が形成され、
前記弾性キャップの、前記吐出口形成面と対向する面の裏面側における、前記接触部で囲まれた領域に対応する領域に弾性構造が設けられていることを特徴とする、インクジェット記録ヘッドを保護するキャップユニット。 - インクジェット記録ヘッドに装着する係合手段を備えた保護キャップと、
前記記録ヘッドの吐出口形成面と対向する面に、前記吐出口形成面に当接して前記記録ヘッドの吐出口が形成されている領域を密閉する接触部を備え、かつ前記保護キャップ内に配置された弾性キャップと、
該弾性キャップの前記接触部で囲まれた領域内に配置された液体吸収部材と、
を有する、インクジェット記録ヘッドを保護するキャップユニットにおいて、
前記弾性キャップの前記接触部が、前記記録ヘッドの前記吐出口形成面に当接したときに、前記液体吸収部材と前記吐出口形成面との間に間隙が形成され、
前記弾性キャップの、前記吐出口形成面と対向する面における前記接触部で囲まれた領域に、弾性構造が設けられていることを特徴とする、インクジェット記録ヘッドを保護するキャップユニット。 - 前記弾性キャップに、前記間隙を形成する間隙形成部材が設けられている、請求項1または2に記載のインクジェット記録ヘッドを保護するキャップユニット。
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