JP2008246181A - 活動量計 - Google Patents
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Abstract
【課題】正確な活動量を算出できる活動量計を提供することにある。
【解決手段】活動量計は、人体に装着され重力方向、および水平方向の加速度を検出する加速度検出手段1と、加速度検出手段1により得られた加速度を元にして人の行動シーンを判定する行動シーン判定手段2と、行動シーン判定手段2による判定結果に基づいて加速度検出手段1により得られた加速度から活動量を算出する活動量算出手段3とを備え、行動シーン判定手段2は、加速度検出手段1により得られた前記重力方向の加速度と前記水平方向の加速度との比率と、加速度検出手段1により得られた各加速度をベクトル成分とするノルムとを元にして人の行動シーンを判定するように構成されている。
【選択図】図1
【解決手段】活動量計は、人体に装着され重力方向、および水平方向の加速度を検出する加速度検出手段1と、加速度検出手段1により得られた加速度を元にして人の行動シーンを判定する行動シーン判定手段2と、行動シーン判定手段2による判定結果に基づいて加速度検出手段1により得られた加速度から活動量を算出する活動量算出手段3とを備え、行動シーン判定手段2は、加速度検出手段1により得られた前記重力方向の加速度と前記水平方向の加速度との比率と、加速度検出手段1により得られた各加速度をベクトル成分とするノルムとを元にして人の行動シーンを判定するように構成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、人の活動量を算出する活動量計に関するものである。
従来から、人体に装着され互いに直交する3軸の加速度を検出する加速度センサと、加速度センサにより得られた加速度を元にして活動量を算出する演算処理部とを備えた活動量計が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に示すような活動量計では、アメリカスポーツ医学会で用いられている、運動時の消費エネルギが安静時の消費エネルギの何倍になっているか示す値である「METs」値からなる運動強度を活動量として算出するように構成されており、活動量を算出するにあたっては、加速度センサにより得られた加速度の変動平均(分散)と活動量との相関関係を示す演算式(すなわち、加速度の変動平均を運動強度に変換する換算式)を利用している。
特開2006−204446号公報
ところで、人が歩いているときと走っているときとでは、加速度センサにより得られた加速度が同じでも活動量が異なるという結果が得られている。つまり、人の活動量は行動シーン(運動状態)によって異なる。
これに対して、上記特許文献1に示すような活動量計では、加速度の変動平均と活動量との相関関係を示す1つの演算式を用いており、その活動量が人のどのような行動シーンにおける活動量かまでは考慮していないため、おおよその活動量を算出することはできていたが、正確な活動量を算出するという点では不十分であった。
本発明は上述の点に鑑みて為されたもので、その目的は、正確な活動量を算出できる活動量計を提供することにある。
上述の問題を解決するために、請求項1の発明では、人体に装着され重力方向、および水平方向の各加速度を検出する加速度検出手段と、加速度検出手段により得られた加速度を元にして人の行動シーンを判定する行動シーン判定手段と、行動シーン判定手段による判定結果に基づいて加速度検出手段により得られた加速度から活動量を算出する活動量算出手段とを備え、行動シーン判定手段は、加速度検出手段により得られた前記重力方向の加速度と前記水平方向の加速度との比率と、加速度検出手段により得られた各加速度をベクトル成分とするノルムとを元にして人の行動シーンを判定するように構成されていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、人が移動しているときには水平方向の加速度に対する重力方向の加速度の比率も加速度のノルムも大きいが、移動を伴わない活動のときには上記比率も加速度のノルムも小さくなること、また人の移動が乗物によるものである場合には上記比率は大きいが加速度のノルムは小さくなることに着目し、加速度検出手段により得られた重力方向の加速度と水平方向の加速度との比率と、加速度検出手段により得られた各加速度をベクトル成分とするノルムと元にして判定した行動シーンに応じて活動量を算出するから、人の行動シーンの違いを活動量に反映でき、正確な活動量を算出できる。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、行動シーン判定手段は、上記行動シーンが座位、立位、歩行、走行、および乗物のいずれであるかを判定するように構成されていることを特徴とする。
請求項2の発明によれば、座位、立位、歩行、走行、および乗物それぞれにおける活動量の違いを反映できるから、正確な活動量を算出できる。
請求項3の発明では、請求項1または2の発明において、行動シーン判定手段は、加速度検出手段により得られた加速度から単位時間当たりの歩数を算出し、当該歩数により人の行動シーンを判定するように構成されていることを特徴とする。
請求項3の発明によれば、単位時間当たりの歩数により行動シーンを判定するので、加速度とは異なる観点から行動シーンを判定できるから、加速度が同じ場合であっても、行動シーンを判定でき、さらに正確な活動量の算出が行える。
請求項4の発明では、請求項1〜3のうちいずれか1項の発明において、活動量算出手段は、加速度から活動量を算出する際に使用する演算式を行動シーン毎に有し、行動シーン判定手段の判定結果に基づいて使用する演算式を選択するように構成されていることを特徴とする。
請求項4の発明によれば、1つの演算式だけで活動量の算出を行う場合に比べて、正確な活動量を算出できる。
本発明は、人の行動シーンの違いを活動量に反映できて、正確な活動量を算出できるという効果を奏する。
(実施形態1)
本実施形態の活動量計は、図1に示すように、人体に装着され互いに直交する3軸の加速度を検出する加速度検出手段1と、加速度検出手段1により得られた加速度を元にして人の行動シーンを判定する行動シーン判定手段2と、行動シーン判定手段2による判定結果に基づいて加速度検出手段1により得られた加速度から活動量を算出する活動量算出手段3と、活動量算出手段3で算出した活動量などを表示する表示手段4と、加速度検出手段1により得られた加速度などの種々のデータが記憶されるRAMやHDDなどの記憶装置からなる記憶手段5と、活動量計のオンオフ操作などを行うための操作手段(図示せず)と、活動量計を駆動する電池などの電源手段(図示せず)と、これらを収納する筐体(図示せず)とを備えている。なお、上記筐体は、例えば樹脂成形品などからなり、人が携行可能な大きさに形成されている。
本実施形態の活動量計は、図1に示すように、人体に装着され互いに直交する3軸の加速度を検出する加速度検出手段1と、加速度検出手段1により得られた加速度を元にして人の行動シーンを判定する行動シーン判定手段2と、行動シーン判定手段2による判定結果に基づいて加速度検出手段1により得られた加速度から活動量を算出する活動量算出手段3と、活動量算出手段3で算出した活動量などを表示する表示手段4と、加速度検出手段1により得られた加速度などの種々のデータが記憶されるRAMやHDDなどの記憶装置からなる記憶手段5と、活動量計のオンオフ操作などを行うための操作手段(図示せず)と、活動量計を駆動する電池などの電源手段(図示せず)と、これらを収納する筐体(図示せず)とを備えている。なお、上記筐体は、例えば樹脂成形品などからなり、人が携行可能な大きさに形成されている。
加速度検出手段1は、例えば、互いに垂直な3軸の各加速度をアナログ形式で出力する3軸の加速度センサ(図示せず)と、当該3軸の加速度センサの出力を所定周期でサンプリングしデジタル形式に変換して出力する加速度検出回路(図示せず)とを備えている。なお、上記3軸の加速度センサとしてはデジタル形式で出力するものを利用してもよく、この場合は、A/D変換を行う加速度検出回路を省略できる。
ここで、上記3軸の加速度センサは、重力方向の加速度と、水平方向の加速度とを検出するために用いられるものであって、人体の前後(進行)方向(以下、「x軸方向」と称する)と、人体の幅(横)方向(以下、「y軸方向」と称する)と、人体の身長(上下)方向(以下、「z軸方向」と称する)との加速度を検出可能なように人体に装着され、x軸方向の加速度とy軸方向の加速度の合成加速度が水平方向の加速度として、z軸方向の加速度が重力方向の加速度としてそれぞれ用いられる。なお、加速度検出回路には、3軸の加速度センサの各軸と、x軸方向、y軸方向、z軸方向それぞれの方向とのずれを補正する機能を設けるようにしてもよい。
上記3軸の加速度センサとしては、例えば、小型で低消費電力なMEMS(MicroElectro Mechanical Systems)を利用した加速度センサを用いている。なお、加速度センサとしては、ピエゾ抵抗型の加速度センサや、静電容量型の加速度センサなどを採用することができる。また、3軸の加速度センサとしては、2軸の加速度センサと1軸の加速度センサとを組み合わせて3軸の加速度値を出力可能としたものを用いてもよいし、1軸の加速度センサを3つ用いて3軸の加速度値を出力可能としたものを用いてもよい。
行動シーン判定手段2は、加速度検出手段1により得られた重力方向の加速度の変動平均と水平方向の加速度の変動平均との比率からなる第1判定値T1と、加速度検出手段1により得られた各加速度をベクトル成分とするノルムの平均値からなる第2判定値T2とを元にして人の行動シーンを判定するように構成されている。
ここで、第1判定値T1は、重力方向の加速度の変動平均をSv、水平方向の加速度の変動平均をShとすれば、次式(1)で表される。すなわち、本実施形態における第1判定値T1は、水平方向の加速度の変動平均Shに対する重力方向の加速度の変動平均Svの比率を示している。なお、次式(1)からも明らかなように第1判定値T1は無次元の値である。
ここで、重力方向の加速度の変動平均Svは、z軸方向の加速度の変動平均であり、水平方向の加速度の変動平均Shは、x軸方向の加速度の変動平均とy軸方向の加速度の変動平均との合成値である。したがって、x軸方向の加速度の変動平均をSx、y軸方向の加速度の変動平均をSy、z軸方向の加速度の変動平均をSzとすれば、Sv=Sz、Sh=(Sx2+Sy2)1/2となる。
そして、各軸方向の加速度の変動平均Sx,Sy,Szは、各軸方向の加速度の標準偏差であるから、加速度検出手段1により得られたx軸方向の加速度をAxi、y軸方向の加速度をAyi、z軸方向の加速度をAziとすれば、変動平均Sx,Sy,Szは次式(2)〜(4)で表すことができる。なお、標準偏差を算出するにあたっては、標本分散ではなく不偏分散を用いている。また、nは、一定時間における各加速度のサンプリング数を示す整数である。
ここで、Sh=(Sx2+Sy2)1/2であるから、Shは、次式(5)で表すことができる。
一方、第2判定値T2は、各軸方向の加速度をベクトル成分とするノルムの平均値であるから、{(Axi 2+Ayi 2+Azi 2)1/2}/iで表すことができる。本実施形態では、第2判定値T2の単位を[G]としている。
行動シーン判定手段2は、上述したようにして得られる第1判定値T1、第2判定値T2を用いて行動シーンの判定を行う。本実施形態における行動シーン判定手段2は、行動シーンが「座位」、「立位」、「歩行」、「走行」、および「乗物」のいずれであるかを判定するように構成されている。ここで、「座位」は人が座っている状態、「立位」は人が立っている状態、「乗物」は、人が電車や自動車などの人力をほとんど必要としない乗物に乗っている状態の行動シーンをそれぞれ示し、これら「座位」、「立位」、「乗物」は、歩行を伴わない低強度の行動である「生活活動」に含まれる。なお、「乗物」は、人が電車や自動車などの人力をほとんど必要としない乗物に乗っている状態であるから、自転車などに乗っている状態は含まない。
例えば、図2に示すように、第1判定値T1が0.1未満で且つ第2判定値T2が0.15[G]未満であれば「座位」と判定し、第1判定値T1が0.1以上0.5未満で且つ第2判定値T2が0.3[G]未満であれば「立位」と判定し、第1判定値T1が0.5以上で且つ第2判定値T2が0.3[G]未満であれば「乗物」と判定し、第1判定値T1が0.5以上1.0未満で且つ第2判定値T2が0.3[G]以上であれば「歩行」と判定し、第1判定値T1が1.0以上で且つ第2判定値T2が0.3[G]以上であれば「走行」と判定し、いずれの行動シーンにも該当しない場合には、加速度検出手段1により得られた加速度は、例えば、活動量計を体に装着せずに手で持って動かしている場合など、活動量を測定すべきではない原因によるものであるとし、「NG(計測エラー)」と判定する。
ところで、図2に示すような数値は、あくまで一例であって、これに限定する趣旨ではない。なお、行動シーンの判定に用いる数値は、実際に加速度検出手段1より得た第1判定値T1および第2判定値T2の値と、そのときの人の行動シーンとの統計的なデータにより設定すればよい。
また、行動シーン判定手段2は、行動シーンが「座位」、「立位」、「歩行」、「走行」、「乗物」のいずれかであると判定したときのみ、その判定結果を活動量算出手段3に出力して活動量の算出を行わせるように構成されている。したがって、行動シーン判定手段2により「NG(計測エラー)」と判定された際には、活動量算出手段3では、活動量の算出が行われないようになっている。
活動量算出手段3は、行動シーン判定手段2の判定結果を受け取った際に、加速度検出手段1により得られた加速度、本実施形態では加速度検出手段1により得られた各軸の加速度をベクトル成分とするノルムの所定時間における変動平均Sa=(Sx2+Sy2+Sz2)1/2により活動量を算出するものであって、活動量を算出するにあたっては、行動シーン判定手段2の判定結果に基づいた演算式を使用するように構成されている。
つまり、活動量算出手段3は、加速度から活動量を算出する際に使用する演算式(加速度を活動量に換算する換算式)を行動シーン毎に有し、行動シーン判定手段2の判定結果に基づいて活動量の算出に使用する演算式を選択する。例えば、行動シーン判定手段2により行動シーンが「座位」と判定された場合には座位用の演算式を使用し、「立位」と判定された場合には立位用の演算式を使用し、「歩行」と判定された場合には歩行用の演算式を使用し、「走行」と判定された場合には走行用の演算式を使用し、「乗物」と判定された場合には乗物用の演算式を使用する。
これら行動シーンに対応する演算式は、人の行動シーンを変化させずに(人の運動状態はそのままで)、その運動の強さのみを変化させた際の変動平均Saと活動量の相関関係を利用した近似式により求めることができる。例えば、活動量をI[METs]とすれば、座位用の演算式は下式(6)で、乗物用の演算式は下式(7)で、立位用の演算式は下式(8)で、歩行用の演算式は下式(9)で、走行用の演算式は下式(10)でそれぞれ表される。なお、a〜fは上記近似により得られる係数であり、一般にa<b<c<dとなる。また、定数gは、変動平均Saが0.6[G]である場合に、下式(9),(10)が連続する(下式(9),(10)の値が等しくなる)ような値である。
したがって、本実施形態の活動量計における変動平均Saと活動量Iとの関係は、図3に示すグラフのようになる。なお、図3に示すグラフでは、Aが「座位」、Bが「乗物」、Cが「立位」、Dが「歩行」、Eが「走行」をそれぞれ示している。
ところで、活動量算出手段3は、上記のように活動量を算出する機能の他に、1時間や1日などの単位時間における活動量の平均や、エクササイズ[METs・h]、1日のエクササイズ量、消費カロリ、歩数、運動時間など、人の活動に関する種々のデータ(以下、「活動データ」と称する)を算出するように構成されていてもよい。なお、エクササイズや、消費カロリなどの算出方法は、従来周知のものを利用できるから詳細な説明を省略する。また、活動量算出手段3は、活動データを記憶手段5に記憶させることで、各活動データの履歴を残すように構成されている。
なお、行動シーン判定手段2および活動量算出手段3は、例えば上記筐体に収納されたマイクロコンピュータなどのハードウェア資源からなる演算処理手段(図示せず)と、当該演算処理手段に情報の演算、加工などを行わせるソフトウェアとにより実現されている。また、上記演算処理手段は、行動シーン判定手段2および活動量算出手段3の他に、表示手段4を制御する表示制御手段(図示せず)など、活動量計の種々の機能を発揮するために必要な手段を備えている。
表示手段4は、液晶ディスプレイ(LCD)などの画像表示装置(図示せず)およびその駆動回路(図示せず)で構成されたものであって、上記表示制御手段により、記憶手段5に記憶された活動データを上記画像表示装置に表示するように制御される。また、操作手段は、活動量計のオンオフ操作用のスイッチや、活動量の演算を開始させるスイッチ、活動量の表示をリセットするスイッチ、表示する活動データを切り替えるためのスイッチなどを備えているものである。
以上述べた本実施形態の活動量計では、例えば、第1判定値T1が0.1未満で且つ第2判定値T2が0.15[G]未満であれば、行動シーン判定手段2により行動シーンが「座位」であると判定され、上式(6)を用いて活動量Iの算出が行われる。また、第1判定値T1が0.1以上0.5未満で且つ第2判定値T2が0.3[G]未満であれば、行動シーン判定手段2により行動シーンが「立位」であると判定され、上式(8)を用いて活動量Iの算出が行われる。また、第1判定値T1が0.5以上で且つ第2判定値T2が0.3[G]未満であれば、行動シーン判定手段2により行動シーンが「乗物」であると判定され、上式(7)を用いて活動量Iの算出が行われる。また、第1判定値T1が0.5以上1.0未満で且つ第2判定値T2が0.3[G]以上であれば、行動シーン判定手段2により行動シーンが「歩行」であると判定され、上式(9)を用いて活動量Iの算出が行われる。また、第1判定値T1が1.0以上で且つ第2判定値T2が0.3[G]以上であれば、行動シーン判定手段2により行動シーンが「走行」であると判定され、上式(10)を用いて活動量Iの算出が行われる。また、いずれの行動シーンにも該当しない場合には、行動シーン判定手段2により「NG(計測エラー)」と判定され、活動量Iの算出は行われない。
本実施形態の活動量計によれば、人が移動しているときには水平方向の加速度に対する重力方向の加速度の比率も加速度のノルムも大きいが、移動を伴わない活動のときには上記比率も加速度のノルムも小さくなること、また人の移動が乗物によるものである場合には上記比率は大きいが加速度のノルムは小さくなることに着目し、加速度検出手段1により得られた重力方向の加速度の変動平均Svと水平方向の加速度の変動平均Shとの比率からなる第1判定値T1と、加速度検出手段1により得られた各加速度をベクトル成分とするノルムの平均値からなる第2判定値T2と元にして行動シーンを判定し、その判定結果に応じて活動量を算出するから、人の行動シーンの違いを活動量に反映でき、正確な活動量を算出できる。また、行動シーン判定手段2は、行動シーンが「座位」、「立位」、「歩行」、「走行」、および「乗物」のいずれであるかを判定するので、「座位」、「立位」、「歩行」、「走行」、および「乗物」それぞれにおける活動量の違いを反映できる。
さらに、活動量算出手段3は、各行動シーンに対応して演算式を変更するから、1つの演算式だけで活動量の算出を行う場合に比べて、正確な活動量を算出できる。
なお、活動量算出手段3では、上式(10)に示すような2次式に代えて、上式(6)〜(9)と同様に、下式(11)に示すような1次式を採用してもよい。この場合、b<hであって、定数jは、変動平均Saが0.6[G]である場合に、下式(9),(11)が連続する(下式(9),(11)の値が等しくなる)ような値である。
なお、本実施形態で挙げた「座位」、「立位」、「乗物」、「歩行」、「走行」などの行動シーンはあくまで一例であって、これに限定する趣旨ではない。また、上記変動平均から活動量を算出するにあたっては、上式(6)〜(11)に示すような演算式ではなく、データテーブルなどを利用してもよい。
さらに、本実施形態における加速度検出手段1は、互いに直交する3軸の加速度を検出する加速度センサを利用したものであったが、互いに直交する2軸の加速度を検出する加速度センサを利用するようにしてもよく、結果的に、重力方向と水平方向の加速度が得られるものであればよい。
(実施形態2)
本実施形態の活動量計は、行動シーン判定手段2の構成が上記実施形態1と異なっており、その他の構成は上記実施形態1と同様であるから図示および説明を省略する。
本実施形態の活動量計は、行動シーン判定手段2の構成が上記実施形態1と異なっており、その他の構成は上記実施形態1と同様であるから図示および説明を省略する。
本実施形態における行動シーン判定手段2は、上述したように第1判定値T1および第2判定値T2を用いて行動シーンを判定する主判定機能と、加速度検出手段1により得られた加速度から算出した単位時間(本実施形態では1分)当たり歩数を用いて行動シーンを判定する副判定機能とを有している。
上記副判定機能は、加速度検出手段1により得られた加速度から単位時間当たりの歩数を算出し、当該単位時間当たりの歩数と所定の閾値とを比較することで、行動シーンが、「座位」、「立位」、および「乗物」からなる「生活活動」と、「歩行」と、「走行」とのいずれであるかを判定するように構成されている。例えば、単位時間当たりの歩数が第1の閾値未満であれば、行動シーンを「生活活動」と判定し、第1の閾値より大きい第2の閾値以上であれば、行動シーンを「走行」と判定し、第1の閾値以上第2の閾値未満であれば、行動シーンを「歩行」と判定する。
ここで、上記第1の閾値は、「生活活動」と「歩行」と「走行」との境界となる値であって、例えば、人の行動シーンが「生活活動」から「歩行」に切り換わる際の上記単位時間当たりの歩数の統計データなどから得ることができる。同様に、第2の閾値は、「歩行」と「走行」との境界となる値であって、例えば、人の行動シーンが「歩行」から「走行」に切り換わる際の上記単位時間当たりの歩数の統計データなどから得ることができる。
なお、歩数のカウントは、例えば、加速度検出手段1により得られた各軸の加速度をベクトル成分とするノルムにおいて、ピーク値が所定の閾値を越えるピークの数をカウントすることにより行われる。加速度検出手段1により得られた加速度から人の歩数をカウントする方法は、従来周知のものを採用できるから詳細な説明は省略する。
そして、行動シーン判定手段2は、主判定機能と副判定機能との判定結果が一致(副判定機能により「生活活動」と判定された際には、主判定機能の判定結果が、「座位」、「立位」、「乗物」のいずれかであれば一致しているとする)した際にのみ判定結果を活動量算出手段3に出力して、活動量算出手段3に活動量の算出を行わせるようになっている。すなわち、行動シーン判定手段2は、主判定機能の判定結果が測定エラーであるとき、または主判定機能と副判定機能との判定結果が一致しない際には、いずれの行動シーンにも該当せず、加速度検出手段1により得られた加速度は、例えば、活動量計を体に装着せずに手で持って動かしている場合など、活動量を測定すべきではない原因によるものと判定する。この場合、行動シーンが特定されないから、活動量算出手段3による活動量の算出は行われないようになっている。
したがって、本実施形態の活動量計によれば、主判定機能と副判定機能の2種類の判定を行うから、行動シーンの判定が正確に行えるようになり、その結果、さらに正確な活動量が算出できるようになる。特に、副判定機能では、単位時間当たりの歩数により行動シーンを判定するので、加速度とは異なる観点から行動シーンを判定できるから、加速度が同じ場合であっても、行動シーンを判定でき、さらに正確な活動量が算出できる。
なお、本実施形態では、2種類の判定を行うようにしているが、さらに多くの判定を行うようにしてもよいし、その判定方法も上記方法に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない程度に変更してもよい。
1 加速度検出手段
2 行動シーン判定手段
3 活動量算出手段
2 行動シーン判定手段
3 活動量算出手段
Claims (4)
- 人体に装着され重力方向、および水平方向の各加速度を検出する加速度検出手段と、加速度検出手段により得られた加速度を元にして人の行動シーンを判定する行動シーン判定手段と、行動シーン判定手段による判定結果に基づいて加速度検出手段により得られた加速度から活動量を算出する活動量算出手段とを備え、
行動シーン判定手段は、加速度検出手段により得られた前記重力方向の加速度と前記水平方向の加速度との比率と、加速度検出手段により得られた各加速度をベクトル成分とするノルムとを元にして人の行動シーンを判定するように構成されていることを特徴とする活動量計。 - 行動シーン判定手段は、上記行動シーンが座位、立位、歩行、走行、および乗物のいずれであるかを判定するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の活動量計。
- 行動シーン判定手段は、加速度検出手段により得られた加速度から単位時間当たりの歩数を算出し、当該歩数により人の行動シーンを判定するように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の活動量計。
- 活動量算出手段は、加速度から活動量を算出する際に使用する演算式を行動シーン毎に有し、行動シーン判定手段の判定結果に基づいて使用する演算式を選択するように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項記載の活動量計。
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