JP2008244860A - 無線通信システム、基地局および端末 - Google Patents

無線通信システム、基地局および端末 Download PDF

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Abstract

【課題】端末が非サービング基地局に与える干渉を軽減する。
【解決手段】基地局が、使用している第1チャネルに周波数的に隣接する、端末が使用している第2チャネルの受信タイミングと受信電力とを測定する測定手段と、受信タイミングと受信電力とから、第1チャネルへの第2チャネルからの干渉量を計算する計算手段と、干渉量が閾値以上の場合には一定時間後に第2チャネルに対応する、自基地局から端末へのチャネルにおいて、端末にチャネルを変更、端末にセルサーチ、および、自基地局へハンドオーバーのいずれか1つをさせる指示を含む周辺セル制御データを送信する送信手段と、を含み、端末が、周辺セル制御データを受信し周辺セル制御データを復調する復調手段と、周辺セル制御データの内容にしたがって、第2チャネルの変更、セルサーチ、および、基地局へハンドオーバーのいずれか1つの動作を行うことを決定する決定手段と、を含む。
【選択図】図4

Description

この発明は、周辺セルサーチ方法およびハンドオーバー方法についての無線通信システム、基地局および端末に関する。
基地局は周期的に同期チャネルや報知チャネルを送信しており、端末は、カレントセルの受信電力が閾値以上ある場合には周辺セルサーチを行わず、受信電力が閾値を下回った場合に周辺セルサーチを行う(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−39367公報
セル設計を綿密に実施しない自律分散無線通信システムやマクロセルとマイクロセルを混在させる自律分散無線通信システムでは、複数の基地局の通信エリアが大きくオーバーラップすることがある。ここで自律分散無線通信システムとは、通信エリアがオーバーラップしていて、隣の基地局の基地局固有情報が既知でないようなシステムとする。このようなシステムでは、現在通信中の基地局(サービング基地局と呼ぶ)との間の回線品質が十分であっても、別の基地局(非サービング基地局と呼ぶ)に非常に近づいてしまうことが考えられる。
特に、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)で、端末が送信電力制御と送信タイミング制御を実施している場合には、端末からサービング基地局に送信された信号が、非サービング基地局へ大電力でタイミングがずれて受信されるために大きな干渉となる問題が発生する。このとき、干渉を与えている通信の当事者である端末とサービング基地局は、この問題を認識しにくい状況が発生し得る。
このように従来の周辺セルサーチ方法においては、端末自身の通信品質が劣化するまで周辺セルサーチを実施せずに、端末が干渉を与えている非サービング基地局を素早くセルサーチし発見できない問題がある。
この発明は、上述した事情を考慮してなされたものであり、端末が非サービング基地局に対して素早くチャネルの変更、セルサーチ、またはハンドオーバーを実行する無線通信システム、基地局および端末を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明の無線通信システムは、複数のチャネルからなるフレームを使用して通信する、基地局と端末を含む無線通信システムであって、
前記基地局は、使用している第1チャネルに周波数的に隣接する、前記端末が使用している第2チャネルの受信タイミングと受信電力とを測定する測定手段と、前記受信タイミングと前記受信電力とから、第1チャネルへの第2チャネルからの干渉量を計算する計算手段と、前記干渉量が閾値以上の場合には、一定時間後に、第2チャネルに対応する、自基地局から前記端末へのチャネルにおいて、該端末にチャネルを変更、該端末にセルサーチ、および、自基地局へハンドオーバーのいずれか1つをさせる指示を含む周辺セル制御データを送信する送信手段と、を具備し、
前記端末は、前記周辺セル制御データを受信し、該周辺セル制御データを復調する復調手段と、周辺セル制御データの内容にしたがって、前記第2チャネルの変更、セルサーチ、および、前記基地局へハンドオーバーのいずれか1つの動作を行うことを決定する決定手段と、を具備することを特徴とする。
本発明の無線通信システム、基地局および端末によれば、端末が非サービング基地局に対して素早くチャネルの変更、セルサーチ、またはハンドオーバーを実行することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る無線通信システム、基地局および端末について詳細に説明する。なお、以下の実施形態中では、同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして、重ねての説明を省略する。
本実施形態の基地局と端末とを含む無線通信システムの構成について図1を参照して説明する。図1は、複数の基地局と移動局とから構成される自律分散無線通信システムの構成の一例を示す図である。
図1は、基地局Aと端末Aおよび端末Cとが通信をしており、基地局Bと端末Bとが通信をしていることを示している。ある端末にとって、現在通信している基地局を、この端末にとってのサービング基地局、現在通信していないそれ以外の基地局を、この端末にとっての非サービング基地局と定義する。図1の場合は、端末Aにとって、基地局Aがサービング基地局であり、基地局Bが非サービング基地局である。
次に、本実施形態の無線通信システムで使用されるフレーム構成の一例について図2を参照して説明する。図2は、本実施形態による自律分散無線通信システムのフレーム構成例を示す図である。
1つのフレームは、複数の制御チャネル(図2ではCCH(n);図2ではn=1〜4)と複数の通信チャネル(図2ではTCH(m);図2ではm=1〜16)とから構成され、時分割複信方式(TDD方式)により、ダウンリンクチャネルとアップリンクチャネルとに時間分割される。ダウンリンクチャネルはダウンリンク制御チャネルとダウンリンク通信チャネルを含み、アップリンクチャネルはアップリンク制御チャネルとアップリンク通信チャネルを含む。制御チャネルおよび通信チャネルは、ダウンリンクとアップリンクで対になっており、基地局が、制御チャネルあるいは通信チャネルを使用する場合には、ダウンリンクとアップリンクの対を確保して使用する。
例えば、同じチャネル番号である、ダウンリンク制御チャネルCCH(1)とアップリンク制御チャネルCCH(1)とが対になっており、ダウンリンク通信チャネルTCH(1)とアップリンク通信チャネルTCH(1)とが対になっている。図2の例では、1フレームの中に制御チャネルが4チャネル、通信チャネルが16チャネル存在する。
本実施形態においては、これらのチャネル数には特に意味はなく、ダウンリンクチャネル数とアップリンクチャネル数が同数であれば図2とは別のフレーム構成であっても問題ない。また、複信方式としてTDD方式ではなく、FDD方式であっても同様の議論が成立する。また、制御チャネルと通信チャネルの両方あるいは、何れかが、複数のフレームを1周期としてチャネルの番号を定義して使用しても問題ない。
アップリンク通信チャネルの無線アクセス方式は、サイクリックプレフィクス(ガードインターバル)を付加したOFDM方式あるいは、サイクリックプレフィッス(ガードインターバル)を付加したシングルキャリア方式であり、ガードインターバルは、基地局でのフーリエ変換処理後にサブキャリア間干渉(各周波数成分間の干渉)や隣接チャネル間干渉を引き起こさないためであり、通常、同一基地局と通信している端末間の基地局での受信タイミングが、ガードインターバル内に収まるようにコントロールされている。各チャネルの無線アクセス方式は同一である必要はないが、議論を明確にするため、制御チャネルと通信チャネルの無線アクセス方式はすべて同一で、ダウンリンク、アップリンク共にサイクリックプレフィクス(ガードインターバル)を付加したOFDM方式であるとして以下説明する。
次に、本実施形態による無線通信システムでの制御チャネルと通信チャネルの違いを説明する。
制御チャネルは、各基地局が一定の制御チャネルを定常的に継続して利用し、報知情報やページング情報の伝送や、移動局に通信チャネルを割り当てるための接続手続きのための情報のやり取りなどに利用される。一方、通信チャネルは、各基地局が、移動局との通信のためのリソースが必要な場合に、通信チャネルの干渉レベルをセンシングして、使用しても問題ないと判断した通信チャネルを利用するものである。つまり、通信チャネルは、基地局が、一時的に確保し、使用が終了すれば開放するチャネルである。これらは、PHSにおける制御スロットと通信スロットの役割と基本的に同じである。議論も明確にするために各基地局が1制御チャネルを使用するとして以下説明する。また、各基地局は、フレーム同期しているものとして以下説明する。
次に、本実施形態によるOFDM方式の通信チャネルおよび制御チャネルの構成の一例について図3を参照して説明する。図3は、チャネルの1つを示し、例えば、図2のCCH(n)、TCH(m)のうちの1つを示す。
各チャネルは、複数のサブキャリアから成る複数のサイクリックプレフィクス(ガードインターバル)を付加したOFDMシンボルから構成される。図3の例では、1チャネルが4サブキャリアからなるOFDMシンボル6つから構成されている。
次に、図1の無線通信システムで発生し得る隣接チャネル間干渉について図4、図5、図6を参照して説明する。
基地局Aは、端末Aと端末Cと、それぞれ図2に示す通信チャネル1と通信チャネル9で通信しており、基地局Bは、端末Bと通信チャネル5で通信しており、端末Aが基地局Bの近辺へ移動してきたとする。
図5と図6は、図4のような状況における、基地局Aおよび基地局Bそれぞれでの各チャネルの受信電界強度の一例を示す図である。端末Aと端末Cは、サービング基地局である基地局Aに対して送信電力制御を実行する。このため、基地局Aは、端末A、端末C、それぞれからの受信電力の一定範囲に収まるような制御を実施することが可能である。送信電力制御と同時に、端末Aと端末Cからの信号の基地局Aでの受信タイミングが、マルチパス成分も含めてガードインターバル内に収まるような送信タイミング制御が行われる。送信タイミング制御を実施するのは、基地局Aが、複数のチャネル(例えば、図2の全チャネル分の帯域)を一括してフーリエ変換(FFT)処理して、各チャネルを復調するためであり、隣接チャネル間干渉(サブキャリア間干渉)を発生させないためである。以下、基地局は、全チャネル分の帯域(図2の1制御チャネルと4通信チャネル分の帯域)を一括してFFT処理するのもとして説明する。
端末Bは、基地局Bに対して送信電力制御を行っていて、基地局Aとは距離が離れているので、基地局Aでの端末Bからの受信電力は、図5に示すように、端末Aや端末Cに比べて小さく、隣接チャネル間干渉はあまり問題にならない。
一方、基地局Bでは、図6に示すように、通信している端末Bからの信号の電力よりも、基地局Aに送信している端末Aからの信号の電力が非常に大きく受信されることになる。これは、端末Aにとって、基地局Bの方が近く伝播距離減衰が小さいことに加えて、基地局Aから離れたことにより送信電力制御によって送信電力を上げていることの2つの要因によるからである。
これに加えて、端末Aは、基地局Aに対して送信タイミング制御を実施しているので、基地局Bで受信される端末Aからの信号は、端末Bからの信号の比べて早いタイミングで受信されることになる。この受信タイミングの差が一定以上になると、通信チャネル5に対して通信チャネル1からの隣接チャネル間干渉が発生する。このタイミング差の許容量は、一般に、最大でガードインターバル長であるが、実際には受信機でのFFTウィンドウの位置に依存してそれよりも短くもなる。
次に、基地局Aにおける端末Aと端末Cからの信号の受信タイミングとFFTウィンドウの位置、基地局Bにおける端末Aと端末Bからの信号の受信タイミングとFFTウィンドウの位置についてそれぞれ図7、図8を参照して説明する。
基地局Aが、端末Aおよび端末CからのOFDMシンボル(図7の斜線部)を同時に復調するためのFFTウィンドウが、図7に示すような位置である場合には、FFTウィンドウ内に、その前後のOFDMシンボルとそのGI(ガードインターバル)を含まないので、隣接チャネル間干渉は発生しない。
一方、基地局Bが、端末BからのOFDMシンボル(図7の上の斜線部)を復調するためのFFTウィンドウが図8のような位置であるとすると、FFTウィンドウ内に、端末Aからの信号に関しては、後続のOFDMシンボルk+1からの信号が時間τだけ含まれることになる。これにより、図8のFFTウィンドウ内において端末Aからの信号には、OFDMシンボルkが時間τだけ不足し、OFDMシンボルk+1が時間τだけ余分に含まれることになり、通信チャネル1から通信チャネル5に対して隣接チャネル間干渉が発生する。
次に、隣接チャネル間干渉について図9Aを参照して説明する。
図8のように、通信チャネル1が通信チャネル5のFFTウィンドウから時間τずれているとすると、通信チャネル1のあるサブキャリアから、nサブキャリア離れた通信チャネル5のサブキャリアへの干渉電力は以下の式で表すことができる。
Figure 2008244860
ただし、s(t)は、長さTの矩形パルスであるm番目のサブキャリアの信号で以下の式で表すことができる。
Figure 2008244860
ここで、fは、基準となるサブキャリアの搬送波周波数であり、f+n/Tがn番目のサブキャリアの搬送波周波数である。これにより、例えば、4つのサブキャリア(A1〜A4)からなる通信チャネル1から、通信チャネル5のサブキャリアB1への干渉電力の和は、各サブキャリアの電力は等しいとして、以下の式で表すことができる。
Figure 2008244860
だだし、NとNは、それぞれチャネル間のガードサブキャリア数とチャネル内のサブキャリア数で、この場合は、それぞれ1と4である。
同様に、通信チャネル1から、通信チャネル5の4つのサブキャリア(B1〜B4)への干渉電力の平均は、各サブキャリアの電力は等しいとして、以下の式で表すことができる。
Figure 2008244860
通信路がマルチパス通信路である場合にも、パス毎に上記と同様の計算を行い、合計電力を計算するなどの方法を用いることができる。
次に、上式(4)において、図9Aの場合に対応するN=1、N=4として計算した隣接チャネル間干渉の計算結果の一例について図9Bを参照して説明する。
図9Bによれば、隣接チャネル間干渉は、FFTウィンドウのタイミング差が一定以上になると、その影響が大きくは変化しないことがわかる。図9Bの場合には、τ/Tが0から約0.2までは隣接チャネル間干渉は急激に上昇するが、τ/Tが約0.2から約0.8までは隣接チャネル間干渉は2dB程度の変動しかない。
以上のように、隣接チャネルからの干渉量は、隣接チャネルの受信電力と、受信タイミングから計算することが可能である。基地局では、隣接チャネル間干渉を測定、計算した上で、干渉量が閾値を超えた場合には、一定時間後に、干渉を測定した隣接チャネルのダウンリンクにおいて、周辺セル制御データを送信する。周辺セル制御データを受信した端末は、その指示にしたがってセルサーチなどの動作を実施する。周辺セル制御データと、端末の動作についての詳細は後に図13から図17を参照して説明する。
次に、本実施形態の基地局について図10を参照して説明する。
本実施形態の基地局は、切り替え部1001、RF/IF受信部1002、A/D変換部1003、GI除去部1004、FFT処理部1005、データ復調部1006、干渉測定部1007、周辺セル制御データ生成部1008、データ変調部1009、データ多重部1010、IFFT処理部1011、GI付加部1012、D/A変換部1013、RF/IF送信部1014を含む。
(基地局受信部)
切り替え部1001は、アンテナから受信信号を受け取り、基地局受信部のRF/IF受信部1002へ受信信号を伝達する。RF/IF受信部1002は、ダウンコンバートしベースバンド信号に変換する。A/D変換部1003は、ベースバンド信号をデジタル信号に変換する。GI除去部1004は、デジタル信号から長さTgのガードインターバルを除去する。FFT処理部1005は、ガードインターバルが除去されたデジタル信号を、図7、図8に示すように、Tsの時間長のFFTウィンドウでFFT処理し、複数サブキャリア成分に信号を分離する。データ復調部1006は、FFT処理部1005が出力するサブキャリアの信号の内で、その基地局が使用中のチャネルに属するサブキャリアの信号を復調する。
干渉測定部1007は、FFT処理部1005が出力するサブキャリアの信号の内で、使用中のチャネルに周波数的に隣接している隣接チャネルに属するサブキャリアの信号から、使用中のチャネルに及ぼす干渉量の計算を行う。干渉量は、上式(4)に示すように、タイミング差(図8に示すτ)と信号電力から推定することが可能である。これらの推定には、アップリンク信号のプリアンブルやパイロット信号を用いて隣接チャネルの通信路推定を実施することで、パス毎の電力と遅延量(タイミング差)から、式(1)−(4)を用いて計算することができる。この場合の通信路推定は、干渉量の大まかな値を計算するのが目的であるので、必ずしも高精度の推定は必要としない。何故なら、隣接チャネル間干渉は、図9Bに示すように、FFTウィンドウのタイミング差が一定以上になると、ほとんどその影響が変わらないからである。
(基地局送信部)
周辺セル制御データ生成部1008は、干渉測定部1007で計算した干渉量が、閾値以上の場合には、周辺セル制御データを生成し、周辺セル制御データを、干渉を測定した通信チャネルのダウンリンクチャネルのサブキャリアにマッピングする。周辺セル制御データの具体的な例は後に第1〜第3の例として説明する。
データ変調部1009は、この基地局と通信中の端末へのデータを変調する。データ多重部1010は、マッピングされた周辺セル制御データと変調されたデータとを多重する。IFFT処理部1011は、多重されたデータに一括して、逆フーリエ変換処理を施し、時間軸のデータ列であるOFDMシンボルに変換する。GI付加部1012は、OFDMシンボルの末尾の一部をサイクリックプリフェクス(ガードインターバル)としてOFDMシンボルの先頭に付加する。D/A変換部1013は、サイクリックプリフェクスが付加されたOFDMシンボルを、アナログ信号に変換する。RF/IF送信部1014は、D/A変換部1013が出力したアナログ信号を送信帯域へアップコンバートして送信信号とする。切り替え部1001は、送信信号をアンテナから送信する。
周辺セル制御データは、閾値以上の隣接チャネル間干渉を測定してから一定時間後のダウンリンクチャネルにおいて送信される。また、例えば、アップリンク信号に対するACK/NACKをダウンリンクで送信するタイミングに同期させて、周辺セル制御データを送信することも可能である。
次に、本実施形態の端末について図11を参照して説明する。
本実施形態の端末は、切り替え部1101、RF/IF受信部1102、A/D変換部1103、GI除去部1104、FFT処理部1105、データ復調部1106、周辺セル制御データ復調部1107、動作決定部1108、データ変調部1109、IFFT処理部1110、GI付加部1111、D/A変換部1112、RF/IF送信部1113を含む。
(端末受信部)
端末受信部は、通常の、サービング基地局からの信号を復調するデータ復調部1106に加えて、非サービング基地局からの周辺セル制御データを復調する周辺セル制御データ復調部1107を含んでいることが特徴である。
切り替え部1101は、アンテナから受信信号を受け取り、端末受信部のRF/IF受信部1102へ受信信号を伝達する。RF/IF受信部1102は、ダウンコンバートしベースバンド信号に変換する。A/D変換部1103は、ベースバンド信号をデジタル信号に変換する。GI除去部1104は、デジタル信号からサイクリックプレフィクスを除去する。FFT処理部1105は、ガードインターバルが除去されたデジタル信号にフーリエ変換処理を施し、周波数軸上のサブキャリアに信号を分離する。データ復調部1106は、FFT処理部1105が出力する、チャネル内の各サブキャリアの信号の内で、サービング基地局からのデータを復調する。
周辺セル制御データ復調部1107は、データ復調部1106がサービング基地局からのデータを復調するのと同時に、非サービング基地局からの周辺セル制御データの検出と復調を実行する。周辺セル制御データ復調部1107は、非サービング基地局から送信された可能性がある周辺セル制御データ信号の受信電力を測定し、受信電力が一定電力以上である場合には、周辺セル制御データがこの端末宛に送信されたと判断し、データ復調を行う。動作決定部1108は、周辺セル制御データ復調部1107での復調結果を元に、端末は周辺セルサーチ等の動作決定を行う。
(端末送信部)
データ変調部1109は、基地局へのデータを変調し、変調された変調データを、使用するチャネルのサブキャリアにマッピングする。IFFT処理部1110は、マッピングされたデータに逆フーリエ変換処理を施し、時間軸のデータ列であるOFDMシンボルに変換する。GI付加部1111は、OFDMシンボルの末尾の一部をサイクリックプリフェクス(ガードインターバル)としてOFDMシンボルの先頭に付加する。D/A変換部1112は、サイクリックプリフェクスが付加されたOFDMシンボルを、アナログ信号に変換する。RF/IF送信部1113は、D/A変換部1112が出力したアナログ信号を送信帯域へアップコンバートして送信信号とする。切り替え部1101は、送信信号をアンテナから送信する。
次に、基地局の干渉測定部1007と周辺セル制御データ生成部1008の動作の一例について図12を参照して説明する。
干渉測定部1007が、使用中のチャネルの隣接チャネルにおいて干渉量を計算する(ステップS1201)。次に、周辺セル制御データ生成部1008が、干渉測定部1007が計算した干渉量が閾値以上であるかどうか判定し、閾値以上であると判定した場合にはステップS1203に進み、閾値以上でないと判定した場合にはステップS1201に戻り(ステップS1202)、干渉量を計算する次のデータがあるまで待機する。次に、周辺セル制御データ生成部1008が周辺セル制御データを生成し、基地局送信部が周辺セル制御データを送信する。
次に、基地局の周辺セル制御データ生成部1008で生成される周辺セル制御データについての説明と、周辺セル制御データを受信した端末の周辺セル制御データ復調部1107、動作決定部1108での端末の動作についての説明をする。
(周辺セル制御データ:第1の例)
周辺セル制御データ生成部1008は、第1の例として、周辺セル制御データとして全ての基地局で共通した1つの既知のデータパターンを生成する。すなわち、このデータパターンは端末も認識している。
端末が、周辺セル制御データ生成部1008が第1の例として生成した周辺セル制御データを復調した場合、端末の周辺セル制御データ復調部1107、動作決定部1108の動作の一例について図13を参照して説明する。
まず、周辺セル制御データ復調部1107が、周辺セル制御データ信号の受信電力を測定する(ステップS1301)。周辺セル制御データ復調部1107が、ステップS1301で測定した受信電力が一定電力以上であるかどうかを判定し、一定電力以上であると判定した場合にはステップS1303に進み、一定電力以上でないと判定した場合にはステップS1301に戻り(ステップS1302)、受信電力の測定を行う周辺セル制御データを受けるまで待機する。次に、端末受信部が、セルサーチを開始すると決定し、端末受信部が周辺セル制御データを送信したと思われる基地局のサーチを実施することを動作決定部1108が決定する(ステップS1303)。この場合、どの基地局が周辺セル制御データを送信したのか端末には判らないので、端末に非常に近いと思われる基地局をサーチすることになる。
(周辺セル制御データ:第2の例)
周辺セル制御データ生成部1008は、第2の例として、周辺セル制御データとして基地局が使用している制御チャネルの位置(スロット番号)を示すPビットのデータを生成する。
端末が、周辺セル制御データ生成部1008が第2の例として生成した周辺セル制御データを復調した場合、端末の周辺セル制御データ復調部1107、動作決定部1108の動作一例について図14を参照して説明する。
まず、上述したステップS1301、S1302を行い、次に、周辺セル制御データ復調部1107が、周辺セル制御データを復調し、端末受信部が、周辺セル制御データで指定された位置の制御チャネルを使用する基地局のサーチを行い、ダウンリンク制御チャネルで報知情報を受信し、アップリンク制御チャネルでその基地局へアクセスし、ハンドオーバー処理を開始することを動作決定部1108が決定する(ステップS1401)。
(周辺セル制御データ:第3の例)
周辺セル制御データ生成部1008は、第3の例として、周辺セル制御データとして基地局が使用している通信チャネルのいずれかの位置(周波数番号とスロット番号)を示すPビットのデータを生成する。
端末が、周辺セル制御データ生成部1008が第3の例として生成した周辺セル制御データを復調した場合、端末の周辺セル制御データ復調部1107、動作決定部1108の動作の一例について図15を参照して説明する。
まず、上述したステップS1301、S1302を行い、次に、周辺セル制御データ復調部1107が、周辺セル制御データを復調し、端末受信部が、周辺セル制御データで指定された位置の通信チャネルでこの基地局へアクセスし、ハンドオーバー処理を開始することを動作決定部1108が決定する(ステップS1501)。
なお、周辺セル制御データの第2の例および第3の例において、周辺セル制御データは、チャネルの位置を指定する場合に、周辺セル制御データを送信する通信チャネルに対する相対的な位置であっても良い。
また、周辺セル制御データの第2の例あるいは第3の例の場合には、動作決定部1108において、非サービング基地局から送信された周辺セル制御データに指定された位置のチャネルにアクセスするために、端末の処理帯域幅などにより、サービング基地局との通信を一時中断する必要も有り得る。
次に、端末が、サービング基地局との通信を一時中断する場合の動作の一例について図16を参照して説明する。
まず、上述したステップS1301、S1302を行い、次に、周辺セル制御データ復調部1107が、周辺セル制御データを復調し、端末受信部が周辺セル制御データで指定された位置の制御チャネル(または通信チャネル)にアクセス可能(接続可能ともいう)であるかどうか判定し、アクセス可能であると判定した場合にはステップS1401(またはステップS1501(通信チャネルにアクセス可能であるか判定した場合))に進み、アクセス可能でないと判定した場合にはステップS1602に進む(ステップS1601)。アクセス可能でない場合には、端末受信部が、端末はサービング基地局に対して通信を一時中断する要求を送信した上で、周辺セル制御データで指定された位置のチャネルにアクセスすることを動作決定部1108が決定する(ステップS1602)。
また、周辺セル制御データの第1の例あるいは第3の例の場合には、動作決定部1108において、非サービング基地局から送信された周辺セル制御データに指定された位置の通信チャネルにアクセスするために、端末の処理帯域幅などにより、サービング基地局に通信チャネルの変更要求メッセージを送信する場合も有り得る。
次に、端末が、サービング基地局に通信チャネルの変更要求を行う場合の動作の一例について図17を参照して説明する。
まず、上述したステップS1301、S1302を行い、次に、周辺セル制御データ復調部1107が、周辺セル制御データを復調し、端末受信部が、非サービングセルにアクセスする代わりに、サービング基地局に対してチャネルの変更要求のメッセージを送信する(ステップS1701)。
また、周辺セル制御データは、必要な情報を伝達する最小限のデータビット数のサブキャリアで送信する必要はなく、誤り訂正符号や符号拡散などで、冗長度を高めて送信しても良い。このように送信することで、周辺セル制御データの送信電力を低く設定でき、端末のサービング基地局との通信への干渉を最低限にできる。また、下記で説明するように、基地局固有のコード等を、周辺セル制御データに乗積するためにも、冗長度を高める必要がある。
(周辺セル制御データが全ての非サービング基地局で共通であるとは限らない場合)
<非サービング基地局固有コード>
上述の周辺セル制御データの第1の例から第3の例では、周辺セル制御データが、全ての非サービング基地局で共通であるとした。しかし、周辺セル制御データに対して、非サービング基地局の基地局固有のコードを乗算することもできる。ただし、この場合は、各端末は、前もって、サービング基地局から、あるいは、非サービング基地局からの報知情報から、周辺の非サービング基地局の固有コードに関する情報を保持している必要がある。
<サービング基地局固有コード>
周辺セル制御データに対して、送信先の端末のサービング基地局の固有コードを乗積することもできる。ただし、この場合も同様に、各基地局は、周辺の基地局の固有コードについて知っている必要がある。自律分散無線通信システムにおいては、基地局固有のコードが、アップリンクのパイロット信号やプリアンブル信号に適用されている場合には、基地局は、隣接チャネルのアップリンクのパイロットやプリアンブル信号を観測することで、周辺基地局の固有のコードを推定することが可能である。端末は、サービング基地局の固有コードを知っているので、周辺セル制御データの復調に問題はない。
<端末固有コード>
周辺セル制御データに対して、送信先の端末の固有コードを乗積することもできる。ただし、この場合も同様に、各基地局は、周辺の基地局の固有コードについて知っている必要がある。上記と同様の方法で推定することが可能である。端末は、端末自身の固有コードを知っているので、周辺セル制御データの復調に問題はない。
<固有コードの組み合わせ>
周辺セル制御データに対して、上記の非サービング基地局固有のコード、サービング基地局固有のコード、端末固有のコードのいずれかを組み合わせたコードを乗積して送信することも可能である。
以上のような方法を用いることで、周辺セル制御データの送信元の基地局と、送信先の端末に対する不確定性を減らすことができる。つまり、同時に複数の基地局が隣接セル制御データを送信する場合や、同時に複数の端末が隣接セル制御情報を受信する場合に起き得る混乱を回避し易くなる。
<固有コード不要>
基地局が複数のアンテナを備えている場合には、周辺セル制御データを、送信先の端末に対して送信ビームフォーミングを適用することも可能である。この場合には、固有のコードを乗算する必要はない。このようにビーム送信フォーミングを適用して送信することで、他の端末への影響を最小限し留めつつ、対象とする端末での周辺セル制御データ信号の受信電力を高めることができる。
以上に示した実施形態によれば、基地局において隣接チャネル間干渉を計測し、周辺セル制御データを隣接チャネルで送信することで、端末は、非サービング基地局へ干渉を与えていることが認識でき、サービング基地局との通信チャネルの変更、非サービング基地局に対するセルサーチやハンドオーバー処理を素早く開始することが可能になる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本実施形態の無線通信システムの一例を示す図。 本実施形態の無線通信システムで使用されるフレーム構成の一例を示す図。 本実施形態のOFDM方式の通信チャネルおよび制御チャネルの構成の一例を示す図。 図1の無線通信システムで発生し得る隣接チャネル間干渉について説明するための図。 図4の基地局Aでの各通信チャネルの受信電界強度を示す図。 図4の基地局Bでの各通信チャネルの受信電界強度を示す図。 図4の基地局Aにおける端末Aと端末Cからの信号の受信タイミングとFFTウィンドウの位置の一例を示す図。 図4の基地局Bにおける端末Aと端末Bからの信号の受信タイミングとFFTウィンドウの位置の一例を示す図。 隣接チャネル間干渉を示す図。 隣接チャネル間干渉の計算結果の一例を示す図。 本実施形態の基地局のブロック図。 本実施形態の端末のブロック図。 図1の基地局の干渉測定部と周辺セル制御データ生成部の動作の一例を示すフローチャート。 図1の端末の周辺セル制御データ復調部、動作決定部の動作の一例を示すフローチャート。 図1の端末の周辺セル制御データ復調部、動作決定部の動作の一例を示すフローチャート。 図1の端末の周辺セル制御データ復調部、動作決定部の動作の一例を示すフローチャート。 図1の端末がサービング基地局との通信を一時中断する場合の動作の一例を示すフローチャート。 図1の端末がサービング基地局に通信チャネルの変更要求を行う場合の動作の一例を示すフローチャート。
符号の説明
1001、1101・・・切り替え部、1002、1102・・・RF/IF受信部、1003、1103・・・A/D変換部、1004、1104・・・GI除去部、1005、1105・・・FFT処理部、1006、1106・・・データ復調部、1007・・・干渉測定部、1008・・・周辺セル制御データ生成部、1009、1109・・・データ変調部、1010・・・データ多重部、1011、1110・・・IFFT処理部、1012、1111・・・GI付加部、1013、1112・・・D/A変換部、1014、1113・・・RF/IF送信部、1107・・・周辺セル制御データ復調部、1108・・・動作決定部。

Claims (11)

  1. 複数のチャネルからなるフレームを使用して通信する、基地局と端末を含む無線通信システムであって、
    前記基地局は、
    使用している第1チャネルに周波数的に隣接する、前記端末が使用している第2チャネルの受信タイミングと受信電力とを測定する測定手段と、
    前記受信タイミングと前記受信電力とから、第1チャネルへの第2チャネルからの干渉量を計算する計算手段と、
    前記干渉量が閾値以上の場合には、一定時間後に、第2チャネルに対応する、自基地局から前記端末へのチャネルにおいて、該端末にチャネルを変更、該端末にセルサーチ、および、自基地局へハンドオーバーのいずれか1つをさせる指示を含む周辺セル制御データを送信する送信手段と、を具備し、
    前記端末は、
    前記周辺セル制御データを受信し、該周辺セル制御データを復調する復調手段と、
    周辺セル制御データの内容にしたがって、前記第2チャネルの変更、セルサーチ、および、前記基地局へハンドオーバーのいずれか1つの動作を行うことを決定する決定手段と、を具備することを特徴とする無線通信システム。
  2. 前記送信手段は、周辺セル制御データとして、自基地局が使用している制御チャネルの位置を示すデータを送信することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記送信手段は、周辺セル制御データとして、自基地局が使用している通信チャネルの位置を示すデータを送信することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  4. 前記基地局は、複数のアンテナをさらに具備し、前記送信手段は、前記周辺セル制御データを前記端末に対してビームフォーミングを適用して送信することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  5. 前記送信手段は、前記周辺セル制御データに、送信元の基地局固有のコードが乗算されているデータを送信することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の無線通信システム。
  6. 前記送信手段は、前記周辺セル制御データに、前記端末の端末局固有のコードが乗算されているデータを送信することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の無線通信システム。
  7. 前記送信手段は、前記周辺セル制御データに、前記端末が通信中である基地局の基地局固有のコードが乗算されているデータを送信することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の無線通信システム。
  8. 前記端末は、
    通信中の第1基地局との通信により、前記周辺セル制御データに含まれている第2基地局が使用しているチャネルで該第2基地局に接続することができない場合には、前記第1基地局との通信を一時中断して、前記第2基地局に接続する接続手段をさらに具備することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の無線通信システム。
  9. 前記送信手段は、前記周辺セル制御データを、前記基地局が受信すべき信号に対する、前記基地局が受信できた旨および受信できなかった旨のいずれか一方の信号を送信するタイミングに同期させて送信することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  10. 複数のチャネルからなるフレームを使用して、端末と通信する基地局であって、
    使用している第1チャネルに周波数的に隣接する、前記端末が使用している第2チャネルの受信タイミングと受信電力とを測定する測定手段と、
    前記受信タイミングと前記受信電力とから、第1チャネルへの第2チャネルからの干渉量を計算する計算手段と、
    前記干渉量が閾値以上の場合には、一定時間後に、第2チャネルに対応する、自基地局から前記端末へのチャネルにおいて、該端末にチャネルを変更、該端末にセルサーチ、および、自基地局へハンドオーバーのいずれか1つをさせる指示を含む周辺セル制御データを送信する送信手段と、を具備することを特徴とする基地局。
  11. 複数のチャネルからなるフレームを使用して基地局と通信し、該基地局は、使用している第1チャネルへの周波数的に隣接する、端末が使用している第2チャネルからの干渉量が閾値以上の場合、該第2チャネルで通信をしている端末のチャネルを変更、該端末にセルサーチ、および、自基地局へハンドオーバーのいずれか1つをさせる指示を含む周辺セル制御データを受信する端末であって、
    前記周辺セル制御データを受信し、該周辺セル制御データを復調する復調手段と、
    周辺セル制御データの内容にしたがって、前記第2チャネルの変更、セルサーチ、および、前記基地局へハンドオーバーのいずれか1つの動作を行うことを決定する決定手段と、を具備することを特徴とする端末。
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