JP2008243764A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池システムにおいて、簡便な構成によって低温環境下における酸化剤ガスの遮断弁の凍結による不動を低減する。
【解決手段】燃料電池13と、空気入口15aと高湿度空気出口15bと排出空気入口15cと低湿度空気出口15dとを備え燃料電池13から排出される排出空気によって空気入口から流入する空気を加湿して燃料電池13に供給する加湿モジュール15と、加湿モジュール15の低湿度空気出口15dに設けられ、低湿度空気に残留する湿分を分離する気液分離器27とを含む燃料電池システム11において、加湿モジュール15の空気入口15aと気液分離器27の排気空気出口27bに設けられ、燃料電池13の運転中には開弁状態に保持され、燃料電池13の停止中には閉弁状態に保持される空気入口、出口遮断弁38,39を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムの構成に関する。
燃料電池は燃料と酸化剤の電気化学反応によって発電をするもので、イオン交換膜からなる電解質の両側に燃料側極と酸化剤側極とが対向して配置された膜電極アセンブリ(MEA)と、燃料側極に燃料を供給する燃料供給流路が形成された燃料用セパレータと、酸化剤側極に酸化剤を供給する酸化剤供給流路が形成された酸化剤用セパレータと、を備えている。燃料と酸化剤には色々なガスが用いられるが、例えば、燃料には水素、酸化剤としては酸素を含む空気が用いられ、電気化学反応によって発電がされると共に酸化剤極側に水が生成される形式のものが多く用いられている。
このような燃料電池において、運転が停止した際には、燃料電池内に残留している水素と酸素が反応する。この残留した水素と酸素の反応は、空気中の酸素が消費されてしまうと停止するものであるが、燃料電池の停止中に酸化剤供給流路に新たな空気が流れこむと、上記のクロスリークによる反応が継続して発生してしまう。すると、燃料電池内の酸化剤側極と燃料側極の電位の上昇によって燃料側極と酸化剤側極に含まれている触媒が劣化して触媒性能が低下し、燃料電池の性能低下につながってしまうという問題があった。
このような燃料電池の性能低下を抑制する方法として、特許文献1、2には、燃料電池の酸化剤ガスの入口及び出口の管路中に燃料電池の停止時の際には閉となる酸化剤ガス遮断弁を設ける方法が記載されている。
一方、燃料電池のイオン交換膜は湿度雰囲気に保つことが必要となるため、加湿モジュールによって燃料電池に供給される酸化剤ガスを加湿する方法が用いられ、燃料電池に供給される酸化剤ガス、及び燃料電池から排出される酸化剤ガスは何れも湿分を含んでいる(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−313395号公報 特開2000−3717号公報
特許文献1、2の従来技術において、酸化剤ガス入口側、出口側の各酸化剤ガス遮断弁は加湿モジュールと燃料電池との間に設けられており、低温環境下において、各酸化剤ガス遮断弁に存在する水分が凍結して作動しにくいおそれがあった。
本発明は、簡便な構成によって低温環境下における酸化剤ガス遮断弁の凍結による不動を低減することを目的とする。
本発明の燃料電池システムは、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池と、燃料電池の酸化剤ガス出口に設けられ、燃料電池から排出される酸化剤ガスの湿分を分離する気液分離器と、を含む燃料電池システムであって、気液分離器の酸化剤ガス出口に設けられ、燃料電池の運転中には開弁状態に保持され、燃料電池の停止中には閉弁状態に保持される酸化剤ガス遮断弁を有すること、を特徴とする。
本発明の燃料電池システムは、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池と、燃料電池の酸化剤ガス入口に設けられ、燃料電池に供給される酸化剤ガスを加湿する加湿器と、燃料電池の酸化剤ガス出口に設けられ、燃料電池から排出された酸化剤ガスの湿分を分離する気液分離器と、を含む燃料電池システムであって、加湿器の酸化剤ガス入口と気液分離器の酸化剤ガス出口とに設けられ、燃料電池の運転中には開弁状態に保持され、燃料電池の停止中には閉弁状態に保持される酸化剤ガス遮断弁を有すること、を特徴とする。
本発明の燃料電池システムは、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池と、酸化剤ガス入口と、酸化剤ガス入口よりも湿度の高い高湿度酸化剤ガスを燃料電池に供給する高湿度酸化剤ガス出口と、燃料電池の酸化剤ガス出口から排出される排出酸化剤ガスが流入する排出酸化剤ガス入口と、排出酸化剤ガスよりも湿度の低い低湿度酸化剤ガスが流出する低湿度酸化剤ガス出口と、を備え、燃料電池から排出される排出酸化剤ガスによって酸化剤ガス入口から流入する酸化剤ガスを加湿して燃料電池に供給する加湿モジュールと、を含む燃料電池システムであって、加湿モジュールの酸化剤ガス入口又は低湿度酸化剤ガス出口に設けられ、燃料電池の運転中には開弁状態に保持され、燃料電池の停止中には閉弁状態に保持される酸化剤ガス遮断弁を有すること、を特徴とする。また、本発明の燃料電池システムにおいて、加湿モジュールの酸化剤ガス入口及び低湿度酸化剤ガス出口に設けられ、燃料電池の運転中には開弁状態に保持され、燃料電池の停止中には閉弁状態に保持される酸化剤ガス遮断弁を有すること、としても好適である。
本発明の燃料電池システムは、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池と、酸化剤ガス入口と、酸化剤ガス入口よりも湿度の高い高湿度酸化剤ガスを燃料電池に供給する高湿度酸化剤ガス出口と、燃料電池の酸化剤ガス出口から排出される排出酸化剤ガスが流入する排出酸化剤ガス入口と、排出酸化剤ガスよりも湿度の低い低湿度酸化剤ガスが流出する低湿度酸化剤ガス出口と、を備え、燃料電池から排出される排出酸化剤ガスによって酸化剤ガス入口から流入する酸化剤ガスを加湿して燃料電池に供給する加湿モジュールと、加湿モジュールの低湿度酸化剤ガス出口に設けられ、低湿度酸化剤ガスに残留する湿分を分離する気液分離器と、を含む燃料電池システムであって、加湿モジュールの酸化剤ガス入口と気液分離器の酸化剤ガス出口に設けられ、燃料電池の運転中には開弁状態に保持され、燃料電池の停止中には閉弁状態に保持される酸化剤ガス遮断弁を有すること、を特徴とする。
本発明の燃料電池システムにおいて、各酸化剤ガス遮断弁の開閉動作を行う制御部を含み、制御部は、燃料電池の始動の際に、酸化剤ガス入口側の酸化剤ガス遮断弁を開弁した後に、酸化剤ガス出口側の酸化剤ガス遮断弁を開弁する酸化剤ガス遮断弁開弁手段を有すること、としても好適であるし、燃料電池の酸化剤ガス出口圧力を検出する圧力センサを備え、酸化剤ガス遮断弁開弁手段は、酸化剤出口圧力が大気圧となった後に酸化剤ガス出口側の酸化剤ガス遮断弁を開弁すること、としても好適である。
本発明の燃料電池システムにおいて、各酸化剤ガス遮断弁の開閉動作を行う制御部を含み、制御部は、燃料電池の停止の際に、酸化剤ガス入口側の酸化剤ガス遮断弁を閉弁した後に、酸化剤ガス出口側の酸化剤ガス遮断弁を閉弁する酸化剤ガス遮断弁閉弁手段を有すること、としても好適であるし、燃料電池の酸化剤ガス出口圧力を検出する圧力センサを備え、酸化剤ガス遮断弁閉弁手段は、酸化剤出口圧力が大気圧まで降下後に酸化剤ガス出口側の酸化剤ガス遮断弁を閉弁すること、としても好適である。
本発明は、簡便な構成によって低温環境下における酸化剤ガス遮断弁の凍結による不動を低減することができるという効果を奏する。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。図1に示すように本実施形態の燃料電池システム11は、燃料ガスである水素ガスと酸化剤ガスである空気とが供給されて電気化学反応によって発電する燃料電池13と、燃料電池13に供給する水素ガスを貯留する水素タンク41と、燃料電池13に供給する空気を圧縮する空気圧縮機17と、燃料電池13に供給する空気を加湿する加湿モジュール15とを備えている。空気圧縮機17から圧縮空気が供給される圧縮空気供給管24は加湿モジュール15の空気入口15aに接続され、加湿モジュール15において加湿された高湿度の空気は高湿度空気出口15bに接続された空気入口管29を通って燃料電池13の空気入口に導かれる。燃料電池13の電気化学反応によって生成された水分を含む排出空気は燃料電池13の空気出口から空気出口管31を通って加湿モジュール15の排出空気入口15cに導かれ、加湿モジュール15によって湿分を除去されて排出空気よりも湿分が低い低湿度空気となって低湿度空気出口15dから空気排出管33を通って気液分離器27の低湿度空気入口27aに流入する。気液分離器27によって低湿度空気の残留水分が除去された排気空気は、気液分離器27の排気空気出口27bから大気放出管34に流出する。また、気液分離器27によって分離された水分は排水口27cから排水弁28を通って排水される。
圧縮空気供給管24には、圧縮空気供給管24と大気放出管34とを接続するバイパス管32が設けられ、バイパス管32にはバイパス流量調節弁23が設けられている。また、圧縮空気供給管24には圧力を測定する圧力センサ26が設けられている。空気圧縮機17はモータ19によって駆動され、空気圧縮機17によって温度が上昇した空気はインタークーラー21によって冷却されてから加湿モジュール15に供給される。また、燃料電池13からの排出空気が流入する空気出口管31には空気圧力調節弁25が設けられ、空気圧力調節弁25上流側の空気出口管31には燃料電池13の出口空気圧力を測定する圧力センサ40が設けられている。
加湿モジュール15の空気入口15aの空気流れ上流側の圧縮空気供給管24には、空気入口遮断弁38が設けられ、加湿モジュール15の低湿度空気出口15dに接続された空気排出管33に設けられた気液分離器27の空気流れ下流側には、空気出口遮断弁39が設けられている。
空気入口遮断弁38と空気出口遮断弁39とは空気圧力によって駆動され、各遮断弁38,39の駆動用空気は圧縮空気供給管24に接続された駆動用空気供給管35から供給されている。駆動用空気供給管35は分岐して各遮断弁38,39の駆動部にそれぞれ接続され、分岐した各配管には各遮断弁38,39への駆動用空気の供給を制御して各遮断弁38,39の開閉動作を行わせる空気入口遮断弁駆動用空気供給弁36、空気出口遮断弁駆動用空気供給弁37が設けられている。
水素タンク41は燃料ガス供給路である水素ガス供給管45によって燃料電池13に接続され、燃料電池13には空気との反応後のガスを燃料電池13から排出するガス排出管47が設けられている。水素ガス供給管45には、水素タンク41に貯留された高圧水素ガスを減圧すると共に、水素ガス供給管45を開閉して燃料電池13への水素ガスの供給を調節する水素ガス供給弁43が設けられている。ガス排出管47は、大気放出管34に平行に設けられた希釈器59に接続され、反応後のガスは空気によって希釈された後、大気放出管34から排出空気と共に大気に放出される。ガス排出管47にはガス排出管47を開閉して反応後のガスの大気への放出を調節する排出弁55が設けられている。
ガス排出管47と水素ガス供給管45のとの間には、燃料電池13から排出された反応後ガスの一部を水素ガス供給管45に再循環させる再循環管49が設けられ、再循環管49には反応後ガスをガス排出管47から水素ガス供給管45に再循環させる循環ポンプ51が設けられている。
圧縮空気供給管24の圧力センサ26と、燃料電池13の空気出口管31に取り付けられた圧力センサ40とは制御部100に接続され、各圧力センサ26,40の出力信号は制御部100に入力されるよう構成されている。また、空気圧縮機17のモータ19と、バイパス流量調節弁23と、空気圧力調節弁25と、排水弁28と、空気入口遮断弁駆動用空気供給弁36と、空気出口遮断弁駆動用空気供給弁37と、循環ポンプ51と、水素ガス供給弁43と、排出弁55とは制御部100に接続されて、制御部100の指令によって駆動されるように構成されている。
以下、本実施形態の燃料電池システム11の起動動作について説明する。燃料電池システム11は停止中には内部に残留した空気と水素の反応によって負圧となっている。この状態で、燃料電池システム11の起動指令が出されると、制御部100は、空気圧縮機17のモータ19を起動して、空気圧縮機17の回転数を上昇させていくと同時にバイパス流量調節弁23を開とする。すると空気圧縮機17から圧縮空気供給管24に流入した圧縮空気は、バイパス管32を通って大気放出管34に入り、大気放出管34から大気に放出される。圧縮空気供給管24の圧力はバイパス流量調節弁23によって制御されている。
空気圧縮機17が起動して、圧縮空気供給管24の圧力が上昇してくると、制御部100は空気入口遮断弁駆動用空気供給弁36を開とする指令を出力し、空気入口遮断弁駆動用空気供給弁36を開として駆動用空気を圧縮空気供給管24から空気入口遮断弁38の駆動部に供給する。これによって、空気入口遮断弁38が開となる。空気入口遮断弁38が開となると、圧縮空気供給管24の空気は加湿モジュール15を通って負圧状態となっている燃料電池13に流入し、燃料電池の空気側極の圧力を上昇させていく。燃料電池13の空気側極の圧力は燃料電池13の空気出口管31に取り付けられた圧力センサ40によって検出され、制御部100にその信号データが入力されている。制御部100は、この圧力センサ40からの圧力信号が停止中の負圧から大気圧になった場合に、燃料電池13全体が大気圧となったものと判断し、空気圧力調節弁25を開とする指令を出力する。この指令によって出口圧力調節弁が開となり、圧縮空気供給管24の圧縮空気は燃料電池13の空気出口から加湿モジュール15と気液分離器27を通って空気出口遮断弁39まで達する。そして、同時に、制御部100は空気出口遮断弁39を開とする指令を出力し、空気出口遮断弁駆動用空気供給弁37を開として駆動用空気を圧縮空気供給管24から空気出口遮断弁39の駆動部に供給する。これによって、空気出口遮断弁39が開となる。
空気出口遮断弁39が開となると、圧縮空気供給管24の圧縮空気は加湿モジュール15の空気入口15a、高湿度空気出口15bを通って燃料電池13に流れ、燃料電池13の空気通路を通って空気出口に流出し、再び加湿モジュール15の排出空気入口15c、低湿度空気出口15dを通って気液分離器27の低湿度空気入口27a、排気空気出口27bを通って空気出口遮断弁39から大気放出管34に流れる。このように、制御部100は、空気入口遮断弁38を開とした後に空気出口遮断弁39を開とすることによって、各管路、機器に空気を逆流させることなく通常の空気の流れの方向に向かって空気を流すようにすることができる。そして、制御部100はバイパス流量調節弁23を閉めるともに空気圧力調節弁25の開度を調整し、空気圧力の調整を空気圧力調節弁25によって行いながら空気側極の圧力を燃料電池13の運転に必要な圧力に上昇させる。
また、制御部100は水素ガス供給弁43を開けて、高圧の水素タンク41に貯留された水素ガスを減圧しつつ燃料電池13の水素極側に注入し、その圧力を運転圧力に向かって上昇させていくと共に、循環ポンプ51を起動して、水素の再循環運転を開始する。
水素側極、空気側極ともに加圧されると、制御部100は燃料電池13の発電を出力要求に応じた発電出力となるように制御して、運転を続けていく。
本実施形態の燃料電池システム11は、加湿モジュール15の空気流れ上流側に配置されている空気入口遮断弁38は、空気圧縮機17からの乾き空気が流入するので、低温環境下においても結露などによる凍結を低減することができ、空気入口、出口遮断弁38,39の凍結による不動を低減することができるという効果を奏する。また、低温環境における停止中に湿度環境にある燃料電池13の空気流路内や各配管内に滞留している凝結した水分を起動の際に空気圧縮機17からの乾き空気によって気液分離器27に導入して、湿分を除去した空気を空気出口遮断弁39に導くことができる。このため、空気出口遮断弁39が凍結温度以下の低温環境にあっても、起動時に水分の流入によって凍結を起こすことを低減でき、凍結による不動を低減することができるという効果を奏する。また、フィルターなどが設けられていない大気放出管34から異物を吸い込んで燃料電池を劣化させにくいという効果を奏する。
燃料電池13の運転中においては、空気圧縮機17によって圧縮された乾き空気は空気入口遮断弁38を通って加湿モジュールの空気入口15aに流入する。また、燃料電池13内部での反応によって生成された水分を含む排出空気は燃料電池13の空気出口から加湿モジュール15の排出空気入口15cから加湿モジュール15の中に導入される。加湿モジュール15の内部には中空糸膜などによって構成された湿分交換膜が設けられており、空気入口15aから加湿モジュール15の内部に導入された乾き空気と湿分を含む燃料電池からの排気空気をこの膜の両側に通すことによって、湿分を排気空気側から乾き空気側に移動させることができる。そして、この湿分交換膜を通った乾き空気は排気空気に含まれている湿分によって加湿され、高湿度空気となって加湿モジュール15の高湿度空気出口15bから流出する。一方、湿分を含んだ排気空気は湿分交換膜を通過することによって、湿分を乾き空気側に移動させるので、湿度が低下し、低湿度空気となって加湿モジュール15の低湿度空気出口15dから流出する。高湿度空気出口15bから流出した湿分を含んだ空気は燃料電池13に供給され、低湿度空気出口15dから流出した低湿度空気は空気排出管33から気液分離器27に流入する。気液分離器27は、空気排出管33よりも大きな流路面積を持ち、流入した空気の流速を落として排出空気に含まれている水分を重力によって分離し、分離した水分を下部に設けられた排水口27cから外部に排出するよう構成されている。排出口には排水弁28が設けられ、間欠的に動作して排水を行う。そして、気液分離器27によって湿分の除去された排気空気は空気出口遮断弁39を通って外気に放出される。
燃料電池13の運転中においては、空気入口、出口の各遮断弁38,39は何れも開状態に保持され、動作しない。このため、燃料電池13が低温環境において運転されると、空気中に湿分が含まれている場合には、その湿分が静止状態にある各遮断弁38,39の隙間などに入り込んで凍結するおそれがあった。しかし、本実施形態では、空気入口、出口の各遮断弁38,39共に乾き空気、あるいは湿分除去された空気が通過するため、各遮断弁38,39が開状態に保持された状態で長時間低温環境下に置かれても、空気の湿分によってよる凍結を抑制することができる。従って、不動となることを低減することができるという効果を奏する。
次に本実施形態の燃料電池システム11の停止動作について説明する。燃料電池システム11の停止指令が出力されると、制御部100は、空気圧縮機17のモータ19の回転数を増加させ、空気圧力調節弁25の開度を絞り、バイパス流量調節弁23の開度を上げ、燃料電池13への空気流量を低減すると共に、圧力制御をバイパス流量調節弁23へと移していく。
制御部100は空気入口遮断弁駆動用空気供給弁36を閉とする指令を出力し、空気入口遮断弁駆動用空気供給弁36を閉として駆動用空気の供給を停止する。これによって、空気入口遮断弁38が閉となる。空気入口遮断弁38が閉となった状態では、燃料電池13の空気側極の圧力はまだ大気圧よりも高い状態となっている。空気圧力調節弁25は絞られた状態であるが、空気は通過できる状態であり、空気出口遮断弁39は開となっているため、燃料電池13内部の湿分を持った空気は燃料電池13から空気圧力調節弁25、気液分離器27、空気出口遮断弁39を通って大気に放出される。この際、燃料電池13から排出される湿分を含んだ空気は気液分離器27において湿分が分離されてから空気出口遮断弁39を通過する。
制御部100は、圧力センサ40からの圧力信号が運転中の圧力から大気圧まで降下してきた場合に、燃料電池13全体が大気圧となったものと判断し、空気圧力調節弁25および空気出口遮断弁39を閉とする指令を出力し、空気出口遮断弁駆動用空気供給弁37を閉として駆動用空気からの駆動用空気の供給を停止する。これによって、空気出口遮断弁39は閉弁する。燃料電池13の空気入口、出口の各遮断弁38,39が共に閉となると燃料電池13は封止状態となって停止する。
本実施形態では、燃料電池13の停止の際に湿分を含んだ空気が空気出口遮断弁39を通過することがほとんど無く、空気出口遮断弁39が湿分を含んだ空気にさらされることが少ないので、燃料電池13の停止中に空気出口遮断弁39の中に滞留した湿分を含む空気の結露によって発生した水滴が凍結して空気出口遮断弁39が凍結による不動を起こすことを低減することができるという効果を奏する。また、空気入口遮断弁38は空気出口遮断弁39が閉となる前に、空気圧縮機17からの乾き空気が流れている状態で閉となることから、湿分を含んだ空気が空気入口遮断弁38に入り込むことが少なく、燃料電池13の停止中に凍結による不動を起こすことが低減されるという効果を奏する。
また、本実施形態は、各遮断弁38,39を加湿モジュール15の空気流れ上流側と気液分離器27の空気下流側に配置するという簡便な構成によって、各遮断弁38,39の凍結による不動を低減することができるという効果を奏する。
本実施形態では、加湿モジュール15の低湿度空気出口15dの空気流れ下流に気液分離器27を配置する構成として説明したが、加湿モジュール15において十分な湿分の除去が行える場合には、気液分離器27を設けなくてもよい。気液分離器27を設けない場合には、空気出口遮断弁39は加湿モジュール15の低湿度空気出口15dの下流に設けられる。この場合の動作と効果は先に説明した実施形態と同様である。また、空気入口又は空気出口の空気流路を各遮断弁38,39以外の遮断手段によって遮断することができる場合には、いずれか一方のみに遮断弁を設けるように構成してもよい。その場合には、遮断弁と他方の流路を遮断する遮断手段を上記の空気入口遮断弁38、空気出口遮断弁39と同様に開閉動作させることによって、同様の効果を奏することができる。
図2を参照しながら、本発明の第2の実施形態について説明する。先に図1を参照して説明した実施形態と同様の部分には同様の符号を用いて説明は省略する。本実施形態は、先に説明した実施形態の加湿モジュール15に換えて外部からの水を用いて空気を加湿する加湿器16を備えるものである。加湿器16には一端が図示しない水源に接続され、加湿器16に加湿用の水分を供給する水供給管61が接続され、水供給管61には供給水量を調節する供給水調節弁63が設けられている。空気圧縮機17からの乾き圧縮空気は加湿器16の空気入口16aから流入し、加湿器16の内部で水供給管61から流入した水によって加湿され、高湿度の空気となって高湿度空気出口16bから燃料電池13の空気入口管29に流出する。
燃料電池13から排出される湿分を含んだ排出空気は気液分離器27に流入して、水分を分離された後、排気空気となって大気放出管34から大気に放出される。気液分離器27で分離された水分は排水弁28を通して外部に排出される。
本実施形態においても、起動の際と運転中と停止の際の空気遮断弁38,39の開閉動作は先に説明した実施形態と同様である。そして、本実施形態の燃料電池システム11では、空気入口遮断弁38が加湿器16の空気上流側に配置され、空気出口遮断弁39が気液分離器27の空気下流側に配置されていることから、各遮断弁38,39には乾き空気あるいは湿度の低い空気が流れることから、各遮断弁38,39が凍結温度以下の低温環境にあっても凍結を起こすことを低減でき、凍結による不動を低減することができるという効果を奏する。
図3を参照しながら、本発明の第3の実施形態について説明する。先に図1、2を参照して説明した実施形態と同様の部分には同様の符号を用いて説明は省略する。本実施形態は、加湿器又は加湿モジュールを含まない形式の燃料電池システム11である。このような燃料電池システム11では、電解質膜の加湿は電気化学反応によって発生した水によって行われ、燃料電池13に供給する空気は加湿されない。そして、燃料電池13から排出される湿分を含んだ排出空気は気液分離器27に流入して、水分を分離された後、排気空気となって大気放出管34から大気に放出される。気液分離器27で分離された水分は排水弁28を通して外部に排出される。
本実施形態においても、起動の際と運転中と停止の際の各遮断弁38,39の開閉動作は先に説明した実施形態と同様である。そして、本実施形態の燃料電池システム11では、空気入口遮断弁38が燃料電池13の空気入口の空気上流側に配置され、空気出口遮断弁39が気液分離器27の空気下流側に配置されていることから、各遮断弁38,39には乾き空気あるいは湿度の低い空気が流れることから、各遮断弁38,39が凍結温度以下の低温環境にあっても凍結を起こすことを低減でき、凍結による不動を低減することができるという効果を奏する。
本発明に係る燃料電池システムの実施形態において燃料電池システムの系統構成を示す図である。 本発明に係る燃料電池システムの第2の実施形態において燃料電池システムの系統構成を示す図である。 本発明に係る燃料電池システムの第3の実施形態において燃料電池システムの系統構成を示す図である。
符号の説明
11 燃料電池システム、13 燃料電池、15 加湿モジュール、15a,16a 空気入口、15b,16b 高湿度空気出口、15c 排出空気入口、15d 低湿度空気出口、16 加湿器、17 空気圧縮機、19 モータ、21 インタークーラー、23 バイパス流量調節弁、24 圧縮空気供給管、25 空気圧力調節弁、26 圧力センサ、27 気液分離器、27a 低湿度空気入口、27b 排気空気出口、27c 排水口、28 排水弁、29 空気入口管、31 空気出口管、32 バイパス管、33 空気排出管、34 大気放出管、35 駆動用空気供給管、36 空気入口遮断弁駆動用空気供給弁、37 空気出口遮断弁駆動用空気供給弁、38 空気入口遮断弁、39 空気出口遮断弁、40 圧力センサ、41 水素タンク、43 水素ガス供給弁、45 水素ガス供給管、47 ガス排出管、49 再循環管、51 循環ポンプ、55 排出弁、59 希釈器、61 水供給管、63 供給水調節弁、100 制御部。

Claims (9)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池と、燃料電池の酸化剤ガス出口に設けられ、燃料電池から排出される酸化剤ガスの湿分を分離する気液分離器と、を含む燃料電池システムであって、
    気液分離器の酸化剤ガス出口に設けられ、燃料電池の運転中には開弁状態に保持され、燃料電池の停止中には閉弁状態に保持される酸化剤ガス遮断弁を有すること、
    を特徴とする燃料電池システム。
  2. 燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池と、燃料電池の酸化剤ガス入口に設けられ、燃料電池に供給される酸化剤ガスを加湿する加湿器と、燃料電池の酸化剤ガス出口に設けられ、燃料電池から排出された酸化剤ガスの湿分を分離する気液分離器と、を含む燃料電池システムであって、
    加湿器の酸化剤ガス入口と気液分離器の酸化剤ガス出口とに設けられ、燃料電池の運転中には開弁状態に保持され、燃料電池の停止中には閉弁状態に保持される酸化剤ガス遮断弁を有すること、
    を特徴とする燃料電池システム。
  3. 燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池と、
    酸化剤ガス入口と、酸化剤ガス入口よりも湿度の高い高湿度酸化剤ガスを燃料電池に供給する高湿度酸化剤ガス出口と、燃料電池の酸化剤ガス出口から排出される排出酸化剤ガスが流入する排出酸化剤ガス入口と、排出酸化剤ガスよりも湿度の低い低湿度酸化剤ガスが流出する低湿度酸化剤ガス出口と、を備え、燃料電池から排出される排出酸化剤ガスによって酸化剤ガス入口から流入する酸化剤ガスを加湿して燃料電池に供給する加湿モジュールと、を含む燃料電池システムであって、
    加湿モジュールの酸化剤ガス入口又は低湿度酸化剤ガス出口に設けられ、燃料電池の運転中には開弁状態に保持され、燃料電池の停止中には閉弁状態に保持される酸化剤ガス遮断弁を有すること、
    を特徴とする燃料電池システム。
  4. 請求項3に記載の燃料電池システムであって、
    加湿モジュールの酸化剤ガス入口及び低湿度酸化剤ガス出口に設けられ、燃料電池の運転中には開弁状態に保持され、燃料電池の停止中には閉弁状態に保持される酸化剤ガス遮断弁を有すること、
    を特徴とする燃料電池システム。
  5. 燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池と、
    酸化剤ガス入口と、酸化剤ガス入口よりも湿度の高い高湿度酸化剤ガスを燃料電池に供給する高湿度酸化剤ガス出口と、燃料電池の酸化剤ガス出口から排出される排出酸化剤ガスが流入する排出酸化剤ガス入口と、排出酸化剤ガスよりも湿度の低い低湿度酸化剤ガスが流出する低湿度酸化剤ガス出口と、を備え、燃料電池から排出される排出酸化剤ガスによって酸化剤ガス入口から流入する酸化剤ガスを加湿して燃料電池に供給する加湿モジュールと、
    加湿モジュールの低湿度酸化剤ガス出口に設けられ、低湿度酸化剤ガスに残留する湿分を分離する気液分離器と、を含む燃料電池システムであって、
    加湿モジュールの酸化剤ガス入口と気液分離器の酸化剤ガス出口に設けられ、燃料電池の運転中には開弁状態に保持され、燃料電池の停止中には閉弁状態に保持される酸化剤ガス遮断弁を有すること、
    を特徴とする燃料電池システム。
  6. 請求項2又は4又は5のいずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
    各酸化剤ガス遮断弁の開閉動作を行う制御部を含み、
    制御部は、燃料電池の始動の際に、酸化剤ガス入口側の酸化剤ガス遮断弁を開弁した後に、酸化剤ガス出口側の酸化剤ガス遮断弁を開弁する酸化剤ガス遮断弁開弁手段を有すること、
    を特徴とする燃料電池システム。
  7. 請求項6に記載の燃料電池システムであって、
    燃料電池の酸化剤ガス出口圧力を検出する圧力センサを備え、
    酸化剤ガス遮断弁開弁手段は、酸化剤出口圧力が大気圧となった後に酸化剤ガス出口側の酸化剤ガス遮断弁を開弁すること、
    を特徴とする燃料電池システム。
  8. 請求項2又は4又は5のいずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
    各酸化剤ガス遮断弁の開閉動作を行う制御部を含み、
    制御部は、燃料電池の停止の際に、酸化剤ガス入口側の酸化剤ガス遮断弁を閉弁した後に、酸化剤ガス出口側の酸化剤ガス遮断弁を閉弁する酸化剤ガス遮断弁閉弁手段を有すること、
    を特徴とする燃料電池システム。
  9. 請求項8に記載の燃料電池システムであって、
    燃料電池の酸化剤ガス出口圧力を検出する圧力センサを備え、
    酸化剤ガス遮断弁閉弁手段は、酸化剤出口圧力が大気圧まで降下後に酸化剤ガス出口側の酸化剤ガス遮断弁を閉弁すること、
    を特徴とする燃料電池システム。
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