JP2008242315A - プラズモン発生素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラズモンを発生しない状態とプラズモンを発生できる状態とを切り替えることが可能なプラズモン発生素子を提供する。
【解決手段】チオール、ジスルフィドおよびホスフィンからなる群より選択される少なくとも1種のリガンドを配位させたAu粒子を含む構造部と、前記構造部に含まれるAu粒子へ電子を注入する電子注入部とを有することを特徴とするプラズモン発生素子。
【選択図】 図6

Description

本発明は表面プラズモンの発生を制御することが可能なプラズモン発生素子に関する。
従来、たとえば特許文献1は、有機保護剤で被覆された無機ナノ粒子と有機化合物との複合体およびその一次元配列集積構造体を開示している。特許文献2は、金属粒子含有コアシェル型球状ミセルを配列させた金属粒子配列シートを開示している。これらの一次元配列集積構造体や金属粒子配列シートは、表面プラズモンを発生する可能性があるが、プラズモン発生の有無を制御することは困難である。また、特許文献3は、酸化銀を原料として、表面がアミン化合物で被覆された平均粒径3〜20nmの金属銀粒子を製造する方法を開示している。この方法によって得られるAg粒子はその平均粒径から判断して、実施例にも記載されているようにAgナノ粒子特有のプラズモン吸収を示すと考えられる。このように、プラズモン導波の可能性をもつ金属ナノ粒子については複数の先行文献が存在する。
しかし、ある材料を用いた素子において、プラズモンが発生するかしないかを制御するような技術、即ち同一の材料でありながら、プラズモンを発生しない状態とプラズモンを発生できる状態とを切り替えることが可能な素子はこれまでに知られていない。
特開2004−91328号公報 特開2002−265433号公報 特開2006−219693号公報
本発明の目的は、プラズモンを発生しない状態とプラズモンを発生できる状態とを切り替えることが可能なプラズモン発生素子を提供することにある。
本発明の一態様に係るプラズモン発生素子は、チオール、ジスルフィドおよびホスフィンからなる群より選択される少なくとも1種のリガンドを配位させたAu粒子を含む構造部と、前記構造部に含まれるAu粒子へ電子を注入する電子注入部とを有することを特徴とする。
本発明の他の態様に係るプラズモン発生素子は、アミン化合物およびカルボン酸化合物からなる群より選択される少なくとも1種のリガンドを配位させたAg粒子を含む構造部と、前記構造部に含まれるAg粒子へ電子を注入する電子注入部とを有することを特徴とする。
本発明によれば、特定の種類のリガンドを配位させたAu粒子またはAg粒子への電子注入により、プラズモン発生の有無の切り替えを可能にするプラズモン発生素子を提供することができる。
以下、本発明の実施形態をより詳細に説明する。
通常、金属バルクではプラズモンが発生する(ただし、このプラズモンが光と相互作用することはない)が、金属原子レベルのサイズではプラズモンは発生しない。両者の中間的なサイズの金属ナノ粒子では、プラズモン発生はナノ粒子のサイズに依存する。プラズモンが発生するか否かを決定する、すなわち金属と非金属との境界領域に相当する金属ナノ粒子のサイズは一般的に約2nmといわれている。また、光と相互作用しうるプラズモンを発生する金属ナノ粒子のサイズの上限はよくわかっていない。プラズモンの発生が可能か否かを決定づける金属性、非金属性の性質はエネルギーバンドギャップで決まる。エネルギーバンドギャップを分子軌道的な表現を用いて言い換えると、最高被占軌道(HOMO)と最低空軌道(LUMO)との間のギャップ(HOMO−LUMOギャップ)である。
図1に、Auクラスターサイズ(Au原子数)とHOMOおよびLUMOの軌道エネルギーとの関係を示す。図1に示すように、金属クラスターサイズの増大に伴って、HOMOエネルギーレベルは上昇し、LUMOエネルギーレベルは減少する傾向にある。その結果、金属クラスターサイズの増大に伴って、HOMO−LUMOギャップは減少する。そして、バルクではHOMO−LUMOギャップが0となる。
図2は、金属クラスターサイズとHOMO−LUMOギャップとの関係を示す模式図である。図2に示すように、HOMO−LUMOギャップは金属クラスターサイズの増大に伴って減少し、HOMO−LUMOギャップがある値以下になると、金属的性質をもちプラズモンの発生が可能になるといえる。
したがって、プラズモンが発生しないHOMO−LUMOギャップをもつ金属ナノ粒子に対して何らかの操作を施し、HOMO−LUMOギャップを縮小することができれば、金属ナノ粒子は金属的性質をもつようになりプラズモンの発生が可能になる。図3は、HOMO−LUMOギャップの縮小による、プラズモンを発生しない状態からプラズモンを発生可能な状態への変化を示す模式図である。
HOMO−LUMOギャップを制御する方法としては、金属粒子への電子注入が有効である。一般的に、分子やナノ粒子へ電子を注入すると、そのHOMO軌道およびLUMO軌道は形状もエネルギーレベルも変化する。すなわち、プラズモンが発生しないHOMO−LUMOギャップをもつ金属粒子であっても、電子注入によってHOMO−LUMOギャップを縮小させ、これを非金属/金属の境界値以下にすることができれば、プラズモンの発生が可能になる。こうして、同一の材料でありながら、電子注入によってプラズモンが発生しない状態からプラズモンの発生が可能な状態へと、その特性を変化させることができる。
上記のような境界領域の性質をもつ金属粒子を密に配列すると、電子注入の制御によって、近接場光(プラズモン)によるナノフォトニクス配線(スイッチ)を形成することができる。このメカニズムによるプラズモン発生制御材料については、電子注入前後のHOMO−LUMOギャップの変動幅が大きいことが要求される。こうした要求を満たす金属粒子としては、単体のAu粒子やAg粒子よりも、表面にリガンドが配位したAu粒子やAg粒子の方が好ましい。
本発明の実施形態のプラズモン発生素子において、構造部に含まれる金属ナノ粒子としては、チオール、ジスルフィドおよびホスフィンからなる群より選択される少なくとも1種のリガンドを配位させたAu粒子、またはアミン化合物およびカルボン酸化合物からなる群より選択される少なくとも1種のリガンドを配位させたAg粒子が用いられる。
リガンドがチオールまたはジスルフィドである場合、配位原子は硫黄である。リガンドがホスフィンである場合、配位原子はリンである。リガンドがアミン化合物である場合、配位原子はアミノ基の窒素である。リガンドがカルボン酸化合物である場合、配位原子はカルボキシル基の酸素である。
Au粒子に配位するリガンドとして選択されるチオールまたはジスルフィドとしては、たとえば置換または非置換の脂肪族チオール、置換または非置換の芳香族チオール、およびジスルフィドR−S−S−R’(RおよびR’は置換または非置換のアルキル基または芳香族基)が挙げられる。特に、Au粒子のHOMO−LUMOギャップを大きく変化させ、かつ注入した電子を捕捉するのに有効に作用するリガンドとして好適なのは、ハロゲノ基またはフェニル基を有する脂肪族チオール、電子吸引性置換基(ニトロ基、ハロゲノ基、シアノ基、アシル基、スルホ基、ハロゲン化アルキル基など)を有する芳香族チオールである。さらにフェニル基を有する脂肪族チオールとしては、下記一般式(I)
Figure 2008242315
(ここで、Xはニトロ基、ハロゲノ基、シアノ基、アシル基、スルホ基、ハロゲン化アルキル基、mは1〜3の整数、nは0〜10の整数を表す)
で表されるチオールが好適である。
Au粒子に配位するリガンドとして選択されるホスフィンとしては、一般式PRR’R”(R,R’およびR”はHまたは置換もしくは非置換のアルキル基もしくは芳香族基)で表されるホスフィンが挙げられる。特に、Au粒子のHOMO−LUMOギャップを大きく変化させるのに有効に作用するリガンドとして好適なのは、非置換またはハロゲン化されたアルキルホスフィンおよびフェニルホスフィンである。さらに、フェニルホスフィンとしては、下記一般式(II)〜(IV)(ここで、Xはニトロ基、ハロゲノ基、シアノ基、アシル基、スルホ基、ハロゲン化アルキル基、mは1〜3の整数)で表されるホスフィンが好適である。
Figure 2008242315
Ag粒子に配位するリガンドとして選択されるカルボン酸化合物としては、置換または非置換の脂肪族カルボン酸および芳香族カルボン酸が挙げられる。特に効果的なのは、非置換またはハロゲン化された脂肪族カルボン酸、および電子吸引性置換基(ニトロ基、ハロゲノ基、シアノ基、アシル基、スルホ基、ハロゲン化アルキル基など)を有する芳香族カルボン酸である。
Ag粒子に配位するリガンドとして選択されるアミン化合物としては、一般式NRR’R”(R,R’,R”はHまたは置換もしくは非置換のアルキル基もしくは芳香族基)で表される1級〜3級アミンが挙げられる。
本発明の実施形態に係るプラズモン発生素子は、特定のリガンドを配位させたAu粒子またはAg粒子を含む構造部と、前記構造部に含まれるナノ粒子へ電子を注入する電子注入部とを有する。
本発明の実施形態に係るプラズモン発生素子の構造部では、発生したプラズモンを伝播するために、金属ナノ粒子(Au粒子またはAg粒子)がその直径D以下の間隔で配列されている。金属ナノ粒子を直径Dの球体と考え、金属ナノ粒子を直径Dと同じ間隔で3次元的に並べた場合、金属ナノ粒子は(2D)3の空間に1個存在することになる。このとき、金属ナノ粒子の密度は6.54体積%となる。したがって、構造部における金属ナノ粒子の密度が6.54体積%以上であることが、プラズモンが伝播するための条件である。構造部は、最低限ナノ粒子を1列に並べられる幅と高さを有するが、長さは特に規定されない。このような構造部に、電子注入部から電子を注入することにより、プラズモン非発生状態からプラズモン発生状態への変化が可能になり、光スイッチとして機能することができる。電子注入部としては、たとえば構造部を挟む1対の電極や、近接場光学顕微鏡のプローブなどが挙げられる。
(実施例1)
本実施例においては、Au粒子およびAu粒子−リガンドのモデルについて、電気的に中性な状態および1電子注入後のアニオン状態でのHOMO−LUMOギャップを計算で求め、電子注入による変化をシミュレートした。粒子モデルの構造およびエネルギー計算は、ベッケの3変数交換ポテンシャル、リー・ヤン・パールの相関ポテンシャル(B3LYP)の補正を用いた密度汎関数法(DFT)に基づく計算において、基底関数系として有効内殻ポテンシャルによって内殻電子を近似し、外殻およびH原子に対してはdouble−zeta基底で計算するCEP−31G基底を用いて行った。
Au粒子のモデルとしてはfcc構造のAu13を用いた。Au粒子−リガンドのモデルとしてはfcc構造のAu13に下記の10種類のリガンドをそれぞれ2個ずつ配位させたものを用いた。Au13部分は原子間距離のみ、リガンド部分はすべての構造パラメーターについて構造最適化計算を行い、安定な構造を得た。
10種類のリガンドは、脂肪族チオールのSR:−S−(CH25−CH3、SRF:−S−(CH23−CF3、芳香族チオールのSP:−S−C64−CH3、SPM:−S−C64−NH2、SPN:−S−C64−NO2、SPCl:−S−C64−Cl、脂肪族ホスフィンのPR:PH2−C(CH33、芳香族ホスフィンのPPH:PH2−C65、PPHF:PH2−C64F、および比較例としてのFである。
Au13はスピン2重項である。本計算例ではAu13にリガンドを2個ずつ配位させているので、いずれのモデルでも中性状態が2重項、アニオン状態が1重項となっている。
図4に各モデルのHOMO−LUMOギャップを示す。図4から以下のことがわかる。Au単体のAu13粒子および比較例としてのFリガンドを配位したAu13粒子の場合には、1電子注入の前後でHOMO−LUMOギャップはほとんど変化しない。一方、他のリガンドを配位したAu13粒子の場合には、中性状態とアニオン状態とでHOMO−LUMOギャップが変動する。
本実施例では、いずれのモデルでも電子注入時の方がHOMO−LUMOギャップが減少しているが、その変化の大きさはリガンドの種類によってかなり異なっている。チオール系リガンドのうち、顕著なHOMO−LUMOギャップの変化を与えるものとして、フッ素置換基を導入した脂肪族チオールのSRF、ならびに電子吸引性置換基を導入した芳香族チオールのSPNおよびSPClが挙げられる。フッ素置換基や電子吸引性置換基は、HOMO−LUMOギャップの変動に寄与するとともに、注入した電子を捕捉する能力を向上する(すなわち系の電子親和力を大きくする)という意味でも効果的である。ホスフィン系リガンドのうち、顕著なHOMO−LUMOギャップの変化を与えるものとして、脂肪族ホスフィンのPR、および芳香族ホスフィンのPPHが挙げられる。ただし、ホスフィン系リガンドはチオール系リガンドに比べて電子親和力が小さいので、アニオンの不安定性を改善するという意味で、フッ素置換基を導入したPPHFも有効である。
また、電荷分布解析から、上記のようなHOMO−LUMOギャップの変動の差は、注入した電子がAu粒子−リガンドのどの部分に流入するかということと関係することがわかっている。たとえば、比較例のFリガンドを用いた場合、注入電子の大部分がAu粒子側に流れ込むため、Au粒子単体に1電子を注入した場合と類似した振る舞いを示し、HOMO−LUMOギャップの変動が非常に小さい。一方、芳香族チオールリガンドを用いた場合、注入電子がAu粒子側とリガンド側の両方に流れ込むため、中性状態とアニオン状態とでHOMO−LUMOギャップに差が生じる。特に、芳香族チオールリガンドのうちでも、電子吸引性置換基を導入したSPNおよびSPClを用いた場合にはギャップの変化が大きくなっている。
本実施例のように、Au粒子−リガンドにおいて、中性状態からアニオン状態に変化させたときにHOMO−LUMOギャップが大きく減少するようなリガンドを選択して配位させれば、電子を注入したり元に戻したりする操作によってプラズモンの発生を制御することが可能になる。
(実施例2)
本実施例においては、Ag粒子およびAg粒子−リガンドのモデルについて、電気的に中性な状態および1電子注入後のアニオン状態でのHOMO−LUMOギャップを計算で求め、電子注入による変化をシミュレートした。
Ag粒子のモデルとしてはAg13を用いた。Ag粒子−リガンドのモデルとしてはAg13に下記の3種類のリガンドをそれぞれ2個ずつ配位させたものを用いた。
3種類のリガンドは、アミン化合物のNR:NH2−(CH23−CH3、脂肪族カルボン酸のOR:−O−(C=O)−(CH22−CH3、芳香族カルボン酸のOPF:−O−(C=O)−C64Fである。
図5に各モデルのHOMO−LUMOギャップを示す。図5から以下のことがわかる。Ag単体のAg13粒子の場合には、1電子注入の前後でHOMO−LUMOギャップはほとんど変化しない。一方、リガンドを配位したAg13粒子の場合には、中性状態とアニオン状態とでHOMO−LUMOギャップが変動する。アミン化合物リガンドのNRを用いた場合に比べて、カルボン酸リガンドのORまたはOPFを用いた場合はHOMO−LUMOギャップ変化がやや小さい。しかし、カルボン酸リガンドは、電子捕捉能力が高いので、十分有効である。また、Ag粒子−リガンドにおいても、リガンドへのフッ素置換基の導入はアニオンを安定化させる意味で効果があると考えられる。
以上の結果から、Ag粒子についてもリガンドを配位させることによってHOMO−LUMOギャップの変化させる効果が得られることを確認できた。
(実施例3)
図6に本実施例におけるプラズモン発生素子の平面図を示す。表面に絶縁層が形成された基板11上に、多数の金属ナノ粒子12が二次元的に配列された構造部13が形成されている。構造部13の幅方向に沿って構造部13を挟むように、先端が平坦なアルミニウム電極14と、先端が先鋭化されたアルミニウム電極15が配置されており、これらによって電子注入部が形成されている。構造部13の長さ方向に沿って構造部13の両端に、近接場光導入部16および近接場光出射部17が配置されている。近接場光導入部16および近接場光出射部17はSiO2からなる平面導波路で形成されており、近接場光導入部16の先端は構造部13の一端の近傍で先鋭化され、近接場光出射部17の先端は構造部13の他端の近傍で先鋭化されている。
近接場光導入部16に伝播光を導波すると、伝播光は近接場光導入部16の先端で近接場光に変換される。ここで近接場光により構造部13の金属ナノ粒子の一部が励起されれば、金属ナノ粒子間に相互作用が誘起されて次々と近接場光が伝達され、近接場光出射部17から近接場光が出射する。
金属ナノ粒子12としてAu55粒子に−S(CH26CF3を約20個配位させたものを用い、その単層膜からなる構造部13を有するプラズモン発生素子(素子A)を作製した。比較のために、金属ナノ粒子12としてAu310粒子を用い、その単層膜からなる構造部13を有するプラズモン発生素子(素子B)を作製した。
素子Aについて、電圧を印加しない状態で、波長632.8nmの連続発振レーザー光を近接場光導入部16から構造部13に入射し、近接場光出射部17から出射される近接場光の強度をモニターしたが、光の導波は観測できなかった。素子Bについて上記と同様に近接場光の強度をモニターしたところ、光の導波が観測された。
次に、素子Aについて、アルミニウム電極14、15間に50kHzの正弦波電圧を印加して構造部13へ電子を注入し、波長632.8nmの連続発振レーザー光を近接場光導入部16から構造部13に入射し近接場光出射部17から出射される近接場光の強度をモニターした。その結果、モニターした近接場光の強度が、正弦波電圧と同じ周波数の正弦波の波形に変調されることが確認された。素子Bについて上記と同様の操作を行ったところ、正弦波電圧に同期した導波光の変調はごくわずかであった。この結果から、素子Aにおいては、プラズモンが発生しない状態から、電子注入によってプラズモンが発生する状態へと変化することが確認された。
Auクラスターサイズ(Au原子数)とHOMOおよびLUMOの軌道エネルギーとの関係を示す図。 金属クラスターサイズとHOMO−LUMOギャップとの関係を示す模式図。 HOMO−LUMOギャップの縮小による、プラズモンを発生しない状態からプラズモンを発生可能な状態への変化を示す模式図。 実施例1におけるAu粒子およびAu粒子−リガンドのモデルについて、中性状態およびアニオン状態でのHOMO−LUMOギャップの変化を示す図。 実施例2におけるAg粒子およびAg粒子−リガンドのモデルについて、中性状態およびアニオン状態でのHOMO−LUMOギャップの変化を示す図。 実施例3におけるプラズモン発生素子の平面図。
符号の説明
11…基板、12…金属ナノ粒子、13…構造部、14、15…アルミニウム電極、16…近接場光導入部、17…近接場光出射部。

Claims (7)

  1. チオール、ジスルフィドおよびホスフィンからなる群より選択される少なくとも1種のリガンドを配位させたAu粒子を含む構造部と、
    前記構造部に含まれるAu粒子へ電子を注入する電子注入部と
    を有することを特徴とするプラズモン発生素子。
  2. 前記チオールが、ハロゲノ基またはフェニル基を有する脂肪族チオール、および電子吸引性置換基を有する芳香族チオールからなる群より選択されることを特徴とする請求項1に記載のプラズモン発生素子。
  3. 前記チオールが、下記一般式(I)
    Figure 2008242315
    (ここで、Xはニトロ基、ハロゲノ基、シアノ基、アシル基、スルホ基またはハロゲン化アルキル基、mは1〜3の整数、nは0〜10の整数を表す)
    で表されるチオールであることを特徴とする請求項1に記載のプラズモン発生素子。
  4. 前記ホスフィンが、非置換またはハロゲン化されたアルキルホスフィンおよびフェニルホスフィンからなる群より選択されることを特徴とする請求項1に記載のプラズモン発生素子。
  5. 前記ホスフィンが、下記一般式(II)〜(IV)
    Figure 2008242315
    (ここで、Xはニトロ基、ハロゲノ基、シアノ基、アシル基、スルホ基またはハロゲン化アルキル基、mは1〜3の整数)
    からなる群より選択されることを特徴とする請求項1に記載のプラズモン発生素子。
  6. アミン化合物およびカルボン酸化合物からなる群より選択される少なくとも1種のリガンドを配位させたAg粒子を含む構造部と、
    前記構造部に含まれるAg粒子へ電子を注入する電子注入部と
    を有することを特徴とするプラズモン発生素子。
  7. 前記カルボン酸化合物が、非置換またはハロゲン化された脂肪族カルボン酸および電子吸引性置換基を有する芳香族カルボン酸からなる群より選択されることを特徴とする請求項6に記載のプラズモン発生素子。
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