JP2008241754A - レジストパターン微細化用被覆形成剤及びそれを用いた微細レジストパターン形成方法 - Google Patents

レジストパターン微細化用被覆形成剤及びそれを用いた微細レジストパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】近年の半導体デバイスのさらなる微細化に対応し得るレジストパターン微細化用被覆形成剤、及びそれを用いた微細レジストパターン形成方法を提供する。
【解決手段】レジストパターンを有する基板上に被覆され、微細パターンを形成するために用いられるレジストパターン微細化用被覆形成剤であって、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールとの共重合体である第1の水溶性ポリマーを含有することを特徴とするレジストパターン微細化用被覆形成剤、及びそれを用いた微細レジストパターン形成方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、レジストパターン微細化用被覆形成剤、及びそれを用いた微細レジストパターン形成方法に関し、特に、近年の半導体デバイスのさらなる微細化に対応し得るレジストパターン微細化用被覆形成剤、及びそれを用いた微細レジストパターン形成方法に関する。
半導体デバイス、液晶デバイス等の電子部品の製造においては、基板にエッチング等の処理を施す際にホトリソグラフィ技術が用いられている。このホトリソグラフィ技術では、活性放射線に感応するいわゆるホトレジスト材料を用いて基板上に被膜(ホトレジスト層)を設け、次いでこれを活性放射線で選択的に照射して露光し、現像処理を行った後、ホトレジスト層を選択的に溶解除去して、基板上に画像パターン(ホトレジストパターン)を形成する。そして、このホトレジストパターンを保護層(マスクパターン)としてエッチング処理を行うことにより、基板に配線パターンを形成する。
近年、半導体デバイスの高集積化、微小化の傾向が高まり、これらホトレジストパターンの形成についても微細化が進み、現在パターン幅120nm以下の超微細加工が要求されている。また、ホトレジストパターン形成に用いられる活性光線も、KrF、ArFエキシマレーザー光、EB、EUV、軟X線等の短波長の照射光が利用され、ホトレジストパターン形成材料としてのホトレジスト材料についても、これらの照射光に対応した物性を持つ材料系の研究・開発が行われている。
このようなホトレジスト材料の改良からの超微細化対応策に加え、パターン形成方法の面からも、ホトレジスト材料の持つ解像度の限界を超えるパターン微細化技術の研究・開発が行われている。
例えば、特許文献1(特開平5−166717号公報)では、基板上に塗布したパターン形成用レジストに抜きパターンを形成した後、該パターン形成用レジストとミキシングするミキシング生成用レジストを基板全面に塗布した後、ベークして、ミキシング層をパターン形成用レジストの側壁〜表面に形成し、このミキシング生成用レジストの非ミキシング部分を除去して、上記ミキシング層寸法分の微細化を図った抜きパターン形成方法が開示されている。また、特許文献2(特開平5−241348号公報)では、酸発生剤を含有するレジストパターンを形成した基板上に、酸の存在下で不溶化する樹脂を含むレジストを被着した後、熱処理し、レジストパターンから酸を拡散させてレジストパターンの界面付近に一定厚さのレジスト膜を形成した後、現像して、酸の拡散がされていない樹脂部分を除去することにより、上記一定の厚さ寸法分の微細化を図ったパターン形成方法が開示されている。さらに、特許文献3(特開平10−073927号公報)では、酸発生剤を含むレジストパターン上を、酸の存在で架橋する材料を含む材料で覆い、続く加熱又は露光処理によりレジストパターン中に酸を発生させ、界面に生じた架橋層をレジストパターンの被覆層として形成し、レジストパターンを太らせることによりレジストパターンのホール径や分離幅を縮小する方法が開示されている。
しかしながら、これらの方法では、ウェーハ面内の熱依存性が十数nm/℃程度と大きく、大口径化したウェーハ面内において、レジストパターン上に形成される被膜の膜厚を均一に制御することが非常に困難であることから、微細化処理後のレジストパターン寸法のバラツキが顕著にみられるという問題がある。また、微細化処理後のディフェクト(パターン欠陥)の発生を抑止することが困難であり、さらには、レジストパターンの形成をやり直す場合のリワーク処理(一旦形成したレジストパターンをウェーハ上から取り除く処理)が困難であるという問題がある。
一方、レジストパターンを熱処理等で流動化させ、パターン寸法を微細化する方法も知られている。例えば、特許文献4(特開平1−307228号公報)では、基板上にレジストパターンを形成した後、熱処理を行って、レジストパターンの断面形状を変形させることにより、微細なパターンを形成する方法が開示されている。また、特許文献5(特開平4−364021号公報)では、レジストパターンを形成した後、その軟化温度の前後に加熱し、レジストの流動化によりそのパターン寸法を変化させて微細なパターンを形成する方法が開示されている。
しかしながら、これらの方法は、熱流動による微細化量の制御が困難であり、微細化処理後に、良好な矩形形状を維持したレジストパターンを得ることが難しく、また、ウェーハ面内に混在する疎密パターンの微細化量を一定に制御することが困難であるという問題がある。
上記方法をさらに発展させた方法として、例えば特許文献6(特開平7−45510号公報)では、レジストパターンを形成した基板上に、レジストパターンの流動のしすぎを防止するための樹脂膜を形成し、次いで熱処理し、レジストを流動化させてパターン寸法を変化させた後、樹脂を除去して微細化レジストパターンを形成する方法が開示されている。
しかしながら、この方法では、微細化処理後に、良好な矩形形状を維持したレジストパターンを得ることが難しく、また、ウェーハ面内に混在する疎密パターンの微細化量を一定に制御することが困難であり、さらには、加熱温度の変動に対するホトレジストパターンの微細化量の変動を抑制することが困難であるという問題がある。
さらに、本出願人は、特許文献7〜12(特開2003-084459号公報、特開2003-084460号公報、特開2003-107752号公報、特開2003-142381号公報、特開2003-195527号公報、特開2003-202679号公報)等において、パターン微細化用被覆形成剤及び微細パターンの形成方法に関する技術を提案している。これら特許文献7〜12等に示す技術により、パターン寸法の制御性を向上し、微細化処理後のレジストパターンを良好な矩形形状とするなど、半導体デバイスにおける要求特性を備えた微細パターンを得ることが可能となった。
これらのパターン微細化用被覆形成剤を用いた微細パターン形成技術では、まず、基板上にホトレジスト層を設け、これを露光・現像してホトレジストパターンを形成する。次いで、基板全面に亘ってパターン微細化用被覆形成剤を被覆した後、加熱し、該パターン微細化用被覆形成剤の熱収縮作用を利用して、ホトレジストパターンを幅広とする。これにより、ホトレジストパターン間隔が狭められ、該ホトレジストパターン間隔により画定されるパターン幅も狭められ、微細化したパターンが得られる。
すなわち上記パターン微細化では、ホトレジストパターン形成段階(第1段階)と、パターン微細化用被覆形成剤の熱収縮段階(第2段階)の、2つの段階でのレジストパターン寸法制御の影響を受ける。このような手法を用いたレジストパターンの形成においては、第1段階で形成したレジストパターン形状を、第2段階の熱収縮工程において、その形状を維持したまま均一な熱収縮率で収縮させることが必要である。
特開平5−166717号公報 特開平5−241348号公報 特開平10−073927号公報 特開平1−307228号公報 特開平4−364021号公報 特開平7−45510号公報 特開2003−084459号公報 特開2003−084460号公報 特開2003−107752号公報 特開2003−142381号公報 特開2003−195527号公報 特開2003−202679号公報
しかしながら、近年のさらなるパターンの微細化要求に伴い、パターン形状の変化を伴うことなく、さらなる微細化量の向上が求められており、これらのパターン微細化用被覆形成剤を用いた微細パターン形成技術をもってしても、その微細化量は十分なものであるとは言えないのが現状である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、近年の半導体デバイスのさらなる微細化に対応し得るレジストパターン微細化用被覆形成剤、及びそれを用いた微細レジストパターン形成方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、ある特定の共重合体からなる水溶性ポリマーを含有するレジストパターン微細化用被覆形成剤によれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
より具体的には、本発明は、レジストパターンを有する基板上に被覆され、微細パターンを形成するために用いられるレジストパターン微細化用被覆形成剤であって、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールとの共重合体である第1の水溶性ポリマーを含有することを特徴とするレジストパターン微細化用被覆形成剤を提供する。また、このレジストパターン微細化用被覆形成剤を用いて、レジストパターンを有する基板上に被膜を形成した後、加熱して被膜を熱収縮させることによりレジストパターンの間隔を狭小せしめ、次いで被膜を除去することを特徴とする微細レジストパターン形成方法を提供する。
本発明によれば、レジストパターンに対する被覆形成剤の弱い付着力(ファンデルワールス力、水素結合等)を利用した厚肉化又はミキシング層の形成により、レジストパターンの微細化が可能である。また、熱流動する温度以下で処理でき、被覆形成剤の熱応力を利用したものではないため、レジストパターンの形状が大きく変化することもない。従って、本発明によれば、近年の半導体デバイスのさらなる微細化に十分に対応し得るレジストパターン微細化用被覆形成剤、及びそれを用いた微細レジストパターン形成方法を提供できる。さらには、本発明の被覆形成剤は、架橋剤を用いたものではないことから、形成したレジストパターンをウェハー上から剥離して再度レジストパターン形成を行うリワーク作業が容易であるという効果も有する。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<レジストパターン微細化用被覆形成剤>
本実施形態に係るレジストパターン微細化用被覆形成剤は、レジストパターンを有する基板上に被覆され、微細パターンを形成するために用いられるものであり、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールとの共重合体である第1の水溶性ポリマーを含有することを特徴とする。
[第1の水溶性ポリマー]
本実施形態に係るレジストパターン微細化用被覆形成剤中に含まれる第1の水溶性ポリマーは、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールとの共重合体である。これらN−ビニルピロリドン及びN−ビニルイミダゾールは、ヘテロ原子を分子内に有し、極性を有することから、これらの共重合体からなる第1の水溶性ポリマーを含有する被覆形成剤をレジストパターン上に塗布した場合には、レジストパターンに対して弱い付着力(ファンデルワールス力、水素結合等)が作用する。これにより、レジストパターンの厚肉化、又はミキシング層が形成される結果、パターンの微細化が可能となるものである。
即ち、本発明におけるパターンの微細化は、第1の水溶性ポリマーに起因するファンデルワールス力や水素結合といった弱い相互作用に基くものであるため、熱流動する温度以下での処理が可能である。また、被覆形成剤の熱応力を利用したものではないため、レジストパターンの形状が変化することもない。さらには、架橋剤を使用する必要が無いため、形成したレジストパターンをウェハー上から剥離して再度レジストパターン形成を行うリワーク作業が容易である。
上記第1の水溶性ポリマーは、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールとを共重合させたものであればよく、両者の重合比率は特に限定されない。
上記第1の水溶性ポリマーの分子量としては、本発明の効果が奏される範囲内であれば特に制限はないが、被膜形成性及び熱処理時における耐熱性等の観点から、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により測定したポリメチルメタクリレート換算の質量平均分子量が2.0×10〜1.0×10の範囲であることが好ましい。
[第2の水溶性ポリマー]
本実施形態に係るレジストパターン微細化用被覆形成剤は、第2の水溶性ポリマーをさらに含有することが好ましい。第2の水溶性ポリマーとしては、上記第1の水溶性ポリマーと混合した場合に沈殿等を生じないものであればよく、従来公知の水溶性ポリマーを用いることができる。好ましくは、ポリビニルアルコールが第2の水溶性ポリマーとして用いられる。
上記第2の水溶性ポリマーをさらに添加することで、熱収縮量のさらなる増加、及びレジストパターンの形状劣化の抑制に効果的である。
上記第2の水溶性ポリマーの含有量は、本発明の効果が奏される範囲内であれば特に制限はないが、好ましくは、上記第1の水溶性ポリマー100モル%に対して30モル%〜100モル%である。上記第2の水溶性ポリマーの含有量がこの範囲内であれば、レジストパターンの形状変化を伴うことなく、レジストパターンのさらなる微細化が可能である。
本発明のレジストパターン微細化用被覆形成剤は、上記第1の水溶性ポリマーを含有してなる水溶液として通常用いられる。好ましくは、上記第1の水溶性ポリマー及び第2の水溶性ポリマーを含有してなる水溶液として用いられる。この被覆形成剤は、その固形分質量濃度を3〜50質量%として用いるのが好ましく、5〜20質量%の水溶液として用いるのがより好ましい。
なお、水溶液として用いることが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲であれば、水とアルコール系溶媒との混合溶媒としてもよい。このようなアルコール系溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール等が挙げられる。これらのアルコール系溶媒は、水100質量部に対して30質量部を上限として混合して用いられる。
さらに、本実施形態に係るレジストパターン微細化用被覆形成剤は、本発明の効果が奏される範囲内で、所望により上記第1の水溶性ポリマー及び第2の水溶性ポリマー以外の水溶性ポリマーを適宜含有することができる。このような水溶性ポリマーとしては、セルロース誘導体、アルキレングリコール系重合体、尿素系重合体、メラミン系重合体等が挙げられる。
前記セルロース誘導体としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースヘキサヒドロフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロール、セルロールアセテートヘキサヒドロフタレート、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース等が挙げられる。前記アルキレングリコール系重合体としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等の付加重合体又は付加共重合体が挙げられる。前記尿素系重合体としては、例えば、メチロール化尿素、ジメチロール化尿素、エチレン尿素等の重合体が挙げられる。メラミン系重合体としては、例えばメトキシメチル化メラミン、メトキシメチル化イソブトキシメチル化メラミン、メトキシエチル化メラミン等の重合体がそれぞれ挙げられる。これらの他、水溶性のエポキシ系重合体やアミド系重合体を用いることもできる。これらの水溶性ポリマーは、単独で用いてもよく、2種以上を混合して併用してもよい。
また、本発明では、被覆形成剤に対して、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、以下の水溶性架橋剤、界面活性剤、水溶性フッ素化合物、アミド基含有モノマー、少なくとも酸素原子及び/又は窒素原子を有する複素環式化合物、少なくとも同一環内に2個以上の窒素原子を有する複素環式化合物、水溶性アミン化合物、非アミン系水溶性有機溶媒等を配合してもよい。このような任意に添加される成分としては、例えば以下のようなものが挙げられる。
〔水溶性架橋剤〕
水溶性架橋剤としては、少なくとも2個の水素原子がヒドロキシアルキル基及び/又はアルコキシアルキル基で置換された、アミノ基及び/又はイミノ基を有する含窒素化合物が好ましく用いられる。これら含窒素化合物としては、例えば、アミノ基の水素原子がメチロール基又はアルコシキメチル基、あるいはその両方で置換された、メラミン系誘導体、尿素系誘導体、グアナミン系誘導体、アセトグアナミン系誘導体、ベンゾグアナミン系誘導体、スクシニルアミド系誘導体や、イミノ基の水素原子が置換されたグリコールウリル系誘導体、エチレン尿素系誘導体等を挙げることができる。
これら含窒素化合物の中でも、架橋反応性の点から、少なくとも2個の水素原子がメチロール基、又は炭素原子数1〜6の低級アルコキシメチル基、あるいはその両方で置換された、アミノ基及び/又はイミノ基を有する、ベンゾグアナミン系誘導体、グアナミン系誘導体、メラミン系誘導体等のトリアジン誘導体、グリコールウリル系誘導体、及び尿素系誘導体のうちの1種以上が好ましい。
このような水溶性架橋剤を添加する場合の添加量は、被覆形成剤の樹脂固形分中、1〜35質量%程度に調整することが好ましい。
〔界面活性剤〕
界面活性剤としては、上記第1の水溶性ポリマーに対し溶解性が高く、懸濁を発生しない等の特性が必要である。好ましくは、上記第1の水溶性ポリマー及び第2の水溶性ポリマーに対して溶解性が高く、懸濁を発生しないものである。このような特性を満たす界面活性剤を用いることにより、特に被覆形成剤を塗布する際の気泡(マイクロフォーム)発生を抑えることができ、このマイクロフォーム発生と関係があるとされるディフェクトの発生をより効果的に防止することができる。上記の点から、N−アルキルピロリドン系界面活性剤、第4級アンモニウム塩系界面活性剤、ポリオキシエチレンのリン酸エステル系界面活性剤、ノニオン性界面活性剤のうちの1種以上が好ましく用いられる。
上記N−アルキルピロリドン系界面活性剤としては、下記一般式(1)で表されるものが好ましい。
Figure 2008241754
上記一般式(1)中、R20は、炭素原子数6以上のアルキル基を示す。
かかるN−アルキルピロリドン系界面活性剤として、具体的には、N−ヘキシル−2−ピロリドン、N−ヘプチル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドン、N−ノニル−2−ピロリドン、N−デシル−2−ピロリドン、N−デシル−2−ピロリドン、N−ウンデシル−2−ピロリドン、N−ドデシル−2−ピロリドン、N−トリデシル−2−ピロリドン、N−テトラデシル−2−ピロリドン、N−ペンタデシル−2−ピロリドン、N−ヘキサデシル−2−ピロリドン、N−ヘプタデシル−2−ピロリドン、N−オクタデシル−2−ピロリドン等が挙げられる。中でも、N−オクチル−2−ピロリドン(「SURFADONE LP100」;ISP社製)が好ましく用いられる。
上記第4級アンモニウム系界面活性剤としては、下記一般式(2)で表されるものが好ましい。
Figure 2008241754
上記一般式(2)中、R21、R22、R23、R24は、それぞれ独立に、アルキル基又はヒドロキシアルキル基を示し(ただし、そのうちの少なくとも1つは炭素原子数6以上のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示す)、Xは水酸化物イオン又はハロゲンイオンを示す。
かかる第4級アンモニウム系界面活性剤として、具体的には、ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、トリデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ペンタデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘプタデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、オクタデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。中でも、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシドが好ましく用いられる。
上記ポリオキシエチレンのリン酸エステル系界面活性剤としては、下記一般式(3)で表されるものが好ましい。
Figure 2008241754
上記一般式(3)中、R25は、炭素原子数1〜10のアルキル基又はアルキルアリル基を示し、R26は、水素原子又は(CHCHO)R25(R25は上記で定義したとおり)を示し、xは1〜20の整数を示す。
かかるポリオキシエチレンのリン酸エステル系界面活性剤としては、具体的には「プライサーフA212E」、「プライサーフA210G」(以上、いずれも第一工業製薬(株)製)等として市販されているものを好適に用いることができる。
上記ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンのアルキルエーテル化物又はアルキルアミンオキシド化合物であることが好ましい。
上記ポリオキシアルキレンのアルキルエーテル化物としては、下記一般式(4)又は(5)で表される化合物が好ましく用いられる。
Figure 2008241754
上記一般式(4)、(5)において、R27及びR28は、炭素原子数1〜22の直鎖状、分岐鎖状、若しくは環状のアルキル基、水酸基を有するアルキル基、又はアルキルフェニル基を示す。Aは、オキシアルキレン基であり、オキシエチレン、オキシプロピレン、及びオキシブチレン基の中から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。yは整数である。
アルキルアミンオキシド化合物としては、下記一般式(6)又は(7)で表される化合物が好ましく用いられる。
Figure 2008241754
上記一般式(6)、(7)において、R29は、酸素原子で中断されていてもよい炭素原子数8〜20のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示し、p及びqは1〜5の整数を示す。
上記一般式(6)、(7)で表されるアルキルアミンオキシド化合物としては、オクチルジメチルアミンオキシド、ドデシルジメチルアミンオキシド、デシルジメチルアミンオキシド、ラウリルジメチルアミンオキシド、セチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、イソヘキシルジエチルアミンオキシド、ノニルジエチルアミンオキシド、ラウリルジエチルアミンオキシド、イソペンタデシルメチルエチルアミンオキシド、ステアリルメチルプロピルアミンオキシド、ラウリルジ(ヒドロキシエチル)アミンオキシド、セチルジエタノールアミンオキシド、ステアリルジ(ヒドロキシエチル)アミンオキシド、ドデシルオキシエトキシエトキシエチルジ(メチル)アミンオキシド、ステアリルオキシエチルジ(メチル)アミンオキシド等が挙げられる。
これらの界面活性剤の中でも、特にディフェクト低減の点からは、ノニオン性界面活性剤が好ましく用いられる。
このような界面活性剤を添加する場合の添加量は、被覆形成剤の樹脂固形分中、1ppm〜10質量%程度とするのが好ましく、より好ましくは100ppm〜2質量%程度に調整することが好ましい。
〔水溶性フッ素化合物〕
水溶性フッ素化合物としては、上記第1の水溶性ポリマーに対し溶解性が高く、懸濁を発生しない等の特性が必要である。好ましくは、上記第1の水溶性ポリマー及び第2の水溶性ポリマーに対して溶解性が高く、懸濁を発生しないものである。このような特性を満たす水溶性フッ素化合物を用いることにより、さらにレベリング性(被覆形成剤の広がり度合い)を向上させることができる。このレベリング性は、界面活性剤の過剰量添加による接触角の引き下げにより達成することも可能であるが、界面活性剤添加量を過剰にした場合、ある一定以上の塗布向上性が認められないばかりか、過剰量とすることにより、塗布した際に被覆膜上に気泡(マイクロフォーム)が発生し、ディフェクトの原因となり得るという問題がある。この水溶性フッ素化合物を配合することにより、そのような発泡を抑制しつつ、接触角を下げ、レベリング性を向上させることができる。
かかる水溶性フッ素化合物としては、フルオロアルキルアルコール類、フルオロアルキルカルボン酸類等が好ましく用いられる。フルオロアルキルアルコール類としては、2−フルオロ−1−エタノール、2,2−ジフルオロ−1−エタノール、トリフルオロエタノール、テトラフルオロプロパノール、オクタフルオロアミルアルコール等が挙げられる。フルオロアルキルカルボン酸類としては、トリフルオロ酢酸等が挙げられる。ただし、これら例示に限定されるものではなく、水溶性を有するフッ素化物であって、上述の効果を奏するものであれば限定されない。特には、炭素原子数6以下のフルオロアルキルアルコール類が好ましく用いられる。中でも入手しやすさ等の点から、トリフルオロエタノールが特に好ましい。
このような水溶性フッ素化合物を添加する場合の添加量は、被覆形成剤の樹脂固形分中、0.1〜30質量%程度とするのが好ましく、特には0.1〜15質量%程度に調整することが好ましい。
〔アミド基含有モノマー〕
アミド基含有モノマーとしては、特に限定されるものではないが、上記第1の水溶性ポリマーに対し溶解性が高く、懸濁を発生しない等の特性が必要である。好ましくは、上記第1の水溶性ポリマー及び第2の水溶性ポリマーに対して溶解性が高く、懸濁を発生しないものである。
かかるアミド基含有モノマーとしては、下記一般式(8)で表されるアミド化合物が好ましく用いられる。
Figure 2008241754
上記一般式(8)において、R30は、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、又はヒドロキシアルキル基を示し、R31は、炭素原子数1〜5のアルキル基を示し、R32は、水素原子又はメチル基を示し、zは0〜5の整数を示す。上記においてアルキル基、ヒドロキシアルキル基は直鎖、分岐鎖のいずれも含む。
上記一般式(8)中、R30が水素原子、メチル基、又はエチル基を示し、zが0であるアミド基含有モノマーがより好ましく用いられる。このようなアミド基含有モノマーとしては、具体的には、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド等が挙げられる。中でも、アクリルアミド、メタクリルアミドが特に好ましい。
このようなアミド基含有モノマーを添加する場合の添加量は、被覆形成剤の固形分中、0.1〜30質量%程度とするのが好ましく、特には1〜15質量%程度に調整することが好ましい。
〔少なくとも酸素原子及び/又は窒素原子を有する複素環式化合物〕
少なくとも酸素原子及び/又は窒素原子を有する複素環式化合物を配合してもよい。このような複素環式化合物としては、オキサゾリジン骨格を有する化合物、オキサゾリン骨格を有する化合物、オキサゾリドン骨格を有する化合物、及びオキサゾリジノン骨格を有する化合物の中から選ばれる少なくとも1種が好ましく用いられる。
上記オキサゾリジン骨格を有する化合物としては、下記化学式(9)で表されるオキサゾリンのほか、その置換体が挙げられる。
Figure 2008241754
該置換体としては、上記化学式(9)で表されるオキサゾリンの炭素原子あるいは窒素原子に結合する水素原子が、炭素原子数1〜6の置換若しくは未置換の低級アルキル基、カルボキシル基、水酸基、ハロゲン基で置換された化合物が挙げられる。上記置換された低級アルキル基としては、ヒドロキシアルキル基、低級アルコキシアルキル基等が挙げられるが、これら例示に限定されるものではない。
上記オキサゾリン骨格を有する化合物としては、下記化学式(8−1)で表される2−オキサゾリン、化学式(8−2)で表される3−オキサゾリン、化学式(8−3)で表される4−オキサゾリンのほか、それらの置換体が挙げられる。
Figure 2008241754
該置換体としては、上記化学式(8−1)〜(8−3)で表されるオキサゾリン骨格を有する化合物の炭素原子あるいは窒素原子に結合する水素原子が、炭素原子数1〜6の置換若しくは未置換の低級アルキル基、カルボキシル基、水酸基、ハロゲン基で置換された化合物が挙げられる。上記置換された低級アルキル基としては、ヒドロキシアルキル基、低級アルコキシアルキル基等が挙げられるが、これら例示に限定されるものではない。
上記オキサゾリン骨格を有する化合物の中でも、下記化学式(8−1−A)で表される2−メチル−2−オキサゾリンが好ましく用いられる。
Figure 2008241754
上記オキサゾリドン骨格を有する化合物としては、下記化学式(9−1)で表される5(4)−オキサゾロン、下記化学式(9−2)で表される5(2)−オキサゾロン、下記化学式(9−3)で表される4(5)−オキサゾロン、下記化学式(9−4)で表される2(5)−オキサゾロン、下記化学式(9−5)で表される2(3)−オキサゾロンのほか、それらの置換体が挙げられる。
Figure 2008241754
該置換体としては、上記化学式(9−1)〜(9−5)で表されるオキサゾリドン骨格を有する化合物の炭素原子あるいは窒素原子に結合する水素原子が、炭素原子数1〜6の置換若しくは未置換の低級アルキル基、カルボキシル基、水酸基、ハロゲン基で置換された化合物が挙げられる。上記置換された低級アルキル基としては、ヒドロキシアルキル基、低級アルコキシアルキル基等が挙げられるが、これら例示に限定されるものではない。
上記オキサゾリジノン骨格を有する化合物(又は2−オキサゾリドン骨格を有する化合物)としては、下記化学式(10)で表されるオキサゾリジノン(又は2−オキサゾリドン)のほか、その置換体が挙げられる。
Figure 2008241754
該置換体としては、上記化学式(10)で表されるオキサゾリジノン(又は2−オキサゾリドン)の炭素原子あるいは窒素原子に結合する水素原子が、炭素原子数1〜6の置換若しくは未置換の低級アルキル基、カルボキシル基、水酸基、ハロゲン基で置換された化合物が挙げられる。上記置換された低級アルキル基としては、ヒドロキシアルキル基、(低級アルコキシ)アルキル基等が挙げられるが、これら例示に限定されるものではない。
該オキサゾリジノン骨格を有する化合物の中でも、下記化学式(10−1)で表される3−メチル−2−オキサゾリドンが好ましく用いられる。
Figure 2008241754
このような少なくとも酸素原子及び/又は窒素原子を有する複素環式化合物を添加する場合の添加量は、被覆形成剤の樹脂固形分中、1〜50質量%とするのが好ましく、より好ましくは3〜20質量%に調整することが好ましい。
〔少なくとも同一環内に2個以上の窒素原子を有する複素環式化合物〕
少なくとも同一環内に2個以上の窒素原子を有する複素環式化合物としては、ピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、2−ピラゾリン、5−ピラゾロン、3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン、2,3−ジメチル−1−フェニル−5−ピラゾロン、2,3−ジメチル−4−ジメチルアミノ−1−フェニル−5−ピラゾロン、ベンゾピラゾール等のピラゾール系化合物;イミダゾール、メチルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、4−(2−アミノエチル)イミダゾール、2−アミノ−3−(4−イミダゾリル)プロピオン酸等のイミダゾール系化合物;2−イミダゾリン、2,4,5−トリフェニル−2−イミダゾリン、2−(1−ナフチルメチル)−2−イミダゾリン等のイミダゾリン系化合物;イミダゾリジン、2−イミダゾリドン、2,4−イミダゾリジンジオン、1−メチル−2,4−イミダゾリジンジオン、5−メチル−2,4−イミダゾリジンジオン、5−ヒドロキシ−2,4−イミダゾリジンジオン−5−カルボン酸、5−ウレイド−2,4−イミダゾリジンジオン、2−イミノ−1−メチル−4−イミダゾリドン、2−チオキソ−4−イミダゾリドン等のイミダゾリジン系化合物;ベンゾイミダゾール、2−フェニルベンゾイミダゾール、2−ベンゾイミダゾリノン等のベンゾイミダゾール系化合物;1,2−ジアジン、1,3−ジアジン、1,4−ジアジン、2,5−ジメチルピラジン等のジアジン系化合物;2,4(1H,3H)ピリミジンジオン、5−メチルウラシル、5−エチル−5−フェニル−4,6−パーヒドロピリミジンジオン、2−チオキソ−4(1H,3H)−ピリミジノン、4−イミノ−2(1H,3H)−ピリミジン、2,4,6(1H,3H,5H)−ピリミジントリオン等のヒドロピリミジン系化合物;シンノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、ルミノール等のベンゾジアジン系化合物;ベンゾシノリン、フェナジン、5,10−ジヒドロフェナジン等のジベンゾジアジン系化合物;1H−1,2,3−トリアゾール、1H−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール等のトリアゾール系化合物;ベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系化合物;1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオール、2,4,6−トリメトキシ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン、4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−オール等のトリアジン系化合物、等が挙げられるが、これら例示に限定されるものではない。
中でも、取り扱いが容易であり、さらには入手が容易である、等の点から、イミダゾール系化合物の単量体が好ましく用いられ、特にはイミダゾールが好ましく用いられる。
このような少なくとも同一環内に2個以上の窒素原子を有する複素環式化合物を添加する場合の添加量は、被覆形成剤の樹脂固形分中、1〜15質量%程度とするのが好ましく、より好ましくは2〜10質量%程度に調整することが好ましい。
〔水溶性アミン化合物〕
このような水溶性アミン化合物を用いることにより、さらに不純物発生防止、pH調整等が可能となる。
かかる水溶性アミン化合物としては、25℃の水溶液におけるpKa(酸解離定数)が7.5〜13のアミン類が挙げられる。具体的には、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン類;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、プロピレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、N−エチル−エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン等のポリアルキレンポリアミン類;2−エチル−ヘキシルアミン、ジオクチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリアリルアミン、ヘプチルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂肪族アミン類;ベンジルアミン、ジフェニルアミン等の芳香族アミン類;ピペラジン、N−メチル−ピペラジン、ヒドロキシエチルピペラジン等の環状アミン類等が挙げられる。中でも、沸点140℃以上(760mmHg下)のものが好ましく、例えばモノエタノールアミン、トリエタノールアミン等が好ましく用いられる。
このような水溶性アミン化合物を添加する場合の添加量は、被覆形成剤の樹脂固形分中、0.1〜30質量%程度とするのが好ましく、特には2〜15質量%程度に調整することが好ましい。
〔非アミン系水溶性有機溶媒〕
非アミン系水溶性有機溶媒を配合することにより、より一層ディフェクトの発生を抑制することができる。
かかる非アミン系水溶性有機溶媒としては、水と混和性のある非アミン系有機溶媒であればよく、例えばジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホン、テトラメチレンスルホン等のスルホン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアミド類;N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−プロピル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン等のラクタム類;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジイソプロピル−2−イミダゾリジノン等のイミダゾリジノン類;エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、グリセリン、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール等の多価アルコール類及びその誘導体が挙げられる。中でも、ディフェクト発生抑制等の点から多価アルコール類及びその誘導体が好ましく、特にはグリセリンが好ましく用いられる。非アミン系水溶性有機溶媒は1種又は2種以上を用いることができる。
このような非アミン系水溶性有機溶媒を添加する場合の添加量は、被覆形成剤の樹脂固形分中、0.1〜30質量%程度とするのが好ましく、特には0.5〜15質量%程度に調整することが好ましい。
<微細レジストパターン形成方法>
本実施形態に係る微細レジストパターン形成方法は、上記レジストパターン微細化用被覆形成剤を用いて、レジストパターンを有する基板上に被膜を形成した後、加熱して被膜を熱収縮させることによりレジストパターンの間隔を狭小せしめ、次いで被膜を除去することを特徴とする。より詳しくは、本実施形態に係る微細レジストパターン形成方法は、(a)レジストパターン形成工程、(b)水溶性樹脂被膜形成工程、(c)熱処理工程、及び(d)水洗工程を有する。
[(a)レジストパターン形成工程]
この工程は、ホトレジストを用いて基板上にレジストパターンを形成する工程である。レジストパターンの形成方法としては、半導体素子の製造に際し、通常用いられている微細レジストパターン形成方法が採用される。例えば、シリコンウエハ等の基板上に、化学増幅型レジスト、電子線レジスト、又はFレジストをスピンナー等で塗布し、乾燥して感光層を形成する。その後、縮小投影露光装置等を用いて、紫外線、deep−UV、エキシマレーザー光等を所望のマスクパターンを介して照射するか、又は電子線により描画し、加熱する。次いで、例えば1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液等のアルカリ現像液を用いて現像処理することにより、所望のレジストパターンが形成される。
[(b)水溶性樹脂被膜形成工程]
この工程は、上記(a)レジストパターン形成工程で形成されたレジストパターンの全面又は一部に水溶性樹脂被膜を設ける工程である。この水溶性樹脂被膜の形成には、上述のレジストパターン微細化用被覆形成剤が用いられる。被膜形成方法としては、従来の熱フロープロセスにおいて通常行われていた方法が採用される。例えば、上述のレジストパターン微細化用被覆形成剤を、スピンナー等を用いてレジストパターンの全面又は一部に塗布し、水溶性樹脂被膜を形成する。この際には、必要に応じ、加熱乾燥処理の工程を加えてもよい。水溶性樹脂被膜の厚さとしては、特に限定されないが、0.1μm〜0.5μmが好ましい。
[(c)熱処理工程]
この工程は、上記(b)水溶性樹脂被膜形成工程で設けられた水溶性樹脂被膜を有するレジストパターンを熱処理し、レジストパターン間の距離を接近させる工程である。この熱処理工程における加熱処理で生じる水溶性樹脂被膜の熱収縮作用により、レジストパターンの間隔が狭小されて微細化が達成される。この熱処理温度は、通常、80℃〜160℃(30秒〜120秒間)で行われる。なお、本実施形態では、上記ヒドラジド化合物(B)の熱収縮作用によりレジストパターンの微細化が助長されるため、従来に比して低温化が可能である。
[(d)水洗工程]
この工程は、上記(c)熱処理工程で熱処理されたレジストパターン上に存在する水溶性樹脂被膜を水洗除去する工程である。この水溶性樹脂被膜は、水系溶剤、好ましくは純水により10秒〜60秒間、洗浄することにより完全に除去される。
以上の工程を順次経ることにより、リソグラフィー技術で形成されるレジストパターンをさらに微細化することができる。なお、レジストのパターンとしては、特に限定されず、トレンチ型パターンでもよく、ホール型パターンでもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1〜2、比較例1〜5>
膜厚77nm「ARC29A(ブリューワサイエンス社製)」の反射防止膜が形成されたシリコンウエハ上に、ホトレジスト(東京応化工業株式会社製、商品名「TARF−P7144ME」)をスピンナー塗布し、110℃で60秒間ベーク処理することにより、膜厚220nmのホトレジスト膜を形成した。その後、得られたホトレジスト膜に対し、露光装置(ニコン株式会社製、商品名「NSR−S302A」)を用いて所定のパターン露光を行い、95℃で60秒間加熱処理した。次いで、2.38質量%テトラアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて23℃で60秒間の現像処理を施すことにより、直径139nm(ピッチ280nm)のホールパターンA、及び直径117nm(ピッチ1400nm)のホールパターンBを形成した
得られたホールパターン上に、下表1の各レジストパターン微細化用被覆形成剤(各レジストパターン微細化用被覆形成剤の固形分質量濃度は全て7.5質量%に調整した)をそれぞれ450nmの膜厚となるように塗布し、140℃にて60秒間加熱処理し、レジストパターンを収縮させた。次いで、23℃の純水を用いて60秒間水洗し、レジストパターン微細化用被覆形成剤を除去することにより、微細化されたホールパターンを得た。
各微細化されたホールパターンについて、収縮量の評価を行った。収縮量の評価は、レジストパターン微細化後のホールパターンの径を、測長SEMを用いて測定することにより行った。得られた評価結果を同表1に示す。ただし比較例5については、前記被覆形成剤を使用せずに上記と同様の加熱処理を行った。なお、表1中の「○」はパターンのトップ形状が良好であることを示し、「△」はパターンのトップ形状変化が実用レベルに維持されていることを示す。
Figure 2008241754
上表1中、「NVP/VI」は、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールとの共重合体(BASF社製、商品名「Sokalan HP56 K」)である。「PVP1」は、ポリビニルピロリドン(純正化学社製、商品名「PVP K−15」、質量平均分子量=8,000)であり、「PVP2」は、ポリビニルピロリドン(純正化学社製、商品名「PVP K−30」、質量平均分子量=40,000)である。「PVA」は、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名「クラレポバール PVA−203」、重合度=500、けん化度87〜89モル%)である。「A−210G」は、第一工業製薬(株)製のポリオキシエチレン−リン酸エステル系界面活性剤である「プライサーフA−210G」である。また、表1中の第1水溶性ポリマーと第2水溶性ポリマーの欄における括弧内の数値はモル比を示しており、その他成分の欄における括弧内の数値は樹脂固形分中の質量%を示す。
<実施例3、比較例6〜10>
膜厚102nm「SWK−EX14ML(東京応化工業株式会社製)」の反射防止膜が形成されたシリコンウエハ上に、ホトレジスト(東京応化工業株式会社製、商品名「TDUR−P036PM」)をスピンナー塗布し、90℃で90秒間ベーク処理することにより、膜厚480nmのホトレジスト膜を形成した。その後、得られたホトレジスト膜に対し、露光装置(ニコン株式会社製、商品名「NSR−S203B」)を用いて所定のパターン露光を行い、120℃で90秒間加熱処理した。次いで、2.38質量%テトラアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて23℃で60秒間の現像処理を施すことにより、直径196nm(ピッチ400nm)のホールパターンA’、及び直径161nm(ピッチ2000nm)のホールパターンB’を形成した。
得られたホールパターン上に、下表2の各レジストパターン微細化用被覆形成剤(各レジストパターン微細化用被覆形成剤の固形分質量濃度は全て7.5質量%に調整した)をそれぞれ200nmの膜厚となるように塗布し、116℃にて60秒間加熱処理し、レジストパターンを収縮させた。次いで、23℃の純水を用いて60秒間水洗し、レジストパターン微細化用被覆形成剤を除去することにより、微細化されたホールパターンを得た。
各微細化されたホールパターンについて、収縮量の評価を行った。収縮量の評価は、レジストパターン微細化後のホールパターンの径を、測長SEMを用いて測定することにより行った。得られた評価結果を同表2に示す。ただし比較例10については、前記被覆形成剤を使用せずに上記と同様の加熱処理を行った。
Figure 2008241754
上表2中、「PAA」は、ポリアクリル酸(日本純薬社製、商品名「AC−10LP」、質量平均分子量33000)であり、他は全て表1と同様である。
表1及び2に示される通り、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールとの共重合体を含有する被覆形成剤を用いた本実施例は、比較例に比して収縮量が大きいことが確認され、近年の半導体デバイスのさらなる微細化に対応し得るものであることが確認された。

Claims (6)

  1. レジストパターンを有する基板上に被覆され、微細パターンを形成するために用いられるレジストパターン微細化用被覆形成剤であって、
    N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールとの共重合体である第1の水溶性ポリマーを含有することを特徴とするレジストパターン微細化用被覆形成剤。
  2. 第2の水溶性ポリマーをさらに含有することを特徴とする請求項1に記載のレジストパターン微細化用被覆形成剤。
  3. 前記第2の水溶性ポリマーは、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項2に記載のレジストパターン微細化用被覆形成剤。
  4. 前記第2の水溶性ポリマーは、前記第1の水溶性ポリマー100モル%に対して30モル%〜300モル%含有することを特徴とする請求項2又は3に記載のレジストパターン微細化用被覆形成剤。
  5. 前記レジストパターン微細化用被覆形成剤は、レジストパターンを有する基板上を被覆し、その熱収縮作用により前記レジストパターンの間隔を狭小せしめて微細パターンを形成するために用いられるものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のレジストパターン微細化用被覆形成剤。
  6. レジストパターンを有する基板上に、請求項1から5のいずれか1項に記載のレジストパターン微細化用被覆形成剤を用いて被膜を形成した後、加熱して前記被膜を収縮させることにより前記レジストパターンの間隔を狭小せしめ、次いで前記被膜を除去することを特徴とする微細レジストパターン形成方法。
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