JP2004207274A - 水溶性樹脂被覆形成剤供給用装置の洗浄液および洗浄方法、並びに微細パターンの形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水溶性樹脂被覆形成剤(アルキレングリコール系重合体、セルロース系誘導体、ビニル系重合体、アクリル系重合体などの水溶性樹脂を含む被覆形成剤)を被塗布体上に供給する装置を洗浄するための洗浄液であって、ラクトン系溶媒(特にはγ−ブチロラクトン)を主成分として含むことを特徴とする洗浄液、および該洗浄液を用いた洗浄方法、並びにこれを用いた微細パターンの形成方法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はホトリソグラフィ技術分野における水溶性樹脂被覆形成剤を供給する装置を洗浄するための洗浄液および洗浄方法、並びにこれを用いた微細パターンの形成方法に関する。さらに詳しくは、近年の半導体デバイスの集積化、微小化に対応し得る洗浄液および洗浄方法、並びにこれを用いた微細パターンの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイス、液晶デバイス等の電子部品の製造においては、基板にエッチングなどの処理を施すに際し、活性放射線に感応するいわゆる感放射線ホトレジストを用いて基板上に被膜(ホトレジスト層)を設け、次いでこれを活性放射線で選択的に照射して露光し、現像処理を行って、ホトレジスト層を選択的に溶解除去して基板上に画像パターン(ホトレジストパターン)を形成し、これを保護層(マスクパターン)として基板にホールパターン、トレンチパターン等のコンタクト用パターンなどの各種パターンを形成するホトリソグラフィー技術が用いられている。
【0003】
近年、半導体デバイスの集積化、微小化の傾向が高まり、これらパターンの形成についても微細化が進み、現在パターン幅0.20μm以下の超微細加工が要求されており、マスクパターン形成に用いられる活性光線も、KrF、ArF、F2エキシマレーザー光や、電子線などの短波長の照射光が利用され、マスクパターン形成材料としてのホトレジスト材料についても、これらの照射光に対応した物性をもつものの研究・開発が行われている。
【0004】
このようなホトレジスト材料の面からの超微細化対応策に加え、パターン形成方法の面からも、ホトレジスト材料のもつ解像度の限界を超えるパターン微細化技術の研究・開発が行われている。
【0005】
例えば、特開平5−166717号公報(特許文献1)では、基板上に塗布したパターン形成用レジストに抜きパターンを形成した後、該パターン形成用レジストとミキシングするミキシング生成用レジストを基板全面に塗布した後、ベークして、ミキシング層をパターン形成用レジスト側壁〜表面に形成し、前記ミキシング生成用レジストの非ミキシング部分を除去して、上記ミキシング層寸法分の微細化を図った抜きパターン形成方法が開示されている。
【0006】
特開平5−241348号公報(特許文献2)では、酸発生剤を含有するレジストパターンを形成した基板上に、酸の存在下で不溶化する樹脂を被着した後、熱処理し、前記樹脂にレジストから酸を拡散させて樹脂とレジストパターン界面付近に一定厚さのレジストを形成した後、現像して、酸の拡散がされていない樹脂部分を除去することにより、上記一定の厚さ寸法分の微細化を図ったパターン形成方法が開示されている。
【0007】
特開平7−45510号公報(特許文献3)では、基板上にレジストパターンを形成した後、基板上に前記レジストパターンの熱流動しすぎを防止するためのストッパとしての樹脂を形成し、次いで熱処理し、レジストを流動化させてパターン寸法を変化させた後、樹脂を除去して微細なパターンを形成する方法が開示されている。
【0008】
上記各従来技術においては、疎水性を呈するホトレジストパターンの表面あるいは側壁に親水性樹脂を塗布し、樹脂層を形成するため、これら親水性樹脂の膜厚を均一に塗布することが困難なことがある。また、近年のウェーハの大口径化に伴い、微細パターン形成に対する要求項目の高難度化と、用いる親水性樹脂の少量化が求められている。特にパターンの極微細化がすすむにつれ、パターン間への樹脂の完全な塗入が難しく、一部樹脂が塗入されない部分が生じたり、気泡が生じたりして、パターン形成の不具合が生じやすいという問題がある。
【0009】
上記以外にも、レジストパターン自体を微細化させる方法として、特開2001−281886号公報(特許文献4)には、水溶性樹脂を含有するレジストパターン縮小化材料からなる酸性被膜をレジストパターン表面に被覆した後、レジストパターン表面層をアルカリ可溶性に転換し、次いで該表面層と酸性被膜をアルカリ性溶液で除去して、レジストパターンを縮小させる方法が開示され、特開2002−184673号公報(特許文献5)には、基板上にレジストパターンと、該レジストパターン上に水溶性膜形成成分を含む塗膜を形成し、これらレジストパターンと塗膜を熱処理した後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に浸水させて、ドライエッチング工程を経ることなく微細化レジストパターンを形成する方法が開示されている。
【0010】
他方、パターン形状の向上を図った方法として、例えば特開平5−188598号公報(特許文献6)に示すように、ホトレジスト層の上層に反射防止膜を設け、これら反射防止膜を利用してマスクパターンに忠実なホトレジストパターンを形成する方法がある。
【0011】
上述したような被膜形成剤や反射防止膜は、最終的には水あるいは水系溶媒でで除去するため、水溶性ポリマーを主成分とする水溶性樹脂被覆形成剤が用いられる。
【0012】
これら水溶性樹脂被覆形成剤は、それを収容した容器から塗布装置の配管を通り吐出口から基板上に供給、塗布される。塗布装置内は、長時間の通液により、該水溶性樹脂被覆形成剤に由来する残渣物などが付着するのは免れ得ない。したがって、このような不具合の発生の予防、防止のために定期的に塗布装置の洗浄を行う必要がある。また、同一塗布装置を用いて供給液の切り替えの必要が生じることもある。このような場合、液の供給や塗布装置に影響を与えず、かつパターン形成にも影響を及ぼさない洗浄液が望まれている。
【0013】
これまでホトリソグラフィ分野で水溶性樹脂被覆形成剤を供給するための装置を洗浄する洗浄液についてはあまり検討がなされておらず、通常、水やN,N−ジメチルアセトアミドなどにより行っていた。しかし、水やN,N−ジメチルアセトアミドなどを用いた洗浄では、洗浄後、液供給作業を再開する前に使用溶液であらかじめ多量の空流しを行う必要があり、作業効率、作業コスト等の面から問題があった。また残渣が十分に溶解しきれずに残存し、パーティクル発生の原因にもなっていた。さらには、発熱等の問題も発生し、安全性等の問題も無視できない。
【0014】
なお、γ−ブチロラクトンを主成分とする洗浄液を用いた従来技術として、特開平6−346091号公報(特許文献7)にi線用ホトレジストが付着した装置の洗浄にγ−ブチロラクトンを主成分とする洗浄液を用いることが記載され、特開2000−319691号公報(特許文献8)にエッジリンス、バックリンス用の洗浄液として60〜100質量%のγ−ブチロラクトンを用いることが記載されている。しかしこれらのいずれにも、水溶性ポリマーを主成分とする水溶性樹脂被覆形成剤の洗浄除去についての記載、示唆はなく、当該用途に適用することによる効果についての記載、示唆もない。
【0015】
【特許文献1】
特開平5−166717号公報
【特許文献2】
特開平5−241348号公報
【特許文献3】
特開平7−45510号公報
【特許文献4】
特開2001−281886号公報
【特許文献5】
特開2002−184673号公報
【特許文献6】
特開平5−188598号公報
【特許文献7】
特開平6−346091号公報
【特許文献8】
特開2000−319691号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、水溶性ポリマーを主成分とする水溶性被覆形成剤の供給用装置の洗浄に最適な洗浄液および洗浄方法、並びにこれを用いて、パターン寸法の制御性に優れるとともに、良好なプロフィルおよび半導体デバイスにおける要求特性を備えた微細パターンの形成方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、水溶性樹脂被覆形成剤を被塗布体上に供給する装置を洗浄するための洗浄液であって、ラクトン系溶媒を主成分として含むことを特徴とする洗浄液を提供する。
【0018】
上記洗浄液において、水溶性樹脂被覆形成剤が、ホトレジストパターンを有する基板上に被覆された後、熱処理により熱収縮し、その熱収縮作用を利用してホトレジストパターン間の間隔を狭小せしめ、次いで該水溶性樹脂被覆形成剤を除去して微細パターンを形成するために使用されるものであるのが好ましい。
【0019】
また本発明は、水溶性樹脂被覆形成剤を被塗布体上に供給する装置の洗浄方法であって、上記洗浄液を用いて洗浄することを特徴とする洗浄方法を提供する。
【0020】
また本発明は、ホトレジストパターンを有する基板上に、上記洗浄液により洗浄した装置により供給された水溶性樹脂被覆形成剤を被覆した後、熱処理により該被覆形成剤を熱収縮させ、その熱収縮作用を利用してホトレジストパターン間の間隔を狭小せしめ、次いで上記被覆形成剤を除去する工程を含む、微細パターンの形成方法を提供する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
【0022】
本発明で用いる洗浄液は、水溶性樹脂被覆形成剤を被塗布体上に供給する装置を洗浄するのに用いられ、ラクトン系溶媒単独、あるいはラクトン系溶媒と他の溶媒の混合液のいずれかである。本発明ではラクトン系溶媒を単独で用いるのが好ましい。
【0023】
なお本発明において、上記装置は、水溶性樹脂被覆形成剤が通液し接触するポンプ、配管、フィルタ、ノズル等のラインすべてを包含する。
【0024】
上記ラクトン系溶媒としては、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン等が挙げられるが、中でもγ−プチロラクトンが特に好ましい。
【0025】
ラクトン系溶媒と混合して用いられ得る他の溶媒としては、上記ラクトン系溶媒と反応を起さず、ホトリソグラフィー技術分野で用いられ得る溶媒であれば特に限定されるものでないが、アルコール系溶媒、スルホキシド系溶媒、スルホン系溶媒、アミド系溶媒、ラクタム系溶媒、イミダゾリジノン系溶媒、グリコール系溶媒、およびエーテル系溶媒の中から選ばれる少なくとも1種が好ましく用いられる。
【0026】
アルコール系溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、グリセリン等が挙げられる。
【0027】
スルホキシド系溶媒としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)等が挙げられる。
【0028】
スルホン系溶媒としては、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホン、テトラメチレンスルホン等が挙げられる。
【0029】
アミド系溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等が挙げられる。
【0030】
ラクタム系溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−プロピル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
【0031】
イミダゾリジノン系溶媒としては、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジイソプロピル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。
【0032】
グリコール系溶媒としては、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
【0033】
エーテル系溶媒としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルフェニルエーテル(=アニソール)等が挙げられる。
【0034】
中でもイソプロピルアルコール、アニソール等が好ましく用いられる。
【0035】
これら溶媒を洗浄液中にラクトン系溶媒との混合溶媒として用いる場合、ラクトン系溶媒が洗浄液中に50質量%以上、特には60質量%以上となるようにするのが好ましい。
【0036】
このような本発明の洗浄液を用いた洗浄方法としては、例えば、塗布装置の配管内から塗布液を出し切って空にし、そこに本発明洗浄液を流し込んで配管内に満たし、そのまま所定期間放置する。所定期間後、洗浄液を配管から排出しながら、若しくは排出した後、水溶性樹脂被覆形成剤を配管内に流し込んで軽く通液した後、被塗布体上への供給を開始する。本発明洗浄液は、水溶性ポリマーを主成分とする水溶性樹脂被覆形成剤との相容性に優れ、また反応性もないことから、発熱やガス発生などがなく、配管内での分離・白濁等の液の性状異常もみられず、液中の異物増加がない、等の優れた効果がある。特に、長期間の使用により配管内に水溶性樹脂被覆形成剤の残渣が付着していた場合であっても、本発明洗浄液によりこれら残渣が溶解され、パーティクル発生の要因を完全に除去することができる。また液供給作業の再開にあたっては、洗浄液を排出しながら、若しくは排出した後、特に空流しを軽く行うだけで、液供給作業を開始することができる。
【0037】
このように塗布装置を洗浄した後、水溶性樹脂被覆形成剤を被塗布体上に塗布する。
【0038】
被塗布体としては、ホトリソグラフィー分野において適用され得るものであれば特に限定されるものでなく、例えば基板上に設けられた層間膜等の絶縁膜やホトレジストパターンなどが例示される。本発明では特に、ホトレジストパターンを有する基板への塗布に有用であるが、これに限定されるものでないことはもちろんである。
【0039】
本発明では、水溶性樹脂被覆形成剤として、パターン微細化用被覆形成剤を用いた場合、パターンの微細化をホトレジストの解像度を超えて効率よく行うことができ特に好ましい。以下に本発明洗浄液を用いた一態様として、パターン微細化用水溶性樹脂被覆形成剤を用いた微細パターンの形成方法について述べる。
【0040】
パターン微細化用水溶性樹脂被覆形成剤としては、室温で水に溶解し得るポリマーを含有するものが好ましく、該水溶性ポリマーとしては、アクリル系重合体、ビニル系重合体、セルロース系誘導体、アルキレングリコール系重合体、尿素系重合体、メラミン系重合体、エポキシ系重合体、アミド系重合体などが好ましく用いられる。
【0041】
アクリル系重合体としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、アクリロイルモルホリン等の単量体を構成成分とする重合体または共重合体が挙げられる。
【0042】
ビニル系重合体としては、例えば、N−ビニルピロリドン、ビニルイミダゾリジノン、酢酸ビニル等の単量体を構成成分とする重合体または共重合体が挙げられる。
【0043】
セルロース系誘導体としては、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースヘキサヒドロフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロール、セルロールアセテートヘキサヒドロフタレート、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース等が挙げられる。
【0044】
アルキレングリコール系重合体としては、例えば、エチレングリコール、プロピレンググリコール等の付加重合体または付加共重合体などが挙げられる。
【0045】
尿素系重合体としては、例えば、メチロール化尿素、ジメチロール化尿素、エチレン尿素等を構成成分とするものが挙げられる。
【0046】
メラミン系重合体としては、例えば、メトキシメチル化メラミン、メトキシメチル化イソブトキシメチル化メラミン、メトキシエチル化メラミン等を構成成分とするものが挙げられる。
【0047】
さらに、エポキシ系重合体、ナイロン系重合体などの中で水溶性のものも用いることができる。
【0048】
中でも、アルキレングリコール系重合体、セルロース系重合体、ビニル系重合体、アクリル系重合体の中から選ばれる少なくとも1種を含む構成とするのが好ましく、特には、pH調整が容易であるという点からアクリル系重合体が最も好ましい。さらには、アクリル系重合体と、アクリル系重合体以外の水溶性ポリマーとの共重合体とすることが、加熱処理時にホトレジストパターンの形状を維持しつつ、ホトレジストパターン間隔の収縮効率を高くすることができるという点から好ましい。水溶性ポリマーは1種または2種以上を用いることができる。
【0049】
水溶性ポリマーは、共重合体として用いた場合、構成成分の配合比は特に限定されるものでないが、特に経時安定性を重視するなら、アクリル系重合体の配合比を、それ以外の他の構成重合体よりも多くすることが好ましい。なお、経時安定性の向上は、アクリル系重合体を上記のように過多に配合する以外に、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等の酸性化合物を添加することにより解決することも可能である。
【0050】
界面活性剤も好ましく含有される。該界面活性剤としては、特に限定されるものでないが、上記水溶性ポリマーに添加した際、溶解性が高く、懸濁を発生せず、ポリマー成分に対する相容性がある、等の特性が必要である。このような特性を満たす界面活性剤を用いることにより、従来問題となっていた、特に被覆用材料を塗布する際の気泡(マイクロフォーム)発生と関係があるとされる、ディフェクトの発生をより効果的に防止することができる。
【0051】
上記の点から、本発明では、界面活性剤としてはN−アルキルピロリドン系界面活性剤、第4級アンモニウム塩系界面活性剤、およびポリオキシエチレンのリン酸エステル系界面活性剤の中から選ばれる少なくとも1種が好ましく用いられる。
【0052】
N−アルキルピロリドン系界面活性剤としては、下記一般式(I)
【0053】
【0054】
(式中、R1は炭素原子数6以上のアルキル基を示す)
で表されるものが好ましい。
【0055】
かかるN−アルキルピロリドン系界面活性剤として、具体的には、N−ヘキシル−2−ピロリドン、N−へプチル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドン、N−ノニル−2−ピロリドン、N−デシル−2−ピロリドン、N−デシル−2−ピロリドン、N−ウンデシル−2−ピロリドン、N−ドデシル−2−ピロリドン、N−トリデシル−2−ピロリドン、N−テトラデシル−2−ピロリドン、N−ペンタデシル−2−ピロリドン、N−ヘキサデシル−2−ピロリドン、N−ヘプタデシル−2−ピロリドン、N−オクタデシル−2−ピロリドン等が挙げられる。中でもN−オクチル−2−ピロリドン(「SURFADONE LP100」;ISP社製)が好ましく用いられる。
【0056】
第4級アンモニウム系界面活性剤としては、下記一般式(II)
【0057】
【0058】
〔式中、R2、R3、R4、R5はそれぞれ独立にアルキル基またはヒドロキシアルキル基を示し(ただし、そのうちの少なくとも1つは炭素原子数6以上のアルキル基またはヒドロキシアルキル基を示す);X-は水酸化物イオンまたはハロゲンイオンを示す〕
で表されるものが好ましい。
【0059】
かかる第4級アンモニウム系界面活性剤として、具体的には、ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、トリデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ペンタデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、へプタデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、オクタデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。中でも、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシドが好ましく用いられる。
【0060】
ポリオキシエチレンのリン酸エステル系界面活性剤としては、下記一般式(III)
【0061】
【0062】
(式中、R6は炭素原子数1〜10のアルキル基またはアルキルアリル基を示し;R7は水素原子または(CH2CH2O)R6(ここでR6は上記で定義したとおり)を示し;nは1〜20の整数を示す)
で示されるものが好ましい。
【0063】
かかるポリオキシエチレンのリン酸エステル系界面活性剤としては、具体的には「プライサーフA212E」、「プライサーフA210G」(以上、いずれも第一工業製薬(株)製)等として市販されているものを好適に用いることができる。
【0064】
これら界面活性剤の中でも、特にディフェクト低減の点からは、ポリオキシエチレンのリン酸エステル系界面活性剤が好ましく用いられる。
【0065】
界面活性剤の配合量は、被覆形成剤(固形分)に対して0.1〜10質量%程度とするのが好ましく、特には0.2〜2質量%程度である。上記配合量範囲を外れた場合、塗布性の悪化に起因する、面内均一性の低下に伴うパターンの収縮率のバラツキ、あるいはマイクロフォームと呼ばれる塗布時に発生する気泡に因果関係が深いと考えられるディフェクトの発生といった問題が生じるおそれがある。
【0066】
本発明に用いられるパターン微細化用被覆形成剤には、不純物発生防止、pH調整等の点から、所望により、さらに水溶性アミンを配合してもよい。
【0067】
かかる水溶性アミンとしては、25℃の水溶液におけるpKa(酸解離定数)が7.5〜13のアミン類が挙げられる。具体的には、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン類;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、プロピレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、N−エチル−エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン等のポリアルキレンポリアミン類;トリエチルアミン、2−エチル−ヘキシルアミン、ジオクチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリアリルアミン、ヘプチルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂肪族アミン;ベンジルアミン、ジフェニルアミン等の芳香族アミン類;ピペラジン、N−メチル−ピペラジン、メチル−ピペラジン、ヒドロキシエチルピペラジン等の環状アミン類等が挙げられる。中でも、沸点140℃以上(760mmHg)のものが好ましく、例えばモノエタノールアミン、トリエタノールアミン等が好ましく用いられる。
【0068】
水溶性アミンを配合する場合、被覆形成剤(固形分)に対して0.1〜30質量%程度の割合で配合するのが好ましく、特には2〜15質量%程度である。0.1質量%未満では経時による液の劣化が生じるおそれがあり、一方、30質量%超ではホトレジストパターンの形状悪化を生じるおそれがある。
【0069】
また本発明に用いられるパターン微細化用被覆形成剤には、ホトレジストパターン寸法の微細化、ディフェクトの発生抑制などの点から、所望により、さらに非アミン系水溶性有機溶媒を配合してもよい。
【0070】
かかる非アミン系水溶性有機溶媒としては、水と混和性のある非アミン系有機溶媒であればよく、例えばジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホン、テトラメチレンスルホン等のスルホン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアミド類;N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−プロピル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン等のラクタム類;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジイソプロピル−2−イミダゾリジノン等のイミダゾリジノン類;エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、グリセリン、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール等の多価アルコール類およびその誘導体が挙げられる。中でも、ホトレジストパターン寸法の微細化、ディフェクト発生抑制の点から多価アルコール類およびその誘導体が好ましく、特にはグリセリンが好ましく用いられる。非アミン系水溶性有機溶媒は1種または2種以上を用いることができる。
【0071】
非アミン系水溶性有機溶媒を配合する場合、水溶性ポリマーに対して0.1〜30質量%程度の割合で配合するのが好ましく、特には0.5〜15質量%程度である。上記配合量が0.1質量%未満ではディフェクト低減効果が低くなりがちであり、一方、30質量%超ではホトレジストパターンとの間でミキシング層を形成しがちとなり、好ましくない。
【0072】
本発明に用いられるパターン微細化用被覆形成剤は、3〜50質量%濃度の水溶液として用いるのが好ましく、5〜20質量%濃度の水溶液として用いるのが特に好ましい。濃度が3質量%未満では基板への被覆不良となるおそれがあり、一方、50質量%超では、濃度を高めたことに見合う効果の向上が認められず、取扱い性の点からも好ましくない。
【0073】
なお、本発明に用いられるパターン微細化用被覆形成剤は、上記したように溶媒として水を用いた水溶液として通常用いられるが、水とアルコール系溶媒との混合溶媒を用いることもできる。アルコール系溶媒としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の1価アルコール等が挙げられる。これらのアルコール系溶媒は、水に対して30質量%程度を上限として混合して用いられる。
【0074】
本発明に用いられるパターン微細化用被覆形成剤は、ホトレジスト材料のもつ解像度の限界を超えるほどに解像性を向上させる効果を奏し、また基板面内におけるパターンのバラツキを是正して面内均一性を得ることができ、さらに、露光光の基板からの反射光等に起因するパターン形状の乱れ(ラフネス)を是正してプロフィルの良好なパターンを形成することができる。さらに、ディフェクト発生を抑制することができる効果を奏する。
【0075】
本発明に係る微細パターン形成方法は、ホトレジストパターンを有する基板上に、上記した本発明に係る水溶性樹脂被覆の形成方法によってパターン微細化用被覆形成剤を被覆した後、熱処理により該被覆形成剤を熱収縮させ、その熱収縮作用によりホトレジストパターン間の間隔を狭小せしめ、次いで上記被覆形成剤を除去する工程を含む。
【0076】
ホトレジストパターンを有する基板の作製は、特に限定されるものでなく、半導体デバイス、液晶表示素子、磁気ヘッドあるいはマイクロレンズなどの製造において用いられる常法により行うことができる。例えば、シリコンウェーハ等の基板上に、化学増幅型等のホトレジスト用組成物を、スピンナーなどで塗布、乾燥してホトレジスト層を形成した後、縮小投影露光装置などにより、紫外線、deep−UV、エキシマレーザー光などの活性光線を、所望のマスクパターンを介して照射するか、あるいは電子線により描画した後、加熱し、次いでこれを現像液、例えば1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液等のアルカリ性水溶液などを用いて現像処理することによって、基板上にホトレジストパターンを形成することができる。
【0077】
なお、ホトレジストパターンの材料となるホトレジスト用組成物としては、特に限定されるものではなく、i、g線用ホトレジスト組成物、KrF、ArF、F2等のエキシマレーザー用ホトレジスト組成物、さらにはEB(電子線)用ホトレジスト組成物等、広く一般的に用いられるホトレジスト組成物を用いることができる。
【0078】
次いで、このようなホトレジストパターンを有する基板上に、パターン微細化用被覆形成剤を塗布し被覆する。なお、被覆形成剤を塗布した後に、80〜100℃の温度で30〜90秒間、基板にプリベークを施してもよい。
【0079】
被覆方法は従来の熱フロープロセスにおいて通常行われていた方法に従って行うことができる。すなわち、バーコーター法、ロールコーター法、スリットコーター法、スピンナーを用いた回転塗布方法等の公知の手段により、上記パターン微細化用被覆形成剤の水溶液を、基板上に塗布する。
【0080】
次いで熱処理を行って、被覆形成剤からなる塗膜を熱収縮させる。これにより、該塗膜に接するホトレジストパターンが塗膜の熱収縮相当分幅広・広大となり、ホトレジストパターンどうしが互いに近接した状態となってホトレジストパターン間の間隔が狭められる。このホトレジストパターン間の間隔は、すなわち、最終的に得られるパターンの径や幅を規定することから、上記したパターン微細化用被覆形成剤からなる塗膜の熱収縮によりホールパターンの径やトレンチパターンの幅を狭小化させることができ、パターンの微細化を行うことができる。
【0081】
加熱温度は、パターン微細化用被覆形成剤からなる塗膜の熱収縮を起し得る温度であって、パターンの微細化を行うに十分な温度であれば、特に限定されるものでないが、ホトレジストパターンに熱流動を起させない温度で加熱するのが好ましい。ホトレジストパターンに熱流動を起させない温度とは、被覆形成剤からなる塗膜の形成がされてなく、ホトレジストパターンだけを形成した基板を加熱した場合、該ホトレジストパターン自体に寸法変化(例えば、自発的流動による寸法変化等)を生じさせない温度をいう。このような温度での加熱処理により、プロフィルの良好な微細パターンの形成をより一層効果的に行うことができ、また特にウェーハ面内におけるデューティ(Duty)比、すなわちウェーハ面内におけるパターン間隔に対する依存性を小さくすることができる等の点において極めて効果的である。現在のホトリソグラフィー技術において用いられる種々のホトレジスト組成物の軟化点等を考慮すると、好ましい加熱処理は通常、80〜160℃程度の温度で、ただしホトレジストに熱流動を起させない温度で、30〜90秒間程度行われる。
【0082】
また、パターン微細化用被覆形成剤からなる塗膜の厚さとしては、ホトレジストパターンの高さと同程度あるいはそれを覆う程度の高さが好ましい。
この後、パターン上に残留する被覆形成剤からなる塗膜は、水系溶媒、好ましくは純水により10〜60秒間洗浄することにより除去する。なお、水除去に先立ち、所望によりアルカリ水溶液(例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリンなど)でリンス処理をしてもよい。本発明に適用されるパターン微細化用被覆形成剤は、水での洗浄除去が容易で、かつ、基板およびホトレジストパターンから完全に除去することができる。
【0083】
そして基板上に、幅広・広大となったホトレジストパターンの間に画定された、微小化されたパターンを有する基板が得られる。
【0084】
このようにして得られる微細パターンは、これまでの方法によって得られる解像限界よりも微細なパターンサイズを有するとともに、良好なプロフィルを有し、所要の要求特性を十分に満足し得る物性を備えたものである。
【0085】
なお、上記の塗布−加熱処理−被覆形成剤除去工程を複数回、繰り返して行ってもよい。このように上記工程を複数回繰返すことにより、ホトレジストパターン(マスクパターン)を徐々に幅広・広大とすることができる。
【0086】
本発明が適用される技術分野としては、半導体分野に限られず、広く液晶表示素子、磁気ヘッド製造、さらにはマイクロレンズ製造等に用いることが可能である。
【0087】
【実施例】
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、配合量は特記しない限り質量%である。
【0088】
実施例1(発熱、ガス発生、分離・白濁等の有無の確認)
アクリル酸とビニルピロリドンのコポリマー(アクリル酸:ビニルピロリドン=2:1(重合比))を水に溶解した水溶性樹脂被覆形成剤20gと、γ−ブチロラクトン20gとを混合し、1分間振盪した。その後、静置し、液の性状(分離・白濁等)およびガス発生に伴う気泡について目視にて確認を行った。また、アルコール温度計を液中に浸漬し、混合液温の上昇についても確認を行った。
【0089】
測定の結果、水溶性樹脂被覆形成剤とγ−ブチロラクトンを混合すると、均一に混合し、ガス発生、液温の上昇は確認されなかった。分離・白濁等もみられなかった。
【0090】
実施例2(異物発生の有無の確認)
アクリル酸とビニルピロリドンのコポリマー(アクリル酸:ビニルピロリドン=2:1(重合比))を水に溶解した水溶性樹脂被覆形成剤、γ−ブチロラクトンを質量比1:9、5:5、9:1の割合で混合し、全量を400gとした。その後、1分間振蕩した後、室温(25℃)にて静置し、混合1日後、1週間後、2週間後、3週間後における液中パーティクル(粒径0.30μm未満、0.50μm未満)を、液中パーティクルカウンタにて測定した。結果を表1に示す。なお、表1中、「GBL」はγ−ブチロラクトンを示す。
【0091】
【表1】
【0092】
表1に示す結果から明らかなように、本発明洗浄液と水溶性樹脂被覆形成剤とを混合した場合、液中の異物の発生が少なく、長期間放置した場合でも異物の増加は確認されなかった。
【0093】
比較例1
実施例2において、γ−ブチロラクトンの代わりにN,N−ジメチルアセトアミドを洗浄液として用いた以外は、実施例2と同様にして、ただし、水溶性樹脂被覆形成剤、N,N−ジメチルアセトアミドを質量比1:9、5:5の割合で混合したものについてのみ、実験を行った。結果を表2に示す。なお、表2中、「DMAc」はN,N−ジメチルアセトアミドを示す。混合後に15.0℃の発熱がみられたほか、混合1日後から異物の発生が極めて多く、長時間放置した場合でも異物の数は多い状態であった。
【0094】
【表2】
【0095】
実施例3
アクリル酸とビニルピロリドンのコポリマー(アクリル酸:ビニルピロリドン=2:1(重量比))10g、界面活性剤として「SURFADONE LP100」(ISP社製)の0.02gを純水に溶解し、全体の固形分濃度を8.0質量%とした水溶性樹脂被覆形成剤を調製した。
【0096】
該被覆形成剤を内径3mmの配管(ポリテトラフルオロエチレン製)を通液させて基板上への供給を6ヶ月間行った。チューブ管壁に微粒子付着物発生が認められた。そこで配管内を空にし、ここにγ−ブチロラクトンを6時間満たした後、上記水溶性樹脂被覆形成剤を流し込み、軽く通液した後、ホールパターンの直径180nmのKrF対応ポジ型ホトレジストパターンを形成した基板上に水溶性樹脂被覆形成剤を供給、塗布し、116℃で60秒間加熱処理を行った。続いて23℃で純水を用いて水溶性樹脂被覆形成剤を除去した。このときホールパターンの直径は約160nmで微細化されたパターンが得られた。塗膜の面内均一性も良好で、フローレートのバラツキも少なく抑えることができ、パーティクルの発生に起因するパターン欠陥も全くみられなかった。
【0097】
【発明の効果】
本発明の洗浄液は、水溶性樹脂被覆形成剤との相容性に優れ、発熱やガス発生がなく、分離・白濁等の液の性状異常もなく、液中の異物増加がない、等の優れた効果を奏する。本発明により、水溶性ポリマーを主成分とする水溶性樹脂被覆形成剤を供給する装置を用いた作業効率の向上、製造コストの低減化、等を図ることができ、近年の半導体デバイスの集積化、微小化に対応し得る洗浄液および洗浄方法、並びに微細パターンの形成方法が提供される。
Claims (11)
- 水溶性樹脂被覆形成剤を被塗布体上に供給する装置を洗浄するための洗浄液であって、ラクトン系溶媒を主成分として含むことを特徴とする洗浄液。
- 洗浄液が、ラクトン系溶媒単独、あるいはラクトン系溶媒とアルコール系溶媒、スルホキシド系溶媒、スルホン系溶媒、アミド系溶媒、ラクタム系溶媒、イミダゾリジノン系溶媒、グリコール系溶媒およびエーテル系溶媒の中から選ばれる少なくとも1種との混合溶媒である、請求項1記載の洗浄液。
- ラクトン系溶媒が少なくともγ−ブチロラクトンを含む、請求項1または2記載の洗浄液。
- 被塗布体がホトレジストパターンを有する基板である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗浄液。
- 水溶性樹脂被覆形成剤が、ホトレジストパターンを有する基板上に被覆された後、熱処理により熱収縮し、その熱収縮作用を利用してホトレジストパターン間の間隔を狭小せしめ、次いで該水溶性樹脂被覆形成剤を除去して微細パターンを形成するために使用される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の洗浄液。
- 水溶性樹脂被覆形成剤が、アルキレングリコール系重合体、セルロース系誘導体、ビニル系重合体、アクリル系重合体、尿素系重合体、エポキシ系重合体、メラミン系重合体、およびナイロン系重合体の中から選ばれる少なくとも1種の水溶性樹脂を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の洗浄液。
- 水溶性樹脂被覆形成剤が、アルキレングリコール系重合体、セルロース系誘導体、ビニル系重合体、およびアクリル系重合体の中から選ばれる少なくとも1種の水溶性樹脂を含有する、請求項6記載の洗浄液。
- 被覆形成剤が濃度3〜50質量%の水溶液である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の洗浄液。
- 水溶性樹脂被覆形成剤を被塗布体上に供給する装置の洗浄方法であって、請求項1〜8のいずれか1項に記載の洗浄液を用いて洗浄することを特徴とする洗浄方法。
- ホトレジストパターンを有する基板上に、請求項1〜8のいずれか1項に記載の洗浄液により洗浄した装置により供給された水溶性樹脂被覆形成剤を被覆した後、熱処理により該被覆形成剤を熱収縮させ、その熱収縮作用を利用してホトレジストパターン間の間隔を狭小せしめ、次いで上記被覆形成剤を除去する工程を含む、微細パターンの形成方法。
- 熱処理を、基板上のホトレジストパターンに熱流動を起させない温度で加熱して行う、請求項10記載の微細パターンの形成方法
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WO2007063985A1 (ja) * | 2005-12-02 | 2007-06-07 | Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. | ホトリソグラフィ用洗浄液およびこれを用いた基板の洗浄方法 |
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KR101486625B1 (ko) * | 2008-11-07 | 2015-01-26 | 램 리써치 코포레이션 | 파티클 제거를 위한 세정 재료의 조성물 |
JP2016113485A (ja) * | 2014-12-11 | 2016-06-23 | 信越化学工業株式会社 | 洗浄液及び塗布成膜装置配管の洗浄方法 |
-
2002
- 2002-12-20 JP JP2002371024A patent/JP2004207274A/ja active Pending
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