JP2008240049A - 蒸着装置 - Google Patents

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JP2008240049A JP2007080866A JP2007080866A JP2008240049A JP 2008240049 A JP2008240049 A JP 2008240049A JP 2007080866 A JP2007080866 A JP 2007080866A JP 2007080866 A JP2007080866 A JP 2007080866A JP 2008240049 A JP2008240049 A JP 2008240049A
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Toshiko Hosoda
登志子 細田
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Abstract

【課題】高品質の薄膜を形成することができると共に、防着板の交換頻度を大幅に少なく
し、製造効率を飛躍的に向上することができる蒸着装置を提供する。
【解決手段】蒸着装置1は、蒸着槽2と、蒸着槽2内に配置され、被蒸着体10に蒸着さ
れる蒸着物質41を供給する蒸着源4と、蒸着槽2内に交換可能に取り付けられ、蒸着物
質41が蒸着槽2の側部隔壁21に付着することを防止する防着板6と、蒸着時に防着ガ
スを防着板6に略沿って流すように蒸着槽2内に流入する流入口8と、蒸着槽2内から防
着ガスを排出する排出口9とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、蒸着装置に関する。
有機EL装置の基板など被蒸着体に薄膜を形成する方法として、真空蒸着が知られてい
る。真空蒸着は、蒸着槽内に蒸着源と被蒸着体を配置すると共に蒸着槽内を真空雰囲気と
し、蒸着源を加熱することで蒸着物質を蒸発させ、蒸着物質を被蒸着体の表面に堆積させ
るものである。真空蒸着装置では、前記蒸発した蒸着物質が蒸着槽内壁に付着して剥離す
ると、新たに蒸着する蒸着物質が汚染され、薄膜の品質低下を生ずる。そのため、通常は
前記蒸着槽内に防着板を交換可能に設置し、前記防着板に蒸発した蒸着物質を付着させ、
蒸着物質の蒸着槽内壁への付着を防止している(特許文献1参照)。
特開2003−55754号公報
ところで、上記装置は、蒸発した蒸着物質を交換可能な防着板に付着させ、防着板を交
換することで蒸着槽内の清浄度を保つものであるが、防着板の交換作業は、多大な労力と
時間を要すると共に、頻繁に行う必要があるため、製造効率を低下する要因となっている
。そのため、防着板の交換頻度を少なくすることが求められている。
本発明は上記課題に鑑み提案するものであって、高品質の薄膜を形成することができる
と共に、防着板の交換頻度を大幅に少なくし、製造効率を飛躍的に向上することができる
蒸着装置、電気光学装置及び電子機器を提供することを目的とする。
本発明の蒸着装置は、蒸着槽と、前記蒸着槽内に配置され、被蒸着体に蒸着される蒸着
物質を供給する蒸着源と、前記蒸着槽内に交換可能に取り付けられ、前記蒸着物質が前記
蒸着槽内の所定領域に付着することを防止する防着板と、蒸着時に防着ガスを前記防着板
に略沿って流すように前記蒸着槽内に流入する流入口と、前記蒸着槽内から前記防着ガス
を吸引して排出する排出口とを備えることを特徴とする。本発明によれば、蒸着槽内に交
換可能に取り付ける防着板により、蒸着槽内壁への蒸着物質の堆積を防止して清浄性を保
ち、高品質の薄膜を形成することができる。加えて、防着板に略沿って防着ガスを流すこ
とにより、蒸着時に防着板に近づく蒸着物質を防着ガスで流すことが可能であり、防着板
への蒸着物質の付着を大幅に低減することができる。従って、防着板の交換頻度を大幅に
減らすことができ、製造効率を飛躍的に高めることができる。
本発明の蒸着装置は、前記防着ガスを不活性ガスとすることを特徴とする。本発明によ
れば、防着ガスとして安定した不活性ガスを流すことにより、蒸着時の安全性を高めるこ
とができる。
本発明の蒸着装置は、前記防着板を前記蒸着槽の側部隔壁に沿って設け、前記防着ガス
を前記側部隔壁の防着板に略沿って流すことを特徴とする。本発明によれば、蒸発した蒸
着物質が付着しやすい側部隔壁の防着板について、蒸着物質の付着を大幅に低減すること
ができる。
本発明の蒸着装置は、前記流入口を上側に、前記排出口を下側に設け、前記防着ガスを
前記側部隔壁の防着板に略沿って下向きに流すことを特徴とする。本発明によれば、重力
を利用して、防着ガスを防着板に一層沿うように流すことが可能となり、防着板への蒸着
物質の付着を一層低減することができる。
本発明の蒸着装置は、前記防着板を前記被蒸着体の周囲上方に位置する前記蒸着槽の上
部隔壁に沿って設け、前記防着ガスを前記上部隔壁の防着板に略沿って流すことを特徴と
する。本発明によれば、蒸発した蒸着物質が付着しやすい被蒸着体の周囲上方に位置する
上部隔壁の防着板について、蒸着物質の付着を大幅に低減することができる。
本発明の蒸着装置は、前記防着ガスを前記被蒸着体から遠ざかる方向に向かって流すこ
とを特徴とする。本発明によれば、防着ガスで流した蒸着物質が被蒸着体の蒸着に影響を
与えることを確実に防止することができる。
本発明の蒸着装置は、前記防着ガスを流す方向と交差する方向に、前記流入口と前記排
出口とをそれぞれ線状に延設することを特徴とする。本発明によれば、防着ガスを略面状
に流し、蒸着物質の付着低減を防着板に対して均質に行うことができる。
本発明の蒸着装置は、前記防着ガスを流す方向に対して略平行に、前記流入口と前記排
出口の組を複数組列設することを特徴とする。本発明によれば、流入口と排出口の離間距
離を短く設定し、防着ガスの拡散を抑制して防着板に一層沿った防着ガスの流れを得るこ
とが可能となり、防着板への蒸着物質の付着をより大幅に低減することができる。
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
図1は第1実施形態の蒸着装置を示す模式断面図である。第1実施形態の蒸着装置1は
、図1に示すように、蒸着槽2と、蒸着槽2内を排気して真空雰囲気とする真空ポンプ3
と、蒸着槽2内に配置され、蒸着物質41を供給する蒸着源4と、蒸着槽2内で基板又は
基板に薄膜が積層された積層体である被蒸着体10を保持する保持治具5と、蒸着槽2内
に設けられる防着板6、7と、蒸着槽2内に防着ガスを流入する流入口8と、蒸着槽2内
から防着ガスを排出する排出口9とを備える。蒸着装置1は、蒸着槽2内を真空ポンプ3
で真空排気し、蒸着源4の蒸着物質41を被蒸着体10の表面に蒸着する真空蒸着装置で
ある。
蒸着槽2は、略円筒形の側部隔壁21と、略円形の上部隔壁22及び底部隔壁23とを
有する。真空ポンプ3は、側部隔壁21の下部に形成された排気口24を介して蒸着槽2
内と連通し、真空排気により蒸着時の蒸着槽2内の圧力を例えば10−5Torr以下の真空
度とする。蒸着源4は、蒸着物質41を収容するルツボ状であり、蒸着槽2の下部中央に
配置される。蒸着源4は、抵抗加熱又は電子ビームで加熱され、図1の点線矢印の如く収
容した蒸着物質41を蒸発する。保持治具5は、上部隔壁22の蒸着源4と対向する位置
に配置され、蒸着槽2内の上部で被蒸着体10を蒸着源4と対向して保持可能であり、保
持治具5で保持される被蒸着体10に蒸着源4で蒸発された蒸着物質41が蒸着するよう
になっている。
防着板6は、側部隔壁21に沿って設けられ、交換可能に取り付けられており、側部隔
壁21の内面に蒸発した蒸着物質41が付着することを防止する。本例の防着板6は上下
2段で設けられ、それぞれ略円筒形の側部隔壁21に倣うように略円筒状に周設されてい
る。防着板7は、蒸着源4の上端から底部隔壁23と平行になるように配置され、交換可
能に取り付けられており、底部隔壁23の内面に蒸発した蒸着物質41が付着することを
防止する。
流入口8は、加圧ポンプ(図示省略)に接続され、前記加圧ポンプから加圧供給される
防着ガスを蒸着槽2内に流入する。流入口8は、防着板6の上端近傍の側部隔壁21に下
向きに開口して設けられていると共に、図1の一点鎖線矢印の如く、防着ガスを流す方向
の交差方向に相当する側部隔壁21の周方向に、防着板6の上端に沿って曲線状に延設さ
れている。防着ガスは、被蒸着体10から遠ざかるように下向きに流入口8から流入され
、周設された下側の防着板6の全面に亘って略沿うように、略面状で下向きに流れる。前
記流入口8から流入させる防着ガスの流量は10sccm以上とすることが好ましい。尚
、前記防着ガスには適宜のものを使用可能であるが、例えば窒素ガス、炭酸ガス、アルゴ
ン、ヘリウム、キセノンなど安定性の高い不活性ガスとすると、蒸着時の安全性を高めら
れて好適であり、更に、コスト面から窒素ガスを用いるとより好ましい。
排出口9は、減圧ポンプ(図示省略)に接続され、前記減圧ポンプの減圧で排出口9を
蒸着時の蒸着槽2内の真空度より低い圧力に減圧し、防着ガスを蒸着槽2から排出する。
排出口9は、防着板6の下端近傍の側部隔壁21を開口して設けられていると共に、図1
の一点鎖線矢印の如く、防着ガスを流す方向の交差方向に相当する側部隔壁21の周方向
に、防着板6の下端に沿って曲線状に延設されている。上側の流入口8から流入して上側
の防着板6に略沿うように流れる防着ガスは、前記減圧された排出口9で前記防着板6に
一層沿って流れるように吸引され、排出口9から排出される。
流入口8及び排出口9は、上段の防着板6と下段の防着板6のそれぞれを挟むように上
側と下側に設けられ、流入口8と排出口9の組が側部隔壁21の上下方向に2組列設、換
言すれば防着ガスを流す方向に対して略平行に2組列設されている。流入口8と排出口9
の組の個数は適宜であり、一組だけ設ける構成とすることも可能であるが、例えば2組以
外に3組、4組など複数組列設する構成とすることが好ましい。
第1実施形態の蒸着装置1で蒸着する際には、図1に於いて、真空ポンプ3の駆動で蒸
着槽2内を減圧して真空雰囲気とする。更に、前記加圧ポンプを駆動して防着ガスを流入
口8から加圧流入し、下側の防着板6に略沿って流すと共に、前記減圧ポンプを駆動して
前記流入口8と対応して設けられている排出口9から前記防着ガスを減圧吸引して排出す
る。そして、蒸着源4を加熱して蒸着物質41を蒸発させ、蒸発した蒸着物質41を被蒸
着体10に蒸着して薄膜を形成する。蒸着時には蒸発した蒸着物質41が防着板6にも向
かうが、防着板6に近づいた蒸着物質41は、防着板6に略沿って流れる防着ガスで流さ
れ、防着ガスと共に排出口9から排出される。その後、蒸着源4の加熱を停止して蒸着を
終了し、前記加圧ポンプと前記減圧ポンプを停止して防着ガスの流入と排出を停止する。
第1実施形態の蒸着装置1は、蒸着槽2内に交換可能に取り付ける防着板6により、蒸
着槽2の側部隔壁21への蒸着物質41の堆積を防止して清浄性を保ち、高品質の薄膜を
形成することができる。加えて、側部隔壁21に沿って設ける防着板6に略沿って防着ガ
スを流すことにより、蒸着時に防着板6に近づく蒸着物質41を防着ガスで流すことが可
能であり、防着板6への蒸着物質41の付着を大幅に低減することができる。従って、防
着板6の交換頻度を大幅に減らすことができ、製造効率を飛躍的に高めることができる。
更に、上側の流入口8から下側の排出口9に向かって防着ガスを下向きに流すことによ
り、重力を利用して防着ガスを防着板6に一層沿うように流し、防着板6への蒸着物質4
1の付着低減効果を高めている。また、蒸着槽2内の上部に配置される被蒸着体10から
遠ざかるように、上側の流入口8から下側の排出口9に向かって下向きに防着ガスを流す
ことにより、防着ガスで流した蒸着物質41が被蒸着体10の蒸着に影響を与えることを
確実に防止することができる。また、流入口8と排出口9をそれぞれ曲線状に延設するこ
とにより、防着ガスを略面状に流し、蒸着物質41の付着低減を防着板6に対して均質に
行うことができる。また、流入口8と排出口9の組を上下2段に複数組列設し、流入口8
と排出口9の離間距離を短く設定し、防着ガスの拡散を抑制して防着板6に一層沿った防
着ガスの流れを得て、防着板6への蒸着物質41の付着低減効果を高めている。
〔第2実施形態〕
図2は第2実施形態の蒸着装置を示す模式断面図である。尚、第2実施形態の蒸着装置
1は、上部隔壁22に防着板6a、流入口8a、排出口9aを設ける構成のみ第1実施形
態と相違し、他の構成は第1実施形態と同一であるため、同一構成の説明は省略する。
第2実施形態の蒸着装置1には、図2に示すように、保持治具5で保持されている被蒸
着体10の周囲の上方に位置するように防着板6aが設けられている。防着板6aは、上
部隔壁22に沿って平面視略円環状に周設され、交換可能に取り付けられている。そして
、防着板6aを挟むように、内側に流入口8a、外側に排出口9aが設けられている。
流入口8aは、加圧ポンプ(図示省略)に接続され、前記加圧ポンプから加圧供給され
る防着ガスを蒸着槽2内に流入する。流入口8aは、防着板6aの内端近傍の上部隔壁2
2に外向きに開口して設けられていると共に、図2の一点鎖線矢印の如く、防着ガスを流
す方向の交差方向に相当する略円形の上部隔壁22の周方向に、防着板6aの内端に沿っ
て曲線状に延設されている。防着ガスは、図2の二点鎖線矢印の如く、被蒸着体10から
遠ざかるように外向きに且つ放射状に流入口8aから流入され、周設された外側の防着板
6aの全面に亘って略沿うように、略面状で外向きに流れる。前記流入口8aから流入さ
せる防着ガスの流量は10sccm以上とすることが好ましい。尚、使用する防着ガスは
第1実施形態と同様のものを用いることが可能である。
排出口9aは、減圧ポンプ(図示省略)に接続され、前記減圧ポンプの減圧で排出口9
aを蒸着槽2内の真空雰囲気より低い圧力に減圧し、防着ガスを蒸着槽2から排出する。
排出口9aは、防着板6aの外端近傍の上部隔壁22を開口して設けられていると共に、
防着ガスを流す方向の交差方向に相当する略円形の上部隔壁22の周方向に、防着板6a
の外端に沿って曲線状に延設されている。内側の流入口8aから流入して内側の防着板6
aを略沿うように流れる防着ガスは、前記減圧された排出口9aで前記防着板6aに一層
沿って流れるように吸引され、排出口9aから排出される(図2の二点鎖線矢印参照)。
第2実施形態の蒸着装置1で蒸着する際には、図2に於いて、真空ポンプ3の駆動で蒸
着槽2内を減圧して真空雰囲気とする。更に、前記加圧ポンプを駆動して防着ガスを流入
口8、8aから加圧流入し、防着板6、6aに略沿って流すと共に、前記減圧ポンプを駆
動して前記流入口8、8aと各々対応して設けられている排出口9、9aから前記防着ガ
スを減圧吸引して排出する。そして、蒸着源4を加熱して蒸着物質41を蒸発させ、蒸発
した蒸着物質41を被蒸着体10に蒸着して薄膜を形成する。蒸着時には蒸発した蒸着物
質41が防着板6、6aにも向かうが、防着板6、6aに近づいた蒸着物質41は、防着
板6、6aに略沿って流れる防着ガスで流され、防着ガスと共に排出口9、9aから排出
される。その後、蒸着源4の加熱を停止して蒸着を終了し、前記加圧ポンプと前記減圧ポ
ンプを停止して防着ガスの流入と排出を停止する。
第2実施形態の蒸着装置1は、第1実施形態の蒸着装置1と同様の効果を有すると共に
、蒸着槽2内に交換可能に取り付ける防着板6aにより、蒸着槽2の上部隔壁22への蒸
着物質41の堆積を防止して清浄性を保ち、高品質の薄膜を形成することができる。加え
て、防着板6aに略沿うように防着ガスを流して蒸着時に防着板6aに近づく蒸着物質4
1を流すことが可能であり、蒸発した蒸着物質41が付着しやすい被蒸着体10の周囲上
方に位置する上部隔壁22の防着板6aについて、蒸着物質41の付着を大幅に低減する
ことができる。従って、防着板6aの交換頻度を大幅に減らすことができ、製造効率を飛
躍的に高めることができる。また、蒸着槽2内の上部に配置される被蒸着体10から遠ざ
かるように、内側の流入口8aから外側の排出口9aに向かって外向きに防着ガスを流す
ことにより、防着ガスで流した蒸着物質41が被蒸着体10の蒸着に影響を与えることを
確実に防止することができる。また、流入口8aと排出口9aをそれぞれ曲線状に延設す
ることにより、防着ガスを略面状に流し、蒸着物質41の付着低減を防着板6aに対して
均質に行うことができる。
〔第1、第2実施形態の変形例等〕
尚、本明細書に開示の発明は、上記課題解決手段の各発明の構成を一部変更したもの、
或いは各発明の構成を一部削除して上位概念化したものを包含するものであり、第1、第
2実施形態等に種々の変更を加えたものも包含する。
例えば防着ガスで蒸着物質の付着が防止される防着板は、上記実施形態の側部隔壁21
の防着板6、上部隔壁22の防着板6aに限定されず、例えば底部隔壁23の上方に設け
られる防着板7や、別例として蒸着源4の上端付近から側部隔壁21に向かって斜め上方
に延設される防着板等を含む。更に、これらの防着板に応じた流入口と排出口には、流入
口8、8aや排出口9、9aと同様の構成を適用可能である。また、防着板で蒸着物質の
付着が防止される所定領域は、前記防着板の例に応じて側部隔壁21、上部隔壁22の他
に底部隔壁23など適宜である。
また、上記実施形態では、防着ガスを被蒸着体10から遠ざかる方向に流す構成とした
が、例えば側部隔壁21の防着板6の下側から上側に向かって流す構成や、上部隔壁22
の防着板6aの外側から内側に向かって流す構成など、防着ガスを被蒸着体10に近づく
方向に流す構成とすることも可能である。また、防着ガスを流す方向は前述の方向以外に
も斜めに流すなど適宜であり、例えば蒸着源4の上端付近から側部隔壁21に向かって斜
め上方に延設される防着板の下側に流入口、その上側に底部隔壁23等に連通する排出口
を設け、前記流入口から前記防着板に略沿うように斜め上方に向けて防着ガスを流しても
よい。また、防着ガスを流す方向と平行に流入口8、8aと排出口9、9aを複数組列設
する場合に、各組で防着ガスを流す方向は全て同一方向に流す構成、又は所要の組だけ反
対方向に流す構成とすることが可能である。
また、上記実施形態では、略円筒形の蒸着槽2の形状に合わせ、流入口8、8aと排出
口9、9aをそれぞれ曲線状に延設したが、直線状、屈曲線状に延設するなど適宜の線状
に延設することが可能であり、例えば略角筒形の蒸着槽2の側部隔壁21に直線状の流入
口8と排出口9を設けてもよい。また、流入口8、8aと排出口9、9aは、防着ガスを
流す方向と交差する方向に点状に設けてもよい。更に、流入口8、8aと排出口9、9a
の一方を線状に設け、他方を点状に設けてもよい。
また、第2実施形態では、防着板6aを挟むように1組の流入口8aと流出口9aを設け
たが、第1実施形態と同様に、防着ガスを流す方向に対して複数組列設するようにしても
よい。例えば防着板6aを同心円状に複数設け、流入口8aと排出口9aを各防着板6a
を挟むように内側と外側に設け、上部隔壁22の半径方向に複数組列設する構成とする。
また、防着ガスを流す方向と平行に流入口8、8aと排出口9、9aを複数組列設する場
合に、一連の防着板6、6aに対して点状等で複数組列設する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、防着ガスが防着板6、6aにより沿って流れるように、防着
ガスを加圧ポンプで加圧供給して流入口8、8aから蒸着槽2内に流入させる構成とした
が、前記加圧ポンプを設けずに、蒸着槽2内の所定真空度の圧力で防着ガスを吸引して流
入口8、8aから流入させる構成とすることも可能である。また、本発明の蒸着装置には
適宜の蒸着装置が含まれ、真空蒸着装置とすること好適であるが、例えばスパッタリング
蒸着装置等としてもよい。
〔電気光学装置〕
図3は、上記実施形態の蒸着装置1で薄膜を蒸着して薄膜構造を形成された電気光学装
置の例として、有機EL装置の一例を示す模式断面図である。本例の有機EL装置100
は、図3に示すように、透光性の基板101と、基板101の一方の面側に形成された陽
極102と、陽極102上に形成された正孔注入/輸送層103と、正孔注入/輸送層1
03上に形成された発光層104と、発光層104上に形成された電子注入/輸送層10
5と、電子注入/輸送層105上に形成された陰極106とを備える。有機EL装置10
0は、マトリクス状に画素が配置される有機EL表示装置であり、図示省略するが、基板
101上には各画素を駆動する回路部が設けられている。
有機EL装置100は、発光層104の発光を基板101側から装置外部に取り出すボ
トムエミッション型であり、基板101はガラス等の透明材料或いは半透明材料で形成さ
れている。陽極102はインジウム錫酸化物(ITO)等の透明電極である。陰極106
はアルミニウム(Al)、マグネシウム銀合金(MgAg)等の金属電極である。陽極1
02と陰極106は、機能層である正孔注入/輸送層103、発光層104、電子注入/
輸送層105を挟持し、前記回路部の制御に応じて前記機能層に電圧を印加する。
発光層104は、有機材料で形成された有機層であり、低分子系の有機材料や高分子系
の有機材料で形成することが可能であるが、本例では低分子系の有機材料を用いて蒸着装
置1で蒸着して形成されている。正孔注入/輸送層103は有機材料で形成され、陽極1
02からの正孔を発光層104側に注入/輸送する。電子注入/輸送層105は有機材料
で形成され、陰極106からの電子を発光層104側に注入/輸送する。発光層104で
は、陽極102側から正孔注入/輸送層103を介して輸送された正孔と、陰極106側
から電子注入/輸送層105を介して輸送された電子が結合し、発光層104が発光する
。尚、正孔注入/輸送層103、電子注入/輸送層105を低分子系の有機材料を用いて
蒸着装置1で蒸着して形成してもよく、又、陰極106を蒸着装置1で蒸着して形成して
もよい。
上記有機EL装置100は、蒸着装置1により効率的に形成された高品質の薄膜構造を
有し、高品質であると共に低コストで製造することができる。尚、本発明の有機EL装置
は、本発明の蒸着装置で被蒸着体に薄膜を蒸着された薄膜構造を備える適宜の有機EL装
置とすることが可能であり、上記有機EL装置の例に限定されず、例えばトップエミッシ
ョン型の有機EL装置としてもよい。また、上記例の有機EL装置100は有機EL表示
装置であるが、本発明の有機EL装置は適宜のものとすることが可能であり、例えばプリ
ンターヘッドの有機EL装置としてもよい。また、蒸着装置1で蒸着される薄膜構造を備
える電気光学装置は、有機EL装置の他にも適宜の装置とすることが可能であり、例えば
液晶装置としてもよい。
〔電子機器〕
上記実施形態の蒸着装置1で薄膜を蒸着して形成する薄膜構造は各種の電子機器に設け
ることが可能である。有機EL装置など電気光学装置として前記薄膜構造を備える電子機
器の例としては、携帯電話機、PDA等の携帯情報端末、ページャ、電子ブック、電子手
帳、電子ペーパー、腕時計、ノートパソコン、ワードプロセッサ、モニター、テレビ、テ
レビ電話機、デジタルカメラ、ビューファインダー型・モニター直視型のビデオテープレ
コーダー、カーナビゲーション装置、POS端末など、前記薄膜構造を表示部である電気
光学装置に備える電子機器や、エレクトロクロミック調光ガラス、照明装置、前記薄膜構
造をプリンターヘッドとして備えるプリンター等が挙げられる。また、前記薄膜構造を備
える電子機器は、例えば各種の半導体装置として半導体基板に前記薄膜構造を備えるもの
等、電気光学装置以外の各種装置として前記薄膜構造を備えるものとしてもよい。これら
の電子機器は、蒸着装置1により効率的に形成された高品質の薄膜構造を有し、高品質で
あると共に低コストで製造することができる。
第1実施形態の蒸着装置を示す模式断面図。 第2実施形態の蒸着装置を示す模式断面図。 実施形態の蒸着装置で薄膜を蒸着して薄膜構造を形成された有機EL装置の一例を示す模式断面図。
符号の説明
1…蒸着装置 2…蒸着槽 21…側部隔壁 22…上部隔壁 23…底部隔壁 24…
排気口 3…真空ポンプ 4…蒸着源 41…蒸着物質 5…保持治具 6、6a、7…
防着板 8、8a…流入口 9、9a…排出口 10…被蒸着体 100…有機EL装置
101…基板 102…陽極 103…正孔注入/輸送層 104…発光層 105…
電子注入/輸送層 106…陰極

Claims (8)

  1. 蒸着槽と、
    前記蒸着槽内に配置され、被蒸着体に蒸着される蒸着物質を供給する蒸着源と、
    前記蒸着槽内に交換可能に取り付けられ、前記蒸着物質が前記蒸着槽内の所定領域に付
    着することを防止する防着板と、
    蒸着時に防着ガスを前記防着板に略沿って流すように前記蒸着槽内に流入する流入口と

    前記蒸着槽内から前記防着ガスを吸引して排出する排出口とを備えることを特徴とする
    蒸着装置。
  2. 前記防着ガスを不活性ガスとすることを特徴とする請求項1記載の蒸着装置。
  3. 前記防着板を前記蒸着槽の側部隔壁に沿って設け、前記防着ガスを前記側部隔壁の防着
    板に略沿って流すことを特徴とする請求項1又は2記載の蒸着装置。
  4. 前記流入口を上側に、前記排出口を下側に設け、前記防着ガスを前記側部隔壁の防着板
    に略沿って下向きに流すことを特徴とする請求項3記載の蒸着装置。
  5. 前記防着板を前記被蒸着体の周囲上方に位置する前記蒸着槽の上部隔壁に沿って設け、
    前記防着ガスを前記上部隔壁の防着板に略沿って流すことを特徴とする請求項1〜4の何
    れかに記載の蒸着装置。
  6. 前記防着ガスを前記被蒸着体から遠ざかる方向に向かって流すことを特徴とする請求項1
    〜5の何れかに記載の蒸着装置。
  7. 前記防着ガスを流す方向と交差する方向に、前記流入口と前記排出口とをそれぞれ線状
    に延設することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の蒸着装置。
  8. 前記防着ガスを流す方向に対して略平行に、前記流入口と前記排出口の組を複数組列設
    することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の蒸着装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017538865A (ja) * 2014-12-11 2017-12-28 ザ リージェンツ オブ ザ ユニヴァシティ オブ ミシガン 気化温度が低い材料および高い材料の同時蒸着、およびその中で製造されるデバイス
KR20210076518A (ko) * 2019-12-16 2021-06-24 주식회사 에프티시스템 오염방지를 위한 소자증착장치

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