JP2008239672A - 透明架橋フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、表面硬度に優れ、単独で自己支持性を有し、干渉縞がなく、さらには防汚性に優れ、光学的にも等方である透明架橋フィルムを提供せんとするものである。
【解決手段】
本発明の透明架橋フィルムは、ビニルエステル組成物を100重量部に対し、多官能アクリレート5〜50重量部と、フッ素系共重合体およびシリコーン系共重合体から選ばれた少なくとも1種2〜15重量部とを混合した組成物を硬化、架橋させてなることを特徴とするものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、透明架橋フィルムに関し、更に詳しくは自己支持性を有し、光学用フィルムとして好適な透明性、光学的等方性があり、かつ表面硬度、防汚性にも優れた透明架橋フィルムに関するものである。
ポリエステルフィルム(PET、PEN等)、ポリカーボネートフィルム(PC)、ポリメチルメタクリレートフィルム(PMMA)、トリアセチルセルロースフィルム(TAC)、非晶性ポリオレフィン(非晶PO)などの透明プラスチックフィルムは、ガラスと比べて、軽量・割れにくい・曲げられるといった好適な性質を有する一方で、フィルム表面の硬度が低く、また耐摩耗性も不足しているため、他の固い物質との接触、引っ掻きなどにより表面に損傷を受けやすく商品価値を著しく低下させたり、使用不可能となる場合がある。このため、上記の基材フィルム上に耐擦傷性や耐摩耗性に優れたハードコート層を設ける方法が知られており、ハードコートフィルムとして汎用的に利用されている。しかしながら、光学フィルムの代表的用途である液晶ディスプレイパネル(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)等の各種ディスプレイ用フィルム、あるいはカーナビや携帯情報端末(PDA)などのタッチパネルフィルムなどとして、使用する場合には、次の様な課題が挙げられる。
(1)設けたハードコート層と基材フィルムとの屈折率差が原因となり、虹色のむら(干渉縞)が発生する。
(2)直接フィルム表面に触れるため、皮脂や塵埃などにより表面が汚れやすい。
特にこのような表面の汚れは光学用途においては、画像の鮮明さを損なう原因となり、品質の低下を招く。
前者の干渉縞は、多積層体の各層の界面で反射する光の干渉により、3波長蛍光灯下で観察すると虹彩状反射が観察される現象で、ディスプレイ用途に用いる場合には視認性を低下させるひとつの原因となっている。
この現象を改善する手段として、基材とハードコート層の屈折率差を小さくする方法がある。この方法として、基材とハードコート層の間に、両者の中間の屈折率をもつプライマー層を設けるという方法(特許文献1参照)が提案されている。
この方法では、中間層を設けても屈折率が段階的に変化するに過ぎず、干渉縞は低減しても無くなるまでには至らない。また中間層を設ける工程が必要となるためコスト高になるという問題もあった。
その他の改善方法として、基材フィルムを溶解する溶剤を用いてハードコート剤を塗布し、基材を溶解または膨潤させることで反射界面レスとして干渉縞を低減する方法(特許文献2参照)などが提案されている。
しかしながら、このように基材フィルムを溶解、膨潤させる方法では、適用できる樹脂が限定され、その上高度に二軸配向したポリエステルフィルムなどではオルトクロロフェノールのような限定された特殊な溶剤にしか溶解、膨潤させることができず、作業環境が極めて悪いという問題があった。また、干渉縞の低減ができてもヘイズが高くなりディスプレイ用途などで求められる低いヘイズを得ることができず、視認性の悪いものになったりするという問題があった。
また、後者の防汚については、防汚性を改善するためにハードコート塗液中にシリコーン樹脂などをあらかじめ添加しておき、それを塗工し、硬化させる方法(特許文献3参照)や、表面硬化度層を設けた後にフッ素化合物を含む層を設ける方法(特許文献4参照)が知られている。
しかしながら、これらの方法では次のような問題点がある。前者のシリコーン樹脂を添加する方法では、初期は防汚性を発現するものの、汚れの付着、除去を繰り返すうちにシリコーン樹脂の脱落により防汚性が低下する問題がある。
また、後者の表面硬化度層の上にフッ素化合物を含む層を設ける方法は、工程が多くなり、コスト高になるのみならず、機械的強度の弱いフッ素化合物を含むために、十分な表面高度が得られない問題があった。
上記の課題を解決したフィルム、すなわち干渉縞が無くハードコート性を有し、かつ防汚性を有する素材フィルムは光学用に適用する上で待望される材料であり、さらには、液晶ディスプレイ等の保護フィルムとして使用する際には光学的等方性の指標であるリターデーションができるだけ低いことが望まれている。
特開2000−111706号公報 特開2003−205563号公報 特開平10−104403号公報 特開平6−308327号公報
本発明は、かかる従来技術の欠点に鑑み、表面硬度に優れ、単独で自己支持性を有し、干渉縞がなく、さらには防汚性に優れ、光学的にも等方である透明架橋フィルムを提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。即ち、本発明の透明架橋フィルムは、ビニルエステル組成物100重量部に対し、多官能アクリレート5〜50重量部と、フッ素系共重合体およびシリコーン系共重合体から選ばれた少なくとも1種2〜15重量部とを混合してなる組成物を硬化、架橋させてなることを特徴とするものである。
また、本発明の透明架橋フィルムの好ましい態様は、
(1)リターデーションが5nm以下であり、表面自由エネルギーが33mN/m以下であること、
(2)前記ビニルエステル組成物が、ビスフェノール型または脂環式のエポキシ化合物と、アクリル酸またはメタクリル酸とをエステル化反応させて得られる組成物であること、
(3)前記フッ素系共重合体および前記シリコーン系共重合体が、前記ビニルエステル組成物と共有結合を介して結合されているものであること、
(4)前記フッ素系共重合体および前記シリコーン系共重合体が、表面に偏在していること、
である。
本発明の透明架橋フィルムによれば、光学用フィルムとして満足しうる特性を有する単独フィルムであるので、反射防止フィルム、偏向板保護フィルム、電磁波シールドフィルム、拡散フィルム、プリズムフィルムなどの光学用フィルム部材、銘板、化粧板などの基材フィルムや、各種ディスプレイの基材フィルムを提供することができる。
本発明は、前記課題、つまり表面硬度に優れ、単独で自己支持性を有し、干渉縞がなく、さらには防汚性に優れ、光学的にも等方である透明架橋フィルムについて、鋭意検討し、主体となるビニルエステル組成物に、多官能アクリレートと、フッ素系共重合体およびシリコーン系共重合体から選ばれた少なくとも1種とを混合してなる組成物を硬化、架橋させて単独フィルムを構成してみたところ、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
以下、本発明について実施の形態について具体的に述べる。
本発明の透明架橋フィルムは、主成分のビニルエステル組成物に、多官能アクリレートと、フッ素系共重合体およびシリコーン系共重合体から選ばれた少なくとも1種とを混合してなる組成物を用いて構成されてなるフィルムである。
ここで、ビニルエステル組成物とは、エポキシ基の開環反応により生成した2級水酸基と、(メタ)アクリロイル基とを同一分子中に共有する一連のオリゴアクリレートと定義する。
かかるアクリレートは、ビスフェノール型または脂環式のエポキシ化合物と、アクリル酸またはメタクリル酸とをエステル化反応させて得られるものであることが好ましい。
かかるビスフェノール型または脂環式エポキシ化合物としては、以下の様なものを例示することができる。すなわち、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応物、ビスフェノールFとエピクロルヒドリンとの反応物、水素化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応物、シクロヘキサンジメタノールとエピクロルヒドリンとの反応物、ノルボルナンジアルコールとエピクロルヒドリンとの反応物、テトラブロモビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応物、トリシクロデカンジメタノールとエピクロルヒドリンとの反応物、アリサイクリックジエポキシアジペート、アリサイクリックジエポキシカーボネート、アリサイクリックジエポキシアセタール、アリサイクリックジエポキシカルボキシレートなどである。
次に本発明の第2の成分である多官能アクリレートとは一分子中に、3(より好ましくは4または5)個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物であって具体的な例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサンメチレンジイソシアネートウレタンポリマーなどを用いることができる。これらの単量体は、1種または2種以上を混合して使用することができる。また、市販されている多官能アクリル系化合物としては、三菱レーヨン株式会社;(商品名”ダイヤビーム”シリーズなど)、長瀬産業株式会社;(商品名”デナコール”シリーズなど)、新中村株式会社;(商品名”NKエステル”シリーズなど)、大日本インキ化学工業株式会社;(商品名”UNIDIC”など)、東亜合成化学工業株式会社;(”アロニックス”シリーズなど)、日本油脂株式会社;(”ブレンマー”シリーズなど)、日本化薬株式会社;(商品名”KAYARAD”シリーズなど)、共栄社化学株式会社;(商品名”ライトエステル”シリーズなど)などを挙げることができ、これらの製品を利用することができる。
これらの多官能アクリレートはフィルムの表面硬度を向上させるのに有効である。多官能アクリレートの配合量は、上記のビニルエステル組成物100重量部に対し、5〜50重量部、好ましくは10〜30重量部、更に好ましくは15〜25重量部である。この多官能アクリレートの配合量が、5重量部未満では表面硬度が不足し、逆に50重量部を超える場合にはフィルムの伸度が低下して、もろさが発現し、自己支持性に問題が生じる。
なお、本発明の透明架橋フィルムの表面硬度は、好ましくは耐擦傷性の点から鉛筆硬度でH以上、より好ましくは2H以上である。かかる表面硬度も勘案して多官能アクリレートの配合量は決定される。
また、本発明においては上記のビニルエステル組成物、多官能アクリレートの混合物以外に、アリルエステルモノマ−やアクリル酸エステルモノマー及びメタクリル酸エステルモノマーのような化合物を本発明の効果を阻害しない範囲内で、低粘度化などの目的で使用しても良い。
すなわち、かかるアリルエステルモノマ−としては、オルソフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、コハク酸ジアリルなどを使用することができる。
また、アクリル酸エステルモノマー及びメタクリル酸エステルモノマーとしては、メチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジメタクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、グリセリンジアクリレート、グリセリンジメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、2,6−ジブロム−4−tert−ブチルフェニルアクリレート、各種のウレタンアクリレート、エポキシアクリレートなどを使用することができる。
次に、本発明の第3の成分として、フッ素系共重合体およびシリコーン系共重合体から選ばれた少なくとも1種を用いる。かかるフッ素系共重合体およびシリコーン系共重合体は、透明フィルムの特性(表面硬度、透明性、光学的等方性)を損なわない範囲で選択される。
かかるフッ素系共重合体とは、(メタ)アクリル酸エステルおよびパーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレートをモノマー単位として含有するものである。
かかる(メタ)アクリル酸エステルとしては、炭素数1〜18のアルコール類またはフェノール類とアクリル酸またはメタクリル酸とのエステルが挙げられる。このような(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート類;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が例示され、これは1種のみでも用いることができるが、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、前記パーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレートとは、下記式〔1〕で示されるものであり、
CH=C(R)CO−CH−(Rf)i・・・〔1〕
(式〔1〕中、Rは水素原子またはメチル基;i=1〜3の数;Rfは−(CH)j−C2k+1であってj=0〜6かつk=1〜22の数で表される基)
式〔1〕中、i=2〜3のとき、Rfは同一であってもよく異なっていてもよい。Rfの−C2k+1基は直鎖上パーフルオロアルキル基であってもよく分岐状パーフルオロアルキル基であってもよい。
式〔1〕で示されるパーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレート、例えばi=1でj=0であるアクリレート[CH=C(R)CO−CH−C2k+1]は、炭素数k+1の脂肪酸がフッ素ガスによりフッ素化されたパーフルオロ脂肪酸を還元して得られるアルコールを、(メタ)アクリル酸のエステルに誘導したものである。
このフッ素系共重合体は、本発明の特性を損なわない限り、他のラジカル重合性単量体を含んでいてもよく、例えば、共栄社化学株式会社;(商品名“ライトエステル、ライトアクリレート”シリーズなど)が挙げられる。
また、市販されているフッ素系共重合体としては、共栄社化学株式会社;(商品名”ライトプロコート”シリーズなど)が挙げられる。
本発明におけるシリコーン系共重合体とは、(メタ)アクリル酸エステルおよびラジカル重合性シリコーンをモノマー単位として含有するものである。
かかる(メタ)アクリル酸エステルとしては、上記フッ素系共重合体を構成するモノマー単位である(メタ)アクリル酸エステルと同一のものを使用することができる。
また、前記ラジカル重合性シリコーンとしては、シリコーン骨格を基本骨格として有し、かつラジカル重合開始剤によって重合可能な官能基を有する化合物が挙げられる。
かかるラジカル重合性シリコーンとしては、例えば、下記式〔2〕で示される化合物が挙げられる。
−R−Si(R)−(Si−(R)−O)n−O−Si(R) 〔式2〕
(式〔2〕中、Rは同一または異なる炭素数1〜8の非置換または置換の1価炭化水素基を表し、Rはラジカル重合性官能基を表し、Rは炭素数1〜6の非置換又は置換の2価炭化水素基を表し、nは2以上200以下の整数を表す。)
かかる化合物は、例えば、特開平6−228316号公報に開示されている方法により製造することができる。
式〔2〕中のRとしては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基等のアラルキル基;これらの基の炭素原子に結合した水素原子がハロゲン原子などで置換された基などが例示される。これらの中でも工業的にはメチル基、ブチル基、フェニル基が好ましい。
はラジカル重合性官能基であり、ラジカル重合開始剤によって重合可能な官能基をさす。具体的には、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される重合性官能基(CH=CHR−COO−、Rは前記と同じ基を意味する)やスチレン系モノマーから誘導される重合性官能基(CH=CHR−Ar−、Rは前記と同じ、Arはフェニレン基またはその誘導体)などが挙げられる。
なお、前記ラジカル重合性官能基(R)としては、特に(メタ)アクリル酸エステルから誘導される重合性官能基が好ましく、(a):(メタ)アクリル酸エステルとの共重合性が良好である。Rとしてはメチレン基、エチレン基、プロピレン基等を例示できる。
かかるラジカル重合性シリコーンは、信越化学工業社、東レダウコーニングシリコーン社、チッソ社等から市販されており、それらのものを使用してもよい。
なお、シリコーン系共重合体には、前記(メタ)アクリル酸エステルや、ラジカル重合性シリコーンの他に、これらと共重合可能な単量体を必要に応じて共重合させることができる。
かかる共重合可能な単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどが挙げられる。これら共重合可能な単量体の割合は、シリコーン系共重合体におけるモノマー単位の好ましくは50重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下である。
かかるフッ素系共重合体、シリコーン系共重合体の重合法は、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法などの公知の重合法を採用することができる。また、分子量の調節を目的として連鎖移動剤などを使用してもよい。
第3の成分として、フッ素系共重合体およびシリコーン系共重合体から選ばれた少なくとも1種の共重合体の添加量は、ビニルエステル組成物100重量部に対し、2〜15重量部、好ましくは2.5〜12重量部、特に好ましくは3〜10重量部である。かかる共重合体の添加量が、2重量部に満たない場合には、防汚効果が不十分であり、逆に15重量部を超える場合には、ヘイズの低下や表面硬度の低下をもたらすため好ましくない。
本発明における組成物を得るためには、ビニルエステル組成物100重量部に対し、多官能アクリレート5〜50重量部と、フッ素系共重合体およびシリコーン系共重合体から選ばれた少なくとも1種2〜15重量部とを混合することにより得られるが、これらは通常液状であるため規定量を計量して混合すればよい。
本発明の透明架橋フィルムは、表面自由エネルギーが33mN/m以下、好ましくは30mN/m以下、さらに好ましくは28mN/m以下であるのが望ましい。これにより、高硬度と防汚性を有することができる。本発明において、防汚性の指標として、表面自由エネルギーを用いた。
本発明における、フィルムの表面自由エネルギーは、表面自由エネルギー及びその各成分(分散力、極性力、水素結合力)が既知の4種の液体(本発明ではPanzerによる方法(日本接着協会誌vol.15、No.3、p96に記載の水、エチレングリコール、ホルムアミド、ヨウ化メチレンの数値を用いた)を用い、20℃、50%RHの条件下で接触角計CA−D型(協和界面科学(株)製)にてフィルム面に対する各液体の接触角を測定し、拡張Fowks式とYoungの式より導入される下記式へ代入し、各成分の総和から算出したものである。
(γ ・γ 1/2+(γ ・γ 1/2 +(γ ・γ 1/2=γ(1+cosθ)/2
ここで、γ 、γ 、γ 、γは測定液の分散力、極性力、水素結合力の各成分及び各成分のトータルの表面自由エネルギー(数値は日本接着協会誌vol.15、No.3、p96に記載の水、エチレングリコール、ホルムアミド、ヨウ化メチレンの数値を用いた)を示し、γ 、γ 、γ はフィルム面の分散力、極性力、水素結合力の各成分を示す。またθは測定面上での測定液の接触角を表す。1つの測定面に対して、5点測定を行いその平均値をθとし、測定液の既知の値及びθを上記の式に代入し、連立方程式により測定面の3成分(γ 、γ 、γ )を求めることができる。
本発明の透明架橋フィルムは、上記組成物を架橋させるために硬化方法に応じて重合開始剤を添加することができる。架橋させる方法としては、加熱架橋または電離放射線架橋、例えば紫外線、電子線などによる架橋の、いずれかの方法または両者を併用して用いることができる。加熱架橋する場合は、重合開始剤として有機過酸化物を用いるのが有効である。かかる有機過酸化物としては、ジアルキルパーオキサイド、アシルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ケトンパーオキサイド、パーオキシエステルなど公知のものを使用することができ、具体的には以下に示すようなものが例示しうる。ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイル)パーオキシヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1,1,3,3−トリメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、2,5−ジメチル−2,5−ジブチルパーオキシヘキサンなどを例示することができる。
また、紫外線架橋する場合は、重合開始剤として、以下に例示するような公知の光重合開始剤を使用することができ、具体的には以下に示すようなものが例示しうる。2,2−ジメトキシ−1,2−ジゲニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、ベゾフェノン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モンフォリノプロパノン−1,2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル−フォスフィンオキサイドなどである。また必要に応じて架橋促進剤を添加することもできる。なお、電子線架橋の場合は特に開始剤を用い無くても良い。
また紫外線によって架橋させる場合には紫外線照射を窒素雰囲気下で行うのが効率的であり、好ましい。
かかる重合開始剤の添加量は、上記ビニルエステル組成物と多官能アクリレートの混合物100重量部に対し、好ましくは0.05〜5.0重量部、より好ましくは0.1〜3重量部の範囲とするのがよい。
本発明においては、電離放射線により架橋する方法が好ましく採用されるが、以下に具体的な製膜方法を例示する。
まず、上記組成物を、フィルム、金属板、回転するドラム上、あるいは無端の駆動ベルトに流延し、乾燥後、紫外線もしくは電子線を照射して架橋し、得られたフィルムをドラム、もしくは該ベルトから連続的に剥離し巻き取る方法が好ましい。この方法を用いる場合、フィルム、金属板、ドラムおよびベルト表面は架橋後のフィルムの剥離応力を軽減し、フィルムの等方性を維持するためにシリコーン、フッ素化合物などにより表面処理されたものを用いるのが好ましい。
このような製膜方法とすることにより、表面(空気に接している面)にフッ素系共重合体および、あるいはシリコーン系共重合体が偏在したフィルムを得ることができる。このような共重合体の偏在は、二次イオン質量分析法を用いて深さ方向にフッ素原子、あるいはシリコーン原子の濃度分布を測定することで確認することができる。また、フィルムの表面自由エネルギーが、共重合体添加前の表面自由エネルギーよりも低くなることで確認することができる。
またこのような製膜方法を採用することにより、含有されたフッ素系共重合体および、またはシリコーン系共重合体が、ビニルエステル組成物と共有結合を介して結合したフィルムを得ることができる。これは、フッ素系共重合体および、またはシリコーン系共重合体の(メタ)アクリロイル基とビニルエステル組成物の(メタ)アクリロイル基が反応し、共有結合を介して結合するためである。このような共有結合を介した結合については、例えば、フッ素系共重合体、シリコーン系共重合体、ビニルエステル組成物の単独フィルム、および混合組成物のフィルムを作製し、DSCによりガラス転移点を比較することにより、確認することができる。またNMRによっても確認することができる。
本発明で用いられる透明架橋フィルムの厚みは、機械的強度やハンドリング性などの点から、好ましくは5〜200μm、より好ましくは20〜100μmである。
また、本発明の透明架橋フィルム中には、本発明の効果を阻害しない範囲内で各種の添加剤や樹脂組成物、架橋剤などを含有しても良い。例えば酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、有機、無機の粒子(例えば例えばシリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カーボンブラック、ゼオライト、酸化チタン、金属微粉末、架橋高分子粒子など)、顔料、染料、界面活性剤やポリスチレンスルホン酸塩のようなイオン性導電剤、ポリチオフェンドープ体、ポリアニリンドープ体のような電子伝導性物質などの帯電防止剤、核剤、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系樹脂、ワックス組成物、メラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、メチロール化、アルキロール化された尿素系架橋剤、アクリルアミド、ポリアミド、エポキシ樹脂、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、各種シランカップリング剤、各種チタネート系カップリング剤などを使用することができる。
本発明の透明架橋フィルムは、リターデーションが好ましくは5nm以下、より好ましくは3nm以下、特に好ましくは1.5nm以下であるのがよい。このようなリターデーションに制御することにより、高硬度と防汚性をもち、更には光学的にも等方である特性を有することができる。本発明においては、光学的等方性の指標としてリターデーションを用いた。
ここでいうリターデーションとは、フィルム面内のリターデーション(Re)、およびフィルム厚み方向のリターデーション(Rth)の両方を表し、フィルムの主屈折率をn(面内幅方向)、n(面内長手方向)、n(厚み方向)とし、フィルムの厚さをd(nm)とすると、Re=|n−n|×d、Rth=|(n+n)/2−n|×dで求めたものである。
かかるRe、Rthは、市販の自動複屈折計(例えば王子計測社製、「KOBRA−21ADH」)を用いて測定することができる。
このようなフィルムを得るためには、該液状硬化性組成物を、回転するドラム上、あるいは無端の駆動ベルトに流延して紫外線もしくは電子線を照射して硬化させ、得られたフィルムをドラム、もしくは該ベルトから連続的に剥離し巻き取る製膜方法において、過剰な応力をかけないようにすることが重要である。すなわち、剥離などの際にフィルムに過剰な応力が作用するとフィルム面内に分子配向を生じ、リターデーションが大きくなるため、ドラムやベルトの表面に低応力で剥離可能な処理を施すのが有効である。かかる表面処理はシリコーンやフッ素化合物による処理が好ましい。
本発明の透明架橋フィルムの透明性は、可視光域での全光線透過率が好ましくは85%以上、より好ましくは88%以上、特に好ましくは90%以上であって、ヘイズが好ましくは1.5%以下、より好ましくは1%以下、特に好ましくは0.7%以下である。
上記組成物を製膜するときの塗布手段としては、各種の塗布方法、例えば、リバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、ダイコート法、スプレーコート法などを用いることができる。
本発明の透明架橋フィルムは、表面硬度、透明性、防汚性に優れた自己支持性を有する単独フィルムであり、反射防止フィルム、偏向板保護フィルム、電磁波シールドフィルム、拡散フィルム、プリズムフィルムなどの光学用フィルム部材、銘板、化粧板などの基材フィルムとして好適に使用することができる。
[特性の測定方法および効果の評価方法]
本発明における特性の測定方法および効果の評価方法は次のとおりである。
(1)光学的等方性(Re、Rth)
王子計測機器(株)製の自動複屈折計KOBRA−21ADHを用い、低位相差モードでサンプル中央部を測定した。測定波長は590nmとし、遅相軸を固定して、入射角を0°から50°まで10°ごとに変更して位相差の入射角依存性を測定した。
入射角0°の値を面内位相差(Re)とし、厚み方向位相差(Rth)の算出には、入射角0°および40°の測定値を用いた。
(2)鉛筆硬度
HEIDON(新東科学株式会社製)を用いてJIS K−5400(1990)に従って測定荷重500gで測定した。
(3)防汚性
防汚性のパラメータとして、本発明では、マジック拭き取り性を用いた。透明架橋フィルムのUVまたはEB照射面に赤マジック(寺西化学工業(株)製マジックインキ(登録商標))により幅1cm、長さ5cmの線を5本引き(面積25cm)、25℃65%RH下で10分間放置後、透明架橋フィルムのマジック塗布面を、ハイゼガーゼ(旭化成せんい(株)社製)により1kg/cmの荷重をかけた状態で10往復させ、マジックインキが残存する面積により評価した。
・面積 10〜25cm :×
・面積 1〜10cm :△
・面積 0〜 1cm未満 :○
防汚性は、○が優れているレベルであり合格とした。
(4)干渉縞の有無
干渉縞の評価は、以下に方法に従いサンプルにハードコート層を積層した状態で評価を行った。まず、サンプルの片面に、厚みが約5μmとなるようにハードコート層を設けた。ハードコート層は、ハードコート塗料(JSR社製 Z7528 濃度50%)を#10のメタリングバーを用いて、薄膜を形成し、90℃にしたオーブンに入れ1分間熱処理を行った後、高圧水銀灯一灯(120W)を備えた、コンベアー式UV照射装置に、5m/minの速度で一度通し紫外線照射を行った。このようにしてハードコート層が積層されたサンプルを得た。さらに、裏面の反射の影響をなくすために、裏面(ハードコート層面の反対面)を240番のサンドペーパーで粗面化した後、黒色マジックインキにて着色して調整したサンプルを、暗室にて、3波長蛍光灯(ナショナル パルック 3波長形昼白色(F.L 15EX-N 15W))の直下30cmに置き、視点を変えながらサンプルを目視したときに、虹彩模様が視認できるか否かで評価した。
・虹彩模様がみえない : Aランク
・非常に弱い虹彩模様が見える : Bランク
・弱い虹色模様が見える : Cランク
・強い虹色模様がはっきり見える: Dランク。
(5)自己支持性
得られたフィルムを25℃65%RHに24時間放置し、その後180度に折り曲げた時にフィルムが破断するかどうかで判断した。フィルムが破断しない場合は自己支持性ありとした。
(6)全光線透過率
全自動直読ヘイズコンピューターHGM−2DP(スガ試験機(株)製)を用いて可視光域におけるフィルム厚み方向の全光線透過率の平均値を求めた。測定は10点の平均値とした。
(7)ヘイズ
25℃65%RHにおいてフィルムサンプルを24時間放置後、全自動直読ヘイズコンピューターHGM−2DP(スガ試験機(株)製)を用いて波長590nmにおけるヘイズを測定した。3回の測定の平均値を求めた。
(8)表面自由エネルギー
表面自由エネルギー及びその各成分(分散力、極性力、水素結合力)が既知の4種の液体(本発明ではPanzerによる方法(日本接着協会誌vol.15、No.3、p96に記載の水、エチレングリコール、ホルムアミド、ヨウ化メチレンの数値を用いた)を用い、20℃、50%RHの条件下で接触角計CA−D型(協和界面科学(株)製)にて透明架橋フィルム面に対する各液体の接触角を測定した。この値を拡張Fowks式とYoungの式より導入される下記式を用いて各成分を計算した。
(γ ・γ 1/2+(γ ・γ 1/2 +(γ ・γ 1/2=γ(1+cosθ)/2
ここで、γ 、γ 、γ 、γは測定駅の分散力、極性力、水素結合力の各成分及び各成分のトータルの表面自由エネルギー(数値は日本接着協会誌vol.15、No.3、p96に記載の水、エチレングリコール、ホルムアミド、ヨウ化メチレンの数値を用いた)を示し、γ 、γ 、γ は透明架橋フィルム面の分散力、極性力、水素結合力の各成分を示す。またθは測定面上での測定液の接触角を表す。1つの測定面に対して、3点測定を行いその平均値をθとした。測定液の既知の値及びθを上記の式に代入し、連立方程式により測定面の3成分(γ 、γ 、γ )を求めた。なお計算は数値計算ソフトである「Mathematica」の「Find Minimum」のコマンドを用いた。
次に、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。
(塗剤の調整)
(塗剤1:ビニルエステル組成物)
温度計、撹拌装置、分留コンデンサー、ガス導入管を取り付けた1Lのフラスコに、ビスフェノールAジエポキシ化合物 374.4g(1.20モル)、メタクリル酸 206.4g(2.4モル)、オクチル酸クロム 1.5g、亜リン酸0.15g、ハイドロキノン0.2gを加え、窒素ガスを吹き込みながら120〜125℃で2時間反応を行った。酸価11.0となった段階で、フラスコ内組成物を金属製バットに注入し、冷却したところ無色透明なビニルエステル組成物が得られた。(固形分100%)とした。
(塗剤2:多官能アクリレート)
多官能アクリレートとしてDPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:日本化薬(株)製:固形分100%)を用いた。
(塗剤3:その他のアクリレート)
反応希釈剤として1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(固形分100%)を用いた。
(塗剤4:フッ素系共重合体1)
フッ素系共重合体として、“ライトプロコートAFC−2000”(共栄社化学(株)製)を用いた。
(塗剤5:フッ素系共重合体2)
フッ素系共重合体として、“ライトプロコートAFC−1000”(共栄社化学(株)製)を用いた。
(塗剤6:シリコーン系共重合体1)
シリコーン系共重合体として、“タブレンSX005”(三菱レーヨン(株)製)を用いた。
(塗剤7:シリコーン系共重合体2)
シリコーン系共重合体として、“サンフルーレLS”(昭和電工(株)製)を用いた。
(塗剤8:フッ素系モノマー)
フッ素系モノマーとして、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート(M−1820:ダイキン化成品販売(株)製)を用いた。
(光開始剤)
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(“イルガキュア184”:長瀬産業(株)製)を用いた。
上記の材料を表1に示す混合比率(固形分重量比)で混合して塗布液とした。
(製膜方法)
調合塗液をフッ素処理金属板上へアプリケーターを用いて塗工後、照射強度が800mJ/cmとなる紫外線を照射して樹脂組成物を硬化させ、金属板から剥離してフィルムを得た。なおフィルム厚みは50μmとした。
(なお比較例8についてはPET基材フィルム(“ルミラー”(R)U34:東レ(株)製)上に実施例4の処方の塗剤を架橋後の最終厚みが5μmになるように塗布した。)
上記の方法によって作成したフィルムの評価結果を表2に示す。
Figure 2008239672
Figure 2008239672
表2から明らかなようにも、フッ素系共重合体あるいはシリコーン系共重合体の配合量が少ない場合(比較例3、4、6)では十分な防汚性が得られず、また、本発明の範囲を越えて、多量に配合した場合(比較例5)表面硬度、透明性に劣り、光学等方性も不十分なものであった。これに対して、フッ素系共重合体、シリコーン系共重合体の配合量が本発明の範囲にある場合(実施例1〜8、実施例12)には表面硬度、自己支持性、防汚性、透明性、光学等方性のバランスの良いフィルムであった。
また、多官能アクリレートを添加しない場合(比較例1)では表面硬度が不足し、本発明の範囲を超えて、多官能アクリレートを配合した場合(比較例2)には自己支持性が無く、曲げによって容易に破損した。
多官能アクリレートの配合量が本発明の範囲にある場合(実施例9〜11)には全ての評価において良好な特性を示した。
また、フッ素系共重合体に代えて、フッ素系モノマーを用いた場合(比較例7)、透明性に劣り、防汚性も不十分なものであった。
また、本発明のフィルムをPETフィルム上に積層したもの(比較例8)では、屈折率の異なる積層構造となるために干渉縞の発生が著しく、PET由来の光学等方性に劣るものであった。
本発明の透明架橋フィルムは、光学用フィルムとして満足しうる透明性、防汚性、光学的等方性があり、虹彩模様が抑制され、かつ表面硬度にも優れる自己支持性の単独フィルムであり、各種ディスプレイの基材フィルムとして好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. ビニルエステル組成物100重量部に対し、多官能アクリレート5〜50重量部と、フッ素系共重合体およびシリコーン系共重合体から選ばれた少なくとも1種2〜15重量部とを混合してなる組成物を硬化、架橋させてなることを特徴とする透明架橋フィルム。
  2. リターデーションが5nm以下であり、表面自由エネルギーが33mN/m以下であることを特徴とする請求項1に記載の透明架橋フィルム。
  3. 前記ビニルエステル組成物が、ビスフェノール型または脂環式のエポキシ化合物と、アクリル酸またはメタクリル酸とをエステル化反応させて得られる組成物であることを特徴とする請求項1または2に記載の透明架橋フィルム。
  4. 前記フッ素系共重合体および前記シリコーン系共重合体が、前記ビニルエステル組成物と共有結合を介して結合されているものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明架橋フィルム。
  5. 前記フッ素系共重合体および前記シリコーン系共重合体が、表面に偏在していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の透明架橋フィルム。
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