JP2008236272A - マルチバンド増幅回路およびモジュール、並びに携帯電話機 - Google Patents
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Abstract
【課題】1つの増幅器をマルチバンドで使用することができ、かつ広範囲の周波数帯域にわたって十分な利得と高い安定性を得ること。
【解決手段】トランジスタを含んで構成される増幅器31の入力ラインLNと接地ラインLGとの間にトランジスタのバイアス点を決定するためのバイアス用抵抗R2が接続されて構成されるマルチバンド増幅回路30であって、入力ラインとバイアス用抵抗との間に、バイアス用抵抗よりも抵抗値の小さい低抵抗Rbが挿入されて接続されており、入力ラインの高周波成分をバイパスして減衰させるためのバイパスコンデンサCbが、低抵抗Rbの全部または一部と直列体を構成して接地ラインに接続されるよう、しかも低抵抗Rbの全部または一部に対して選択的に接続されるよう、設けられている。
【選択図】 図2
【解決手段】トランジスタを含んで構成される増幅器31の入力ラインLNと接地ラインLGとの間にトランジスタのバイアス点を決定するためのバイアス用抵抗R2が接続されて構成されるマルチバンド増幅回路30であって、入力ラインとバイアス用抵抗との間に、バイアス用抵抗よりも抵抗値の小さい低抵抗Rbが挿入されて接続されており、入力ラインの高周波成分をバイパスして減衰させるためのバイパスコンデンサCbが、低抵抗Rbの全部または一部と直列体を構成して接地ラインに接続されるよう、しかも低抵抗Rbの全部または一部に対して選択的に接続されるよう、設けられている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、トランジスタを含んで構成される増幅器を用いたマルチバンド増幅回路およびマルチバンド増幅モジュール、並びにそれを用いた携帯電話機に関する。
近年において、携帯電話機は、高性能化および高機能化が進んでいるが、さらなる高度化と利用拡大に向けて、通信に用いる周波数帯域の確保が検討されている。そのため、使用する携帯電話機に対し、様々なシステムへの適応とともに、種々の周波数帯域への対応(マルチバンド化)が求められている。
従来において、携帯電話機がマルチバンド化に対応するために、携帯電話機の無線部、特に増幅回路は、通信に用いる各周波数帯域に対応した回路素子を複数個搭載し、周波数帯域によりそれらの回路素子を切り換えて使用するようになっている。
図10は従来における携帯電話機のマルチバンド増幅回路80を示す図、図11は従来のマルチバンド増幅回路80の周波数特性を示す図である。
図10に示すように、f1<f2<f3の関係のある各周波数f1、f2、f3について、それぞれの周波数帯域に対し最適化された増幅器81a,b,cを設け、その入力および出力をスイッチ82a,82bによって切り替える。各増幅器81a,b,cには、各周波数帯域において最適化されたデバイスパラメータを持って増幅を行うトランジスタが用いられる。また、トランジスタのバイアス点を決定するためのバイアス回路、インピーダンス整合のための整合回路も設けられる。
これによって、図11に示すように、それぞれの周波数f1、f2、f3を含む帯域において必要な利得、効率、および安定性を得ることができる。
また、複数の周波数帯域の受信信号を1つの入力インピーダンス整合回路を介して選択的に低雑音増幅器に供給し、低雑音増幅器のモードを切替えて受信信号を増幅するように構成したマルチバンド増幅回路も提案されている(特許文献1)。
特開2006−237711
図10に示したように各周波数帯域ごとに専用の増幅器を設けた場合には、そのための実装面積(エリア)が増大して携帯電話機のサイズが大きくなってしまい、さらにコスト高になるという問題がある。
例えば、現在において、3GPP(Third Generation Partnership Project) において6バンドの周波数帯域が予定されている。その状況の中で、周波数帯域ごとに専用の増幅器を設ける従来の構成では、6個の増幅器を並列に搭載して個々の帯域で最高の性能が得られるようにする必要がある。しかし、これでは増幅器の実装面積が大きくなり過ぎて携帯電話機の小型化を図れないことが明らかである。
また、特許文献1のように1個の増幅器をマルチバンドで使用する場合には、各周波数帯域における性能の確保と安定した動作が要求される。そのためには、高い周波数帯域において利得を確保できるトランジスタを用いる必要がある。その場合に、低い周波数帯域において利得が高くなり過ぎ、デバイスの安定系数Kの値が1以下となるおそれがある。安定系数Kの値が1以下になった場合には、その周波数帯域において不安定領域が発生し、増幅回路の帯域外の近傍のインピーダンスと重なって発振し易くなる。
また、これとは逆に、低い周波数帯域の安定性を確保するために入力ラインのバイアス回路のインピーダンスを下げると、高い周波数帯域における利得が減少し、効率が低下してしまう。
また、バイアス回路のインピーダンスを決定する抵抗の値それ自体を使用する周波数帯域に応じて切り替えることが考えられる。しかし、その場合は、トランジスタのゲートまたはベースのバイアス点(バイアスポイント)が変動し、増幅器の利得や歪特性などがばらついて安定した性能が得られなくなる。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、1つの増幅器をマルチバンドで使用することができ、かつ広範囲の周波数帯域にわたって十分な利得と高い安定性を得ることのできるマルチバンド増幅回路およびモジュール、並びに携帯電話機を提供することを目的とする。
本発明に係る一形態のマルチバンド増幅回路は、トランジスタを含んで構成される増幅器の入力ラインと接地ラインとの間に、抵抗とコンデンサとの直列体からなるローパスフィルタが挿入接続されており、かつ、前記抵抗の抵抗値が可変に構成される。
本発明に係る他の一形態のマルチバンド増幅回路は、入力ラインとバイアス用抵抗との間に、前記バイアス用抵抗よりも抵抗値の小さい低抵抗が挿入されて接続されており、前記入力ラインの高周波成分をバイパスして減衰させるためのバイパスコンデンサが、前記低抵抗の全部または一部と直列体を構成して前記接地ラインに接続されるよう、しかも前記低抵抗の全部または一部に対して選択的に接続されるよう、設けられる。
例えば携帯電話機の送受信における周波数帯域を切り替えるためのマルチバンド切替え信号に基づいて、バイパスコンデンサの接続が切り替えられることにより、使用される周波数帯域におけるマルチバンド増幅回路の利得および安定系数が調整される。
本発明に係る一形態のマルチバンド増幅モジュールは、前記マルチバンド増幅回路と、前記マルチバンド増幅回路の入力側および出力側に設けられた整合回路とを有して構成される。これによって、小型で動作の安定したマルチバンド増幅モジュールとすることができる。
本発明に係る一形態のマルチバンド携帯電話機は、前記マルチバンド増幅回路と、前記マルチバンド増幅回路の入力側および出力側に設けられた整合回路と、前記マルチバンド増幅回路における前記バイパスコンデンサの接続の切り替えおよび前記整合回路の調整を行う制御回路とを有し、前記制御回路は、送受信の周波数帯域を切り替えるためのマルチバンド切替え信号に基づいて、前記整合回路の調整を行うようかつ前記マルチバンド増幅回路における前記バイパスコンデンサの接続の切り替えを行うように制御される。
本発明によると、1つの増幅器をマルチバンドで使用することができ、かつ広範囲の周波数帯域にわたって十分な利得と高い安定性を得ることができる。
〔第1の実施形態〕
図1は本発明に係る1実施形態の携帯電話機2の全体の構成の例を示す図、図2は携帯電話機2の機能に着目した構成の例を示す図、図3は携帯電話機2の無線回路20cの一部のマルチバンド増幅回路30の要部の回路を示す図、図4はマルチバンド増幅回路30の全体の回路構成の例を示すブロック図、図5は切替えスイッチ35の切り替えによる特性の変化の様子を示す図、図6は切替えスイッチ35の切り替えによる周波数特性および安定系数の変化の様子を示す図である。
図1は本発明に係る1実施形態の携帯電話機2の全体の構成の例を示す図、図2は携帯電話機2の機能に着目した構成の例を示す図、図3は携帯電話機2の無線回路20cの一部のマルチバンド増幅回路30の要部の回路を示す図、図4はマルチバンド増幅回路30の全体の回路構成の例を示すブロック図、図5は切替えスイッチ35の切り替えによる特性の変化の様子を示す図、図6は切替えスイッチ35の切り替えによる周波数特性および安定系数の変化の様子を示す図である。
携帯電話機2は、例えばCDMA2000またはW−CDMAなどの規格に基づく携帯電話システムに用いられる。そのような携帯電話システムは、無線基地局(BS:Base Station)および基地局制御装置(BSC:BS Controller )などによって構成される無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)、関門移動交換局(GMSC:Gateway MSC )、移動交換局(MSC:Mobile Services Switching Center)、およびホームロケーションレジスタ(HLR:Home Location Register)43などによって構成されるコアネットワーク(CN:Core Network)、および、多数の携帯電話機2などを含んで構成される。
なお、無線基地局は「Node B」または「基地局」などと呼ばれることがある。また、基地局制御装置は「RNC(Radio Network Controller)」と呼ばれることがある。
携帯電話機2は、無線アクセスネットワークおよびコアネットワークなどを介して他の携帯電話機または固定電話機などと通話を行ったり、他の携帯電話機またはパーソナルコンピュータなどと電子メールまたは画像データなどのやり取りを行ったりすることができる。
図1に示すように、携帯電話機2は、CPU20a、メモリ20b、無線回路20c、液晶パネル20d、操作ボタン20e、アンテナ20f、マイク20g、スピーカ20h、および入出力インタフェース20iなどによって構成される。無線回路20cには、発振回路、変調回路、および電力増幅回路などからなる送信回路、および、同調回路、高周波増幅回路、ス−パーヘテロダイン回路、復調回路などからなる受信回路が含まれる。このような携帯電話機2の全体の構成それ自体は公知である。
また、図2に示すように、携帯電話機2は、アンテナ20f、スイッチ及び共用器201、受信部RF回路202、送信部RF回路203、アナログベースバンドLSI204、デジタルベースバンドLSI205、アプリケーションプロセッサ206、パワーマネジメントLSI207、メモリ20h、カメラ20k、LCD20h、およびキーパッド20eなどから構成される。図2において、携帯電話機2の実際のハードウエア構成により近い構成が示されているが、このような構成は一例であって、種々の構成とすることが可能である。
以下に説明する第1〜第4の各実施形態において、携帯電話機2の全体の構成はいずれも同じであるので、以降の実施形態においては携帯電話機2の全体についての説明を省略する。
図3において、マルチバンド増幅回路30は、無線回路20cの電力増幅回路の一部である。マルチバンド増幅回路30には、増幅器31の入力ラインLNに、トランジスタのバイアス点を決定するためのバイアス用抵抗R1,R2が接続されている。これらのバイアス用抵抗R1,R2は、バイアス回路32aを構成する。
また、入力ラインLNと接地ラインLG側のバイアス用抵抗R2との間に、バイアス用抵抗R2よりも抵抗値の小さい低抵抗Rbが挿入されて接続されている。そして、入力ラインLNの高周波成分をバイパスして減衰させるためのバイパスコンデンサCbが、低抵抗Rbの全部または一部と直列体を構成して接地ラインLGに接続されるよう、しかも選択的に接続されるよう、設けられている。これら、低抵抗RbおよびバイパスコンデンサCbは、周波数特性調整回路CFを構成する。
すなわち、低抵抗Rbには、その複数箇所、図3に示す例では3箇所において、中間タップTP1〜3が設けられており、それぞれの中間タップTP1〜3が切替えスイッチ35の切替え接点に接続されている。バイパスコンデンサCbは、切替えスイッチ35のコモン接点に接続されており、これにより、切替えスイッチ35を切り替えることによって、バイパスコンデンサCbが中間タップTP1〜3のいずれかに切り替え接続される。
低抵抗Rbの抵抗値は、上に述べたようにバイアス用抵抗R2よりも小さく、低抵抗Rbの挿入によって入力ラインLNのバイアス点の実質的な変動はない。抵抗値の具体例をあげると、増幅器31の回路構成や使用するトランジスタにもよるが、バイアス用抵抗R1,R2が1〜100KΩ程度の場合に、低抵抗Rbを10〜1000Ωとする。例えば、バイアス用抵抗R1が1.5KΩ程度、バイアス用抵抗R2が3KΩ程度の場合に、低抵抗Rbを200Ω程度とする。この場合に、中間タップTP1〜3により4分割される各部分の抵抗値は50Ω程度である。また、バイアス用抵抗R1が50KΩ程度、バイアス用抵抗R2が10KΩ程度の場合に、低抵抗Rbを500Ω程度とする。バイパスコンデンサCbは、20〜200pF程度の範囲で、使用する周波数帯域に応じて選定すればよい。
なお、低抵抗RbおよびバイパスコンデンサCbは、外付けのチップ素子を用いてもよく、また、マイクロマシン加工技術〔MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)〕により加工して得られる微小構造のマイクロマシンデバイス、その他の種々の素子を用いてよい。切替えスイッチ35には、同じくマイクロマシンデバイスを用いることが可能である。そのようなマイクロマシンデバイスとしては、静電容量型のスイッチまたはメカ的なスイッチを用いることができる。また、C−MOSなどによってアナログスイッチを構成してもよい。また、メカ接点を有した電磁式または手動式の切替えスイッチを用いてもよい。
切替えスイッチ35は、マルチバンド増幅回路30の外部からの制御信号、例えばRFLSI(高周波用集積回路素子)またはベースバンドLSIからの制御信号によって制御するように構成することも可能である。特に、切替えスイッチ35としてマイクロマシンデバイスを用いた場合には、マイクロマシンデバイスに印加する制御電圧のみで制御を行うことが可能である。
図3に示したマルチバンド増幅回路30では、バイアス用抵抗R1,R2によって増幅器31のバイアス点が実質的に決定される。したがって、増幅器31の動作点が安定し、これによって、利得GA、歪み特性など、種々の特性が安定する。
周波数特性調整回路CFである低抵抗RbとバイパスコンデンサCbとの直列体は、ロ−パスフィルタを構成しており、切替えスイッチ35の切り替えによって、その周波数特性が変化する。例えば、バイパスコンデンサCbを、中間タップTP1,2,3の順に接続した場合に、入力ラインLNの信号の損失量が順次増大し、信号の入力レベルが低下する。そこで、入力ラインLNの信号の周波数帯域が低くなるにしたがって中間タップTP1,2,3の順に接続するようにする。他方、増幅器31の利得は、周波数帯域が低くなるにしたがって大きくなる。したがって、マルチバンド増幅回路30の全体としては、入力ラインLNに入力される信号の周波数帯域が変化しても、その利得はほぼ一定となり、周波数帯域の異なる各信号についてほぼ一定のレベルの出力が得られる。
また、マルチバンド増幅回路30において、切替えスイッチ35を切り替えることによって、入力ラインLNの信号の周波数帯域が低くなるにしたがって信号の損失量が増大し、マルチバンド増幅回路30の全体としての利得は周波数帯域の変化にかかわらずほぼ一定に保たれるので、安定系数Kの値が1以下とならないようにして動作の安定化を図ることができる。
つまり、図6に示すように、周波数fが高くなるにしたがって、利得GAは低下し、安定系数Kは増大するように変化する。また、切替えスイッチ35が接点位置PS1〜3に切り替えられることに対応して、利得GAは低い方にシフトし、安定系数Kは高い方にシフトする。なお、接点位置PS1〜3は、中間タップTP1〜3の各位置に対応する。
その結果、図6に黒丸で示すように、各周波数帯域f1〜3において、利得GAがほぼ一定となり、安定系数Kも1以上のほぼ同じ値で安定する。これを表にまとめたものが図5である。
なお、切替えスイッチ35を切り替えることなく接点位置PS1のままであったとすると、図6の白丸で示すように、低い周波数帯域f1,f2で利得GAが大きくなり過ぎ、安定系数Kも1に近くにまで低下しまたは1以下となってしまう。
ところで、増幅器31のバイアス点を決定するための回路として、上に述べたバイアス用抵抗R1,R2を用いる方法の他に、チョークコイルまたはλ/4のマイクロストリップ線路を入力ラインLNに接続し、その他端をコンデンサを介して接地ラインLGに接続する方法がある。これにより、希望する周波数で入力ラインLNを高インピーダンス化する。そして、チョークコイルまたはマイクロストリップ線路とコンデンサとの接続点からバイアス電圧VGを供給する。これにより、入力ラインLNでの線路ロスが抑えられる。この場合にも、上に述べたような低抵抗RbとバイパスコンデンサCbとを入力ラインLNと接地ラインLGとの間に接続し、切替えスイッチ35によって低抵抗Rbの抵抗値が切り替わるようにすることも可能である。
なお、上の説明では、バイアス点は実質的に変動しないようにしたが、使用する周波数帯域に応じてバイアス点を変更するようにしてもよい。例えば、1つの周波数帯域では増幅器31をAB1級で動作させ、他の1つの周波数帯域では増幅器31をA級で動作させる、といった場合である。
なお、増幅器31にはトランジスタを用いるが、バイポーラトランジスタ、接合型FET、MOS−FETなど、種々の種類のトランジスタを用いることが可能である。トランジスタの種類に応じて、また同じ種類のトランジスタであってもその品名によって、バイアス点が最適になるように、それぞれの回路定数を決定すればよい。使用する周波数帯域の最大値に対して、利得GAが十分に得られるトランジスタを選定すればよい。例えば、最大の周波数帯域が5GHzである場合には、5GHzで所定の利得GAを得られるトランジスタを選定する。
また、1つのトランジスタのみでなく、複数のトランジスタを用いた種々の回路構成とすることも可能である。また、トランジスタを用いた回路として、プリント基板などに個々の素子を半田付けして構成することも可能であり、適当な集積回路素子またはモジュールとしたものを用いることも可能である。
なお、上に述べたバイアス回路32aは、図4に示すマルチバンド増幅回路30における増幅器31の入力側に設けられたものである。周波数特性調整回路CFは、バイアス回路32aに挿入される形で設けられている。
また、図4に示すように、増幅器31の出力側にもバイアス回路32bが設けられることがある。また、バイアス回路32aの前段およびバイアス回路32bの後段に、整合回路33a,33bが設けられる。整合回路33a,33bには、例えば、固定のチップ型のコンデンサ、抵抗、インダクタ、またはマイクロストリップ線路などが用いられ、増幅器31の入力ラインLNのインピーダンスと線路インピーダンス(通常は50Ω)との間のインピーダンス整合を行う。
図4に示すように、増幅器31、バイアス回路32a,b、周波数特性調整回路CF、および整合回路33a,33bから構成されるマルチバンド増幅回路30を、1つの半導体集積回路としてまとめたマルチバンド増幅モジュールMMとすることが可能である。マルチバンド増幅モジュールMMとした場合には、複数の周波数帯域に対応して動作の安定したマルチバンド増幅回路30が得られるとともに、大幅な小型化を図ることができる。したがって、携帯電話機2の小型化に寄与することができる。
なお、ここでは整合回路33a,33bを含んだものをマルチバンド増幅回路30としたが、整合回路33a,33bを含まないものをマルチバンド増幅回路という場合もある。本発明における「マルチバンド増幅回路」はそのような場合を含む。
〔第2の実施形態〕
次に、第2の実施形態のマルチバンド増幅回路30Bについて説明する。
〔第2の実施形態〕
次に、第2の実施形態のマルチバンド増幅回路30Bについて説明する。
図7は第2の実施形態のマルチバンド増幅回路30Bを示す図である。
図7において、増幅器31として、MOS−FET311が用いられ、ゲートのバイアス点を決定するためにバイアス用抵抗R1,R2が接続されている。また、上に述べたように、入力ラインLNとバイアス用抵抗R2との間に、周波数特性調整回路CFBが接続されている。周波数特性調整回路CFBにおいて、低抵抗Rbは、3つの低抵抗Rb1〜3が直列に接続されて構成されている。低抵抗Rb3とバイアス用抵抗R2、低抵抗Rb2とRb3、低抵抗Rb1とRb2とのそれぞれの接続部分が、切替えスイッチ35の各接点位置PS1〜3に接続され、切替えスイッチ35の切り替えによって、バイパスコンデンサCbが接続される。
第2の実施形態のマルチバンド増幅回路30Bにおいても、上に述べた第1の実施形態のマルチバンド増幅回路30と同様な作用が行われ、同様な効果が得られる。加えて、各低抵抗Rb1〜3の抵抗値の選定および実装が容易であり、各周波数帯域に対応した最適の抵抗値を選定して特性の安定化を図ることが容易である。
〔第3の実施形態〕
次に、第3の実施形態のマルチバンド増幅回路30Cについて説明する。
〔第3の実施形態〕
次に、第3の実施形態のマルチバンド増幅回路30Cについて説明する。
図8は第3の実施形態のマルチバンド増幅回路30Cを示す図である。
図8において、周波数特性調整回路CFCの低抵抗としてポテンショメータRbpが用いられており、ポテンショメータRbpを可変調整することによって、バイパスコンデンサCbが低抵抗の全部または一部と直列体を構成するよう選択的に接続されるようになっている。
つまり、ポテンショメータRbpを時計方向(または反時計方向)に回すと、バイパスコンデンサCbの接続された可変接点Cは上側の固定接点aに近づき、ポテンショメータRbpを反時計方向(または時計方向)に回すと可変接点Cは下側の固定接点bに近づく。これによって、入力ラインLNの周波数特性を可変し、各周波数帯域における利得GAおよび安定系数Kを調整することができる。
〔第4の実施形態〕
次に、第4の実施形態のマルチバンド増幅回路30Dについて説明する。
〔第4の実施形態〕
次に、第4の実施形態のマルチバンド増幅回路30Dについて説明する。
図9は第4の実施形態のマルチバンド増幅回路30Dを示す図である。
図9において、マルチバンド増幅回路30Dは、MOS−FET311からなる増幅器31、バイアス回路32D、周波数特性調整回路CFD、整合回路33D、制御回路34、RFLSI35、およびベースバンドLSI36などからなる。
整合回路33Dは、バリアブルインダクタ331〜333、およびバリアブルコンデンサ334〜335によって構成されており、制御回路34からの制御信号VI−CNT、Vc−CNTによって、インダクタンスおよびキャパシタンスが調整される。これによって、その入力側とその出力側との間のインピーダンス整合が図られる。
周波数特性調整回路CFDは、第1の実施形態の周波数特性調整回路CFとほぼ同じであり、制御回路34からの制御信号Vsによって切替えスイッチ35の接点位置PSが制御される。
制御回路34、RFLSI35、およびベースバンドLSI36などは、CPU20aからの信号によって制御され、指示された周波数帯域における送受信が行われるように切り替えられ、調整される。
例えば、制御信号VI−CNT、Vc−CNT、Vsは、送受信の周波数帯域を切り替えるためのマルチバンド切替え信号に基づいて出力される。つまり、マルチバンド切替え信号をトリガとして、それに連動して、整合回路33Dが調整されるよう、かつ周波数特性調整回路CFが切り替わるように、制御される。
上に述べたように、第1〜第4の実施形態のマルチバンド増幅回路30、30B〜Dによると、1つの増幅器をマルチバンドで使用することができ、かつ広範囲の周波数帯域にわたって十分な利得と高い安定性を得ることができる。
なお、第2〜第4の実施形態のマルチバンド増幅回路30B〜Dについても、それぞれマルチバンド増幅モジュールMMとすることが可能である。さらに、制御回路34を加えたものをマルチバンド増幅モジュールMMとしてもよい。また、携帯電話機2にこれらのマルチバンド増幅モジュールMMを用いることにより、マルチバンド化された小型の携帯電話機2を得ることができる。
上に述べた実施形態においては、マルチバンドとして3つの周波数帯域を切り替える例について説明したが、2つの周波数帯域または4つ以上の周波数帯域を切り替える場合についても適用可能である。また、マルチバンド増幅回路30が送信回路に用いられた例を説明したが、受信回路にも同様に適用することができる。
上に述べた実施形態において、低抵抗Rb、バイパスコンデンサCb、バイアス用抵抗R1,R2などは、上に述べた以外の種々の形態、形状、構成、接続形態とすることが可能であり、それらの定数値についても上に述べた以外の種々の値とすることが可能である。
その他、周波数特性調整回路CF、マルチバンド増幅回路30,30B〜D、および携帯電話機2の全体または各部の構造、構成、形状、個数、材質、回路構成、回路定数などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
2 携帯電話機
30,30B〜D マルチバンド増幅回路
31 増幅器
32a,b バイアス回路
33a,b 整合回路
33D 整合回路
34 制御回路
35 切替えスイッチ(切替え接続手段)
Rb 低抵抗
Rbp ポテンショメータ(低抵抗)
Cb バイパスコンデンサ
R1,R2 バイアス用抵抗
MM マルチバンド増幅モジュール
CF,CFB,CFC,CFD 周波数特性調整回路
30,30B〜D マルチバンド増幅回路
31 増幅器
32a,b バイアス回路
33a,b 整合回路
33D 整合回路
34 制御回路
35 切替えスイッチ(切替え接続手段)
Rb 低抵抗
Rbp ポテンショメータ(低抵抗)
Cb バイパスコンデンサ
R1,R2 バイアス用抵抗
MM マルチバンド増幅モジュール
CF,CFB,CFC,CFD 周波数特性調整回路
Claims (6)
- トランジスタを含んで構成される増幅器の入力ラインと接地ラインとの間に、抵抗とコンデンサとの直列体からなるロ−パスフィルタが挿入接続されており、かつ、前記抵抗の抵抗値が可変に構成されている、
ことを特徴とするマルチバンド増幅回路。 - トランジスタを含んで構成される増幅器の入力ラインと接地ラインとの間に前記トランジスタのバイアス点を決定するためのバイアス用抵抗が接続されて構成されるマルチバンド増幅回路であって、
前記入力ラインと前記バイアス用抵抗との間に、前記バイアス用抵抗よりも抵抗値の小さい低抵抗が挿入されて接続されており、
前記入力ラインの高周波成分をバイパスして減衰させるためのバイパスコンデンサが、前記低抵抗の全部または一部と直列体を構成して前記接地ラインに接続されるよう、しかも前記低抵抗の全部または一部に対して選択的に接続されるよう、設けられている、
ことを特徴とするマルチバンド増幅回路。 - 前記低抵抗は、複数の抵抗が直列に接続されて構成されており、
前記バイパスコンデンサを前記複数の抵抗の接続部分に選択的に接続するための切替え接続手段が設けられている、
請求項2記載のマルチバンド増幅回路。 - 前記低抵抗は、ポテンショメータであり、
前記ポテンショメータを可変調整することによって、前記バイパスコンデンサが前記低抵抗の全部または一部と直列体を構成するよう選択的に接続される、
請求項2記載のマルチバンド増幅回路。 - 請求項2ないし4のいずれかに記載の前記マルチバンド増幅回路と、
前記マルチバンド増幅回路の入力側および出力側に設けられた整合回路と、
を有してなることを特徴とするマルチバンド増幅モジュール。 - 周波数帯域を切り替えて送受信が可能なマルチバンド携帯電話機であって、
請求項2ないし4のいずれかに記載の前記マルチバンド増幅回路と、
前記マルチバンド増幅回路の入力側および出力側に設けられた整合回路と、
前記マルチバンド増幅回路における前記バイパスコンデンサの接続の切り替えおよび前記整合回路の調整を行う制御回路と、
を有し、
前記制御回路は、送受信の周波数帯域を切り替えるためのマルチバンド切替え信号に基づいて、前記整合回路の調整を行うようかつ前記マルチバンド増幅回路における前記バイパスコンデンサの接続の切り替えを行うように制御されている、
ことを特徴とするマルチバンド携帯電話機。
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JP2007071700A Withdrawn JP2008236272A (ja) | 2007-03-20 | 2007-03-20 | マルチバンド増幅回路およびモジュール、並びに携帯電話機 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2008236272A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011082625A (ja) * | 2009-10-02 | 2011-04-21 | Asahi Kasei Electronics Co Ltd | 高周波増幅器 |
JP2011135282A (ja) * | 2009-12-24 | 2011-07-07 | Tdk Corp | 電力増幅回路 |
JP2017510202A (ja) * | 2014-03-28 | 2017-04-06 | クゥアルコム・インコーポレイテッドQualcomm Incorporated | キャリアアグリゲーション増幅器のためのスプリアス信号低減 |
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2007
- 2007-03-20 JP JP2007071700A patent/JP2008236272A/ja not_active Withdrawn
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JP2011082625A (ja) * | 2009-10-02 | 2011-04-21 | Asahi Kasei Electronics Co Ltd | 高周波増幅器 |
JP2011135282A (ja) * | 2009-12-24 | 2011-07-07 | Tdk Corp | 電力増幅回路 |
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