JP2008233845A - 光ファイバ心線端末処理方法及び装置 - Google Patents

光ファイバ心線端末処理方法及び装置 Download PDF

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憲佳 松本
Kazuo Hokari
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Abstract

【課題】光ファイバ心線の端末処理として、熱応力による切断を行い、熱源としてセラミックヒータを用いることにより、光ファイバ心線の切断成功率を向上させる光ファイバ心線端末処理方法及び装置を提供することにある。
【解決手段】光ファイバ心線の被覆を除去して裸光ファイバ心線と得、前記裸光ファイバ心線を、セラミックヒータよりなる熱源を用いて加熱し、熱応力が生じた裸光ファイバ心線の一部にさらに応力を加えることにより裸光ファイバ心線を切断する。また、裸光ファイバ心線に熱を加える際、熱源の上昇温度と加熱時間の積を3000℃sec以上とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバ心線端末処理方法及び装置に関し、より詳細には、光ファイバ心線の被覆除去、裸光ファイバ心線の表面クリーニング、裸光ファイバ心線を熱応力を用いて切断する光ファイバ心線端末処理方法及び装置に関する。
近年、光ファイバを用いてブロードバンドサービスの提供を受けるユーザが増加しており、アクセス系光伝送路の構築・整備は急務になっている。光アクセス系を構築する際には、非常に多くの光ファイバを接続する必要があり、効率的に光ファイバ接続することは非常に重要な課題の1つである。
現在、光ファイバを接続するには前処理として、(1)被覆除去、(2)光ファイバ表面のクリーニング、(3)光ファイバ端面の切断、(4)接続という端末処理を行った後、接続処理を行う工程がある。
即ち、従来、(1)専用の被覆除去器を用いて光ファイバの周囲に被覆されたプラスチック被覆を取り除き、(2)被覆除去後の光ファイバ表面に残った被覆ゴミ等をアルコールの含浸した紙などを用いてクリーニングし、(3)刃を用いて光ファイバ表面に傷を付けて切断し、接続するのに必要な平坦な端面を得ていた。そして、その後(4)メカニカルスプライス、MTコネクタや融着接続などの方法にて光ファイバ同士を突き合わせて接続していた(非特許文献1参照)。
また、光ファイバの端末処理技術として、光ファイバに熱応力を与え切断する方法が提案されている。この方法では、光ファイバの表面に傷を付けて切断するのではなく、光ファイバ表面を加熱することによって生じた熱応力により切断する。また、光ファイバ表面を加熱するのに用いる熱源は、被覆除去後の光ファイバ表面に付着しているゴミを焼失させ、光ファイバの表面をクリーニングすることができる。そのため、光ファイバの切断とクリーニングの光ファイバ端末処理を1つの工具で行うことが可能となり、光ファイバ接続作業の簡易高速化が期待されている(特許文献1)。
特開2007−101911号公報 菊池拓男、西澤紘一、「光通信時代を支えるFTTH施行技術」、オプトロニクス社、平成16年7月6日、p.68−127 松本憲佳、保苅和男、「一体型光ファイバ接続工具の検討」、電子情報通信学会2006年総合大会論演論文集、電子情報通信学会、平成18年3月8日、p.498
しかしながら、基幹配線に使用している光ファイバケーブルの多くは、4心あるいは8心ファイバ心線を集合させた光ファイバテープで構成した光ファイバケーブルが使用されている。その光ファイバケーブルにおける光ファイバ心線同士の接続を、簡易高速に接続するため、熱源を利用した端末処理工具を使用すると、光ファイバ心線の端末処理としての切断成功率が大きく下がる。
この切断成功率とは、融着接続における機械の規定値を満たしているかで規定している。すなわち、裸光ファイバ心線を融着接続機にセットして融着できたものを切断成功と判断する。切断成功率が大きく下がる原因の1つとして、熱源としてニクロム線を使用すると、熱による膨張等でニクロム線が湾曲変形するため、複数の裸光ファイバ心線が同じ条件でニクロム線に接触されないことにより、複数の裸光ファイバ心線に均一に熱が加わらなくなり、裸光ファイバ心線の熱応力不足が原因となって光ファイバテープ内で切断しない裸光ファイバ心線が出てくる場合や切断した端面間で不揃いが生じ、接続できない場合が起こる可能性がある。熱を利用した一体化工具にすることで作業性は向上するが、光ファイバ心線の端末処理の切断成功率が低く、複数回作業することが必要となるため、実用的に使用が出来ないという問題があった。
また、光ファイバ心線を熱応力で切断する際に、熱源でどの程度加熱すれば安定化かつ正確に切断することができるか明確にされておらず、加熱が不十分であると切断面が粗く成り、加熱を十分に行おうとすると加熱時間が長くなり効率が悪くなるという問題があった。熱応力による光ファイバ切断は理論式により推測できるが、光ファイバ接続に用いる切断は鏡面切断である必要であり、その条件は今まで証明されていなかった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、光ファイバ心線の端末処理としての熱応力による切断に、熱源としてセラミックヒータを用いることにより、光ファイバ心線端末処理としての切断成功率を向上させる光ファイバ心線端末処理方法及び装置を提供することにある。また、実証的に確定された鏡面切断に必要な加熱条件に基づく切断を行うことにより、高い切断成功率で迅速な光ファイバ心線端末処理方法及び装置を提供することにある。
このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、光ファイバ心線端末処理方法であって、光ファイバ心線の被覆を除去して裸光ファイバ心線を得る被覆除去ステップと、前記被覆除去ステップで得られた裸光ファイバ心線を、セラミックヒータよりなる熱源を用いて加熱し、裸光ファイバ心線の一部に熱応力を与えることにより裸光ファイバ心線を切断する切断ステップとを有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光ファイバ心線端末処理方法であって、前記セラミックヒータは、セラミック内に発熱体を設けたセラミックヒータであることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の光ファイバ心線端末処理方法であって、前記セラミックヒータは、セラミック中にニクロム線又はタングステン線を埋め込んだセラミックヒータであることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の光ファイバ心線端末処理方法であって、前記被覆除去ステップは、前記光ファイバ心線を加熱する加熱ステップと、刃により前記光ファイバ心線の被覆を削り取る削り取りステップとを有することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の光ファイバ心線端末処理方法であって、前記切断ステップは、前記裸光ファイバ心線の所定部分を、前記セラミックヒータよりなる熱源を用いて加熱する加熱ステップと、前記裸光ファイバ心線の一部に応力を加えて切断する加圧ステップとを有することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の光ファイバ心線端末処理方法であって、前記熱源の上昇温度と加熱時間の積は、3000℃sec以上とすることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、光ファイバ心線端末処理装置であって、光ファイバ心線を保持する光ファイバホルダと、前記光ファイバホルダを光ファイバ心線の軸方向にスライドさせるスライド部を有する基体と、前記光ファイバホルダに保持された光ファイバ心線の移動位置に設けられ、光ファイバ心線を加熱する加熱部と、前記光ファイバホルダに保持された光ファイバ心線の移動位置に設けられ、前記加熱部で加熱された前記光ファイバ心線の被覆を除去する刃と、前記光ファイバホルダに保持された光ファイバ心線の移動位置に設けられ、前記刃で光ファイバ心線の被覆が除去された裸光ファイバ心線を保持するクランプ部と、前記光ファイバホルダに保持された光ファイバ心線の移動位置に設けられ、前記クランプ部で保持された裸光ファイバ心線の所定部分を加熱するセラミックヒータよりなる熱源と、前記セラミックヒータよりなる熱源で所定部分が加熱された裸光ファイバ心線の加熱部分に応力を加える応力部材とを備えたことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の光ファイバ心線端末処理装置であって、前記セラミックヒータは、セラミック内に発熱体を設けたセラミックヒータであることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の光ファイバ心線端末処理装置であって、前記セラミックヒータは、セラミック中にニクロム線又はタングステン線を埋め込んだセラミックヒータであることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項7乃至9のいずれかに記載の光ファイバ心線端末処理装置であって、前記熱源の上昇温度と加熱時間の積は、3000℃sec以上とすることを特徴とする。
本発明によれば、被覆除去、表面クリーニング、切断といった光ファイバ心線の端末処理を1つの工具で行うための、熱源にセラミックヒータを用いることで、光ファイバ心線の端末処理としての切断成功率を向上させることが出来る。それにより、簡易コンパクトな工具を用いることで、柱上やマンホール内の狭い場所で光ファイバ心線の接続作業を行う場合でも、短時間で工具のセッティングが可能になる。
また、本発明では、熱源の加熱温度と加熱時間の積により熱による光ファイバ切断条件を明確にしたことにより、安定且つ迅速に鏡面切断することができ、スムーズに接続作業を行うことが可能になる。
尚、本発明は、光ファイバテープの複数心の光ファイバ心線に用いることができると共に、単心の光ファイバ心線にも用いることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係る光ファイバ端末処理装置を示す概略斜視図であり、図2は本発明の実施形態にかかる光ファイバ端末処理装置を示す概略分解斜視図である。
図1及び図2に示すように、略直方体の箱よりなる基体11の前方部上面にはホルダ設置部スライド台12が設けられ、前記基体11の後方部上面にはストリッパ台13が前記ホルダ設置部スライド台12に対して間隔をおいて設けられる。
前記ホルダ設置部スライド台12の上面には前後方向にガイド溝14が設けられ、前記ストリッパ台13の上面には前後方向にストリッパ加熱部15が設けられる。前記ストリッパ加熱台15の前端部には被覆除去用下刃162が設けられる。
前記ホルダ設置部スライド台12とストリッパ台13間には断面略コ字状のクランプ台17が挿入及び脱出自在にして設けられる。前記クランプ台17内にはセラミックヒータよりなる熱源18が支持部材19に支持されて設けられ、前記熱源18は加熱部上下移動モータ20により上下移動自在に設けられる。前記加熱部上下移動モータ20は電気回路21に接続され、前記電気回路21には予め設定されたプログラムが組み込まれており、加熱部上下移動モータ20を介して熱源18の上下移動を制御するようになっている。前記加熱部上下移動モータ20及び電気回路21は基体11内に内蔵される。
前記ストリッパ台13の上面には前記ストリッパ加熱部15及び被覆除去用下刃162を覆うようにして蓋22が設けられ、前記蓋22には前記被覆除去用下刃162と対応して被覆除去用上刃161(図示せず)が設けられる。前記蓋22には前記ホルダ設置部スライド台12とストリッパ台13巻の間隔を塞ぐようにして応力部材取付板23が一体に設けられ、前記応力部材取付板23には応力部材24が貫通すると共に上下移動自在に設けられる。
前記ホルダ設置部スライド台12上にはホルダ設置部25がガイド溝14に沿って移動自在に設けられ、前記ホルダ設置部25には光ファイバ心線ホルダ26がホルダ設置部上蓋27を開閉することにより取り付けられる。前記光ファイバ心線ホルダ26には光ファイバテープの複数心の光ファイバ心線28が取り付けられて保持される。
図3は、本発明の実施形態に係る光ファイバ心線ホルダを示す概略斜視図である。図3に示すように、光ファイバ心線ホルダ26のホルダ本体31には上蓋32が開閉自在に設けられ、上蓋32を開閉することにより、光ファイバテープの複数心の光ファイバ心線28がホルダ本体31と上蓋32間に挟持されるようにして保持される。
図4〜図9は本発明の実施形態に係る光ファイバ端末処理装置の動作を示す概略正面図である。すなわち、図4に示すように、光ファイバテープの複数心の光ファイバ心線28が保持された光ファイバ心線ホルダ26をホルダ設置部25に設置して後、ホルダ設置部25をホルダ設置部スライド台12のガイド溝14に載置してストリッパ台13に近づけるように光ファイバ心線28の軸方向にスライド移動する。この場合、光ファイバ心線28の一部はストリッパ台13のストリッパ加熱部15上に位置される。その後、ストリッパ台13には蓋22が被せられ、蓋22に設けられた被覆除去用上刃161が前記被覆除去用下刃162上の光ファイバ心線28を噛むように設定される。この場合、ストリッパ加熱部15上に位置された光ファイバ心線28は加熱され、被覆除去をし易くするため温められている。
次に、図5に示すように、蓋22が被せられた状態で、光ファイバ心線28がセットされたホルダ設置部25を前方(矢印A方向)にスライドさせ、光ファイバ心線28の被覆を被覆除去用上刃161及び被覆除去用下刃162により削り取るようにしてじょきょをする。光ファイバ心線28の被覆が除去された裸光ファイバ心線部分に近づき、裸光ファイバ心線を加熱した熱源18の近傍を通過させることにより、裸光ファイバ心線に付着した細かな被覆屑等を焼失して表面クリーニングをする。
図13は図5で表面クリーニングした後の裸光ファイバ心線を示す写真である。すなわち、被覆屑等が焼失され、裸光ファイバ心線の表面が良好にクリーニングされていることが分かる。
次に、図6に示すように、クランプ第17をホルダ設置部スライド台12とストリッパ台13間に挿入し、クランプ部材41を用いて被覆除去された裸光ファイバ心線をクランプする。
次に、図7に示すように、クランプされた裸光ファイバ心線に対し、熱源18を更に上昇させ裸光ファイバ心線の下部に接触させた接触加熱状態で一定時間保持する。この熱源18の保持する方法は、一定時間の加熱が必要になるため電気回路21に予め設定されたプログラムが組み込まれており、スイッチ(図示せず)を押すことで加熱部上下移動モータ20を介して熱源18が自動で上下移動し、加熱終了後熱源18の電源は切断するようになっている。
次に、図8に示すように、クランプされた裸光ファイバ心線に対して加熱が終了した後、蓋22を押さえたまま応力部材24を押し下げ、温まった裸光ファイバ心線の上部から応力を加え熱応力により切断する。
次に、図9に示すように、クランプ部材41を除去すると共に、クランプ台17をホルダ設置部スライド台12とストリッパ台13間から脱出させて後、ホルダ設置部上蓋27を開けて光ファイバ心線ホルダ26を取り出し、光ファイバ心線ホルダ26の上蓋32を開けて光ファイバテープの複数心の光ファイバ心線28を取り出すことにより、光ファイバテープの複数心の光ファイバ心線28の端末処理が完了し、光ファイバテープの複数心の光ファイバ心線28を接続するのに必要な平坦な端面を得ることができる。
その後、メカニカルプライス、MTコネクタや融着接続などの方法にて光ファイバテープの複数心の光ファイバ心線28の端面同士を突き合わせて接続する。
図10は本発明の実施形態に係る光ファイバ端末処理装置で端末処理した光ファイバ心線の切断成功率を従来と比較して示す特性図である。すなわち、4心光ファイバテープの4心の光ファイバ心線を対象とし、本発明の実施形態に係る光ファイバ端末処理装置の熱源18にセラミックヒータを用いて4心光ファイバテープの4心の光ファイバ心線を端末処理した場合に、4心光ファイバテープの4心の光ファイバ心線を融着接続機にセットして融着できたものを切断成功として判断する切断成功率を、従来の光ファイバ端末処理装置の熱源にニクロム線を用いて4心光ファイバテープの4心の光ファイバ心線を端末処理した場合に、4心光ファイバテープの4心の光ファイバ心線を融着接続機にセットして融着できたものを切断成功と判断する切断成功率と比較する。
図10では、4心光ファイバテープの4心の光ファイバ心線の端末処理を100回実施した時の成功率を示し、本発明の実施形態の熱源18にセラミックヒータを用いた時の切断成功率は90%以上あり、従来の熱源にニクロム線を用いた時の切断成功率は10%以下えあり、本発明は従来に比べて切断成功率が大きく改善しているのが分かる。
図11は本発明の実施形態に係る光ファイバ端末処理装置で端末処理した光ファイバ心線の融着接続における接続損失を従来と比較して示す特性図である。すなわち、4心光ファイバテープの4心の光ファイバ心線を対象とし、本発明の実施形態に係る光ファイバ端末処理装置の熱源18にセラミックヒータを用いて4心光ファイバテープの4心の光ファイバ心線を端末処理(熱切断)した場合に、4心光ファイバテープの4心の光ファイバ心線を融着接続した時の接続損失測定結果を、従来の光ファイバカッタを用いた刃による切断(従来切断)で4心光ファイバテープの4心の光ファイバ心線を端末処理した場合に、4心光ファイバテープの4心の光ファイバ心線を融着接続した時の接続損失測定結果と比較する。
その結果、本発明の熱応力による切断(熱切断)で端末処理した方法(4心光ファイバテープの4心の光ファイバ心線を10回切断し、平均0.04dB、最大0.25dBで接続)は、従来の光ファイバカッタを用いた刃による切断(従来切断)で端末処理した方法(4心光ファイバテープの4心の光ファイバ心線を10回切断し、平均0.03dB、最大0.14dBで接続)と同等の基本性能が得られたと言える。
図12は本発明の実施形態に係る光ファイバ端末処理装置で端末処理した光ファイバ心線のMTコネクタ接続損失を従来と比較して示す特性図である。すなわち、4心光ファイバテープの4心の光ファイバ心線を対象とし、本発明の実施形態に係る光ファイバ端末処理装置の熱源18にセラミックヒータを用いて4心光ファイバテープの4心の光ファイバ心線を端末処理(熱切断)した場合に、4心光ファイバテープの4心の光ファイバ心線をMTコネクタで接続した時の接続損失測定結果を、従来の光ファイバカッタを用いた刃による切断(従来切断)で4心光ファイバテープの4心の光ファイバ心線を端末処理した場合に、4心光ファイバテープの4心の光ファイバ心線をMTコネクタで接続した時の接続損失測定結果と比較する。MTコネクタは、高速硬化型接着剤を用い、端面の状態に影響がある無研磨方式で組み立てた。
その結果、本発明の熱応力による切断(熱切断)で端末処理した方法(4心光ファイバテープの4心の光ファイバ心線を10回切断し、平均0.16dB、最大0.40dBで接続)は、従来の光ファイバカッタを用いた刃による切断(従来切断)で端末処理した方法(4心光ファイバテープの4心の光ファイバ心線を10回切断し、平均0.15B、最大0.51dBで接続)と同等の基本性能が得られたと言える。
本発明の実施形態に係る光ファイバ端末処理装置は、一体化工具の機能を有したまま、簡易高速に光ファイバテープを接続するため、端末処理工具の熱源に加熱しても変形しない熱源を使用することとした。その熱源は、加熱しても変形しないセラミックヒータを用いることとした。そのセラミックヒータは、セラミックの中に発熱体を挟み焼結したのであり、外形はセラミックで覆われることで高熱になっても変形しにくい構造となっている。例えば、熱源の変形を抑え、且つ、小型で高い温度(1000℃以上)にできる熱源として、セラミック中にニクロム線又はタングステン線を埋め込んだセラミックヒータを用いる。セラミックヒータよりなる熱源を簡易一体化した光ファイバ端末処理工具に用いることにより、熱源の変形を抑え、光ファイバ心線端面を安定に切断でき、低損失に接続できる実用に耐える工具の作製が可能となる。
以上説明したように本発明の実施形態に係る光ファイバ心線端末処理装置によれば、加熱してもセラミックヒータよりなる熱源が変形しないため、光ファイバテープの複数心の光ファイバ心線を切断する場合でも、光ファイバテープの複数心の光ファイバ心線を切断する場合でも、光ファイバテープの複数心の光ファイバ心線に均一に熱が加わるため、各光ファイバ心線が同じ条件で加熱され、切断の成功率を向上させることができる。また、加熱により裸光ファイバ心線に付着したゴミが焼失するため、裸光ファイバ心線の切断と表面クリーニングを同時に行うことができる。従って、光ファイバ心線の接続作業の効率化を図ることができる。
尚、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
次に、工具に使用する熱源の上昇温度と加熱時間の条件を表す理論式を導出して、鏡面切断できる確率を実験的に求めることとした。検討に使用した式は、熱源が光ファイバに接触した時の熱量を算定するための式を用いた。最初に、熱源から裸光ファイバ心線に伝わる熱量Jは、効率η、熱流量q、加熱時間t、熱伝達率h、熱源の表面積s、熱源の上昇温度ΔThとした場合、(1)式で与えられる。
J=ηqt=ηhsΔTht ・・・・・(1)
尚、加熱前の熱源温度T0(=周囲温度)、加熱後の熱源温度Tsから熱源の上昇温度ΔThは、ΔTh=Ts−T0と表される。
一方、裸光ファイバ心線に加わる熱応力σthは、ヤング率E、クランプ力に依存する係数K、ガラスの線膨張係数a、加熱されたガラスの温度変化ΔTG、ガラスの比熱c、ガラスの質量mとした場合、(2)式で与えられる。
σth=EKaΔTG=EKaJ/(c・m)
=EKaηhsΔTht/(c・m) ・・・・・(2)
ΔTh以外の係数は物質に固有の値であって一意に決まることから、それらを定数Aとすると(3)式が与えられる。
σth≒AΔTht ・・・・・(3)
図14に、(1)〜(3)式に基づいて行った熱による光ファイバ切断の実験で使用した光ファイバ切断工具を示す。本工具は、基板60の上に裸光ファイバ心線51をセットした光ファイバ心線ホルダ52をセットするホルダ設置部53と、裸光ファイバ心線51を保持するクランプ部55、そしてその中央に裸光ファイバ心線51を加熱する熱源56がある。その熱源56には温度調節器61で温度調節が可能なセラミックヒータを用い、熱源56の温度を非接触赤外線放射温度計の温度センサ58で読み取り温度表示部59を見ながら測定した。
図15に本実験における切断前の状態を示し、図16に本実験における切断後の状態を示す。予め被覆除去した裸光ファイバ心線51を光ファイバ心線ホルダ52にセットし、クランプ部55の中心にある裸光ファイバ心線51に熱源56を接触させて熱応力負荷57を発生させる。その後、反対側からさらに応力板54で押して応力を加えて切断した。熱源56の温度は、800℃〜1100℃で、加熱時間は1秒単位で測定した。また、端面の良否は融着接続機の端面検査機能を用い、20回連続で切断して成功率を算出した。
図17に、単心光ファイバを用いて測定した切断成功率を示し、図18に、4心光ファイバテープを用いて測定した切断成功率を示す。縦軸に切断成功率、横軸に温度と時間の積を示す。単心光ファイバ及び4心光ファイバテープのどちらも、切断成功率はΔThtと密接に関係しており、ΔThtの増加と共に成功率は高くなり、ΔThtが3000℃secを超えると成功率はほぼ100%となる。従って、確実に切断を行うためには、ΔThtが3000℃sec以上となるように、光ファイバの加熱条件を調整する必要がある。さらに、ΔThtが3000℃secを超える条件下で光ファイバを効率よく切断するには、熱源の温度を高くして加熱時間の短縮化を図ればよい。例えば、熱源を1000℃、加熱時間を4秒程度とすれば、成功率が高く、且つ迅速に光ファイバを切断することが可能になる。
このように、熱応力を用いた光ファイバ切断方法においては、熱源の温度上昇と時間の積ΔThtが3000℃secを超えれば、高い成功率で光ファイバの切断が可能になる。
本発明の実施形態に係る光ファイバ端末処理装置を示す概略斜視図である。 本発明の実施形態に係る光ファイバ端末処理装置を示す概略分解斜視図である。 実施形態に係る光ファイバ心線ホルダを示す概略斜視図である。 実施形態に係る光ファイバ端末処理装置の動作を示す概略正面図である。 実施形態に係る光ファイバ端末処理装置の動作を示す概略正面図である。 実施形態に係る光ファイバ端末処理装置の動作を示す概略正面図である。 実施形態に係る光ファイバ端末処理装置の動作を示す概略正面図である。 実施形態に係る光ファイバ端末処理装置の動作を示す概略正面図である。 実施形態に係る光ファイバ端末処理装置の動作を示す概略正面図である。 実施形態に係る光ファイバ端末処理装置で端末処理した光ファイバ心線の切断成功率を従来と比較して示す特性図である。 実施形態に係る光ファイバ端末処理装置で端末処理した光ファイバ心線の融着接続における接続損失を従来と比較して示す特性図である。 本発明の実施形態に係る光ファイバ端末処理装置で端末処理した光ファイバ心線のMTコネクタ接続損失を従来と比較して示す特性図である。 図5で表面クリーニングした後の裸光ファイバ心線を示す写真である。 本発明の実証実験に用いた光ファイバ切断機の斜視図である。 光ファイバ心線をホルダにセットしたときの側面図である。 光ファイバ心線を加熱後、応力板で切断したときの側面図である。 単心光ファイバ心線を図14の切断工具で切断したときの成功率を示す図である。 4心光ファイバ心線を図14の切断工具で切断したときの成功率を示す図である。
符号の説明
11 基体
12 ホルダ設置部スライド台
13 ストリッパ台
14 ガイド溝
15 ストリッパ加熱部
161 被覆除去用上刃
162 被覆除去用下刃
17 クランプ台
18 セラミックヒータよりなる熱源
19 支持部材
20 加熱部上下移動モータ
21 電気回路
22 蓋
23 応力部材取付板
24 応力部材
25 ホルダ設置部
26 光ファイバ心線ホルダ
27 ホルダ設置部上蓋
28 光ファイバ心線
31 ホルダ本体
32 上蓋
41 クランプ部材
51 裸光ファイバ心線
52 光ファイバ心線ホルダ
53 ホルダ設置部
54 応力板
55 クランプ部
56 熱源
57 熱応力負荷
58 温度センサ
59 温度表示部
60 基板
61 温度調節器

Claims (10)

  1. 光ファイバ心線の被覆を除去して裸光ファイバ心線を得る被覆除去ステップと、
    前記被覆除去ステップで得られた裸光ファイバ心線を、セラミックヒータよりなる熱源を用いて加熱し、裸光ファイバ心線の一部に熱応力を与えることにより裸光ファイバ心線を切断する切断ステップと
    を有することを特徴とする光ファイバ心線端末処理方法。
  2. 前記セラミックヒータは、セラミック内に発熱体を設けたセラミックヒータであることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ心線端末処理方法。
  3. 前記セラミックヒータは、セラミック中にニクロム線又はタングステン線を埋め込んだセラミックヒータであることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ心線端末処理方法。
  4. 前記被覆除去ステップは、
    前記光ファイバ心線を加熱する加熱ステップと、
    刃により前記光ファイバ心線の被覆を削り取る削り取りステップと
    を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光ファイバ心線端末処理方法。
  5. 前記切断ステップは、
    前記裸光ファイバ心線の所定部分を、前記セラミックヒータよりなる熱源を用いて加熱する加熱ステップと、
    前記裸光ファイバ心線の一部に応力を加えて切断する加圧ステップと
    を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光ファイバ心線端末処理方法。
  6. 前記熱源の上昇温度と加熱時間の積は、3000℃sec以上とすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光ファイバ心線端末処理方法。
  7. 光ファイバ心線を保持する光ファイバホルダと、
    前記光ファイバホルダを光ファイバ心線の軸方向にスライドさせるスライド部を有する基体と、
    前記光ファイバホルダに保持された光ファイバ心線の移動位置に設けられ、光ファイバ心線を加熱する加熱部と、
    前記光ファイバホルダに保持された光ファイバ心線の移動位置に設けられ、前記加熱部で加熱された前記光ファイバ心線の被覆を除去する刃と、
    前記光ファイバホルダに保持された光ファイバ心線の移動位置に設けられ、前記刃で光ファイバ心線の被覆が除去された裸光ファイバ心線を保持するクランプ部と、
    前記光ファイバホルダに保持された光ファイバ心線の移動位置に設けられ、前記クランプ部で保持された裸光ファイバ心線の所定部分を加熱するセラミックヒータよりなる熱源と、
    前記セラミックヒータよりなる熱源で所定部分が加熱された裸光ファイバ心線の加熱部分に応力を加える応力部材と
    を備えたことを特徴とする光ファイバ心線端末処理装置。
  8. 前記セラミックヒータは、セラミック内に発熱体を設けたセラミックヒータであることを特徴とする請求項7に記載の光ファイバ心線端末処理装置。
  9. 前記セラミックヒータは、セラミック中にニクロム線又はタングステン線を埋め込んだセラミックヒータであることを特徴とする請求項7に記載の光ファイバ心線端末処理装置。
  10. 前記熱源の上昇温度と加熱時間の積は、3000℃sec以上とすることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の光ファイバ心線端末処理装置。
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