JP2008233369A - 濃度検出装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】濃度検出用センサを常に高精度に較正可能な濃度検出装置及び良質なカラー画像を形成可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】濃度検出装置を含む画像形成装置において、正反射光を検出するために、像が形成された像担持体に対して光を照射する第一発光部と、拡散反射光を検出するために、像が形成された像担持体に対して光を照射する第二発光部と、第一発光部からの照射光の像担持体からの正反射光と、第二発光部からの照射光の像からの拡散反射光とを受光して、正反射光量及び拡散反射光量を検出する受光部と、検出された正反射光量に基づいて、像の濃度を第一濃度値として検出する第一濃度検出部と、検出された拡散反射光量に基づいて、像の濃度を第二濃度値として検出する第二濃度検出部と、第一濃度値と第二濃度値とを一致させるべく第二発光部の出力を制御する制御部とを濃度検出装置に設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、トナー濃度を検出するための濃度検出装置を備える電子写真方式の画像形成装置に関する。
電子写真方式によりカラー画像形成を行うカラープリンタやカラー複写機、カラー複合機等の画像形成装置には、記録媒体を搬送するための搬送ベルトに沿って、感光ドラムを有する複数の現像ユニット及び転写器が、それぞれ対向して配設されている。各現像ユニットには、例えばブラックやイエロー、マゼンタ、シアン等のトナーを供給するためのトナーカートリッジが備えられ、感光ドラムの周囲に配置された帯電器及び露光器により、感光ドラムの表面に静電潜像が形成された後、現像器により該静電潜像が現像されて、各色のトナー像が順次形成される。
そして、搬送ベルトの駆動に伴い、記録媒体が各感光ドラムと転写器との間に順次搬送される。その際、転写器には転写出力が印加され、感光ドラムの表面に形成されたトナー像の帯電極性と逆極性の電荷が、搬送された記録媒体に付与される。これにより、各感光ドラム上のトナー像が記録媒体に順次転写され、記録媒体上にカラー画像が形成される。
このような画像形成装置において、良質なカラー画像を得るためには、静電潜像へのトナーの付着量、即ちトナー濃度を適切にすべく、トナー濃度制御を行う必要がある。そのため、かかる画像形成装置は、トナー濃度を検出するための濃度検出装置を備えている。
濃度検出装置によるトナー濃度検出処理は、通常の画像形成動作とは異なる予備動作として行われる。画像形成装置は、記録媒体を搬送せずに、感光ドラム上に濃度検出用パターンを形成した後、該濃度検出用パターンを搬送ベルト上に直接転写する。濃度検出装置は、発光素子及び受光素子からなる濃度検出用センサを備えており、発光素子が濃度検出用パターンに光を照射し、受光素子が濃度検出用パターンからの反射光の光量を検出する。反射光の光量は濃度検出用パターンのトナー濃度に応じて変化するため、濃度検出装置は、受光素子からの出力値に基づき、トナー濃度を検出することができる。この検出結果に基づいて、画像形成装置は、帯電器の帯電バイアスや露光器の露光量、現像器の現像バイアス等の画像形成条件を調整することにより、トナー濃度制御を行う。
ところで、上記した濃度検出用センサは、温度等の環境条件の変動や経時劣化に伴い、出力値が変化する。そのため、該出力値とトナー像濃度との関係が変化してしまい、画像形成装置による適切なトナー濃度制御が不可能になるという問題があった。
このような問題を解決するため、下記特許文献1には、上記したトナー濃度検出処理に先立って、濃度検出用センサの予備的補正、即ち較正処理を行う画像形成装置の技術が開示されている。この画像形成装置には、搬送ベルト上に基準トナー濃度に対応する反射部が予め設けられ、濃度検出装置は、この反射部に対して光を照射して、反射光を検出する。
そして、得られた出力値が、基準トナー濃度に対応する出力値となるべく、濃度検出装置は、濃度検出用センサの較正を行う。その後、画像形成装置は、濃度検出用パターンに対するトナー濃度検出処理を実施し、検出されたトナー濃度が上記基準トナー濃度と一致するように、画像形成条件を調整して、トナー濃度制御を行う。
特開2004−341100号公報
しかしながら、上記開示技術の画像形成装置では、搬送ベルト上に設けられる反射部の製造ばらつきや経時劣化により、精度の高い較正処理を実施できないという問題があった。そのため、適切なトナー濃度制御が不可能となり、結果として、良質なカラー画像を常時安定して得ることができなかった。
したがって、濃度検出用センサを常に高精度に較正可能な濃度検出装置及び良質なカラー画像を形成可能な画像形成装置が望まれていた。
本発明は、以上の点を解決するために、次の構成を採用する。
〈構成1〉
第一発明に係る濃度検出装置は、正反射光を検出するために、像が形成された像担持体に対して光を照射する第一発光部と、拡散反射光を検出するために、像が形成された像担持体に対して光を照射する第二発光部と、第一発光部からの照射光の像担持体からの正反射光と、第二発光部からの照射光の像からの拡散反射光とを受光して、正反射光量及び拡散反射光量を検出する受光部と、検出された正反射光量に基づいて、像の濃度を第一濃度値として検出する第一濃度検出部と、検出された拡散反射光量に基づいて、像の濃度を第二濃度値として検出する第二濃度検出部と、検出された第一濃度値と第二濃度値とを一致させるべく第二発光部の出力を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
〈構成2〉
第二発明に係る画像形成装置は、第一発明の濃度検出装置と、画像形成条件に基づいて画像形成を行う画像形成部とを備え、濃度検出装置により検出された像の濃度に基づいて、画像形成部による画像形成条件を調整する調整部を更に備えることを特徴とする。
本発明の濃度検出装置によれば、像担持体上に形成された同一の像に対して、各発光部から光が照射され、像担持体からの正反射光と、像からの拡散反射光とが、一つの受光部によりそれぞれ受光される。そして、正反射光及び拡散反射光に対する各検出結果に基づいて、較正処理が実施されるので、形成された像の濃度にかかわらず、高精度の較正処理が実施可能となる。また、この較正処理は、濃度検出処理毎に実施されるので、経時劣化や温度変化、製造ばらつき等による各発光部及び受光部の特性変動の影響を取り去ることが可能となる。したがって、適切な濃度制御を行って、常時安定して良質な画像を形成可能となる。
以下、本発明の実施形態を、図を用いて詳細に説明する。ここでは、本発明を、濃度検出装置を備えるカラープリンタに適用した場合を例に、説明する。
図2は、本発明に係るカラープリンタの概略構成図である。
本実施例のカラープリンタ10は、画像形成装置として、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色のトナーを重ね合わせて、カラー画像を形成する。
図2において、カラープリンタ10の下部には、複数の記録媒体11がセットされる記録媒体収容カセット12が設けられている。各記録媒体11は、ホッピングローラ13の回転により順次搬送され、レジストローラ14a及び14bを介して、搬送路へと送られる。
記録媒体11が搬送される搬送路には、4つの独立した現像ユニット15K、15Y、15M及び15Cが、記録媒体11の搬送方向に沿って順に着脱可能に配設されている。
現像ユニット15Kは、表面にブラックのトナー像が形成される静電潜像担持体である感光ドラム16Kを備えている。同様に、現像ユニット15Yは、イエローのトナー像が形成される感光ドラム16Yを、現像ユニット15Mは、マゼンタのトナー像が形成される感光ドラム16Mを、そして、現像ユニット15Cは、シアンのトナー像が形成される感光ドラム16Cを、それぞれ備えている。
現像ユニット15Kの内部には、上記した感光ドラム16Kの周囲に、帯電器である帯電ローラ17K、現像ローラ18K及びクリーニング器であるクリーニングブレード19Kが、それぞれ、感光ドラム16Kの表面に当接して配設されている。そして、現像ユニット15Kの内部には、更に、現像ローラ18Kの周囲に、トナー供給部材である供給ローラ20K及びトナー層厚規制部材である現像ブレード21Kが、現像ローラ18の表面に当接して配置されている。
感光ドラム16Kは、現像ユニット15Kの下部に露出して配置されており、転写器である転写ローラ22Kが、搬送路を間に感光ドラム16Kに対向して配設されている。
また、現像ユニット15Kの上部には、感光ドラム16Kに対向して、露光器としてのLEDヘッド23Kが配置されている。
更に、現像ユニット15Kの上部には、トナー収容器としてのトナーカートリッジ24Kが着脱可能に搭載され、該トナーカートリッジ24Kから現像ユニット15Kに、ブラックのトナーが供給される。
現像ユニット15Y、15M及び15Cは、何れも、現像ユニット15Kと同様の構成を有している。
記録媒体11の搬送路には、転写体又は搬送体としての転写ベルト25が、転写ベルト駆動ローラ26及び転写ベルト従動ローラ27間に張設される。この転写ベルト25は、表面に光沢を有する黒色の樹脂からなり、転写ベルト駆動ローラ26及び転写ベルト従動ローラ27の駆動により回転走行して、記録媒体11を搬送可能となっている。転写ベルト25の下面部には、ベルトクリーニング器である転写ベルトクリーニングブレード28が当接され、転写ベルト25の回転走行に伴い、転写ベルト25の表面に付着したトナーやゴミ等を掻き取る。掻き取られたトナーやゴミ等は、転写ベルトクリーナ容器29に収容される。
更に、転写ベルト25の下部には、転写ベルト25に転写されたトナー濃度を検出するためのトナー濃度検出器である濃度センサ30が、図2に示されるように、記録媒体11の搬送方向下流側、定着器31より下側に設置される。濃度センサ30の構成については、後述する。
レジストローラ14a及び14bにより転写ベルト25の上面部へと送られた記録媒体11は、転写ベルト25の回転走行に伴い、まず、感光ドラム16Kと転写ローラ22Kとの間に搬送される。その際、転写ローラ22Kには転写出力が印加され、感光ドラム16Kの表面に形成されたブラックのトナー像が、記録媒体11の表面に転写される。続いて、記録媒体11は、各感光ドラム16Y、16M及び16Cと、各転写ローラ22Y、22M及び22Cとの間に順次搬送され、各色のトナー像が、該記録媒体11に順次転写される。そして、4色のトナー像が転写された記録媒体11は、転写ベルト25により、更に定着器31へと搬送される。
定着器31は、ヒートローラ32a及び32bを備えている。定着器31に搬送された記録媒体11は、このヒートローラ32a及び32bにより加熱及び加圧され、各色のトナー像が記録媒体11の表面に定着される。その後、媒体ガイド33が、該記録媒体を排紙トレイ34に印字面を下向きに排出する。
続いて、本実施例のカラープリンタ10の制御系統について、詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1に係るカラープリンタの機能構成を示すブロック図である。
カラープリンタ10は、図1に示されるように、ホストインタフェース部38、コマンド/画像処理部39、LEDヘッドインタフェース部40、モータ制御部41、定着器温度制御部47、高圧制御部50、帯電バイアス制御部51、現像バイアス制御部52、転写バイアス制御部53、濃度検出装置60及びプリンタ制御部54を備えている。
ホストインタフェース部38は、図示されないPC等のホスト装置との物理的階層におけるインタフェースを担う部分であり、コネクタや通信用のチップ等から構成される。ホストインタフェース部38は、印刷処理の実行を指示するコマンドや、印刷すべき画像データ等を、ホスト装置から受信して、コマンド/画像処理部39へ送る。
コマンド/画像処理部39は、ホストインタフェース部38を介してホスト装置から受信されたコマンドの解釈処理や、PDL等で記述された画像データのビットマップへの展開処理等を実行する処理部であり、マイクロプロセッサやRAM等から構成される。コマンド/画像処理部39により解釈処理されたコマンドは、プリンタ制御部54へ出力され、展開処理された画像データは、LEDヘッドインタフェース部40へ出力される。
LEDヘッドインタフェース部40は、コマンド/画像処理部39から入力された画像データに対して、各LEDヘッド23K、23Y、23M及び23Cのインタフェースにあわせた加工処理を行う機能を有し、セミカスタムLSIやRAM等から構成される。
モータ制御部41は、ホッピングモータ42、レジストモータ43、ベルトモータ44、定着器ヒータモータ45、ドラムモータ46等の各モータの駆動を制御する。
ホッピングモータ42は、ホッピングローラ13を回転駆動する駆動部である。レジストモータ43は、レジストローラ14a及び14bを回転駆動する。ベルトモータ44は、転写ベルト25を回転走行させるために、転写ベルト駆動ローラ26を回転駆動する。定着器ヒータモータ45は、定着器31に備えられたヒートローラ32a及び32bを回転駆動する。ドラムモータ46は、各現像ユニット15K、15Y、15M及び15Cに備えられた感光ドラム16K、16Y、16M及び16Cを回転駆動する。
定着器温度制御部47は、サーミスタ48により検出されるヒートローラ32a及び32bの温度に基づいて、定着器31の温度制御を行う。
サーミスタ48は、定着器31に備えられ、ヒートローラ32a及び32bの温度を検出し、定着器温度制御部47に通知する。
定着器ヒータ49は、ハロゲンランプからなり、ヒートローラ32a及び32bの内部に配置され、定着器温度制御部47の制御により、図示されない電力供給部から電力供給を受けて、ヒートローラ32a及び32bを加熱する。
高圧制御部50は、マイクロプロセッサ或いはカスタムLSIから構成され、各現像ユニット15K、15Y、15M及び15Cに対する帯電バイアス、現像バイアス及び転写バイアスの供給を司り、帯電バイアス制御部51、現像バイアス制御部52及び転写バイアス制御部53を制御する。
帯電バイアス制御部51は、帯電ローラ17K、17Y、17M及び17Cに対する帯電バイアスの供給及び停止を制御する。
現像バイアス制御部52は、現像ローラ18K、18Y、18M及び18Cに対する現像バイアスの供給及び停止を制御する。
転写バイアス制御部53は、転写ローラ22K、22Y、22M及び22Cに対する転写バイアスの供給及び停止を制御する。
濃度検出装置60は、図1に示されるように、濃度センサ30、A/Dコンバータ55、D/Aコンバータ56、反射検出特性記憶部57、変換部58、一時記憶部67及びコントローラ部59を備えている。
図3は、濃度センサの模式図である。
濃度センサ30は、図3(a)に示されるように、転写ベルト25の下面部に対向して設置され、赤色LED35、近赤外LED36及びフォトダイオード37を備えている。図3(b)において、転写ベルト25の表面にはトナー像としてのトナーパッチ68が形成されている。
赤色LED35は、赤色光を発光する発光素子からなり、第一発光部として、表面にトナーパッチ68が形成された転写ベルト25に対して、正反射光検出用の光を照射する。濃度センサ30において、赤色LED35は、図3(a)に示されるように、発光方向が転写ベルト25の表面の法線方向に対して角度αをなすべく配置されている。赤色LED35の発光量は、後述するD/Aコンバータ56により制御される。
図4は、赤色LEDの発光特性を示す図である。
赤色LED35が発光する赤色光のピーク発光波長は、図4に示されるように、650nmである。
近赤外LED36は、近赤外光を発光する発光素子からなり、第二発光部として、転写ベルト25上に形成されたトナーパッチ68に対して、拡散反射光検出用の光を照射する。濃度センサ30において、近赤外LED36は、出射した近赤外光のトナーパッチ68からの拡散反射光が後述するフォトダイオード37に入射すべく配置されている。近赤外LED36の発光量は、赤色LED35と同様に、D/Aコンバータ56により制御される。
図5は、近赤外LEDの発光特性を示す図である。
近赤外LED36が発光する近赤外光のピーク発光波長は、図5に示されるように、950nmである。
フォトダイオード37は、受光素子からなり、受光部として、転写ベルト25からの正反射光や、転写ベルト25上に形成されたトナーパッチ68からの拡散反射光を受光する。濃度センサ30において、フォトダイオード37は、赤色LED35から出射された赤色光の転写ベルト25表面からの正反射光を受光すべく、図3(a)に示されるように、受光方向が転写ベルト25の表面の法線方向に対して角度αをなす位置に配置されている。また、フォトダイオード37は、近赤外LED36から出射された近赤外光のトナーパッチ68からの拡散反射光を受光する。
図6は、フォトダイオードの受光特性を示す図である。
フォトダイオード37のピーク受光波長は、図6に示されるように、800nmであり、赤色光域を含む可視光域に受光感度を有すると共に、可視光に波長が近い近赤外光域にも受光感度を有する。即ち、フォトダイオード37は、赤色LED35及び近赤外LED36双方の発光に対して、充分な受光特性を有する。
図7は、実施例1の濃度センサを含む回路図である。
本実施例の濃度センサ30は、図7に示されるように、A/Dコンバータ55及びD/Aコンバータ56に接続されている。
A/Dコンバータ55は、アナログデータをデジタルデータに変換する回路からなり、濃度センサ30からアナログデータが入力される入力端子61を有する。この入力端子61には、フォトダイオード37の出力が、オペアンプ62を経由して、電圧値として入力される。A/Dコンバータ55は、入力されたアナログデータの電圧値を、後述するコントローラ部59からの信号に応じて、12bitのデジタルデータに変換し、該コントローラ部59へ出力する。以下、A/Dコンバータ55に入力されたアナログデータの電圧値を、フォトダイオード37による検出電圧とし、A/Dコンバータ55によりデジタルデータに変換された電圧値を、変換電圧とする。
D/Aコンバータ56は、デジタルデータをアナログデータに変換する回路からなり、濃度センサ30へアナログデータを出力する出力端子63及び出力端子64を有する。D/Aコンバータ56は、コントローラ部59から段階的に1、2、3・・・100、101と増加する10bitのデジタルデータを入力されると、このデジタル入力値をアナログ電圧値に変換する。その際、D/Aコンバータ56は、デジタル入力値が1増える毎にアナログ電圧値を0.00488759Vずつ上げる。そして、D/Aコンバータ56は、何れかの出力端子63或いは出力端子64から、変換したアナログ電圧値に基づく出力を行う。以下、D/Aコンバータ56に入力されたデジタル入力値を、入力電圧とし、D/Aコンバータ56により出力されたアナログ電圧値を、出力電圧とする。
出力端子63が出力を行うと、濃度センサ30において、FET65のゲート電極に電圧が印加され、ソース及びドレイン間に電流が流れる。この電流は、抵抗器を介して赤色LED35へと流れ、該赤色LED35を点灯して発光させる。この赤色LED35の発光量は、上述したように、D/Aコンバータ56の出力端子63からの出力電圧に応じて変化することとなる。
同様に、出力端子64は、濃度センサ30のFET66のゲート電極に対して、電圧の印加を行う。そして、FET66のソース及びドレイン間に流れる電流が、抵抗器を介して近赤外LED36へと流れ、近赤外LED36を点灯して発光させる。即ち、出力端子64からの出力電圧により、近赤外LED36の発光量が制御される。
赤色LED35が点灯すると、図3(a)及び図3(b)に示されるように、転写ベルト25に赤色光が照射される。この赤色光は、本実施例では、転写ベルト25上に形成されたトナーパッチ68(図3(b))におけるブラック及びシアンのトナー濃度を検出するために使用される。
赤色光は、マゼンタ及びイエローのトナーにより拡散反射される。一方、シアン及びブラックのトナーは、赤色光を殆ど反射しない。そのため、シアン或いはブラックのトナーパッチ68が形成された転写ベルト25に対して、赤色LED35が赤色光を照射すると、該赤色光は、転写ベルト25の黒色の表面において、正反射されることとなる。この際、正反射光の光量は、転写ベルト25上のトナーパッチ68の厚みに応じて減衰する。したがって、フォトダイオード37により受光される正反射光の光量から、トナーパッチ68におけるブラック及びシアンのトナー濃度を検出することができる。即ち、該正反射光を受光したフォトダイオード37から出力され、A/Dコンバータ55の入力端子61に入力された検出電圧に基づいて、濃度検出装置60は、シアン及びブラックのトナーパッチ68のトナー濃度を検出する。
また、近赤外LED36から出射された近赤外光は、転写ベルト25の表面に形成されたトナーパッチ68(図3(b))におけるシアン、マゼンタ及びイエローのトナー濃度を検出するために使用される。
近赤外光は、シアン、マゼンタ及びイエローのトナーにより拡散反射される。そのため、シアン、マゼンタ或いはイエローのトナーパッチ68が形成された転写ベルト25に対して、近赤外LED36が近赤外光を照射すると、該近赤外光は、トナーパッチ68により拡散反射されることとなる。この拡散反射光は、トナーパッチ68の厚みに応じて光量を増す。したがって、フォトダイオード37により受光される拡散反射光の光量から、トナーパッチ68におけるシアン、マゼンタ及びイエローのトナー濃度を検出することができる。即ち、拡散反射光を受光したフォトダイオード37から出力され、A/Dコンバータ55の入力端子61に入力された検出電圧に基づいて、濃度検出装置60は、シアン、マゼンタ及びイエローのトナーパッチ68のトナー濃度を検出する。一方、ブラックのトナーは、赤色光の場合と同様に、近赤外光を殆ど反射しない。
反射検出特性記憶部57は、変換電圧とトナー濃度との相関データを、反射検出特性として記憶している。
図8は、反射検出特性を示す図である。
図8(a)、(b)、(c)及び(d)において、横軸は、変換電圧に変換前の電圧値、即ちフォトダイオード37からA/Dコンバータ55へ入力される検出電圧に対応しており、縦軸は、それぞれ、シアン、ブラック、マゼンタ及びイエローのトナー濃度を示している。
図8(a)には、シアンのトナーパッチ68が形成された転写ベルト25に照射された赤色光の該転写ベルト25からの正反射光に対応する反射検出特性と、該転写ベルト25に照射された近赤外光のトナーパッチ68からの拡散反射光に対応する反射検出特性とが、それぞれ示されている。また、図8(b)には、ブラックのトナーパッチ68が形成された転写ベルト25に照射された赤色光の該転写ベルト25からの正反射光に対応する反射検出特性が、示されている。更に、図8(c)及び図8(d)には、それぞれ、マゼンタ及びイエローのトナーパッチ68が形成された転写ベルト25に照射された近赤外光の該トナーパッチ68からの拡散反射光に対応する反射検出特性が、示されている。
なお、図8(a)及び図8(b)に示される正反射光の反射検出特性は、トナーパッチ68が形成されていない転写ベルト25に対する赤色LED35の発光による正反射光の検出電圧をオフセット補正した正反射検出電圧(後述)が3.0Vとなる場合に対応しており、図8(a)、図8(c)及び図8(d)に示される拡散反射光の反射検出特性は、トナー濃度が1.0となるトナーパッチ68に対する近赤外LED36の発光による拡散反射光の検出電圧をオフセット補正した拡散反射検出電圧(後述)が1.75Vとなるべく近赤外LED36の発光量を調整した場合に対応している。
反射検出特性記憶部57には、図8に示される反射検出特性が、テーブル或いは多項式により記憶されている。なお、図8(a)には、トナー濃度が1.0となるシアンのトナーパッチ68が形成された転写ベルト25からの正反射光の検出電圧が0.42V、該トナーパッチ68からの拡散反射光の検出電圧が1.75Vとなる場合の反射検出特性が示されているが、これは一例にすぎない。反射検出特性記憶部57には、任意の検出電圧に対応する変換電圧とトナー濃度との相関データが、反射検出特性として記憶されている。
変換部58は、第一濃度検出部及び第二濃度検出部として、反射検出特性記憶部57に記憶されている反射検出特性に基づいて、A/Dコンバータ55からコントローラ部59を介して入力された変換電圧を、トナー濃度に変換する。例えば、シアンのトナーパッチ68が形成された転写ベルト25からの正反射光の検出電圧が0.42Vであった場合、変換部58は、該検出電圧0.42Vに対応する変換電圧の入力を受けて、図8(a)に示される正反射光の反射検出特性に基づいて、該検出電圧0.42Vをトナー濃度1.0に変換する。
また、変換部58は、トナー濃度から変換電圧への変換を行う。例えば、変換部58は、シアンのトナーパッチ68のトナー濃度1.0を、図8(a)に示される拡散反射光の反射検出特性に基づいて、検出電圧1.75Vに対応する変換電圧へと変換する。
変換部58は、変換電圧から変換したトナー濃度や、トナー濃度から変換した変換電圧を、コントローラ部59へ送る。
一時記憶部67は、濃度検出装置60において各処理の実行中に発生したデータを、一時的に記憶するために使用される記憶部である。
コントローラ部59は、赤色LED35及び近赤外LED36の発光量を制御する制御部としての機能を有し、D/Aコンバータ56に対して、出力端子63及び出力端子64の何れかを指定して、該出力端子からの出力電圧の出力ON/OFFを指示すべく出力ON/OFF信号と、該出力電圧に対応したデジタルデータの入力電圧とを送出する。また、コントローラ部59は、A/Dコンバータ55から変換電圧を入力されると、該変換電圧をトナーの色や反射光の種類を示すデータと共に、変換部58へ転送する。更に、コントローラ部59は、変換部58から受けたトナー濃度を、プリンタ制御部54へ送る。
プリンタ制御部54は、コマンド/画像処理部39から受けたコマンドに基づいて、カラープリンタ10の各部の制御を行う。また、プリンタ制御部54は、調整部として、濃度検出装置60により検出されたトナー濃度に基づいて、印刷条件を調整すべく、高圧制御部50やLEDヘッドインタフェース部40、コマンド/画像処理部39等の制御を行う。
続いて、本実施例のカラープリンタ10の動作について、説明する。
カラープリンタ10において、濃度検出処理を実行するための濃度検出指示が、濃度検出装置60に送られると、濃度検出装置60は、濃度検出処理の実行に先立ち、濃度センサ30の較正処理を行う。この較正処理の流れについて、以下に説明する。
図9は、本発明に係る濃度検出装置の実施例1における較正動作を示すフローチャートである。
カラープリンタ10において、プリンタ制御部54が濃度検出処理を実行すべく濃度検出指示を濃度検出装置60に送ると、該濃度検出指示を受けたコントローラ部59が、濃度センサ30の較正処理を行うべく制御を開始する。この時、濃度センサ30において、赤色LED35及び近赤外LED36は、共に消灯している。
コントローラ部59は、まず、赤色LED35及び近赤外LED36の消灯時にフォトダイオード37に流れる暗電流をオフセット補正するために、A/Dコンバータ55の入力端子61に入力される検出電圧を、暗電位として、一時記憶部67に記憶する(ステップS101)。ここでは、例として、検出電圧3.3VがA/Dコンバータ55に入力され、この検出電圧を12bitデータに変換した変換電圧が、暗電位として一時記憶部67に記憶されたものとする。
続いて、コントローラ部59は、赤色LED35を点灯すべく、出力端子63への出力ON信号と入力電圧とを、D/Aコンバータ56へ送出する。このとき、コントローラ部59は、D/Aコンバータ56へ送出する入力電圧を、0、1、2、3・・・と段階的に上げていく。この出力ON信号及び入力電圧を受けて、D/Aコンバータ56は、FET65への出力電圧の印加を行って、赤色LED35を点灯する。その際、コントローラ部59は、赤色LED35の出力変動や劣化を抑えるために、出力ON信号と出力OFF信号とを、数msecから数十msecの間隔で切り替えて、赤色LED35をパルス発光させる(ステップS102)。
赤色LED35が発光すると、赤色光が転写ベルト25の表面に照射される。そして、フォトダイオード37が、該赤色光の転写ベルト25表面における正反射光を受光して、該正反射光の受光量に応じた出力を行う。これにより、A/Dコンバータ55の入力端子61に検出電圧が入力される。A/Dコンバータ55は、赤色LED35のパルス駆動に同期して、パルス終端直前に入力端子61に入力される検出電圧を、変換電圧に変換して、コントローラ部59へ出力する。コントローラ部59は、A/Dコンバータ55から入力された変換電圧から、一時記憶部67に記憶されている暗電位を差し引いてオフセット補正した電圧値を、正反射検出電圧として、この正反射検出電圧のアナログ値が3.0Vに達した時点で、D/Aコンバータ56への出力ON信号及び入力電圧の送出を停止して、赤色LED35を消灯する。このとき、コントローラ部59は、赤色LED35の消灯直前における入力電圧を、赤色光発光電圧Eとして検知し、一時記憶部67に記憶する(ステップS102)。
続いて、コントローラ部59は、較正処理のためのトナーパッチ68を形成すべく、形成要求をプリンタ制御部54に送出する。
プリンタ制御部54は、この形成要求を受けて、各部の制御を行い、現像ユニット15Cによるトナーパッチの形成を行う。感光ドラム16Cの表面には、シアンのトナーパッチが形成され、記録媒体を搬送しない転写ベルト25の表面に、該トナーパッチが直接転写される(ステップS103)。
図10は、濃度検出処理に使用されるトナーパッチの例を示す図である。
図10(a)、(b)及び(c)は、それぞれ、ビットマップ形状をとり、露光面積率が25%のトナーパッチ、50%のトナーパッチ及び100%のトナーパッチである。以後、露光面積率が25%のトナーパッチを25%パッチ68−1、50%のトナーパッチを50%パッチ68−2、100%のトナーパッチを100%パッチ68−3と表す。これらのトナーパッチは、本実施例では2cm四方であり、600DPIの1ピクセルとなる。
また、図11は、トナーパッチの転写例を示す図(その1)である。
本実施例では、濃度センサ30の較正処理には、シアンのトナーで形成された50%パッチ68C−2(図10(b))を、図11に示されるように、転写ベルト25の中央に転写して使用する。
較正処理において、50%パッチ68−2を使用する理由は以下の通りである。即ち、正反射の場合、トナー濃度の高い高濃度域では、濃度変化量に対する検出電位差が小さく、ダイナミックレンジが狭くなってしまう。一方、低濃度域では、ベルト表面の反射ムラの影響を受けて、検出ばらつきが大きくなってしまう。また、拡散反射の場合、トナー層の厚みが大きい高濃度域では、電圧の検出ばらつきが大きくなってしまう一方、低濃度域では、検出電圧が低くなるため、充分なダイナミックレンジが得られない。これらのことを考慮して、本実施例では、50%パッチ68−2(図10(b))を用いて、正反射光検出と拡散反射光検出との較正処理を行う。
プリンタ制御部54は、モータ制御部41を制御して、表面にシアンの50%パッチ68C−2が形成された転写ベルト25(図11)を、該50%パッチ68C−2部分が濃度センサ30に対向する位置(図3(b))に達するまで、回転走行させる。モータ制御部41は、転写ベルト25が図3(b)に示される位置に到達すると、転写ベルト駆動ローラ26の駆動を止めて、転写ベルト25を停止させる(ステップS104)。
続いて、濃度検出装置60において、コントローラ部59が、一時記憶部67に記憶されている赤色光発光電圧Eを読み出して、該赤色光発光電圧Eを出力ON信号と共に送出して、赤色LED35をパルス発光させる。赤色LED35が点灯すると、フォトダイオード37が、赤色光の転写ベルト25からの正反射光を受光して、受光量に応じた出力を行う。そして、A/Dコンバータ55が、入力端子61に入力された検出電圧を、変換電圧に変換して、コントローラ部59へ出力する。コントローラ部59は、A/Dコンバータ55から入力された変換電圧から、一時記憶部67に記憶されている暗電位を差し引いてオフセット補正した正反射検出電圧を、変換部58に通知する。そして、変換部58が、該正反射検出電圧をトナー濃度に変換する。例えば、正反射検出電圧のアナログ値が0.42Vであった場合、変換部58は、図8(a)に示される正反射光の反射検出特性に基づいて、該正反射検出電圧をシアンのトナー濃度1.0に変換する。変換部58により変換されたトナー濃度1.0は、コントローラ部59に通知され、一時記憶部67に記憶される(ステップS105)。
また、変換部58は、このトナー濃度1.0を、図8(a)に示される拡散反射光の反射検出特性に基づいて、電圧値1.75Vに変換する。変換部58により変換された電圧値1.75Vは、コントローラ部59に通知され、拡散反射受光電圧として一時記憶部67に記憶される(ステップS106)。
続いて、コントローラ部59は、近赤外LED36を点灯すべく、出力端子64へのON信号と入力電圧とを、D/Aコンバータ56へ送出する。このとき、コントローラ部59は、D/Aコンバータ56へ送出する入力電圧を、0、1、2、3・・・と段階的に上げていく。この出力ON信号及び入力電圧を受けて、D/Aコンバータ56は、FET65への出力電圧の印加を行って、近赤外LED36を発光させる。その際、コントローラ部59は、近赤外LED36の出力変動や劣化を抑えるために、出力ON信号と出力OFF信号とを、数msecから数十msecの間隔で切り替えて、近赤外LED36をパルス発光させる(ステップS107)。
近赤外LED36が点灯すると、近赤外光が、シアン50%パッチ68C−2が形成された転写ベルト25に照射され、該シアン50%パッチ68C−2により拡散反射される。そして、フォトダイオード37が、該拡散反射光を受光して、受光量に応じた出力を行う。これにより、A/Dコンバータ55の入力端子61に検出電圧が入力される。A/Dコンバータ55は、近赤外LED36のパルス発光に同期して、パルス終端直前に入力端子61に入力される検出電圧を、変換電圧に変換して、コントローラ部59へ出力する。コントローラ部59は、A/Dコンバータ55から入力された変換電圧から、一時記憶部67に記憶されている暗電位を差し引いた値を、拡散反射検出電圧として、この拡散反射検出電圧が、一時記憶部67に記憶されている拡散反射受光電圧、即ち1.75Vに達した時点で、D/Aコンバータ56への出力ON信号及び入力電圧の送出を停止して、近赤外LED36を消灯する。このとき、コントローラ部59は、近赤外LED36の消灯直前における入力電圧を、近赤外光発光電圧Eとして検知し、一時記憶部67に記憶する(ステップS107)。これにより、濃度検出装置60における較正処理を終了する。
上記のように、濃度検出装置60において、濃度センサ30の較正処理が実行され、濃度検出処理時に、赤色LED35を発光させるための赤色光発光電圧Eと、近赤外LED36を発光させるための近赤外光発光電圧Eとが、それぞれ一時記憶部67に記憶される。
次に、カラープリンタ10において、各トナー濃度を検出して印刷条件を調整する濃度制御処理の流れについて、説明する。
図12は、本発明に係るカラープリンタの実施例1における濃度制御動作を示すフローチャートである。
カラープリンタ10において、プリンタ制御部54は、濃度制御処理を実行するために、まず、濃度検出指示を濃度検出装置60に送出する。
濃度検出装置60は、プリンタ制御部54から濃度検出指示を受けると、濃度センサ30の較正処理を行う(ステップS201)。濃度検出装置60は、図9に示されるステップS101からステップS107までの処理を実行し、赤色光発光電圧E及び近赤外光発光電圧Eを一時記憶部67に記憶する。
続いて、コントローラ部59は、濃度検出処理のためのトナーパッチ68を形成すべく、形成要求をプリンタ制御部54に送出する。
プリンタ制御部54は、この形成要求を受けて、各部の制御を行い、現像ユニット15K、15Y、15M及び15Cによるトナーパッチ68の形成を行う。感光ドラム16K、16Y、16M及び16Cの表面には、それぞれ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンのトナーパッチ68K、68Y、68M及び68Cが形成され、記録媒体を搬送しない転写ベルト25の表面に、これらのトナーパッチ68K、68Y、68M及び68Cが直接転写される(ステップS202)。
図13は、トナーパッチの転写例を示す図(その2)である。
濃度検出処理には、図10に示される3階調のトナーパッチが使用される。転写ベルト25の中央には、まず、図10(a)に示される露光面積率25%のトナーパッチ、即ち25%パッチ68−1が、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの順に転写される。続いて、図10(b)に示される露光面積率50%のトナーパッチ、即ち50%パッチ68−2が、同じく、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの順に転写される。そして、図10(c)に示される露光面積率100%のトナーパッチ、即ち100%パッチ68−3が、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの順に転写される。
この転写ベルト25(図13)は、図3(b)に示されるように、各トナーパッチ68が濃度センサ30に対向すべく回転走行される。そして、シアンの25%パッチ68C−1が濃度センサ30に対向する位置に到達すると、濃度検出装置60において、コントローラ部59が、近赤外LED36を点灯すべく出力を行う。コントローラ部59は、一時記憶部67に記憶されている近赤外光発光電圧Eを読み出して、該近赤外光発光電圧Eと出力ON信号とを、D/Aコンバータ56へ入力する。この入力を受けて、D/Aコンバータ56が、出力端子64から近赤外LED36への出力を行う。これにより、近赤外LED36は点灯し、A/Dコンバータ55には、フォトダイオード37からの検出電圧が入力端子61を介して入力する。A/Dコンバータ55は、フォトダイオード37からの出力の立ち上がり波形が安定して、検出電圧の変化が殆どなくなるタイミングにおいて、該検出電圧を変換して、変換電圧をコントローラ部59に出力する。そして、コントローラ部59が、変換電圧をオフセット補正した拡散反射検出電圧を、一時記憶部67に記憶する。なお、近赤外LED36は、図9に示した較正処理実行時と同様に、パルス発光される。
このように、濃度検出装置60は、シアン、マゼンタ及びイエローの各25%パッチ68C−1、68M−1及び68Y−1に対して、近赤外光を照射して、該25%パッチ68C−1、68M−1及び68Y−1からの拡散反射光の受光及び拡散反射検出電圧の記憶を行う(ステップS203)。
続いて、ブラックの25%パッチ68K−1が濃度センサ30に対向する位置に到達すると、コントローラ部59は、赤色LED35を点灯すべく出力を行う。コントローラ部59は、一時記憶部67に記憶されている赤色光発光電圧Eを読み出して、該赤色光発光電圧Eと出力ON信号とを、D/Aコンバータ56へ入力する。この入力を受けて、D/Aコンバータ56が、出力端子63から赤色LED35への出力を行う。これにより、赤色LED35はパルス発光され、A/Dコンバータ55には、フォトダイオード37からの検出電圧が入力端子61を介して入力する。A/Dコンバータ55は、フォトダイオード37からの出力の立ち上がり波形が安定して、検出電圧の変化が殆どなくなるタイミングにおいて、該検出電圧を変換して、変換電圧をコントローラ部59に出力する。そして、コントローラ部59が、変換電圧をオフセット補正した正反射検出電圧を、一時記憶部67に記憶する(ステップS204)。
次に、濃度検出装置60は、ステップS203と同様の動作を、50%パッチ68−2に対して実施する。即ち、濃度検出装置60は、近赤外LED36を点灯して、シアン、マゼンタ及びイエローの各50%パッチ68C−2、68M−2及び68Y−2に対して近赤外光を照射し、該50%パッチ68C−2、68M−2及び68Y−2からの拡散反射光を受光して、拡散反射検出電圧を記憶する(ステップS205)。
また、濃度検出装置60は、ステップS204と同様の動作を、50%パッチ68−2に対して実施する。即ち、濃度検出装置60は、赤色LED35を点灯して、ブラックの50%パッチ68K−2が転写された転写ベルト25に対して赤色光を照射し、転写ベルト25からの正反射光を受光して、正反射検出電圧を記憶する(ステップS206)。
続いて、濃度検出装置60は、ステップS203と同様の動作を、100%パッチ68−3に対して実施する。即ち、濃度検出装置60は、近赤外LED36を点灯して、シアン、マゼンタ及びイエローの各100%パッチ68C−3、68M−3及び68Y−3に対して近赤外光を照射し、該100%パッチ68C−3、68M−3及び68Y−3からの拡散反射光を受光して、拡散反射検出電圧を記憶する(ステップS207)。
更に、濃度検出装置60は、ステップS204と同様の動作を、100%パッチ68−3に対して実施する。即ち、濃度検出装置60は、赤色LED35を点灯して、ブラックの100%パッチ68K−3に対して赤色光を照射し、転写ベルト25からの正反射光を受光して、正反射検出電圧を記憶する(ステップS208)。
そして、コントローラ部59は、ステップS203からステップS208までの処理において検出された4色3階調の各トナーパッチ68に対応する検出電圧、即ち正反射検出電圧及び拡散反射検出電圧を、それぞれ、変換部58によりトナー濃度に変換する(ステップS209)。コントローラ部59は、変換された各トナー濃度を、プリンタ制御部54に通知する。
そして、プリンタ制御部54は、コントローラ部59から通知された各トナー濃度に基づいて、印刷条件の調整を行う(ステップS210)。プリンタ制御部54は、例えば、高圧制御部50を制御して、検出された各トナー濃度とターゲット濃度との差分から、必要な現像バイアス変化量を演算し、現像バイアス制御部52に通知する。或いは、プリンタ制御部54は、LEDヘッドインタフェース部40を制御して、潜像エネルギー量の変換を行う。また、プリンタ制御部54は、コマンド/画像処理部39においてスクリーン処理の面積率を変更して、ガンマ特性を調整する。これにより、カラープリンタ10における濃度制御処理が終了する。
上記のように、濃度検出装置60において、濃度センサ30の較正処理により検知された赤色光発光電圧E及び近赤外光発光電圧Eにより、赤色LED35及び近赤外LED36が発光され、各色のトナーパッチのトナー濃度が検出される。そして、カラープリンタ10において、これらのトナー濃度を用いた濃度制御が実行される。
以上のように、本実施例の濃度検出装置は、シアンのトナーパッチに赤色光及び近赤外光を照射して、濃度センサの較正処理を実行するので、拡散反射のない黒色の転写ベルトや、中間転写体、或いは中間転写ベルトを利用した較正処理の実施が可能となる。したがって、濃度検出用パターンや反射部等を設けずとも、濃度検出処理毎に較正処理用のトナーパッチの形成及び転写を行って、濃度センサの較正が可能となるので、経時劣化の影響を受けることなく、また、温度変化による濃度センサの特性変動を較正して、常に精度の高い濃度検出が可能となる。また、赤色光及び近赤外光を受光可能な安価な受光素子を利用できるので、低コスト化が可能となる。そして、この濃度検出装置を備える本実施例のカラープリンタは、常に適切な濃度制御が可能となるので、良質なカラー画像を安定的に形成できる。
なお、本実施例では、濃度検出処理に使用するトナー像として、露光面積率が25%、50%及び100%のトナーパッチが採用されたが、これに限定されない。
また、本実施例では、任意のトナー濃度のトナーパッチを利用して較正処理が実施されたが、正反射光により検出されるトナー濃度が所定のトナー濃度となるべく、予め現像バイアスやLEDヘッド光量を調整しても良い。この場合、該トナー濃度のトナーパッチを利用して、拡散反射の較正処理が実施される。
図14は、本発明の実施例2に係るカラープリンタの機能構成を示すブロック図である。
本実施例のカラープリンタ70は、濃度検出装置71において、D/Aコンバータ56に代えて電源供給部74を設ける構成と、補正部80を追加する構成とが、実施例1とは異なる。
なお、本実施例において、実施例1と同一の構成については同一の符号で示し、これらについての詳しい説明を省略する。
カラープリンタ70は、図14に示されるように、ホストインタフェース部38、コマンド/画像処理部39、LEDヘッドインタフェース部40、モータ制御部41、定着器温度制御部47、高圧制御部50、帯電バイアス制御部51、現像バイアス制御部52、転写バイアス制御部53、濃度検出装置71及びプリンタ制御部72を備えている。
濃度検出装置71は、図14に示されるように、濃度センサ73、A/Dコンバータ55、電源供給部74、反射検出特性記憶部57、変換部58、一時記憶部67、補正部80及びコントローラ部75を備えている。
図15は、実施例2の濃度センサを含む回路図である。
本実施例の濃度センサ73は、図3に示されるように、赤色LED35、近赤外LED36及びフォトダイオード37を有し、図15に示されるように、A/Dコンバータ55及び電源供給部74に接続されている。
電源供給部74は、赤色LED35に5Vの電源を供給する出力端子76と、近赤外LED36に5Vの電源を供給する出力端子77とを有する。電源供給部74による電源供給のON/OFFは、コントローラ部75により制御される。赤色LED35及び近赤外LED36は、電源供給部74による電源の供給を受けて、点灯する。
電源の供給を受けた赤色LED35が点灯して、転写ベルト25に赤色光が照射されると、フォトダイオード37が該赤色光の転写ベルト25からの正反射光を受光して、電圧を出力する。この出力は、オペアンプ62により増幅された後、A/Dコンバータ55の入力端子61に入力して検出される。
赤色LED35には、制限抵抗78が接続されている。制限抵抗78は、抵抗値を変更可能な可変抵抗器からなり、この抵抗値を変更することにより、赤色LED35の発光量を調整可能である。制限抵抗78の抵抗値は、本実施例では、トナーパッチ68が転写されていない転写ベルト25の表面に、赤色LED35から赤色光が照射された場合に、A/Dコンバータ55により検出される検出電圧をオフセット補正した正反射検出電圧が、常温(25℃)において3.000Vとなるように、調整されている。
同様に、電源の供給を受けた近赤外LED36が点灯して、トナーパッチ68の形成された転写ベルト25に近赤外光が照射されると、フォトダイオード37が該近赤外光のトナーパッチ68からの拡散反射光を受光して、電圧を出力する。この出力は、オペアンプ62により増幅された後、A/Dコンバータ55の入力端子61に入力して検出される。
近赤外LED36には、制限抵抗79が接続されている。制限抵抗79は、抵抗値を変更可能な可変抵抗器からなり、この抵抗値を変更することにより、近赤外LED36の発光量を調整可能である。制限抵抗79の抵抗値は、本実施例では、トナー濃度が1.0となるシアンの50%パッチ68C−2(図10(b))が形成されている転写ベルト25に、近赤外LED36から近赤外光が照射された場合に、A/Dコンバータ55により検出される検出電圧をオフセット補正した拡散反射検出電圧が、常温(25℃)において1.750Vとなるように、調整されている。
補正部80は、コントローラ部75から通知された電圧値やトナー濃度値を補正するための演算を行って、演算結果をコントローラ部75に通知する。
コントローラ部75は、赤色LED35及び近赤外LED36を点灯すべく、電源供給部74に対して、出力端子76及び出力端子77の何れかを指定して、該出力端子からの電源供給のON/OFFを指示する供給ON/OFF信号を送出する。また、コントローラ部75は、A/Dコンバータ55から変換電圧を入力されると、該変換電圧をトナーの色や反射光の種類を示すデータと共に、変換部58へ転送する。更に、コントローラ部75は、変換部58から受けたトナー濃度を、プリンタ制御部72へ送る。
プリンタ制御部72は、コマンド/画像処理部39から受けたコマンドに基づいて、カラープリンタ70の各部の制御を行う。また、プリンタ制御部72は、調整部として、濃度検出装置71により検出されたトナー濃度に基づいて、印刷条件を調整すべく、高圧制御部50やLEDヘッドインタフェース部40、コマンド/画像処理部39等の制御を行う。
続いて、本実施例のカラープリンタ70の動作について、説明する。
ここでは、カラープリンタ70において、各トナー濃度を検出して印刷条件を調整する濃度制御処理の流れについて、説明する。
図16は、本発明に係るカラープリンタの実施例2における濃度制御動作を示すフローチャートである。
初期状態において、赤色LED35及び近赤外LED36は、共に消灯している。このカラープリンタ70において、プリンタ制御部72が、濃度制御処理を実行するために、まず、濃度検出指示を濃度検出装置71へ送出する。
濃度検出指示を受けた濃度検出装置71は、赤色LED35及び近赤外LED36を消灯したまま、暗電位の測定を実行する。測定された暗電位は、一時記憶部67に記憶される(ステップS101)。
続いて、コントローラ部75が、赤色LED35を点灯すべく、出力端子76への供給ON信号を、電源供給部74へ送出する。この供給ON信号を受けて、電源供給部74は、赤色LED35への5V電源の供給を実施する。これにより、赤色LED35は点灯し、A/Dコンバータ55には、フォトダイオード37からの検出電圧が、入力端子61を介して入力する。A/Dコンバータ55は、該検出電圧を12bitのデジタル値に変換した変換電圧を、コントローラ部75に出力する。そして、コントローラ部75が、変換電圧から暗電位を差し引いてオフセット補正した電圧値を、基準電圧として一時記憶部67に記憶する(ステップS301)。本実施例では、基準電圧として3.125Vが記憶される。
図17は、検出結果の一例を示す図である。
図17(a)には、一時記憶部67に記憶される検出結果の一例が示されている。この検出結果には、赤色LED35の発光時に検出された検出電圧をオフセット補正した正反射検出電圧と、近赤外LED36の発光時に検出された検出電圧をオフセット補正した拡散反射検出電圧とが、それぞれ含まれている。正反射検出電圧には、転写ベルト25の表面に、露光面積率25%、50%及び100%のブラック或いはシアンのトナーパッチ68が形成されている場合についての検出結果と、トナーパッチ68が形成されていない場合、即ち転写ベルト25の表面に直接、赤色光が照射された場合についての検出結果とが、それぞれ含まれている。トナーパッチ68が形成されていない場合の正反射検出電圧は、上記した基準電圧に対応している。また、拡散反射検出電圧には、露光面積率25%、50%及び100%のシアン、マゼンタ或いはイエローのトナーパッチ68が形成されている場合についての検出結果が、それぞれ含まれている。
続いて、コントローラ部75は、濃度検出処理のためのトナーパッチ68を形成すべく、形成要求をプリンタ制御部72に送出する。
プリンタ制御部72は、この形成要求を受けて、各部の制御を行い、3階調4色のトナーパッチ68を、転写ベルト25の表面に、図13に示されるように転写する(ステップS202)。転写ベルト25には、25%パッチ68−1、50%パッチ68−2及び100%パッチ68−3が、それぞれ、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの順に転写される(図13)。
この転写ベルト25(図13)は、図3(b)に示されるように、各トナーパッチ68が濃度センサ30に対向すべく回転走行される。そして、シアンの25%パッチ68C−1が濃度センサ30に対向する位置に到達すると、濃度検出装置71において、コントローラ部75が、赤色LED35を点灯すべく出力を行う。コントローラ部75は、出力端子76への供給ON信号を、電源供給部74へ送出する。この供給ON信号を受けて、電源供給部74は、赤色LED35への5V電源の供給を実施する。これにより、赤色LED35は点灯し、A/Dコンバータ55には、フォトダイオード37からの検出電圧が、入力端子61を介して入力する。A/Dコンバータ55は、フォトダイオード37からの出力の立ち上がり波形が安定して、検出電圧の変化が殆どなくなるタイミングにおいて、該検出電圧を変換して、変換電圧をコントローラ部75に出力する。そして、コントローラ部75が、変換電圧から暗電位を差し引いてオフセット補正した電圧値を、シアンの25%パッチ68C−1に対応する正反射検出電圧として、一時記憶部67に記憶する(ステップS302)。本実施例では、図17(a)に示されるように、正反射検出電圧1.965Vが、一時記憶部67に記憶される。
シアンの25%パッチ68C−1に対する正反射検出電圧の検出に続けて、コントローラ部75は、近赤外LED36を点灯すべく出力を行う。コントローラ部75は、出力端子77への供給ON信号を、電源供給部74へ送出する。この供給ON信号を受けて、電源供給部74は、近赤外LED36への5V電源の供給を実施する。これにより、近赤外LED36は点灯し、A/Dコンバータ55には、フォトダイオード37からの検出電圧が、入力端子61を介して入力する。A/Dコンバータ55は、該検出電圧を変換して、変換電圧をコントローラ部75に出力する。そして、コントローラ部75が、変換電圧から暗電位を差し引いてオフセット補正した電圧値を、シアンの25%パッチ68C−1に対応する拡散反射検出電圧として、一時記憶部67に記憶する(ステップS303)。本実施例では、図17(a)に示されるように、拡散反射検出電圧0.688Vが、一時記憶部67に記憶される。
濃度検出装置71は、続いて、マゼンタ及びイエローの25%パッチ68M−1及び68Y−1に対して、近赤外光を照射して、該25%パッチ68M−1及び68Y−1からの拡散反射光の受光及び拡散反射検出電圧の記憶を行う(ステップS303)。本実施例では、図17(a)に示されるように、マゼンタの25%パッチ68M−1に対応する拡散反射検出電圧0.778Vと、イエローの25%パッチ68Y−1に対応する拡散反射検出電圧0.761Vとが、それぞれ一時記憶部67に記憶される。
次に、濃度検出装置71は、ステップS302と同様の動作を、ブラックの25%パッチ68K−1に対して実施し、正反射検出電圧の検出を行う。即ち、赤色LED35が点灯し、ブラックの25%パッチ68K−1が形成された転写ベルト25に赤色光が照射され、転写ベルト25からの正反射光が受光される。そして、一時記憶部67には、正反射検出電圧が記憶される(ステップS304)。本実施例では、図17(a)に示されるように、ブラックの25%パッチ68K−1対応する正反射検出電圧1.438Vが、一時記憶部67に記憶される。
続いて、濃度検出装置71は、シアンの50%パッチ68C−2に対して、赤色光を照射して、該トナーパッチ68C−2からの正反射光の受光及び正反射検出電圧の記憶を行う(ステップS304)。本実施例では、図17(a)に示されるように、シアンの50%パッチ68C−2に対応する正反射検出電圧0.973Vが、一時記憶部67に記憶される。
シアンの50%パッチ68C−2に対する正反射検出電圧の検出に続けて、濃度検出装置71は、ステップS303と同様の動作を、シアンの50%パッチ68C−2、マゼンタの50%パッチ68M−2及びイエローの50%パッチ68Y−2に対して実施し、拡散反射検出電圧の検出を行う(ステップS305)。濃度検出装置71は、近赤外LED36を点灯して、シアンの50%パッチ68C−2、マゼンタの50%パッチ68M−2及びイエローの50%パッチ68Y−2に対して近赤外光を照射し、該50%パッチ68C−2、68M−2及び68Y−2からの拡散反射光の受光及び拡散反射検出電圧の記憶を行う(ステップS305)。本実施例では、図17(a)に示されるように、シアンの50%パッチ68C−2に対応する拡散反射検出電圧1.301V、マゼンタの50%パッチ68M−1に対応する拡散反射検出電圧1.593V、イエローの50%パッチ68Y−1に対応する拡散反射検出電圧1.263Vが、それぞれ一時記憶部67に記憶される。
次に、濃度検出装置71は、ステップS304と同様の動作を、ブラックの50%パッチ68K−2及びシアンの100%パッチ68C−3に対して実施し、正反射検出電圧の検出を行う(ステップS306)。濃度検出装置71は、赤色LED35を点灯して、正反射光の受光及び正反射検出電圧の記憶を行う。本実施例では、図17(a)に示されるように、ブラックの50%パッチ68K−2に対応する正反射検出電圧0.482V、シアンの100%パッチ68C−3に対応する正反射検出電圧0.072Vが、それぞれ一時記憶部67に記憶される。
更に、濃度検出装置71は、ステップS303と同様の動作を、シアンの100%パッチ68C−3、マゼンタの100%パッチ68M−3及びイエローの100%パッチ68Y−3に対して実施し、拡散反射検出電圧の検出を行う(ステップS307)。濃度検出装置71は、近赤外LED36を点灯して、シアンの100%パッチ68C−3、マゼンタの100%パッチ68M−3及びイエローの100%パッチ68Y−3に対して近赤外光を照射し、拡散反射光の受光及び拡散反射検出電圧の記憶を行う(ステップS305)。本実施例では、図17(a)に示されるように、シアンの100%パッチ68C−3に対応する拡散反射検出電圧2.738V、マゼンタの100%パッチ68M−3に対応する拡散反射検出電圧2.623V、イエローの100%パッチ68Y−3に対応する拡散反射検出電圧2.348Vが、それぞれ一時記憶部67に記憶される。
そして、濃度検出装置71は、ブラックの100%パッチ68K−3に対して、赤色光を照射して、正反射検出電圧の検出を行う(ステップS308)。本実施例では、図17(a)に示されるように、ブラックの100%パッチ68K−3に対する正反射検出電圧0.053Vが、一時記憶部67に記憶される。
露光面積率25%、50%及び100%の3階調の各トナーパッチ68に対して、シアン及びブラックに対応する正反射検出電圧と、シアン、マゼンタ及びイエローに対応する拡散反射検出電圧との検出処理が完了すると、コントローラ部75は、補正部80を制御して、正反射検出電圧の補正処理を実施させる。補正部80は、以下に示す手順で、正反射検出電圧の補正を行う(ステップS309)。
まず、補正部80は、基準電圧の補正を行う。前述したように、制限抵抗78の抵抗値は、常温での基準電圧が3.0Vとなるべく調整されている。この3.0Vを、基準電圧の期待値とする。本実施例において、基準電圧の測定値は、図17(a)に示されるように、3.125Vとなっている。補正部80は、基準電圧の期待値と測定値との比r=3.0/3.125=0.9600を演算する。
続いて、補正部80は、一時記憶部67に記憶されている各正反射検出電圧の測定値に、上記した演算値rを乗じて、正反射補正電圧の演算を行う。各正反射補正電圧の演算値を、図17(b)に示す。正反射補正電圧の演算値は、図17(a)に示される正反射検出電圧の測定値と比較して、4.00%低い値となる。正反射補正電圧の各演算値は、コントローラ部75を介して一時記憶部67に記憶される。
次に、コントローラ部75は、変換部58を制御して、正反射補正電圧と拡散反射検出電圧とを、それぞれ、トナー濃度に変換させる(ステップS310)。変換部58は、図17(b)に示される各正反射補正電圧と、図17(a)に示される各拡散反射検出電圧とを、反射検出特性記憶部57に記憶されている反射検出特性に基づいて、トナー濃度に変換する。変換部58により変換されたトナー濃度を、図17(c)に示す。これらのトナー濃度は、コントローラ部75を介して一時記憶部67に記憶される。
続いて、コントローラ部75は、補正部80により、拡散反射検出電圧から変換されたトナー濃度の補正を行う(ステップS311)。正反射光に対する検出結果は、ステップS309において、補正が行われている。そこで、補正部80は、まず、正反射光補正電圧から変換されたシアンのトナー濃度を補正値として、該補正値を用いて、拡散反射検出電圧から変換されたシアンのトナー濃度、即ち変換値の補正を行う。補正部80は、まず、シアンの25%パッチ68C−1に対応するトナー濃度の補正値と変換値との比R=0.37/0.39を演算する。同様に、補正部80は、シアンの50%パッチ68C−2に対応するトナー濃度の補正値と変換値との比R=0.70/0.74及びシアンの100%パッチ68C−3に対応するトナー濃度の補正値と変換値との比R=1.55/1.64を演算する。そして、補正部80は、これらの演算値を加え合わせて、R=R+R+R=0.946595を演算する。
続いて、補正部80は、一時記憶部67に記憶されている各拡散反射検出電圧から変換されたトナー濃度の変換値に、上記した演算値Rを乗じて、補正トナー濃度の演算を行う。各補正トナー濃度の演算値を、図17(d)に示す。各補正トナー濃度の演算値は、図17(c)に示されるトナー濃度の変換値と比較して、5.34%低い値となる。補正トナー濃度の各演算値は、コントローラ部75を介して一時記憶部67に記憶される。
そして、コントローラ部75は、図17(c)に示されるブラック及びシアンの各トナー濃度と、図17(d)に示されるマゼンタ及びイエローの各補正トナー濃度とを、トナー濃度として、プリンタ制御部72に通知する。
そして、プリンタ制御部72は、コントローラ部75から通知された各トナー濃度に基づいて、印刷条件の調整を行う(ステップS210)。これにより、カラープリンタ70における濃度制御処理が終了する。
上記のように、濃度検出装置71によりトナー濃度が検出され、カラープリンタ70において、これらのトナー濃度を用いた濃度制御が実行される。
以上のように、本実施例の濃度検出装置は、赤色LED及び近赤外LEDの発光量を予め調整しておき、正反射光及び拡散反射光の受光量を検出した後、シアンのトナーパッチに対する各検出値に基づいて、較正のための補正処理を行って、各色のトナー濃度を検出するので、各LEDによる発光回数及びフォトダイオードによる受光回数をそれぞれ低減し、濃度センサの劣化を抑制可能となる。また、濃度検出処理毎に補正処理を実施するので、経時劣化や温度変化、製造バラツキ等の影響を受けない精度の高い濃度検出が可能となる。
なお、本実施例では、濃度検出処理に使用するトナー像として、露光面積率が25%、50%及び100%のトナーパッチが採用されたが、これに限定されない。
上記実施例では、本発明の画像形成装置をカラープリンタに適用した場合について説明したが、本発明はこの例に限定されるものではない。即ち、マルチファンクションプリンタや複写機等に適用することも可能である。
本発明の実施例1に係るカラープリンタの機能構成を示すブロック図である。 本発明に係るカラープリンタの概略構成図である。 濃度センサの模式図である。 赤色LEDの発光特性を示す図である。 近赤外LEDの発光特性を示す図である。 フォトダイオードの受光特性を示す図である。 実施例1の濃度センサを含む回路図である。 反射検出特性を示す図である。 本発明に係る濃度検出装置の実施例1における較正動作を示すフローチャートである。 濃度検出処理に使用されるトナーパッチの例を示す図である。 トナーパッチの転写例を示す図(その1)である。 本発明に係るカラープリンタの実施例1における濃度制御動作を示すフローチャートである。 トナーパッチの転写例を示す図(その2)である。 本発明の実施例2に係るカラープリンタの機能構成を示すブロック図である。 実施例2の濃度センサを含む回路図である。 本発明に係るカラープリンタの実施例2における濃度制御動作を示すフローチャートである。 検出結果の一例を示す図である。
符号の説明
10、70 カラープリンタ
60、71 濃度検出装置
30、73 濃度センサ
35 赤色LED
36 近赤外LED
37 フォトダイオード

Claims (9)

  1. 像担持体上に形成された像の濃度を検出するための濃度検出装置であって、
    正反射光を検出するために、前記像が形成された前記像担持体に対して光を照射する第一発光部と、
    拡散反射光を検出するために、前記像が形成された前記像担持体に対して光を照射する第二発光部と、
    前記第一発光部からの照射光の前記像担持体からの正反射光と、前記第二発光部からの照射光の前記像からの拡散反射光とを受光して、正反射光量及び拡散反射光量を検出する受光部と、
    検出された正反射光量に基づいて、前記像の濃度を第一濃度値として検出する第一濃度検出部と、
    検出された前記拡散反射光量に基づいて、前記像の濃度を第二濃度値として検出する第二濃度検出部と、
    前記第一濃度値と前記第二濃度値とを一致させるべく前記第二発光部の出力を制御する制御部とを備える
    ことを特徴とする濃度検出装置。
  2. 前記制御部は、前記第二発光部による照射光量を調整することにより、前記出力の制御を行うことを特徴とする請求項1記載の濃度検出装置。
  3. 前記制御部は、前記第一濃度値及び前記第二濃度値に基づく補正値を用いて、前記出力の制御を行うことを特徴とする請求項1記載の濃度検出装置。
  4. 前記第一発光部は、赤色光を発光する赤色LEDからなることを特徴とする請求項1記載の濃度検出装置。
  5. 前記第二発光部は、近赤外光を発光する近赤外LEDからなることを特徴とする請求項1記載の濃度検出装置。
  6. 前記像担持体は、感光体から像が転写される転写体からなることを特徴とする請求項1記載の濃度検出装置。
  7. 前記像は、シアントナーからなるシアントナー像であることを特徴とする請求項1記載の濃度検出装置。
  8. 前記シアントナー像は、露光面積率が50%のトナーパッチからなることを特徴とする請求項7記載の濃度検出装置。
  9. 請求項1記載の濃度検出装置と、画像形成条件に基づいて画像形成を行う画像形成部とを備える画像形成装置において、
    前記濃度検出装置により検出された像の濃度に基づいて、前記画像形成部による画像形成条件を調整する調整部を更に備える
    ことを特徴とする画像形成装置。
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