JP2008232106A - フリーピストンエンジン - Google Patents
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Abstract
【課題】ピストンが回転運動するフリーピストンエンジンを提供する。
【解決手段】円形の気筒Kが形成されたケーシング30に、気筒中心を中心として正逆回転可能に出力軸51が保持される。気筒K内に、出力軸51と一体となって正逆回転されると共に、気筒K内をその周方向において遮断するピストン41が配設される。ケーシング30に、気筒Kをその周方向に遮断するように気筒中心に向けて伸びる隔壁部61,62が形成される。気筒周方向においてピストン41と隔壁部61,62とによって挟まれた空間が、燃焼室31,32とされる。出力軸51に、出力軸51の正逆回転によって発電を行う回転式の発電機が連結される。
【選択図】図4
【解決手段】円形の気筒Kが形成されたケーシング30に、気筒中心を中心として正逆回転可能に出力軸51が保持される。気筒K内に、出力軸51と一体となって正逆回転されると共に、気筒K内をその周方向において遮断するピストン41が配設される。ケーシング30に、気筒Kをその周方向に遮断するように気筒中心に向けて伸びる隔壁部61,62が形成される。気筒周方向においてピストン41と隔壁部61,62とによって挟まれた空間が、燃焼室31,32とされる。出力軸51に、出力軸51の正逆回転によって発電を行う回転式の発電機が連結される。
【選択図】図4
Description
本発明は、フリーピストンエンジンに関するものである。
近時、燃焼ガスの有する熱エネルギを高効率に取り出すという観点から、フリーピストンエンジンが注目されている。特許文献1には、往復直線運動されるフリーピストンエンジンのピストンに設けた永久磁石が、リニア発電機の磁界内を往復動されることにより発電を行うものが開示されている。また、特許文献2には、シリンダ内に嵌合されたそれぞれ往復直線運動される2つのピストン間に1つの燃焼室を構成して、燃焼室内での燃焼圧力によって2つのピストンが離間方向駆動されるフリーピストンエンジンが提案されている。
特開2003−343202号公報
特開2005−155345号公報
前述した各特許文献に記載のように、フリーピストンエンジンにおいて発電を行う場合、ピストンが往復直線運動されることに対応させて、発電機としてはリニア発電機が用いられるが、リニア発電機は回転式の発電機に比して発電効率が悪く、この点においてなんらかの対策が望まれることになる。より具体的には、発電用コイルと永久磁石との長さ(永久磁石の往復方向長さ)を同じに設定した場合、永久磁石の往復ストローク端付近では、永久磁石に対応した発電用コイルが存在しない状態が形成されてしまい、このため発電効率が悪いものとなる。また、永久磁石の往復直線運動軌跡の全長に渡って発電用コイルを長く配設した場合は、発電用コイルには発電に関与しない部分が相当長く存在してしまうと共に、発電機の全長が極めて大きくなってしまうという問題をも生じる。このような問題は、つまるところ、従来のフリーピストンエンジンでは、ピストンが往復直線運動することに起因したものとなる。
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、ピストンが回転運動するようにしたフリーピストンエンジンを提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
円形の気筒が形成されたケーシングに、気筒中心を中心として正逆回転可能に出力軸が保持され、
前記気筒内に、前記出力軸と一体となって正逆回転されると共に、前記気筒内をその周方向において遮断するピストンが配設され、
前記ケーシングに、前記気筒をその周方向に遮断するように気筒中心に向けて伸びる隔壁部が形成され、
気筒周方向において前記ピストンと前記隔壁部とによって挟まれた空間が燃焼室とされ、
前記出力軸に、前記出力軸の正逆回転によって発電を行う回転式の発電機が連結されている、
ようにしてある。
円形の気筒が形成されたケーシングに、気筒中心を中心として正逆回転可能に出力軸が保持され、
前記気筒内に、前記出力軸と一体となって正逆回転されると共に、前記気筒内をその周方向において遮断するピストンが配設され、
前記ケーシングに、前記気筒をその周方向に遮断するように気筒中心に向けて伸びる隔壁部が形成され、
気筒周方向において前記ピストンと前記隔壁部とによって挟まれた空間が燃焼室とされ、
前記出力軸に、前記出力軸の正逆回転によって発電を行う回転式の発電機が連結されている、
ようにしてある。
上記解決手法によれば、燃焼に応じて、ピストンつまり出力軸は、気筒中心を中心として回転運動としての正逆回転駆動されることになる。したがって、出力軸によって発電機を駆動する場合は、発電効率のよい回転式発電機を用いることが可能となる。また、燃焼による駆動力は、出力軸の正逆回転運動として直接取り出されるので、例えば往復運動を正逆回転運動に変化するための特別な機構を別途用いることなく、回転式の発電機を用いることが可能となる。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。すなわち、
前記ピストンを挟んで気筒周方向両側の空間に、第1燃焼室と第2燃焼室との2つの燃焼室が構成され、
前記第1燃焼室と第2燃焼室との一方の燃焼室での燃焼圧力を受けて他方の燃焼室が圧縮されるように、前記第1燃焼室と第2燃焼室との燃焼行程が互いに相違するように設定されている、
ようにしてある(請求項2対応)。この場合、一方の燃焼室の燃焼圧縮力を他方の燃焼室を圧縮するためのエネルギとして利用して、圧縮力を得るためのリターンスプリングを別途設けることが不用になる。また、ピストン1回の正逆回転あたりの燃焼回数を増加させる上でも好ましいものとなる。
前記ピストンを挟んで気筒周方向両側の空間に、第1燃焼室と第2燃焼室との2つの燃焼室が構成され、
前記第1燃焼室と第2燃焼室との一方の燃焼室での燃焼圧力を受けて他方の燃焼室が圧縮されるように、前記第1燃焼室と第2燃焼室との燃焼行程が互いに相違するように設定されている、
ようにしてある(請求項2対応)。この場合、一方の燃焼室の燃焼圧縮力を他方の燃焼室を圧縮するためのエネルギとして利用して、圧縮力を得るためのリターンスプリングを別途設けることが不用になる。また、ピストン1回の正逆回転あたりの燃焼回数を増加させる上でも好ましいものとなる。
前記隔壁部が、気筒周方向に間隔をあけて第1隔壁部と第2隔壁部との2つ設けられて、前記2つの隔壁部によって気筒周方向に遮断された第1空間と第2空間との2つの空間が形成され、
前記ピストンが前記第1空間内に配設されて、気筒周方向において、前記第1隔壁部と前記ピストンとの間に前記第1燃焼室が構成されると共に、前記第2隔壁部と前記ピストンとの間に前記第2燃焼室が構成され、
前記第2空間内に、前記出力軸と一体となって正逆回転されると共に前記第2空間を気筒周方向において遮断する分割用突起部が設けられて、前記分割用突起部によって、前記第2空間が、前記第1隔壁部に臨む第1分割空間と前記第2隔壁部に臨む第2分割空間とに分割され、
前記第1分割空間が、前記第1燃焼室に対する掃気用の第1ポンプ室とされると共に、前記第2分割空間が前記第2燃焼室に対する掃気用の第2ポンプ室とされている、
ようにしてある(請求項3対応)。この場合、気筒内の空間を有効に利用して各燃焼室についてそれぞれ掃気用のポンプ室を構成して、掃気用のポンプを別途設けることが不用になる。
前記ピストンが前記第1空間内に配設されて、気筒周方向において、前記第1隔壁部と前記ピストンとの間に前記第1燃焼室が構成されると共に、前記第2隔壁部と前記ピストンとの間に前記第2燃焼室が構成され、
前記第2空間内に、前記出力軸と一体となって正逆回転されると共に前記第2空間を気筒周方向において遮断する分割用突起部が設けられて、前記分割用突起部によって、前記第2空間が、前記第1隔壁部に臨む第1分割空間と前記第2隔壁部に臨む第2分割空間とに分割され、
前記第1分割空間が、前記第1燃焼室に対する掃気用の第1ポンプ室とされると共に、前記第2分割空間が前記第2燃焼室に対する掃気用の第2ポンプ室とされている、
ようにしてある(請求項3対応)。この場合、気筒内の空間を有効に利用して各燃焼室についてそれぞれ掃気用のポンプ室を構成して、掃気用のポンプを別途設けることが不用になる。
互いに一体となって正逆回転される前記出力軸とピストンと分割用突起部とのユニット体のうち前記第1隔壁部側の面に、前記ユニット体の正逆回転に応じて、前記第1隔壁部によって前記第1燃焼室と前記第1ポンプ室との連通遮断が切換られる第1掃気用切欠溝が形成され、
前記ユニット体のうち前記第2隔壁部側の面に、前記ユニット体の正逆回転に応じて、前記第2隔壁部によって前記第2燃焼室と前記第2ポンプ室との連通遮断が切換えられる第2掃気用切欠溝が形成されている、
ようにしてある(請求項4対応)。この場合、掃気用の通路を、気筒外部に別途設けることなく、気筒内に設けることができると共に、掃気用通路の構造も極めて簡単な構造にすることができる。
前記ユニット体のうち前記第2隔壁部側の面に、前記ユニット体の正逆回転に応じて、前記第2隔壁部によって前記第2燃焼室と前記第2ポンプ室との連通遮断が切換えられる第2掃気用切欠溝が形成されている、
ようにしてある(請求項4対応)。この場合、掃気用の通路を、気筒外部に別途設けることなく、気筒内に設けることができると共に、掃気用通路の構造も極めて簡単な構造にすることができる。
前記隔壁部が、気筒周方向に間隔をあけて第1隔壁部と第2隔壁部との2つ設けられて、前記2つの隔壁部によって気筒周方向に遮断された第1空間と第2空間との2つの空間が形成され、
前記第1空間内に、前記ピストンが配設されて前記燃焼室が構成されており、
前記第2空間内に、前記出力軸と一体となって正逆回転されると共に前記第2空間を気筒周方向において遮断する分割用突起部が設けられて、前記分割用突起部によって、前記第1隔壁部に臨む第1分割空間と、前記第2隔壁部に臨む第2分割空間とが形成され、
前記第1分割空間と第2分割空間とのうち、前記燃焼室が膨張過程にあるときに前記分割用突起部によって圧縮される空間が、前記燃焼室に対する掃気用のポンプ室として構成されている、
ようにしてある(請求項5対応)。この場合、気筒内に、掃気用のポンプ室を構成して、掃気用ポンプ室を気筒外部に別途設けることが不用になる。
前記第1空間内に、前記ピストンが配設されて前記燃焼室が構成されており、
前記第2空間内に、前記出力軸と一体となって正逆回転されると共に前記第2空間を気筒周方向において遮断する分割用突起部が設けられて、前記分割用突起部によって、前記第1隔壁部に臨む第1分割空間と、前記第2隔壁部に臨む第2分割空間とが形成され、
前記第1分割空間と第2分割空間とのうち、前記燃焼室が膨張過程にあるときに前記分割用突起部によって圧縮される空間が、前記燃焼室に対する掃気用のポンプ室として構成されている、
ようにしてある(請求項5対応)。この場合、気筒内に、掃気用のポンプ室を構成して、掃気用ポンプ室を気筒外部に別途設けることが不用になる。
本発明によれば、ピストンが回転運動するようにしたフリーピストンエンジンを提供することができる。
図1は、車両としての自動車を駆動するモータへの給電用としてフリーピストンエンジンを利用した場合の実施形態を示すものである。この図1において、1は駆動用(走行用)のモータで、実施形態ではACモータで構成されている。2R、2Lは左右の駆動輪(前輪または後輪)であり、この駆動輪2R、2Lは、デファレンシャルギア3を介してモータ1によって駆動される。
10は、フリーピストンエンジンであり、このフリーピストンエンジン10は、ピストンやシリンダを含むエンジン本体11と後述する発電機12とを含めたユニット体として構成されている。エンジン本体11は、発電機12を駆動するもので、発電機12によって発電された電力(交流)は、整流器20によって直流に変換された後、DC−ACコンバータ21を介してモータ1に供給される一方、余剰電力はバッテリ22に供給される。また、バッテリ22からの電力が、上記DC−ACコンバータ21を介してモータ1に供給されるようにもなっている。制動時の回生エネルギを回収するため、制動時には、モータ1によって発電された電力が、整流器23によって直流に変換された後、DC−DCコンバータ24によって昇圧されてバッテリ22に供給される。
自動車の運転状態に応じた電力供給の流れは、例えば次のように行われるが、フリーピストンエンジン10による最大発電量は、モータ1による最大出力を確保できる程度に十分に大きいものとされている。
(1)要求発電量が極めて少ないとき
発進時や極軽負荷時でかつバッテリ22の蓄電量が多いときである。このときは、発電機12での発電は行われず(フリーピストンエンジン10つまりエンジン本体11の停止状態)、バッテリ22からのみモータ1へ電力が供給される。
(2)要求発電量が少ないとき
軽負荷〜中負荷時でかつバッテリ22の蓄電量が多いときである。このときは、発電機12での発電が行われて(フリーピストンエンジン10が作動)、発電機12からもっぱらモータ1へ電力が供給される(若干の余剰電力分を発電して、余剰電力をバッテリ22に蓄電するようにしてもよい)。
(3)要求発電量が中〜大のとき
軽負荷〜高負荷時でかつバッテリ22の蓄電量が少ないときである。このときは、発電機12で走行に必要な電力以上の十分な発電が行われて(フリーピストンエンジン10が作動)、発電機12からモータ1へ電力が供給されると共に、十分な余剰電力がバッテリ22に蓄電される。
(4)回生制動時
モータ1が駆動輪2R、2Lによって駆動される発電機として機能されるときである。このときは、モータ1で発電された電力がバッテリ22に蓄電される。なお、フリーピストンエンジン10は、停止してもよいが、次の発電に備えて、極低速で運転を継続させることもできる。
(1)要求発電量が極めて少ないとき
発進時や極軽負荷時でかつバッテリ22の蓄電量が多いときである。このときは、発電機12での発電は行われず(フリーピストンエンジン10つまりエンジン本体11の停止状態)、バッテリ22からのみモータ1へ電力が供給される。
(2)要求発電量が少ないとき
軽負荷〜中負荷時でかつバッテリ22の蓄電量が多いときである。このときは、発電機12での発電が行われて(フリーピストンエンジン10が作動)、発電機12からもっぱらモータ1へ電力が供給される(若干の余剰電力分を発電して、余剰電力をバッテリ22に蓄電するようにしてもよい)。
(3)要求発電量が中〜大のとき
軽負荷〜高負荷時でかつバッテリ22の蓄電量が少ないときである。このときは、発電機12で走行に必要な電力以上の十分な発電が行われて(フリーピストンエンジン10が作動)、発電機12からモータ1へ電力が供給されると共に、十分な余剰電力がバッテリ22に蓄電される。
(4)回生制動時
モータ1が駆動輪2R、2Lによって駆動される発電機として機能されるときである。このときは、モータ1で発電された電力がバッテリ22に蓄電される。なお、フリーピストンエンジン10は、停止してもよいが、次の発電に備えて、極低速で運転を継続させることもできる。
次に、フリーピストンエンジン10を構成するエンジン本体11について、図2〜図4を参照しつつ説明する。まず、図2において、エンジン本体11はケーシング30を有し、このケーシング30内に、気筒Kが構成されている。ケーシング30は、分割ケーシング30A〜30Cを互いに一体化することにより構成されている。すなわち、ケーシング30は、中間ケーシング30Bと、中間ケーシング30Bの各端部を閉塞する端部ケーシング30A、30Cとから構成されている。
気筒Kの一例が、図3,図4に示されている。気筒Kは、所定軸線Lを中心とする円形の空間を構成していて、気筒K内には、ピストン41が配設されている。また、ケーシング30には、所定軸線Lを中心として回転可能に、出力軸51が回転可能(正逆回転可能)に保持されている。そして、この出力軸51に対して、回転式の発電機12が連結されている。回転式の発電機12は、出力軸51のうちケーシング30の外部に伸びる部分に固定されたロータと、このロータに対して保持された出力軸51の周方向360度全周に渡って配設された永久磁石と、永久磁石の360度全周に渡って配設されたステータと、このステータに360度全周に渡って保持された発電用コイル(例えば3相交流用)とを有する。勿論ステータは例えばケーシング30に一体化されていて、出力軸51の正逆回転によって発電が行われることになる。なお、図3,図4において85は、出力軸51に嵌合されたシール部材である(気筒K内をケーシング外部とシールする)。
ケーシング30(分割ケーシング30B)の内面、つまり気筒K内面からは、第1隔壁部61と第2隔壁部62とが気筒中心に向けて突設されている。各隔壁部61と62の各先端(径方向中心側端)は、出力軸51の直近にまで伸びていると共に、気筒周方向に互いに間隔をあけて配置されている。この2つの隔壁部61と62とによって、気筒K内は、図3,図4下方側に位置する第1空間K1と、上側に位置する第2空間K2とに画成されている。
気筒Kのうち上記第1空間K1内において、ピストン41が配設されている。このピストン41の径方向中心側端部は、出力軸51に対して一体化されている。ピストン41は、気筒Kつまり第1空間K1内を気筒周方向に分断するように円弧状とされていて、ピストン41は出力軸51を中心にして正逆回転可能とされている。
上記第1空間K1内には、上記ピストン51によって気筒周方向において遮断された第1燃焼室31と第2燃焼室32とが画成されている。すなわち、ピストン51と第1隔壁部61との間が第1燃焼室31とされ、ピストン51と第2隔壁部62との間が第2燃焼室32とされている。
一方、気筒Kのうち前記第2空間K2内には、分割用突起部63が配設されている。この分割用突起部63の径方向中心側端部は、出力軸51に対して一体化されている。分割用突起部63の先端(径方向外方側端)は、気筒中心を中心とする円弧状に形成されて、第2空間K2を、第1分割空間K2−1と第2分割空間K2−2とに画成している。後述するように、第1分割空間K2−1は第1燃焼室31を掃気するための掃気用の第1ポンプ室P1とされ、また第2分割空間K2−2は、第2燃焼室32を掃気するための掃気用ポンプ室P2とされている。
ピストン41が配設された第1空間K1内には、排気ポート71が開口されている。この排気ポート71は、気筒周方向において、各隔壁部61と62との中間位置に形成されている。各ポンプ室P1、P2には、個別に吸気ポート72あるいは73が開口されている。第1ポンプ室P1用の吸気ポート72は、第1隔壁部61の直近に位置されている。また、第2ポンプ室P2用の吸気ポート73は、第2隔壁部62の直近に位置されている。なお、実施形態では、燃料は吸気ポートに噴射されるようになっており、この各吸気ポート72,73には、ポンプ室P1あるいはP2へ向けてのみ吸気の流れを許容するリード弁が配設されている。
第1燃焼室31と第1ポンプ室P1とを連通するための第1掃気用通路が符合81で示され、第2燃焼室32と第2ポンプ室P2とを連通するための第2掃気用通路が符合82で示される。各掃気用通路81,82は、出力軸51とピストン41と分割用突起部63とが一体化されてなるユニット体UTの表面に対して溝形式で形成されている。より具体的には、各掃気用通路81、82は、分割用突起部63と出力軸51に跨って伸びるように形成されている。
掃気用通路81,82の詳細について、より詳細に説明する。まず、ピストン41が第1空間K1のうち気筒周方向中間に位置された図3,図4の状態では、分割用突起部63は、第2空間K2のうち気筒周方向中間に位置されている。この図3,図4の状態において、第1掃気用通路81は、ユニット体UTのうち第1隔壁部61の臨む側の面に形成され、その一端が分割用突起部63の径方向略中間位置に位置され、その他端は、第1隔壁部61側に位置されているが第1隔壁部61には達しない位置とされている。同様に、第2掃気用通路82は、ユニット体UTのうち第2隔壁部62の臨む側の面に形成されて、その一端が分割用突起部63の径方向略中間位置に位置され、その他端は第2隔壁部62側に位置されているが第2隔壁部62には達しない位置とされている。
図3,図4の状態では、第1燃焼室31と第1ポンプ室P1とは、第1掃気用通路81を介して連通が遮断された遮断状態(閉状態)となる。図3,図4の状態から、ピストン41が図4時計方向に回転されるのに伴って(ピストン41が第1隔壁部61から気筒周方向において離間する方向に回転されるのに伴って)、分割用突起部63が第1隔壁部61に接近する方向に回転されて、やがて第1掃気用通路81が第1隔壁部61を超えて第1燃焼室31と連通された連通状態(開状態)とされる。第1燃焼室31とポンプ室P1とが第1掃気用通路81を介して連通された状態の詳細が、図8に示される。なお、図8において、83は、第1隔壁部61に設けられたシール部材である。
同様に、図3,図4の状態から、ピストン41が図4の反時計方向に回転されるのに伴って、やがて、第2掃気用通路82が第2燃焼室32と連通されることになる。なお、図示を略すが、第2隔壁部62に対しても、第1隔壁部61に設けたシール部材83と同様のシール部材が設けられている。このように、各隔壁部61,62は、対応する掃気用通路81,82を対応する燃焼室31あるいは32へ連通させるか遮断するかの開閉機能を有するものとなっている。
次に、以上のような構成の作用について、燃焼行程の変化と対応させつつ図4〜図7を参照しつつ説明する。まず、図5は、第2燃焼室32が十分に圧縮されて着火された直後の状態である。この図5の状態から、ピストン41は、第2燃焼室32での燃焼圧力を受けて、第1隔壁部61に向けて回転され、図4の状態を経た後、図6の状態へと変化される。また、分割用突起部63は、第1隔壁部61直近にある状態から、第2隔壁部62に接近する方向に回転されて、第1ポンプ室P1においてはその膨張によって吸気ポート72からの混合気の吸い込みが開始される一方、第2ポンプ室P2は圧縮され始める。この図6の状態では、排気ポート71がわずかに開かれた状態が示されるが、第2掃気用通路82はまだ閉じている状態(第2燃焼室32と遮断された状態)である。
図6の状態から、さらにピストン41が第1隔壁部61に向けてさらに回転された状態が図7である。この図7の状態では、排気ポート71が大きく開かれと共に、第2掃気用通路82が第2燃焼室32と連通されて、第2燃焼室32の掃気が行われる(混合気の供給)。
図7の状態では、第1燃焼室31が圧縮行程終期で、その直後に自己着火が行われることになる。なお、第1燃焼室31への混合気の供給は、図5に示す第2燃焼室32での着火の時点およびその前の状態において、第1掃気用通路81を介して行われている。第1燃焼室31で着火が行われた後は、上記の説明とは逆の手順でもって燃焼行程が進行されることになる。すなわち、一方の燃焼室での燃焼圧力によって他方の燃焼室の圧縮が行われる態様でもって、ピストン41(分割用突起部63)が正逆回転されて、発電機12による発電が行われることになる。なお、掃気用通路81,82をユニット体UTに形成しておくことにより、ユニット体UT(特に燃焼ガスに曝されるピストン41)が、吸気を利用して効果的に冷却されることにもなる。
図9は、本発明の第2の実施形態を示すもので、前記実施形態と同一構成要素には同一符合を付してその説明は省略する。本実施形態では、1つのピストン41によって2つの燃焼室31,32を画成する一方、ポンプ室P1、P2を設けない設定としてある。このため、気筒内を気筒周方向に遮断する隔壁部としては、1つの隔壁部65(隔壁部61,62対応)のみを設けるようにしてある。また、各燃焼室31,32毎に個々独立して、排気ポート71と吸気ポート72とをそれぞれ1つづつ設けるようにしてある。なお、掃気は、別途設けた掃気用ポンプでもって吸気ポート72を介して行われる。本実施形態では、前記実施形態の場合に比して、ピストン41の気筒周方向長さが同じであれば、その正逆回転のストロークをより大きくすることが可能となる(ロングストローク型になる)。
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。図2や図9に示す構造のものを複数並置あるいは直列に配設することにより、要求される発電能力に応じて気筒数を適宜選択し得るものである。発電機12は、出力軸51の一端側にのみ連結するようにしてもよく、あるいは出力軸51の各端部に個々独立して連結するようにしてもよい(同じ発電能力を得るのに、1つの発電機を小型化できる)。
各実施形態において、1つの気筒内に1つの燃焼室のみを構成するようにしてもよい。この場合、リターンスプリングを用いて燃焼室を圧縮するための力を確保すればよく、リターンスプリングは、例えばポンプ室P1、P2に相当する位置に配設したり、あるいはリターンスプリングをケーシング30の外部に設けて、リターンスプリングの力を出力軸51を介してピストンに伝達するようにしてもよい。
図2の実施形態において、掃気用通路81,82を、ケーシング30内に形成したり、あるいはケーシング30の外部に配設された配管を利用して構成するようにしてもよい。フリーピストンエンジンは、自動車用に限らず、定置式の発電用等に用いる等、その使用範囲は限定されないものである。フリーピストンエンジンは、火花点火式であってもよく、あるいは4サイクル式にする等、適宜の形式を採択することができる。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
10:フリーピストンエンジン
11:エンジン本体
12:発電機
30:ケーシング
31:第1燃焼室
32:第2燃焼室
41:ピストン
51:出力軸
61:第1隔壁部
62:第2隔壁部
63:分割用突起部
65:隔壁部(図9)
71:排気ポート
72:73:吸気ポート
81:第1掃気用通路
82:第2掃気用通路
UT:ユニット体
K:気筒
K1:第1空間
K2:第2空間
K2−1:第1分割空間(第1ポンプ室P1相当)
K2−2:第2分割空間(第2ポンプ室P2相当)
P1:第1ポンプ室
P2:第2ポンプ室
11:エンジン本体
12:発電機
30:ケーシング
31:第1燃焼室
32:第2燃焼室
41:ピストン
51:出力軸
61:第1隔壁部
62:第2隔壁部
63:分割用突起部
65:隔壁部(図9)
71:排気ポート
72:73:吸気ポート
81:第1掃気用通路
82:第2掃気用通路
UT:ユニット体
K:気筒
K1:第1空間
K2:第2空間
K2−1:第1分割空間(第1ポンプ室P1相当)
K2−2:第2分割空間(第2ポンプ室P2相当)
P1:第1ポンプ室
P2:第2ポンプ室
Claims (5)
- 円形の気筒が形成されたケーシングに、気筒中心を中心として正逆回転可能に出力軸が保持され、
前記気筒内に、前記出力軸と一体となって正逆回転されると共に、前記気筒内をその周方向において遮断するピストンが配設され、
前記ケーシングに、前記気筒をその周方向に遮断するように気筒中心に向けて伸びる隔壁部が形成され、
気筒周方向において前記ピストンと前記隔壁部とによって挟まれた空間が燃焼室とされ、
前記出力軸に、前記出力軸の正逆回転によって発電を行う回転式の発電機が連結されている、
ことを特徴とするフリーピストンエンジン。 - 請求項1において、
前記ピストンを挟んで気筒周方向両側の空間に、第1燃焼室と第2燃焼室との2つの燃焼室が構成され、
前記第1燃焼室と第2燃焼室との一方の燃焼室での燃焼圧力を受けて他方の燃焼室が圧縮されるように、前記第1燃焼室と第2燃焼室との燃焼行程が互いに相違するように設定されている、
ことを特徴とするフリーピストンエンジン。 - 請求項2において、
前記隔壁部が、気筒周方向に間隔をあけて第1隔壁部と第2隔壁部との2つ設けられて、前記2つの隔壁部によって気筒周方向に遮断された第1空間と第2空間との2つの空間が形成され、
前記ピストンが前記第1空間内に配設されて、気筒周方向において、前記第1隔壁部と前記ピストンとの間に前記第1燃焼室が構成されると共に、前記第2隔壁部と前記ピストンとの間に前記第2燃焼室が構成され、
前記第2空間内に、前記出力軸と一体となって正逆回転されると共に前記第2空間を気筒周方向において遮断する分割用突起部が設けられて、前記分割用突起部によって、前記第2空間が、前記第1隔壁部に臨む第1分割空間と前記第2隔壁部に臨む第2分割空間とに分割され、
前記第1分割空間が、前記第1燃焼室に対する掃気用の第1ポンプ室とされると共に、前記第2分割空間が前記第2燃焼室に対する掃気用の第2ポンプ室とされている、
ことを特徴とするフリーピストンエンジン。 - 請求項3において、
互いに一体となって正逆回転される前記出力軸とピストンと分割用突起部とのユニット体のうち前記第1隔壁部側の面に、前記ユニット体の正逆回転に応じて、前記第1隔壁部によって前記第1燃焼室と前記第1ポンプ室との連通遮断が切換られる第1掃気用切欠溝が形成され、
前記ユニット体のうち前記第2隔壁部側の面に、前記ユニット体の正逆回転に応じて、前記第2隔壁部によって前記第2燃焼室と前記第2ポンプ室との連通遮断が切換えられる第2掃気用切欠溝が形成されている、
ことを特徴とするフリーピストンエンジン。 - 請求項1において、
前記隔壁部が、気筒周方向に間隔をあけて第1隔壁部と第2隔壁部との2つ設けられて、前記2つの隔壁部によって気筒周方向に遮断された第1空間と第2空間との2つの空間が形成され、
前記第1空間内に、前記ピストンが配設されて前記燃焼室が構成されており、
前記第2空間内に、前記出力軸と一体となって正逆回転されると共に前記第2空間を気筒周方向において遮断する分割用突起部が設けられて、前記分割用突起部によって、前記第1隔壁部に臨む第1分割空間と、前記第2隔壁部に臨む第2分割空間とが形成され、
前記第1分割空間と第2分割空間とのうち、前記燃焼室が膨張過程にあるときに前記分割用突起部によって圧縮される空間が、前記燃焼室に対する掃気用のポンプ室として構成されている、
ことを特徴とするフリーピストンエンジン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007076452A JP2008232106A (ja) | 2007-03-23 | 2007-03-23 | フリーピストンエンジン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007076452A JP2008232106A (ja) | 2007-03-23 | 2007-03-23 | フリーピストンエンジン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008232106A true JP2008232106A (ja) | 2008-10-02 |
Family
ID=39905199
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007076452A Pending JP2008232106A (ja) | 2007-03-23 | 2007-03-23 | フリーピストンエンジン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008232106A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103382892A (zh) * | 2013-07-02 | 2013-11-06 | 宁波特能机电有限公司 | 往复转动式活塞发动机专用中心凸轮等边四连杆机构 |
-
2007
- 2007-03-23 JP JP2007076452A patent/JP2008232106A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103382892A (zh) * | 2013-07-02 | 2013-11-06 | 宁波特能机电有限公司 | 往复转动式活塞发动机专用中心凸轮等边四连杆机构 |
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