JP2008228962A - 弾球遊技機用の遊技釘及びこの遊技釘を用いて構成された遊技盤 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂製基板に特有な遊技釘周囲の歪みの問題を、生産工数の増大や生産管理の煩雑化を生じさせることなく解決可能な手段を提供する。
【解決手段】本発明に係る遊技釘30は、円柱状の胴軸部32と当該胴軸部の先端側に設けられた植設部35とからなる。植設部35は、先端から打ち込み深さDに近い長さ部分が同軸部32と同軸の先細円錐状に形成されて尖頭部36が設けられるとともに、この尖頭部36の円錐外周面に断面視楔状の突起部38を形成して構成される。
【選択図】図5
【解決手段】本発明に係る遊技釘30は、円柱状の胴軸部32と当該胴軸部の先端側に設けられた植設部35とからなる。植設部35は、先端から打ち込み深さDに近い長さ部分が同軸部32と同軸の先細円錐状に形成されて尖頭部36が設けられるとともに、この尖頭部36の円錐外周面に断面視楔状の突起部38を形成して構成される。
【選択図】図5
Description
本発明は、合成樹脂製の基板に植設されて用いられる弾球遊技機用の遊技釘、及びこの遊技釘を用いて構成された遊技盤に関する。
遊技釘が打ち込まれる遊技盤の基板として、従来では、積層合板(ベニヤ板)が広く用いられていた。このような遊技盤では、遊技領域に設けられる多数本の遊技釘が、自動釘打ち機によって基板に直接打ち込まれて固定されていた。一方、近年では、積層合板に代わる基板材料の検討が進められており、その一環として透明な樹脂材料の特性を利用した新たな形態の遊技機が開発され、市場に供されるようになってきている。すなわち、基板の後方に遊技領域と同程度の大型の液晶表示パネルを配置し、基板を透視して液晶表示パネルの表示画像を視認させるような弾球遊技機である。このような形態の遊技機では、図9に示すように、液晶表示パネル25の前方に位置して遊技釘80が植設される。遊技釘80は円柱状の軸部82の先端側に軸部82よりも大径のスクリュー部85が形成されており、基板11への植設時にスクリュー部85が噛み合って回転しながら打ち込まれ、スクリュー部85と基板11との摩擦係合により固定されるようになっている。
ところが、合成樹脂製の基板に遊技釘を打ち込むと、打ち込まれた釘の植設体積に相当する容積の樹脂材料が周囲に押しのけられて歪みを発生させ、樹脂材料によってはクラックを発生させるという問題がある。特に、上記のように基板11の後方に液晶表示パネル25等を配設して透視させるような構成の場合には、液晶表示パネル25の表示画像が遊技釘80の周囲で歪んでしまい、商品価値を著しく低下させるという問題がある。このため、遊技釘の打ち込みに先立って遊技釘固定用の下穴を穿設し、先端部に軸部よりも大径のスクリュー部が形成された遊技釘を打ち込んで固定する手段(例えば特許文献1を参照)や、遊技釘の植設領域に遊技釘を固定保持するための別部材を設ける手段(例えば特許文献2を参照)等が提案されている。
しかしながら、例えば、各遊技釘ごとに固定用の下穴や嵌着穴を穿設するとすれば、遊技盤1台当たり200箇所を超える多数の穴加工に多大な時間を要し生産性が上がらないという問題や、生産機種の変更時にゲージ設定に合わせた工具配置の設定変更を行う必要があり機種変更に迅速に対応できないという問題がある。また、数ヶ月単位で生産機種が変更される遊技盤では、ゲージ設定に合わせた金型を製作することはコスト面から困難である。一方、遊技釘の植設領域に遊技釘を固定保持するための別部材を設ける構成では、上記同様に付加工数が発生することに加えて、当該領域について透明性を確保することが困難であるという課題があった。このため、従来提案されてきた手段では量産機種に適用することが難しく、より柔軟に対応可能な手段の提供が求められていた。
本発明は上記のような課題に鑑みてなされたものであり、合成樹脂製の基板に特有な遊技釘周囲の歪みの問題を、生産工数の増大や生産管理の煩雑化を生じさせることなく解決し、生産性の良好な手段を提供することを目的とする。
上記課題を解決して目的を達成するため、本発明は、合成樹脂製の基板に植設され弾球遊技機の遊技盤に用いられる遊技釘に関する。本発明に係る遊技釘は、円柱状の胴軸部と当該胴軸部の先端側に設けられた植設部とからなり、植設部は、先端から打ち込み深さに近い長さ部分が同軸部と同軸の先細円錐状に形成されるとともに、円錐外周面に円周方向に形成されて打ち込み方向に抵抗が低く抜去方向に抵抗が高い断面視楔状の突起部を形成して構成される。
なお、円錐外周面に軸方向に並んで突起部を複数設け、複数段の段付きテーパ形状に構成することが好ましい。
また、前記植設部は、先細円錐状の尖頭部と、尖頭部と繋がり胴軸部の軸線に沿って設けられた円柱状の固定部とから構成することが好ましい。
また、上記のような遊技釘を用いて弾球遊技機の遊技盤を構成する。
本発明に係る遊技釘では、基板に打ち込まれる植設部が、先端から打ち込み深さに近い長さ部分について先細円錐状に形成され、その円錐外周面に断面視楔状の突起部を有して構成される。このため、遊技釘の打ち込みによって周囲に排斥される容積(排斥容積という)が従来の遊技釘と比較して減少され、これにより基板に発生する歪みを低減することができる。円錐の外周面には打ち込み方向に抵抗が低く抜去方向に抵抗が高い断面視楔状の突起部が形成されており、楔状突起部の係止効果により遊技釘が固定される。その結果、液晶表示パネルの前方に位置する基板であっても、下穴加工を施すことなく遊技釘を直接打ち込んで固定することができ、従来の遊技盤と同様の生産工程で、合成樹脂製の基板に遊技釘を植設することができる。
なお、円錐外周面に軸方向に並んで突起部を複数設けて複数段の段付きテーパ形状に構成することにより、強固に遊技釘を固定することができ脱落を生じない遊技釘を構成することができる。
また、前記植設部を、先細円錐状の尖頭部と、胴軸部の軸線に沿って設けられた円柱状の固定部とから形成する構成によれば、固定部の外周面が基板に全周で均一に支持されるため、軸線に直交する面内の任意方向から作用する力に対して均一な抗力を発生し、方向性を問わず均一かつ安定した固定保持力を得ることができる。
そして、上記のような遊技釘を用いて遊技盤を構成することにより、生産設備や生産工程を変更することなく、従来と同様の生産ラインで遊技盤を生産することができ、前述したような下穴加工に基づく種々の問題を解決して、高い生産効率で樹脂製基板の遊技盤を生産することができる。
従って、本発明によれば、合成樹脂製の基板に特有な遊技釘周囲の歪みの問題を、生産工数の増大や生産管理の煩雑化を生じさせることなく解決して、生産性が良好な手段を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明に係る遊技釘の植設された遊技盤を備える弾球遊技機の一例として、パチンコPMの正面図を図1に示し、このパチンコ機PMに装備された遊技盤10の正面図を図2に示しており、まずこれらの図面を参照してパチンコ機PMの全体構成について概要説明する。
パチンコ機PMは、外郭方形の所定枠サイズに構成されて縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成された開閉搭載用の前枠2が互いの正面左側上下に配設された枠ヒンジ機構3a,3bにより前方に横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側に設けられた施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉止状態に保持される。
前枠2の前面側では、前側面域に合わせた方形状のガラス扉5および球皿ユニット6が正面左側部に設けられたヒンジ機構7a,7b,7cにより横開き開閉および着脱が可能に組付けられ、常には施錠装置4を利用して閉鎖状態に保持される。球皿ユニット6の右側下部には遊技球の発射操作を行う発射ハンドル8が設けられている。前枠2の上部には、遊技盤10を着脱可能に収容保持する収容枠が設けられており、この収容枠に所定のゲージ設定で構成された遊技盤10が着脱可能に取り付けられ、常には閉鎖保持されるガラス扉5のガラス窓を通して前面の遊技領域PAを遊技者に臨ませるようになっている。
遊技盤10は、矩形平板状の基板11をベースとし、その前面側に案内レール12に囲まれて遊技球が転動可能な略円形の遊技領域PAが形成される。遊技領域PAには、多数本の遊技釘30や風車14とともに、固定入賞具15aや可動入賞具15b,15c及びスタートゲート15dなどの各種の入賞装置15、中央に表示開口を有して額縁状に形成され枠部に波形の転動ステージや選択機構などが設けられた中央飾り20、中央飾り20の裏面側に取り付けられて遊技展開に応じた画像を表示する液晶表示パネル25などが設けられ、遊技領域PAの下端部には、入賞装置15に落入せずに落下した遊技球を遊技盤10の裏面に排出させるアウト口16が設けられている。またパチンコ機の各部に遊技展開に応じて点滅作動される電飾装置28が設けられている。
遊技盤10の後方に位置する前枠2の裏面側には、詳細図示を省略するが、裏セット盤と称される機構セット盤が取り付けられており、ここに、球貯留タンクや球払出装置などの賞球の払出機構、遊技盤10から排出されたセーフ球やアウト球等の遊技済み球を遊技施設の回収装置に導く遊技済み球排通路などの球処理機構が設けられている。また、裏セット盤の後面各部には、パチンコ機PMの作動を統括的に制御する主制御基板、主制御基板における遊技展開状況に応じて液晶表示パネル25、電飾装置28、スピーカ等の作動を制御し遊技展開を視覚的・聴覚的に演出する演出制御基板、主制御基板からの指令信号に基づいて球払出装置の作動を制御する払出制御基板、発射ハンドル8からの操作信号に応じて遊技球発射装置の作動を制御する発射制御基板などの種々の回路基板が取り付けられ、これらがコネクタケーブルで接続されてパチンコ機PMが作動可能に構成される。
このように概要構成されるパチンコ機PMにあって、遊技盤10の大別的な部品構成を図3に示すように、遊技盤10は、矩形平板状の基板11に遊技釘30及び風車14を打ち込み固定し、ここに、円弧状の案内レール12やアウト口16及び遊技盤を固定するクランプ機構の固定孔等が設けられたレール部材17、固定入賞具15aや可動入賞具15b,15c、スタートゲート15d等の入賞装置15、中央飾り20等が順次取り付けられて構成される。
この遊技盤10のベースとなる基板11は、板厚8〜15mmのポリカーボネート(PC)やABS樹脂などの合成樹脂製の板材が用いられ、例えば板厚12mm程度、概略的な外形寸法が420×470mm程度のポリカーボネート板を用いて構成される。
遊技釘30の単体の側面図を図4に示し、基板11に打ち込まれた状態の遊技釘の植設状態を図5に示す。遊技釘30は円柱状の胴軸部32と、胴軸部32の基端側に設けられた頭部31、及び胴軸部32の先端側に形成されて基板11に打ち込まれる植設部35からなり、胴軸部32の直径がφ=1.85mm、頭部32から植設部35の先端までの全長がL=21.5mm程度の真鍮製の丸釘である。
植設部35は、先端が尖り全体として先細円錐状の尖頭部36と、胴軸部32に繋がる固定部37とからなり、先端から打ち込み深さに近い長さ部分が尖頭部36になっている。具体的には、遊技釘30の打ち込み深さをDとしたときに、先端から0.7〜0.9Dの長さ部分が尖頭部36、残余の0.3〜0.1Dの長さ部分が固定部37とされ、例えば、本実施形態においては、打ち込み深さDを10mmとし、尖頭部36の軸方向長さを9mm、固定部37の軸方向長さを1mmとした構成例を示す。なおこの場合尖頭部の頂角は約11度である。
図5における植設部35の部分拡大図を図6に示すように、尖頭部36は、先端の尖頭円錐36aに、底面の外径が尖頭円錐36aの外径輪郭線L36に沿って順次拡大する載頭円錐36b,36cを積み重ねた軸方向三段の構成であり、各段36a,36b,36cの間に軸方向の断面視における形状が楔状の突起部38,38が形成されて複数段の段付きテーパ形状に構成される。
この突起部38,38は、円錐面が遊技釘30の軸線CLに対して鋭角で交わり、突起部の後面(円錐底面)が軸線に直交するような楔状に形成されている。このため、遊技釘30の打ち込み方向について抵抗が低い一方、尖頭部36に押圧されて排斥され圧縮応力が作用する樹脂部が、図中6にハッチングを付記した円環状の溝部39,39に張り出して突起部38,38と噛み合い、遊技釘30を抜去する方向に対して高い抵抗力を生じさせる。従って、遊技釘30の打ち込み時には抵抗が低く、従来の自動釘打ち機を利用して低圧力で遊技釘を打ち込むことができ、一旦遊技釘30を植設した後は抜去方向に高い抵抗力を発揮させることができる。
胴軸部32の一部が上記尖頭部36とともに基板内部に打ち込まれて固定部37となり、尖頭部36及び固定部37により植設部35を構成する。このように胴軸部32の一部を固定部37として基板内部に打ち込むことにより、遊技釘30の軸線CLに沿って延びる固定部37の外周面が基板11に全周で支持され、遊技釘30を倒そうとする外力に対する抗力を高めることができる。また、固定部37が全周で均一に支持されるため、軸線CLに直交する面内の任意方向から作用する力に対して均一な抗力を発生し、ランダムな方向からの遊技球の衝突に対して、方向性を問わず均一かつ安定した反撥特性を得ることができる。そして、基板11に対する遊技釘30の立設角度を、釘設定に応じた所定角度(一般的に板面に対して上向き1度以内の所定角度)に長期安定して保持させることができる。
このように構成される遊技釘30と、従来、用いられていた遊技釘80とを、上下に並べて対比した図面を図7、両者が基板11に打ち込まれた状態を重ねて比較した図面を図8に示す。両図から明らかなように、本発明に係る遊技釘30は、基板に打ち込まれる植設部35が、先端から打ち込み深さDに近い長さ部分(図示する実施形態において0.9D)について尖頭円錐状に形成されており、先端の頂角が従来比1/4以下、基板11に植設される体積が従来の1/2以下(従来比約46%)になっている。このため、遊技釘30の打ち込みによって周囲に排斥される樹脂の排斥容積が大幅に削減され、これにより基板11に発生する歪みが低減される。
また尖頭部36に楔状の突起部38が複数形成されて抜去方向に抵抗力が高く、尖頭部36とともに植設部35を構成する固定部37により軸直交方向に均一な効力を発生させて、遊技釘30を強固かつ安定的に固定保持することができる。
このため、例えば液晶表示パネル25の前方に位置する領域であっても、下穴加工を施すことなく遊技釘30を基板11に直接打ち込んで植設することができ、従来から用いられている木製の遊技盤と同様の生産工程で、合成樹脂製の基板11に遊技釘を植設することができる。従って、以上説明した本発明によれば、合成樹脂製の基板に特有な遊技釘周囲の歪みの問題を、生産工数の増大や生産管理の煩雑化を生じさせることなく解決して、生産性が良好な手段を提供することができる。
なお、以上説明した実施形態では、本発明をパチンコ機に適用した場合について説明したが、アレンジボール機や雀球遊技機等の他種の弾球遊技機に適用することができ、同様の効果を得ることができる。
PM パチンコ機(弾球遊技機)
D 打ち込み深さ
CL 軸線
10 遊技盤
11 基板
30 遊技釘
32 胴軸部
35 植設部
36 尖頭部(36a 尖頭円錐、36b,36c 載頭円錐)
37 固定部
38 突起部
39 溝部
D 打ち込み深さ
CL 軸線
10 遊技盤
11 基板
30 遊技釘
32 胴軸部
35 植設部
36 尖頭部(36a 尖頭円錐、36b,36c 載頭円錐)
37 固定部
38 突起部
39 溝部
Claims (4)
- 合成樹脂製の基板に植設されて用いられる弾球遊技機用の遊技釘であって、
円柱状の胴軸部と当該胴軸部の先端側に設けられて前記基板に打ち込まれる植設部とからなり、
前記植設部は、先端から打ち込み深さに近い長さ部分が前記胴軸部と同軸の先細円錐状に形成されるとともに、円錐外周面に円周方向に形成されて打ち込み方向に抵抗が低く抜去方向に抵抗が高い断面視楔状の突起部が形成されて構成されることを特徴とする弾球遊技機用の遊技釘。 - 前記円錐外周面に軸方向に並んで前記突起部を複数設け、複数段の段付きテーパ形状に構成したことを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機用の遊技釘。
- 前記植設部は、前記先細円錐状の尖頭部と、前記尖頭部と繋がり前記胴軸部の軸線に沿って設けられた円柱状の固定部とからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の弾球遊技機用の遊技釘。
- 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載された遊技釘を用いて構成された弾球遊技機の遊技盤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007072371A JP2008228962A (ja) | 2007-03-20 | 2007-03-20 | 弾球遊技機用の遊技釘及びこの遊技釘を用いて構成された遊技盤 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010151248A (ja) * | 2008-12-25 | 2010-07-08 | Max Co Ltd | 貫通荷重低減ステープル |
JP2017012256A (ja) * | 2015-06-29 | 2017-01-19 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
Citations (2)
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JPH03116027U (ja) * | 1990-03-14 | 1991-12-02 | ||
JP2002035266A (ja) * | 2000-07-19 | 2002-02-05 | Toei Seibyo Kk | パチンコ釘 |
-
2007
- 2007-03-20 JP JP2007072371A patent/JP2008228962A/ja active Pending
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