JP2008226962A - 半導体発光素子およびその製造方法 - Google Patents

半導体発光素子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】窒化物半導体発光素子において、窒化物半導体多層膜から発する光の光取り出し効率を向上すること。
【解決手段】〔1〕基板1上に窒化物半導体多層膜2を形成してなる半導体発光素子において、光取り出し面の電極4,5形成部以外の領域3に、凹凸構造を形成することにより、光取り出し効率を向上する。該凹凸構造は、凹凸構造を特徴付ける面内方向の特性長Λと深さ方向の特性長dを有し、面内方向の特性長Λが発光波長λの1/5倍以上2倍以下であり、かつ深さ方向の特性長dと面内方向の特性長Λの比を1以上とする。〔2〕前記凹凸構造に対応するパターンは、窒化物半導体のドライエッチングにおいて選択比(窒化物半導体のエッチングレートとドライエッチングマスク材のエッチングレートの比)が2以上であるドライエッチングマスク材からなるドライエッチングマスクを、ナノインプリント法を用いて形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板上に形成された半導体膜を用いた発光素子、およびその発光素子の製造方法に関するものである。
近年、一般式InxGayAlzN(ただし、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で表される窒化物系化合物半導体を用いた発光ダイオードは、青色、緑色、または白色発光装置の光源として組み込まれ、製品化されている。この種の発光ダイオードは、窒化物系化合物半導体を用いた半導体積層膜をサファイア基板等の基板上に形成したものである。
発光ダイオードの発光効率(投入電力が光エネルギーに変換される効率)は、電圧効率(発生する光子のエネルギーに対する1電子あたりの動作電圧の割合)と、内部量子効率(注入された電子数に対する発生するフォトン数の割合)と光取り出し効率(発生したフォトン数のうち外部に放射されたフォトン数の割合)の3項の積で表される。
窒化物系化合物半導体はその屈折率が2以上と大きく、最終的な光の取り出し空間となる大気の屈折率1との間には大きな差がある。このため、発光層で発生した光の多くが全反射角度条件となり、大気にとりだされることなく、素子内部での多重反射をくりかえすうちに電極に吸収されるなどしてしまう。例えば、GaN(屈折率2.5)から発光ダイオードランプの封止剤として用いられるエポキシ樹脂(屈折率1.5)空間にとりだされる場合の臨界角は38°であり、単純には8割程度の光は全反射されてしまい、GaN膜中に閉じ込められ、2割程度の光しか取り出されることができない。
以上のような背景から、発光ダイオードの発光効率を高めるために、光取り出し効率を高める工夫が多数考えられている。
特に、半導体膜表面や、半導体膜と基板との界面に凹凸構造を形成することにより、全反射角度外にした光をとりだし、光取り出し効率を高める方法が有効であることが知られている。例えば、フォトリソグラフィを用いる方法(例えば特許文献1)、粗研磨による方法(例えば特許文献2参照)、自己組織化膜をマスクとしてエッチングする方法(例えば特許文献3)、ナノインプリンティングを用いた方法(特許文献4)などが提案されている。このような凹凸構造においては、凹凸構造の面内方向のサイズは発光素子の波長と同程度であることが取り出し効率向上に効果があること、また凹凸構造のアスペクト比(すなわち凹凸の深さと横方向のサイズの比)は大きい方が光取り出し効率向上に効果が大きいことが知られている。
特開2000−196152号公報 特開2003−197963号公報 特開2003−218383号公報 特開2005−136106号公報
しかし、上記のどの方法も、光取り出し効率向上効果が十分でないという問題がある。
フォトリソグラフィを用いて半導体膜上へ凹凸形成する場合には次のような問題がある。通常用いられる近接露光装置では、線幅1〜2μm程度の形状パターニングが実質上の限界であるために、可視の発光波長に近いレベル(400〜600nm)の微細なパターンを形成することが困難である。従って、光取り出し効率の増加には限界がある。
フォトリソグラフィ以外の方法として、ポリスチレンとポリメタクリル酸メチルで構成されたブッロックコポリマーを溶解した溶液を塗布することにより、ブロックコポリマーの自己組織化により形成される微細組織をエッチングマスクとして、半導体膜をエッチングすることにより、光取り出し面に大きさの異なる微小凹凸を形成する方法が提案されている(例えば特許文献3参照)。
しかしながら、この方法では、ブロックコポリマーをマスクにするため十分な選択比をとることができないので、アスペクト比の大きな加工をすることが困難である。
サファイア基板に他のサブミクロンレベルの微細加工をする方法として、ナノインプリントリソグラフィによる方法が知られている(たとえば特許文献4参照)。この方法では、微細凹凸パターンの形成されたモールドを樹脂層に押し付けて、微細凹凸パターンを樹脂層に転写し、この樹脂層を利用してエッチングすることによりサファイア基板に微細凹凸パターンを形成する方法である。この方法によれば、大面積にわたって微細凹凸パターンを短時間で形成することができるので有用である。
しかしながら、ナノプリントリソグラフィでパターン形成に用いられる樹脂層材料は、窒化物半導体のドライエッチングにおいて、十分な選択比を取ることができないため、アスペクト比の大きな加工をすることが困難であった。このため表面に微細凹凸パターンを形成しても、十分な光取り出し効率向上効果を得ることが難しかった。
本発明の目的は、従来技術における上述の問題点を解決することができ、窒化物半導体多層膜に可視光レベルの微細で、かつアスペクト比の大きな凹凸パターン形成することが可能である半導体発光素子の製造方法、および該製造方法により得られる光取り出し効率を大幅に向上させることができる半導体発光素子を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、窒化物半導体のドライエッチングにおいて大きな選択比を得ることができるニッケルの微細パターンを、ナノインプリント法とメッキ法を用いることにより形成できることを見出し、この方法によって光取り出し面にアスペクト比の大きな凹凸構造を形成することにより光取り出し効率が飛躍的に向上した発光素子を製造できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、〔1〕基板上に窒化物半導体多層膜を形成してなる半導体発光素子であり、光取り出し面内に凹凸構造を有する発光素子であって、該凹凸構造が、凹凸構造を特徴付ける面内方向の特性長Λと深さ方向の特性長dを有し、面内方向の特性長Λが発光波長λの1/5倍以上2倍以下であり、かつ深さ方向の特性長dと面内方向の特性長Λの比(アスペクト比)が1以上であり、該凹凸構造が光取り出し面の電極形成部以外の領域に形成されていることを特徴とする窒化物半導体発光素子に係るものである。
また、本発明は、〔2〕基板上に窒化物半導体多層膜を形成してなる半導体発光素子であり、光取り出し面の電極形成部以外の領域に、凹凸構造を有する半導体発光素子の製造方法であって、前記凹凸構造に対応するパターンを有し、窒化物半導体のドライエッチングにおいて選択比(窒化物半導体のエッチングレートとドライエッチングマスク材のエッチングレートの比)が2以上であるドライエッチングマスク材からなるドライエッチングマスクを、ナノインプリント法を用いて形成することを特徴とする窒化物半導体発光素子の製造方法に係るものである。
また、本発明は、〔3〕前記凹凸構造が、光取り出し面内方向の特性長Λと深さ方向の特性長dを有し、面内方向の特性長Λが発光波長λの1/5倍以上2倍以下であり、かつ深さ方向の特性長dと面内方向の特性長Λの比(アスペクト比)が1以上の凹凸構造であることを特徴とする〔2〕記載の窒化物半導体発光素子の製造方法に係るものである。
また、本発明は、エッチングマスク材がニッケルであり、メッキシード層がチタンと金の積層膜である窒化物半導体発光素子の製造方法
が提示される。
本発明の半導体発光素子の製造方法によれば、窒化物半導体多層膜に可視光レベルの微細で、かつアスペクト比の大きな凹凸パターンを形成することが可能であり、それにより得られる半導体発光素子は、光取り出し効率を大幅に向上できる。
以下、本発明の実施形態の一例について図面を参照して説明する。
図1、図2は、本発明による発光素子構造の一例を示している。図1は絶縁性の基板上に半導体発光素子を形成した場合であり、図2は導電性基板上に半導体発光素子を形成した場合である。
図1は、単結晶性の基板1上に、例えば有機金属熱分解法(MOCVD法)の如き適宜の気相成長法を用いて所要の化合物半導体結晶薄膜層を積層形成したものである。以下、三族窒化物半導体をサファイア基板上に積層形成した発光素子を作製する場合について説明する。
まず、サファイア基板1上に低温バッファー層、N型コンタクト層、発光層、P型コンタクト層の順番に積層してなる半導体多層膜2を形成する。なお、ここでは本発明を適用するうえでの半導体積層構造の一例を示しているのみであり、他の構成でも本発明の適用は可能である。例えば発光層は単量子井戸構造であっても、多重量子井戸構造であってもよく、また、例えば基板上に、低温バッファー層、P型コンタクト層、発光層、N型コンタクト層の順番に積層形成した構造であってもよく、また、例えば基板は、SiC、Si、MgAl24、LiTaO3、ZrB2、CrB2、窒化ガリウムの単結晶であってもよい。
(凹凸構造、面内方向の特性長Λと深さ方向の特性長d)
本発明の半導体発光素子においては、その光取り出し面の電極形成部以外の領域に、凹凸構造が形成される。凹凸構造は面内方向の特性長Λと深さ方向の特性長dによって特徴付けることができる(図4参照)。
面内方向の特性長とは周期性を有するパターンの場合にはその周期をあらわし、周期性を有さない場合には隣接する凹部(または凸部)間の平均距離をあらわす。面内の2方向で2つの周期(あるいは平均距離)がある場合には小さいほうの周期(あるいは平均距離)で代表する。面内方向の特性長Λの大きさとしては、発光波長と同程度の大きさであることが望ましく、具体的には発光波長λの1/5倍以上2倍以下である。さらに好ましくは1/4倍以上2倍以下である。この範囲から外れると光取り出し効率が低下して本発明の効果が得られないので好ましくない。
深さ方向の特性長dとは、凹凸の深さを表し、凹凸の深さに分布がある場合は平均深さを表す。深さ方向の特性長d大きさとしては、面内方向の特性長Λとの関係から好ましい範囲が規定される。すなわち、凹凸のアスペクト比(深さ方向の特性長dと面内方向の特性長Λとの比)が大きいことが好ましい。具体的には、0.5以上であり、さらに好ましくは1以上である。この範囲から外れると光取り出し効率が低下して本発明の効果が得られないので好ましくない。
凹凸構造の側面は、光取り出し面に対して90°であってもよいが、傾斜してもよい。好ましくは傾斜している方が直角である場合よりも光取出し効率が向上するので好ましい。図4に好ましい形態の凹凸構造を模式的に示す。
凹凸構造を形成する場所
本発明の、凹凸構造を形成する場所としては、発光素子チップの光取り出し面上電極形成領域以外の場所である。電極形成領域以外の場所の例としては、図1、図2に示すp電極周囲の領域が挙げられる。 p電極周囲の領域に加えて、p電極形成領域の内部に島状にp電極の無い領域を形成しこの領域に凹凸を形成しても良い。このような例を図3に示す。いずれの場合にも、p電極の下部で発生した光は凹凸領域において散乱され有効に光取出しが行われる。図6(a)、(b)に凹凸構造がある場合とない場合の光の伝播の様子、および凹凸構造がある場合に光取り出しが向上する効果を模式的に示す。
図3(a)の例の場合に島状に形成するp電極のない領域の面積割合には適当な範囲がある。大きすぎると発光部面積が小さくなるので好ましくなく、また小さすぎると面内方向に伝播する光の散乱効果が小さくなるので好ましくない。
面内方向に伝播する光を有効に散乱してかつ、散乱領域の面積を小さくするような配置として、図3(b)に示す線状の凹凸構造領域でp電極を分割する構造が好ましい。このような構造では線状の凹凸構造領域で仕切られた構造の大きさは、面内方向に伝播する光の吸収による減衰が小さく抑えられる程度の大きさであることが好ましい。
(ドライエッチングマスク材:Ni、形成方法:メッキ法)
図7に本発明の凹凸構造の製造方法を概念的に示す。 本発明の、可視発光波長レベルの微細でかつアスペクト比の大きなパターンを形成するためには窒化物半導体のドライエッチングマスクとして選択比の大きな材料を用いることが望ましく、選択比2以上のドライエッチングマスク材料が望ましい。具体的には、Ni、Ti、Cr、Cu、AlO2などが好ましい。中でも特にニッケル(Ni)が、大きな選択比が得られるので好ましい。
ニッケル(Ni)マスクの微細パターンを形成する方法としては、通常のフォトリソグラフィ法や、X線露光法、電子線描画法、ナノインプリント法などが利用可能である。しかし可視光波長サイズの微細パターンをNiマスクで形成するには、微細加工性能、処理時間の短さ、設備価格の点で優れているナノインプリント法が好ましい。
ナノインプリント法の中では、UVナノインプリントあるいは熱ナノインプリント法などを用いることができる。中でもUVナノインプリント法が、微細加工性、処理時間などの観点から好ましい。
ナノインプリント法で、Niマスクに微細パターンを形成する工程において、ナノインプリントによりモールドの凹凸パターンを樹脂層に転写して、樹脂層に凹凸パターンを形成する工程と、この工程の後に、樹脂パターンをもとにNiのパターンを形成する工程が行われる。このNiのパターンを形成する工程に用いる方法として、メッキ法、ドライエッチング法が挙げられる。中でもメッキ方が好ましく用いられる。特に後述のメッキシード層を利用すると、シード層の上にのみNiメッキ層が形成される選択性が優れているためである。 ドライエッチングによる方法は、好ましくない。なぜなら、Niと樹脂マスクのエッチングレートではNiのエッチングレートの方が非常に小さいため、Niの加工が困難なためである。
すなわち、ニッケル(Ni)マスクの微細パターンを形成する方法としては、ナノインプリント法とメッキ法を組み合わせた方法が好ましい。
Niマスクの厚さは、窒化物半導体の目的とする加工深さとドライエッチング選択比に応じて、メッキ条件(メッキ液濃度、メッキ時間)を適宜調整することで調整できる。
(メッキシード層:材料、厚さ)
ナノインプリント法とメッキ法を組み合わせた方法においては、選択的にメッキ層を形成するためにメッキシード層を利用することが好ましい。本発明においては、メッキシード層をナノインプリントの工程前に窒化物半導体にあらかじめ全面に形成しておくことを特徴とする(本発明における第1の工程)。
メッキシード層は、窒化物半導体とのシード層との密着性を向上させるための第1の層と、メッキ層を成長させるための下地となる第2の層との積層構造が好ましい。第1の層としては、Cr、Tiなどが好適に用いられ、特にチタン(Ti)が好ましい。また第2の層としては、メッキ層の金属材料に応じて適宜選択できるが、ニッケル(Ni)メッキの場合には、Pt、Cu、Auなどが好適に用いられ、特に金(Au)が好ましい。
メッキシード層の第1の層の厚さとしては、10nm以上100nm以下が好ましい。また第2の層の厚さとしては10nm以上200nm以下が好ましい。
メッキシード層の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタ法などの公知の方法利用できる。
(第2の工程)
UVナノインプリント法においては、紫外線硬化樹脂層をマスクとして用い、あらかじめ凹凸パターンを形成したモールドで紫外線硬化樹脂層を押し付け、押し付けた状態で紫外線を照射して樹脂を硬化させた後にモールドを剥離することにより、樹脂層の厚さの厚い領域と薄い領域からなるパターンを形成する。
次に、酸素プラズマエッチング法により紫外線硬化樹脂をエッチングすることにより、厚さの薄い領域の樹脂を完全に除去しメッキシード層を露出させ、厚さの厚い領域には樹脂を残す状態にする。こうして、メッキシード層の露出した領域と樹脂で被覆された領域からなるパターンが形成される。
(メッキ形成、第3の工程)
この試料を、Niを含むメッキ液に入れ電解メッキを行うことにより、メッキシード層の露出した部分のみにNiメッキ層を形成することができる。メッキ層の厚さは、窒化物半導体の凹凸の深さの設計値とドライエッチングの選択比により適宜調整する。
(マスク除去)
メッキ形成後は、樹脂を有機溶剤等で除去することにより下地のメッキシード層を露出させる。こうしてメッキ形成領域と形成されてない領域(メッキシード層露出領域)からなるパターンを形成することができる。
(ドライエッチング、メッキシード層のエッチング、窒化物半導体のエッチング)
上記までの工程で、窒化物半導体のドライエッチングにおいて十分大きな選択比を有するニッケル(Ni)からなる微細パターンを形成できるので、これをドライエッチングマスクとしてICPドライエッチング法など公知のドライエッチング法で窒化物半導体をドライエッチングし、その後で、ドライエッチングマスクを酸等で除去することにより、本発明の可視光波長レベルの微細なパターンでかつアスペクト比の大きな凹凸構造を、再現性良く形成することができる。
実施例1及び比較例1
以下に本発明の一実施例を説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。該窒化物系化合物半導体の製造方法としては、種々の公知方法が挙げられるが、有機金属気相成長成長法(MOVPE法)や分子線エピタキシャル成長法(MBE法)などが好適である。以下の実施例では有機金属気相成長成長法で成長させる場合について説明する。
(窒化物半導体多層膜成長、図8参照)
サファイア基板1の上に、成長温度530℃で膜厚50nmのGaNバッファ層21を形成した。該GaNバッファ層21上にn型コンタクト層22を成長した。該n型コンタクト層22は、ジシランをドーパントガスとし、成長温度1110℃で、膜厚4μmのn型GaN層とした。n型ドーパント原料としては、シラン、ジシラン、ゲルマン、テトラメチルゲルマニウムなどが好適であるが、本実施例では、n型ドーパント濃度が2×1018cm-3となるようにジシラン流量を調整した。
次に、前記n型コンタクト層22上に、一般式IndGaeAlfN(ただし、d+e+f=1、0≦d≦1、0≦e≦1、0≦f≦1)で表されるn型の窒化物系化合物半導体層23を設ける。本実施例では、成長温度1120℃で膜厚100nm、5×1017cm-3のn型GaN層を成長した。
次に、前記n型GaN層23上に発光層24を形成する。図8に示す発光層24は、障壁層であるGaN層の4A〜4Eと、井戸層であるIngGahN(ただし、g+h=1、0<g<1、0<h<1)層4F〜4Jからなる多重量子井戸構造としている。図8では井戸層を5層にしているが、少なくとも1つの井戸層があればよい。本実施例では、井戸層を5層とし、GaN障壁層膜厚を15nm、In0.12Ga0.88N井戸層膜厚を3nmとした。
前記発光層24の上に、ビスシクロペンタジエチルマグネシウム[(C552Mg]をマグネシウム原料とし、成長温度940℃で膜厚30nmのマグネシウムドープAlGaN層(p型の窒化物系化合物半導体層25)を成長した。前記p型の窒化物系化合物半導体層25上にp型コンタクト層26を形成した。ビスシクロペンタジエチルマグネシウムをp型ドーパント原料とし、成長温度1010℃で膜厚200nmのp型GaN層(p型コンタクト層26)を成長した後、窒素雰囲気中で700℃20分間の熱処理をほどこし、結晶成長を終えた。
(微細凹凸構造形成)
こうして得られた窒化物半導体多層膜2の試料上にスパッタ装置にてTi/Auを各々50nm/50nm成膜しメッキシード層を形成した(工程1)。
次いで、UV−ナノインプリンティング装置にセットし、紫外線硬化樹脂層をスピンコート法で形成した後で、直径200nm、凹凸深さ225nmのドットが500nm間隔で正方格子状に配列したパターンの石英製モールドを、紫外線硬化樹脂層に押し付け、この状態で紫外線を照射し紫外線硬化樹脂を硬化させた。次にモールドを剥離して、モールドパターンのネガ形状のパターンが形成された紫外線硬化樹脂パターンを得た。このパターンでは、樹脂層の厚い領域と薄い領域がパターンを形成している。
(樹脂マスクの酸素プラズマエッチング)
次に、酸素プラズマエッチング装置にて樹脂層を膜厚方向に部分的にエッチングして、樹脂層厚さの薄い領域の樹脂を完全に除去し、樹脂層厚さの厚い領域の樹脂を残すようにした。こうしてメッキシード層が露出した領域と樹脂が表面に残っている領域とからなるパターンを形成した(工程2)。
(工程3(メッキマスク形成)メッキ条件)
次に、上記サンプルを電解メッキ法によりNi層をメッキシード層が露出した部分のみに選択的に、厚さ100nm形成した。こうしてNiメッキが形成された領域と形成してない領域(樹脂が残っている領域)からなるパターンを形成した(工程3)。
(マスク除去)
次に、樹脂を有機溶剤(アセトン)により除去しメッキシード層を露出させた。これによりNiメッキが形成された領域と形成してない領域(メッキシード層が露出した領域)からなるパターンを形成した。ここまでの微細パターンは、光取り出し面全面にわたって形成した。
(p電極、n電極の形成)
次に通常のフォトリソグラフィの方法により凹凸構造を形成する領域のみをレジストで被覆し、他の領域のNiメッキパターンとメッキシード層を酸で除去して窒化物半導体層を露出させた。次に露出させた部分に、通常のフォトリソグラフィ工程を繰り返してNiAuからなるp電極と、Alからなるn電極を形成した。なおn電極はドライエッチングによりn型窒化物半導体層を露出させた後で形成した。
この電極形成工程の間、凹凸を形成させる領域はレジストで被覆して、Niマスクを保護した。そしてこの工程の最後にNiマスクを被覆していたレジストを除去した後、次の凹凸形成ドライエッチング工程の間、pおよびn電極を保護するために電極保護のレジストを形成した。
(凹凸構造形成、窒化物半導体ドライエッチング)
次に、Arガスを用いたエッチングによりメッキシード層を除去し、窒化物半導体層を露出させた。この間Niパターンはほとんどエッチングされなかった。次に、ICPドライエッチング装置を用いて、基板バイアスパワー100W、ICPパワー200W、圧力0.8Pa、塩素ガス20sccm、ジクロルメタン10sccm、アルゴン40sccmの条件で窒化物半導体のドライエッチングを行った。このときNiパターンはドライエッチングマスクとして働き、窒化物半導体とNiのエッチングレートの比(選択比)は約10であり、十分大きいので、アスペクト比の大きな凹凸を窒化物半導体に形成することができた。
(Niメッキマスク除去)
次に、残ったNiマスクを酸で溶解した。以上の工程で窒化物半導体にアスペクト比の大きな凹凸を形成することができた。凹凸の深さをSEMで測定すると、深さ600nmであった。周期は500nmであるから、アスペクト比は1.2であった。 凹凸深さの600nmはもとのモールドの深さ225nmよりも2倍以上深く、本発明の方法ではアスペクト比の大きな凹凸を作製することができることがわかる。
こうして作製した発光素子に順方向電圧を印加して20mA電流を流した場合の光出力を測定した。比較例として、凹凸形成を行わなかった通常のLEDの光出力も作製し測定した。実施例の素子では平均15.0mW、比較例1の素子では、平均9.0mWであった。このように、本発明の製造方法で作製した発光素子では、光取り出し効率が1.7倍と非常に大きく改善されていることを確認した。
実施例1の発光素子の構造を示す斜視図。 本発明の発光素子の構造を示す斜視図。 図2の発光素子のp電極領域のA部分の拡大図(図3-1、図3-2は実施態様を示す。)。 本発明の発光素子の凹凸構造の形状例を示す斜視図。 実施例1の発光素子の凹凸構造の表面SEM写真(45°斜視観察)。 凹凸構造による光取出し向上効果を模式的に説明する図(図6(a)と(b)に凹凸構造がある場合とない場合を示す。)。 本発明の凹凸構造の製造方法を説明する図(図7-1から図7-9へ順に製造する。)。 実施例1における半導体多層膜の積層構造を示す断面図。
符号の説明
1 基板
2 半導体多層膜
21 GaNバッファ層
22 n型コンタクト層
23 n型の窒化物系化合物半導体層
24 発光層
25 p型の窒化物系化合物半導体層
26 p型コンタクト層
3 凹凸構造形成領域
4 p電極
41 電極パッド
4A、4B、4C、4D、4E 障壁層
4F、4G、4H、4I、4J 井戸層
5 n電極
6 メッキシード層
7 モールド
8 紫外線硬化樹脂層
9 紫外線
10 メッキ層
11 凹凸構造部

Claims (8)

  1. 基板上に窒化物半導体多層膜を形成してなる半導体発光素子であり、光取り出し面内に凹凸構造を有する発光素子であって、該凹凸構造が、凹凸構造を特徴付ける面内方向の特性長Λと深さ方向の特性長dを有し、面内方向の特性長Λが発光波長λの1/5倍以上2倍以下であり、かつ深さ方向の特性長dと面内方向の特性長Λの比(アスペクト比)が1以上であり、該凹凸構造が光取り出し面の電極形成部以外の領域に形成されていることを特徴とする窒化物半導体発光素子。
  2. 基板上に窒化物半導体多層膜を形成してなる半導体発光素子であり、光取り出し面内に凹凸構造を有する発光素子の製造方法であって、前記凹凸構造に対応するパターンを光取り出し面の電極形成部以外の領域に有し、窒化物半導体のドライエッチングにおいて選択比(窒化物半導体のエッチングレートとドライエッチングマスク材のエッチングレートの比)が2以上であるドライエッチングマスク材からなるドライエッチングマスクを、ナノインプリント法を用いて形成することを特徴とする窒化物半導体発光素子の製造方法。
  3. 前記凹凸構造が、光取り出し面内方向の特性長Λと深さ方向の特性長dを有し、面内方向の特性長Λが発光波長λの1/5倍以上2倍以下であり、かつ深さ方向の特性長dと面内方向の特性長Λの比(アスペクト比)が1以上の凹凸構造であることを特徴とする請求項2記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  4. 凹凸構造に対応するパターンを有し、窒化物半導体のドライエッチングにおいて選択比が2以上のドライエッチングマスク材からなるドライエッチングマスクを、ナノインプリント法とさらにメッキ法を用いて形成することを特徴とする請求項3に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  5. 前記ドライエッチングマスク材がニッケル(Ni)であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  6. 窒化物半導体多層膜の表面にメッキシード層を形成する第1の工程と、
    メッキシード層にナノインプリント法により、メッキシード層の露出した領域と樹脂マスクで被覆された領域からなる前記凹凸構造に対応するパターンを形成する第2の工程と、
    前記メッキシード層の露出した領域に、メッキ法により、ニッケル(Ni)からなるドライエッチングマスク材を選択的に形成する第3の工程、
    とを、含むことを特徴とする請求項5記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  7. 前記メッキシード層が、窒化物半導体との密着性を向上させる第1の層と、第1の層の上に接してドライエッチングマスク材のメッキの下地となる第2の層からなることを特徴とする請求項6記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  8. 前記メッキシード層の第1の層がチタン(Ti)、またはクロム(Cr)であり、第2の層が金(Au)、白金(Pt)、または銅(Cu)であることを特徴とする請求項7記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
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