JP2008225298A - スクリーン用マイクロレンズの製造方法。 - Google Patents
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Abstract
【課題】高効率で投射光を反射すると共に、視野角が広くなるように投射光を散乱できるスクリーン用マイクロレンズの製造方法を提供する。
【解決手段】基体表面に投射光を受けることによって画像を表示する反射型のスクリーンに複数個のマイクロレンズを液滴吐出法によって形成するスクリーン用マイクロレンズの製造方法である。基体1上に、平面形状が角形型の親液領域と、親液領域に対して相対的に撥液性を有する撥液領域とをパターニングし、次いで、親液領域に液滴吐出法によって樹脂液を塗布し、その後、硬化させる。
【選択図】図1
【解決手段】基体表面に投射光を受けることによって画像を表示する反射型のスクリーンに複数個のマイクロレンズを液滴吐出法によって形成するスクリーン用マイクロレンズの製造方法である。基体1上に、平面形状が角形型の親液領域と、親液領域に対して相対的に撥液性を有する撥液領域とをパターニングし、次いで、親液領域に液滴吐出法によって樹脂液を塗布し、その後、硬化させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、スクリーン用マイクロレンズの製造方法に関するものである。
プロジェクタ等の投射型表示装置から投射された画像光を表示するスクリーンが知られており、表示画像の向上を図るべく様々な提案がされている。このような提案の中には、光源から鑑賞者までをプロジェクタシステムの光学系として捉え、スクリーンを改良することによって、プロジェクタシステムにおける表示画像の向上を図るものがある。
ここでスクリーンに要求される特性としては、投射光を高効率で反射させる一方で、散乱させて広い視野角を有することである。このような反射型スクリーンには、用途に応じた特徴を有する種々のタイプが存在する。
まず、散乱タイプの反射型スクリーンは、例えばガラス等の基板上にポリ塩化ビニル等のホワイトシートを形成し、そのシートの表面にエンボス加工等を施したものである。この散乱タイプのスクリーンは、エンボス加工されたシートにより光を散乱させるため、視野角は広くなるが、光の反射率が低くゲインが確保できないという特徴がある。したがって、大ホールや映画館等において大人数で画像を鑑賞する場合に利用されている。
また、反射タイプの反射型スクリーンは、例えばガラス等の基板上にアルミ等の反射シートを形成したものである。この反射タイプのスクリーンは、光の反射率が高くゲインは確保できるが、視野角が狭くなるといる特徴がある。したがって、ショールームやホームシアタ等において少人数で画像を鑑賞する場合に利用されている。
まず、散乱タイプの反射型スクリーンは、例えばガラス等の基板上にポリ塩化ビニル等のホワイトシートを形成し、そのシートの表面にエンボス加工等を施したものである。この散乱タイプのスクリーンは、エンボス加工されたシートにより光を散乱させるため、視野角は広くなるが、光の反射率が低くゲインが確保できないという特徴がある。したがって、大ホールや映画館等において大人数で画像を鑑賞する場合に利用されている。
また、反射タイプの反射型スクリーンは、例えばガラス等の基板上にアルミ等の反射シートを形成したものである。この反射タイプのスクリーンは、光の反射率が高くゲインは確保できるが、視野角が狭くなるといる特徴がある。したがって、ショールームやホームシアタ等において少人数で画像を鑑賞する場合に利用されている。
よって、従来から、光の反射率が高くゲインを確保しつつ、視野角が広いスクリーンが望まれている。このようなスクリーンとして、たとえば、基板上にアルミ等の反射シートを形成して反射特性を得る一方で、この反射シート上に微細な凹凸からなるマイクロレンズを形成して散乱特性を得るスクリーンが提案されている。
このようなスクリーン用マイクロレンズの製造方法としては、反射シート上に光触媒を用いて親撥パターンを形成し、親液パターン上に樹脂を塗布して凹凸を形成し、マイクロレンズとして利用する方法等が既に提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
特開2003−195029号公報
このようなスクリーン用マイクロレンズの製造方法としては、反射シート上に光触媒を用いて親撥パターンを形成し、親液パターン上に樹脂を塗布して凹凸を形成し、マイクロレンズとして利用する方法等が既に提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
しかしながら、前記方法で形成される凹凸は、塗布した樹脂液を硬化させたものであるために、形成される凹凸の形状にまでは配慮されておらず、凹凸は半球状のものとなり、視野角は広がる反面、充分な光の反射率とゲインを確保し難いという問題があった。加えて、光触媒を用いた親撥パターンを形成する工程は煩雑で製造工程数が増えて、生産コストが高くなるという問題もあった。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、簡便な方法で、光の反射率が高くゲインを確保しつつ、視野角が広いスクリーンを実現可能なスクリーン用のマイクロレンズの製造方法を提供可能とすることにある。
本発明のスクリーン用マイクロレンズの製造方法は、基板表面に投射光を受けることによって画像を表示する反射型のスクリーンに複数個のマイクロレンズを液滴吐出法によって形成するスクリーン用マイクロレンズの製造方法であって、基体上に、平面形状が角形型の親液領域と、該親液領域に対して相対的に撥液性を有する撥液領域とをパターニングし、次いで、前記親液領域に液滴吐出法によって樹脂液を塗布し、その後、前記樹脂液を硬化させることを特徴とする。
親液領域を平面形状が角形型とすることにより、ここに樹脂液を滴下した際に樹脂液の表面張力によって、角形の各辺を底辺とする略錐体となり、これを硬化させれば略錐体のマイクロレンズを形成できる。よって、この略錐体の各辺の向きや高さ等を樹脂液の種類によって適宜選択すれば、所望の光学特性を有するマイクロレンズを容易に形成可能となる。
そして、このようなマイクロレンズによれば、角形型の最も長辺を、スクリーン面の正面に位置する鑑賞者の視線に対して水平とし、かつ、前記長辺に対向する頂点を前記鑑賞者の視線に対して鉛直方向とすると、投射光はスクリーン面に対して、垂直方向に反射されるので、投射光を効率よく、前記鑑賞者の視線へ集中することができ、高効率でゲインの高い画像を得ることができる。一方で、略錐体をなすマイクロレンズの他の面は、投射光を散乱させるので、スクリーン面正面以外に位置する鑑賞者の視線と重なるので、視野角の広いスクリーンを提供できる。
また、本発明の製造方法によれば、樹脂液を液滴吐出法によって塗布することにより、所望位置に所望量を的確かつ簡便に塗布することができ、大面積のスクリーン上に無駄無く樹脂液を塗布できる。
また、本発明の製造方法によれば、樹脂液を液滴吐出法によって塗布することにより、所望位置に所望量を的確かつ簡便に塗布することができ、大面積のスクリーン上に無駄無く樹脂液を塗布できる。
また、本発明のスクリーン用マイクロレンズの製造方法にあっては、前記角形型の親液領域を、上下あるいは左右において線対称でなく非対称な形状とするのが好ましい。
このようにすれば、得られるマイクロレンズは上下あるいは左右において非対称な形状となり、一方の側と他方の側において相対的に面積が大きい主面と面積が小さい面とが形成される。したがって、面積が大きい主面が光源側に向き、投射光を反射させる面となるようにこのマイクロレンズを基体上に形成すれば、基体上にマイクロレンズをより多く配置することができ、これにより反射に寄与する主面による反射面積を格段に増大することができる。したがって、投射光をより高いゲインで鑑賞者の方向に反射することができる。
このようにすれば、得られるマイクロレンズは上下あるいは左右において非対称な形状となり、一方の側と他方の側において相対的に面積が大きい主面と面積が小さい面とが形成される。したがって、面積が大きい主面が光源側に向き、投射光を反射させる面となるようにこのマイクロレンズを基体上に形成すれば、基体上にマイクロレンズをより多く配置することができ、これにより反射に寄与する主面による反射面積を格段に増大することができる。したがって、投射光をより高いゲインで鑑賞者の方向に反射することができる。
また、本発明のスクリーン用マイクロレンズの製造方法にあっては、前記親撥液のパターン形成は、前記基板表面に撥液処理を行った後、この撥液処理表面にエキシマレーザを部分的に照射することが好ましい。
このようにすれば、大面積のスクリーンに多数個の所望形状の親液領域パターンを容易に形成することができる。
このようにすれば、大面積のスクリーンに多数個の所望形状の親液領域パターンを容易に形成することができる。
また、レーザの出力を調整することで、親液領域パターンを凹部として形成可能であり、かつこの凹部の深さを簡便に調整可能である。樹脂液の粘度や表面張力等の特性に合わせてパターニング深さを調整できるので、親液領域パターンを高精細に形成しても、各凹部内に樹脂液を留めることができる。
よって、親液領域パターンをエキシマレーザで形成し、この親液領域上に液滴吐出法によって樹脂液を塗布することによって、大面積のスクリーン上に高精細で所望形状のマイクロレンズを高密度で形成することができる。
よって、低コストで光の反射率が高くゲインを確保しつつ、視野角の広いスクリーンを低コストで提供できる。
よって、親液領域パターンをエキシマレーザで形成し、この親液領域上に液滴吐出法によって樹脂液を塗布することによって、大面積のスクリーン上に高精細で所望形状のマイクロレンズを高密度で形成することができる。
よって、低コストで光の反射率が高くゲインを確保しつつ、視野角の広いスクリーンを低コストで提供できる。
以下、本発明の製造方法を図1ないし図11を用いて説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
(第1実施形態)
図1は、本発明の製造方法により製造された反射型のスクリーン50の一実施形態である。このスクリーン50はスクリーン基体1の表面に複数個の凸部からなるマイクロレンズ3…が設けられてなる。なお、本明細書中においては、反射型スクリーンを構成する基体等の鑑賞者側の面を表面と呼び、鑑賞者とは反対側の面を裏面と呼ぶ。
図1は、本発明の製造方法により製造された反射型のスクリーン50の一実施形態である。このスクリーン50はスクリーン基体1の表面に複数個の凸部からなるマイクロレンズ3…が設けられてなる。なお、本明細書中においては、反射型スクリーンを構成する基体等の鑑賞者側の面を表面と呼び、鑑賞者とは反対側の面を裏面と呼ぶ。
スクリーン基体1は、例えば、ガラス基板のほか、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、液晶ポリマーなどからなる。スクリーン基体1を硬質材料によって形成すれば、反射型スクリーン50の強度を確保できるので、対角50〜100インチに亘る大画面に適しており、常設型として好適となる。一方、スクリーン基体1を可撓性の材料によって構成する場合には、上述の各材料をそのまま用いるほか、前記材料からなる織布をして使用してもよい。このような例にあっては、スクリーン50をロール状に巻き取ることが可能となり、不使用時には小スペースに保管し、使用時にのみスクリーン50を設置することができる。よって非常設型のスクリーンとして好適である。
このスクリーン基体1の表面には、図示しない反射層を設けても良い。この反射層は光反射効率の高いアルミニウム等の金属材料をコーティングすることによって形成される。これにより、スクリーン50への投射光は反射層の表面で正反射される。したがって高いゲインを確保することができ、好適である。この反射層は、スクリーン基体1とマイクロレンズ3…の間に設けても、あるいはマイクロレンズ3…の表面を覆うように設けてもよい。
図2(a)、(b)は、いずれも図1に示したスクリーン50表面に設けられたマイクロレンズ3の形状を示したもので、図2(a)は平面図、図2(b)は斜視図である。マイクロレンズ3…は、樹脂液を硬化したものからなっている。このマイクロレンズ3…は、図2(a)、(b)に示したように、その平面形状が角形型をなしている。本実施形態においては長方形であり、樹脂液が硬化する際の表面張力と収縮とによって、四角錐に近い、すなわち略錐体である、稜線3bを有した概略屋根型の凸部となっている。
図3は、本実施形態のスクリーン50の動作を説明するための概略図である。
マイクロレンズ3…をその表面に複数個配設されたスクリーン50においては、図3に示したように、マイクロレンズ3…の反射主面となる最も大面積をなす一方の面3aを投射光Lの光源80に対向させることが好ましい。光源80から出射された投射光Lは、拡散しつつスクリーン50に投射される。すると投射光Lは、スクリーン50表面に形成されたマイクロレンズ3…の反射主面3aによって反射される一方で、その他の面3cにおいては散乱される。よって、図3に示したように、一方の主面3aにて反射される投射光は高いゲインで鑑賞者の方向へ反射されて、スクリーン正面の鑑賞者は充分な輝度をもった明瞭な画像を鑑賞することができる。また、スクリーン正面から角度をもって位置する鑑賞者にとっても、マイクロレンズ3…の主面3a以外の面にて拡散された投射光を見ることができ、広い視野をもったスクリーンとなる。
マイクロレンズ3…をその表面に複数個配設されたスクリーン50においては、図3に示したように、マイクロレンズ3…の反射主面となる最も大面積をなす一方の面3aを投射光Lの光源80に対向させることが好ましい。光源80から出射された投射光Lは、拡散しつつスクリーン50に投射される。すると投射光Lは、スクリーン50表面に形成されたマイクロレンズ3…の反射主面3aによって反射される一方で、その他の面3cにおいては散乱される。よって、図3に示したように、一方の主面3aにて反射される投射光は高いゲインで鑑賞者の方向へ反射されて、スクリーン正面の鑑賞者は充分な輝度をもった明瞭な画像を鑑賞することができる。また、スクリーン正面から角度をもって位置する鑑賞者にとっても、マイクロレンズ3…の主面3a以外の面にて拡散された投射光を見ることができ、広い視野をもったスクリーンとなる。
本実施形態においては、マイクロレンズ3…の平面形状を長方形としたが、本発明の製造方法において、この形状は特に限定されるものではなく、平面形状が角形型であれば良く、例えば平面形状を正三角形とすれば正四面体のマイクロレンズ3…が得られる。図4(a)は、平面形状を正三角形とした際に得られるマイクロレンズ3の平面図であり、(b)は斜視図である。
さらに他の例として、図5(a)に示した楔型や、図5(b)に示したような平面視概略U字型の10角形など、スクリーン基体1の鉛直方向において上下が線対称でなく非対称の角形であってもよい。これらの形状とすれば、図5(c)に示すように特に形成されたマイクロレンズ3の反射主面3aを光源80に対向させることにより、図3に示した場合と同様に、反射主面3aによって光源80からの投射光を高いゲインで鑑賞者の方向に反射し、スクリーン正面の鑑賞者に充分な輝度をもった明瞭な画像を供与することができる。また、図5(a)、(b)に示したように上下が非対称の平面形状としたことにより、得られたマイクロレンズ3は図5(c)に示したように反射主面3aに対してその上側が切れた状態となっている。したがって、図3に示したマイクロレンズ3に比べ、反射に寄与しない、反射主面3aに対してその上側に位置する部分がないことにより、図5(c)に示したようにマイクロレンズ3をスクリーン基体1に対してより多く配設することができる。よって、反射主面3aによる反射面積を格段に増大することができ、これにより投射光をより高いゲインで鑑賞者の方向に反射することができる。
さらには、図6(a)もしくは図6(b)に示したように、前記パターンをいくつか複合したものであっても構わない。角形状を五角形以上にすることも可能であるが、n角形のnが大きくなると円に近づき、ドーム状もしくは半球形状に近くなり、半球状のものにおける反射や散乱の仕方が似てくるので、nは8以下とすることが好ましい。
例えば、図1に示した例のように、平面形状が横長の長方形の場合には、スクリーン50の前方に投影できる面積が広く明るくなるが、横方向の視野角が狭くなる。これに対して平面形状が三角形の場合には、スクリーン50の鉛直上方向の面、すなわち図4(a)における4a面ではスクリーン50の正面側に投射光Lを反射させる一方で、スクリーン50の鉛直下方向の面となる4b面および4c面ではスクリーン50の水平方向に投射光Lを散乱させるので、視野角を広くすることができる。
加えて、本実施形態においては、図1に示したように、各マイクロレンズ3…がなす行と列について同じ位置に隙間無く整列しているが、この配置も特に限定されるものではなく、各行と列において、ある程度の隙間を設けて整列させるほか、図6(a)に示したように、各マイクロレンズ3…がそれぞれの行においては整列されているが、列については、各列において各マイクロレンズ3…がそれぞれ互い違いに整列されて、いわゆる千鳥に配列されていてもよい。加えて、マイクロレンズ3…が図5(a)、図5(b)および図6(b)にそれぞれ示したように、平面形状自体が特定の一頂点に対して向きを有するような角形型、すなわち三角形や楔形である場合には、互いに隣接する各マイクロレンズ3…の特定の一頂点の向きを互い違いに配列することによって、スクリーン基体1表面にマイクロレンズ3…を最密充填させることができる。いずれの形状、または配置においても、後述するように本発明の製造方法を用いれば、製品時に要求される特性に応じて、容易にその形状および配列を変更可能であり、所望特性のスクリーン50を簡便な方法で提供可能となる。
(製造方法)
図7は、本発明の製造方法の第1の実施形態をプロセス順に示した概略断面図であって、図中の符合は図1ないし図6に示したものと同様である。本発明の製造方法にあっては、まず初めにスクリーン基体1を用意した後、スクリーン基体1の表面、すなわち鑑賞者側に対向する面を清浄にする。ついで図7(a)に示したように、スクリーン基体1の表面に撥液処理を施して撥液層2を設ける。本実施形態においては設けていないが、アルミニウム等からなる反射層を介在させる場合には、撥液層2の形成前にスクリーン基体1表面に反射層を設けるか、またはマイクロレンズ3…を形成した後に反射層を設けてもよい。
図7は、本発明の製造方法の第1の実施形態をプロセス順に示した概略断面図であって、図中の符合は図1ないし図6に示したものと同様である。本発明の製造方法にあっては、まず初めにスクリーン基体1を用意した後、スクリーン基体1の表面、すなわち鑑賞者側に対向する面を清浄にする。ついで図7(a)に示したように、スクリーン基体1の表面に撥液処理を施して撥液層2を設ける。本実施形態においては設けていないが、アルミニウム等からなる反射層を介在させる場合には、撥液層2の形成前にスクリーン基体1表面に反射層を設けるか、またはマイクロレンズ3…を形成した後に反射層を設けてもよい。
撥液層2の形成材料およびその塗布方法は特に限定されるものではなく、たとえばスクリーン基体1の表面に撥液性樹脂を塗布する方法、CF4でプラズマ処理する方法のほか、フッ素系樹脂で自己組織化膜を形成するなど公知の方法を用いることができる。
より具体的に例示するならば、撥液性の高分子化合物としては、分子内にフッ素原子を含有するオリゴマーまたはポリマーを用いることができ、ポリ4フッ化エチレン(PTFE)、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、6フッ化プロピレン−4フッ化エチレンン共重合体、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリ(ペンタデカンフルオロヘプチルエチルメタクリレート)(PPTMA)、ポリ(パーフルオロオクチルエチルアクリレート)等の長鎖パーフルオロアルキル構造を有するエチレン、エステル、アクリレート、メタクリレート、ビニル、ウレタン、シリコーン、イミド、カーボネート系ポリマーを例示できる。
またこれら樹脂液の塗布方法としては、押出しコーティング方法、スピンコーティング方法、グラビアコーティング方法、リバースロールコーティング方法、ロッドコーティング方法、スリットコーテイング方法、マイクログラビアコーティング方法、ディップコーティング方法、インクジェットコーティング方法などを採用することができる。
このようにして形成された撥液層2の一部にレーザ照射をして、その表面改質をおこない、親液領域4を形成する。この親液領域は、撥液層2に比較してその表面エネルギーが高い領域であって、この領域は平面視、角形を成すものである。このような親撥領域を形成するには、前記撥液処理の際に、パターニングを行いつつ撥液層2を形成しても良いが、本実施形態においては、スクリーン基体1の表面全体に撥液層2を形成した後、レーザ照射によって親液領域4を形成する方法を採用している。この方法を利用することで、大面積に高精細なパターニングができる。より具体的には、パターン解像度をライン/スペースで表すと7/7μmで、一辺40mmのパターニングが可能である。
レーザ照射には、エキシマレーザが好適である。エキシマレーザの照射条件は、図8に示したグラフから求めた。図9に示したように、スクリーン基体1に対してマイクロレンズ3となる樹脂液5を滴下した際の樹脂液5とスクリーン基体1との間に形成される接触角θを測定することで、スクリーン基体1の表面エネルギーを知ることができる。
図8のグラフの縦軸は樹脂液5とスクリーン基体1との成す接触角θであって、これが大きいほど撥液性が高く、小さくなれば親液性が高いと評価できる。図8のグラフに示したように、CF4プラズマ撥液処理を行った際の接触角θは95度程度であり、逆にO2プラズマ親液処理レベルの接触角θは5度程度である。なお、未処理状態のスクリーン基体1の接触角θは30度である。
図8のグラフの縦軸は樹脂液5とスクリーン基体1との成す接触角θであって、これが大きいほど撥液性が高く、小さくなれば親液性が高いと評価できる。図8のグラフに示したように、CF4プラズマ撥液処理を行った際の接触角θは95度程度であり、逆にO2プラズマ親液処理レベルの接触角θは5度程度である。なお、未処理状態のスクリーン基体1の接触角θは30度である。
図8のグラフにおいて、横軸は100Hzのエキシマレーザのショット数を示している。そしてエキシマレーザの1回あたりの出力を0.01〜0.1J/cm2まで種々変化させた際の接触角θの変化をグラフに示した。このグラフから、エキシマレーザの出力は0.035J/cm2以上で5ショット以上であることが好ましいことが判明した。
よって本発明の製造方法においては、この条件でエキシマレーザによって平面視角形の親液領域を形成する。
よって本発明の製造方法においては、この条件でエキシマレーザによって平面視角形の親液領域を形成する。
ついで、図7(c)に示したように、上述の工程で形成された親液領域4上に樹脂液5を滴下して、これを硬化させてマイクロレンズ3を形成する。この際に樹脂液5の滴下には、インクジェット法等の液滴吐出法を利用することが好ましい。液滴吐出法を用いれば、他の方法に比べて、樹脂液の塗布工程が簡便となるばかりでなく、高精彩なパターンを大面積に一工程で形成可能である。
本発明の製造方法によれば、樹脂液5が滴下される親液領域4の周囲は撥液領域となっているために、滴下された樹脂液が親液領域4から流出し難くなり、所望パターンを高精細で形成しやすいという利点もある。
滴下された樹脂液5は硬化時に体積の収縮が起きるので、その際、親液領域4と撥液領域との境界線において、樹脂の表面積がなるべく小さくなるように力が働くので、親液領域4の平面視の形状を長方形にすると、図2(a)、(b)に示したような屋根型となるわけである。親液領域4の形状を三角にすると、既に述べたように、図5(a)、(b)に示したような正四面体(三角錐)となる。
このように、本発明の製造方法によれば、簡便なプロセスによって、反射および拡散が可能なマイクロレンズを所望形状で高精細に形成できる。
このように、本発明の製造方法によれば、簡便なプロセスによって、反射および拡散が可能なマイクロレンズを所望形状で高精細に形成できる。
(第2実施形態)
図10は本発明の第2の実施形態を示したものであって、図7に示したものと同じプロセスを示した概略断面図である。図7に示したプロセスと異なる点は、撥液層2にエキシマレーザを照射して形成する親液領域4の深さである。図7に示したプロセスで用いたエキシマレーザよりも出力もショット数も、両方共に高くすることによって、撥液層2を除去し、スクリーン基体1の表面を表出させてこれを親液領域4としたものである。このようにすることによって、図10(c)に示したように、撥液層2で親液領域4を包囲するので、親液領域4から樹脂液が流出することを効果的に防止できるようになる。よって、生産性の向上、さらには高精細なマイクロレンズを高密度で形成可能となる。
図10は本発明の第2の実施形態を示したものであって、図7に示したものと同じプロセスを示した概略断面図である。図7に示したプロセスと異なる点は、撥液層2にエキシマレーザを照射して形成する親液領域4の深さである。図7に示したプロセスで用いたエキシマレーザよりも出力もショット数も、両方共に高くすることによって、撥液層2を除去し、スクリーン基体1の表面を表出させてこれを親液領域4としたものである。このようにすることによって、図10(c)に示したように、撥液層2で親液領域4を包囲するので、親液領域4から樹脂液が流出することを効果的に防止できるようになる。よって、生産性の向上、さらには高精細なマイクロレンズを高密度で形成可能となる。
(第3実施形態)
図11は本発明の第3の実施形態を示したものであって、図7および図10に示したものと同じプロセスを示した概略断面図である。前記第2の実施形態と異なる点は、エキシマレーザの出力とショット数をより大きくして、スクリーン基体1表面に親液領域4となる凹部5を形成した点である。このようにすることにより、親液領域4が撥液層2で包囲されるばかりでなく、凹部5を設けることにより、ここへ滴下される樹脂液の流出をより一層、効果的に防止することができる。また、この凹部5の側面は撥液層2となるので、滴下された樹脂量が多くても、側面側からの撥液作用が働き、一層と樹脂液が流出する心配がなくなる。よって、高精細なマイクロレンズを高密度で形成可能となる。
図11は本発明の第3の実施形態を示したものであって、図7および図10に示したものと同じプロセスを示した概略断面図である。前記第2の実施形態と異なる点は、エキシマレーザの出力とショット数をより大きくして、スクリーン基体1表面に親液領域4となる凹部5を形成した点である。このようにすることにより、親液領域4が撥液層2で包囲されるばかりでなく、凹部5を設けることにより、ここへ滴下される樹脂液の流出をより一層、効果的に防止することができる。また、この凹部5の側面は撥液層2となるので、滴下された樹脂量が多くても、側面側からの撥液作用が働き、一層と樹脂液が流出する心配がなくなる。よって、高精細なマイクロレンズを高密度で形成可能となる。
1…スクリーン基体(基体)、2…撥液層、3…マイクロレンズ、4…親液領域、5…樹脂液、50…反射型スクリーン
Claims (3)
- 基体表面に投射光を受けることによって画像を表示する反射型のスクリーンに複数個のマイクロレンズを液滴吐出法によって形成するスクリーン用マイクロレンズの製造方法であって、
基体上に、平面形状が角形型の親液領域と、該親液領域に対して相対的に撥液性を有する撥液領域とをパターニングし、次いで、前記親液領域に液滴吐出法によって樹脂液を塗布し、その後、前記樹脂液を硬化させることを特徴とするスクリーン用マイクロレンズの製造方法。 - 前記角形型の親液領域を、上下あるいは左右において線対称でなく非対称な形状としたことを特徴とする請求項1記載のスクリーン用マイクロレンズの製造方法。
- 前記親撥液のパターン形成は、前記基板表面に撥液処理を行った後、この撥液処理表面にエキシマレーザを部分的に照射することを特徴とする請求項1又は2に記載のスクリーン用マイクロレンズの製造方法。
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JP2011022556A (ja) * | 2009-06-18 | 2011-02-03 | Seiko Epson Corp | スクリーン、投影システム、フロントプロジェクションテレビ及びスクリーンの製造方法 |
WO2013094710A1 (ja) * | 2011-12-20 | 2013-06-27 | コニカミノルタ株式会社 | 光学部材の製造方法 |
CN111624843A (zh) * | 2020-07-28 | 2020-09-04 | 成都菲斯特科技有限公司 | 一种光学投影屏幕及投影系统 |
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2007
- 2007-03-15 JP JP2007066336A patent/JP2008225298A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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