JP2008224412A - 走査プローブ顕微鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】試料の帯電分布の影響を受けない形状測定が可能な走査プローブ顕微鏡を提供することである。
【解決手段】探針と試料を相対的に走査しての測定中に、走査に同期して、帯電によるカンチレバーの撓みあるいは振動状態の変化を検出して帯電状態の監視を行い、また、帯電分布の影響をキャンセルするように電位調整を行うことにより放電による探針及び試料のダメージの防止と帯電分布による測定誤差の低減を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、試料の帯電分布の影響を受けない形状測定が可能な走査プローブ顕微鏡技術に関する。
微細立体形状の計測技術として走査プローブ顕微鏡(SPM:Scanning Probe Microscope)が知られている。これは先端のとがった探針のついた片持ち梁(カンチレバー)を制御しながら、接触力を非常に小さな値に保ちながら試料を走査する技術で、原子オーダーの微細立体形状が計測できる技術として、広く用いられている。ところが、カンチレバーの変形や振動の状態を検知することによって、探針と試料との間の接触力を測定しながら走査を行うため、試料が帯電している場合には、カンチレバーの変形や振動の状態が影響を受けてSPMによる形状測定結果に誤差が乗ってしまうという問題があった。
例えば、特許文献1には、試料の電荷分布を測定する装置が示されている。また、特許文献2には、カンチレバー及び/または試料に電圧を印加する電圧制御部を備えた原子間力顕微鏡および類似の走査型プローブ顕微鏡が示され、カンチレバーと試料との粗動接近時に電圧を印加してノイズとなる静電気力などの相互作用を相殺させることが開示されている。
特表2001−522045号公報 特開平8−136552号公報
上記説明したように、従来技術では試料の帯電の影響により、SPMの測定結果に誤差が生じるという課題があった。また、上記記特許文献1の発明は、試料の形状ではなく電荷分布を測定することが目的であり、帯電の影響を軽減して正確な試料の形状を測定する方法は開示されていない。また、上記特許文献2の発明は、粗動接近時に静電気力などの相互作用を相殺させるのみであって、電荷分布を考慮した正確な試料の形状を測定することができない。
本発明の目的は、上記課題を解決するために、試料の帯電分布の影響を受けずに、正確なSPMの測定結果を得る方法を提供することである。
また、本発明の別の目的は、試料と探針の間の放電によって試料および探針にダメージが生じることを防止することである。
本発明のさらに別の目的は、走査中に電位調整量が許容値を超過した場合に、警告を発し走査を中止することで、探針と試料の間の放電による探針おのび試料のダメージを防止することである。
本発明では、上記課題を解決するために、探針と試料を相対的に移動して測定する走査中に、上記走査に同期して帯電によるカンチレバーの撓みあるいは振動状態を検出し、探針あるいは試料台あるいは試料に接触させた導電体の電位を調整することで、帯電の影響による測定誤差の低減を実現した。
また、本発明では、探針による試料上の走査中に、カンチレバーの帯電による撓みの形状の違いを検出し、探針あるいは試料台あるいは試料に接触させた導電体の電位を調整することで、帯電の影響による測定誤差の低減を実現した。
また、本発明では、帯電によるカンチレバーの撓みあるいは振動状態の変化を検出し、これが許容値を超過した場合に、接近を中断し警告を発する・除電器による帯電除去の終了を待つ・試料に接地用の導電体を接触させるといった動作を行うことによって、探針と試料の間の放電による探針および試料のダメージの防止を実現した。
本発明では、探針と試料を相対的に移動して測定する走査中に、上記走査に同期して、帯電によるカンチレバーの撓み、あるいは、振動状態を元に、探針あるいは試料台あるいは試料に接触させた導電体の電位を調整することで、帯電の影響による測定誤差を低減する効果を奏する。
さらに、探針による試料上の走査中に、カンチレバーの帯電による撓みの形状の違いを元に、探針あるいは試料台あるいは試料に接触させた導電体の電位を調整することで、帯電の影響による測定誤差を低減する効果を奏する。
さらに、帯電によるカンチレバーの撓みあるいは振動状態の変化によって帯電状態を検知し、警告・除電などの対応を行う機能を実現することによって、探針と試料の間の放電による探針おのび試料のダメージを防止する効果を奏する。
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明にかかわる走査プローブ顕微鏡の構成を示す図である。X、Y、Z方向に駆動が可能な試料ステージ302上に試料501が載せられており、走査制御部201によって制御されている。この上には探針103があり、探針駆動部202からの制御により探針103を先端に形成したカンチレバー(片持ち梁)193を取り付けた探針移動機構252はX、Y、Zに駆動され、これによって走査プローブ顕微鏡のプローブ走査を行う。252は探針ホルダー101に取り付けられていて、探針ホルダー101は探針ホルダー上下機構253によって、鏡筒102に取り付けられており、探針ホルダー駆動部203からの制御によってZ方向に粗動駆動される。
探針移動機構252は微動機構であり、動作距離が大きくないために、探針の試料への接近は探針ホルダー上下機構253によって行う。あるいは、別の実施例として試料ステージ302側の駆動によって探針の試料への接近を行ってもいい。また、走査プローブ顕微鏡のプローブ走査も試料ステージ302側の駆動によってもよい。近接センサ204は探針の先端付近の高さを高感度で計測するためのセンサであり、これによって、探針の試料への接触を事前に検出して接近速度を制御することで、探針を試料にぶつけることなく高速な試料への接近を実現できる。近接センサ204は後述するように光を用いてもいいが、検出範囲が数十マイクロメートル以上あり、1マイクロメートル程度の感度で試料との距離を検出できるセンサであればほかのセンサを用いてもよい。たとえば、試料ホルダー101あるいはカンチレバー193と試料501との間に交流電圧をかけることによって、静電容量を測り、距離を検出する静電容量式センサや、試料ホルダー101と試料501との間に空気を流して圧力を検出するエアマイクロセンサを用いてもよい。
走査制御部201はカンチレバー193のたわみを検出するセンサ205、近接センサ204、探針ホルダー駆動部203、探針駆動部202試料ステージ302を制御して探針の近接、試料の走査等を実現する。このとき、試料の走査時の信号をSPM像形成装置208に送ることによって、試料の表面形状像を得る。
また、信号印加装置207は探針を高周波で加振して応答をたわみ検出センサ205で検出し表面の弾性などを計測したり、探針と試料の間に交流あるいは直流電圧をかけて電流を測定し、容量あるいは抵抗を計測したりする。これを探針のスキャンと同時に行うことによってSPM像形成装置207に表面形状像のほかに、付加的性質の分布像を得ることが出来る。
本発明では特に、信号印加装置291は試料ステージ302、あるいは、探針103にバイアス電圧をかけて、これによって、試料501と探針103の間の電位差を調整して、試料501の帯電の影響を低減する。また、バイアス電圧に交流信号を重畳することによって探針103と試料501の間にかかる力を変調し、これに誘起された探針の振動を検出することで帯電状態を測定することが可能となる。
探針ホルダー101に対物レンズを組み込んだ場合には、光学像センサ206で試料の光学像を得ることによるSPM測定エリアの同時観察、探針103の取りつけ時の調整に用いることが出来る。
装置全体の動作は全体制御装置250によって制御され、表示・入力装置251によって、操作者の指示を受けたり、光学像やSPM像を提示したりすることが出来る。
図3は光学系の一実施例を示す図である。光源111から出射した光はレンズ112で平行光に変えられてミラー113で反射され、探針ホルダー101の内部に形成された対物レンズに入射し、試料上501上に焦点を結ぶ。光源111に組み込む開口の形状によって、スポットあるいはスリットなど、任意の形状の像を形成できる。試料で反射した光は再び対物レンズを通り、ミラー114で反射され、結像レンズ115で検出器116上に像を結ぶ。像の位置は試料501の高さによって移動する。移動量は試料への検出光110の入射角をθ、レンズ115による結像倍率をm、試料の高さをZとすると、2mZtanθとなるので、この移動量を計測すれば試料の高さZが検出できる。検出器116は像の位置が検出できればいいので、PSD(ポジションセンシティブデバイス)・分割型ホトダイオード・リニアイメージセンサなど何でもよい。また、上記説明は検出光110が対物レンズを通るという構成での説明であったが、検出光110が対物レンズの外部を通りもう一枚の図示されていないミラーで折り曲げられて、試料上に結像される構成も考えられる。このとき、レンズ112および115はそれぞれ光源111およびセンサ116を試料501と結像関係になるように調整される。この場合のセンサ116上の像の移動量は2mZsinθとなる。近接センサ204はこの関係を用いて検出器116の出力を処理して試料高さを出力する。
以下、カンチレバー193のたわみ検出センサ205について説明する。光源131から出た光はレンズ132とビームスプリッタを通り、さらにビームスプリッタ134を通って対物レンズを通過してカンチレバー193に照射される。ここで反射した光は同じ道を戻ってビームスプリッタ133を通過し、レンズ135を介してセンサ136に照射される。レンズ135は対物レンズの射出瞳とセンサ136が結像関係になるように構成され、これによってカンチレバーの反射面の傾きに比例した位置変化がセンサ136上の光に生起される。これを136の位置に置いたPSD(ポジションセンシティブデバイス)・分割型ホトダイオード・リニアイメージセンサなどによって検出することによってカンチレバーの傾き(たわみ)を検出することが可能になる。撓み検出センサ205は、PSD・分割型フォトダイオードを光検出器として使用している場合には、両端の出力の差を計算し、和で正規化することで、撓み量に変換する。リニアイメージセンサ使用の場合は、レーザスポットの位置をリニアイメージデータから計算することで撓み量に換算し出力する。また、二次元型のPSD、イメージセンサ、4分割フォトダイオードを用いることにより、たわみと同時にねじれを検出することも可能になる。本検出光130を試料観察系の光と分離するために光源131は単色のレーザとして、この光だけを通すようにレンズ135の前後に干渉フィルターを設けるのが望ましい。
さらに効率を上げるためにビームスプリッタ134はダイクロイックミラーとしてもよい。また、ビームスプリッタ133を偏光ビームスプリッタとしてレーザ131の偏光方向を133によって反射されるS偏光とし、ビームスプリッタ133と134の間に1/4波長板(図示せず)を置くことによって、S偏光を円偏光に変換してカンチレバー193の反射面に当て、反射光を再び1/4波長板でP偏光に変えて偏光ビームスプリッタ133を透過させてもよい。
試料観察系は照明光源154より出射し、コンデンサレンズ153を通り、ビームスプリッタ155で反射し、ビームスプリッタ134を透過し、101内の対物レンズを通って試料501を照明する。試料の反射光は再び対物レンズを透過し、ビームスプリッタ134と155を透過して結像レンズ152で結像され、イメージセンサ151で検出され、光学像センサ206でデジタル画像データに変換される。
以上、図3を用いて説明したように、探針と試料観察系と試料高さセンサとカンチレバーたわみ検出光学系を同軸で構成することにより、SPM計測位置の同時観察、カンチレバーの調整の容易化、高速な探針と試料との接近が可能になる。また、カンチレバーたわみ検出光学系を同軸で構成したことによって、カンチレバー部の幅の小さい場合でも、検出光130を照射できるようになり、より軽くて共振周波数の高いカンチレバーを用いることによって、走査の高速化を可能とする。すべて対物レンズを通して検出するようにしたことにより、対物レンズをカンチレバーと近づけることが可能になり、高解像度の試料の光学観察が可能となる。また一方、作動距離の長い対物レンズを用いて、試料高さセンサとカンチレバーたわみセンサの少なくとも一方を対物レンズと試料の間の隙間を通して斜めから光を投影・検出するオフアクシス構成とする実施例ももちろん考えられる。図2をもちいてこれについては後述する。
また、別の構成として、ひずみゲージのようなひずみの変化を反映する信号を得られるものをカンチレバーに組み込んで、光学式たわみセンサの替わりとして用いてもよい。また、さらに別の構成として、カンチレバー193にレーザを照射して反射した光と、参照レーザを干渉させて生じる信号からカンチレバー193の先端の位置あるいは振動状態を検出してもよい。
図2は光学系の別の実施例を示す図である。光源111から出射した光はレンズ112で平行光に変えられてミラー113で反射され、ミラーでの反射を経てレンズ182に入射し、試料上501上に焦点を結ぶ。光源111に組み込む開口の形状によって、スポットあるいはスリットなど、任意の形状の像を形成できる。試料で反射した光はミラーでの反射を経てレンズ185を通り、結像レンズ115で検出器116上に像を結ぶ。像の位置は試料501の高さによって移動する。移動量は試料への検出項110の入射角をθ、レンズ115による結像倍率をm、試料の高さをZとすると、2mZsinθとなるので、この移動量を計測すれば試料の高さZが検出できる。検出器116は像の位置が検出できればいいので、PSD(ポジションセンシティブデバイス)・分割型ホトダイオード・リニアイメージセンサなど何でもよい。
以下、図2の実施例におけるカンチレバー193のたわみ検出系について説明する。光源131から出た光はレンズ132を通り、ミラーでの反射を経て、カンチレバー193に照射される。ここで反射したミラーでの反射を経てセンサ136に照射される。カンチレバー103のたわみは反射光の角度変化となり、これによってカンチレバーの反射面の傾きに比例した位置変化がセンサ136上の光に生起される。これを136の位置に置いたPSD(ポジションセンシティブデバイス)・分割型ホトダイオード・リニアイメージセンサなどによって検出することによってカンチレバーの傾き(たわみ)を検出することが可能になる。また、二次元型のPSD、イメージセンサ、4分割フォトダイオードを用いることにより、たわみと同時にねじれを検出することも可能になる。本検出光130を試料観察系の光と分離するために光源131は単色のレーザとして、この光だけを通すように検出器136の前に干渉フィルターを設けるのが望ましい。なお、109は試料観察系の対物レンズである。
次に、図4を用いて帯電の影響を説明する。図4(a)に示すように試料501にカンチレバー193が対向している。探針103はカンチレバー193の先端に形成されている。カンチレバー193はこの図では導体としてグランドに対して接地されている。たとえば、カンチレバー193が正に帯電している場合、カンチレバー193は静電誘導を受けて接地線から電子が流れ込みマイナスに帯電する。すると、異種の電荷が対向することとなるので、カンチレバー193は試料501側に引力を受けて撓むこととなる。SPMはカンチレバー193の根元の位置を精密に制御することで試料の高さ分布を測定するため、帯電があると測定される試料の高さは帯電による撓みの分だけ誤差を生じることとなる。帯電が激しい場合にはカンチレバー193が大きく撓んで、撓み検出用の測定光が検出器136に到達しなくなってしまったり、探針103と試料501の間に放電が起こって探針103あるいは試料501にダメージを与えたりする。
静電誘導による引力は2物体間の電位差をV、距離をdとすると、Vの二乗に比例して、dの二乗にほぼ反比例することが知られているので、帯電が大きい、すなわち、Vが大きいと影響は急激に大きくなることが分かる。
従来技術としてKelvin Force Microsopeと呼ばれている表面電位分布測定装置がある。たとえば特表2001−522045に開示されているように、カンチレバーに発振器による交流電圧を重畳してやると、カンチレバーは電位差Vの二乗に比例した試料方向への引力を受けるため、電位差が零でない場合には、重畳電圧と引力の関係は電位差の正負によって、それぞれ、単調増加か単調減少となる。電位差が重畳電圧振幅よりも小さい場合は、引力は重畳電圧の両端で大きく、中間で零となる点が存在する。したがって、重畳電圧の周波数をfとすると、電位差があるときにはカンチレバーの撓みは周波数fで変化する。電位差が無いときには周波数2fで撓みは変化する。そのため、カンチレバーの撓み信号を検出して、重畳電圧信号を基準として、同期検波(ロックイン検出)手段による検出をおこなうと、この出力信号は、電位差の正負に対して比例的に変化し、電位差が零の場合に同期検波出力も零となる。したがって、同期検波器の出力信号をカンチレバーの電圧バイアスに帰還すると、試料の電位とカンチレバーの電位が等しくなったところで均衡する、これによって、試料の電位を均衡されたカンチレバーの電位として測定することが出来る。
ところが上記従来技術は以下のような問題をはらんでいる。図4(b)は図4(a)のカンチレバー193にバイアス電圧をあたえて試料501と等電位にした状態である。この場合、同種の電荷が反発を起してカンチレバー193は試料501から離れる方向に撓んでしまう。このため、上記従来技術では試料501の電位を正確に測ることは出来るが、カンチレバー193に静電力がかかるために、測定される形状に誤差が乗ってしまうという問題があった。
図4(c)のように、カンチレバー193のバイアス電圧を試料501の電位と接地電位の中間の適当な値にすると、カンチレバー193中の電荷が中和されて、試料501帯電による影響をなくすことが可能となる。すなわち、静電誘導による引力と、同種の電荷による斥力が均衡した状態となる。この場合のバイアス電位は、カンチレバー193が無い場合に試料501の帯電による電場がカンチレバー193の位置に誘起する電位と等しい。
本発明によれば、あとで説明するように、(b)の状態のようにカンチレバー193と試料501の電位を等しくするのではなく、(c)の状態のように試料501の帯電によるカンチレバー193の撓みを減ずることが可能となる。
次に図5を用いて、試料501を接地された導電性の試料台302上に置いた場合の現象を示す。この場合、試料台302中には接地線からマイナスの誘導電荷が流れ込んで、これによる電界が試料501の帯電による電界を減ずる方向に働くため、カンチレバー193に誘導されるマイナス電荷は減少し、したがってこれによるカンチレバー193の撓みも小さくなる。
さらに、図6に示すように、試料台302の電位を調整し、試料501の上方の電界を相殺するように電圧をかけると、カンチレバー193には誘導電荷は生じず、撓みをなくすことが可能となる。
図7では試料501が誘電体ではなく、薄い皮膜に覆われた導体とする。この場合、別の実施例として、接地針303を試料501に押し付けると、皮膜を破って試料501が接地され、電荷を逃がすことが可能となり。帯電の影響をなくすことが可能となる。
図8で試料501を接地できない場合の本発明による帯電検出の実施例を示す。カンチレバー193に発振器291bによる交流電圧を印加してやると、カンチレバー193は試料501の電位Vの二乗に比例した試料501方向への引力を受けるため、電位Vが零でない場合には、重畳電圧と引力の関係は電位差の正負によって、それぞれ、単調増加か単調減少となる。Vが重畳電圧振幅よりも小さい場合は、引力は重畳電圧の両端で大きく、中間で零となる点が存在する。したがって、重畳電圧の周波数をfとすると、Vが零付近でないときにはカンチレバーの撓みは周波数fで変化することとなる。Vが零付近のときには周波数2fで撓みは変化する。
そのため、カンチレバーの撓み信号を検出器116で検出して、重畳電圧信号を基準として、同期検波(ロックイン検出)手段290による検出をおこなうと、この出力信号は、電位差の正負に対して比例的に変化し、電位差が零の場合に同期検波出力も零となる。したがって、同期検波器の出力信号を試料台302に対する電圧バイアス回路291aに帰還すると、試料501の表面電位とカンチレバー193の電位が等しくなったところ、すなわち、試料501表面電位が零となったところで均衡する。
この場合の試料台302のバイアス電位は、試料501の表面電位と等しいわけではなく、試料台302のバイアス電位によって試料501内に生じる電界による電位差だけオフセットされた試料501表面電位の分布が測定できることとなるが、この状態では、カンチレバー193に働く静電力は零となるので、試料501の帯電の影響を受けずに探針103で正確な試料501の表面形状を測定するSPMを供することが可能となる。
図9は、図8の別の実施例である。カンチレバー193は接地して、発振器291bの交流電圧はバイアス電圧291aに重畳して試料台302に印加している。他の部分の動作は図8とまったく同一であり、交流電圧を試料台302側にかけるかカンチレバー193側にかけるかだけの違いであり、誘導電荷による静電気力は、重畳電圧に対する変化の位相が180度反転することを除いては、図8の実施例と同一である。このため、この構成よっても、試料501の帯電の影響を受けずに探針103で正確な試料501の表面形状を測定するSPMを供することが可能となる。
図10はカンチレバー193の振動によるカンチレバー193と試料501との間の静電容量変化を検出することによって、試料台302のバイアス電位Vを調整する実施例である。静電容量はカンチレバー193と試料501の距離をz、比例定数をkとしてC=k/zであらわされる。カンチレバー193が振動すると静電容量が変化するために、カンチレバー193からは変位電流Iが出入りする。カンチレバー193と試料501の間の電位差をVとすると、(d/dt)を時間微分記号として、I=(d/dt)(CV)=−kV(dz/dt)/(zの二乗)と表される。よって、振動誘起変位電流は電位差Vに比例することとなる。よって、変位電流を振動信号で同期検波すると電位差に比例した出力が得られ、これをバイアス291aに帰還すれば、試料501の帯電の影響をキャンセルすることが可能となる。
以下、図10に従って動作を説明する。発振器291bの交流信号をカンチレバー移動機構252に加え、探針103を加振する。なお、交流信号は探針移動機構252そのものに加えるのでなく、探針移動機構252とカンチレバー193の間に加振専用の圧電素子を挟んで、この圧電素子に代わりに印加してもよい。また、カンチレバー193自体に圧電体を薄膜を形成しておきこれに交流信号を加えてもよい。また、カンチレバーにレーザ光を照射しこの強度を変調することによって光熱励起振動を生起させてもよい。これによって励起されたカンチレバー193の振動により流れる変位電流は、抵抗296とアンプ295によって検出され、フォトダイオード116によって検出されるカンチレバー撓み信号に対して、同期検波(290)され、上述のように試料台302の電位調整に用いられる。あるいは、同期検波の基準信号は291bによる加振信号そのものでもよい。
上記説明した電位調整は探針が試料から離れた状態で行う必要があり、これを行うシーケンスについて以下述べていく。
図11は、高アスペクト比試料の高精度測定に適した走査モードにおける探針の軌跡を説明した図である。図12はこのときの信号の様子である。上の波形はカンチレバーの高さを示す信号で、探針移動機構252のZ軸圧電素子の印加電圧か、探針移動機構252に組み込まれたZ軸変位計の出力信号である。下の波形は撓みセンサ205の出力信号波形であり、下方向が探針103を試料501に押し付けている状態で、一点鎖線より上の方向が、探針103が試料501に吸着されている状態である。吸着はファンデルワールス力や大気中の水分による表面張力に起因する。
図11において、探針103は各測定点での測定のあといったん試料501から離間し、この状態で、隣接する測定点に移動し、再び、探針103と試料501を近づけて再度接触し、一定の接触状態に達した時点の探針移動機構252の高さを記録することで、試料の各点の高さを測定する。この測定方法では、探針を試料に対して引きずらずに離した状態で横移動するため、探針に横方向の力がかからず、急峻な傾斜部でも立体形状が正確に計測できるというメリットがある。この測定方法は特開2004−125540号公報に開示されている。
接触力信号は探針が試料に接しているときは、図12に示すように、一定の設定接触力になるようにカンチレバーの根元の高さが制御される。高さを計測したあと、次の点の測定にむけて探針をいったん退避させる、撓みセンサ信号は探針と試料の間に働く吸引力のため、いったんプラス方向になったあと、吸着から離脱するとカンチレバー193の残留振動が撓み信号に現れたあと、零点に戻る。探針が再度接近を開始すると、探針と試料が接した瞬間に撓みセンサの信号がふたたびマイナス方向に変化していって、設定接触力に一致するように探針移動機構252のZ高さが制御される。
この測定方法において、隣接する測定点への移動期間あるいは離間完了時、あるいは、再度接近を開始して一定距離接近を行うまでのいずれかのタイミングでは、探針と試料が触れていない状態なので、本発明の一実施例としては、このタイミングで電位調整を行う。
これによって、常に、試料の帯電の影響を受けないように試料台あるいは探針の電位を調整しながら、試料の微細立体形状を高精度に測定することが可能となる。また、立体形状と同時に試料の表面電位分布を測定することが可能となる。さらに、調整結果、電位があらかじめ定められた値より大きくなった場合に、帯電が過大であるとして、警告を発したり、測定を中止したり、除電器を作動させたりするといった対策を自動・あるいは手動で行うことが出来る。
ここで、図13を用いて、本発明における電位調整時の信号を具体的に説明する。探針103が試料501から離れて撓みセンサ205の出力が零に近くなっている期間に、探針103あるいは試料台302に交流電圧を印加する、これによってカンチレバー193に生じる振動を撓みセンサ205と同期検波(ロックイン)回路290によって検出した結果が図13の最下段の信号である。この信号の符号によって電位調整の方向が判るので、これを用いて、探針103あるいは試料台302の電位を調整する。
図14は、本発明の別の実施例における電位調整時の信号である。探針103が試料501からの吸着から離脱したあとしばらくカンチレバー193に現れる残留振動が撓みセンサ205の出力に現れている。これに誘起されてカンチレバー193に出入りする変位電流をカンチレバー撓み信号をレファレンスとして同期検波する。すると、図14の最下段の信号のように、探針と試料の間の電位差の符号に応じて異なった極性の信号が現れる。この信号の符号によって電位調整の方向が判るので、これを用いて、探針103あるいは試料台302の電位を調整する。図13ではカンチレバー193を直接加振していたが、図14では、探針の退避動作によって自然に起こる振動を用いて変位電流を検出している。もちろん、残留振動を用いる代わりに探針と試料が離れている期間にカンチレバー193を圧電素子・レーザ照射などによって加振してもよいことは言うまでもない。
また、図13、14を用いて説明した2実施例は探針を加振して電位調整方向を検出していたが、図4、5、6を用いて説明したように、探針103が試料501に触れていない期間のカンチレバー193の静的な撓みの向き帯電の状況に応じて変わるので、これを撓みセンサ205の出力によって測定して、このたわみが無くなるように探針あるいは試料台の電位を調整してもいい。
以上のように、各測定点ごとに試料の高さと電位が同時に測定できるので、図15(a)に示すようにラスター走査を行うことによって2次元領域中の立体形状像と電位マップを得ることが出来る。
なお、別の実施例として、探針103と試料501の間の接触力の検出に用いる方式として、探針の静的なたわみを用いるのではなく、探針を加振用の圧電素子やレーザを用いて加振して、この振動の振幅・位相・周波数等が探針103と試料501の間の接触状態によって変化することを用いる場合について説明する。この場合にも、図11に示すように、探針と試料が接触したときに各点の形状(高さ)を測定した後、探針を引き上げている期間に、電位調整をおこなう。
図13に示した実施例では、接触力検知のためにカンチレバーを加振する周波数と、電位調整のために印加する交流電位の周波数を分離しておけば、同じように電位差を検出可能であり、電位調整が可能となる。
図14に示した実施例では、カンチレバーの振動に伴う変位電流を検出するので、接触力検知のために加振したカンチレバーの、非接触状態に置ける振動をそのまま利用して電位調整を実現することが可能となる。
以上は、各点ごとに探針の上下動を繰り返して試料の立体形状を測定する場合の帯電対処方法であった。これに対して、コンタクト測定やダイナミックフォース測定と呼ばれる探針を試料に対して連続的に接触させて走査する方式の場合は、探針103と試料501間の引力による微細振動の変化を検出することによるノンコンタクトモードと呼ばれる方式は別として、探針が試料から離れている期間が、各走査ライン中には無い。この場合、図15(a)に示した各走査ラインの間の移動を行う点線の区間で探針を試料から引き上げてこの期間で上記説明した電位調整を行えばいい。
また、上記説明した電位調整を測定開始前の試料と探針の接近時、すなわち、試料と探針がmmオーダーで離れている状態から探針移動機構252の動作距離である数マイクロメートルから数10マイクロメートルに近づくまでの間に、おこなって帯電の影響を減ずるように電位の調整を行ったり、帯電が過大な場合には警告を発したりすることが出来る。特に、カンチレバー193の静的な撓みは電界強度に比例するので、試料と探針の接近時に撓み量の変化を記録すれば、図16のように横軸dを探針193と試料501の距離として、dと電界強度の関係が得られる。さらに、これを積分するとdと電位との関係も得られる。
次に、図17を用いて、コンタクト測定の時の、帯電の問題について述べる。コンタクト測定では、探針103を試料501に接触させた状態で、接触力をカンチレバー撓みセンサ205の信号が一定になるように高さを制御しながら、試料501上を走査する。ここで、試料501は導体であり、この上に薄い絶縁膜502が形成されているものとする。探針103の走査に伴う摩擦帯電により膜502上に発生した電荷が次第に導体501中に蓄積していく。すると、この電荷による誘導電荷がカンチレバー193に生起して、静電引力がカンチレバー193と試料501の間に発生する。すると、正常な探針103と試料501の接触力によるカンチレバー193のたわみに加えて、カンチレバー193が全体的に静電引力によって図17(a)のようにひきつけられるため、カンチレバー193の中央付近の下向きのたわみが大きくなる。このため、通常の状態より撓み検出用の検出器116に向かう光の角度が高くなる。すなわち、見かけ上通常より大きくカンチレバーを押し込んでいる、つまり、接触力が大きい状態と認識されるので、探針日同機構252へのフィードバック制御の結果、接触力が大きい状態と認識された分、カンチレバー193の根元が高い状態にずれる。
図18はこのときの測定される高さ(すなわち、探針微動機構252の下部の高さ)を、横軸を走査距離としてプロットした図である。なお、横軸は時間としてもほぼ同じ形の曲線となる。図17(a)に示された状態は図18の(a)の部分に相当し、測定される見かけの高さが高い方向にずれている。
ここで、探針103が絶縁膜502の薄いところを通過した瞬間や、帯電によるカンチレバー193と試料501の電位差が許容量を超えた瞬間に、探針103と試料501のあいだに放電が起こって、帯電電荷が消失する。すると、図17(b)に示すように、カンチレバー193の中央付近を下方向に曲げていた静電引力が消失するため、カンチレバー193の先端の角度が変わり、センサ116に向かう反射光130の角度が浅くなる。すなわち、検出される接触力が小さくなる。このため、撓みセンサ205の出力が変化して、これを一定にする制御が働くために、図17(c)のようにカンチレバー193の根元が探針移動機構252によって押し下げられる。この結果、図18の(b)から(c)点に示すように、測定結果のプロファイルに、のこぎり状の段差が現れる。
これに対処するための実施例として、図19を説明する。図19(a)で190はカンチレバー193先端に照射したレーザ光である。191はカンチレバー103の根元に照射した参照用のレーザ光である。この2つのレーザ光を干渉させることによって、帯電によって影響を受けるカンチレバー193の撓み形状にかかわらず、カンチレバーの根元の高さを基準とした先端の高さが正確に検出できる。別の方式として、図20(b)に示すように、光ファイバー192の端面で反射した参照用のレーザ光を基準として、カンチレバー193に照射された測定用のレーザ光を干渉させることで、帯電によって影響を受けるカンチレバー193の撓み形状にかかわらず、光ファイバー端面の高さを基準として正確なカンチレバー193の先端高さを検出することができる。
別の実施例として、図20を用いて説明する。通常のカンチレバー193の先端に照射する撓み検出用レーザ光130のほかに、カンチレバー中央部に傾き検出用レーザ光130bを照射し、これをセンサ116bで検出する。すると、通常の状態である、先端の探針103だけに反力が加わる状態でのカンチレバー193撓み形状に対して、帯電に伴ってカンチレバーの中央部がよりへこんできて、カンチレバー193の撓み形状が異なってくる。そこで、二つのセンサ116と116bの出力の比較によって、カンチレバー193の変形状態のずれが検出できる。このずれが無くなるようにカンチレバー193、あるいは試料台302の電位を調整することで、帯電の影響が無い状態を保って探針103の走査を継続することが可能となる。
最後に、図21を用いて、本発明における、測定のシーケンスの実施例を示す。まず、測定開始すると、探針交換を行い、試料を試料台に搭載し、試料台を探針の下に移動する。つぎに、試料接近を開始する。このとき、カンチレバーの撓み状態あるいは振動状態を検出することにより、試料台、あるいは、探針の電位を調整していく、途中で電圧が過大になった場合は、帯電が大きすぎるとして、接近を中断し、ワーニングをだし、イオナイザーの動作や、試料に除電用のグランドされた導体を接触するといった除電処理を行ったあと、再度測定を開始する。電圧が過大でなければ、試料接近が完了するまで、電位調整と接近を繰り返す。
試料接近完了後、測定を開始する。測定を行う走査中に、各測定点に移動して、探針が離れた状態での電位調整・電位測定を行い、電圧が過大でないか判断し、過大である場合には、測定を中断し、ワーニングをだし、イオナイザーの動作や、試料に除電用のグランドされた導体を接触するといった除電処理を行ったあと、再度測定を開始する。電圧が過大でなければ、探針を試料に接触させて各測定点の高さを測定する。以上説明した各測定点で動作を測定領域全体の走査が完了するまで繰り返す。
以上の図21の説明では各点ごとに探針の退避・接近を繰り返す測定モードを前提として説明したが、各ラインの操作中は連続に探針と試料が接触したまま測定するモードでは、各ラインの先頭に移動後、探針が離れた状態での電位調整・電位測定を行い、電圧が過大でないか判断し、過大である場合には、測定を中断し、ワーニングをだし、イオナイザーの動作や、試料に除電用のグランドされた導体を接触するといった除電処理を行ったあと、再度測定を開始する。電圧が過大でなければ、探針を試料に接触させてライン走査し、各ラインの高さプロファイルを測定する。以上説明した各測定ラインでの動作を測定領域全体の走査が完了するまで繰り返す。
帯電の影響を受けないでAFM測定が行えるので、試料のアース、除電、コートなどの試料の前処理を行わずに、そのまま測定を行うことができる。このため、半導体やフラットパネルディスプレイなどの先端デバイスの製造ライン中で、試料をそのまま測定して製造ラインに戻すことができる。
図1は本発明の実施例1の走査プローブ顕微鏡の全体の構成を示す図である。 図2は探針周りの一実施例の拡大図である。 図3は光学系の一実施例を示す図である。 図4は試料の帯電による影響と電位調整の効果を示す図である。 図5は試料台の接地による効果を示す図である。 図6は試料台の電位調整による効果を示す図である。 図7は試料の接地による効果を示す図である。 図8は本発明の実施例2の試料台の電位調整を示す図である。 図9は本発明の実施例3の試料台の電位調整を示す図である。 図10は本発明による試料台の電位調整のさらに別の実施例を示す図である。 図11は電位調整を行わないときの探針の軌跡を示す図である。 図12は電位調整を行わないときの撓みセンサと高さセンサの信号の時間変化を示す図である。 図13は本発明の実施例4の試料台の電位調整の探針−試料台間電位差モジュレーションによる実施例の信号波形を示す図である。 図14は本発明による試料台の電位調整の探針(カンチレバー)振動による変位電流検出による実施例の信号波形を示す図である。 図15は本発明による立体形状と電位マップの同時検出結果を示す実施例である。 図16は本発明による探針−試料間距離にたいする電界強度分布と電位分布検出結果を示す実施例である。 図17はコンタクトモード測定時の試料の帯電の影響を示す図である。 図18はコンタクトモード測定時の試料の帯電の影響があるときの測定されるプロファイルを示す図である。 図19は本発明の、帯電による影響を受けずに探針の撓み量を測定する実施例を示す図である。 図20は本発明の、帯電による影響を光テコ方式で検出する実施例を示す図である。 図21は本発明による試料測定時の装置の動作シーケンスを示す図である。
符号の説明
101 探針ホルダー
102 鏡筒
103 探針
109 対物レンズ
110 試料検出光
111 光源
112 レンズ
113 ミラー
114 ミラー
115 レンズ
116 検出器
130 カンチレバー検出光
131 光源
132 レンズ
133 ビームスプリッタ
134 ビームスプリッタ
135 レンズ
136 検出器
154 照明光源
153 コンデンサレンズ
155 ビームスプリッタ
152 結像レンズ
151 イメージセンサ
170 光ファイバー
171 レンズ
172 検出器
182 レンズ
185 レンズ
190 カンチレバー先端変位検出ビーム
191 参照ビーム
192 カンチレバー先端変位検出ファイバー
193 カンチレバー
195 カーボンナノチューブ
201 走査制御部
202 探針駆動部
203 探針ホルダー駆動部
204 近接センサ
205 たわみ検出センサ
206 光学像センサ
207 信号印加装置
208 SPM像形成装置
250 全体制御装置
251 入力・表示装置
252 探針移動機構
253 探針ホルダー上下機構
290 同期検波装置
291 信号印加装置
291a バイアス印加装置
291 交流印加装置
302 試料ステージ
303 試料接地電極
311 ロボットアーム
312 プリアライメント手段
313 検出ヘッド部
314 LAN装置
501 試料
502 絶縁皮膜

Claims (12)

  1. 探針を先端にもつカンチレバーの保持部と試料を保持する試料台との相互の位置を精密に制御可能な駆動機構と、カンチレバーの変形状態を計測することが可能なセンサをもち、試料の立体表面形状その他の表面分布を計測することが可能な走査プローブ顕微鏡において、
    探針と試料を相対的に走査して試料面を測定中に、前記試料面の走査に同期して、帯電によるカンチレバーの撓みあるいは振動状態を検出し、探針あるいは試料台あるいは試料に接触させた導電体の電位を調整することを特徴とする走査プローブ顕微鏡。
  2. 請求項1に記載の走査プローブ顕微鏡において、
    前記試料面の走査に同期して行われる導電体の電位の調整は、前記探針と試料を相対的に走査しての測定中に、探針を次の測定ラインの開始位置に移動させるために、一時的に探針と試料を離間している期間に同期して行われることを特徴とする走査プローブ顕微鏡。
  3. 請求項1に記載の走査プローブ顕微鏡において、
    前記試料面の走査に同期して行われる導電体の電位の調整は、
    各測定点での測定のあと探針をいったん試料から離間し、この状態で、隣接する測定点に移動し、探針と試料を再度近づけて一定の接触状態に達した時点で、試料の高さを測定するモードにおいて、隣接する測定点への移動期間あるいは離間完了時、あるいは、再度接近を開始して一定距離接近を行った時のいずれかのタイミングに同期して行われることを特徴とする特徴とする走査プローブ顕微鏡。
  4. 請求項1に記載の走査プローブ顕微鏡において、
    前記試料面の走査に同期して行われる導電体の電位の調整は、
    探針が試料に一定の接触力を保ちつつ試料を走査する測定の期間に同期して行われ、静電力によるカンチレバーの変形の影響と探針の先端が試料に触れることによるカンチレバーの変形とを分離して行われることを特徴とする走査プローブ顕微鏡。
  5. 請求項4に記載の走査プローブ顕微鏡において、
    前記静電力によるカンチレバーの変形の影響と探針の先端が試料に触れることによるカンチレバーの変形との分離は、カンチレバーの略先端に照射した光と、中ほどに照射した光による探針のたわみ状態の信号の標準状態からのずれによることを特徴とする走査プローブ顕微鏡。
  6. 請求項1乃至請求項5に記載の走査プローブ顕微鏡において、
    前記試料面の走査に同期して行われる導電体の電位の調整は、試料あるいは探針の帯電による影響をカンチレバーの変形状態により検出し、これをキャンセルするように電位調整を行うか、または、一定値を超過した場合に警告を発するか・除電処理を行うかの少なくとも一方を行うことを特徴とする走査プローブ顕微鏡。
  7. 請求項6に記載の走査プローブ顕微鏡において、
    前記カンチレバーの変形状態はカンチレバーに照射した光の反射光の方向変化を、反射光が到達する位置に設置されたポジションセンシティブデバイスあるいは分割型フォトダイオードによって検出することによることを特徴とする走査プローブ顕微鏡。
  8. 請求項6に記載の走査プローブ顕微鏡において、
    前記カンチレバーの変形状態はカンチレバーの先端で反射させた測定用レーザ光と固定部で反射させた参照レーザ光との干渉によって検出することによることを特徴とする走査プローブ顕微鏡。
  9. 請求項6に記載の走査プローブ顕微鏡において、前記カンチレバーの変形状態は、カンチレバーに組み込んだ歪に対応した信号を得られる素子によって検知することを特徴とする走査プローブ顕微鏡。
  10. 請求項1乃至請求項9に記載の走査プローブ顕微鏡において、
    前記電位の調整は、探針と試料が触れていない期間の探針の静的な変形量をゼロにするように、探針、あるいは、試料、あるいは試料台の電位を変化させることによることを特徴とする走査プローブ顕微鏡。
  11. 請求項1乃至請求項9に記載の走査プローブ顕微鏡において、
    前記電位の調整は、探針と試料が触れていない期間の、探針の振動による探針と試料との間の静電容量の変化に起因して、探針に流れる変位電流を検出し、この信号を探針の振動を表す信号に対して同期検波したときの出力が0となるように、探針、あるいは、試料、あるいは試料台の電位を変化させることによることを特徴とする走査プローブ顕微鏡。
  12. 請求項1乃至請求項9に記載の走査プローブ顕微鏡において、
    前記電位の調整は、探針と試料が触れていない期間の、探針、あるいは、試料、あるいは試料台の電位差に対して重畳した交流電圧に誘起される探針の変形を検出し、この探針の変形を表す信号を印加電圧に対して同期検波したときの出力が0となるように、探針、あるいは、試料、あるいは試料台の電位を変化させることによることを特徴とする走査プローブ顕微鏡。
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