JP2008223726A - 内燃機関の冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】排気制御弁のハンチング動作を防止しつつ排気熱回収器による回収熱量を確保する。
【解決手段】排気熱回収器150での排気熱回収の実行/停止を切換えるための排気制御弁160は、水温センサ300によって検出される冷却水温Twに応じて開閉制御される。水温センサ300は、サーモスタット220の閉弁時(エンジン冷間時)には循環冷却水の通流が制限または遮断され、サーモスタット220の開弁時(エンジン開弁時)には循環冷却水が通流する部位、代表的には、冷却水経路525に配設される。これにより、エンジン負荷に対応したエンジン出口付近での冷却水温の変動に応答して排気制御弁160をハンチングさせることなく、エンジン冷間時を通じて排気熱回収を実行できる。
【選択図】図1
【解決手段】排気熱回収器150での排気熱回収の実行/停止を切換えるための排気制御弁160は、水温センサ300によって検出される冷却水温Twに応じて開閉制御される。水温センサ300は、サーモスタット220の閉弁時(エンジン冷間時)には循環冷却水の通流が制限または遮断され、サーモスタット220の開弁時(エンジン開弁時)には循環冷却水が通流する部位、代表的には、冷却水経路525に配設される。これにより、エンジン負荷に対応したエンジン出口付近での冷却水温の変動に応答して排気制御弁160をハンチングさせることなく、エンジン冷間時を通じて排気熱回収を実行できる。
【選択図】図1
Description
この発明は、内燃機関の冷却装置に関し、より特定的には、排気管に設けられた排気熱回収器との間で熱交換可能なように構成された内燃機関の冷却装置に関する。
従来より、内燃機関の排気熱を暖房器(エンジン冷却水を加熱源とするヒータコア)に利用するために、排気熱回収装置をエンジン冷却系に組込んだ構成が知られている(たとえば特許文献1および2)。
特許文献1(特開2006−283711号公報)には、排気熱回収装置によって内燃機関の排気ガスから熱回収を行なうための排気熱回収通路と、該排気熱回収通路をバイパスする排気バイパス通路とに分岐された内燃機関の排気管について、この排気熱回収通路および排気バイパス通路を流通する排気ガスの流量割合を調節する流量調整弁を設ける構成の排気熱回収装置およびその制御方法が開示される。
特許文献1では、流量調整弁の開度は、冷却水の温度と、内燃機関の運転状態から定まる排気ガス流量あるいはそれに相関する物流量とに応じて、可変に制御される。これにより、特許文献1による排気熱回収装置では、内燃機関の燃費性能や排気エミッションを悪化させることなく、排気熱を利用して暖房性能を向上させることができる。
特許文献2(実公平3−4566号公報)には、ヒータファンが駆動している暖房時にエンジン冷却水温が所定値以下でかつヒータ強化スイッチをオンとしたとき、排気熱交換器を設けた排気管が開でバイパス排気管が閉となるように作動させるアクチュエータが設けられた自動車の排気熱利用式暖房装置が開示されている。
また、特許文献3(特開2006−250524号公報)には、内燃機関の排気ガスからの熱回収が可能な多重管式熱回収器として、熱交換時に流通する環状流路と中央を貫通するバイパス流路とを、排気ガス圧に応じて開閉する弁体によって選択的に切換える構成のものが開示されている。
特開2006−283711号公報
実公平3−4566号公報
特開2006−250524号公報
特許文献1〜3に開示された、排気熱回収の実行およびその停止を制御するための弁については、短期間に頻繁に開閉を繰り返すハンチングにより、その耐久性が低下する可能性がある。
しかしながら、特許文献1に開示された排気熱回収装置では、排気熱回収の実行/停止を制御する流量調整弁は、エンジン出口水温に応じて開閉される。エンジン出口水温はエンジンの運転状況(負荷状況)に応じて変動するため、流量調整弁のハンチング動作を防止するためには、流量調整弁の開閉の閾値温度をハンチングが発生しないような領域に設けることが必要となる。この結果、熱回収の実行期間の確保が困難になる可能性がある。
特許文献2においても、排気熱交換器における排気管の開閉を作動させるアクチュエータは、エンジン出口付近に設けられた水温スイッチに応じて動作するので、特許文献1と同様の問題が発生する可能性がある。
また、特許文献3に開示された多重管式熱回収器に配置される弁体についても、内燃機関の排気ガス圧あるいは排気流量に応じて開閉する構造となっているため、頻繁に開閉される可能性が高い。また、弁体の制御について、排気ガスや冷媒の温度に応じた補助制御を加えてもよいことが記載されているものの(たとえば段落番号0017の記載)、どの部位の温度に応じた制御とすべきかについての具体的な言及はない。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、排気熱回収器およびこの排気熱回収器での排気熱回収の実行および停止を制御するための排気制御弁とを設けた内燃機関の冷却装置において、排気制御弁のハンチング動作を防止しつつ排気熱回収器による回収熱量を確保することが可能な構成を提供することである。
この発明による内燃機関の冷却装置は、内燃機関の冷媒を循環させるための冷媒ポンプと、冷媒配管と、放熱機構と、感熱弁とを備え、温度検出器と、負荷装置と、排気熱回収器と、排気制御弁と、制御装置とを備える。冷媒配管は、冷媒ポンプの駆動によって第1および第2の冷媒循環経路が並列に形成されるように配設される。放熱機構は、第1の冷媒循環経路上に配置されて冷媒を冷却する。感熱弁は、第1の冷媒循環経路内に配置され、配置部位の冷媒温度が所定温度以上となることに応じて開弁する。温度検出器は、感熱弁の閉弁時には冷媒ポンプの作動に伴って循環する冷媒の通流が制限される一方で、感熱弁の開弁時には循環する冷媒が通流される部位に配置される。負荷装置は、第2の冷媒循環経路内に配置され、冷媒の熱量を利用して作動する。排気熱回収器は、内燃機関の排気管に設けられる。排気制御弁は、内燃機関からの排気ガスについて、排気熱回収器により冷媒との間で熱交換可能に構成された第1の排気経路および該第1の排気経路をバイパスする第2の排気経路の間の流量割合を制御するように構成される。制御装置は、温度検出器によって検出される冷媒温度に閾値温度を設定して、冷媒温度が閾値温度以下のときに排気ガスが主に第1の排気経路を通流する一方で、冷媒温度が閾値温度より高いときに排気ガスが主に第2の排気経路を通流するように排気制御弁を駆動する。
好ましくは、第1の冷媒循環経路は、感熱弁の閉弁時に形成される放熱機構をバイパスするための第1の冷媒経路と、感熱弁の開弁時に形成されて放熱機構を通過する第2の冷媒経路とを含む。そして、温度検出器は、第2の冷媒経路上に設けられる。あるいは、第1の冷媒循環経路は、感熱弁の開弁時に形成される、放熱機構をバイパスするための第3の冷媒経路をさらに含むように構成され、温度検出器は、第3の冷媒経路上に設けられる。また好ましくは、温度検出器は、補助冷却配管に設けられる。補助冷却配管は、第2の冷媒循環経路と第1の冷媒循環経路中の第2の冷媒経路との間を連結し、かつ、感熱弁の閉弁時には冷媒の通流が制限される一方で感熱弁の開弁時には冷媒が通流するように配設される。
上記内燃機関の冷却装置によれば、温度検出器の配置部位における冷媒温度は、冷媒が放熱機構をバイパスするように感熱弁が閉弁される冷間時(内燃機関の暖機中)には低いままに維持される一方で、感熱弁が開弁する程度まで循環冷媒の温度が上昇すると急激に上昇する。したがって、このような温度検出器の出力に応じた排気制御弁の開閉制御により、内燃機関の負荷に対応した内燃機関出口付近での冷却水温の変動に応答して排気制御弁をハンチングさせることなく、冷間時に排気熱回収を実行する一方で温間時には排気熱回収を停止するように、安定的に排気制御弁の開閉が切換られる。これにより、内燃機関の暖機中を通じて排気熱回収を実行できるので、冷間時に冷媒温度を早期に上昇させることができる。この結果、暖機所要時間を短縮して燃費向上を図ることができる。
あるいは好ましくは、第2の冷媒循環経路において、負荷装置が配置される冷媒経路は、排気熱回収器において熱交換するための冷媒経路をバイパスするように設けられる。
さらに好ましくは、負荷装置は、冷媒を加熱源とする暖房器を含む。
このような構成とすることにより、排気熱回収器との間の熱交換により冷媒温度が上昇する第2の冷媒循環経路に暖房器を設けた構成において、エンジン冷間時に排気熱回収により冷却水の温度を早期に上昇させることによって、特に冬季においては暖房性能を速やかに発揮させて車室内の快適性を向上させることができる。
このような構成とすることにより、排気熱回収器との間の熱交換により冷媒温度が上昇する第2の冷媒循環経路に暖房器を設けた構成において、エンジン冷間時に排気熱回収により冷却水の温度を早期に上昇させることによって、特に冬季においては暖房性能を速やかに発揮させて車室内の快適性を向上させることができる。
あるいは、さらに好ましくは、排気制御弁の開閉を制御する閾値温度は、感熱弁が開弁するときの冷媒温度よりも低く設定される。
このような構成とすることにより、感熱弁の開弁に連動して感熱アクチュエータを確実に作動させて、排気熱回収を停止させることができるので、冷媒温度が排気熱回収によって過度に上昇することを防止できる。
本発明による内燃機関の冷却装置によれば、排気熱回収器およびこの排気熱回収器での排気熱回収の実行および停止を制御するための排気制御弁を設けた構成において、排気制御弁のハンチング動作を防止しつつ排気熱回収器による回収熱量を確保することができる。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお以下では図中の同一または相当部分には同一符号を付してその説明は原則的に繰返さないものとする。
図1は、本発明の実施の形態による内燃機関の冷却装置の全体構成を示すブロック図である。
図1を参照して、エンジン100は、冷媒による冷却通路(図示せず)を内部に備えた内燃機関である。なお、エンジン100の冷媒としては代表的には水が用いられるため、以下では冷媒をエンジン冷却水あるいは単に冷却水とも称することとする。
エンジン100には、冷媒を冷却装置内で循環させるための「冷媒ポンプ」であるウォータポンプ120が設けられる。ウォータポンプ120は、電動式ポンプで構成されてもよく、エンジン100の回転力によって駆動される機械式ポンプであってもよい。冷却水配管群500は、ウォータポンプ120の動作により、エンジン100から出力された冷却水をラジエータ210へ通流させるための冷却水循環経路500aおよびヒータ200を通流させるための冷却水循環経路500bとが並列に形成されるように配設されている。
冷却水循環経路500aには、ラジエータ210およびサーモスタット220が設けられる。サーモスタット220は、配置部位の冷却水温に応じて開閉する「感熱弁」である。冷却水循環経路500aにおいて、サーモスタット220の閉弁時(エンジン冷間時)には、エンジン100の冷却水出口から、バイパス配管510によりラジエータ210をバイパスしてウォータポンプ120へ至る冷却水経路515が形成される。一方、冷却水温が上昇してサーモスタット220が開弁すると(すなわちエンジン温間時)、冷却水循環経路500aの冷却水は、バイパス配管510を通過することなく、エンジン100の冷却水出口からラジエータ210を通過してウォータポンプ120へ至る冷却水経路525を循環することとなる。ラジエータ210は、図示しない空冷機構を有し、循環冷却水を該空冷機構での熱交換により冷却する。
このように、冷却水循環経路500aにおいては、サーモスタットの閉弁時(冷間時)には冷却水経路525では冷却水の通流が制限(あるいは遮断)されて冷却水経路515を冷却水が循環する一方で、サーモスタット220の開弁時(温間時)には冷却水経路525を冷却水が循環するように構成されている。冷却水経路525には、冷却水温を検出するための水温センサ300が配置される。水温センサ300は、本発明での「温度検出器」に対応する。
もう1つの冷却水循環経路500bは、エンジン100の冷却水出口から、ヒータ200および排気熱回収器150を通流してウォータポンプ120へ至る冷却水経路505を含む。ヒータ200は、暖房用熱交換器として設けられ、冷却水循環経路500bを通流する冷却水を熱源として暖房を行なう。すなわち、ウォータポンプ120の動作により冷却水循環経路500b内を冷却水が循環することによって、その冷却水(温水)との熱交換によって温めた空気が、図示しないファンによって車室内に送出するように構成されている。
ヒータ200は、冷却水の熱量を利用して作動する「負荷装置」の代表例として示される。なお、ヒータ200以外の機器によって負荷装置が構成されてもよく、ヒータ200以外の負荷装置が冷却水循環経路500bにさらに設けられてもよい。
排気熱回収器150は、エンジン100の排気管110に設けられて、冷却水循環経路500bを通流する冷却水とエンジン100からの排気ガスとの間で熱交換を行なう排気熱回収が可能なように構成されている。排気熱回収器150には、排気熱回収を実行あるいは停止するための切換機構としての排気制御弁160が設けられている。制御装置310は、水温センサ300により検出された冷却水温Twに応じて、排気制御弁160の開閉を制御する。制御装置310は、代表的には電子制御ユニット(ECU)により構成される
ここで図2および図3を用いて、排気熱回収器150の概略構成および排気熱回収の実行・停止時における排気経路について説明する。
ここで図2および図3を用いて、排気熱回収器150の概略構成および排気熱回収の実行・停止時における排気経路について説明する。
図2を参照して、アクチュエータ165は、ECU310からの制御指令に応じて排気制御弁160を開閉駆動する。アクチュエータ165は、電磁力や油圧を利用したもの等、任意の構成とすることができる。ECU310からの制御指令(閉指令)に応答した排気制御弁160の閉弁時には、エンジン100からの排気ガスは、冷却水循環経路500bに含まれる冷却水路152内の冷媒との間で熱交換可能な熱回収経路156を通流する。これにより、排気ガスと冷却水循環経路500b内の冷却水との間で熱交換が行なわれ、排気ガスの熱回収により冷却水温を速やかに上昇させることが可能となる。
一方、図3に示すように、ECU310からの制御指令(開指令)に応答した排気制御弁160の開弁時には、エンジン100からの排気ガスは、図2に示した熱回収経路156をバイパスするバイパス経路158を通流して排出される。このとき、排気ガスと冷却水との間の熱交換はほとんど行なわれないので、図2に示したような排気ガスからの熱回収が停止される。
図4には、ECU310による排気制御弁160の開閉制御を説明するフローチャートが示される。たとえば、図4に示したフローチャートに従った制御演算処理を実行するための所定プログラムがECU310に予め記憶されて、所定周期毎に実行される。
図4を参照して、ECU310は、ステップS100により、水温センサ300の出力を読込むことによって冷却水温Twを検知すると、続いてステップS110により、冷却水温Twを閾値温度Tth♯と比較する。
そして、ECU310は、冷却水温Twが閾値温度Tth♯より高いとき(S110のYES判定時)には、ステップS120により排気制御弁160の開指令(図3)を発生する。一方、冷却水温Twが閾値温度Tth♯以下のとき(S110のNO判定時)には、ステップS130により排気制御弁160の閉指令(図2)を発生する。すなわち、Tw≦Tth♯のときには排気熱回収が実行される一方で、Tw>Tth♯のときには排気熱回収が停止される。
次に、図5および図6を用いて、本発明の実施の形態による内燃機関の冷却装置における排気熱回収の実行および停止の切換を説明する。
図5には、比較のために、特許文献1のようにエンジン出口での冷却水温(エンジン出口水温)Tweに応答して排気制御弁160を開閉制御した場合の波形図が示される。
図5を参照して、エンジン作動開始時点では冷却水温は低いが(冷間状態)、エンジンの作動に伴う発熱および排気熱回収によりエンジン出口水温Tweは上昇する。
しかしながら、アイドル運転時等のエンジン負荷が低下して、ヒータ200等による冷却水からの熱利用量がエンジン発熱量を超える期間では冷却水温が低下する。このため、エンジン負荷の変化に対応してエンジン出口水温Tweは上昇あるいは低下する。特に、冷間時から温間時に至る中間的な温度領域では、このような温度変動が顕著となる。
このため、エンジン出口水温Tweに応じて排気制御弁160を制御する場合には、排気制御弁160のハンチングを回避するために、開閉切換の閾値温度Tth♯を、上述の中間的な温度領域を避けて、比較的低く設定することが必要となる。
このため実質的には、エンジン冷間時における排気熱回収期間Trcが短くなってしまう。すなわち、閾値温度Tth♯をより高温側に設定して排気熱回収期間を確保しようとすれば、排気制御弁160の開閉頻度が多くなり、状況によってはハンチングに至って耐久性に支障をきたす可能性がある。
図6には、図5に示したエンジン出口水温Tweが点線で示されるとともに、水温センサ300が配置される冷却水経路525の冷却水温Twの推移がさらに示される。
サーモスタット220の閉弁時には、冷却水経路515を冷却水が循環する一方で、ウォータポンプ120が駆動されても、冷却水経路525では冷却水は通流が制限されて滞留する。したがって、水温センサ300により検出される冷却水温Twは低いままに維持される。したがって、サーモスタット220の閉弁期間(冷間時)には、ECU310が排気制御弁160を閉弁するように制御して(図2)、排気熱回収器150による排気熱回収が実行される。
一方、ラジエータ210をバイパスする冷却水経路515の冷却水温が、サーモスタット220が開弁する閾値温度Tth以上となると、サーモスタット220の開弁に応答して、冷却水経路525に温められた循環冷却水が通流するようになる。これに応じて、冷却水温Twは急激に上昇するので、ECU310は、排気制御弁160を開弁するように制御する(図3)。これにより、排気熱回収器150での熱回収が停止される。以上のように、サーモスタット220が開弁するまで、すなわちエンジン暖機が完了するまでの期間、熱回収を継続的に実行することが可能となる。
また、一旦サーモスタット220が開弁した後では、ヒータ200に代表される負荷装置での熱利用等によって冷却水温が低下しても、再度サーモスタット220が閉弁することによって、冷却水経路525は再び冷却水循環経路500a,500bからは切離される。このときには、冷却水温Twは、上記熱利用等の影響を受けることがないため、エンジン出口水温Tweと比較して温度変動は小さなものとなる。
このように、冷却水経路525の冷却水温Twは、エンジン出口水温Tweと比較して、冷間時から温間時への移行途中(サーモスタット220の閉弁中)の中間的な温度領域での温度変動、および、サーモスタット220の開弁後の温度変動が小さい。すなわち、冷却水温Twは、エンジン冷間時での温度から、エンジン温間時の温度へ急激に上昇するとともに、上昇後の温度変動も小さく、安定した温度推移を示す。
したがって、冷却水温Twに応じて排気制御弁160を開閉駆動することにより、閾値温度Tth♯を図5と比較して高く設定しても、排気制御弁160にハンチングを発生させることがない。したがって、排気熱回収期間Trcを比較例(図5)よりも確保することが可能となる。
この結果、エンジン負荷に対応した冷却水温の変動に応答して排気制御弁をハンチングさせることなく、エンジン暖機中を通じて排気熱回収を実行できる。これにより、エンジン冷間時に排気熱回収により冷却水温を早期に上昇させることができるので、暖機所要時間を短縮して燃費向上を図ることが可能となる。特に冬季においては、ヒータ200による暖房性能を速やかに発揮させて車室内の快適性を向上させることができる
また、図5に示されるように、排気制御弁160の開閉制御の閾値温度Tth♯を、サーモスタットが開弁する閾値温度Tthよりも低く設定することにより、サーモスタット220の開弁に連動して、排気制御弁160を確実に開弁するように制御して排気熱回収を停止することが可能となる。これにより、冷却水温が排気熱回収によって過度に上昇することを防止できる。
また、図5に示されるように、排気制御弁160の開閉制御の閾値温度Tth♯を、サーモスタットが開弁する閾値温度Tthよりも低く設定することにより、サーモスタット220の開弁に連動して、排気制御弁160を確実に開弁するように制御して排気熱回収を停止することが可能となる。これにより、冷却水温が排気熱回収によって過度に上昇することを防止できる。
なお、本発明の実施の形態における冷媒としては、冷却水を例示したが、冷却媒体は水に限られるものではなく、最適な液体あるいは気体を適宜用いることも可能である。
また、水温センサ300の配置個所は、図1の例示に限定されるものではない。すなわち、サーモスタット220の閉弁時(エンジン冷間時)には循環冷却水の通流が遮断あるいは制限される一方で、サーモスタット220の開弁に伴い循環冷却水(温水)が通流されるような部位、すなわち、図5に示した冷却水温Twと同様に冷却水温が推移する部位であれば、水温センサ300は任意の個所に配設できる。
たとえば、図7に示されるように、サーモスタット220の開弁後にラジエータ210をバイパスする冷却水経路555を形成するためのバイパス配管520を設けて、このバイパス配管520に設けた水温センサ300の出力に応じて、排気制御弁160の開閉制御を行なう構成としてもよい。この場合には、水温センサ300の出力温度は、サーモスタット220の開弁後において、ラジエータ210による水温低下分だけ図6に示した冷却水温Twよりも高温となるが、エンジン作動開始(冷間)〜温間までの期間において、図6に示したような安定的な排気制御弁160の開閉制御を実現できる。
あるいは、図8に示すように、冷却水循環経路500bと、冷却水循環経路500a上の冷却水経路525との間を連結するように補助冷却水配管530を設けて、水温センサ300をこの補助冷却水配管530に設けてもよい。
補助冷却水配管530の冷却水経路535においても、サーモスタット220の閉弁時には、ウォータポンプ120が駆動されても冷却水は通流が制限されて滞留するので、冷却水温は低温のままに維持される一方で、サーモスタット220が閉弁すると温水となった循環冷却水が通流するようになる。すなわち、補助冷却水配管530(冷却水経路535)の冷却水温の推移は、図6に示した冷却水温Twと同様であるので、補助冷却水配管530に水温センサ300を設ける構成としても、図6に示したような安定的な排気制御弁160の開閉制御を実現できる。なお、補助冷却水配管530は、冷却水循環経路500a上のサーモスタット220の閉弁時に冷却水の通流が遮断される部位と、冷却水循環経路500b上の部位との間であれば任意の個所に設けることができる。
また、図9の変形例に示されるように、図1の冷却装置において、冷却水循環経路500aにバイパス配管510が配設されない構成とすることも可能である。また、図7の構成においても同様に、冷却水循環経路500aにバイパス配管510が配設されない構成とすることも可能である。これらの場合には、冷却水循環経路500aの任意の部位に水温センサ300を設けることができる。また、図8の構成において、冷却水循環経路500aにバイパス配管510が配設されない構成とすることも可能であり、この場合には、補助冷却水配管530は、冷却水循環経路500aの任意の部位と、冷却水循環経路500bとの間を連結するように設けることができる。
なお、図10の変形例に示されるように、冷却水循環経路500bにおいて、ヒータ200(負荷装置)が配置される冷媒経路は、排気熱回収器150において熱交換するための冷媒経路をバイパスするように設けることも可能である。図1の冷却装置の他に、図7〜図9の冷却装置においても同様である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 エンジン、110 排気管、120 ウォータポンプ、150 排気熱回収器、152 冷却水路(排気熱回収器)、156 熱回収経路、158 バイパス経路、160 排気制御弁、165 アクチュエータ(排気制御弁)、200 ヒータ、210 ラジエータ、220 サーモスタット、300 水温センサ、310 制御装置(ECU)、500 冷却水配管群、500a,500b 冷却水循環経路、510,520 バイパス配管、505,515,525,535,555 冷却水経路、530 補助冷却水配管、Trc 排気熱回収期間、Tth 閾値温度(サーモスタット開閉)、Tth♯ 閾値温度(排気制御弁開閉)、Tw 冷却水温(温度センサ)、Twe エンジン出口水温。
Claims (7)
- 内燃機関の冷媒を循環させるための冷媒ポンプと、
前記冷媒ポンプの駆動によって第1および第2の冷媒循環経路が並列に形成されるように配設された冷媒配管と、
前記第1の冷媒循環経路内に配置される前記冷媒の放熱機構と、
前記第1の冷媒循環経路内に配置され、配置部位の冷媒温度が所定温度以上となることに応じて開弁する感熱弁とを備え、
前記感熱弁の閉弁時には前記冷媒ポンプの作動に伴って循環する冷媒の通流が制限される一方で、前記感熱弁の開弁時には前記循環する冷媒が通流される部位に配置される温度検出器と、
前記第2の冷媒循環経路内に配置され、前記冷媒の熱量を利用して作動する負荷装置と、
前記内燃機関の排気管に設けられた排気熱回収器と、
前記内燃機関からの排気ガスについて、前記排気熱回収器により前記冷媒との間で熱交換可能に構成された第1の排気経路および該第1の排気経路をバイパスする第2の排気経路の間の流量割合を制御するための排気制御弁と、
前記温度検出器によって検出される冷媒温度に閾値温度を設定して、前記冷媒温度が前記閾値温度以下のときに前記排気ガスが主に前記第1の排気経路を通流する一方で、前記冷媒温度が前記閾値温度より高いときに前記排気ガスが主に前記第2の排気経路を通流するように前記排気制御弁を駆動する制御装置とを備える、内燃機関の冷却装置。 - 前記第1の冷媒循環経路は、
前記感熱弁の閉弁時に形成される前記放熱機構をバイパスするための第1の冷媒経路と、
前記感熱弁の開弁時に形成されて前記放熱機構を通過する第2の冷媒経路とを含み、
前記温度検出器は、前記第2の冷媒経路上に設けられる、請求項1記載の内燃機関の冷却装置。 - 前記第1の冷媒循環経路は、
前記感熱弁の閉弁時に形成される前記放熱機構をバイパスするための第1の冷媒経路と、
前記感熱弁の開弁時に形成されて前記放熱機構を通過する第2の冷媒経路と、
前記感熱弁の開弁時に形成される前記放熱機構をバイパスするための第3の冷媒経路とを含み、
前記温度検出器は、前記第3の冷媒経路上に設けられる、請求項1記載の内燃機関の冷却装置。 - 前記第1の冷媒循環経路は、
前記感熱弁の閉弁時に形成される前記放熱機構をバイパスするための第1の冷媒経路と、
前記感熱弁の開弁時に形成されて前記放熱機構を通過する第2の冷媒経路とを含み、
前記冷却装置は、
前記第2の冷媒循環経路と前記第1の冷媒循環経路中の前記第2の冷媒経路との間を連結し、かつ、前記感熱弁の閉弁時には冷媒の通流が制限される一方で前記感熱弁の開弁時には冷媒が通流するように配設された補助冷媒配管をさらに備え、
前記温度検出器は、前記補助冷却配管に設けられる、請求項1記載の内燃機関の冷却装置。 - 前記第2の冷媒循環経路において、前記負荷装置が配置される冷媒経路は、前記排気熱回収器において熱交換するための冷媒経路をバイパスするように設けられる、請求項1記載の内燃機関の冷却装置。
- 前記負荷装置は、前記冷媒を加熱源とする暖房器を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の冷却装置。
- 前記排気制御弁の開閉を制御する前記閾値温度は、前記感熱弁が開弁するときの冷媒温度よりも低く設定される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の冷却装置。
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JP2007066976A JP2008223726A (ja) | 2007-03-15 | 2007-03-15 | 内燃機関の冷却装置 |
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JP2013170508A (ja) * | 2012-02-21 | 2013-09-02 | Toyota Motor Corp | 車両の冷却装置 |
-
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