JP2008221746A - ハードコートフィルム、ハードコートフィルム積層体、及び画像表示装置 - Google Patents
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【解決手段】 本発明のハードコートフィルムは、透明フィルム2の少なくとも片面に、熱または電離放射線により硬化する樹脂4を主成分とするハードコート層3が設けられており、ハードコート層3は、シランカップリング処理が施された板状ガラス微粒子10を含み、該板状ガラス微粒子10が透明フィルム2の面21に対して略平行に配向した状態で固定されている。
【選択図】 図2
Description
該ハードコートフィルムとして、例えば、透明プラスチックフィルムにハードコート層が設けられたものが知られている。
該ハードコート層は、通常、熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂のようなハードコート樹脂を用いて、透明プラスチックフィルム上に形成された2〜10μm程度の薄い塗膜から構成されている。
しかしながら、上記ハードコート樹脂が、ガラス上に塗布した場合に鉛筆硬度4H以上の塗膜を形成できるものであっても、これを透明プラスチックフィルムに塗工した場合には、塗膜の厚みが十分でないため、透明プラスチックフィルムの影響を受け、形成されたハードコート層の表面硬度は鉛筆硬度3H程度である。このため、透明プラスチックフィルム上に形成されるハードコート層の高硬度化が求められる。
また、ハードコートフィルムの高硬度化を実現するために、ハードコート層の割れや剥がれ、硬化収縮によるカールといった課題を解決する方法として、特許文献1乃至4の提案がなされている。
本発明のハードコートフィルムは、透明フィルムの少なくとも片面に、熱または電離放射線により硬化する樹脂を主成分とするハードコート層が設けられており、ハードコート層は、シランカップリング処理が施された板状ガラス微粒子を含み、該板状ガラス微粒子が透明フィルムの面に対して略平行に配向した状態で固定されていることを特徴とする。
本発明の他の好ましいハードコートフィルムは、上記ハードコート層の厚みが8〜20μmである。
本発明の他の好ましいハードコートフィルムは、上記板状ガラス微粒子のアスペクト比が15以上のものである。
本発明の他の好ましいハードコートフィルムは、上記板状ガラス微粒子が、厚み0.4μm〜2.0μm、最大長さ10μm〜50μmのものである。
本発明の他の好ましいハードコートフィルムは、上記ハードコート層の鉛筆硬度が4H以上である。
本発明の他の好ましいハードコートフィルムは、上記透明フィルムが、偏光子、または偏光子に積層される保護フィルムである。
本発明の好ましいハードコートフィルム積層体は、上記光学フィルムが、偏光子または偏光板である。
また、該ハードコートフィルムを有する積層体は、耐傷性及び取り扱い性に優れ、光学用途として好適である。
(ハードコートフィルムの構造について)
図1(a)は、本発明のハードコート層が透明フィルムの片面に設けられたハードコートフィルムを示す参考斜視図であり、図1(b)は、ハードコート層が透明フィルムの両面に設けられたハードコートフィルムを示す参考斜視図である。
図2は、図1(a)のハードコートフィルムを、一方向(例えば、幅方向)で切断した切断面の拡大図である。
ハードコートフィルム1は、所定形状(例えば、上面視長方形状)に形成されており、ベースフィルムとして、透明フィルム2を有する。ハードコート層3は、複数の板状ガラス微粒子10と、板状ガラス微粒子10を固定するバインダー4と、を含み、ハードコート層3の表面は、略平滑面状に形成されている。
複数の板状ガラス微粒子10は、該板状ガラス微粒子10の上面11が透明フィルム2の面21に対して略平行に配向した状態で、バインダー4によって固定されている。ただし、本発明に於いて、ハードコート層3に含まれる板状ガラス微粒子10の全てが、略平行な状態で固定されているわけではなく、一部の板状ガラス微粒子10が、透明フィルム2の面21に対して僅かに傾いた状態で固定されている場合も含まれる。
また、板状ガラス微粒子10は、複数個が上下に積み重ねっている状態の他、重なっていない状態のものも含まれる。
透明フィルムは、可視光の光線透過率に優れ、透明性に優れるものであれば特に制限なく使用できる。該透明フィルムの可視光に於ける光線透過率は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。ただし、光線透過率は、フィルム厚100μmで、分光光度計(日立製作所製、製品名:U−4100型)で測定されたスペクトルデータを基に視感度補正を行ったY値をいう。
また、透明フィルムのヘイズ値は、好ましくは3%以下、より好ましくは1%以下である。ただし、本発明に於いて、ヘイズ値は、JIS−K7105に準じて測定された値をいう。
具体的には、透明フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のエステル系ポリマー;ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー;カーボネート系ポリマー;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー;ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体等のスチレン系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ないしノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体等のオレフィン系ポリマー;塩化ビニル系ポリマー;ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー;イミド系ポリマー;スルホン系ポリマー;ポリエーテルスルホン系ポリマー;ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフイド系ポリマー;ビニルアルコール系ポリマー;塩化ビニリデン系ポリマー;ビニルブチラール系ポリマー;アリレート系ポリマー;ポリオキシメチレン系ポリマー;エポキシ系ポリマーなどの透明ポリマーを主成分とするプラスチックフィルムが挙げられる。また、これらポリマーのブレンド物を主成分とするプラスチックフィルムを用いることもできる。
透明フィルムの屈折率は、特に制限されず、通常1.30〜1.80程度、好ましくは1.40〜1.70である。
透明フィルムの複屈折は、特に限定されるものではないが、小さいものが好ましい。例えば、該透明フィルムの面内位相差は、面内の主屈折率nx,ny(ただし、nx>ny)と、フィルムの厚みdとにより求められるが(Δnd=(nx−ny)×d)、該面内位相差は100nm以下、好ましくは30nm以下、より好ましくは10nm以下が望ましい。複屈折が大きければ、外光の界面反射と干渉によって反射光が虹色に見えることがあり、表示品位を低下させる虞があるからである。ただし、上記面内位相差は、23℃で、王子計測機器社製の自動複屈折計(製品名:KOBRA−21ADH)で測定された値をいう。
ただし、透明フィルムとして、位相差板が用いられる場合には、その用途に応じて適宜な面内位相差及び/又は厚み方向位相差を有するフィルムが用いられる。
ハードコート層は、透明フィルムの片面または両面に設けられている。
このハードコート層は、上述のように、複数の板状ガラス微粒子の上面が透明フィルムの面に対して略平行な状態で配列されている。該板状ガラス微粒子は、バインダーによって固定されている。
ハードコート層の厚みは、特に限定されず、用いる板状ガラス微粒子によって変化し得るが、通常、5μm〜30μm程度、好ましくは8μm〜20μm程度、より好ましくは10μm〜18μmである。本発明によれば、このように比較的薄層に形成しても、鉛筆硬度4H以上のハードコート層を構成できる。
なお、ハードコート層に含有される板状ガラス微粒子の全てが、上記アスペクト比を満たすものが用いられていることが好ましいが、ハードコート層に含有される板状ガラス微粒子の全量(質量)に対して、上記アスペクト比を満たす板状ガラス微粒子が、8割(質量比)以上用いられていてもよい。
ただし、アスペクト比とは、[板状ガラス微粒子の上面に於ける最大長さL/板状ガラス微粒子の厚みT]で求められる。
板状ガラス微粒子の形状は、特に限定されず、図3に示しすような上面視鱗片状、その他図示しないが、上面視矩形状、三角形状などの上面視多角形状、上面視円形状、上面視楕円状などが例示される。
板状ガラス微粒子の好ましい具体的形態は、上面視鱗片状または上面視円形状(楕円状を含む)であり、その上面の最大長さが10μm〜50μm程度、好ましくは同最大長さが10μm〜30μmであり、その厚みが0.4μm〜3.0μm程度、好ましくは厚みが0.4μm〜2.0μmのものである。
上記シランカップリング処理が施された板状ガラス微粒子を用いることにより、より表面硬度の高いハードコート層を形成することができる。この作用は明確ではないが、板状ガラス微粒子の表面に被覆されたカップリング剤がバインダー樹脂と強固に密着し、その結果、該樹脂と平行配向した板状ガラス微粒子とが一体化したハードコート層を形成できるためと推定される。
添加剤としては、フッ素系又はシリコーン系のレベリング剤、充填剤、分散剤、可塑剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、酸化防止剤、チクソトロピー化剤などが挙げられる。
なお、上記屈折率差は、|固化したバインダーの屈折率−板状ガラス微粒子の屈折率|で求められる。
ハードコートフィルムは、擦傷を防止したい部分に使用できる。代表的には、ハードコートフィルムは、液晶表示装置などの画像表示装置の画面、家電製品などに使用されるタッチパネルなどの表面保護フィルム等の用途として好適である。画像表示装置用途に使用する場合、ハードコートフィルムは、単独で画像表示装置の画面又は画面に組み込まれた光学フィルムに貼付される。また、ハードコートフィルムは、各種光学フィルムに積層することにより、ハードコート積層体の態様で画像表示装置に組み込まれる。
偏光子としては、好ましくは二色性色素で染色された親水性ポリマーフィルムが挙げられる。具体的には、偏光子は、ヨウ素又は二色性染料で染色されたポリビニルアルコール系延伸フィルムが好ましい。かかる二色性色素で染色された親水性ポリマーフィルムからなる偏光子は、通常、フィルムを膨潤させ、膨潤させたフィルムを二色性色素で染色し、該フィルムをホウ酸などの架橋剤で架橋し、延伸処理を施す各工程を行った後、乾燥することにより得ることができる。
画像表示装置は、任意の用途に使用される。その用途は、例えば、パソコンモニター、ノートパソコン、コピー機などのOA機器、携帯電話、時計、デジタルカメラ、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム機などの携帯機器、ビデオカメラ、テレビ、電子レンジなどの家庭用電気機器、バックモニター、カーナビゲーションシステム用モニター、カーオーディオなどの車載用機器、商業店舗用インフオメーション用モニターなどの展示機器、監視用モニターなどの警備機器、介護用モニター、医療用モニターなどの介護・医療機器等である。
本発明のハードコートフィルムは、例えば、透明フィルムの上に、複数の板状ガラス微粒子とバインダーが含有された組成物を塗工し、透明フィルム上に板状ガラス微粒子を略平行に配列させた状態で、バインダーを固化させて、略平行状に配列した板状ガラス微粒子を固定することにより、得ることができる。
塗工用組成物の塗工は、ダイコーター、キャスティング、スピンコートなどの適宜な方式を用いることができる。中でも、連続塗工により、板状ガラス微粒子を透明フィルムの面に対して平行に配向させることができることから、塗工ダイを用いて塗工することが簡便で且つ生産性に優れた方法である。
以下、塗工ダイを用いて塗工用組成物を、透明フィルム上に塗工し、ハードコート層を形成する方法について具体的に説明する。
塗工剤(塗工用組成物)は、上記説明したような、バインダー樹脂に板状ガラス微粒子が含有された組成物を用いることができる。溶液状の塗工剤は、適度な流動性を有するように調製するため、必要に応じて、希釈溶媒を混合してもよい。希釈溶媒としては特に限定されず、例えば、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチルー2−ブタノール、シクロヘキサノール、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン、2−オクタノン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、2一ヘプタノン、3−ペンタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
塗工剤中の板状ガラス微粒子の配合量は、形成されるハードコート層に含まれる板状ガラス微粒子の量を考慮して適宜設定される。通常、塗工剤に於ける板状ガラス微粒子の配合量(塗工剤の板状ガラス微粒子の濃度)は、好ましくは0.5〜50質量%、より好ましくは1〜30質量%である。
図4に、本発明のハードコート層の製造に用いる、ダイコータ装置の一例を示す。ただし、図4に於いて、ロール体、回転ローラ、塗工ダイ、板状ガラス微粒子などの各部材間の相対的な大きさは、実際のものと異なっていることに留意されたい。
このダイコータ装置5は、材料を吐出する塗工ダイ6と、長尺状の透明フィルム9(原反フィルム)を一方向(矢印で示す)に送る回転ローラ7と、を備えている。塗工ダイ6は、その吐出口64の長手方向が回転ローラ7の回転軸方向と平行になるようにして、該吐出口64が回転ローラ7に対向配置されている。なお、透明フィルム9を送る回転ローラは、通常、テンションローラなどを含め、多数本具備されるが、図面では、透明フィルム9を挟んで塗工ダイ6に対向配置されたものだけを示している。この回転ローラ7は、長尺状の透明フィルムの幅よりも幅広の回転自在な筒状体からなる。
吐出口64は、透明フィルム9の幅方向(一方向に直交する方向)に細長く伸びて形成されている。また、マニホールド部65は、透明フィルム9の上面に対して鉛直方向に塗工剤を流すことができるように構成されている。
長尺状の透明フィルム9は、例えば、ロール状に巻き取られたロール体91の態様のものを使用できる。透明フィルム9は、ロール体91から引き出された後、塗工ダイにて塗工処理が行われた後、再度ロール状に巻き取られて再ロール体92とされる。このようなロールからロールに巻き取る方式であれば、ハードコート層を透明フィルムに連続的に形成でき、生産性に優れているので好ましい。
また、10は、塗工剤に分散された板状ガラス微粒子を示す。4は、塗工剤のバインダー(薄墨塗り)を示す。
まず、ダイコータ装置5の上流側に、透明フィルムのロール体91を装填する。
なお、ハードコート層3を形成する前に、透明フィルム9に各種の処理を行っても良い。例えば、二色性色素で染色された偏光子に直接ハードコート層を形成する場合には、ロール状に巻かれたPVA系未延伸フィルムを上流側に装填し、このフィルムに公知の偏光処理(フィルムの膨潤、染色、架橋、延伸、洗浄、乾燥などの各処理)を行った後、そのフィルムの上面に、ダイコータ装置5を用いて、ハードコート層3を形成してもよい。
塗工剤に含有された複数の板状ガラス微粒子10は、その薄板状の形状に起因して、マニホールド部65に於いて、バインダーと共に流れている間に、板状ガラス微粒子10の上面が透明フィルム9の一方向(送出方向)に対して直交方向に配向する。従って、板状ガラス微粒子10は、その上面が透明フィルムの上面に対して直交した状態で、吐出口64から透明フィルム9の上面に吐出される。
そして、透明フィルム9は、一方向に送出されているので、その透明フィルム9の移動によって塗工剤内に剪断力が作用する。その結果、透明フィルム9に対して直交状で吐出された板状ガラス微粒子10は、図示したように、板状ガラス微粒子10の上方側が透明フィルム9の送出方向と反対側に倒れ、更に、透明フィルム9の送出に従って、板状ガラス微粒子10は透明フィルム9の上面に略平行状に配向していく。
上記ハードコート層の製造方法によれば、一方向に送られてくる透明フィルム9に、板状ガラス微粒子10を含む塗工剤を塗工するだけで、板状ガラス微粒子10を略平行状に固定して、ハードコート層を形成することができる。従って、塗工ダイを備える既存の設備を用いて、適宜な透明フィルムにハードコート層を簡易に形成することができる。
なお、「部」及び「%」は、特記しない限り、質量基準である。
(A)紫外線硬化型樹脂A…大日本インキ化学工業製、商品名:GRANDIC PC4 4145。
(B)ビニルシランカップリング処理された板状ガラス微粒子B…日本板硝子社製、商品名:MTG025FXY6013。アスペクト比20。上面視略鱗片状で直径25μm。
(C)ビニルシランカップリング処理が施されていない板状ガラス微粒子C…日本板硝子社製、商品名:MTG025FXY6003。アスペクト比20。上面視略鱗片状で直径25μm。
(D)マイカ微粒子D…日本光研工業社製、商品名:MF−90。アスペクト比20。上面視略鱗片状で直径4μm。
(E)透明フィルムE…厚み40μmのトリアセチルセルロースフィルム(屈折率:1.48)。
ただし、アスペクト比の決定方法は、下記の通りである。微粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を撮り、該微粒子の最長径、及び、最長径に垂直な方向(厚み)の最大長さを測定し、式:[微粒子の最長径/微粒子の厚みの最大長さ]に代入してアスペクト比を求めた。これを10サンプルについて行い、その平均値をアスペクト比とした。
紫外線硬化型樹脂Aを、酢酸ブチルと酢酸エチルの混合溶媒を用いて固形分濃度が50%となるように希釈し、これに、ビニルシランカップリング処理された板状ガラス微粒子Bを前記樹脂固形分100部に対して10部添加して攪拌し、ハードコート形成用の塗工剤を調製した。この塗工剤を、バーコーターを用いて、透明フィルムE上に塗工した。次に、この塗工膜を、100℃で1分間加熱することによって乾燥し、その後、メタルハライドランプにて積算光量300mJ/cm2の紫外線を照射し、樹脂成分を硬化させて、厚み10μmのハードコート層を形成した。
得られたハードコート層の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察したところ、板状ガラス微粒子が、透明フィルムEの表面に対して平行に配向していたことが確認された。以下、実施例2〜4及び比較例1〜4のハードコート層についても同様にして観察したところ、各微粒子は何れも透明フィルムEの表面に対して平行に配向していた。
塗工剤の塗工厚を変えたこと以外は実施例1と同様にして、厚み12μmのハードコート層を形成した。
板状ガラス微粒子Bの添加部数を5部にし、塗工剤の塗工厚を変えたこと以外は実施例1と同様にして、厚み14μmのハードコート層を形成した。
塗工剤の塗工厚を変えたこと以外は実施例1と同様にして、厚み14μmのハードコート層を形成した。
塗工剤の塗工厚を変えたこと以外は実施例1と同様にして、厚み16μmのハードコート層を形成した。
板状ガラス微粒子Bを添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、厚み10μmのハードコート層を形成した。
ビニルシランカップリング処理された板状ガラス微粒子Bに代えて、ビニルシランカップリング処理が施されていない板状ガラス微粒子Cを用いたこと以外は実施例1と同様にして、厚み10μmのハードコート層を形成した。
塗工剤の塗工厚を変えたこと以外は比較例2と同様にして、厚み16μmのハードコート層を形成した。
板状ガラス微粒子Bをマイカ微粒子Dに変更したこと以外は実施例5と同様にして、厚み16μmのハードコート層を形成した。
上記各実施例及び比較例で得られたそれぞれのハードコートフィルムを、厚み約20μmの粘着剤を介して、ガラス板上に粘着剤にて貼り付け、JIS K 5400の鉛筆硬度試験に準じて(但し、荷重500g)、鉛筆硬度を測定した。その結果を表1に示す。
上記各実施例及び比較例で得られたそれぞれのハードコートフィルムを、100mm×100mmに切り出し、筒状となったフィルムの直径を測定し、この直径をカール値とした。その結果を表1に併せて示す。
実施例1〜4のハードコート層は、鉛筆硬度「4H」で、カールの発生も抑制できる。一方、比較例2及び3のハードコート層は、鉛筆硬度が低い。実施例1〜4で用いた板状ガラス微粒子がハードコート層の表面硬度を向上させる要因は、その材質に起因するものと言える。また、比較例4のように、実施例1〜4の板状ガラス微粒子と同様の形状のマイカ微粒子を添加した場合には、表面硬度の向上は認められるものの、その効果は、実施例1〜4の板状ガラス微粒子を用いた場合に比して、顕著ではない。
Claims (10)
- 透明フィルムの少なくとも片面に、熱または電離放射線により硬化する樹脂を主成分とするハードコート層が設けられており、
前記ハードコート層は、シランカップリング処理が施された板状ガラス微粒子を含み、該板状ガラス微粒子が透明フィルムの面に対して略平行に配向されていることを特徴とするハードコートフィルム。 - 前記シランカップリング処理に用いられるカップリング剤が、ビニルシランカップリング剤を含む請求項1に記載のハードコートフィルム。
- ハードコート層の厚みが8〜20μmである請求項1または2に記載のハードコートフィルム。
- 前記板状ガラス微粒子のアスペクト比が15以上である請求項1〜3のいずれかに記載のハードコートフィルム。
- 前記板状ガラス微粒子が、厚み0.4μm〜3.0μm、最大長さ10μm〜50μmである請求項1〜4のいずれかに記載のハードコートフィルム。
- 前記ハードコート層の鉛筆硬度が4H以上である請求項1〜5のいずれかに記載のハードコートフィルム。
- 前記透明フィルムが、偏光子、または偏光子に積層される保護フィルムである請求項1〜6のいずれかに記載のハードコートフィルム。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のハードコートフィルムが、光学フィルムの少なくとも片面に積層されているハードコートフィルム積層体。
- 前記光学フィルムが、偏光子または偏光板である請求項8に記載のハードコートフィルム積層体。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のハードコートフィルム、または、請求項8または9に記載のハードコートフィルム積層体を備える画像表示装置。
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