JP2008221746A - ハードコートフィルム、ハードコートフィルム積層体、及び画像表示装置 - Google Patents

ハードコートフィルム、ハードコートフィルム積層体、及び画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、透明フィルムにハードコート層を形成した場合に、フィルムのカールの発生を抑制しつつ良好なハードコート特性が得られる薄型のハードコートフィルムを提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明のハードコートフィルムは、透明フィルム2の少なくとも片面に、熱または電離放射線により硬化する樹脂4を主成分とするハードコート層3が設けられており、ハードコート層3は、シランカップリング処理が施された板状ガラス微粒子10を含み、該板状ガラス微粒子10が透明フィルム2の面21に対して略平行に配向した状態で固定されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、液晶表示装置などに使用されるハードコートフィルム及びハードコートフィルム積層体、並びに画像表示装置に関する。
従来、画像表示装置の画面の傷付きを防止するために、画面にハードコートフィルムが設けられる場合がある。
該ハードコートフィルムとして、例えば、透明プラスチックフィルムにハードコート層が設けられたものが知られている。
該ハードコート層は、通常、熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂のようなハードコート樹脂を用いて、透明プラスチックフィルム上に形成された2〜10μm程度の薄い塗膜から構成されている。
しかしながら、上記ハードコート樹脂が、ガラス上に塗布した場合に鉛筆硬度4H以上の塗膜を形成できるものであっても、これを透明プラスチックフィルムに塗工した場合には、塗膜の厚みが十分でないため、透明プラスチックフィルムの影響を受け、形成されたハードコート層の表面硬度は鉛筆硬度3H程度である。このため、透明プラスチックフィルム上に形成されるハードコート層の高硬度化が求められる。
ハードコート層の硬度を改善する手段として、単純にハードコート層の厚みを増加させることが考えられるが、この手段では、ハードコート層の割れや剥がれが生じやすくなると同時に、ハードコート層の硬化収縮によるカールが大きくなり実用上使用することができない。
また、ハードコートフィルムの高硬度化を実現するために、ハードコート層の割れや剥がれ、硬化収縮によるカールといった課題を解決する方法として、特許文献1乃至4の提案がなされている。
特許文献1には、透明プラスチックフィルムの少なくとも片面に紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂を含む組成物から成る硬化塗膜層を形成した偏光板用保護フィルムが開示され、該紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを用いることが開示されている。しかしながら、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを主成分とする樹脂は、プラスチックフィルム上に厚み10μm以上の塗膜を形成することにより鉛筆硬度4H以上の硬度を確保することは可能であるが、硬化収縮によるカールを同時に抑制することが困難である。
特許文献2には、プラスチックフィルムの少なくとも一方の面に、厚み3〜50μmの1層もしくは多層からなる緩衝層を設け、該緩衝層上に厚み3〜15μmのハードコート層を形成してなるハードコートフィルムであって、プラスチックフィルム、緩衝層及びハードコート層の各々の鉛筆硬度は、この順序で増大した値を有し、全体としての鉛筆硬度4Hから8Hを有するハードコートフィルムが開示されている。しかしながら、このように二層構成にすると、生産性が悪く、又、コストアップとなる。
特許文献3には、基材上に第1ハードコート層として無機質或いは有機質の内部架橋超微粒子を含有する硬化樹脂層を設けた後、更に第2ハードコート層として無機質或いは有機質に内部架橋粒子を含有しないクリア硬化樹脂の薄膜を設けてなる硬化樹脂被膜層を設けたハードコートフィルムが開示されている。しかしながら、このハードコートフィルムも二層構成であるため、上記特許文献2と同様に生産性が悪いなどの問題点がある。
特許文献4には、透明基材の少なくとも一方の面に、少なくとも1層のハードコート層が形成されているハードコートフィルムであって、ハードコート層形成材料がポリエステルアクリレート又はウレタンアクリレート樹脂100重量部当たり無機微粒子を20〜80重量部含有し、且つハードコート層全体の厚みが10μm〜50μmであり、且つ表面の鉛筆硬度が4H以上であるハードコートフィルムが開示されている。しかしながら、透明基材上に10μm以上の厚みでハードコート層を形成した場合、ハードコート形成材料が無機微粒子を含有したポリエステルアクリレート又はウレタンアクリレートでは、十分な硬度の確保と硬化収縮によるカールの抑制のバランスをとることが困難である。
特開平9−113728 特開平11−300873 特開2000−52472 特開2000−112379
本発明は、透明フィルムにハードコート層を形成した場合に、フィルムのカールの発生を抑制しつつ良好なハードコート特性が得られる薄型のハードコートフィルムを提供することを目的とする。また、該ハードコートフィルムを有する積層体及び画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究した結果、ガラス微粒子として板状のものを用い、且つこれを透明フィルムに略平行に配向させることで、上記目的を達成できることを見出した。
本発明のハードコートフィルムは、透明フィルムの少なくとも片面に、熱または電離放射線により硬化する樹脂を主成分とするハードコート層が設けられており、ハードコート層は、シランカップリング処理が施された板状ガラス微粒子を含み、該板状ガラス微粒子が透明フィルムの面に対して略平行に配向した状態で固定されていることを特徴とする。
上記ハードコートフィルムは、樹脂との密着性に優れたシランカップリング処理の施された板状ガラス微粒子を含んでいるので、ハードコート層を高硬度(例えば鉛筆硬度4H以上)に形成することができる。さらに、該板状ガラス微粒子は、透明フィルムの面に対して平行に配向した状態で固定されているので、樹脂の硬化収縮を抑制でき、フィルムのカールを効果的に抑制することができる。
本発明の好ましいハードコートフィルムは、上記シランカップリング処理に用いられるカップリング剤が、ビニルシランカップリング剤を含むものである。
本発明の他の好ましいハードコートフィルムは、上記ハードコート層の厚みが8〜20μmである。
本発明の他の好ましいハードコートフィルムは、上記板状ガラス微粒子のアスペクト比が15以上のものである。
本発明の他の好ましいハードコートフィルムは、上記板状ガラス微粒子が、厚み0.4μm〜2.0μm、最大長さ10μm〜50μmのものである。
本発明の他の好ましいハードコートフィルムは、上記ハードコート層の鉛筆硬度が4H以上である。
本発明の他の好ましいハードコートフィルムは、上記透明フィルムが、偏光子、または偏光子に積層される保護フィルムである。
さらに、本発明のハードコートフィルム積層体は、上記いずれかのハードコートフィルムが、光学フィルムの少なくとも片面に積層されているものである。
本発明の好ましいハードコートフィルム積層体は、上記光学フィルムが、偏光子または偏光板である。
また、本発明の画像表示装置は、上記いずれかのハードコートフィルム、または、上記いずれかのハードコートフィルム積層体を備えている。
本発明のハードコートフィルムは、透明フィルムに略平行に配向した板状ガラス微粒子を有するハードコート層が設けられているので、表面硬度に優れ、カールの発生を抑制することができる。従って、本発明によれば、耐傷性及び取扱い性に優れたハードコートフィルムを提供できる。
また、該ハードコートフィルムを有する積層体は、耐傷性及び取り扱い性に優れ、光学用途として好適である。
<ハードコートフィルム>
(ハードコートフィルムの構造について)
図1(a)は、本発明のハードコート層が透明フィルムの片面に設けられたハードコートフィルムを示す参考斜視図であり、図1(b)は、ハードコート層が透明フィルムの両面に設けられたハードコートフィルムを示す参考斜視図である。
図2は、図1(a)のハードコートフィルムを、一方向(例えば、幅方向)で切断した切断面の拡大図である。
図1及び図2に於いて、1は、ハードコートフィルムを示し、2は、透明フィルムを示し、3は、ハードコート層を示す。
ハードコートフィルム1は、所定形状(例えば、上面視長方形状)に形成されており、ベースフィルムとして、透明フィルム2を有する。ハードコート層3は、複数の板状ガラス微粒子10と、板状ガラス微粒子10を固定するバインダー4と、を含み、ハードコート層3の表面は、略平滑面状に形成されている。
複数の板状ガラス微粒子10は、該板状ガラス微粒子10の上面11が透明フィルム2の面21に対して略平行に配向した状態で、バインダー4によって固定されている。ただし、本発明に於いて、ハードコート層3に含まれる板状ガラス微粒子10の全てが、略平行な状態で固定されているわけではなく、一部の板状ガラス微粒子10が、透明フィルム2の面21に対して僅かに傾いた状態で固定されている場合も含まれる。
また、板状ガラス微粒子10は、複数個が上下に積み重ねっている状態の他、重なっていない状態のものも含まれる。
(透明フィルムについて)
透明フィルムは、可視光の光線透過率に優れ、透明性に優れるものであれば特に制限なく使用できる。該透明フィルムの可視光に於ける光線透過率は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。ただし、光線透過率は、フィルム厚100μmで、分光光度計(日立製作所製、製品名:U−4100型)で測定されたスペクトルデータを基に視感度補正を行ったY値をいう。
また、透明フィルムのヘイズ値は、好ましくは3%以下、より好ましくは1%以下である。ただし、本発明に於いて、ヘイズ値は、JIS−K7105に準じて測定された値をいう。
具体的には、透明フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のエステル系ポリマー;ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー;カーボネート系ポリマー;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー;ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体等のスチレン系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ないしノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体等のオレフィン系ポリマー;塩化ビニル系ポリマー;ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー;イミド系ポリマー;スルホン系ポリマー;ポリエーテルスルホン系ポリマー;ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフイド系ポリマー;ビニルアルコール系ポリマー;塩化ビニリデン系ポリマー;ビニルブチラール系ポリマー;アリレート系ポリマー;ポリオキシメチレン系ポリマー;エポキシ系ポリマーなどの透明ポリマーを主成分とするプラスチックフィルムが挙げられる。また、これらポリマーのブレンド物を主成分とするプラスチックフィルムを用いることもできる。
本発明のハードコートフィルムは、後述するように、偏光子などの各種光学フィルムに積層接着することにより、ハードコート積層体の態様で使用できる。また、上記透明フィルムとして、例えば、偏光子を用いることにより、偏光子に直接ハードコート層が設けれたハードコート偏光板(偏光機能を有するハードコートフィルム)を構成することができる。同様に、上記透明フィルムとして、例えば、位相差板を用いることにより、位相差板に直接ハードコート層が設けれたハードコート位相差板(光学補償機能を有するハードコートフィルム)を構成することができる。また、同様に、上記透明フィルムとして、例えば、保護フィルムを用いることにより、保護フィルムに直接ハードコート層が設けれたハードコート保護フィルム(保護フィルムを兼用するハードコートフィルム)を構成することができる。かかるハードコート保護フィルムは、偏光子の片面又は両面に積層することにより、ハードコート偏光板を構成することができる。この場合、該ハードコート保護フィルムに使用する透明フィルムは、例えば、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、アクリル系ポリマー、環状ないしノルボルネン構造を有するオレフイン系ポリマーなどを主成分とするフィルムを用いることが好ましい。
透明フィルムの厚みは、適宜に決定しうるが、一般には、強度、取り扱い性などの作業性、薄層性などの点から、10μm〜500μm程度である。該厚みは、好ましくは20μm〜300μmであり、より好ましくは30μm〜200μmである。
透明フィルムの屈折率は、特に制限されず、通常1.30〜1.80程度、好ましくは1.40〜1.70である。
透明フィルムの複屈折は、特に限定されるものではないが、小さいものが好ましい。例えば、該透明フィルムの面内位相差は、面内の主屈折率nx,ny(ただし、nx>ny)と、フィルムの厚みdとにより求められるが(Δnd=(nx−ny)×d)、該面内位相差は100nm以下、好ましくは30nm以下、より好ましくは10nm以下が望ましい。複屈折が大きければ、外光の界面反射と干渉によって反射光が虹色に見えることがあり、表示品位を低下させる虞があるからである。ただし、上記面内位相差は、23℃で、王子計測機器社製の自動複屈折計(製品名:KOBRA−21ADH)で測定された値をいう。
ただし、透明フィルムとして、位相差板が用いられる場合には、その用途に応じて適宜な面内位相差及び/又は厚み方向位相差を有するフィルムが用いられる。
(ハードコート層について)
ハードコート層は、透明フィルムの片面または両面に設けられている。
このハードコート層は、上述のように、複数の板状ガラス微粒子の上面が透明フィルムの面に対して略平行な状態で配列されている。該板状ガラス微粒子は、バインダーによって固定されている。
ハードコート層の厚みは、特に限定されず、用いる板状ガラス微粒子によって変化し得るが、通常、5μm〜30μm程度、好ましくは8μm〜20μm程度、より好ましくは10μm〜18μmである。本発明によれば、このように比較的薄層に形成しても、鉛筆硬度4H以上のハードコート層を構成できる。
図3に、板状ガラス微粒子の一例(上面視鱗片状の板状ガラス微粒子)を示す。図中、10は、板状ガラス微粒子を示し、11は、板状ガラス微粒子10の上面を示し、12は、板状ガラス微粒子10の下面を示し、13は、板状ガラス微粒子10の側面を示し、Lは、板状ガラス微粒子10の上面11の最大長さを示し、Tは、板状ガラス微粒子10の厚みを示し、Wは、最大長さLの方向に直交する方向に於ける板状ガラス微粒子10の上面11の幅長さを示す。
本発明に於いて、板状ガラス微粒子は、ガラスを板状に形成した微粒子である。該板状ガラス微粒子は、側面(厚み面)の面積よりも上面の面積が広い形状を有するガラス微粒子であれば特に限定されず、適宜なものを用いることができる。好ましくは板状ガラス微粒子は、アスペクト比15以上のものが用いられ、好ましくはアスペクト比20以上のものである。なお、板状ガラス微粒子のアスペクト比の上限は、板状ガラス微粒子の形状安定性の点から、アスペクト比40以下、好ましくはアスペクト比30以下である。かかるアスペクト比の板状ガラス微粒子を用いることにより、板状ガラス微粒子を透明フィルム上に略平行状に並べて配列させることができる。よって、ハードコート層の表面硬度を高めることができ、且つフィルムがカールすることを抑制できる。
なお、ハードコート層に含有される板状ガラス微粒子の全てが、上記アスペクト比を満たすものが用いられていることが好ましいが、ハードコート層に含有される板状ガラス微粒子の全量(質量)に対して、上記アスペクト比を満たす板状ガラス微粒子が、8割(質量比)以上用いられていてもよい。
ただし、アスペクト比とは、[板状ガラス微粒子の上面に於ける最大長さL/板状ガラス微粒子の厚みT]で求められる。
さらに、板状ガラス微粒子の上面に於ける最大長さL:幅長さWは、好ましくは5:1〜1:1であり、より好ましくは3:1〜1:1である。板状ガラス微粒子の上面形状が、余りに細長いと、板状ガラス微粒子が略平行に配向しない虞があるからである。
また、上記板状ガラス微粒子は、その上面が平面(平坦状)であるものが好ましく、さらに、その上面及び下面が平面であるものがより好ましく、特に、その上面及び下面が互いに平行な平面であるものがより好ましい。
板状ガラス微粒子の形状は、特に限定されず、図3に示しすような上面視鱗片状、その他図示しないが、上面視矩形状、三角形状などの上面視多角形状、上面視円形状、上面視楕円状などが例示される。
板状ガラス微粒子の好ましい具体的形態は、上面視鱗片状または上面視円形状(楕円状を含む)であり、その上面の最大長さが10μm〜50μm程度、好ましくは同最大長さが10μm〜30μmであり、その厚みが0.4μm〜3.0μm程度、好ましくは厚みが0.4μm〜2.0μmのものである。
板状ガラス微粒子は、その表面がシランカップリング処理が施されているものが用いられる。シランカップリング処理に用いるシランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビニルシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤、エポキシシランカップリング剤、アクリルシランカップリング剤などを用いることができる。特に好ましくはビニルシランカップリング剤である。ビニルシランカップリング剤は、官能基としてのビニル基を有し、例えば、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどが挙げられる。
上記シランカップリング処理が施された板状ガラス微粒子を用いることにより、より表面硬度の高いハードコート層を形成することができる。この作用は明確ではないが、板状ガラス微粒子の表面に被覆されたカップリング剤がバインダー樹脂と強固に密着し、その結果、該樹脂と平行配向した板状ガラス微粒子とが一体化したハードコート層を形成できるためと推定される。
板状ガラス微粒子を固定するバインダーとしては、板状ガラス微粒子を分散させ且つ平行に固定でき、ハードコート層形成後の皮膜として十分な強度を持ち、透明性のあるものを特に制限なく使用できる。該バインダーとしては、例えば、熱により硬化する樹脂、または電離放射線により硬化する樹脂があげられる。加工速度の速さ、透明フィルムに熱損傷を与え難いなどの点から、電離放射線硬化型樹脂を用いることが好ましい。
熱により硬化する樹脂としては、アクリル、ポリカーボネート、ポリスチレン等の公知のポリマーを使用でき、適当な溶媒に溶解させて使用できる。該樹脂は、熱によって溶媒を揮発させることにより硬化するものが含まれる。
電離放射線硬化型樹脂としては、通常、紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂などを使用できる。電離放射線硬化型樹脂としては、分子中に(メタ)アクリロイル基(「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル又はメタアクリロイルの意味で用い、以下(メタ)は同様の意味である)、(メタ)アクリロイルオキシ基等の重合性不飽和結合基、又はエポキシ基等を有するプレポリマー及びオリゴマー、さらに、必要に応じてモノマーを適宜混合した組成物が例示される。これらプレポリマー及びオリゴマーの具体例としては、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等のアクリレート、シロキサン等の珪素樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ等が挙げられる。モノマーの具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、分子中に2個以上のチオール基を有するポリオール化合物などが挙げられる。
電離放射線硬化型樹脂には、従来公知の光重合開始剤が添加される。該光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、キサントン、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、その他のチオキサント系化合物等が例示される。
ハードコート層は、上記バインダーと板状ガラス微粒子を含む組成物で形成されているが、該組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、各種添加剤を配合してもよい。
添加剤としては、フッ素系又はシリコーン系のレベリング剤、充填剤、分散剤、可塑剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、酸化防止剤、チクソトロピー化剤などが挙げられる。
ハードコート層に於ける板状ガラス微粒子の含有量は、好ましくは1〜50質量%であり、より好ましくは5〜30質量%であり、特に好ましくは5〜15質量%である。板状ガラス微粒子の量が余りに少ないと、十分な硬度及びカール抑制効果が得られず、余りに多いと、相対的にバインダー量が減るため、板状ガラス微粒子が剥離したり、塗工剤の状態(溶液状)に於いて板状ガラス微粒子の分散性が低下するためである。
バインダーと板状ガラス微粒子は、屈折率が出来るだけ近いものが好ましく、具体的には、バインダーと板状ガラス微粒子の屈折率差が0.05未満であるものが好ましい。該屈折率差が、0.05以上の場合には、板状ガラス微粒子とバインダーの界面に生じる光の散乱が強くなり過ぎて、画像表示がぼやける虞があるからである。
なお、上記屈折率差は、|固化したバインダーの屈折率−板状ガラス微粒子の屈折率|で求められる。
<ハードコートフィルムの用途>
ハードコートフィルムは、擦傷を防止したい部分に使用できる。代表的には、ハードコートフィルムは、液晶表示装置などの画像表示装置の画面、家電製品などに使用されるタッチパネルなどの表面保護フィルム等の用途として好適である。画像表示装置用途に使用する場合、ハードコートフィルムは、単独で画像表示装置の画面又は画面に組み込まれた光学フィルムに貼付される。また、ハードコートフィルムは、各種光学フィルムに積層することにより、ハードコート積層体の態様で画像表示装置に組み込まれる。
ハードコートフィルムを積層する光学フィルムとしては、偏光子、位相差板、輝度向上フィルム及びこれらの積層体;偏光子に保護フィルムが積層された偏光板;偏光子に保護フィルム及び位相差板が積層された楕円偏光板などが挙げられる。偏光子、位相差板、輝度向上フィルム、偏光板などは、従来公知のものを使用できる。
偏光子としては、好ましくは二色性色素で染色された親水性ポリマーフィルムが挙げられる。具体的には、偏光子は、ヨウ素又は二色性染料で染色されたポリビニルアルコール系延伸フィルムが好ましい。かかる二色性色素で染色された親水性ポリマーフィルムからなる偏光子は、通常、フィルムを膨潤させ、膨潤させたフィルムを二色性色素で染色し、該フィルムをホウ酸などの架橋剤で架橋し、延伸処理を施す各工程を行った後、乾燥することにより得ることができる。
ハードコートフィルムと光学フィルムとは、例えば、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、エステル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、ゴム系ポリマーなどのベースポリマーとする公知の粘着剤または接着剤を用いて積層接着することができる。
画像表示装置としては、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、有機ELディスプレイ(ELD)、ブラウン管テレビなどが挙げられる。
画像表示装置は、任意の用途に使用される。その用途は、例えば、パソコンモニター、ノートパソコン、コピー機などのOA機器、携帯電話、時計、デジタルカメラ、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム機などの携帯機器、ビデオカメラ、テレビ、電子レンジなどの家庭用電気機器、バックモニター、カーナビゲーションシステム用モニター、カーオーディオなどの車載用機器、商業店舗用インフオメーション用モニターなどの展示機器、監視用モニターなどの警備機器、介護用モニター、医療用モニターなどの介護・医療機器等である。
<ハードコート層の製造方法>
本発明のハードコートフィルムは、例えば、透明フィルムの上に、複数の板状ガラス微粒子とバインダーが含有された組成物を塗工し、透明フィルム上に板状ガラス微粒子を略平行に配列させた状態で、バインダーを固化させて、略平行状に配列した板状ガラス微粒子を固定することにより、得ることができる。
塗工用組成物の塗工は、ダイコーター、キャスティング、スピンコートなどの適宜な方式を用いることができる。中でも、連続塗工により、板状ガラス微粒子を透明フィルムの面に対して平行に配向させることができることから、塗工ダイを用いて塗工することが簡便で且つ生産性に優れた方法である。
以下、塗工ダイを用いて塗工用組成物を、透明フィルム上に塗工し、ハードコート層を形成する方法について具体的に説明する。
(塗工剤について)
塗工剤(塗工用組成物)は、上記説明したような、バインダー樹脂に板状ガラス微粒子が含有された組成物を用いることができる。溶液状の塗工剤は、適度な流動性を有するように調製するため、必要に応じて、希釈溶媒を混合してもよい。希釈溶媒としては特に限定されず、例えば、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチルー2−ブタノール、シクロヘキサノール、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン、2−オクタノン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、2一ヘプタノン、3−ペンタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記塗工剤は、塗工時に板状ガラス微粒子が一方向に配向するように、適宜な粘度に調製される。塗工剤の粘度(25℃)は、好ましくは1〜700MPa・sであり、より好ましくは5〜500MPa・sである。ただし、該粘度は、ハーケ社製のレオメーターRS−1で測定されたものをいう。
塗工剤中の板状ガラス微粒子の配合量は、形成されるハードコート層に含まれる板状ガラス微粒子の量を考慮して適宜設定される。通常、塗工剤に於ける板状ガラス微粒子の配合量(塗工剤の板状ガラス微粒子の濃度)は、好ましくは0.5〜50質量%、より好ましくは1〜30質量%である。
(塗工処理について)
図4に、本発明のハードコート層の製造に用いる、ダイコータ装置の一例を示す。ただし、図4に於いて、ロール体、回転ローラ、塗工ダイ、板状ガラス微粒子などの各部材間の相対的な大きさは、実際のものと異なっていることに留意されたい。
このダイコータ装置5は、材料を吐出する塗工ダイ6と、長尺状の透明フィルム9(原反フィルム)を一方向(矢印で示す)に送る回転ローラ7と、を備えている。塗工ダイ6は、その吐出口64の長手方向が回転ローラ7の回転軸方向と平行になるようにして、該吐出口64が回転ローラ7に対向配置されている。なお、透明フィルム9を送る回転ローラは、通常、テンションローラなどを含め、多数本具備されるが、図面では、透明フィルム9を挟んで塗工ダイ6に対向配置されたものだけを示している。この回転ローラ7は、長尺状の透明フィルムの幅よりも幅広の回転自在な筒状体からなる。
塗工ダイ6は、第1リップ体61と、第2リップ体62と、両リップ体61,62の間に介装されたシム63と、両リップ体61,62の先端部に開口された吐出口64と、ダイ内部に形成され且つ吐出口64に連通するマニホールド部65と、マニホールド部65に連通する供給路66と、を有する。
吐出口64は、透明フィルム9の幅方向(一方向に直交する方向)に細長く伸びて形成されている。また、マニホールド部65は、透明フィルム9の上面に対して鉛直方向に塗工剤を流すことができるように構成されている。
長尺状の透明フィルム9は、例えば、ロール状に巻き取られたロール体91の態様のものを使用できる。透明フィルム9は、ロール体91から引き出された後、塗工ダイにて塗工処理が行われた後、再度ロール状に巻き取られて再ロール体92とされる。このようなロールからロールに巻き取る方式であれば、ハードコート層を透明フィルムに連続的に形成でき、生産性に優れているので好ましい。
なお、8は、樹脂を硬化させるための固化ゾーンを示し、塗工剤に含まれるバインダー(樹脂成分)の硬化特性に応じて適宜なものが設けられる。該固化ゾーン8としては、樹脂の硬化特性に応じて、例えば、紫外線などの電離放射線照射装置、溶剤回収装置、加熱装置などが具備される。
また、10は、塗工剤に分散された板状ガラス微粒子を示す。4は、塗工剤のバインダー(薄墨塗り)を示す。
上記ダイコータ装置を用いたハードコート層の作製手順について、図4を参照しつつ説明する。
まず、ダイコータ装置5の上流側に、透明フィルムのロール体91を装填する。
なお、ハードコート層3を形成する前に、透明フィルム9に各種の処理を行っても良い。例えば、二色性色素で染色された偏光子に直接ハードコート層を形成する場合には、ロール状に巻かれたPVA系未延伸フィルムを上流側に装填し、このフィルムに公知の偏光処理(フィルムの膨潤、染色、架橋、延伸、洗浄、乾燥などの各処理)を行った後、そのフィルムの上面に、ダイコータ装置5を用いて、ハードコート層3を形成してもよい。
ダイコータ装置5の上流側に装填された透明フィルム9は、ロール体91から引き出され、一方向に随時送られる。送られてくる透明フィルム9の上面に、塗工ダイ6の吐出口64から、塗工剤を吐出する。塗工ダイ6に於いて、塗工剤は、供給路66から供給され、マニホールド部65を通じて吐出口64から流れ出る。
塗工剤に含有された複数の板状ガラス微粒子10は、その薄板状の形状に起因して、マニホールド部65に於いて、バインダーと共に流れている間に、板状ガラス微粒子10の上面が透明フィルム9の一方向(送出方向)に対して直交方向に配向する。従って、板状ガラス微粒子10は、その上面が透明フィルムの上面に対して直交した状態で、吐出口64から透明フィルム9の上面に吐出される。
そして、透明フィルム9は、一方向に送出されているので、その透明フィルム9の移動によって塗工剤内に剪断力が作用する。その結果、透明フィルム9に対して直交状で吐出された板状ガラス微粒子10は、図示したように、板状ガラス微粒子10の上方側が透明フィルム9の送出方向と反対側に倒れ、更に、透明フィルム9の送出に従って、板状ガラス微粒子10は透明フィルム9の上面に略平行状に配向していく。
塗工後、固化ゾーン8で、塗工剤のバインダーを硬化させることにより、板状ガラス微粒子10は略平行に配列した状態で固定化される。バインダーが、電離放射線硬化型樹脂の場合には、固化ゾーン8に於ける電離放射線照射装置としては、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、窒素レーザー、電子線加速装置、放射性元素などの線源が使用される。エネルギー線源の照射量は、樹脂成分や光重合開始剤の種類などに応じて適宜設定されるが、例えば、紫外線波長365nmでの積算露光量で、50〜5,000mJ/cm程度が例示される。
このようにして、板状ガラス微粒子10を含むハードコート層3が、透明フィルム9の上面に形成される。事後、ハードコート層3の形成された透明フィルム9は、ロール状に再度巻き取られる。
上記ハードコート層の製造方法によれば、一方向に送られてくる透明フィルム9に、板状ガラス微粒子10を含む塗工剤を塗工するだけで、板状ガラス微粒子10を略平行状に固定して、ハードコート層を形成することができる。従って、塗工ダイを備える既存の設備を用いて、適宜な透明フィルムにハードコート層を簡易に形成することができる。
以下、本発明の実施例及び比較例について説明する。ただし、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
なお、「部」及び「%」は、特記しない限り、質量基準である。
[実施例及び比較例で使用した材料]
(A)紫外線硬化型樹脂A…大日本インキ化学工業製、商品名:GRANDIC PC4 4145。
(B)ビニルシランカップリング処理された板状ガラス微粒子B…日本板硝子社製、商品名:MTG025FXY6013。アスペクト比20。上面視略鱗片状で直径25μm。
(C)ビニルシランカップリング処理が施されていない板状ガラス微粒子C…日本板硝子社製、商品名:MTG025FXY6003。アスペクト比20。上面視略鱗片状で直径25μm。
(D)マイカ微粒子D…日本光研工業社製、商品名:MF−90。アスペクト比20。上面視略鱗片状で直径4μm。
(E)透明フィルムE…厚み40μmのトリアセチルセルロースフィルム(屈折率:1.48)。
ただし、アスペクト比の決定方法は、下記の通りである。微粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を撮り、該微粒子の最長径、及び、最長径に垂直な方向(厚み)の最大長さを測定し、式:[微粒子の最長径/微粒子の厚みの最大長さ]に代入してアスペクト比を求めた。これを10サンプルについて行い、その平均値をアスペクト比とした。
[実施例1]
紫外線硬化型樹脂Aを、酢酸ブチルと酢酸エチルの混合溶媒を用いて固形分濃度が50%となるように希釈し、これに、ビニルシランカップリング処理された板状ガラス微粒子Bを前記樹脂固形分100部に対して10部添加して攪拌し、ハードコート形成用の塗工剤を調製した。この塗工剤を、バーコーターを用いて、透明フィルムE上に塗工した。次に、この塗工膜を、100℃で1分間加熱することによって乾燥し、その後、メタルハライドランプにて積算光量300mJ/cmの紫外線を照射し、樹脂成分を硬化させて、厚み10μmのハードコート層を形成した。
得られたハードコート層の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察したところ、板状ガラス微粒子が、透明フィルムEの表面に対して平行に配向していたことが確認された。以下、実施例2〜4及び比較例1〜4のハードコート層についても同様にして観察したところ、各微粒子は何れも透明フィルムEの表面に対して平行に配向していた。
[実施例2]
塗工剤の塗工厚を変えたこと以外は実施例1と同様にして、厚み12μmのハードコート層を形成した。
[実施例3]
板状ガラス微粒子Bの添加部数を5部にし、塗工剤の塗工厚を変えたこと以外は実施例1と同様にして、厚み14μmのハードコート層を形成した。
[実施例4]
塗工剤の塗工厚を変えたこと以外は実施例1と同様にして、厚み14μmのハードコート層を形成した。
[実施例5]
塗工剤の塗工厚を変えたこと以外は実施例1と同様にして、厚み16μmのハードコート層を形成した。
[比較例1]
板状ガラス微粒子Bを添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、厚み10μmのハードコート層を形成した。
[比較例2]
ビニルシランカップリング処理された板状ガラス微粒子Bに代えて、ビニルシランカップリング処理が施されていない板状ガラス微粒子Cを用いたこと以外は実施例1と同様にして、厚み10μmのハードコート層を形成した。
[比較例3]
塗工剤の塗工厚を変えたこと以外は比較例2と同様にして、厚み16μmのハードコート層を形成した。
[比較例4]
板状ガラス微粒子Bをマイカ微粒子Dに変更したこと以外は実施例5と同様にして、厚み16μmのハードコート層を形成した。
なお、上記各実施例及び比較例に於けるハードコート層の厚みは、ミツトヨ製のマイクロゲージ式厚み計を用いて測定した。具体的には、透明フィルムにハードコート層が設けられたハードコートフィルムの厚みを測定し、この厚みから透明フィルムの厚みを差し引くことによって、ハードコート層の膜厚を算出した。
[表面硬度試験]
上記各実施例及び比較例で得られたそれぞれのハードコートフィルムを、厚み約20μmの粘着剤を介して、ガラス板上に粘着剤にて貼り付け、JIS K 5400の鉛筆硬度試験に準じて(但し、荷重500g)、鉛筆硬度を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2008221746
[カール性試験]
上記各実施例及び比較例で得られたそれぞれのハードコートフィルムを、100mm×100mmに切り出し、筒状となったフィルムの直径を測定し、この直径をカール値とした。その結果を表1に併せて示す。
[評価]
実施例1〜4のハードコート層は、鉛筆硬度「4H」で、カールの発生も抑制できる。一方、比較例2及び3のハードコート層は、鉛筆硬度が低い。実施例1〜4で用いた板状ガラス微粒子がハードコート層の表面硬度を向上させる要因は、その材質に起因するものと言える。また、比較例4のように、実施例1〜4の板状ガラス微粒子と同様の形状のマイカ微粒子を添加した場合には、表面硬度の向上は認められるものの、その効果は、実施例1〜4の板状ガラス微粒子を用いた場合に比して、顕著ではない。
(a)は、本発明のハードコートフィルムの一実施形態を示す参考斜視図、(b)は、同ハードコートフィルムの他の実施形態を示す参考斜視図。 図1(a)のI−I線で切断した要部断面拡大図。 (a)は、板状ガラス微粒子の一例を示す正面図、(b)は、同側面図。 ハードコート層の製造工程を示す参考側面図。ただし、透明フィルムの中途部を省略し、塗工ダイを断面図で表している。
符号の説明
1…ハードコートフィルム、2…透明フィルム、21…透明フィルムの面、3…ハードコート層、4…バインダー、6…塗工ダイ、9…長尺状の透明フィルム、10…板状ガラス微粒子、11…板状ガラス微粒子の上面、12…板状ガラス微粒子の下面、13…板状ガラス微粒子の側面

Claims (10)

  1. 透明フィルムの少なくとも片面に、熱または電離放射線により硬化する樹脂を主成分とするハードコート層が設けられており、
    前記ハードコート層は、シランカップリング処理が施された板状ガラス微粒子を含み、該板状ガラス微粒子が透明フィルムの面に対して略平行に配向されていることを特徴とするハードコートフィルム。
  2. 前記シランカップリング処理に用いられるカップリング剤が、ビニルシランカップリング剤を含む請求項1に記載のハードコートフィルム。
  3. ハードコート層の厚みが8〜20μmである請求項1または2に記載のハードコートフィルム。
  4. 前記板状ガラス微粒子のアスペクト比が15以上である請求項1〜3のいずれかに記載のハードコートフィルム。
  5. 前記板状ガラス微粒子が、厚み0.4μm〜3.0μm、最大長さ10μm〜50μmである請求項1〜4のいずれかに記載のハードコートフィルム。
  6. 前記ハードコート層の鉛筆硬度が4H以上である請求項1〜5のいずれかに記載のハードコートフィルム。
  7. 前記透明フィルムが、偏光子、または偏光子に積層される保護フィルムである請求項1〜6のいずれかに記載のハードコートフィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のハードコートフィルムが、光学フィルムの少なくとも片面に積層されているハードコートフィルム積層体。
  9. 前記光学フィルムが、偏光子または偏光板である請求項8に記載のハードコートフィルム積層体。
  10. 請求項1〜7のいずれかに記載のハードコートフィルム、または、請求項8または9に記載のハードコートフィルム積層体を備える画像表示装置。
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