JP2008040277A - 偏光板 - Google Patents

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眞紀 吉原
Tetsuya Toyoshima
哲也 豊嶋
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Abstract

【課題】視認性、耐候性、紫外線透過防止効果、及び偏光子と保護層との密着性に優れ、高温高湿下でも偏光度が維持される偏光板を提供する。
【解決手段】紫外線吸収剤と熱可塑性樹脂とからなる中間層1と、該中間層1の一方の面に積層されるガラス転移温度(Tg)100℃以上のアクリル系樹脂からなる表面層2と、該中間層1のもう一方の面に積層されるガラス転移温度(Tg)100℃以上のアクリル系樹脂からなる表面層3とを有する視認側保護層と、偏光子とを、溶剤を含まない活性エネルギー線硬化型接着剤を介して積層されてなる偏光板。
【選択図】なし

Description

本発明は、視認性、耐擦傷性、透明性、低熱膨張性、耐候性、紫外線透過防止効果及び偏光子と保護層との密着性に優れ、高温高湿下でも偏光度が維持される偏光板に関するものである。
液晶表示装置等に用いられる偏光板は、偏光子と保護フィルムとからなる積層体である。この偏光板を構成する偏光子としては、ポリビニルアルコールを溶液流延法により製膜したフィルムにヨウ素又は二色性染料を吸着させ、ホウ酸溶液中で延伸させたフィルムが通常使用されている。
偏光板を構成する保護フィルムとしてトリアセチルセルロース(TAC)フィルムが広く用いられている。しかし、トリアセチルセルロースフィルムは、耐熱性、耐湿性が十分でなく、高温もしくは高湿雰囲気下で長時間使用すると、偏光度が著しく低下したり、偏光子と保護フィルムとが分離したり、TACの加水分解によって透明性が低下したりする。その結果、偏光板の性能が低下し、液晶表示装置(LCD)に用いた場合には画質の低下が起こる。
また、特許文献1にはノルボルネン系樹脂からなる積層フィルムを保護層として偏光子に積層した偏光板が提案されている。この保護フィルムは、中間層の両側に表面層が積層された3層積層体からなり、少なくとも中間層には紫外線吸収剤が配合されており、中間層の紫外線吸収剤濃度が両表面層より高く設定されている。特許文献1によれば、ノルボルネン系樹脂に紫外線吸収性を付与することにより、液晶や偏光子を紫外線から保護でき、一方の層または両側の表面層の紫外線吸収剤濃度を低くすることにより、押出成形時にロール汚れのない成形が可能となる、とされている。
特開2002−249600号公報
ところで、表示装置、特に液晶表示装置は、テレビ、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末、携帯電話機等各種電子機器の情報表示手段として利用されている。表示装置の表面には、予期せぬ機械的外力を受けたり、長時間太陽光の下に晒されたりなどして、様々なストレスが加わることが多い。従来の保護層を積層した偏光板を備える表示装置では、その表示面に使用に伴って多数の傷が付き、視認性、外観性を損なう事態が生じている。
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものである。本発明の課題は、視認性、耐候性、紫外線透過防止効果、及び偏光子と保護層との密着性に優れ、高温高湿下でも高い偏光度を維持できる偏光板を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明者らは、鋭意、実験、検討を重ねたところ、以下の諸点を知見するに至った。
(1)紫外線吸収剤を含む熱可塑性樹脂からなる中間層1の両面に設ける表面層2、3をガラス転移温度(Tg)100℃以上のアクリル系樹脂によって構成した視認側保護層を溶剤を含まない活性エネルギー線硬化型接着剤を介して偏光子に積層させることにより、表面硬度を高め、耐傷性を向上させることができ、さらに透明性及び低熱膨張性を向上させ、高温高湿下でも高い偏光度を維持できることができる。
(2)前記中間層1を構成する熱可塑性樹脂を非晶性樹脂とすることにより、視認側保護層の可撓性を向上できる。
(3)中間層1の熱可塑性樹脂に多くの紫外線吸収剤を含有させ、表面層には含有させないか、含有させても中間層1の含有量より少なくすることにより、紫外線吸収剤が保護フィルムの外に染み出すのを防止することができる。
(4)前記表面層の硬度はアクリル系樹脂を用いることにより向上させることができ、鉛筆硬度1H以上に設定することにより、実際の使用状態での耐傷性を維持することが可能になる。特にポリメチルメタクリレートが好ましい。
(5)視認側保護層は、共押出成形によっても、接着剤を介して積層することによっても、製造することができる。
(6)視認側保護層の外表面に反射防止層(低屈折率層)やハードコート層などの機能層を積層することができ、それによって、液晶表示装置などの保護対象に必要とされる保護特性、光学特性をさらに拡充することができる。
本発明は、前述の知見に基づいてなされたものである。
本第1発明は、紫外線吸収剤と熱可塑性樹脂とからなる中間層1と、該中間層1の一方の面に積層されるガラス転移温度(Tg)100℃以上のアクリル系樹脂からなる表面層2と、該中間層1のもう一方の面に積層されるガラス転移温度(Tg)100℃以上のアクリル系樹脂からなる表面層3とを有する視認側保護層と、
偏光子とが、溶剤を含まない活性エネルギー線硬化型接着剤を介して積層されてなる、
偏光板である。
本第2発明は、第1発明において、前記表面層2および前記表面層3のうち少なくとも一方の表面硬度が1H以上である。
本第3発明は、第1又は第2発明において、視認側保護層が紫外線吸収剤を含む。
本第4発明は、第1〜第3発明の偏光板を備える液晶表示装置である。
本発明の偏光板は、紫外線透過防止効果などの従来からの特性を維持しつつ視認性、耐候性、紫外線透過防止効果、及び偏光子と保護層との密着性に優れ、高温高湿下でも高い偏光度を維持できるので、液晶表示装置に好適である。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明の偏光板は、視認側保護層と、偏光子とが、溶剤を含まない活性エネルギー線硬化型接着剤を介して積層されてなるものである。また、偏光子には視認側保護層が積層された側の反対側に液晶セル側保護層が積層されていてもよい。
(溶剤を含まない活性エネルギー線硬化型接着剤)
本発明において視認側保護層と偏光子との積層の際に用いる接着剤は活性エネルギー線を照射すると硬化し、且つ溶剤を含まない(溶剤フリー)接着剤である。
ここで「溶剤を含まない」とは、被接着物に塗布する際の接着剤に、溶剤をまったく含まないか、もしくは溶剤含有量が接着剤全重量に対して2重量%未満であることをいう。接着剤中の溶剤含有量はガスクロマトグラフィー等によって測定できる。
溶剤としては、n−ヘキサンやシクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;トルエンやキシレンのような芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールのようなアルコール類;アセトン、ブタノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンのようなケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブのようなセロソルブ類;塩化メチレンやクロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類などが挙げられる。
また、本発明に用いる活性エネルギー線硬化型溶剤フリー接着剤は、23℃におけるB型粘度計により測定される粘度が200〜5000mPa・sであると、接着剤の塗布性に優れ好適である。
活性エネルギー線により硬化する溶剤フリー接着剤は、無色透明であれば、特に制限なく公知のものを使用することができる。活性エネルギー線硬化型溶剤フリー接着剤の主成分となる活性エネルギー線硬化性化合物としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基などを官能基に有する化合物などの活性エネルギー線によりラジカル重合を起こして硬化するもの(光ラジカル重合性化合物);エポキシ基、オキセタン基、水酸基、ビニルエーテル基、エピスルフィド基、エチレンイミン基等の官能基を有する化合物などの活性エネルギー線により光カチオン反応を起こして硬化するもの(光カチオン重合性化合物);が挙げられる。
光ラジカル重合性化合物として、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレート;2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートなどのヒドロキシアリールアクリレート;2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸などのアクリル変性カルボン酸;トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレートのようなポリエチレングリコールジアクリレート;ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレートのようなポリプロピレングリコールジアクリレート;その他、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジアクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキサイド変性ジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのような多官能アクリレート;エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ネオペンチルグリコールのアクリル酸安息香酸混合エステルなどその他のアクリレート;これらのメタクリレート体;などが挙げられる。
光カチオン重合性化合物として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂;脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、異節環状型エポキシ樹脂、多官能性エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂などのアルコール型エポキシ樹脂;臭素化エポキシ樹脂などのハロゲン化エポキシ樹脂;ゴム変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、エポキシ基含有ポリエステル樹脂、エポキシ基含有ポリウレタン樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂等のエポキシ基を有する化合物;フェノキシメチルオキセタン、3,3−ビス(メトキシメチル)オキセタン、3,3−ビス(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−{[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、オキセタニルシルセスキオキサン、フェノールノボラックオキセタン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン等のオキセタニル基を有する化合物が挙げられる。
これらの活性エネルギー線硬化性化合物は、それぞれ単独で使用してもよいし、複数を組み合わせて使用してもよい。
活性エネルギー線硬化型接着剤には、前述の活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化反応効率を上げる目的で、重合開始剤を配合することができる。重合開始剤は、使用する活性エネルギー線の種類に合わせて選択される。重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、ベンゾイン系、ベンゾインアルキルエーテル系等の光ラジカル重合開始剤;芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタセロン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等の光カチオン重合開始剤;等が挙げられる。これらは一種単独で若しくは二種以上を組み合わせて用いることができる。
アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエチル)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどが挙げられる。
ベンゾインアルキルエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどが挙げられる。
光カチオン重合開始剤は、イオン性光酸発生型の光カチオン重合開始剤であっても良いし、非イオン性光酸発生型の光カチオン重合開始剤であっても良い。また、上記光カチオン重合開始剤は、上記光カチオン重合性化合物の光カチオン重合を効果的に開始および進行させることができることから、波長350nm以上の光で活性化する光カチオン重合開始剤であることが好ましい。
イオン性光酸発生型の光カチオン重合開始剤は、特に限定されるものではない。例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニウム塩などのオニウム塩類;鉄−アレン錯体、チタノセン錯体、アリールシラノール−アルミニウム錯体などの有機金属錯体類;テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどの嵩高い対アニオンを有する光カチオン重合開始剤等が挙げられる。これらのイオン性光酸発生型の光カチオン重合開始剤は、単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
イオン性光酸発生型の光カチオン重合開始剤の市販品としては、例えば、旭電化工業社製の商品名「アデカオプトマーSP150」、「アデカオプトマーSP170」などの「アデカオプトマー」シリーズや、ゼネラルエレクトロニクス社の商品名「UVE−1014」、サートマー社製の商品名「CD−1012」、ローディア社製の商品名「Photoinitiator 2074」等が挙げられる。
非イオン性光酸発生型の光カチオン重合開始剤は、特に限定されるものではない。例えば、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシイミドホスホナート等が挙げられる。これらの非イオン性光酸発生型の光カチオン重合開始剤は、単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
重合開始剤の配合量は、通常、活性エネルギー線硬化性化合物100重量部に対し、0.5〜10重量部である。
更に活性エネルギー線硬化型接着剤には、光増感剤、帯電防止剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、有機系粒子、無機酸化物粒子、顔料、染料等が配合されていてもよい。
光増感剤を使用することで、反応性が向上し、接着剤硬化物の機械強度や接着強度を向上させることができる。光増感剤は特に限定されるものではないが、例えば、カルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾ化合物、ジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素等が挙げられる。
光増感剤の具体例としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノンのようなベンゾイン誘導体;ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンのようなベンゾフェノン誘導体;2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンのようなチオキサントン誘導体;2−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノンのようなアントラキノン誘導体;N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドンのようなアクリドン誘導体;その他、α,α−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、フルオレノン、キサントン、ウラニル化合物、ハロゲン化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらはそれぞれ単独で使用してもよいし、混合して使用してもよい。光増感剤は、活性エネルギー線硬化性化合物を100重量部とした場合に、0.1〜20重量部の範囲で含有するのが好ましい。
本発明の偏光板は、視認側保護層を上記活性エネルギー線硬化型接着剤を介して偏光子の一面に貼合し、次いで活性エネルギー線を照射することによって接着剤を硬化させ、視認側保護層を偏光子に固定することによって得られる。
偏光子への接着剤の塗工方法に特別な限定はなく、例えば、ドクターブレード、ワイヤーバー、ダイコーター、カンマコーター、グラビアコーターなど、種々の塗工方式が利用できる。
視認側保護層の偏光子への貼合に先立って、貼合面に、ケン化処理、コロナ処理、プライマ処理、アンカーコーティング処理などの易接着処理が施されていてもよい。
本発明においては活性エネルギー線として、通常、光が用いられる。上記光は特に限定されるものではないが、例えば、マイクロ波、赤外線,可視光、紫外線、X線、γ線等が挙げられる。特に取り扱いが簡便であり、比較的高エネルギーを得られることから紫外線が好適に用いられる。
紫外線を照射するために用いる光源は特に限定されず、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプなどが挙げられる。照射強度は、特に限定されないが、重合開始剤の活性化に有効な波長領域の照射強度が0.1〜100mW/cm2であることが好ましい。光照射強度が0.1mW/cm2未満であると、反応時間が長くなりすぎ、100mW/cm2を超えると、ランプからの輻射熱、重合反応熱等により、接着剤が黄変したり、偏光子自体が劣化する惧れがある。光照射時間は、硬化状況に応じて適宜選択されるものであって、特に限定されないが、照射強度と照射時間との積として表される積算光量が10〜5,000mJ/cm2となるように設定されることが好ましい。
(視認側保護層)
本発明に用いられる視認側保護層は、表面層2、中間層1、及び表面層3が積層されたものである。
中間層1は、紫外線吸収剤と熱可塑性樹脂とからなる層である。
表面層2は、該中間層1の一方の面に積層され、ガラス転移温度(Tg)100℃以上のアクリル系樹脂からなる層である。
表面層3は、該中間層1のもう一方の面に積層され、ガラス転移温度(Tg)100℃以上のアクリル系樹脂からなる層である。
表面層2および表面層3に用いられるアクリル系樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が100℃以上のアクリル系樹脂である。アクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)のより好ましい範囲は100℃〜170℃であり、さらに好ましい範囲は100℃〜140℃である。アクリル系樹脂のガラス転移温度が上記範囲よりも小さい場合には所望の表面硬度を実現することができない。
なお、表面層2に用いるアクリル系樹脂と、表面層3に用いるアクリル系樹脂とは、同じ樹脂であってもよいし、異なる樹脂であってもよい。
上記アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする重合体樹脂が好ましく用いられる。この重合体樹脂は、(メタ)アクリル酸エステルのみからなる単独重合体でも共重合体でもよく、また、(メタ)アクリル酸エステルとこれと共重合可能な単量体との共重合体であっても良い。なお、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を意味する。同様に、(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルを意味する。
アクリル系樹脂の主成分として使用する(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜15のアルカノール及びシクロアルカノールから誘導される構造のものが好ましい。より好ましくは、炭素数1〜8のアルカノールから誘導される構造のものである。炭素数が多すぎる場合は、得られる脆質フィルムの破断時の伸びが大きくなりすぎる。
この(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−デシル、アクリル酸n−ドデシル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−デシル、メタクリル酸n−ドデシルなどを挙げることができる。
また、これらの(メタ)アクリル酸エステルは、水酸基、ハロゲン原子等の任意の置換基を有していてもよい。そのような置換基を有する(メタ)アクリル酸エステルの例としては、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸グリシジル等を挙げることができる。これらの(メタ)アクリル酸エステルは、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明に使用するアクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸エステルの含有量が、好ましくは50重量%以上、より好ましくは85重量%以上、特に好ましくは90重量%以上のものである。
(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な単量体には、特に限定はないが、上述した(メタ)アクリル酸エステル以外のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体、さらに、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸単量体、アルケニル芳香族単量体、共役ジエン単量体、非共役ジエン単量体、シアン化ビニル単量体、不飽和カルボン酸アミド単量体、カルボン酸不飽和アルコールエステル、オレフィン単量体などを挙げることができる。
上述した(メタ)アクリル酸エステル以外のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体の具体例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、イタコン酸ジメチルなどを挙げることができる。
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸単量体は、モノカルボン酸、多価カルボン酸、多価カルボン酸の部分エステル及び多価カルボン酸無水物のいずれでもよく、その具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸モノエチル、フマル酸モノn−ブチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸などを挙げることができる。
アルケニル芳香族単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルα−メチルスチレン、ビニルトルエンおよびジビニルベンゼンなどを挙げることができる。
共役ジエン単量体の具体例としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、シクロペンタジエンなどを挙げることができる。非共役ジエン単量体の具体例としては、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネンなどを挙げることができる。
シアン化ビニル単量体の具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリルなどを挙げることができる。
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体の具体例としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどを挙げることができる。
カルボン酸不飽和アルコールエステル単量体の具体例としては、酢酸ビニルなどを挙げることができる。
オレフィン単量体の具体例としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテンなどを挙げることができる。
(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な単量体は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な単量体としては、アルケニル芳香族単量体が好ましく、なかでもスチレンが好ましい。
本発明において使用するアクリル系樹脂において、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な単量体の含有量は、50重量%以下、好ましくは15重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。
本発明において使用するアクリル系樹脂の好ましい具体例としては、メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル/アクリル酸ブチル/スチレン共重合体、メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル共重合体、メタクリル酸メチル/スチレン/アクリル酸ブチル共重合体などを挙げることができる。アクリル系樹脂は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。本発明では、これらのうち、ポリメタクリレート樹脂が好ましく、中でもポリメチルメタクリレート樹脂がより好ましい。
アクリル系樹脂の分子量は、特に限定されないが、通常、重量平均分子量で50,000〜500,000である。分子量がこの範囲内にあると、均質なフィルムを溶融流延法により容易に作ることができる。
本発明において使用するアクリル系樹脂は、引張試験における破断時伸びが10〜180%の範囲内にあるのが好ましく、50〜170%の範囲内にあるのがより好ましい。破断時伸びが上記範囲内にあるときに、脆質フィルムのカス上げ性が良好となる。アクリル系樹脂として2種類以上を併用するときは、混合物の破断時伸びが前記範囲内にあることが好ましい。破断時伸びは、JIS K 7127の規定により、試験片タイプ1B(W10,L100,t0.1mm)、速度5mm/分の条件で求められた値である。
視認側保護層は、表面層2及び3のそれぞれの厚みが、好ましくは10μm以上であり、さらに好ましくは20〜60μmである。各表面層の厚さが上記範囲内にあることにより、表面鉛筆硬度と可撓性とを十分に付与できる。
前記表面層2および表面層3のうちの少なくとも一方の表面硬度は、本発明の目的から鉛筆硬度1H以上であることが好ましい。この鉛筆硬度の調整は、厚みや組成によって行うことができる。
中間層1を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、および脂環式オレフィンポリマーなどが挙げられる。これらのうち非晶性樹脂が好ましい。
脂環式オレフィンポリマーとしては、特開平05−310845号公報や米国特許第5179171号公報に記載されている環状オレフィンランダム多元共重合体;特開平05−97978号公報や米国特許第5202388号公報に記載されている水素添加重合体;特開平11−124429号公報(国際公開99/20676号公報)に記載されている熱可塑性ジシクロペンタジエン系開環重合体及びその水素添加物等が挙げられる。
中間層1を構成する熱可塑性樹脂は、重量平均分子量(Mw)が、通常5,000〜100,000、好ましくは8,000〜80,000、より好ましくは10,000〜50,000である。重量平均分子量がこのような範囲にあるときに、視認側保護層の機械的強度及び成形加工性が高度にバランスされ好適である。
熱可塑性樹脂の分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は特に制限されないが、通常1.0〜10.0、好ましくは1.0〜4.0、より好ましくは1.2〜3.5の範囲である。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、溶媒としてシクロヘキサン(樹脂が溶解しない場合はトルエン)を用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下、「GPC」と略す。)で測定した標準ポリイソプレン換算の値である。
熱可塑性樹脂は、その分子量2,000以下の樹脂成分(すなわち、オリゴマー成分)の含有量が、通常5重量%以下、好ましくは3重量%以下、より好ましくは2重量%以下である。オリゴマー成分の量が多いと積層体を製造する際に、中間層1と表面層2及び3それぞれに微細な凹凸が発生したり、各層において厚さむらが生じたりして面精度が悪くなる可能性がある。
オリゴマー成分の量を低減するためには、重合触媒や水素化触媒の選択;重合反応や水素化反応などの反応条件;樹脂を成形用材料としてペレット化する工程における温度条件;などを最適化すればよい。オリゴマー成分の量は、シクロヘキサン(樹脂が溶解しない場合はトルエン)を用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによって測定することができる。
上記中間層1には紫外線吸収剤が含有されている。紫外線吸収剤は中間層1のみに含有させても良いし、表面層2及び/又は表面層3にも含有させても良い。表面層2及び/又は表面層3にも含有させる場合は、表面層2及び/又は表面層3中の紫外線吸収剤含有量は、中間層1中の含有量よりかなり少なくすることが重要である。
本発明で用いる紫外線吸収剤は、特に限定されない。例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、アクリロニトリル系紫外線吸収剤、トリアジン系化合物、ニッケル錯塩系化合物、無機粉体等の公知のものが挙げられる。これらの中でも、2,2’−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等が好適である。これらの中でも、特に2,2’−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)が好ましい。
上記紫外線吸収剤を含有する中間層1(場合によっては表面層2,3)を形成する方法としては、紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂に配合し、その配合物で形成する方法;紫外線吸収剤を高濃度に含有する熱可塑性樹脂のマスターバッチと、紫外線吸収剤を含有しない熱可塑性樹脂とを用いて形成する方法;中間層1の溶融押出成形時に溶融樹脂に直接供給する方法などが挙げられ、いずれの方法が採用されてもよい。
中間層1に含有される紫外線吸収剤の量は、中間層1を構成する熱可塑性樹脂100重量部に対して0.5〜5重量部が好ましく、1.0〜5重量部がさらに好ましい。紫外線吸収剤の含有量が上記範囲内にあることにより、偏光板の色調を悪化させること無く紫外線を効率的に遮断することができ、長期使用時の偏光度の低下を防ぐことができる。中間層1の紫外線吸収剤の含有量が0.5重量部未満であると、波長370nm及び380nmにおける光線透過率が大きくなり、偏光板の偏光度が低下傾向になる。
また、この中間層1に含有される紫外線吸収剤の濃度ばらつきが全面で0.1%以下であることが望ましい。紫外線吸収剤の濃度のばらつきをこの範囲に抑えると、紫外線による劣化が均一に起こり、液晶表示装置に実装したときの色調ムラが起こりにくくなるからである。中間層1における紫外線吸収剤の濃度のばらつきが全面で0.1%を超えると、色調のムラがはっきりと視認でき、色調不良となる。また、長期使用後には紫外線による劣化が不均一となり、色調不良がさらにひどくなる。
前述の中間層1における紫外線吸収剤の濃度のばらつきは、以下の手順で測定する。
まず、分光光度計により積層体の紫外線透過率を測定する。次に、接触式厚み計により積層体の厚さを測定する。次いで、測定部の断面を光学顕微鏡により観察し、表面層と中間層1の厚さの比を求め、中間層1の厚さを求める。そして、紫外線透過率と厚さから紫外線吸収剤の濃度を下記式(1)から算出する。
C=−log10(0.01T)/K/L (1)
式(1)において、Cは紫外線吸収剤の濃度(重量%)、Tは光線透過率(%)、Kは吸光係数(−)、Lは積層体の厚さ(μm)である。
以上の操作を積層体の縦方向及び横方向で一定間隔毎に行い、これらの測定値の算術平均値をとり、これを平均濃度Caveとする。そして、測定した濃度Cの内最大値をCmax、最小値をCminとして、以下の式から算出する。
濃度のばらつき(%)=(Cave−Cmin)/Cave×100、または
(Cmax−Cave)/Cave×100 のうちの大きい方
前記中間層1における紫外線吸収剤の濃度のばらつきを全面で0.1%以下とするための手段としては、(1)乾燥させた熱可塑性樹脂と、紫外線吸収剤とを混合させる。次いで、その混合物を押出機に接続されたホッパーへ投入し、単軸押出機へ供給して溶融押出する方法;(2)乾燥機付きホッパーに熱可塑性樹脂を投入する。また別の投入口から紫外線吸収剤を投入する。前記熱可塑性樹脂及び紫外線吸収剤をそれぞれフィーダーで計量しながら二軸押出機へ供給して溶融押出する方法;が挙げられる。
中間層1の厚さは10〜40μmであることが好ましい。中間層1の厚さが10μm未満であると、層間の界面が荒れやすく、平坦性、平滑性などの面状態が悪化してしまうおそれがある。一方、中間層1の厚さが40μmを超えると、偏光板保護フィルムとして使用した場合に、偏光板全体が厚くなる。
中間層1の厚さは、市販の接触式厚さ計を用いて、総厚を測定し、厚さ測定部分を切断し断面を光学顕微鏡で観察して、中間層1と表面層との厚さ比を求めて、その比率より中間層1の厚さを計算する。以上の操作を積層体の横方向及び縦方向において一定間隔毎に行う。
中間層1の厚さのばらつきは、全面で1μm以下であることが好ましい。この中間層1の厚さのばらつきが全面で1μm以下であることにより、色調のばらつきが小さくなる。また、長期使用後の色調変化も均一となるため、長期使用後の色調ムラも起こらない。
中間層1の厚さのばらつきは、上記で測定した測定値の算術平均値を基準厚さTaveとし、測定した厚さTの内の最大値をTmax、最小値をTminとして、以下の式から算出する。
厚さのばらつき(μm)=Tave−Tmin、及び
max−Tave のうちの大きい方。
本発明においては、表面層2及び/又は表面層3にも紫外線吸収剤を含有させることもあるが、その場合の含有量は、表面層を構成するアクリル系樹脂100重量部に対して好ましくは0.5重量部以下である。この含有量は、より具体的には、前記中間層1中の紫外線吸収剤の含有量を勘案して、視認側保護層全体として必要な紫外線透過防止性能を確保するように、決定する。
本発明においては、視認側保護層の表面層2及び3並びに中間層1のどの層にも、紫外線吸収剤以外の他の配合剤を含有させてもよい。他の配合剤としては、格別限定はないが、無機微粒子;酸化防止剤、熱安定剤、近赤外線吸収剤等の安定剤;滑剤、可塑剤等の樹脂改質剤;染料や顔料等の着色剤;帯電防止剤等が挙げられる。これらの配合剤は、単独で、あるいは2種以上を組み合せて用いることができ、その配合量は本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択される。
視認側保護層は、波長380nmにおける光線透過率が4%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましい。また、視認側保護層は、波長370nmにおける光線透過率が1%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。更に、視認側保護層は、波長420〜780nmにおける光線透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
視認側保護層の波長380nm又は波長370nmにおける光線透過率が上記範囲を超えると紫外線により偏光子が変化し偏光度が低下する。波長420〜780nmにおける光線透過率が上記範囲未満であると、液晶表示装置などの表示装置に実装したとき、特に長期間使用した場合の輝度が低下する。
上記光線透過率は、JIS K0115に準拠して、分光光度計を用いて測定することができる。
視認側保護層の厚さは、好ましくは、30μm〜100μmである。
視認側保護層を得る方法は特に限定されないが好ましくは、共押出Tダイ法、共押出インフレーション法、共押出ラミネーション法等の共押出成形法;ドライラミネーション等のフィルムラミネーション成形法、及び中間層1を構成するフィルムに対して表面層を構成する樹脂溶液をコーティングするようなコーティング成形法などの公知の方法が適宜利用され得る。中でも、製造効率や、フィルム中に溶剤などの揮発性成分を残留させないという観点から、共押出成形法が好ましい。
共押出成形法の中でも、共押出Tダイ法が好ましい。さらに共押出Tダイ法にはフィードブロック方式、マルチマニホールド方式が挙げられるが、中間層1の厚さのばらつきを少なくできる点でマルチマニホールド方式がさらに好ましい。
視認側保護層を得る方法として、共押出Tダイ法を採用する場合、Tダイを有する押出機における熱可塑性樹脂の溶融温度は、この熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)よりも80〜180℃高い温度にすることが好ましく、より好ましくはガラス転移温度よりも100〜150℃高い温度にする。押出機での溶融温度が過度に低いと、熱可塑性樹脂の流動性が不足するおそれがあり、逆に溶融温度が過度に高いと、樹脂が劣化する可能性がある。
中間層1の厚さのばらつきを全面で1μm以下とするためには、(1)押出機内に目開きが20μm以下のポリマーフィルターを設ける;(2)ギヤポンプを5rpm以上で回転させる;(3)ダイス周りに囲い手段を配置する;(4)エアギャップを200mm以下とする;(5)フィルムを冷却ロール上にキャストする際にエッジピニングを行う;(6)押出機として二軸押出機又はスクリュー形式がダブルフライト型の単軸押出機を用いる;のすべてを行う必要がある。前記(1)〜(6)の1つでも実施しないと、中間層1の厚さのばらつきを全面で±1μm以内にすることは難しい。
押出温度は、使用する熱可塑性樹脂に応じて適宜選択すればよい。押出機内の温度で、樹脂投入口はTg〜(Tg+100)℃、押出し機出口は(Tg+50)〜(Tg+170)℃、ダイス温度は(Tg+50)℃〜(Tg+170)℃とするのが好ましい。ここでTgは押出樹脂のガラス転移温度である。
視認側保護層を得る方法として溶融押出法を用いる場合には、ダイスの開口部から押出されたシート状の溶融樹脂を冷却ドラムに密着させる。溶融樹脂を冷却ドラムに密着させる方法は、特に制限されず、例えば、エアナイフ方式、バキュームボックス方式、静電密着方式などが挙げられる。
冷却ドラムの数は特に制限されないが、通常は2本以上である。また、冷却ドラムの配置方法としては、例えば、直線型、Z型、L型などが挙げられるが特に制限されない。またダイスの開口部から押出された溶融樹脂の冷却ドラムへの通し方も特に制限されない。
本発明においては、冷却ドラムの温度により、押出されたシート状の熱可塑性樹脂の冷却ドラムへの密着具合が変化する。冷却ドラムの温度を上げると密着はよくなるが、温度を上げすぎるとシート状の熱可塑性樹脂が冷却ドラムから剥がれずに、ドラムに巻きつく不具合が発生する恐れがある。そのため、冷却ドラム温度は、好ましくはダイスから押し出す熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTgとすると、(Tg+30)℃以下、さらに好ましくは(Tg−5)℃〜(Tg−45)℃の範囲にする。そうすることにより滑りやキズなどの不具合を防止することができる。
また、視認側保護層の製造方法において、残留溶剤の含有量を少なくすることが重要になるが、そのための手段としては、(1)熱可塑性樹脂自体の残留溶剤を少なくする;(2)フィルムを成形する前に用いる熱可塑性樹脂を予備乾燥する;などの手段が挙げられる。予備乾燥は、例えば原料をペレットなどの形態にして、熱風乾燥機などで行われる。乾燥温度は100℃以上が好ましく、乾燥時間は2時間以上が好ましい。予備乾燥を行うことにより、視認側保護層中の残留溶剤を低減させる事ができ、さらに押し出す熱可塑性樹脂の発泡を防ぐことができる。
視認側保護層を製造する方法として、前述の押出法による以外に接着剤を用いて3枚のフィルムを貼りあわせて製造することも可能である。接着剤としては、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ポリオレフィン系接着剤、変性ポリオレフィン系接着剤、ポリビニルアルキルエーテル系接着剤、ゴム系接着剤、エチレン−酢酸ビニル系接着剤、塩化ビニル−酢酸ビニル系接着剤、SEBS(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体)系接着剤、SIS(スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体)系接着剤、エチレン−スチレン共重合体などのエチレン系接着剤、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体などのアクリル酸エステル系接着剤などが挙げられる。これらの内、硬化後に所定の弾性を維持するものがより好ましく、そのような接着剤としては、SEBS系接着剤、SIS系接着剤、エチレン−酢酸ビニル系接着剤を挙げることができる。
このような弾性を維持する接着剤を用いて中間層1の両側に表面層を積層することにより、視認側保護層の可撓性を向上させることができ、視認側保護層を製品に適する寸法に打ち抜く時の切断特性が良好となる。また、この接着剤層は、視認側保護層に外力が加わった時に生じる応力を緩和する応力緩衝層として作用するので、偏光子の保護特性をより向上させることができる。
この接着層の平均厚みは、通常0.01〜30μm、好ましくは0.1〜15μmである。
本発明の視認側保護層の外表面、すなわちアクリル系樹脂から構成されている表面層2および/または表面層3の表面は、不規則に生じる線状凹部や線状凸部が実質的に形成されず、その表面が平坦な面であることが好ましい。実質的に形成されないとは、仮に、線状凹部や線状凸部が形成されたとしても、深さが50nm未満もしくは幅が500nmより大きい線状凹部、および高さが50nm未満もしくは幅が500nmより大きい線状凸部であることである。より好ましくは、深さが30nm未満、または、幅が700nmの線状凹部であり、高さが30nm未満、または、幅が700nmより大きい線状凸部である。このような構成とすることにより、線状凹部や線状凸部での光の屈折等に基づく、光の干渉や光漏れの発生を防止でき、光学性能を向上できる。なお、不規則に生じるとは、意図しない位置に意図しない寸法、形状等で形成されるということである。
上述した線状凹部の深さや、線状凸部の高さ、及びこれらの幅は、次に述べる方法で求めることができる。視認側保護層に光を照射して、透過光をスクリーンに映し、スクリーン上に現れる光の明又は暗の縞の有る部分(この部分は線状凹部の深さ及び線状凸部の高さが大きい部分である。)を30mm角で切り出す。切り出したフィルム片の表面を三次元表面構造解析顕微鏡(視野領域5mm×7mm)を用いて観察し、これを3次元画像に変換し、この3次元画像からMD方向の断面プロファイルを求める。断面プロファイルは視野領域で1mm間隔で求める。この断面プロファイルに、平均線を引き、この平均線から線状凹部の底までの長さが線状凹部深さ、または平均線から線状凸部の頂までの長さが線状凸部高さとなる。平均線とプロファイルとの交点間の距離が幅となる。これら線状凹部深さ及び線状凸部高さの測定値からそれぞれ最大値を求め、その最大値を示した線状凹部又は線状凸部の幅をそれぞれ求める。以上から求められた線状凹部深さ及び線状凸部高さの最大値、その最大値を示した線状凹部の幅及び線状凸部の幅を、そのフィルムの線状凹部の深さ、線状凸部の高さ及びそれらの幅とする。
さらに本発明の偏光板は、視認側保護層の外表面にハードコート層、反射防止層、防汚層などの機能層が形成されていても良い。
(ハードコート層)
ハードコート層は、JIS K5600−5−4で示す鉛筆硬度試験(試験板はガラス板)で「1H」以上の硬度を示す、熱や光硬化性の材料から形成されることが好ましい。ハードコート層が設けられた保護層の鉛筆硬度は4H以上となることが好ましい。視認側保護層の表面層をアクリル系樹脂で構成すると、ハードコート層によって表面の鉛筆強度を4H以上に調整することが容易になる。
ハードコート層用材料としては、有機シリコーン系、メラミン系、エポキシ系、アクリル系、ウレタンアクリレート系などの有機ハードコート材料;および、二酸化ケイ素などの無機ハードコート材料;などが挙げられる。なかでも、接着力が良好であり、生産性に優れる観点から、ウレタンアクリレート系および多官能アクリレート系ハードコート材料の使用が好ましい。
このハードコート層は、その屈折率nHが、その上に積層する低屈折率層の屈折率nLとの間に、nH≧1.53、及びnH 1/2−0.2<nL<nH 1/2+0.2、の関係を有することが、反射防止機能を発現させるために好ましい。
このハードコート層には、所望により、屈折率の調整、曲げ弾性率の向上、体積収縮率の安定化、耐熱性、帯電防止性、防眩性などの向上を図る目的で、各種フィラーを含有せしめてもよい。さらに、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、レベリング剤、消泡剤などの各種添加剤を配合することもできる。
(反射防止層)
本発明の偏光板を例えばディスプレイの表示画面に用いる場合には、前記ハードコート層の上に、さらに反射防止層が積層されていることが好ましい。反射防止層は、外光の移りこみを防止するための層である。このような反射防止層が積層された偏光板は、入射角5°、430〜700nmにおける反射率が2.0%以下であるとともに、550nmにおける反射率が1.0%以下であることが好ましい。反射防止層の厚みは、0.01μm〜1μmが好ましく、0.02μm〜0.5μmがより好ましい。このような反射防止層としては、例えば、前記ハードコート層よりも屈折率の小さい、好ましくは屈折率が1.30〜1.45である低屈折率層を積層したもの、無機化合物からなる低屈折率層と無機化合物からなる高屈折率層とを繰り返し積層したもの、などを挙げることができる。
低屈折率層を形成する材料は、視認側保護層又はハードコート層よりも屈折率の低いものであれば特に制限されないが、例えば、紫外線硬化型アクリル系樹脂等の樹脂系材料、樹脂中にコロイダルシリカ等の無機微粒子を分散させたハイブリッド系材料、テトラエトキシシラン等の金属アルコキシドを用いたゾル−ゲル系材料等が挙げられる。前記例示した低屈折率層を形成する材料は、重合済みのポリマーであってもよいし、前駆体となるモノマーまたはオリゴマーであってもよい。また、それぞれの材料は、表面に防汚染性を付与するためのフッ素基を含有する化合物を含むことが好ましい。
前記フッ素基を含有するゾル−ゲル系材料としては、パーフルオロアルキルアルコキシシランを例示できる。パーフルオロアルキルアルコキシシランとしては、たとえば、一般式:CF3(CF2nCH2CH2Si(OR)3(式中、Rは、炭素数1〜5個のアルキル基を示し、nは0〜12の整数を示す)で表される化合物が挙げられる。具体的には、たとえば、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシランなどが挙げられる。これらのなかでも前記nが2〜6の化合物が好ましい。
低屈折率層は、熱硬化性含フッ素化合物または電離放射線硬化型のフッ素化合物の硬化物からなることが好ましい。該硬化物の動摩擦係数は、好ましくは0.03〜0.15であり、水に対する接触角は好ましくは90〜120度である。硬化性の含フッ素高分子化合物としてはパーフルオロアルキル基含有シラン化合物(例えば(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラデシル)トリエトキシシラン)等の他、架橋性官能基を有する含フッ素共重合体が挙げられる。
架橋性官能基を有する含フッ素重合体はフッ素含有モノマーと架橋性官能基を有するモノマーとを共重合することによって、又はフッ素含有モノマーと官能基を有するモノマーとを共重合し次いで重合体中の官能基に架橋性官能基を有する化合物を付加させることによって得ることができる。
含フッ素モノマーとしては、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等のフルオロオレフィン類;ビスコート6FM(大阪有機化学製)、M−2020(ダイキン製)等の(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられる。
架橋性官能基を有するモノマー又は架橋性官能基を有する化合物としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのグリシジル基を有するモノマー;アクリル酸、メタクリル酸などのカルボキシル基を有するモノマー;ヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレートなどのヒドロキシル基を有するモノマー;メチロールアクリレート、メチロールメタクリレート;アリルアクリレート、アリルメタクリレートなどのビニル基を有するモノマー;アミノ基を有するモノマー;スルホン酸基を有するモノマー;等を挙げることができる。
低屈折率層を形成するための材料としては、耐傷性を向上できる点で、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、フッ化マグネシウム等の微粒子をアルコール溶媒に分散したゾルが含まれたものを用いることができる。前記微粒子は、反射防止性の観点から、屈折率が低いものほど好ましい。このような微粒子は、空隙を有するものであってもよく、特にシリカ中空微粒子が好ましい。中空微粒子の平均粒径は、5nm〜2,000nmが好ましく、20nm〜100nmがより好ましい。ここで、平均粒径は、透過型電子顕微鏡観察によって求められる数平均粒径である。
低屈折率層の厚さは特に制限されないが、通常0.05〜0.3μm、特に好ましくは0.1〜0.3μmである。
(防汚層)
前記低屈折率層の防汚性を高めるために、前記低屈折率層の上(観察側)にさらに防汚層を設けてもよい。防汚層は、表面に撥水性、撥油性、耐汗性、防汚性などを付与できる層である。防汚層を形成するために用いる材料としては、フッ素含有有機化合物が好適である。フッ素含有有機化合物としては、フルオロカーボン、パーフルオロシラン、又はこれらの高分子化合物などが挙げられる。また、防汚層の形成方法は、形成する材料に応じて、蒸着、スパッタリング等の物理的気相成長法、化学的気相成長法、湿式コーティング法等を用いることができる。防汚層の平均厚みは好ましくは1〜50nm、より好ましくは3〜35nmである。
また、これらの層の他に、防眩層、ガスバリア層、透明帯電防止層、プライマー層、電磁遮蔽層、下塗り層等のその他の層を視認側保護層に設けてもよい。
以上のような機能層を形成する場合には、形成させる面に化学的処理を施すことが好ましい。化学的処理の手段としては、例えば、コロナ放電処理、スパッタ処理、低圧UV照射処理、プラズマ処理などが挙げられる。また、本発明の視認側保護層は、前記化学的処理に加えて、機能層との密着性強化や防眩性付与を目的として、エッチング、サンドブラスト、エンボスロール等による機械的処理が施されていても良い。
これらの機能層の形成方法に格別な限定はなく、各機能層の形成に一般的な方法を採用すればよい。
(偏光子)
本発明に用いる偏光子としては、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素若しくは二色性染料を吸着させ、次いでホウ酸浴中で一軸延伸することによって得られるものや、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素もしくは二色性染料を吸着させ延伸し、さらに分子鎖中のポリビニルアルコール単位の一部をポリビニレン単位に変性することによって得られるものなど、を挙げることができる。また、偏光子として、グリッド偏光子、多層偏光子、コレステリック液晶偏光子などの偏光を反射光と透過光に分離する機能を有する偏光子を用いることもできる。この中でも、ポリビニルアルコールを含んでなる偏光子が好ましい。偏光子の偏光度は、好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上である。偏光子の厚さ(平均厚さ)は、好ましくは5μm〜80μmである。
(液晶セル側保護層)
本発明に用いる液晶セル側保護層は、前述の視認側保護層と同じものであってもよいし、従来から偏光板に用いられている保護層であってもよい。
液晶セル側保護層は、1mm厚における、400〜700nmの可視領域の光線透過率が80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上の材料で形成したものが好適である。
この従来から偏光板に用いられている保護層を構成する樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロースエステル、脂環式オレフィンポリマーなどを挙げることができる。脂環式オレフィンポリマーとしては、特開平05−310845号公報又は米国特許第5179171号公報に記載されている環状オレフィンランダム多元共重合体、特開平05−97978号公報又は米国特許第5202388号公報に記載されている水素添加重合体、特開平11−124429号公報(国際公開99/20676号公報)に記載されている熱可塑性ジシクロペンタジエン開環重合体及びその水素添加物等を挙げることができる。
偏光子に液晶セル側保護層を積層する方法に格別な制限はなく、例えば、液晶セル側保護層となる保護フィルムを必要に応じて接着剤などを介して偏光子と積層する一般的方法を採用することができる。液晶セル側保護層を偏光子に貼合する際の接着剤としては、前述の活性エネルギー線硬化型接着剤を用いてもよいし、従来公知の接着剤であってもよい。
本発明の偏光板は、前述の視認側保護層、偏光子、及び液晶セル側保護層以外に、複屈折性を示すフィルムを液晶セル側保護層側に積層されたものであってもよい。
この場合には、液晶セル側保護層は光学的に等方であることが好ましく、具体的にはReは10nm以下が好ましく、より好ましくは5nm以下である。Rthはその絶対値が10nm以下であることが好ましく、より好ましくは5nm以下である。
なお、面内方向のレターデーションRe、厚さ方向のレターデーションRthは、フィルムの厚さをd(nm)とした際に、Re=(nx−ny)×d、Rth=((nx+ny)/2−nz)×dで示される値である。nx、nyは面内主屈折率(nx≧ny);nzは厚み方向の屈折率;dは平均厚みである。
また液晶セル側保護層として前記のような複屈折性を示すフィルムを用いてもよい。
複屈折性を示すフィルムを液晶セル側保護層として用いた場合、又は複屈折性を示すフィルムを液晶セル側保護層側に積層した場合には、色補償、視野角補償等の光学補償の機能を備え、液晶表示装置の視認性が向上する。
複屈折性を示すフィルムとしては、熱可塑性樹脂を含有するフィルムを延伸したもの、無延伸の熱可塑性樹脂フィルム上に光学異方性層を形成したもの、熱可塑性樹脂を含有するフィルム上に光学異方性層を形成した後、さらに延伸したもの等を挙げることができる。複屈折性を示すフィルムは、単層フィルムであっても、積層フィルムであってもよい。
上述した各層が積層されてなる本発明の偏光板の全光線透過率は、通常25〜50%、好ましくは30〜50%、より好ましくは35〜50%である。
尚、偏光板を構成する視認側保護層の全光線透過率は、好ましくは70〜100%、より好ましくは80〜100%、さらに好ましくは85〜100%、特に好ましくは90〜100%程度である。
全光線透過率は、日本電色工業社製ヘイズメーター「NDH−300A」を用いて測定できる。
本発明の偏光板はJIS K5600−5−4で示す鉛筆硬度試験(試験板はガラス板)で「3H」以上の硬度を示すことが好ましく、「4H」以上の硬度を示すことがより好ましい。
<液晶表示装置>
本発明の偏光板を用いて、本発明の液晶表示装置を製造することができる。液晶表示装置は、通常、光源と、入射側偏光板と、液晶セルと、出射側偏光板とがこの順に、配置されてなるものである。本発明の偏光板は、当該装置の出射側(視認側)に備えられる。なお、本発明の液晶表示装置には、さらに、位相差板、輝度向上フィルム、導光板、光拡散板、光拡散シート、集光シート、反射板などを備えていてもよい。
次に実施例および比較例を示し、本発明をより詳細に説明する。なお、部及び%は特に断りが無い限り質量基準である。
実施例および比較例で得た保護フィルムを下記の方法により評価した。
<各樹脂層の膜厚>
保護フィルムをエポキシ樹脂に包埋し、ミクロトーム(大和工業社製、RUB−2100)を用いてスライスし、走査電子顕微鏡を用いて断面を観察し測定した。
<全光線透過率の測定>
JIS K7361−1997に準拠して、ヘイズメーター(日本電色工業社製、NDH−300A)を用いて測定する。
<波長380nmにおける紫外線透過率>
JIS K0115(吸光光度分析通則)に準拠して、分光光度計(日本分光社製、紫外可視近赤外分光光度計「V−570」)を用いて測定する。
(偏光子の作製)
波長380nmにおける屈折率が1.545、波長780nmにおける屈折率が1.521で、厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルムを、2.5倍に一軸延伸し、ヨウ素0.2g/L及びヨウ化カリウム60g/Lを含む30℃の水溶液中に240秒間浸漬し、次いでホウ酸70g/L及びヨウ化カリウム30g/Lを含む水溶液に浸漬すると同時に6.0倍に一軸延伸して5分間保持した。最後に、室温で24時間乾燥し、平均厚さ30μmで、偏光度99.95%の偏光子Pを得た。
(保護フィルムの作製)
ポリメチルメタクリレート樹脂(ガラス転移温度Tg=110℃;以下「PMMA1」と記すことがある)を、目開き10μmのリーフディスク形状のポリマーフィルターを設置したダブルフライト型一軸押出機に投入し、押出機出口温度260℃で溶融樹脂をダイスリップの表面粗さRaが0.1μmであるマルチマニホールドダイの一方に供給した。
同時に、ポリメチルメタクリレート樹脂(ガラス転移温度Tg=100℃)に紫外線吸収剤を2重量%添加し、この紫外線吸収剤含有ポリメチルメタクリレート樹脂(以下「PMMA2」と記すことがある)を、目開き10μmのリーフディスク形状のポリマーフィルターを設置したダブルフライト型の一軸押出機に導入し、押出機出口温度260℃で溶融樹脂をダイスリップの表面粗さRaが0.1μmであるマルチマニホールドダイの他方に供給した。
そして、溶融状態のポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA1)、紫外線吸収剤入りポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA2)のそれぞれをマルチマニホールドダイから260℃で吐出させ、130℃に温度調整された冷却ロールにキャストし、その後、50℃に温度調整された冷却ロールに通して、PMMA1層(15μm)−PMMA2層(50μm)−PMMA1層(15μm)の3層構成からなる、幅600mm、厚さ80μmの保護フィルムを共押出成形により得た。この保護フィルムの線状凹部の深さまたは線状凸部の高さは、20nm以下であり、かつ幅が800nm以上の範囲であった。
(活性エネルギー線硬化型接着剤1の調製)
末端アクリル変性ポリブタジエン(日本曹達社製、「R−45ACR」)35重量部、イソボロニルアクリレート60重量部、及び1−ヒドロキシ−シクロフェニル−フェニルケトン3重量部を混合して活性エネルギー線硬化型接着剤1を得た。
(活性エネルギー線硬化型接着剤2の調製)
3−エチル−3〔(フェノキシ)メチル〕オキセタン(東亞合成社製「PhOX」)95重量部、ポリブタジエン系エポキシ化合物3重量部、脂環エポキシ化合物(ユニオンカーバイド社製「ERL4206」)3重量部、及びアンチモン系スルフォニウム塩化合物(旭電化工業社製「SP−170」)3重量部を混合して活性エネルギー線硬化型接着剤2を得た。
実施例1
偏光子Pの両面に活性エネルギー線硬化型接着剤1を介して保護フィルムを貼り合わせ、積算光量3000mJ/cm2の紫外線を照射し偏光板1を得た。
実施例2
活性エネルギー線硬化型接着剤1に替えて、活性エネルギー線硬化型接着剤2を用いた以外は実施例1と同様にして偏光板2を得た。
比較例1
偏光子Pの両面にポリビニルアルコール(クラレ社製、「PVA203」)の10%水溶液を滴下し保護フィルムを貼り合わせ、130℃で10分間加熱して偏光板3を得た。
Figure 2008040277
<偏光板の干渉縞観察>
暗幕のような光を通さない黒布の上に、偏光板用保護フィルムを置き、三波長蛍光灯(ナショナル:FL20SS・ENW/18)で照らして、偏光板保護フィルム表面を目視観察し、以下の基準で評価した。
○:干渉縞が見えない
△:干渉縞がうっすらと見える
×:干渉縞が目立つ
<耐候性>
作製した偏光板を、サンシャインウェザーメーター(スガ試験機社製、S−80)を用いて、サンシャインカーボンアーク灯、相対湿度60%の条件にて、200時間露光した。その後、偏光板の色相の変化(ΔYI)を色差計(スガ試験機社製)を用いて測定し、以下の指標で評価した。
○:ΔYIが2未満
×:ΔYIが2以上
(密着性)
JIS−K5600−5−6記載のクロスカット法で接着性を求めた。具体的には100個の升目状の切り傷を、隙間間隔2mmのカッターガイドを用いて付けた。次いで、粘着テープ(ニチバン社製、商品名:CT24)を升目状の切り傷面に貼り付け、消しゴムでこすって完全に付着させた。次いで粘着テープを垂直に引き剥がした。テープ剥離面を目視により観察し、以下の基準にて評価した。
○:カットの縁が滑らかで、剥がれが無い
×:剥がれが見られる
(偏光度変化)
10インチ四方の大きさに切り出した2枚の偏光板を用意し、偏光軸が平行になるように重ね合わせ偏光板の対角線交点における透過率(H0)をJIS Z8701の2度視野(C光源)により、分光光度計を用いて測定した。次に偏光軸が直交するように重ね合わせ偏光板の対角線交点における透過率(H90)を同様にして測定した。この測定値から下記式に基づき偏光度を算出した。
偏光度(%)=[(H0-H90)/(H0+H90)]1/2×100
(H0及びH90は、視感度補正したY値である。)
次いで2枚の偏光板を下記1.〜5.の環境下に順次さらした後、偏光板の対角線交点における偏光度を再度求め、高温高湿下の放置前後での偏光度の変化を求めた。
1.高温環境:80℃、湿度50%、500時間
2.高温高湿度環境その1:温度60℃、湿度90%、500時間
3.高温高湿度環境その2:温度80℃、湿度90%、100時間
4.低温環境:−30℃、湿度10%、500時間
5.耐水環境:温度80℃、湿度90%にて、積層フィルム上にウエットティッシュを載せて30分放置する。
○:偏光度の変化量が0.5%以下
×:偏光度の変化量が0.5%より大きい
(耐湿性)
市販の液晶モニター(IPSモードの20V型液晶モニター)から、液晶セルを挟んでいる偏光板及び視野角補償フィルムのうち、視認側に設置されている、偏光板及び視野角補償フィルムを剥がし取り、実施例及び比較例で得た偏光板1〜3を液晶セルに再貼合した。組みなおした液晶表示装置を、80℃、95%RHの恒温恒湿室に24時間放置し、次いで20℃、40%RHの恒温恒湿室に24時間放置する操作を20回繰り返した。保護層の各層間及び偏光子と保護層との間の積層状態を目視観察し、剥離して白く見える部分が偏光板の端から1mm以上の長さであれば×、1mm未満の長さであれば○として評価した。

Claims (4)

  1. 紫外線吸収剤と熱可塑性樹脂とからなる中間層1、該中間層1の一方の面に積層されるガラス転移温度(Tg)100℃以上のアクリル系樹脂からなる表面層2、及び該中間層1のもう一方の面に積層されるガラス転移温度(Tg)100℃以上のアクリル系樹脂からなる表面層3を有する視認側保護層と、
    偏光子とが、溶剤を含まない活性エネルギー線硬化型接着剤を介して積層されてなる、
    偏光板。
  2. 前記表面層2および前記表面層3のうち少なくとも一方は、その表面硬度が1H以上である請求項1に記載の偏光板。
  3. 視認側保護層は紫外線吸収剤を含む請求項1又は2に記載の偏光板。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の偏光板を備える液晶表示装置。
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