第一の実施の形態を図1ないし図4に基づいて説明する。本実施の形態は、サーバクライアント型の文書管理システムへの適用例を示し、最も単純には、図1に示す接続図のように、サーバ1とクライアント2とを接続することによりシステム構成される。図示例は、ピアツゥピア接続の例であるが、LAN等の通信ネットワークを介してサーバ1とクライアント2とを接続した構成でもよく、また、サーバ1やクライアント2の台数も特に問わないものである。さらには、1台のマシンでサーバとクライアントとの両方の役割を果たすように構成することも可能である。
次に、サーバ1やクライアント2の内部ハードウェア構成の概略について説明する。サーバ1としてはファイルサーバやデータベースサーバ等、クライアント2としてはパーソナルコンピュータ、ワークステーション等を用い得るが、ここでは、基本的に、サーバ1もクライアント2も例えばパーソナルコンピュータ等を利用した同一構造のものであり、例えばクライアント2を例にとり、図2を参照して説明する。
このクライアント2は、CPU,ROM及びRAMからなるマイクロコンピュータ構成の制御部3により各部の動作を制御するもので、この制御部3にはバスライン4を介してメモリ5が接続されている他、キーボード6やマウス7に対する入力制御部8、データ記憶媒体や記憶媒体として機能する主記憶媒体9に対する主記憶制御部10、ディスプレイ11に対する表示制御部12、ネットワーク接続用のネットワーク制御部13が各々接続されている。主記憶媒体9としては、ハードディスク(HDD)やFDやMOが用いられている。制御部3には、文書管理アプリケーション(閲覧用のアプリケーション)がインストールされている。
なお、後述するような各種機能を制御部3に実行させるためのプログラムが格納された記憶媒体としては、ハードディスク(HDD)やFDやMOのみならず、CD−ROM、DVDなどの各種の光ディスク、半導体メモリ等、各種方式のメディアを用いることができる。また、インターネットなどのネットワークを介して何れかのプログラム資源領域からプログラムをダウンロードし、HDDにインストールするようにしてもよい。この場合に、送信側のサーバでプログラムを記憶している記憶装置も、本発明にいう記憶媒体に相当する。なお、プログラムは、所定のOS(Operating System)、例えば、ウインドウズ上で動作するものであってもよいし、その場合に後述の各種処理の一部の実行をOSに肩代わりさせるものであってもよいし所定のアプリケーションソフトやOSなどを構成する一群のプログラムファイルの一部として含まれているものであってもよい。
また、サーバ1の場合には、特に図示しないが、文書管理システムの主要部を構成するために主記憶媒体部分がデータベース構成とされ、各種の文書に関する情報が実データファイルとして格納されている(文書の実データを保存させる手段)。また、図25を参照して説明したように、データベースに保存されている文書についてユーザにより親子の関係で関連付けが指定された文書同士を関連文書としてそのリンク情報をデータベース上で保存する手段も備えている。
このような構成において、この文書管理システム及び文書管理アプリケーションを起動させた場合にサーバ1及びクライアント2の各々の制御部により実行される処理制御例(一部に操作も含む)を図3に示す概略フローチャートを参照して説明する。
まず、クライアント2側において、ユーザがサーバ1から引き出した所望の文書をウインドウズ上のドラッグ&ドロップによりクライアント2にコピー操作することにより処理が開始される(ステップC1)。このコピー操作に伴い、ユーザにより選択指定された文書のデータ(実データファイル)をHDD(主記憶媒体9)にコピーさせる(C2)。このステップC2の処理により文書取得手段又は文書取得機能として実現されている。
このコピー処理に並行して、例えば「関連文書もコピーしますか?」というメッセージボックスをディスプレイ11に表示させ(C3)、ユーザの選択操作を待つ。この選択操作が関連文書もコピーするものでなければ(C4のN)、そのまま、処理を終了する。一方、関連文書もコピーする旨が選択された場合には(C4のY)、サーバ1に対して関連文書の文書データの要求(C5)により、関連文書のリスト作成を要求する。サーバ1側では、この要求を受けて、自己のデータベースに保存されている関連文書のリンク情報を参照して、関連文書のリスト(親子文書の何れについても)を作成し(ステップS1)、作成した関連文書の文書データ(実データファイル)をクライアント2側に送信させる(S2)。このステップS1,S2の処理を含むステップC5の処理がクライアント2側からみた場合の関連文書取得手段又は関連文書取得機能として実現されている。
また、クライアント2側では関連文書の文書データの要求後、HDD(主記憶媒体9)に「関連文書」用のフォルダを作成し(C6)、サーバ1側からの関連文書の文書データの送信(S2)を待つ。サーバ1側からの関連文書の文書データが送信されたら、HDD(主記憶媒体9)に「関連文書」用のフォルダに関連文書のデータ(実データファイル)をコピーさせる(C7)。ステップC6,C7の処理が関連文書保存手段又は関連文書保存機能として実現されている。
このような処理制御例を、クライアント2側での操作手順に従い、図4を参照して説明する。
(a)サーバ1のデータベース上から所望する任意の文書“A”をクライアント2のHDD(主記憶媒体9)にコピーする。
(b)ディスプレイ11に「関連文書もコピーしますか?」というメッセージボックスが表示されるので、そのYes,Noの何れかのボタンを操作する。
(c)Yesを操作すると、クライアント2の指定したHDD(主記憶媒体9)に図4に示すような整然とした形態で関連文書もコピーされる。即ち、指定した文書“A”と、「Aの関連文書」というフォルダ名のフォルダが作成され、このフォルダ中に文書“A”の関連文書“B”“C”が存在する保存形態となる。なお、関連文書“B”“C”に関して、親文書又は子文書の区別はない。
従って、本実施の形態によれば、指定の文書をクライアント2のHDD(主記憶媒体9)に書き出す場合に、関連文書の文書ファイルも併せて書き出すことで、HDD(主記憶媒体9)を参照する上でも関連文書に関する情報が欠落してしまうとがなく、関連文書も有効に参照できる。特に、図4に示すように指定文書と関連文書とが整然とした形態で保存されているので、当該指定文書に対する関連文書の存在が明確であり、関連文書を利用しやすい。また、関連文書も指定文書と同様に、実データファイルの形式で格納されているので、関連文書を参照する上で、サーバ1側のデータベースにアクセスする必要がなく、クライアント2自身のHDD(主記憶媒体9)を参照すればよく、参照時の動作レスポンスが向上する。
本発明の第二の実施の形態を図5及び図6に基づいて説明する。第一の実施の形態で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する(以降の各実施の形態でも順次同様とする)。
文書管理システム及び文書管理アプリケーションを起動させた場合にサーバ1及びクライアント2の各々の制御部により実行される本実施の形態の処理制御例(一部に操作も含む)を図5に示す概略フローチャートを参照して説明する。
まず、クライアント2側におけるステップC1〜C4の処理・操作は同様である。ここに、本実施の形態では、関連文書もコピーする旨の選択操作を行った場合(C4のY)、サーバ1に対して関連文書中の子文書の文書データの要求(C11)により、子文書のリスト作成を要求する。サーバ1側では、この要求を受けて、自己のデータベースに保存されている関連文書のリンク情報を参照して、子文書のリストを作成し(S11)、作成した関連文書の子文書の文書データ(実データファイル)をクライアント2側に送信させる(S12)。このステップS11,S12の処理を含むステップC11の処理がクライアント2側からみた場合の子文書に関する関連文書取得手段又は関連文書取得機能として実現されている。
また、クライアント2側では子文書の文書データの要求後、HDD(主記憶媒体9)に「関連文書」用のフォルダ及びこのフォルダ内に「子文書」用のフォルダを作成し(C12)、サーバ1側からの子文書の文書データの送信(S12)を待つ。サーバ1側からの関連文書の文書データが送信されたら、HDD(主記憶媒体9)に「関連文書」用のフォルダ中の「子文書」用のフォルダに子文書のデータ(実データファイル)をコピーさせる(C13)。ステップC12,C13の処理により子文書用の関連文書保存手段又は関連文書保存機能が実現されている。
引き続き、サーバ1に対して関連文書中の親文書の文書データの要求(C14)により、親文書のリスト作成を要求する。サーバ1側では、この要求を受けて、自己のデータベースに保存されている関連文書のリンク情報を参照して、親文書のリストを作成し(S13)、作成した関連文書の親文書の文書データ(実データファイル)をクライアント2側に送信させる(S14)。このステップS13,S14の処理を含むステップC14の処理よりクライアント2側からみた場合の親文書に関する関連文書取得手段又は関連文書取得機能が実現されている。
また、クライアント2側では親文書の文書データの要求後、HDD(主記憶媒体9)に「関連文書」用のフォルダ内に「親文書」用のフォルダを作成し(C15)、サーバ1側からの親文書の文書データの送信(S14)を待つ。サーバ1側からの関連文書の文書データが送信されたら、HDD(主記憶媒体9)の「関連文書」用のフォルダ中の「親文書」用のフォルダに親文書のデータ(実データファイル)をコピーさせる(C16)。ステップC15,C16の処理が親文書用の関連文書保存手段又は関連文書保存機能として実現されている。
このような処理制御例を、クライアント2側での操作手順に従い、図6を参照して説明する。
(a)サーバ1のデータベース上から所望する任意の文書“A”をクライアント2のHDD(主記憶媒体9)にコピーする。
(b)ディスプレイ11に「関連文書もコピーしますか?」というメッセージボックスが表示されるので、そのYes,Noの何れかのボタンを操作する。
(c)Yesを操作し、子文書、親文書の順に順次文書データを要求すると、クライアント2の指定したHDD(主記憶媒体9)に図6に示すような整然とした形態で関連文書もコピーされる。即ち、指定した文書“A”と、「Aの関連文書」というフォルダ名のフォルダが作成され、このフォルダ中に「親文書」「子文書」各々のフォルダも分別して作成され、「親文書」のフォルダには文書“A”の親文書なる関連文書“B”“C”が存在する保存形態となり、「子文書」のフォルダには文書“A”の子文書なる関連文書“D”“E”が存在する保存形態となる。
従って、本実施の形態による場合も、基本的には第一の実施の形態の場合と同様であるが、特に、関連文書が「親文書」「子文書」各々のフォルダに分別されて保存されるので、関連文書の関係が親文書であるか子文書であるかが直ぐにわかり、関連文書をより一層参照しやすくなる。
本発明の第三の実施の形態を図7及び図8に基づいて説明する。文書管理システム及び文書管理アプリケーションを起動させた場合にサーバ1及びクライアント2の各々の制御部により実行される本実施の形態の処理制御例(一部に操作も含む)を図7に示す概略フローチャートを参照して説明する。
まず、クライアント2側におけるステップC1〜C4の処理・操作は同様である。ここに、本実施の形態では、関連文書もコピーする旨の選択操作を行った場合(C4のY)、サーバ1に対して関連文書中の子文書のショートカットファイルの要求(C21)により、子文書のリスト作成を要求する。サーバ1側では、この要求を受けて、自己のデータベースに保存されている関連文書のリンク情報を参照して、子文書のリストを作成し(S21)、作成した関連文書の子文書のショートカットファイルを作成し、そのショートカットファイルをクライアント2側に送信させる(S22)。このステップS21,S22の処理によりサーバ1におけるショートカット作成手段が実現され、ステップC21の処理によりクライアント2側からみた場合の子文書に関するショートカットファイル形式での関連文書取得手段又は関連文書取得機能が実現されている。
また、クライアント2側では子文書のショートカットファイルの要求後、HDD(主記憶媒体9)に「関連文書」用のフォルダ及びこのフォルダ内に「子文書」用のフォルダを作成し(C22)、サーバ1側からの子文書のショートカットファイルの送信(S22)を待つ。サーバ1側からの子文書のショートカットファイルが送信されたら、HDD(主記憶媒体9)に「関連文書」用のフォルダ中の「子文書」用のフォルダに子文書のショートカットファイルをコピーさせる(C23)。ステップC22,C23の処理により子文書に関するショートカットファイル形式での関連文書保存手段又は関連文書保存機能が実現されている。
引き続き、サーバ1に対して関連文書中の親文書のショートカットファイルの要求(C24)により、親文書のリスト作成を要求する。サーバ1側では、この要求を受けて、自己のデータベースに保存されている関連文書のリンク情報を参照して、親文書のリストを作成し(S23)、作成した関連文書の親文書のショートカットファイルを作成し、そのショートカットファイルをクライアント2側に送信させる(S24)。このステップS23,S24の処理がサーバ1におけるショートカット作成手段として実現され、ステップC24の処理によりクライアント2側からみた場合の親文書に関するショートカットファイル形式での関連文書取得手段又は関連文書取得機能が実現されている。
また、クライアント2側では親文書のショートカットファイルの要求後、HDD(主記憶媒体9)に「関連文書」用のフォルダ内に「親文書」用のフォルダを作成し(C25)、サーバ1側からの親文書のショートカットファイルの送信(S24)を待つ。サーバ1側からの親文書のショートカットファイルが送信されたら、HDD(主記憶媒体9)に「関連文書」用のフォルダ中の「親文書」用のフォルダに親文書のショートカットファイルをコピーさせる(C26)。ステップC25,C26の処理により親文書に関するショートカットファイル形式での関連文書保存手段又は関連文書保存機能が実現されている。
このような処理制御例を、クライアント2側での操作手順に従い、図8を参照して説明する。
(a)サーバ1のデータベース上から所望する任意の文書“A”をクライアント2のHDD(主記憶媒体9)にコピーする。
(b)ディスプレイ11に「関連文書のショートカットもコピーしますか?」というメッセージボックスが表示されるので、そのYes,Noの何れかのボタンを操作する。
(c)Yesを操作し、子文書、親文書の順にショートカットファイルを要求すると、クライアント2の指定したHDD(主記憶媒体9)に図8に示すような整然とした形態で関連文書もコピーされる。即ち、指定した文書“A”と、「Aの関連文書」というフォルダ名のフォルダが作成され、このフォルダ中に「親文書」「子文書」各々のフォルダも分別して作成され、「親文書」のフォルダには文書“A”の親文書なる関連文書“B”“C”の各々のショートカットファイルが存在する保存形態となり、「子文書」のフォルダには文書“A”の子文書なる関連文書“D”“E”の各々のショートカットファイルが存在する保存形態となる。
これらの関連文書についてのショートカットファイルは、文書管理アプリケーションがインストールされているクライアント2の環境下では、これらのショートカットファイルを通じてサーバ1のデータベース中の実データファイルにアクセスして参照することが可能である。
従って、本実施の形態によれば、関連文書をショートカットファイルの形式でHDD(主記憶媒体9)に保存するので、関連文書に関する情報をサーバ1側からダウンロードする上でそのデータ量が実データファイルの場合に比べて少なくて済み、ダウンロードに要する動作レスポンスを向上させることができるとともに、HDD(主記憶媒体9)中に占める関連文書のデータ量を減らすことができる。また、関連文書の実データファイルへのアクセスが必要な場合には、上述のように、クライアント2に文書管理アプリケーションがインストールされているので、ショートカットファイルを通じてサーバ1側へアクセスすることにより確保できる。
なお、本実施の形態では、親文書と子文書とを分別する形態への適用例としたが、第一の実施の形態の場合と同様に、親子文書を特に分別としない場合でも、ショートカットファイル方式は同様に適用できる(以降の実施の形態でも同様である)。
本発明の第四の実施の形態を図9ないし図11に基づいて説明する。関連文書の保存に関して、前述の第二の実施の形態では一律に実データファイル形式、第三の実施の形態では一律にショートカットファイル形式で保存させるようにしたが、本実施の形態では、ユーザの選択操作に応じて、実データファイル形式とショートカットファイル形式とを任意に選択指定できるように構成したものである。
文書管理システム及び文書管理アプリケーションを起動させた場合にサーバ1及びクライアント2の各々の制御部により実行される本実施の形態の処理制御例(一部に操作も含む)を図9に示す概略フローチャートを参照して説明する。
まず、クライアント2側におけるステップC1〜C4の処理・操作は同様である。ここに、本実施の形態では、関連文書もコピーする旨の選択操作を行った場合(C4のY)、サーバ1に対して関連文書中の親子文書のリストの要求(C31)により、親子文書のリスト作成を要求する。サーバ1側では、この要求を受けて、自己のデータベースに保存されている関連文書のリンク情報を参照して、親子文書のリストを作成し(S31)、作成した関連文書の親子文書のリストをクライアント2側に送信させる(S32)。このステップS31,S32の処理を含むステップC31の処理によりクライアント2側からみた場合の関連文書取得手段又は関連文書取得機能が実現されている。
また、クライアント2側では親子文書のリストの要求後、ディスプレイ11において、「書き出し方法の選択」のダイアログを表示させ(C32)、ユーザによる書き出し方法の選択操作を待つ(C33)。この場合の「書き出し方法の選択」のダイアログは、例えば、図10に示すようなものであり、ここでは、親文書、子文書毎に、実データファイル形式で書き出すか、ショートカットファイル形式で書き出すかが選択設定自在とされている。図示例では、関連文書“B”“C”“D”“E”に関して、関連文書“B”“D”は実データファイル形式、関連文書“C”“E”はショートカットファイル形式が選択設定されている例を示している。これらのステップC32,C33の処理・操作により選択手段又は選択機能が実現されている。
また、クライアント2側では書き出し方法の選択操作に並行して、HDD(主記憶媒体9)に「関連文書」用のフォルダ及びこのフォルダ内に「親文書」用のフォルダを作成し(C34)、サーバ1側に親文書の実データファイル(文書“B”)を要求し(C35)、その文書データの送信(S33)を待つ。サーバ1側からの親文書の実データファイル(文書“B”)が送信されたら、HDD(主記憶媒体9)に「関連文書」用のフォルダ中の「親文書」用のフォルダに親文書の実データファイル(文書“B”)をコピーさせる(C36)。ステップC36の処理により親文書用の関連文書保存手段又は関連文書保存機能が実現されている。
引き続き、サーバ1側に親文書のショートカットファイル(文書“C”)を要求する(C37)。サーバ1側では、この要求を受けて、親文書のショートカットファイル(文書“C”)を作成し(S34)、そのショートカットファイル(文書“C”)をクライアント2側に送信させる(S35)。これらのステップS34,S35の処理によりショートカット作成手段が実現されている。クライアント2側では、サーバ1側から親文書のショートカットファイル(文書“C”)が送信されたら、HDD(主記憶媒体9)に「関連文書」用のフォルダ中の「親文書」用のフォルダに親文書のショートカットファイル(文書“C”)をコピーさせる(C38)。ステップC38の処理により親文書用の関連文書保存手段又は関連文書保存機能が実現されている。
さらに、HDD(主記憶媒体9)に「関連文書」用のフォルダ内に「子文書」用のフォルダを作成し(C39)、サーバ1側に子文書の実データファイル(文書“D”)を要求し(C40)、その文書データの送信(S36)を待つ。サーバ1側から子文書の実データファイル(文書“D”)が送信されたら、HDD(主記憶媒体9)に「関連文書」用のフォルダ中の「子文書」用のフォルダに子文書の実データファイル(文書“D”)をコピーさせる(C41)。ステップC41の処理により子文書用の関連文書保存手段又は関連文書保存機能が実現されている。
引き続き、サーバ1側に子文書のショートカットファイル(文書“E”)を要求する(C42)。サーバ1側では、この要求を受けて、子文書のショートカットファイル(文書“E”)を作成し(S37)、そのショートカットファイル(文書“E”)をクライアント2側に送信させる(S38)。これらのステップS37,S38の処理によりショートカット作成手段が実現されている。クライアント2側では、サーバ1側から子文書のショートカットファイル(文書“E”)が送信されたら、HDD(主記憶媒体9)に「関連文書」用のフォルダ中の「子文書」用のフォルダに子文書のショートカットファイル(文書“E”)をコピーさせる(C43)。ステップC43の処理により子文書用の関連文書保存手段又は関連文書保存機能が実現されている。
このような処理制御例を、クライアント2側での操作手順に従い、図11を参照して説明する。
(a)サーバ1のデータベース上から所望する任意の文書“A”をクライアント2のHDD(主記憶媒体9)にコピーする。
(b)ディスプレイ11に「関連文書のショートカットもコピーしますか?」というメッセージボックスが表示されるので、そのYes,Noの何れかのボタンを操作する。
(c)Yesを選択操作すると、今度は、図10に示すような「書き出し方法の選択」のダイアログがディスプレイ11に表示されるので、親文書、子文書の各々について、実データファイル形式で書き出すか、ショートカットファイル形式で書き出すかを適宜選択設定する。
(d)選択設定後、OKボタンを押すと、各々の選択設定に従って関連文書のデータがサーバ1側から読み出され、クライアント2の指定したHDD(主記憶媒体9)に図11に示すような整然とした形態で関連文書もコピーされる。即ち、指定した文書“A”と、「Aの関連文書」というフォルダ名のフォルダが作成され、このフォルダ中に「親文書」「子文書」各々のフォルダも分別して作成され、「親文書」のフォルダには文書“A”の親文書なる関連文書“B(実データファイル)”“C(ショートカットファイル)”が存在する保存形態となり、「子文書」のフォルダには文書“A”の子文書なる関連文書“D(実データファイル)”“E(ショートカットファイル)”が存在する保存形態となる。
これらの関連文書中のショートカットファイルは、文書管理アプリケーションがインストールされているクライアント2の環境下では、これらのショートカットファイルを通じてサーバ1のデータベース中の実データファイルにアクセスして参照することが可能である。
従って、本実施の形態によれば、ユーザの必要性に応じて、関連文書として書き出す文書のファイル形式を実データファイルとするかショートカットファイルとするかを任意に設定でき、ユーザ嗜好に則した、動作レスポンスと扱うデータとの最適化を図ることができる。即ち、使用頻度が高いと思われる関連文書に関しては、実データファイル形式を指定して保存させることで、その実データファイルはクライアント2側のHDD(主記憶媒体9)に存在することとなり、以後、同じデータをサーバ1側から取得する必要がなくなり、当該関連文書を参照する場合の同士レスポンスが向上する。逆に、使用頻度が低いと思われる関連文書に関しては、ショートカットファイル形式を指定して保存させることで、通信ネットワークを経由するデータ量が少なくて済み、書き出し動作(ダウンロード)に要する動作レスポスを向上させることができるとともに、クライアント2側のHDD(主記憶媒体9)のデータ使用量が軽微で済むこととなる。
本発明の第五の実施の形態を図12ないし図13に基づいて説明する。関連文書の保存に関して、前述の第三の実施の形態では、ユーザの選択操作に応じて、実データファイル形式とショートカットファイル形式とを任意に選択指定できるように構成したが、本実施の形態では、サーバ1において過去の参照頻度が高い文書(関連文書)はユーザの必要性が高い文書であるとの認識の下に、参照頻度に応じて実データファイル形式とショートカットファイル形式との何れで書き出すかの判断(選択)をサーバ1側において自動的に行わせるように構成したものである。
文書管理システム及び文書管理アプリケーションを起動させた場合にサーバ1及びクライアント2の各々の制御部により実行される本実施の形態の処理制御例(一部に操作も含む)を図12に示す概略フローチャートを参照して説明する。
まず、クライアント2側におけるステップC1〜C4の処理・操作は同様である。ここに、本実施の形態では、関連文書もコピーする旨の選択操作を行った場合(C4のY)、サーバ1に対して関連文書中の親文書の文書データの要求(C51)により、親文書のリスト作成を要求する。サーバ1側では、この要求を受けて、自己のデータベースに保存されている関連文書のリンク情報を参照して、親文書のリストを作成する(S51)。
引き続き、当該親文書に対する参照回数をチェックする(S52)。サーバ1内部において各文書毎に過去何回参照されたかの履歴により管理されている。ちなみに、複数のクライアント2がある場合、各クライアント2毎にログオン入力時にアカウントが入力され、各文書を参照した場合にそのダウンロードしたもの(クライアント)がわかるので、クライアント毎に参照回数を管理することも容易である。この参照回数がユーザ設定による閾値、例えば、5回を超えている場合には(S52のY)、使用頻度が高い文書であると判断され、当該親文書に関しては実データファイルを作成させる(S53)。一方、この参照回数が5回に達していない場合には(S52のN)、使用頻度が低い文書であると判断され、当該親文書に関してはショートカットファイルを作成させる(S54)。これらの処理が親文書リスト分の全てについて同様に繰返される(S55)。これらのステップS52〜S55の処理よりファイル形式選択手段が実現されている。その後、これらの親文書の実データファイル(例えば、文書“B”)とショートカットファイル(例えば、文書“C”)とをクライアント2側に送信させる(S56)。
また、クライアント2側では親文書のデータ要求後、HDD(主記憶媒体9)に「関連文書」用のフォルダ及びこのフォルダ内に「親文書」用のフォルダを作成し(C52)、サーバ1側からのファイルの送信(S56)を待つ。サーバ1側からのファイルが送信されたら、HDD(主記憶媒体9)に「関連文書」用のフォルダ中の「親文書」用のフォルダに親文書の実データファイル(例えば、文書“B”)とショートカットファイル(例えば、文書“C”)とをコピーさせる(C53)。ステップC52,C53の処理により親文書に関する関連文書保存手段又は関連文書保存機能が実現されている。
さらに、サーバ1に対して関連文書中の子文書の文書データの要求(C54)により、子文書のリスト作成を要求する。サーバ1側では、この要求を受けて、自己のデータベースに保存されている関連文書のリンク情報を参照して、子文書のリストを作成する(S57)。
引き続き、当該子文書に対する参照回数をチェックする(S58)。即ち、サーバ1内部において各文書毎に過去何回参照されたの履歴により管理されている。この参照回数がユーザ設定による閾値、例えば、5回を超えている場合には(S58のY)、使用頻度が高い文書であると判断され、当該子文書に関しては実データファイルを作成させる(S59)。一方、この参照回数が5回に達していない場合には(S52のN)、使用頻度が低い文書であると判断され、当該子文書に関してはショートカットファイルを作成させる(S60)。これらの処理が子文書リスト分の全てについて同様に繰返される(S61)。これらのステップS58〜S61の処理よりファイル形式選択手段が実現されている。その後、これらの子文書の実データファイル(例えば、文書“D”)とショートカットファイル(例えば、文書“E”)とをクライアント2側に送信させる(S62)。
また、クライアント2側では子文書のデータ要求後、HDD(主記憶媒体9)の「関連文書」用のフォルダ内に「子文書」用のフォルダを作成し(C55)、サーバ1側からのファイルの送信(S62)を待つ。サーバ1側からのファイルが送信されたら、HDD(主記憶媒体9)に「関連文書」用のフォルダ中の「子文書」用のフォルダに子文書の実データファイル(例えば、文書“D”)とショートカットファイル(例えば、文書“E”)とをコピーさせる(C56)。ステップC55,C56の処理により子文書に関する関連文書保存手段又は関連文書保存機能が実現されている。
このような処理制御例を、クライアント2側での操作手順に従い、図13を参照して説明する。
(a)サーバ1のデータベース上から所望する任意の文書“A”をクライアント2のHDD(主記憶媒体9)にコピーする。
(b)ディスプレイ11に「関連文書のショートカットもコピーしますか?」というメッセージボックスが表示されるので、そのYes,Noの何れかのボタンを操作する。
(c)Yesを選択操作すると、関連文書のリストが作成され、各々の文書の参照回数がチェックされる。即ち、サーバ1内部に過去何回各々の文書を参照したかの履歴があり、関連文書“B”“D”に関しては各々5回以上の参照履歴があったものとする。この参照回数が閾値5回に達しているか否かに応じて、関連文書は実データファイル形式又はショートカットファイル形式でクライアント2側に送信される。
(d)クライアント2の指定したHDD(主記憶媒体9)に図13に示すような整然とした形態で関連文書もコピーされる。即ち、指定した文書“A”と、「Aの関連文書」というフォルダ名のフォルダが作成され、このフォルダ中に「親文書」「子文書」各々のフォルダも分別して作成され、「親文書」のフォルダには文書“A”の親文書なる関連文書“B(実データファイル)”“C(ショートカットファイル)”が存在する保存形態となり、「子文書」のフォルダには文書“A”の子文書なる関連文書“D(実データファイル)”“E(ショートカットファイル)”が存在する保存形態となる。
これらの関連文書中のショートカットファイルは、文書管理アプリケーションがインストールされているクライアント2の環境下では、これらのショートカットファイルを通じてサーバ1のデータベース中の実データファイルにアクセスして参照することが可能である。
従って、本実施の形態によれば、基本的に第四の実施の形態の場合と同様な効果が得られるが、特に、本実施の形態においては、実データファイル形式で保存するかショートカットファイル形式で保存するかがサーバ1側での判断・選択により自動的に行われるので、ユーザが選択する手間を省くことができる。
本発明の第六の実施の形態を図14及び図15に基づいて説明する。本実施の形態では、関連文書の保存に関して、最初は一律にショートカットファイル形式で保存させるが、その後、ショートカットファイルを使用して関連文書の参照があった場合には実データフィルに置き換えるようにしたものである。
文書管理システム及び文書管理アプリケーションを起動させた場合にサーバ1及びクライアント2の各々の制御部により実行される本実施の形態の処理制御例(一部に操作も含む)を図14に示す概略フローチャートを参照して説明する。
まず、クライアント2側におけるステップC1〜C4の処理・操作は同様である。ここに、本実施の形態では、関連文書もコピーする旨の選択操作を行った場合(C4のY)、サーバ1に対して関連文書中の子文書のショートカットファイルの要求(C61)により、子文書のリスト作成を要求する。サーバ1側では、この要求を受けて、自己のデータベースに保存されている関連文書のリンク情報を参照して、子文書のリストを作成し(S71)、作成した関連文書の子文書のショートカットファイルを作成し、そのショートカットファイルをクライアント2側に送信させる(S72)。このステップS71,S72の処理によりサーバ1におけるショートカット作成手段が実現され、ステップC61の処理によりクライアント2側からみた場合の子文書に関するショートカットファイル形式での関連文書取得手段又は関連文書取得機能が実現されている。
また、クライアント2側では子文書のショートカットファイルの要求後、HDD(主記憶媒体9)に「関連文書」用のフォルダ及びこのフォルダ内に「子文書」用のフォルダを作成し(C62)、サーバ1側からの子文書のショートカットファイルの送信(S72)を待つ。サーバ1側からの子文書のショートカットファイルが送信されたら、HDD(主記憶媒体9)に「関連文書」用のフォルダ中の「子文書」用のフォルダに子文書のショートカットファイルをコピーさせる(C63)。ステップC62,C63の処理により子文書に関するショートカットファイル形式での関連文書保存手段又は関連文書保存機能が実現されている。
引き続き、サーバ1に対して関連文書中の親文書のショートカットファイルの要求(C64)により、親文書のリスト作成を要求する。サーバ1側では、この要求を受けて、自己のデータベースに保存されている関連文書のリンク情報を参照して、親文書のリストを作成し(S73)、作成した関連文書の親文書のショートカットファイルを作成し、そのショートカットファイルをクライアント2側に送信させる(S74)。このステップS73,S74の処理によりサーバ1におけるショートカット作成手段が実現され、ステップC64の処理によりクライアント2側からみた場合の親文書に関するショートカットファイル形式での関連文書取得手段又は関連文書取得機能が実現されている。
また、クライアント2側では親文書のショートカットファイルの要求後、HDD(主記憶媒体9)の「関連文書」用のフォルダ内に「親文書」用のフォルダを作成し(C65)、サーバ1側からの親文書のショートカットファイルの送信(S74)を待つ。サーバ1側からの親文書のショートカットファイルが送信されたら、HDD(主記憶媒体9)に「関連文書」用のフォルダ中の「親文書」用のフォルダに親文書のショートカットファイルをコピーさせる(C66)。ステップC65,C66の処理により親文書に関するショートカットファイル形式での関連文書保存手段又は関連文書保存機能が実現されている。
このような関連文書の保存処理後、任意の時点で、HDD(主記憶媒体9)のフォルダ内にある関連文書“B”のショートカットファイルを指定して文書を開く操作が行われると(C67)、サーバ1側に対して関連文書“B”の実データファイルを要求する(C68)。サーバ1側ではこの要求を受けて、データベース内にある関連文書“B”の実データファイルをクライアント2側に送信する(S75)。クライアント2側ではこのファイル送信を受けて、関連文書“B”の実データファイルをHDD(主記憶媒体9)の「関連文書」用のフォルダ内の「親文書」用のフォルダ内にコピーする(C69)。併せて、この「親文書」用のフォルダ内にあった関連文書“B”のショートカットファイルを削除する(C70)。これらのステップC69,C70の処理により置き換え処理手段又は置き換え処理機能が実現されている。さらに、HDD(主記憶媒体9)の「関連文書」用のフォルダ内の「親文書」用のフォルダ内に保存した関連文書“B”の実データファイルの内容をディスプレイ11に表示させ(C71)、ユーザに提示する。
このような処理制御例を、クライアント2側での操作手順に従い、図15を参照して説明する。
(a)サーバ1のデータベース上から所望する任意の文書“A”をクライアント2のHDD(主記憶媒体9)にコピーする。
(b)ディスプレイ11に「関連文書のショートカットもコピーしますか?」というメッセージボックスが表示されるので、そのYes,Noの何れかのボタンを操作する。
(c)Yesを操作し、子文書、親文書の順にショートカットファイルを要求すると、クライアント2の指定したHDD(主記憶媒体9)に図15(a)に示すような整然とした形態で関連文書もコピーされる。即ち、指定した文書“A”と、「Aの関連文書」というフォルダ名のフォルダが作成され、このフォルダ中に「親文書」「子文書」各々のフォルダも分別して作成され、「親文書」のフォルダには文書“A”の親文書なる関連文書“B”“C”の各々のショートカットファイルが存在する保存形態となり、「子文書」のフォルダには文書“A”の子文書なる関連文書“D”“E”の各々のショートカットファイルが存在する保存形態となる。
これらの関連文書についてのショートカットファイルは、文書管理アプリケーションがインストールされているクライアント2の環境下では、これらのショートカットファイルを通じてサーバ1のデータベース中の実データファイルにアクセスして参照することが可能である。
(d)その後、任意の時点で、例えば“Bのショートカットファイル”を指定して文書を開くと、その文書が開かれる(実データファイルがサーバ1から取り込まれる)。これに対応して、「親文書」のフォルダの親文書なる関連文書“B”はショートカットファイルから実データファイルに置き換えられる。
従って、本実施の形態によれば、当初は一律にショートカットファイル形式で関連文書を保存するので、扱うデータ容量が少なくて済む。その後、必要が生じて、ショートカットファイルを使用して関連文書を参照した時点で、実データファイルへの置き換え、即ち、データダウンロードの遅延処理を行わせるので、以降は、当該関連文書についてはクライアント2のみで直接参照でき、参照時の動作レスポンスが向上する。即ち、実際の参照状況に応じた実データファイルへの置き換えが可能となる。
本発明の第七の実施の形態を図16ないし図18に基づいて説明する。本実施の形態では、任意の指定文書の保存に関して、最初はショートカットファイル形式で保存させるが、その後、ショートカットファイルを使用して当該文書の参照が所定回数(例えば、3回)以上あった場合には実データフィルに置き換えてHDD(主記憶媒体9)に保存し、かつ、依然としてショートカットファイルでHDD(主記憶媒体9)の実データフィルを参照できるようにしたものである。
即ち、本実施の形態では、ショートカットファイルのプロパティを表示させたとき、図16(a)に示すような状況になっていることを想定している。まず、ショートカットファイルは、「リンク先」「参照回数」の2つの情報を持っている。リンク先には、当該文書の実データフィルへのパスが書かれており、ショートカットファイルを開いた場合、リンク先に示された文書が開かれる。また、参照回数には、このショートカットファイルを開いた回数が書き込まれる。図16(a)に示す例では、2回参照されたことを示している。
文書管理システム及び文書管理アプリケーションを起動させた場合にサーバ1及びクライアント2の各々の制御部により実行される本実施の形態の処理制御例(一部に操作も含む)を図17及び図18に示す概略フローチャートを参照して説明する。
まず、ショートカットファイル形式での保存処理について、図17を参照して説明する。クライアント2において、サーバ1のデータベースに保存されている文書中における任意の所望の文書を選択し、「ショートカットを作成」コマンドを実行させることで(C81)、サーバ1に対して選択文書のショートカットファイルを要求する(C82)。サーバ1側ではこの要求を受けて、選択文書のショートカットファイルを作成し(S81)、サーバ1のデータベースに保存されている実データファイルへのリンク先を書き込んで(S82)、クライアント2側に送信させる(S83)。クライアント2側ではこのショートカットファイルの送信を受けて、指定のHDD(主記憶媒体9)にショートカットファイルをコピーし保存させる(C83)。ステップC81,C83の処理によりショートカット取得手段又はショートカット取得機能が実現されている。
その後、任意の時点でショートカットファイルを使用して文書を参照した場合の処理制御について、図18を参照して説明する。まず、クライアント2において、ショートカットファイルを選択して「文書を開く」コマンドを実行させた場合(C91)、選択されたショートカットファイルは3回以上開かれたことがあるかの参照回数がチェックされる(C92)。3回未満の場合には(C92のN)、選択文書の実データファイルをサーバ1側に要求する(C94)。サーバ1側ではこの要求を受けて、選択文書の実データファイルを作成し(S91)、クライアント2側に送信させる(S92)。クライアント2は、この実データファイルの送信を受けると、指定のHDD(主記憶媒体9)に選択文書の実データファイルをコピーする(C95)。さらに、ショートカットファイルのリンク先を当該クライアント2内の選択文書をの実データファイルを保存した個所に変更して保存する(C96)。これらのステップC95,C96の処理により置き換え処理手段又は置き換え処理機能が実現されている。そして、選択文書の実データファイルを開き、ディスプレイ11に表示させることで(C97)、ユーザに提示する。
一方、参照回数が3回以上の場合には(C92のY)、ショートカットファイルのリンク先がクライアント2のHDD(主記憶媒体9)にある選択文書の実データファイルになっているので、クライアント2のHDD(主記憶媒体9)にある選択文書の実データファイルを直接開き、ディスプレイ11に表示させることで(C93)、ユーザに提示する。
このような処理制御例を、クライアント2側での操作手順に従い、図16を参照して説明する。
(a)任意の文書“A”を選択し、クライアント2のHDD(主記憶媒体9)にショートカットファイルを作成する。
(b)(a)で作成したショートカットファイルを開く。
(c)ショートカットファイルを開いた回数が3回未満であれば、サーバ1にある実データファイルをクライアント2にコピーし、コピーした文書を表示させる。一方、ショートカットファイルを開いた回数が3回以上であれば、クライアント2のHDD(主記憶媒体9)にある実データファイルを直接開き、表示させる。
即ち、図16(a)に示した例では、参照回数が3回未満であるため、ショートカットファイルのリンク先はサーバ内の実データファイルを指しているが、参照回数が3回以上になるとその文書は頻繁に参照されるものとして、実データファイルがサーバ1からクライアント2にコピーされる。ショートカットファイルのリンク先の情報も、図16(b)に示すように、サーバ1からクライアント2にコピーされた実データファイルの保存個所に自動的に書換えられる。このショートカットファイルを使用して選択文書を参照すれば、リンク先がクライアント2の実データファイルの保存個所となるため、サーバ1側からダウンロードするより文書へのアクセス(動作レスポンス)が速くなる。
従って、本実施の形態によれば、或る選択文書をクライアント2のHDD(主記憶媒体9)に書き出そうとする場合、当初はショートカットファイルの形式で書き出すが、その後にショートカットファイルを使用する頻度が高ければ、実データファイルがクライアント2のHDD(主記憶媒体9)に書き出されてショートカットファイルのリンク先もHDD(主記憶媒体9)となるので、サーバ1側にアクセスしなくても実データファイルを参照できることとなり、以降の動作レスポンスが向上する。また、使用頻度の低い文書については、ショートカットファイルの形式で書き出されたままとなるので、クライアント2側でのHDD(主記憶媒体9)のデータ使用量が軽微で済む。
本発明の第八の実施の形態を図19ないし図21に基づいて説明する。前述の第七の実施の形態の場合には、ショートカットファイルのリンク先が切換えられるため、実データファイルがサーバ1側とクライアント2側とに2つ存在することとなり、2つの実データファイル間に差異が生ずる可能性があることから、本実施の形態では、ショートカットファイルのリンク先情報として2つ併記可能とし、サーバ1側とクライアント2側とで併用させることで、ユーザトリガによって2つの実データファイル間の同期をとれるように構成したものである。
即ち、本実施の形態では、ショートカットファイルのプロパティを表示させたとき、図19(a)に示すような状況になっていることを想定している。まず、ショートカットファイルは、「サーバへのリンク先」「クライアントへのリンク先」の2つの情報を持っている。各々のリンク先には、当該文書の実データフィルへのパスが書かれており、ショートカットファイルを開いた場合、リンク先に示された文書が開かれる。図19(a)に示す例では、クライアント2には実データファイルがまだコピーされておらず、サーバへのリンク先のみが書かれた状況を示している。
文書管理システム及び文書管理アプリケーションを起動させた場合にサーバ1及びクライアント2の各々の制御部により実行される本実施の形態の処理制御例(一部に操作も含む)を図20及び図21に示す概略フローチャートを参照して説明する。
ショートカットファイル形式での保存処理について、図17に示した場合と同じであるので、図示及び説明を省略する。その後、ショートカットファイルを開いた場合において、そのショートカットファイルにクライアントへのリンク先がない場合の処理例について図20を参照して説明する。まず、クライアント2において、所望のショートカットファイルを選択し、「文書を開く」のコマンドを実行させると(C101)、そのショートカットファイルに関して「クライアント内のリンク先」に情報が存在するか否かがチェックされる(C102)。この「クライアント内のリンク先」に情報が存在しない場合には(C102のN)、選択文書の実データファイルをサーバ1側に要求する(C103)。サーバ1側ではこの要求を受けて、選択文書の実データファイルを作成し(S101)、クライアント2側に送信させる(S102)。クライアント2は、この実データファイルの送信を受けると、指定のHDD(主記憶媒体9)に選択文書の実データファイルをコピーする(C104)。さらに、ショートカットファイルのリンク先として当該クライアント2内の選択文書の実データファイルを保存した個所をクライアント内のリンク先として併記してショートカットファイルに登録する(C105)。これらのステップC104,C105の処理により置き換え処理手段又は置き換え処理機能が実現されている。そして、選択文書の実データファイルを開き、ディスプレイ11に表示させることで(C106)、ユーザに提示する。
一方、そのショートカットファイルにクライアントへのリンク先がある場合には、図21に示すように、クライアントの文書(実データファイル)の更新が選択されなければ(C107のN)、クライアント内のリンク先の情報に従い、クライアント2のHDD(主記憶媒体9)にある選択文書の実データファイルを直接開き、ディスプレイ11に表示させることで(C110)、ユーザに提示する。
さらに、そのショートカットファイルにクライアントへのリンク先があっても、クライアントの文書(実データファイル)の更新が選択された場合には(C107のY)、選択文書の実データファイルをサーバ1側に要求する(C108)。サーバ1側ではこの要求を受けて、選択文書の実データファイルを作成し(S103)、クライアント2側に送信させる(S104)。クライアント2は、この実データファイルの送信を受けると、指定のHDD(主記憶媒体9)に選択文書の実データファイルをコピーする(C109)。即ち、上書きする。そして、この上書きされた選択文書の実データファイルを開き、ディスプレイ11に表示させることで(C106)、ユーザに提示する。
このような処理制御例を、クライアント2側での操作手順に従い、図19を参照して説明する。
(a)任意の文書“A”を選択し、クライアント2のHDD(主記憶媒体9)にショートカットファイルを作成する。
(b)(a)で作成したショートカットファイルを開く。
(c)ショートカットファイルに図19(a)に示す如くクライアント内のリンク先情報がない場合には、サーバ1にある文書(実データファイル)がクライアント2にコピーされ、コピーされたクライアント内のファイルデータが表示される。同時に、そのクライアントの実データファイルへのリンク先の情報が図19(b)に示す如くショートカットファイルに登録され、処理を終了する。ショートカットファイルに図19(b)に示す如くクライアント内のリンク先情報がある場合には、次の(d)以降の処理を実行する。
(d)「クライアントの文書を更新しますか?」のメッセージがディスプレイ11に表示されるので、ユーザはYes,Noの何れかを選択する。
(d)Yesを選択した場合には、サーバ1にある文書(実データファイル)をクライアント2にコピーし(上書き)、上書きしたその文書を表示させる。Noを選択した場合には、クライアント内のリンク先情報に従いクライアント内に保存されている実データファイルにアクセスしてその文書を表示させる。
従って、本実施の形態によれば、基本的には第七の実施の形態の場合と同様な効果が得られるが、特に、本実施の形態においては、ショートカットファイルがサーバへのリンク先とクライアント内のリンク先との2つのリンク先を併有しているので、クライアント2内にある文書の実データファイルがサーバ1内にある文書の実データファイルに比べて古くなった場合には、ショートカットファイルにてサーバ1側にアクセスして実データファイルを取得し、クライアント2内にある実データファイルを上書きにより更新することで、サーバ1側の実データファイルとの更新時期の同期を取ることができる。
本発明の第九の実施の形態を図22ないし図24に基づいて説明する。本実施の懈怠では、前述の第八の実施の形態に対して、サーバ1側とクライアント2側との双方に文書情報の更新日時の管理機能を持たせ、管理される更新日時の比較により、クライアント2側の文書の更新を自動的に行わせるようにしたものである。
即ち、本実施の形態では、ショートカットファイルのプロパティを表示させたとき、図22(a)に示すような状況になっていることを想定している。まず、ショートカットファイルは、「サーバへのリンク先」「クライアントへのリンク先」の2つの情報とともに、クライアント2のHDD(主記憶媒体9)に格納されている文書に関する更新日時の情報を持っている。各々のリンク先には、当該文書の実データフィルへのパスが書かれており、ショートカットファイルを開いた場合、リンク先に示された文書が開かれる。図19(a)に示す例では、クライアント2には実データファイルがまだコピーされておらず、サーバへのリンク先のみが書かれて状況を示している。更新日時の情報としては、クライアント2のHDD(主記憶媒体9)に格納された文書に関する最新の更新日時が表示される。一方、特に図示しないが、サーバ1内においては、そのデータベース上で各文書(実データファイル)についてその文書が更新登録される毎にその更新日時が付加され登録されることにより管理される(サーバ側更新日時管理手段)。
ショートカットファイル形式での保存処理について、図17に示した場合と同じであるので、図示及び説明を省略する。その後、ショートカットファイルを開いた場合において、そのショートカットファイルにクライアントへのリンク先がない場合の処理例について図23を参照して説明する。まず、クライアント2において、所望のショートカットファイルを選択し、「文書を開く」のコマンドを実行させると(C101)、そのショートカットファイルに関して「クライアント内のリンク先」に情報が存在するか否かがチェックされる(C102)。この「クライアント内のリンク先」に情報が存在しない場合には(C102のN)、選択文書の実データファイルをサーバ1側に要求する(C103)。サーバ1側ではこの要求を受けて、選択文書の実データファイルを作成し(S101)、クライアント2側に送信させる(S102)。クライアント2は、この実データファイルの送信を受けると、指定のHDD(主記憶媒体9)に選択文書の実データファイルをコピーする(C104)。さらに、ショートカットファイルのリンク先として当該クライアント2内の選択文書の実データファイルを保存した個所をクライアント内のリンク先として併記してショートカットファイルに登録する(C110)。このステップC111の処理の際、そのデータを登録した現在時刻をクライアント文書の更新日時の情報としてショートカットファイルに書き込む。これらのステップC104,C110の処理により置き換え処理手段又は置き換え処理機能が実現されている。また、ステップC110の処理によりクライアント側更新日時管理手段又は更新日時管理機能が実現されている。そして、選択文書の実データファイルを開き、ディスプレイ11に表示させることで(C106)、ユーザに提示する。
一方、そのショートカットファイルにクライアントへのリンク先がある場合には、図24に示すように、サーバ1側で管理されているサーバ1内の実データファイルの更新日時の情報を取得するためにサーバ1に要求する(C111)。この要求に応じてサーバ1側から選択文書に関するサーバ1内での更新日時の情報を取得すると(S105)、クライアント文書の更新日時と取得したサーバ側の更新日時とを比較することにより、クライアント2側の文書がサーバ1側の文書よりも新しいか若しくは同じであるかをチェックする(C112)。このステップC112の処理により比較手段又は比較機能並びに取得先選択手段又は取得先選択機能が実現されている。
この比較の結果、クライアント2側の更新日時の方が新しい又は同じである場合には(C112のY)、クライアント内のリンク先の情報に従い、クライアント2のHDD(主記憶媒体9)にある選択文書の実データファイルを直接開き、ディスプレイ11に表示させることで(C116)、ユーザに提示する。
一方、比較の結果、サーバ1側の更新日時の方が新しい場合には(C112のN)、選択文書の実データファイルをサーバ1側に要求する(C113)。サーバ1側ではこの要求を受けて、選択文書の実データファイルを作成し(S106)、クライアント2側に送信させる(S107)。クライアント2は、この実データファイルの送信を受けると、指定のHDD(主記憶媒体9)に選択文書の実データファイルをコピーする(C114)。即ち、上書き更新する。併せて、ショートカットファイルにあるクライアント文書の更新日時を上書き更新した現在日時に更新する(C115)。そして、この上書き更新された選択文書の実データファイルを開き、ディスプレイ11に表示させることで(C116)、ユーザに提示する。
このような処理制御例を、クライアント2側での操作手順に従い、図22を参照して説明する。
(a)任意の文書“A”を選択し、クライアント2のHDD(主記憶媒体9)にショートカットファイルを作成する。
(b)(a)で作成したショートカットファイルを開く。
(c)ショートカットファイルに図22(a)に示す如くクライアント内のリンク先情報がない場合には、サーバ1にある文書(実データファイル)がクライアント2にコピーされ、コピーされたクライアント内のファイルデータが表示される。同時に、そのクライアントの実データファイルへのリンク先の情報が図22(b)に示す如くショートカットファイルに登録され、処理を終了する。この時、クライアント文書の更新日時として現在日時が登録される。ショートカットファイルに図22(b)に示す如くクライアント内のリンク先情報がある場合には、次の(d)以降の処理を実行する。
(d)サーバ1側にある文書の更新日時とクライアント2側にある文書の更新日時とを比較する。
(e)比較の結果、サーバ1側の更新日時の方が新しい場合には、サーバ1にある文書(実データファイル)をクライアント2にコピーし(上書き更新)、上書きしたその文書を表示させる。クライアント2側の更新日時の方が新しい又は同じである場合には、クライアント内のリンク先情報に従いクライアント内に保存されている実データファイルにアクセスしてその文書を表示させる。
従って、本実施の形態によれば、基本的に前述した第八の実施の形態の場合の効果が得られるが、特に、サーバ1側にある文書の更新日時とクライアント2側にある文書の更新日時とを管理し、それらの更新日時を比較することにより、自動的に、常に新しい更新日時の方の実データファイルがクライアント2に登録されるようにしたので、ユーザの判断操作によることなく、常に最新の文書を参照することができる。